帰ってくるのか?それともゴッドハンド輝セブン?(水川あさみ)
基本的に1クールは13本である。これに4をかけると52になり、それに7をかけると364になる。
トランプならジョーカーを加えて365である。
まあ、最後の1は元旦で国民の休日である。
4は四季であり、7日は一週間で、一つの季節は13週、一年は52週なのだ。
だから、週一回でワン・シーズンなら13本なのである。
しかし、実際の編成は番組改変期という特殊な期間を生じさせるので・・・最近の連続ドラマは全10~12回であることが普通である。もちろん、そういうものは一種の暗黙の了解なので、番組をどういうサイズにするかは作り手の思惑次第である。大河ドラマは1年ものだし、「相棒」なんかは半年ものだったりする。
で、TBSが最近お試ししているのがハーフ・シーズンものである。全5~6回くらいで終了。「セーラー服と機関銃」とか「パパとムスメの7日間」とか・・・利点は失敗しても傷口が小さいということだが、そもそも失敗ばかりしているからそういう発想なのかもしれない。
長期シリーズの利点はなんといっても馴染みの深さである。しかし・・・そこまで深い付き合いを求めるものには様々なコンテンツが発生していて・・・なかなか競争に勝てないわけである。
まあ・・・まもなく息の根を止められるアナログテレビの命が息もたえだえだから・・・という視点もあります。
で、『ゴッドハンド輝・最終回(全6回)』(TBSテレビ090516PM0756~)原作・山本航暉、脚本・深沢正樹、演出・下山天を見た。説明しよう。主人公の輝(平岡祐太)は瀕死の患者を目の前にすると、胸の痣が光輝き、死んだ父親の魂と輝の魂が合体してスーパードクターに変身するのである。そして、死んだ患者さえもゴッドハンドによって蘇生させることが可能となるのだ。こうして輝は患者を救って救って救いまくるのだ。
・・・という小学生低学年向けドラマである。さて、小学生低学年にだってピンからキリまであり、大人になっても小学生低学年の精神で生きているものもあるので、深くは説明しません。なんとなくご了承ください。
だから・・・ある意味、荒唐無稽のところもあるが・・・それなりに面白いドラマだったのである。
最終回のテーマは古典的な「医術は算術か、仁術か」という主題であり・・・最後は「命に値段はつけられないが・・・最後にものをいうのは3億円だ」という無難な結論に達する。
なにしろ・・・会員制病院(入会費1000万円)とある時払いの催促なしの病院が生き残りを賭けて戦うという壮大な物語なのだが・・・ハーフ・シーズン・ドラマなので最終回は驚くほどに消化不良の大手術なのである。
第1コーナー・・・先週の続きで難しい手術をする輝。変身して超速度技術を使い無事患者を助ける。
第2コーナー・・・敵の病院に奪われた患者が粗雑な治療のためにピンチに陥ったために侵入処置。裏切って敵についた医師やナースたちの心を揺さぶる。
第3コーナー・・・敵の病院内で水難事故が発生。すでに死亡した子供を変身した輝は気合と根性で蘇生させる。裏切りものたちの心にも光が注入されるのだ。
第4コーナー・・・爆発事故が発生。患者が大量発生。人手不足で困難なときに裏切りものたちが心を入れ替えて救援にくる。
第5コーナー・・・敵の黒幕である一族の娘ドクター(水川)と輝の淡い恋愛
第6コーナー・・・敵の買収工作で正義の病院が解体のピンチに。しかし・・・昔、治療した富豪が3億円をポンと寄付してくれたので正義の病院はスタッフと患者一同歓喜の歌。
第7コーナー・・・敵の中ボスが心臓発作で倒れる。もちろん、輝が救命。「命には敵も味方もない・・・」と輝が宣言するためである。
まあ・・・とにかく・・・様々な事情でこのドラマは駆け抜けていったのである。
その夜、「ER」で繰り広げられたドラマは・・・指名手配中の女児誘拐犯が発見され、逮捕しようとした警官に発砲。やむなく、警官も発砲。犯人の銃が暴発し・・・結果として銃創を負った・・・犯人1、警官1、被害者の女児1である。
ERでの検査の結果・・・女児には性的暴行の痕跡があり・・・女児は犯人に恐怖でコントロールされていた気配が濃厚。女児の親は病院に急行しつつある。電話で母親の声を聞いた女児はようやく安堵の声を漏らす。
事態を知ったドクターとナースたちは・・・犯人の治療に消極的になりかかるが職務を忠実に果たそうと努力する。
一方、女児の治療方針について最先端治療を主張するドクターと安全策を主張するドクターで意見の衝突がある。結果として間違った治療法の選択が行われ・・・女児は死亡。
事件の関係者で生存したのは犯人と警官だった。
その間も戦場のイラクに出張中のドクターは生死不明となり、病院に残る恋人のドクターの心を惑わせ、その友人のドクターはそうとは知らず未成年の女子と寝たために女子の父親に半殺しにされる。ドクターの一人は不良少年をお説教。治療を拒む大男は大暴れである。
女児のはかない終焉にいたたまれないヒロインのドクターは昔の恋人とキスを交わすのだった。
基本的には中学生卒業程度レベルのドラマだが・・・もちろん・・・大人も我を忘れるほどに楽しめるのである。
「ゴッドハンド輝」と「ER」の中間くらいのドラマには・・・来週スタートの「MR.BRAIN」がなりますようにと・・・お祈りしています。
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月曜日に見る予定のテレビ『ハンチョウ~神南署安積班』(TBSテレビ)『婚カツ!』(フジテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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