デビット伊東かよっ・・・今回のドラマにおいてキッドがもっとも衝撃だったのは白骨死体の正体がデビットだったことである。あの復元された顔は絶対、陣内孝則だと思っていたのに・・・。まあ・・・仲間由紀恵と喜多嶋舞の区別も、白石美帆と中山忍の区別もつかない・・・人の顔の判別ができないキッドだからな・・・しょうがないか。
さて・・・キッドは白骨死体は記憶障害のピアニストとは無関係だとも読んでいたのだが・・・これもまた・・・犯人はピアニスト(佐藤健)というオチだったのである。
何故、そう読んだかと言えばフィクションのリアルさ強調の仕掛けとして・・・こういう「手」を考えていたからである。
ドラマなどの物語では一つの事件が解決すると次の事件が始まるのが普通である。現実というものには事件の波があってすごく事件が重なるときとまったく何事もおこらないときがあったりするものだ。つまり、刑事たちは多忙だったり暇だったりするわけである。もちろん・・・さらに言えば事件が簡単に解決するとは限らないので刑事たちは年がら年中いそがしいという考え方もある。
だから・・・ドラマの中に現実っぽさを持ち込むために・・・前の事件が解決していないのに別の事件の幕が開く・・・という演出かと思い込んでいたのだった。もしもそうだったら・・・また無意味に手のこんだことを・・・と言えるからである。
そして死体が陣内孝則で犯人が仲間由紀恵なら「ありふれた奇跡」チームがゲストだと書けたのである。ヒトネタ損した気分なのです。
しかし、実際には今回、演出家が二人クレジットされたように・・・佐藤健がゲスト、山室大輔の演出による事件と仲間由紀恵がゲスト、福澤克雄の演出による事件はまったく別の事件でようするに佐藤健の事件の後編(解決編)と仲間由紀恵の事件の前編(予告編)の二本立てオンエアだったに過ぎないのだ。
連続ドラマだから釣りの手段としてそういう「手」があってもいいが・・・キッドは基本的に得策ではないと考える。
なぜなら・・・世の中には佐藤健の演じたピアニストのように記憶が一時間しかもたない障害者がいて・・・一時間なら起承転結を楽しむことができるが、一週間立つと起承(前編というフリ)を忘れてしまい、転結(後編というオチ)を見せられても途方にくれるからである。
つまり・・・中期記憶障害者に優しくない構成方法だと言えるのである。
あのピアニストは二時間サスペンスを楽しむことができないのに・・・一時間サスペンスも楽しませないのか・・・とキッドは哀れを催すのだった。
実際・・・最後に犯人をひっかけるトリックがカード・ゲームの「神経衰弱」だったり、最初の容疑者だったピアニスト→ピアニストの姉のウソの自白→八木仁→古い死体の発見→ピアニストの姉がまたまたウソの自白→結局、ピアニストは殺人犯というめぐる因果の輪を示す「パンドラの箱」だったりが・・・気の抜けたサイダーのようにお茶の間に出されてしまうのです。冷蔵庫にしまっても一週間経つと生ものは危険なのです。
で、『MR.BRAIN・第5回』(TBSテレビ090621PM0756~)脚本・蒔田光治・森下佳子、演出・山室大輔・福澤克雄を見た。非常に分りにくいかもしれないが、簡単に事件の経過をまとめておく。
7年前。将来を嘱望されたピアニスト・優は記憶障害を発症する。一時間しか記憶が持たないために事実を文字で記述するメモと感情を記憶する自作の楽譜を日記として姉・純(木村多江)と暮らす。
ある日、姉と見た星空があまりにも美しくその日に「ある曲」を作曲する。
5年前。連続強盗犯・西崎(デビッド)が優の家に侵入、純を襲う。優は姉を守るために西崎を殺害する。その日に作曲した曲を弾くと・・・優は過呼吸になる。そんな日に作曲しなければよかったのに。純は弟を庇い西崎の死体を解体してバラバラに遺棄し始める。
首は遺棄できたが、腕を遺棄する途中で八木仁に発見される。
八木は純を脅迫して優の曲を盗むようになる。
優の曲を「追憶」と題して八木が発表する。
「追憶」を聞いた優は名曲だと感動する。
純が弁護士の木下と婚約する。
事情を知った木下は脅迫者の八木と談判しに行って八木に殺害される。
八木は優を犯人に仕立て上げるために偽装工作をする。
優は木下殺人事件の容疑者になる。
優の捨てた西崎の白骨した頭部が発見される。
優を庇って純は自分を犯人に仕立てる偽装工作を行う。
九十九(木村)、由里(綾瀬)、丹原刑事(香川照之)、林田刑事(水嶋ヒロ)が捜査を開始して真実が明らかになる。
一件落着である。日々の記憶は失っても・・・純への愛を優は忘れなかったと九十九と由里は哀れな姉弟を慰める。
草臥れた九十九は河川敷に行き・・・そこで頭を休める。キッドはこのドラマはすべて昏睡中の九十九の見ている夢と妄想しているので九十九は夢の中で眠っている夢を見ているのである。
後半、九十九と由里はようやく出番を確保した行動科学担当の浪越研究員(井坂俊哉)と次なる殺人現場の再現をするのだが・・・ここで非常に危険な科学警察研究所の建築が明らかになる。落下の危険のある区画があるのである。断崖絶壁でたちすくむ夢をよく見るキッドは・・・夢だからな・・・とすごく納得しました。
さて・・・次の事件の前に・・・九十九は人間の脳が「色と形」を認識することで起こる心理的現象を「科学捜査の広報活動」の場で講演する。ストループ効果とは文字色と文字意味のように同時に目にする視覚的な情報が脳内で干渉することによって認識に及ぼすなんらかの作用のことである。認識に要する時間差の測定によってストループ効果の有無を示す。ちなみにストループとはこの効果を発見した研究者の名前である。
たとえば「あか」という情報よりも「あか」という情報の方が情報の受け手が「あか」を認識する速度が向上するとされている。「あか」という文字の情報と「文字色」の情報が一致することによって・・・「これは赤だ」と認識する速度が加速するのである。こういう場合を「ストループ効果があった」と言うのだった。ただし・・・それが犯罪捜査にどのように役立つのかは不明である。
これを応用して九十九は由里を実験台として「図形の意味」と「図形の色」のどちらを人間は優先するかという公開実験を行う。
人間のモラルを何よりも大切にするキッドにとっては非常にきわどいシーンであった。
まず・・・九十九は一切、被験者・由里の了解を取っていない。
実験は「女子トイレのマーク」を「女子トイレのマーク」にし、「男子トイレのマーク」を「男子トイレのマーク」にすることによって尿意を感じた由里が切迫した状況で男子トイレに入ってしまうように仕組むというものだった。
はっきり言ってセクハラである。
もちろん、親しい間の可愛い悪戯で・・・九十九がキスをしても由里は怒らないという意味でならそれは違うというかもしれない。
しかし、ここには神田研究員(設楽統)や夏目研究員(田中裕二)もからんでくる。
二人がキスしたら由里は怒ると思われるので・・・これは明らかにパワハラである。
さらに言えば、この実験を確実に成功させるためにはビールを飲ませるだけでは不確実だと予想されるためにあのビールには利尿剤が混入されていた可能性がある。
そうなればもはや犯罪ですから。
ドラマのやることにいちいち目くじらはたてないが、良い子のみんなは真似しないように。人間性が問われるからね。
さて、そういうスタッフのモラルの問題はさておき、この実験で示されるのは人間が情報を受けてそれを処理するための複雑な手続きというものです。
つまり・・・「赤」を「赤」と認識する情報の流れと「●」を「赤」と認識する情報の流れがあり、二つの情報の流れが干渉することにより、より素早く情報を認識できるという人間のシステムをストループ研究員は「ストループ効果」と名付けたということです。
つまり、「あか」より「あか」の方が赤っぽいということです。
キッドがあの会場の人々のようにこの実験に対してスタンディングオベーションする気になれないのは・・・「実験の素晴らしさ」という見た目よりも実験の裏に見える・・・デリカシーのない男たちの「セクハラっぽさ」を強く感じるわけですが・・・そういう場合には・・・「見た目」以外のなんらかの「情報」が「認識」に干渉しているという考え方もできます。
それはキッドがモラリストだからとは限りません。ある意味、歩くセクハラという人間であっても・・・過去にセクハラ行為の発覚によって痛い目にあっていれば「セクハラ認識力」が高まったりするわけです。
さて、モアレとは干渉縞(かんしょうじま)という意味です。本来は織物の規則正しい模様に生じる視覚的な想定外の縞模様を意味します。模様と模様の干渉作用により視覚的に発生する模様は波型模様とも木目模様とも水模様とも言います。デジタル写真などでも周波数のずれによって条件がそろうとこの縞模様が発生します。おそらく誰もがそれを目にしたことがあるでしょう。
これは模様(パターン)と模様(パターン)が組み合わさることで新たな模様(パターン)が生れてしまうということです。
キッドは人間の心はこのモアレのようなものではないかと考えることがあります。
神経細胞は分裂し、発達しながら、様々な刺激を受け、それを伝達処理していきます。
普通人間は、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚を通じて様々な情報を入手し、それを記憶することで内なる世界を構築していくわけです。そして・・・ある日、突然、自分というものを発見します。
キッドの知る限り、科学者たちは現在、人間がそれぞれ意識する「自分」というものを神経細胞のシステムの中に発見しようと研究を続けているのです。しかし・・・それが完全に解明されたことはまだない模様です。一人一人の人間の外側の世界の情報と・・・一人一人の人間の内側の世界の情報。その境界に「自分」がいるはずだと多くの研究者が考えています。
しかし、それはなかなか発見されない。キッドはそれは情報パターンと情報パターンの間に発生するモアレのようなものが「自分」というものだからではないかと思うのです。
前回、心がノイズだとキッドは思っていると表現したのですが・・・今回はそれを別の言い方で自分というものはモアレのようなものではないかと記しておきます。
それは心全体を示すモアレでもありますが・・・愛しながら殺したいと思うというような一瞬の複雑な感情もまた・・・モアレのように思えるからです。
モアレを知る人間は・・・意図せぬ心の動きをいぶかしみながら・・・「何故・・・こんなことになったんだ」と戸惑う心をモアレのように感じるはずだとキッドは考えます。
さて・・・脳科学者である九十九もまた脳内に生ずる意識というモアレを捜索する一人です。
彼は新たなる研究対象である多重人格かもしれない殺人事件の容疑者・秋吉かなこ(仲間由紀恵)に重大な興味を感じます。
それはなぜかといえば・・・脳内の活動を機械的に覗くことで研究を進める九十九にとって未だに発見できない脳内の自分というものを多重人格という特殊な脳を見ることによって解明できるかもしれないと考えるからである。
なぜなら、多重人格者が実在するとすればその人間には複数の「自分」がいることになるからだ。交代制多重人格を前提にすれば・・・人格の交替によって脳内の活動はどのように変化するのか。変化するとすれば・・・それは自分というシステムの研究にとってかなり貴重なデータを提供するはずだと九十九には予測できる。
さて・・・登場する秋吉かなこは15年前の誘拐事件で消息不明となった少女のDNAと指紋を持っていて・・・しかもそれがかってのかなこの恩師の殺害現場に残されていたことから・・・猟奇的な事件がスタートである。
ちなみに殺された松下を演ずるのは大沢逸美。ドラマ「ヤヌスの鏡」(1985)の二重人格のヒロインだ。時の流れを越えて多重人格の殺人者の犠牲になろうとはめぐる因果の糸車である。
一方、秋吉かなこは拳銃を所持、「空がみたかった」と言い放つと・・・残忍と言える手口で松下を殺害。その後、松下の死を懇ろに弔うと・・・たまたま現場にあった幕の内弁当を食べる。
その行動に九十九は・・・「三人いる・・・でも一人だ・・・だから多重人格だ・・・きゃほーっ」と激しく反応する。
その間にもかなこは由里と廊下でぶつかってニヤニヤし・・・ステーキの大食いレースに勝利し・・・そして第二の犠牲者に45口径の銃口を食わせるのだった。
おそらく、残忍な殺人者は「リング〇」の山村貞子なのであろう。そして死者への敬意を忘れず丁重に弔い泣き崩れるのは「ごくせん」のヤンクミこと山口久美子なのである。もちろん大食いチャンピオンは「トリック」の山田奈緒子であるに違いない。
売れ線のキャラがたくさんあるので多重人格を演じるのにはうってつけなのだった。
キッドとしては楽しいので奈緒子多めでお願いしたい。
ちなみに・・・九十九と由里、そして刑事の二人組というパターンは「トリック」そのまんまである。
果たして・・・九十九は・・・どう考えても長期の監禁虐待生活で・・・多重人格化したかなこの病める魂を救済できるのか。
某ドラマで先行した「トリック」「ごくせん」の相棒の生瀬勝久を軽く凌駕する最高の多重人格ものになるであろうことを信じて・・・来週をワクワクドキドキしながら待つのである。
・・・あ・・・結局釣られてるのかよっ。
関連するキッドのブログ『第4話のレビュー』
ごっこガーデン。憧れの河川敷で午睡セット。アンナ「じいやぁぁぁ、最初からどうみてもデビット伊東だぴょん。それはそうとこれからお昼寝をするので人口太陽を弱めにしてぴょん。紫外線カットモードでぬくぬく加減、時々そよ風にしてねーっ。ダーリンと河川敷でお昼寝は・・・最高のシェスタ、最高のバカンスなのしゅ~。アンナの脳内隠しポケットはダーリンへの愛でパンパンなのぴょん。もちろんそこ以外もほとんどたっくんダーリンで構成されています。もう遺伝子もTAKUYAで配列されているかもぴょん。アンナはダーリンにどんな意地悪悪戯されても大丈夫なのぴょ~ん。だってそれは愛の儀式なんでしゅもの~」エリ「アンナちゃんにつられてバナナを食べすぎたら・・・虫歯になったのでス~。虫歯だと思ったら内臓疾患ということもあるとじいやが大騒ぎして人間ドッグに監禁されましたyon!」まこ「歯医者は断固として拒否~。例によってザ・クイズショウを見てたので遅刻でしゅ~。最終回でしゅっきり~犯人は本間かいなそうかいな~」お気楽「なんで中途半端にするの?・・・まあ・・・血まみれの仲間ちゃんとアンナちゃんのダーリンの目力はサービスしておきます」くう「私もザ・クイズショウ組~。次は長瀬智也でスパイものか~。ちょっと楽しそう」ikasama4「やはり・・・別人格は貞子でしたね。まあ、仲間さんの貞子はこわさ控え目ですけど。デビさん早くも白骨化していたけど来週火曜日にも仏さんになってしまうのでは・・・モルモットとしての綾瀬さんはかわいさ最高潮ですよね」mari「開けてはいけないパンドラの箱の中身はなんじゃろな・・・ですね・・・それは脳の奥にしまわれた愛の記憶だったのかもしれません。九十九菌は善玉菌みたいです。ついでにヤヌスはローマ神話の扉の神。扉は双面だからですよ」シャブリ「虫歯の検診受けてくださいーっ。さて、今回のかなこの少女時代は・・・成海璃子ちゃんではなく・・・さすがにもうムリ~・・・まだ未調査なのでありました~松岡日菜ちゃん(10)かな」aki「ポカポカしてお昼寝日和ですね~、昼間からビールの季節です~ってどんな季節ですか。遅刻ですけど前回のことを忘れた人はおさらいしてください~」あんぱんち「ど、ど~ゆぅ、どっどっ、どうゆうことですか・・・しょうゆうこと(爆)・・・ビーチボーイズが豪華に感じるのは青春ど真ん中ストライクだからかしら・・・。でも多江さんも永遠にストライクよ~」
月曜日に見る予定のテレビ『ハンチョウ~神南署安積班』(TBSテレビ)『婚カツ!』(フジテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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