浴びるほど桑田の歌に負けた~(オダギリジョー)いいえ婚カツに勝った~(長澤まさみ)
・・・というわけで「ぼくの妹」のレビューです。・・・どんなわけかは聞かないでください。
「婚カツ!」は脚本家が戻り、安定しているが眠くなる展開。新登場の山口紗弥加(29)は金子杏里(35)という役である。これが「結婚を前提としたおつきあい」をスピーディーに求めるのだが・・・中居正広(36)が演じる雨宮邦之(34)が煮え切らない態度で応じ破局である。雨宮は「三ヶ月以内に結婚しないと仕事をクビになる」という事情があるので渡りに舟なのにである。理由は「相手が年上で急ぎすぎるから」だ。・・・もう一発撲りたくなるキャラ造形である。金子は釈由美子が演ずる村瀬とキャラがかぶっている。要するに条件絶対主義である。要するに「条件」をつけすぎて「自分の価値」が下がると相手が誰でも良くなるという話である。雨宮に片思いの飛騨(上戸彩)はアパレルという業種にこだわり、決まった正社員を蹴ってフリーターを選択。そんな愚かな女に誰がしたのか。まあ、今、そこにある危機に目をつぶり、遠くの未来を見据える。短期的な利益に目がくもり、長期的視野を欠く。この二つの違いを人はなかなかに理解せず、今日も明日も失っていくのだな。
「桑田佳祐の音楽寅さん」(フジテレビ)では珠玉の空耳アビイ・ロードである。桑田佳祐言いたい放題です。その底力に脱帽。まあ・・・清志郎さんにせよ、桑田さんにせよ、おちょっくって政治を歌うのは所詮、ミュージシャンの戯言ですが・・・戯言以下の政治状況という考え方もあるわけです。まあ、「カム・トゥギャザー」で「公明党ブラザー」、「ビコーズ」で「民主党」とかやはりニヤニヤしちゃいますけどねーっ。このタイミングでこのオンエア・・・弔歌か弔歌なのですかーっ。
で、『ぼくの妹・第3話』(TBSテレビ090503PM9~)脚本・池畑俊策、演出・加藤新を見た。「ハゲタカ」の再放送に伴ってEUからの論客ジャック・アタリのインタビューがオンエアされているわけだが、その論理は「個人の自由」と「市場の原理」の信奉である。世界が進歩するためには資本主義経済が正しく、人類が幸福であるためには個人の自由を保障する民主主義が必要である。しかし、「自由」と「平等」は対立する概念であるから調整が必要なのは言うまでもない。それは「世界的なルール作り」が大切で、そのルール作りは経験豊富なEUさらに言えばフランスにおまかせくださいという姿勢なので眉にツバをつけて聞く必要があります。
このように言い分というものは誰にもあって・・・耳を傾ければそれなりに理解できる意味は含んでいる。しかし・・・絶対に譲れないラインというものがあり・・・それをお互いが張り合うのが競争というものだ。武力に訴えれば戦争である。
日本人は基本的に最後の手段を奪われて、全世界にすがりながら生きているだけに・・・絶対に譲れない一線があることを常に意識するべきだろう。賢く、相手の言葉に耳を傾けるものほど、オレオレ詐欺の餌食になるということをだ。
今、不幸な自分に酔う男・九鬼(千原ジュニア)に脅迫されて、怯えつつ盟(オダギリジョー)は人間にとってもっとも大切な言葉を念ずるのである。
「でも、あんたは間違ってる」
これです。これが大切です。
盟は身から出た錆で・・・大学病院の若き秀才外科医という恵まれたポジションを省みず、身元不明の怪しい女・桐原(ともさかりえ)と成り行きで一夜を共にしてしまい、「自由恋愛(無料)」より高いものはないということを身を持って知るわけです。
事後・・・たちまち申し込まれる借金三百万円、お金を借りた妹・颯(長澤)の妻子ある愛人・瀬川弁護士(田中哲司)の調査で・・・桐原の借金理由はまったくの虚偽と判明。
よせばいいのにノコノコと高いビルの屋上で待ち合わせ・・・やはり女に騙されていたと分ると興奮して逃亡・・・しかし女との一夜の思い出を忘れがたく・・・屋上に戻るとすでに女は謎の墜死を遂げていた。
えーっです。
しかも・・・その現場には妹の颯もいて・・・なんらかの事情を知っている九鬼登場です。
自称・桐原の婚約者です。
颯を呼び出してバッティングセンターで守備特訓プレーです。
その言い分は・・・「オレと桐原の兄は同郷のよしみで仲良しだった。オレたちはただの田舎者で都会じゃロクな仕事はない。そこで従事したのが下水道のメンテナンス作業だ・・・オレたちがいなくなれば・・・トイレだって洗濯だってみんな困る・・・だからオレたちは縁の下の力持ちだと誇りを持って仕事をしてきた。ところが上流で嵐が起こり下水道は氾濫、俺たちは汚濁流に飲み込まれ、生死を分けた。ところがオレが瀕死の桐原の兄を助けて下水道を脱出すると地面の上の奴らはのほほんとしてやがった。オレは地上人間と下水人間は違う生き物だと知ったのさ。桐原の兄は低酸素症で植物人間となり二年後に死んだ。妹に残ったのは看病のために使った借金300万円。見かねたオレはサラ金から300万円借りて肩代わりした。今度はオレが取り立てに追われる身さ・・・それを見かねた桐原はあんたから借金することを思いついた。オレは反対したよ・・・あの日も借金を止めるつもりで・・・桐原が殺された場所に行ったんだ・・・お涙頂戴ありがとう」
その話を聞かされた盟は「あんたの気持ちは分るけど・・・」とつい言ってしまいます。これは禁句です。相手の気持ちをいちいち理解していたら疲れちゃいますからーっ。
当然、「オレの気持ちがわかってたまるかー」とキレる九鬼。盟を下水道に監禁プレーです。九鬼は基本的にプレー好きです。
なんとか脱出した盟は・・・下水道で働く人々が地上の人たちを見る視線をまたもや理解した気分になるのですが・・・大切な言葉を思い出すのです。
「だけどあんたは間違ってる」・・・です。その後は「地上で暮らしている人々は陽の当たる場所にいるようだけどそれぞれの事情を抱えて・・・心に日陰があるかもしれないじゃないか・・・」と言うようなことを言いますが・・・それは建前で本音は・・・。
「一発、300万円は高すぎ・・・だろ」
ではないかと妄想します。これは前日「魔女裁判」でキャバクラ嬢(末永遥)が実はソープ嬢であった過去をばらされそうになって怯えるシーンが後を引いている可能性があります。その違いってなんだよ。だから目くそ鼻くそを笑うって言うだろう。だけどミソとクソを一緒にするなとも言うぜ。じゃ、あれかグラビアモデルとAV女優を一緒にするなってことかよ。おいおい、一緒じゃねえよ。だってオナペットはオナペットだろう。セックス処理産業はセックス処理産業じゃねえか・・・おい・・・ちょっと裏まで来いやぁぁぁぁぁ。
失礼しました。関係各者には謹んでお詫び申し上げます。
実は・・・早くに両親を失い・・・苦労したのは同じ江上兄妹・・・桐原兄妹の哀れな境遇には同情することこの上なかったのです。流れから言えば正直に話しても金貸したよね。そうすると盟と九鬼は義理の兄弟になったのか。いや・・・そりゃ義理じゃなくて穴・・・ちょっと地下まで来いやぁぁぁぁぁ。
失礼しました。ともかく・・・桐原の死にはまだ謎が残されている模様。
そしてそれには颯がからんでいる模様。
まだ・・・つまらないグダグダは続く模様です。
「臨場」の検視官チーム呼べば一発解決じゃないのかよ。
ともかく・・・事件の暗がりは櫻井のじいさん(大滝秀治)が一発解決してくれるといいですね。
「うちのホンカン」河西公吉ついに復活か・・・。
「まあ・・・落ち着いて・・・みんな・・・ちょっとした勘違いでな・・・面白い幸せをつまらない不幸にしてしまうものなんです・・・さ・・・まず・・・一服しましょうよ・・・桐原さんは・・・きっと先生の方を好きになってしまったんじゃ・・・だけどそれでは九鬼くんに申し訳ない・・・それであんなことをして・・・でもやはり・・・好きになった人に嫌われるのは辛くて・・・もう・・・仕方なかったんじゃろ・・・誰が悪いわけじゃない・・・すべては昭和枯れすすきの呪いです」
てな風に丸く収まる日曜劇場を心の底から希望します。
関連するキッドのブログ『第一話のレビュー』
火曜日に見る予定のテレビ『アタシんちの男子』『白い春』(フジテレビ)『ザ・ライバル』(NHK総合)・・・また微妙なことを・・・。
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
キッドさん、こんにちは~♪♪
TBがちーとも貼れません、
九鬼の仕業でしょうか。
本日は母親と食事しようと
実家の近くまで出てきました、
が、早く着きすぎて
ネットカフェです。
空気がこもっています。
感染力の強い病気の細菌は
すぐにでも体内に侵入するかと思われ。
爆笑レビューありがとうございました。
スパム大量襲来覚悟でのことでしょうか、
そのサービス精神、
流石と書いてさすがです。
大滝さんに説得されて
事件解決されたら、
誰も反論できないまま、
うやむやになったまま、
もやもやしたまま、
すべてがお茶に濁されたまま、
各々が各々の日常生活に戻り
平和が訪れそうですね。
おそるべし。
九鬼のキャラのうざさ、
やっと出なくなった蕁麻疹再来します、
おそるべし日曜の夜。
投稿: ヤマト | 2009年5月 5日 (火) 12時40分
☆*⋄◊✧◇✧◊⋄*ヤマト様、いらっしゃいませ*⋄◊✧◇✧◊⋄*☆
ふふふ、TBは届いてすますよ。
しかし、貼れたり貼れなかったり
安定しませんな。
それに対してスパムは
どうしてこんなものが・・・というものまで
届くので・・・テクノロジーおそるべしです。
豚インフルエンザは弱毒性の模様で
免疫という観点から
弱毒の間に罹患、自然なワクチン効果。
強毒性に変異しても安全・・・
という考え方もあり
早い者勝ちです。
先物取引です。
しかし変異で免疫が無効になる可能性もあり
取引失敗になる可能性もあります。
世界はどこまでいっても
ギャンブル性に満ちているのでございます。
男と女の出会いもギャンブル。
生ものと消化器の出会いもギャンブル。
そばにするかうどんにするかもギャンブル。
全人類所詮ギャンブラーなのでございました。
密集地帯ではマスク、そして小まめな
水分補給が肝心ですぞ。
まあ・・・人を怨むことが
恥ずかしいことだ
という洗脳が進んでいる社会では
怨むことの美しさが疎外されがちですが
盟に恋人を寝取られた九鬼という
構図ではただ哀れを催します。
九鬼の因縁のつけ方が
見当違いなところがまた恥ずかしいのですな。
それにしても江上兄妹
兄は貧しいカップルを壊し
妹は弁護士夫婦の家庭を壊す・・・。
基本、悪いのは浮気な女や
浮気な亭主なのですが
オダジョーとまさみの兄妹じゃなあ・・・。
多くの男女が勝てないわなぁ・・・。
君子危うきに近寄らずという意味が
これほど明らかな話はないのでございます。
投稿: キッド | 2009年5月 6日 (水) 07時03分