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2009年6月30日 (火)

愛おしき妹(オダギリジョー)麗しき兄(長澤まさみ)

ただいま・・・PM9頃である。ようやく管理人室に入室できました。

◇メンテナンス日時

 2009年06月30日(火)08:00~12:00

◇ご利用いただけなくなるサービス

トラックバック/コメントの受けつけ

だったのだが・・・

本日のココログメンテナンスについて、8:00~12:00を予定しておりましたが、終了時間を13:00まで延長させていただきます。

そして・・・

2009/06/30 13:38~
現在、ココログにおいて、サービスが正常にご利用できない状態が発生しております。現在も復旧に向けて対応継続中です。お客様にはご迷惑をおかけしておりますが、もうしばらくお待ちいただきますようお願いいたします。

である。記事にアクセスすると・・・

ページが見つかりません。

ブラウザで再読み込み(Reload)や再起動していただいても表示されない場合は、 URLが間違っているか、
ココログ開設者がココログを閉じた可能性があります。

腰が抜けるよ。

ようやく・・・PM5くらいに記事閲覧が復旧。

そして3時間・・・メンテナンス終了である。ココログの危機は忘れた頃にやってくるのでした。

読者の皆様、関係者の皆様、ご迷惑をおかけして本当に申し訳ありませんでした。

で、本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「スマイル」↗10.9%(まあ、内容から考えたら平均10.1%は松本潤の底力だな)、「妻よ!実録・松本サリン事件」13.5%(坂本弁護士殺害事件はまだかな?)、「必殺仕事人2009」13.9%(谷村美月熱演!拷問はやさしめ)、「MR.BRAIN」↗18.9%(かなこ事件はシリーズ屈指の出来だが・・・お茶の間に届かずか)、「ビニールシート」↘*5.2%(だからとっととフィールドへ行け)、「魔女裁判」↗*7.9%(比嘉愛未の緊縛サービスでなんとか・・・それ以外に見所なし)、「天地人」↘20.3%(まあ、駿河と遠江の区別もつかないドラマなんだけどな)、「ぼくの妹」↗*7.9%(平均も*7.9%ファンだけが残ったか・・・)・・・ついでに「ハンチョウ」↘10.7%(亀刑事登場だ・・・)、「婚カツ」↗10.5%(平均も10.5%・・・月9としてフタケタは死守か・・・)・・・以上。

で、『ぼくの妹・最終回』(TBSテレビ090628PM9~)脚本・池畑俊策、演出・金子文紀を見た。ココログ障害発生のために前フリ記事をこちらに書きました。興味のある方はご覧ください。さて、結局・・・妹がすごく好きな兄と・・・兄がすごく好きな妹の話である。オダジョーを兄に持つと・・・ブラコンになっちゃうし、長澤まさみが妹ならシスコンになっちゃうのは仕方ないという話だ・・・そんなことをずっとやられてもな・・・である。

盟(オダギリジョー)は行きずりの女(ともさかりえ)となんとなく一夜をともにしたり、その女から借金申し込まれたり、その女が事故死したり、勤務先の理事長の娘(笹本玲奈)に借金申し込んだり、プロポーズさせたり、田舎の病院の看護師(西原亜希)に押しかけられたり、口説かれたりしながら・・・のほほんと結婚できない男である。

颯(長澤)は妻子持ちの弁護士(田中哲司)と不倫交際したり、借金に追われて恐喝屋となった男(千原ジュニア)と同棲したり、ライオン丸Gでマザコンの庭師(波岡一喜)にプロポーズされたりしながら・・・結局、結婚しない女なのである。

颯は「恋愛はコリゴリ・・・」なんて言うのだが・・・結局、大好きなお兄ちゃんと温泉旅行に行くと・・・すっかりご機嫌なのである。

盟は妹の花嫁衣裳を見たりすると・・・激しく動揺するのだが・・・とにかく「心にフタをしまくる」のだった。

前回・・・「子供じみたささいな夢・・・父親のように田舎の開業医になる・・・」にフタができずに理事長の娘・春奈を泣かせて退場させた盟は・・・もう「妹をお嫁さんにする・・・という本当の欲望」についてはフタをしまくるのである。そのためにフタ不足になっているのが本当のところなのである。

まあ・・・世の中の兄たちはオダジョーのようになんとなくかっこいいタイプばかりでないし、世の中の妹たちの多くは長澤のようにかわいくてグラマーなわけでもない。

だから・・・本当にこの兄妹の心の底のいじましさは理解できないかもしれません。

一言で言えば・・・「ずっとおあずけ兄妹」なのである。・・・変態かっ。

だから・・・本当はもっと・・・恋なんて知らない少女時代の颯(鎗田千裕)が小さい体一杯に兄への盲目的な思慕を満たして「お兄ちゃん・・・私は明日の発表会・・・どっちの髪飾りをしたらいいかなー・・・選んでー」と走りよってきて息をハアハア切らしてる。

そんな「萌え」で満たされたドラマでよかったのになー・・・とキッドは遠い目で思います。

そのエピソードが少なすぎて・・・かくれんぼで行方不明とか柿泥棒で書籍を買うとかしかないのだ・・・それを目当てで見ていると九鬼と九鬼の父と九鬼の恋人の事故死だの臨終だの闘病だの・・・どうでもいいことばかりにつきあわされ・・・もう勘弁してよと涙目になるのである。

今回の波岡レベルのゲストで毎回、妹の好きな人がチェンジ、毎回、兄が負傷、毎回、幼い頃の思い出を回想というシチュエーション・コメディーにしてくれればよかったのになぁ・・・と思う今日この頃です。

まあ・・・「婚カツ」を押しのけてレビュー対象になっているのは・・・それなりに魅力的だったからなんですが・・・不完全燃焼ということではこんなに不完全燃焼なドラマもないですからーっ。

妹の素肌にジーンズもなかったしーっ。そこかよっ。

関連するキッドのブログ『第10話のレビュー

水曜日に見る予定のテレビ『新・警視庁捜査一課9係』(テレビ朝日)『俺たちは天使だ! NO ANGEL NO LUCK(テレビ東京)小野寺昭が出てるから続編だと言われてもな・・・まあ何かいいことあるのかもしれんが。ホーン・ユキとか・・・。ポワトリンとか。ないかもしれんがな・・・。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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2009年6月29日 (月)

あなただけほんまに大切やもん天地人(妻夫木聡)もうこっち来いや(長澤まさみ)

大河ドラマといえば主人公の年齢不詳はいつものことなのだが・・・今回はちょい悪坊や・妻夫木くんが主人公なので・・・いくつになっても甘ったれのイメージが続いています。

直江兼続は永禄3年(1560年)の生まれとされていますので、謙信の富山城攻め(1576年)で16才。御館の乱(1578年)で18才。直江家相続(1581年)で21才。家老就任(1584年)で24才。そして上洛し従五位下山城守となった現在(1586年)で26才である。

この後、豊臣姓を賜り豊臣兼続となるのが1588年で28才。ここで妻夫木聡の実年齢となるわけである。だから、現時点ではまだ若作りをしていることになる。ただし、戦国時代の見た目年齢と現代の見た目年齢をどう考えるかはそれぞれの教養の土台によって異なるだろう。名門・樋口家の一員で上杉家小姓を経て越後宰相になったという経歴を考えればそれほど辛酸をなめていないので若々しくてOKという考え方もあれば・・・越後半国の家老となって五年・・・もう少し貫禄ついていてもいいという考え方もある。

さて・・・ここから・・・小田原征伐(1590年)で30才。朝鮮出兵を経て佐渡金山代官就任(1595年)で35才。会津移封を経て関ヶ原の合戦(1600年)で40才である。もはや中年なのであるが・・・さてどうなるのか。とにかく時代は江戸時代となり、大阪の陣(1614年)で54才。さらに元和5年(1620年)で病死したのが60才である。

出会う女子が一目で恍惚となる兼続くんは・・・60才になってもあの前髪足らして若々しいヘアスタイルを維持しているのだろうか・・・。確認する日がくるのが恐ろしい気もするのです。

去年のドラマ的な篤姫(宮崎あおい)の老い方は見事だったよなぁ。

で、『天地人・第26回』(NHK総合090628PM8~)原作・火坂雅志、脚本・小松江里子、演出・一木正恵を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。「愛の詩人」についてのお言葉が「字」の一言。蔑みも拍車がかかってきました。そしてあらすじは三行・・・多めです。千利休の大予言・・・三成が・・・愛の詩人をしたくもない戦争に巻き込んでいく旗の模様です。「私たちの兼続」が積極的に戦なんかしない・・・という一部愛好家の戦略が見え隠れして反吐が出るわっ・・・でございます。早くも興味は再来年の大河「江姫」へ・・・。まあ・・・死を覚悟して兼続を愛する景勝とか・・・相当、気持ちを切り替えないと単なる「やおい」に見えたりしますけれどもーっ。秀吉と家康のタヌキ合戦とかは妙に定番ではっきり言って・・・そこだけ別ドラマですなーっ。レベルで言うと歴史バラエティーの再現ドラマ風にしかじいやには見えませんでしたーっ。今回もお口直しの必要な方は山県昌景の秘密をお楽しみください。

Tenchijin158603 で、天正14年(1585年)の上杉上洛の夏は続く。これに続く徳川上洛をめぐり、秀吉と家康の政治的駆け引きは熾烈を極めていくのである。秀吉は自分に自覚があったかどうかは別として平清盛の血を引いている。秀吉の関白就任とともに大政所と呼ばれることになる秀吉の母は関氏であり、関氏は平氏である。立身出世を強調するとともに徳川政権によって出生をかなり汚された気配のある豊臣氏である。秀吉の父は織田信秀の足軽大将である木下氏であり、大政所が夫の死後、嫁したのは信秀の文化顧問だった竹阿弥なのである。諸国行脚後の秀吉が信長の元で異例の出世を遂げるのは実は異例でもなんでもないという考え方がある。秀吉が同時代の武将たちと伍して並々ならぬ文化的素養を持っていたことは明瞭である。そして・・・大阪に拠点を作ったのは遺伝子のなせる技だと言っても過言ではないだろう。そこは平清盛が海外雄飛の夢を見た福原京の再来なのである。

それに対して・・・源氏である徳川家康が・・・秀吉の死後・・・豊臣家を滅亡に追いやる過程もまた源平合戦の再現となっていくのだ。

家康は東海(太平洋)に面した三国の主(もちろん甲斐と信濃もほぼ手中に治めている)として三河を岡崎城を出発点として、遠江の浜松城を経由し、駿河の駿府城を各国の拠点として考えた。この時点における要は浜松城であるが、最前線としてかって人質として過ごした今川家の居城・駿府城の改築を始めたのが前年である。この時点で家康は同盟中の隣国・北条氏との開戦を考えていたということである。駿府城は四年後に完成し、そして翌年には小田原征伐が始まる。家康の計画性・・・恐るべしである。

足軽大将の子として生まれ茶坊主に育てられた秀吉と君主の子として生まれ人質として育った家康。この二人の天才の駆け引きは余人の想像の範囲外にある。

秀吉は家康を親族として味方につけるため・・・関白の妹を嫁がせるという究極の政略結婚を展開する。家康は結婚には応じるが上洛は拒否。そのために秀吉は母を人質として追加するのである。家康は万策尽きて秀吉に臣従するのだった。

その駆け引きの途中・・・家康に嫁ぐための朝日姫の輿入れ列を狙うものがあった。秀吉・家康の手打ちを一刻でも遅らせたい九州の覇者・島津家の放った忍び集団・くぐり衆である。

秀吉の権力の最前線は大垣城にある。そこから緩衝地帯である尾張を経て三河に入れば家康の王国だった。織田信雄の支配する尾張が輿入れのためのもっとも難所と予想された。

輿入れ行列は秀吉の甥・秀次を名目上の奉行とするが、実際に指揮を司るのは甲賀忍び衆を率いる蒲生氏郷である。

行列の前後左右は秀吉自慢の鉄砲忍びが囲み、その周囲を騎馬武者、槍衆が護衛する。もちろん、さらにその外側には忍びが結界を張っている。

外側の護衛は土地を治める武将が連携して交替するが、中核の護衛陣は大阪・京・近江・尾張・三河・遠江まで朝日姫の輿を守護するのである。尾張・三河の国境からは徳川の侍衆がこれに加わる予定だった。

もちろん・・・家康の直忍びである服部半蔵影丸配下の草たちは尾張でも不測の事態に備えている。

朝日姫婚姻に同意した以上、秀吉、家康両者の面子のかかった警護なのである。

その鉄壁の護衛陣に無謀にも襲い掛かる薩摩・くぐり衆だった。

指揮をとるのはくぐり衆一のくのいち・普賢。

戦船で東海を渡ったくぐり衆は伊勢・長嶋に上陸すると先導する草(潜伏間者)に導かれ、大垣城から南下し、津島城から那古屋城へと東に進路を変えた輿入れ行列を追う。尾張領内は信長の整備で街道が発達し・・・複数のルートがあったが・・・行列の規模が大きいために主要路を選ばずを得ない。行列の行方を探知することは難しいことではなかった。というよりも慶事ということで派手に装われた花嫁行列は街道筋の評判になっていたのである。

普賢は探査のために放った忍びと合流しつつ、任務の成功を確信した。

「これが上方の戦か・・・たわいもない・・・」

側に控える巨体の忍び、不知火は同感の意を示し、笑みを浮かべた。

夏の陽射しが尾張の街道沿いの原野に注がれている。それがまだ中天に達する前に・・・くぐり衆は行列まで一里に迫っていた。

しかし、そこはすでに・・・朝日姫警護陣の内側だったのである。

不穏な気配の集団はすでに伊勢湾から目をつけられていた。そこは秀吉の海賊集・九鬼氏の縄張りであるから当然だった。

その見慣れぬ集団を伊勢の忍び衆が監視し・・・行動は逐一報告されていた。

朝日姫の輿の背後に控える馬上の蒲生氏郷に・・・甲賀忍びの長・伊庭貞時が駆け寄る。

「いかがした・・・」

「薩摩の田舎忍びどもが・・・仕掛けてまいりました・・・」

「なんと・・・それでは本気で朝日姫様を狙っておったのか・・・呆れたものよ」

「すでに忍び戦の始まりし模様・・・ご用心召されよ・・・」

蒲生氏郷は愉快そうに微笑んだ。その時・・・巨大な轟音が西南に生じた。

行列への突入体勢をとりつつあったくぐり衆に最初に襲い掛かったのは伊勢の滝川衆だった。一益に育てられた鉄砲忍びはすでに秀吉によって支配されている。百人ほどの鉄砲衆は集結しはじめたくぐり衆に一斉射撃を行った。

その瞬間、くぐり衆は散った。くぐり衆もまた基本的に鉄砲忍びである。日本に鉄砲が伝わったのが種子島である以上・・・その研鑽がもっとも進んでいるのは彼ら薩摩の忍びであるともいえた。彼らは鉄砲の弾丸ギバチの術を会得している。弾丸ギバチとは鉄砲の発射と射線を読み、鉄砲玉をかわす術である。

しかし、鉄砲忍びにはそのギバチを読んで、狙う交わし狙撃の術を使うものもいる。

二人のくぐつ衆が銃弾の餌食となった。しかし、驚愕はその次の瞬間に訪れた。残された二十人ばかりのくぐり衆が反撃に転ずると滝川鉄砲衆は一瞬で殲滅されてしまったのである。

すでに鉄砲を背負い、駆け出したくぐりのくのいち霧島が叫ぶ。

「見たか・・・薩摩乱れ筒」

くぐり衆は全員が射殺した滝川鉄砲衆の死体を踏み越えていく。

遠めで観戦していた服部半蔵影丸は息を飲んだ。

「一人で五人を・・・しかも一瞬でか・・・」

すでにくぐり衆は護衛の第二陣に殺到していた。

そこを守るのは蒲生配下の甲賀望月衆である。

滝川衆の最後を見たために散会遮蔽の構えで甲賀衆は突撃するくぐり衆に応ずる。しかし・・・甲賀衆の鉄砲はことごとくはずれ、くぐり衆は隠れた敵を確実に射殺していく。

望月衆の頭・山中の吉次は咆哮をあげると抜刀し、くぐり衆に斬り込む。

たちまち、複数の銃弾が吉次を襲うが、跳弾音を残して弾丸はそれていく。

「ふ・・・鉄砲鎧か・・・」くぐり衆のくのいちの一人、屋久島はつぶやくと銃を手槍に持ち返た。そして接近戦でくぐり衆の一人を倒した吉次に襲い掛かる。殺気を感じた吉次は半身を逸らし屋久島の必殺の槍をかわす。しかし、屋久島は攻撃の手を緩めない。槍は引かれては繰り出され、その動きには遅滞がない。まるで射線に身をさらしたように吉次は防戦一方となった。

吉次の息が乱れ、次の一撃をかわせぬと悟った瞬間、急激に殺意が消え、吉次は跳んで身を引く。

矢によって胸を刺し貫かれたくのいち屋久島は一筋の煙を引く。

戦陣の背後から氏郷の家来・吉田重秀が弓を取り爆雷矢を放っているのである。

屋久島は地面に倒れ伏すと爆砕された。

すでに周囲には血と人間の内臓が放つ死の匂いが広がっている。

吉田重秀の爆雷矢はくぐり衆の進撃をついに食い止めた。

と思えた瞬間・・・巨体の忍び・・・桜島と・・・巨体のくのいち・・・不知火が先頭に踊り出る。

吉田重秀は驚異的な速射で爆雷矢を二人の忍びに送り込む。

その時、吉田重秀は目の前が真っ赤に染まるのを見た。

爆雷矢を飲み込んだ巨大な火球がそのまま、吉田重秀を包み込む。

一瞬にして重秀は炭化した。

「見たか・・・」と桜島が叫ぶ。

「秘術・大火魂」と不知火が叫ぶ。

二人はそれぞれに超自然的な火の玉を行列に投げ込みながら・・・輿に走り寄る。

行列は大混乱に陥った。

その時、輿の廉があがった。通常よりかなり大きな輿であったが・・・その内側から現れたのは巨体の桜島や不知火よりもさらに巨大な朝日姫であった。朝日姫はニヤリと笑った。

「うるさいの・・・うまい(午睡)もさせてもらえぬのか」

次の瞬間、巾一尺の巨大な十字手裏剣が宙を舞った。

唸りをあげて滑空した手裏剣は桜島と不知火の首を胴体から切り離すと朝日姫の手元に戻っていく。朝日姫はそれを無造作に受けとめるとのっそりと輿に戻る。

やがて・・・行列は何事もなく進み始める。

呆然とそれを見送ったくぐり衆の普賢は包囲の輪が迫っていることに気がついた。

普賢は朝日姫の襲撃の失敗を悟る。しかし死地を感じた普賢の目は金色に輝きだした。

関連するキッドのブログ『第25話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『谷村美月の悪魔のゲーム』(日本テレビ)『沢村一樹のカイドク』(フジテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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2009年6月28日 (日)

ミスター・ブレイン秘密を暴く(木村拓哉)青空と暗闇のグリーフ(仲間由紀恵)私の愛した脳(綾瀬はるか)

偽装された多重人格オチである。

もちろん、批判を承知の上で言えば(トータス松本)、解離性同一性障害の精神鑑定を科学的に行うことは不可能なので・・・殺人犯かなこ(仲間)の精神がどういう状態であるのかは本人を含めて人それぞれの想像の範囲に留まるのである。

なにしろ自分が狂っているのかどうかさえも多くの人には判定不能なのである。

中途半端に発展した精神についての科学が法科学に導入され、「責任能力」などという実体のない概念を解釈しようとするにおよんで・・・法が困惑している現状がここにある。

ちなみに解離性同一性障害とはアメリカ精神医学会の定めた「精神障害ま診断と統計の手引き・第四版修正版」(DSM-Ⅳ-TR)による呼称である。世界保健機構の定めた「疾病及び関連保険問題の国際統計分類・第10版」(ICD-10)ではこれを多重人格障害と呼称している。

だからドラマの中で病名を解離性同一性人格障害と呼称している。

つまり・・・ドラマにおいては病気そのものがフィクションなのである。

解離性同一性障害が実在する精神疾患であるかどうかは専門家の間でも意見の相違があり、そんなものはないという言う人もいればあるんだからあるという人もいるというのが実情です。

もちろん人格が同一性であるのが健康であるのかどうかという・・・哲学的な問題も含んでいます。

しつこいようですがキッドは「おタクの恋」の著者であるのでこの問題には重大な関心を持っていることをお断りしておきます。

で、『MR.BRAIN・第6回』(TBSテレビ090627PM0756~)脚本・蒔田光治・森下佳子、演出・福澤克雄を見た。変則的な構成で実に見づらいドラマなのであるが・・・その最終的な真価はDVDあるいはブルーレイ版で問う気満々なのである。できればテレビでも充分面白いカタチにしてもらいたい今日この頃である。

だから・・・前回までのあらすじ・・・元教師の都議会議員(大沢逸美)が射殺される。彼女は15年前に行方不明になった小学生・秋吉かなこ(松岡日菜→仲間)の担任でもあり、かなこ失踪事件解決のための運動員でもあった。そして・・・事件現場からはかなこの指紋とDNAが検出される。さらに暴力団構成員の青山が同じ拳銃で射殺される。島根県雲南市の青山所有の地下室では痛ましいかなこ監禁の痕跡が発見される。しかし・・・かなこの行方は以前不明だった。

天才的な脳科学者は事件の全容を一瞬にして理解するが・・・それを口には出さないのである。

そして・・・これは天才的な犯罪者と天才的な探偵のいつものゲームへと発展するのだった。

日本が法治国家であるために・・・かなこの行為を人として当然と考えながら殺人犯として訴追しなければならない科学警察研究所・研究員・九十九(木村)の苦悩が主題である。

登場人物のほとんどがかなこに同情的であり法的平等の苛酷さを後味として残す仕掛けになっていることはいうまでもない。

いわゆるひとつの心情的には無罪でも実質有罪物語である。

子供向けの顔と大人向けの顔のふたつの顔を持つこのドラマ・・・ついに正体むき出しである。

まず、最初にこのドラマが「二つ」の現実というフィクションで起こった事件を連想させることを記しておく。一つは「女子高生コンクリート詰め殺人事件」(1988)で組織暴力団を連想させる凶悪な少年たちが被害者に想像を越える残虐行為を拉致監禁の上で行った事件である。この事件を想像すると加害者に対する目もくらむような怒りの発作に襲われるのが正常な人間だと考える。もう一つは新潟少女監禁事件(2000)で幼児性愛の前科者が小学生を誘拐しおよそ9年に渡って監禁致傷した事件である。加害者は懲役14年が確定し服役中だが心情的には拷問の上に死刑でも問題ないと考えるのが正常だと思う。

この二つの事件をヒントに創作されたのが秋吉かなこ誘拐監禁事件だろう。前者からは犯人の凶悪さを・・・後者からは事件の輪郭をピックアップしたわけである。新潟県と島根県は位置的に似ているしな・・・どこがじゃ。

そのために秋吉かなこは自力で脱出することができ・・・しかも犯人および・・・事件を発生させた責任があるとかなこが判断した関係者の極私的処刑事件として発展する。

さて、解離性同一性障害とは正常な人間が「意識」を継続して同一のものと感じながら精神活動を営んでいるという前提を基にした疾病である。つまり、「意識」に不連続性が生じているのが障害となるわけである。これを記憶のシテスムから考えれば記憶障害の一種であると考えることもできる。

しかし、患者に対する観察の所感として「乖離した意識が独自の記憶体系を持っている」と推することにより・・・人格の多重という仮説が提出され、その仮説の説明性を合理と考えたものがこれを一つの疾病として報告したわけである。

もちろん・・・人間の意識システムそのものが科学的に解明されたわけではない現代において・・・それは仮説の上に積まれた仮説による一つの障害の説明にすぎないことは言うまでもない。

今回、かなこは別人格がもてないはずの情報をもっていたことを証拠に詐病であることを九十九に指摘され、観念するのであるが、だからといってかなこが解離性同一性障害ではないということにはならない。

あくまで、九十九と対応したかなこが解離性同一性障害を装って復讐を果たした人格であるということである。本当のかなこはひっそりと沈黙を守るしかない失声症の人格なのかもしれないのである。

人間の意識については以前、カオス理論的な偶然の産物説と非線形理論によるニューロン・コンプレックスの階層発生説を両輪として探求が続いているわけだが、いずれにしろ、偶然複数の意識が発生することも、複数のニューロン・コンプレックスが発生することも可能となるわけで・・・多重人格はあってもよろしいということになっている。

基本的に別人格と呼べる場合には記憶の断絶が必要不可欠なのである。一つの記憶に対する解釈の変更では同一性が失われたとは言いかねるからである。

もちろん・・・このドラマにおけるかなこは「解離性同一性人格障害」という架空の病気を疑われていただけなので・・・なんでもありといえばありなのです。

九十九はかなこがそうせざるをえない現実に置かれたことを充分に理解しながら最終的には人間の自由意志を守護する立場となり、かなこの罪を断罪する。

その場に集った人間は犯罪捜査のプロである刑事や・・・高度な知性を持った研究員なので九十九の苦渋を充分に理解している。

だから「本当は狂ってはいないこと」を指摘されたかなこが「どうしても殺さずにはいられなかった気持ち」を告白するとそれを真摯に受け止める。ただ、一番若く・・・暴力に否定的な気持ちに支配された林田だけは「そうしなくてもよかったのに・・・」と言わなくてもいいことを言うのである。

しかし、小学生で誘拐拉致されて以来凶悪な男に凌辱され続け、暗闇の中でアナログテレビを唯一の情報源として育ってきたかなこにどんな「正気」があるのかは誰にも不明なのである。

かなこが「私はおかしいのかしら・・・でもそうだといいと思う・・・だっていっそ狂ってしまいたいと思わなかった日はなかったもの」と答えれば・・・誰もが口の中一杯にゴキブリを頬張った気分になるしかないのである。

もう・・・こうなると子供向けのドラマとはいえないし・・・ある程度の知性がなければ誤解を招くドラマでさえある。

そういう中で・・・由里(綾瀬はるか)は「かなこの気持ちをほんのちょっぴり味わってみる実験」の被験者に前回同様、承諾なきままに選抜され、九十九に殺意に近い気持ちを抱くのである。

しかし、一方で冷静な観察者としての由里は九十九が自信を喪失した行動科学研究者・浪越(井坂俊哉)を優しくフォローする行動を認知する。

かって行動科学をベースにしたプロファイリングを現場で担当していた浪越はまったく想定外の犯人の登場で自信を喪失していたのである。

過剰に消極的になっている浪越に「もはや責任のない立場になったんだから自由にやればいい」と唆し・・・すでに想像のついているかなこの監禁場所に浪越を誘導し・・・由里を実験台にすることで浪越の想像力を刺激し・・・推理に行き詰った浪越のためにテレビをつけてやり・・・「かなこが長い監禁生活のために異常な心理状態になり、なんらかの理由で監禁前の知人に暴力行為に及んでいる可能性」という結論に達せさせる。そしてそれを現場に報告することで手柄を立てさせるのである。

その浪越のための九十九の一連の行動を由里はすべて気がついているという演出になっています。

九十九が誘導した浪越の推理通りにかなこが青山所有のコルトM1911からベレッタM92Fに拳銃を持ち替えて同窓会に乗り込んだとき・・・かなこを確保できたことで・・・浪越は失われた何かを心に取り戻したのです。

由里は理不尽な九十九のいじめに怒りつつ・・・九十九の優しさにふれ・・・「いつも演技ばかりして本当の自分を隠して・・・かなこさんみたいだけど・・・お慕いしたくなっちゃいました・・・」なのであった。

さて・・・グリーフとは「悲哀」という意味である。その言葉は精神科医・エリザベス・K・ロスによって特別な意味を付加されている。それは「死」に直面した人間の心に生じる感情についての洞察によってもたらされる。それについては説明しないが、ここでは「かなこの死ぬよりもつらいようなグリーフ」について考察しておきたい。

水準以上に知能が発達した小学生のかなこは学校の校門に不審者を発見し、危険を洞察する。しかし、水準以上の知能を持たない担任教師やかなこの同級生はかなこと危険の認識を共有しない。その結果、かなこは拉致され・・・義務教育も両親の保護もそしてその両親の死からさえも隔離され「第二の恐ろしい人生」に投棄されるのである。

第一の段階。現実の否認。自分が誘拐され、見知らぬ男に暴行され、性的凌辱を受けているのは夢ではないかと疑う。

第二の段階。現実への憤怒。なぜ、自分がゴキブリの這い回る暗闇の中で血で汚れた下着を脱がされて犯されそして撲られなければならないのか。母親の用意した美味しい食事を食べられないのか。入浴し愛用のシャンプーで洗髪できないのか。なぜ、病気になっても医者に行けないのか。なぜ、こんなに自分だけが苦しまなければならないのか。世界を呪う。

第三の段階。現実との交渉。終ることのない苦痛からの脱出を求め、周囲の環境に適応しようとする。犯されることさえも受け入れ、そうすることによってこの状態からの解放を模索する。

第四の段階。絶望による精神的閉塞。あらゆることの意味が見失われ、うつの状態になり、何もすることができなくなる。

第五の段階。現実の許容。血まみれのベッドに横たわり、凌辱と凌辱の間にテレビを見、自分の排泄物の匂いを嗅ぎながら食事をしてまた排泄することが自分の人生だと受け入れた状態。

誘拐前の記憶がある限り、このサイクルは循環する。しかし、循環が続けばこの苛酷な現実の記憶が蓄積され誘拐前の記憶は遠のいていく。そのかなこの心理を一言で示すのが「悲哀」である。これが15年続くのである。十五回目の夏の青空の下にかなこが立つまで・・・ずっと。

青空の記憶も暗闇の記憶も悲哀の中に統合され・・・かなこの人格を形成していくのはグリーフなのである。

それが・・・想像を絶する人格となったとしても・・・想定の範囲内だ・・・と九十九は考える。しかし・・・失われた時間を戻すことはできない。かなこがもう一度歩き出すためには・・・すべてを受け入れるしかないのだと九十九は祈るように考える。

どうか・・・かなこのグリーフが癒される日が訪れますようにと。そして心を鬼にしてかなこの罪を問うのである。けしてお茶の間向きではないが大傑作。

関連するキッドのブログ『第5話のレビュー

Hcinhawaii0567 ごっこガーデン。彷徨うかなこの心象世界セット。アンナもう・・・地下から顔を出したはるかちゃんはあっぱれなのぴょん。そしてその後でダーリンの優しい部分をさりげなく気がついていく繊細な演技。女優魂ぴょん。そしてそれに負けず劣らずのかわいそうなかわいそうなかなこの仲間さん熱演・・・ダーリンの心の中で揺れる海容よりも深い愛・・・もう・・・アンナは口を手でふさがれたらペロペロなめちゃうことを絶対我慢できないぴょ~んお気楽あんなところで人間って15年も生きられるの・・・青山にはお人形さんを大切にする気持ちはないの・・・ゴキブリ饅頭って・・・まさか・・・ゲロゲロみのむし名探偵の掟を見てから見ると・・・ミステリは全部・・・お約束の世界に見えてくるのるるる・・・それにしてもBOSSとMR.BRAINは後味的には天国と地獄の落差だよね・・・まここわすぎて・・・とても感想かけないのでしゅ~。悲しみ本線出雲2号でしゅ~エリいよいよ夏ですね~・・・夏休み直前・・・お仕事にお勉強・・・みんながんばってほしいのでスー」あんぱんち「林田(水嶋ヒロ)の刑事の勘が炸裂。もう一人キレイなお姉さんがいるはずですとーっ。(爆)・・・同級生(吉田羊)はかなこが姿を見せる前からおびえていた・・・つまり罪悪感があったのね・・・くうふう~・・・スマイルおわって脱力だわ~・・・マイケル死んじゃってちょっとショックだよ~ikasama4複雑すぎて・・・なんだか・・・混乱してしまうドラマですね~。なんと・・・そもそも多重人格のような架空の精神病という設定なのですかーっ・・・素人をだますにも程がありますよね~。なるほど・・・天才少女だったのか・・・難しい漢字も軽々分るし・・・テレビからの情報収集だけで相当な知識を得ていたのですね・・・教育テレビ見てれば大学生以上の教養を得ることもできるか・・・そして・・・それは悲しいかな小学生のような心の中で育まれていた歪があるんですよね。きっと。復讐途中なのに指名手配に驚いたりとか・・・か。狂いたくても狂えない強靭な精神力でロッキーのように体力を作り・・・ひそかに射撃の訓練もして・・・脱出の機会を待ってたのか・・・ゴキブリ食べながら・・・これが本当の壮絶な人生の物語なのですな・・・しかし、お茶の間向きとは金輪際言えませんな~大河ドラマの脚本家と足して2で割るといいのかもですな~

月曜日に見る予定のテレビ『ハンチョウ~神南署安積班』(TBSテレビ)『婚カツ』(フジテレビ)

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2009年6月27日 (土)

死をもって死をつぐなうという虚飾(松本潤)私が愛したスマイル(新垣結衣)

ハッピーエンドである。

とにかく・・・土台がもう・・・設計ミスで手抜き工事の惨状なのでどんな腕のいい左官屋さんが入っても・・・まあ、塗るだけは塗っときます・・・的なことになっても仕方ないと思う。

しかし・・・ギリギリ・・・セリフが辛くなかったことは明瞭だったと思う。

花(新垣)がビト(松本)を目覚めさせる最後の面談の場面での歌うような花の語りかけはビトに己の愚かさを自覚させる説得力があった。

それ以上でもそれ以下でもない・・・というのが本当に残念である。

で、『スマイル・最終回』(TBSテレビ090626PM10~)脚本・篠崎絵里子、演出・石井康晴を見た。世界の姿をどのように認識するか・・・というのが基本的に作家の存在する意味であるとキッドは考えることがある。世界には60億人以上の人間がいて、この瞬間にもその数だけの世界が存在するのである。

一人一人の人間にとってそれぞれのたったひとつの命が織り成す世界こそが全てであるともキッドは考えている。

その世界をどう認めるかのヒントを作家は提示する仕事なのである。

提示する以上・・・人よりも世界について深く考える必要はあるし、そのための情報を蓄積しなければならない。

今回でいえば「法」とは何かという哲学は必要不可欠だろう。当然、そこには「目には目を歯には歯を」という応報の視点が生じる。さらに「法の前の人間平等」という理想も感じる必要があるだろう。そして「立法」という法の変化についても考慮しなければならない。

たとえば・・・ある国では「殺人をしたものは死刑」と定めていたとする。この法に対して賛否両論がある。あるものは「死刑は殺人だから執行した瞬間に国民はすべて死刑になるべきだ」と主張する。あるものは「冤罪というものがなくならない限り法はすべて無意味だ」と主張する。あるものは「白人が黒人を殺した場合には死刑は成立しない」と主張する。あるものは「死刑は当然だが絞首刑という安楽な処刑方法では応報にはならず地面に埋めて叩き殺すべきだ」と主張する。あるものは「殺人だけでなく大金を盗んだものも死刑だ」と主張する。つまり、様々な意見があるのである。

そして大切なのは人間の数だけそれぞれの正しさがあるということである。

一つの物語の中で・・・「ただひとつの正しさ」というものを主張する場合にはそういう様々な反論に対してなんらかの回答を用意する必要がある。

そういう様々な答えを持たず・・・自己を正当化しようとすれば・・・それは単なる愚かものにすぎない。

もちろん・・・時にはそれがテクニックである場合もある。「私は愚か者です・・・でも私が世界の平和を願うのは・・・そんなに愚かなことなのでしょうか」・・・こういう詩人には思わず心を動かされることもあるのが人間だからです。

しかし・・・だからといって・・・ただのリスナーが「あの人がこういってた・・・自分はそれに感動した・・・だからあなたも同じように感動するべきだ」と言っても説得力はありません。ただ一つできることは「もしよかったらあなたにもそれを聞いてほしい」とお願いすることぐらいでしょう。

このドラマがダメだったところは・・・そういう「誰かが語った正論」をそのままぶつけてくる姿勢だったと考えます。

キッドは父の家系は武士、母の家系は貴族につながる日本人ですが・・・南方系の遺伝子が色濃く発現していて・・・フィリピン人に間違われたことがあります。セールスマンに「日本語話せますか?」と問いかけられたこともあるのです。そういう民族性です。日本はアジアと環太平洋の吹き溜まりなわけですから・・・「肌の色」で差別するのとは程遠い土壌です。

もちろん、白人のハーフと黒人のハーフでは明かに差別の度合いが違う時代もありましたが、それは白人が世界において軍事的経済的に圧倒的な優勢を誇っていた時代の名残というものであって人種差別というものとは程遠いのです。

それよりも、言語や習慣の差異による違和感の方がよほど差別的な情緒を形成すると言えるでしょう。

また、自由と平等のどちらをより強く守護するかという思想的な問題もあります。

さらに、木を見て森を見ないタイプと森を見て木を見ないタイプの相克という認識傾向の問題もあるわけです。

東西冷戦時代には大陸側には平等優先の社会主義国があり、太平洋側には自由優先の民主主義国があるという狭間の国家の立場に置かれ・・・自由を主張する人々と平等を主張する人々の間で闘争が繰り広げられたりもしているわけです。

また第二次世界大戦の唯一の敗戦国(先に降伏したドイツとイタリアは当然戦勝国側になります)として国家解体を余儀なくされている国家だと言う立場もあります。

少なくとも、現在、もっとも脅威となされている北朝鮮も・・・戦後の戦勝国の徹底した思想教育で反目の立場に置かれている韓国も・・・元は日本の一部だったわけです。

現在の日本と韓国や北朝鮮にいるハングル民族との軋轢は人種差別などというぞんざいな言葉では整理できない複雑さを持っていると言えます。

そういう認識なくして・・・小学生レベルの知識で「差別」を語るなんて・・・作家としてありえない・・・と思えるこのドラマだったと言えるのです。

そのシンボルが日本に帰化したのにふたたび朝鮮名を名乗る伊藤・ユン・ソンギ弁護士(中井貴一)に結実していると言えます。失われたアイデンティティーの狭間で行ったり来たりなのでございます。

木を見て森を見なければ・・・それが在日ハングル民族というものだという結論にも達し、それはそれでとてつもない誤解をお茶の間にもたらすということです。

森を見て木を見なければ・・・在日ハングル民族にだって、北朝鮮の工作員もいればパチンコの経営者もいるし日本の国民的スターだっているという多様性が窺えるわけです。そういうミソもクソも一緒の差別思想なんて戯言にすぎないのでございます。

一言で言えば浅すぎるのです。

今回・・・急転直下のハッピーエンドを迎えるにあたり、突然、浮上してきた諸悪の根源、林の父親(竜雷太)が実は「いい人」だったというオチはもう・・・流れも辻褄もへったくりもないよねえ・・・という感じでした。

ドラマとして「無実の罪で死刑台に足をかけた瞬間に執行停止処分が発令される」というお約束は我慢できても・・・「息子かわいさで赤の他人を殺人犯として捏造した男・・・しかも息子に対する幼児虐待風味」がそんなに突然改心するのかよ・・・でございますから。

さて・・・法的な諸問題で言えば・・・ビトの第一の殺人は全面無罪を勝ち取ったわけです。しかも警察の組織的な捏造という前代未聞の不祥事つきです。これに対し、ビトはすでに仮釈放となるまで服役しているわけで・・・これに対する補償問題が当然あります。

さらに第ニの殺人に対する量刑は「第一の殺人」の有罪を前提に採決されたものですから・・・ビトの緊急避難度はいやがおうにも高まります。当然、弁護側の正当防衛の主張は風を受けるでしょう。第一に・・・第二の裁判に関っていた人々は「死刑に値しない男を死刑にするところだった・・・あぶねぇぇぇぇぇぇ」という気持ちで良心の呵責に耐えかね・・・ビトの無罪放免運動の原動力になることは疑いようのないところです。

だから・・・ビトは「無罪釈放」・・・司法関係者もマスコミも頭が地面に埋まるほど土下座ぐらいがバランスのとれた決着ということになるでしょう。

なぜ・・・そうならないか・・・といえば・・・作家がそういう風にお膳立てをしてこなかったから・・・という結論に達するわけです。これがキッドがこの作品をあまり高く評価しない理由なのでございます。

だから・・・唯一評価できるのは恋する乙女が・・・初恋を実らせるために失った声さえ取り戻すガラス越しの告白の詩的な表現にあったと言えるでしょう。

これ・・・覚えてる?・・・思い出のブタのハンカチ

昔・・・富士山が見える町に

住んでいたことがあったの

お父さんの事件があって

みんなにいじめられて

・・・あのとき

あなただけが

私に優しかった

声が出るようになったらちゃんと伝えたかった

あの日からずっとずっとずっとずっと

あなたが好きだった     

だから

うれしかった

もう会えないと思ってた

あなたに会うことができて

あなたが全然変わってなくて

私が好きになったときの

優しいあなたのままだったから

ビト「そうか・・・君は・・・ブタ姫だったのか・・・この話は花の愛と伊東弁護士の正義と林の壮絶な生き様の話でありブタ姫の恩返しの物語だったのか・・・今度生まれ変わったら頑張るから~・・・バカなボクを許して・・・君のために生きようとしないボクは本当にバカだったんだと・・・今・・・気がついたんだよぉ・・・主役のことも少しは考えてほしいよねぇ・・・ファンの皆様、つまんない話につきあわせてメンゴです・・・ボクとしては第1回の雨の中の逮捕が最初で最後の見せ場だったんだ・・・と思うのでした~」

まあ・・・処刑台へと続く道で腰が抜けるのもなかなかでしたけど。

まあ・・・とにかく・・・すべては・・・ガッキーかわいいよガッキー・・・なのです。

関連するキッドのブログ『第10話のレビュー

日曜日に見る予定のテレビ『天地人』(NHK総合)『ぼくの妹』(TBSテレビ)

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2009年6月26日 (金)

誰かに憧れて蝶になる私(戸田恵梨香)燃える恋胸にしまって(竹野内豊)主役、私だから(天海祐希)

ついに最後まで・・・ハンサム・ウーマンに恋をして燃える女子を演じきった戸田恵梨香。

一部愛好家、萌え萌えである。

ドラマの方も「楽しくなければテレビじゃない」的モードで軽いスティングをやりきったのだった。まあ、ミエミエのバレバレだと思う人もいるだろうが・・・これがエンターティメントだから。

その成果として最終回視聴率20.7%(平均17.1%)を獲得しているのである。

で、『BOSS・最終回』(フジテレビ099625PM10~)脚本・林宏司、演出・光野道夫を見た。これまで善のキャラクターだった登場人物を絶対に悪に貶めない。それもまた一つのルールである。今回はこれを守り抜き、どこまでルールを破ったフリを装うことができるかが作り手の腕の見せ所なのである。腰の軽い現実主義者が実はテロリストの一員だったというのも一興だが・・・本来そういうドラマではないのである。悪党たちが悪知恵を働かせ、最後の最後まで悪の花を咲かせると見えた瞬間、一発逆転で正義が勝利を修める。ま、早い話がプロレスなのです。ルール無用の悪党に正義のパンチをぶちかますのです。

大山警視総監(津川雅彦)と野立参事官補佐がテロリスト集団「黒い月」に誘拐されたこと

目の前で二人を拉致された犯罪特別対策室・大澤室長(天海)に野立は意味ありげなサインと微笑みを示すのであるが・・・もちろん裏切りではありませんという旗が立ったのである。

そして、たちまち、大澤は野立を完全に裏切り者扱い。「野立さんじゃなく野立」のリフレインがあさどく「裏切りものにあらず」の旗を立てまくる。

黒い月の主犯格・龍平(反町隆史)は「服役中の黒い月幹部の釈放」を要求し、それに対応する犯罪特別対策室は新たなるお目付け役として屋田参事官(相島一之)を迎えるのだが黒の天使(小西真奈美)の事件で・・・心底悪党であることをさらけだした男である。反省して心を入れ替えましたで済む話ではなく・・・彼が・・・最後のオチである旗が翻るのだった。

同時多発テロ・解除不可能な燃料気化爆弾が仕掛けられたこと

ここで、時間調整のために「黒い月が無差別テログループだからものすごい爆弾を仕掛けちゃいました」エピソードが挿入される。ちなみに燃料気化爆弾は熱圧爆弾とも言うべき、爆風による殺傷を目的とした爆弾である。強大な衝撃波を広範囲かつ持続的に発生させ、爆弾の破片ではなく爆圧そのもので破壊対象に甚大な被害を与えることができる。架空の爆弾ではなく実在します。

まあ、無差別殺傷が目的ならとっとと爆発させればいいのだが、エンターティメントなのでそんなことはしません。時限装置の解除のために「教室の女王」VS「金八先生」ふたたびである。爆弾のスペシャリストである死刑になるらしい爆弾魔・野垣(武田鉄矢)再登場。爆弾の解体を爆弾魔に相談するという「手」は「踊る大捜査線」で和久刑事(故・いかりや長介)に贈られた全自動マッサージ器爆弾の贈り主・山部(故・伊藤俊人)に解除方法を聞くというエピソードでも使われている。キッドはその原点はオー・ヘンリーの「よみがえった改心」にあると思う。金庫破りがその腕で金庫に閉じ込められた子供を救う話である。ついでに「踊る大捜査線」では越冬のために罪を犯す犯罪者が多数登場するがオー・ヘンリーには「警官と賛美歌」という同じ趣向の作品があります。

よくできた話というはいつでも使えるのである。

さて、例によって赤線を切断するか青線を切断するかという話。

最近では「ガリレオ」のピンクの線が記憶に新しいが・・・キッドが一番好きなのは深田恭子の「リモート」(2002)の1シーンであることは言うまでもない。爆弾の前に深キョンの可愛さが爆発しています。

今回はかわいい大澤を泣かすためにわざとウソを言った野垣のウソを大澤が見破るというひねりを加えています。もちろん・・・それを読んだ野垣があえてウソを言ったという解釈もできますし、その気があるなら、裏の裏を・・・そして大澤が裏の裏の裏を読むことも可能になり・・・エンドレスです。結局「赤か青か」の問題はギャンブルでしかなく・・・単に運がよかったということになります。それが主人公というものですから。

ここでも・・・「女王」と「金八」に攻め立てられる伝言役の刑事マミリン(戸田)ですが・・・大澤を理想の女として崇めている以上、大澤の囁きは絶対なのでした。

爆弾魔扱いになっている恋人の弟が逃亡すること

大澤の交際相手である池上(丸山智己)の弟(石垣佑磨)が逃亡した・・・ということで第三の犯人候補が浮上するわけですが、キャスティング的にダミーの旗があがるわけです。

人質の交換における基本的などさくさ

日本は時々、人道に基づく超法規的措置をするわけですが・・・これをするかどうかはトップの判断。かってはハイジャック犯の言うことを聞いてテロリストの釈放に応じたりもしたし、テロに屈しないという姿勢なら人質よりも法の遵守を優先する。これもまた好みの問題になってくる。しかし、犯罪者の脅しに警察が屈し続けたら犯罪天国になることは間違いないですけど。とはいえ・・・直接の脅威にさらされたら・・・とにかく法より命だと考える人たちの気分も分らないではないのです。

今回の場合、警視総監の命とテロリストの釈放が交換条件になるわけですが・・・この場合、一般人を人質にとった方が世論を気にする警察という組織も応じやすいのでは・・・とも考えます。警視総監は職務に殉ずるべきだろう。

さて・・・もちろん・・・ドラマの真の黒幕は警察内部の汚職チーム。彼らはテロリストさえも手駒として利用し・・・改革派でもあり、綱紀粛正の旗手である警視総監を暗殺しようとしていたというのがオチです。

そのために刑事マミリンはかっての上司である監察医・奈良橋(吉瀬美智子)に「野立が死んだフリをするための弾着装置」の開発を依頼します。科学捜査研究所の総力を挙げてリアルな血糊が合成されたのである。何やってんだか。

野立は警視総監を射殺したフリをして、大澤は野立を射殺したフリをする。

警視総監は野立と大澤のかっての上司でありそのモットーは「詐欺師を騙す演技力こそが刑事にもっとも必要な能力」なのである。

この信念のトライアングルに足を踏み入れた悪徳警官・屋田はたちまち正体を暴露してしまうのである。

刑事マミリンは「手錠(わっぱ)かけたげる・・・あたしも蝶になりますから!」なのである。

そして・・・離婚弁護士・間宮貴子の名刺を残し、旅立つ大澤。爆乳は格納済みらしい。

別の事件が遠からず起こることをお茶の間に予感させながら・・・退場である。

さて・・・結局、「黒い月」は最後までよくわからない組織でしたが・・・まあ・・・テロルの正体なんてそんなもの・・・。世の中は腐っていて当たり前、人間は不自由で当たり前、そして社会は不公平が当たり前・・・この世界の大前提を受け入れられず・・・暇があると人は誰でもテロリストになることができる。できることをやるかどうかは別として・・・なのです。

実際にやっちゃう人はいくらでもいるわけですしね。

まあ・・・バカは自分をバカだと思わないからバカだということなのです。

関連するキッドのブログ『第10話のレビュー

Hcinhawaii0565 ごっこガーデン。刑事まこりん登場セット。まこ竹しゃまが悪人だったり、警視総監を射殺したり、大澤ねーさんに射殺されたりなんて・・・そんなバナナことは金輪際ありましぇん。竹しゃまは死にましぇぇぇぇぇん。だけどーっ・・・バンバンって撃たれてー・・・血がパッと出ちゃって・・・倒れちゃって・・・目を閉じられちゃって・・・ボギャーンでしゅ~。竹しゃまが竹しゃまがぁぁぁぁぁってドキドキさせやがってぇぇぇぇぇ。警視総監も生きてたし、小野田刑事も生きてた・・・最後は・・・ザコの悪党がポイズンにやられただけでイケメン全員の安全を確保したのでしゅ~・・・ご苦労サマンサターバシャ~(故・山田康雄風)くう結局コメディーでした~。まあ・・・最初からコメディーだったんですけど・・・とにかく~・・・最終回というより・・・第2シーズンかスペシャルか映画の予告編だった・・・ということですね~お気楽血じゃなくて汗って・・・アホらし。名刺入れ貫通してたらどうすんの・・・結局・・・スティングか・・・タラタタンタタンタンターンめでたしめでたしでした・・・トランクのヤマムー汗臭そう・・・みのむし私の野立っちがいい人なのは最初からわかっていましたるるる、だって~そうじゃないと~このメンバーで続編作れないのでございます・・・野立のいないBOSSなんて~・・・小野田さんは死んでたかと思ったけど~ikasama4ヤラれてハメられてでもちょっとダマされてるフリもしてみたりして・・・しかし・・・最後に何故・・・裏金の証拠を野立のポケットに・・・裏金は別の預金口座にうつしたのかあるいはダミー・・・金の亡者なのに・・・まあ・・・続編まで・・・謎は残したままなのかもしれません

Hcinhawaii0566

ごっこガーデン。疑惑の最終回殉職事件現場セット。アンナ刑事アンナぴょん只今参上・・・ってまこぴょん竹しゃま射殺で悲しくなっちゃったぴょん?・・・ミニ・ダーロイドお披露目にきたのに~・・・やんだ~・・・でもね~ホントはアンナぴょんもだまされちゃったのぴょ~ん・・・最後までドッキリカメラのようなドラマだったぴょん・・・Until the next case・・・・Later!」あんぱんち爆乳>巨乳>乳>貧乳>微乳の順でいいのかしら。一周まわって元の位置って・・・男前なら女でも可なのね。とにかく娯楽色たっぷりということでは傑作だったわ~(爆)・・・さあ夏ドラマ突入よシャブリ「おっとー、今回は白い春で涙に溺れて遅刻なのでありましたーっ」mari臨場の最終回を録画し忘れて~ショック~・・・まこちゃま・・・泣かないで・・・ほらほらクッキーですよ~おやおや・・・まこ先輩泣いてますね。今週も遅刻したので先週分をお楽しみくださ~いエリまこちゃん・・・泣いてる場合じゃないの・・・もうすぐブザー・ビートの始まりでスー。BOSSの最後は臭い芝居につぐ臭い芝居でもう爆笑でしたyon! 刑事も犯罪者も人をだましてナンボの商売・・・勉強になりまスー

土曜日に見る予定のテレビ『MR.BRAIN』(TBSテレビ)『イケ麺そば屋探偵』(日本テレビ)『魔女裁判』(フジテレビ)『真マジンガーZ』(テレビ東京)

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2009年6月25日 (木)

オレの愛し方とは違うなあ(内野聖陽)同時性多重人格ですけどなにか?(京野ことみ)

人は何かを強く思うことがある。そこにはもはや存在しない妻をいると思い続けること。

その思いが一線を越えるとそこにはいない妻がいるという心理に到達する。

それは言うならば狂を発した状態とも言えるが・・・本人が幸せならそれでいいじゃないか。

妻の代わりに妻の愛した植物たちにささやきかける夫。しかし・・・夫には妻の囁きが聞こえるのだ。妻の温もりが。そして妻の微笑みが。それは・・・結局、同時性多重人格なのだが・・・まあ、いいのである。

一足先に「アイシテル」がフィニッシュしているので水曜日のダンスはなし。

ここまで最終回を迎えた民放春ドラマの平均視聴率ベスト10は以下の通り。

①「アイシテル~海容~」14.8% ②「臨場」14.5%(最終回↗15.3%) ③「白い春」12.6% ④「京都地検の女」12.2% ⑤「ザ・クイズショウ」12.1% ⑥「アタシんちの男子」10.9% ⑦「夜光の階段」10.6% ⑧「名探偵の掟」*9.5% ⑨「ゴッドハンド輝」*8.7% ⑩「夫婦道」*7.7%(最終回↘*6.8%)

参考までにNHKには「遥かなる絆」*7.7%、「ゴーストフレンズ」*3.6%などがあります。・・・つまり今回の水曜日のダンスはまあまあだった模様です。ちなみにテレビ東京の「命のバトン・第一夜」は*6.9%。つまり、南沢奈央は本仮屋ユイカに勝ちました・・・そこかよっ。

で、『臨場・最終回』(テレビ朝日090624PM9~)原作・横山秀夫、脚本・佐伯俊道、演出・橋本一を見た。昔はともかく・・・最近の内野聖陽の定番の役柄と言えば「愛する女を殺された男」である。まずは「風林火山」(2007年)で山本勘助を演じて・・・勘助の子供を身ごもりながら武田信虎(仲代達矢)に殺されたミツ(貫地谷しほり)を死後も心底愛し続けます。次は記憶に新しい「ゴンゾウ 伝説の刑事」(2008)で黒木刑事となり・・・少女時代から愛し守ると約束した女・佐伯杏子(小野花梨→池脇千鶴)を猟奇的な殺人者・乙部(内田朝陽)に殺され心を病みます。そして、今回はいきなり・・・妻・雪絵(京野)が殺害され事件未解決のまま時効を迎えた状態でスタート。「ガーデニング」をこよなく愛し「花たち」に話しかけ、「家庭菜園」のトマトやキュウリを慈しみながら食す男・検視官・倉石として「殺された妻を愛し続ける男」を演じたわけです。今回はその解決篇。

もう・・・狂おしいほどに一度愛した女は愛し続ける・・・オンリー・ミー&オンリー・ユーの鑑です。それ以外の役柄考えられんぞ。

倉石の妻・雪絵が殺害されたのは17年前。警察官の銃が強奪され連続通り魔事件が発生。奪われた銃で警官、教師・大瀬(大杉漣)の妻、そして雪絵が射殺されたのだった。そして事件は未解決のまま時効を迎えた。

当時、刑事だった倉石に犯人逮捕を誓った立原刑事(高嶋政伸)にとっても悔いの残る事件だった。

二人は飲み下せないしこりをかかえたまま日々を生きてきた。

しかし、新たな射殺事件が発生。使用された銃が強奪された件の銃であることが判明する。被害者は寺島弥生(岩橋道子)・・・過去の調書を根こそぎ調べた立原は・・・事件の容疑者として弥生の夫・省吾(矢柴俊博)の名を発見する。

省吾のアリバイを証明したのが・・・当時、交際中だった弥生だったのだ。

弥生の友人から弥生の偽証と省吾の拳銃所持の情報を掴んだ立原は寺島家を家宅捜索する。しかし・・・「弥生を殺したのはオレじゃない」と遺言した省吾は拳銃自殺を図り即死。事件は・・・やりきれない結末を迎えたように見えたが・・・もちろん・・・死体を検視した倉石は・・・「オレのとは違うな」なのであった。

弥生殺しが大瀬の妻殺しのコピーであり・・・寺島家に脅迫電話がかかっていたという証言から・・・倉石と立原の疑惑の眼差しは・・・大瀬に注がれるのである。もうキャスティング的にもそれしかないのである。

結局・・・時効後に妻の殺害現場に花を手向けにきた省吾を「犯人」と直感した大瀬は・・・法外の復讐を実行したのだった。

大瀬「警察が何もしてくれなかったから・・・こうなったんだ・・・復讐するしかなかったんだ・・・倉石さん・・・あんたなら・・・オレの気持ちが分かるはずだ」

倉石「あの日から・・・オレは妻のことを一日だって忘れたことはない。俺が忘れない限り妻は死なない。今でも・・・妻は生きている。あんたなら・・・分るだろう」

まあ・・・狂ったもの同志の応酬ですが・・・実行力に優れた大瀬は新たな犯罪者となり・・・妄想力に優れた倉石は脳内でハッピーだったということです。

どちらが正しいとかの問題ではありません。ただ大瀬は逮捕です。

溜飲を下げ・・・ついにグラスを合わせる倉石と立原。温泉女将同様、あまり空気を読むのが上手くない雪絵の妹・真理子(伊藤裕子)はさりげなく倉石に再婚を奨めるのですが余計なお世話なのです。だって雪絵は倉石の心の中で永遠に生きているのだから。

そして・・・ついに倉石の妄想妻・永遠に若々しい雪絵登場・・・だから二人はいつまでも幸せなのです。

関連するキッドのブログ『第9話のレビュー

金曜日に見る予定のテレビ『新垣結衣のスマイル』(TBSテレビ)『湯けむりスナイパー』(テレビ東京)『福田沙紀のメイド刑事』(テレビ朝日)・・・もうかよ。

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2009年6月24日 (水)

これが大切な人を奪われる気持ちだ(阿部寛)トラウマですよね(堀北真希)

「大切な人を殺されたらこんな気持ちになるんだよ」を身をもって教えたのは春男に殺された男の子分(山倉の息子=波岡一喜)である。まあ、ライオン丸Gさすがのチンピラぶりでした。

キッドは「オヤジ」が親分なのか父親なのか曖昧にされ、渡世の義理と肉親の人情が混濁している春男殺害犯の心情にも妙を感じる。動機が「ビジネス」なのか「仇討ち」なのか曖昧だからな。

春男の過去を問わず、今の春男を見て・・・春男を好ましく思った人々は自分の愛する人を殺された感覚をなんとなく擬似体験できてお得でしたな。

まあ・・・殺さなくてもよかったじゃないかぁ・・・という甘い感傷はさておき。

火曜日のドラマ対決は①「白い春」↗15.1% ②「アタシんちの男子」↗10.4%でフィニッシュ。

「白い春」は初回が13.7%、最高が最終回、最低が第2回で10.0%。平均12.6%。初回の暗さで逃げ出したお茶の間を圧倒的な世界観で引き戻し、ドラマの魅力を遺憾なく発揮したと言える。

「アタシんちの男子」は初回が14.1%で最高。最低が第4回で*9.4%。平均10.9%。完全にお子様向けのストーリーでありながら子持ちのホストをヒロインの相手役にするという致命的な失敗が最後までたたっていたと思う。それはそれで問題があるが、向井→まきまきならウッチーと向井の役をチェンジしておけばよかったのだ。「汚れ役」という概念を勉強してもらいたい。それが最終回の視聴率差およそ*5%になるということだ。

で、『アタシんちの男子・最終回』(フジテレビ090623PM9~)脚本・武藤将吾、演出・松田秀知を見た。この物語の神様(新造)の仕組んだ壮大な罠。それが「人生は素晴らしいものだ。特に家族のいる人生は」という答えを導き出すメルヘンだったわけである。まあ、人口爆発とそれに伴う貧困の拡大とかは別にして大家族は楽しいよねぇということだな。

まあ、神様に仕える下僕たち・・・弁護士の小金井響子(高島礼子)、秘書の時田、メイドの井上さん(江口のりこ)がホームレスの少女だが実はお嬢様の千里(堀北)に尽くして尽くして尽くしまくるという超古典的シンデレラストーリーでもあったわけだが。

最終回は結局・・・秘密の隠し部屋に残る神様の最後の遺言とも予言とも呼べる「冒険の書」をめぐる宝探しの前半と・・・王子様たちの旅立ち・・・残された王女の悲哀・・・王子様たちの里帰り・・・ふりだしに戻る終わりなき物語の暗示の後半である。

最後の妄想イケメン度査定。

①故・大蔵新造(草刈正雄)・・・遺影シーンで登場。千里の亡き夫にして実の父。非常に危険な匂いがするわけだがメルヘンなので深くは言えない。夫婦生活はなかったと妄想するしかないのである。生前の仲むつまじさはなんだったのだ。とにかくこの世界の人々は正雄の遺骨の混じった大気を呼吸していることを忘れてはならない。とにかく長男にも長女にも養子たちにも部下たちも今となっては愛されている死者である↗。

②時田修司(山本耕史)・・・理想の秘書。変な衣装を着てもイケメンはイケメンである。最後は男のプライドを見せて財宝に背を向けるが・・・二番手気質らしく社長から秘書に逆戻り・・・本質はマゾなんですね→。

③大蔵風(要潤)・・・無職の長男、実は新造の実子であることが判明。だから腹違いとはいえ千里とは実の兄妹。しかし危険な場面もあってギリギリだったがメルヘンなので深くは問わない。基本的にキッドは本人たちの同意があれば近親相姦肯定派です。ただし兄弟間はエイズに気をつけてね。最後の最後まで見せ場なかったが実の妹にたいしてお兄ちゃんぽいシーンくらい作ってもらえばいいのに。結局、血縁で社長就任である→。

④大蔵翔(向井理)・・・ホストの三男、すっかり、千里びいきになり、あれこれと手を尽くす。風とはナイスコンビになりつつある。女癖の悪いキャラクターがヒロインの恋人候補として許されるのは「うる星やつら」だけなのです↘。

⑤大蔵知(瀬戸康史)・・・ひきこもりの高校生の五男、大縄跳びで運動音痴であることが発覚。まあ・・・もうほとんどいるだけでしたね↘。

⑥大蔵明(岡本知樹)・・・生意気な中学生の六男、完璧な棒演技で追従を許さない。ちょっとしたナイス・ツッコミも棒であるところが救いである。今週の棒「ただいま~」・・・棒だけで存在感を出すとは今世紀最大の棒役者・魔裟斗もびっくりである。↗。

⑦大蔵猛(岡田義徳)・・・ホスト見習いの次男、よっちゃんやうっちーであってそもそもイケメンではないのだが。ホストの翔の恋人役としての欠陥部分をすべて引き受け色男役をやっちゃえばよかったのだ。それもできたはず↗。

⑧大蔵優(山本裕典)・・・カリスマモデルの四男、女性恐怖症でおネー系男子、どちらかといえばキモカワレベル。千里も好きだが知も好きなボーイズラブにも目覚めたバイセクシュアルである。最後の最後でちょっとイケメンに↘。

⑨国士豊(つるの剛士)・・・ネットカフェの千里親衛隊長・・・空気だが今回は超お坊ちゃまおタクであることが判明した自覚なきストーカー→。

⑩真島平次(永山絢斗)・・・ネットカフェの千里親衛隊員・・・空気だが最後までただの自覚あるストーカーでした↘。

順位変動しないじゃないかっ・・・という人もいるでしょうがけして手抜きではなくそういう査定だからです。

まあ・・・結局・・・先立つものはお金だ・・・それが作者の言いたいことなのだと思います。まあ・・・それはある意味正論ですが・・・そんなこと今さら言われてもな。

さようなら・・・トリックハート城とミラクルンそして史上初の意識を持った人工知能内臓の修行するロボット井上ローズマリー3。

関連するキッドのブログ『先週の火曜日のレビュー

で、『白い春・最終回』(フジテレビ090623PM10~)脚本・尾崎将也、演出・三宅喜重を見た。ためた末についに「本当のこと」を言ってしまう栞(吉高由里子)・・・。見方によっては栞が起した事件のために・・・春男の存在がヤクザ・柿本(津田寛治)に知られ・・・春男が殺した山倉組長の関係者に伝わり・・・ヒットマンがパン屋にやってきたという誤解も生じますが・・・報復なのでいつかはそうなる運命だったというのが真相でしょう。

春男は復讐される運命であり・・・その出所してからの時間は・・・最後の晩餐のようなものだった・・・というのがこのドラマの骨子です。

「おじさんが本当のお父さん」・・・子供としてごまかされたフリをしながら心に影を宿すさち・・・大橋のぞみ・・・天才だな。

「愛するものを守るために人を殺すことしかできなかった」春男(阿部)が「女と金を奪った男」と誤解したパン屋の村上(遠藤憲一)を「できれば子供として生まれてきたいくらいの男」と見直し、実の娘であるさち(大橋)を汚れた手では触れることができぬほど慈しみ、「実際には金を奪った親友」を「絶交」で許してあげるほどの寛大さを宿す。そんな春男を影ながらサポートしたのは・・・父に捨てられた過去を持ち、ろくでもない男と暮らしている栞です。栞こそは春男の恋人・真理子(紺野まひる)とさちの魂を内蔵した春男の守護天使だったのです。

そういう意味では身寄りのない下総屋食堂店主(依田英介)は春男の実の父でもよかったくらいです。もちろん、「ぼくの妹」とは違ってリアルな「白い春」ではそういうありえない偶然は排除されているわけですが。

子供が出来て態度が柔らかくなった安岡(デビット伊東)の女・圭子(中島ひろ子)は春男の実の母の生まれ変わりかもしれないわけです。

終わりなき輪廻転生、つつがなき因果応報に支配された白い春はついにおちつくところにおちつくのですから・・・まあ・・・これも実際にはかなりファンタジーです。

「一生つきまとってやるう」と言いながら・・・微笑む春男の背後では・・・下総屋食堂のお手伝いをしているさちの幻影が歩みさっていくわけです。

己の犯した罪の報いで凶刃に倒れる春男。これは自己責任の世界。

そのとばっちりを受けて負傷しながら、春男に守られ、そして春男の小さな墓を真理子の墓に添えてやったパン屋。これは相互扶助の世界。

自己責任と相互扶助。この人間の営みの両輪が人の情けを織り成していく。

死の間際・・・触れることのできなかったさちに手を握られ・・・春男が流す一滴の涙こそは人殺しでも幸せになれる・・・この世の不条理の証なのでございます。

それは玄冬。青春。朱夏。白秋と色づけされた四季が白い春に変容する異界の出来事。どうせなら・・・黒い夏とか、青い秋とか、赤い冬とかも見せてください。

さようなら・・・最後の最後にパン屋にプロポーズされた佳奈子(白石美帆)の何色あるのかわからないお仕事着のはちきれんばかりのシャツ。

さようなら・・・おじさんとさちのスケッチ。

さようなら・・・目立たない従業員の絵美(長井梨紗)と晃代(福井仁美)。

もう涙で前が見えません。

木曜日に見る予定のテレビ『桜庭ななみのふたつのスピカ』(NHK総合)『釈由美子のLOVE GAME』(日本テレビ)『京都迷宮案内スペシャル』(テレビ朝日)『戸田恵梨香のBOSS』(フジテレビ)

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2009年6月23日 (火)

ぼくが地上人ならお前は地底人か(オダギリジョー)お兄ちゃんのバカバカ~(長澤まさみ)涙をふいて(笹本玲奈)

まあ、世の中には千原ジュニアによく似たタイプの顔の人がいて、たとえば目元がそっくりな千原せいじとかね・・・そういう人の前で千原ジュニアはイケメンじゃないよね~とか言うと、殺意を抱かれるおそれがあるので言わないわけだが・・・そういう気持ちになる人は多いと思う。しかし、世の中には島田紳助もイケメンだと思っている人もいてもう・・・どこまで譲ればいいのかよくわからないことがある。

とにかく、一つ言えることは千原ジュニア(35)で長澤まさみ(22)年の差13才、明石家さんま(53)長澤まさみ(22)年の差31才、織田裕二(41)上野樹里(23)年の差18才・・・とにかく日曜劇場の年の差カップル好きは異常である。しかも・・・ことごとく視聴率的に失敗しているのである。何かに憑依されているのか。

まあ・・・そういうわけで・・・それなりによくできたドラマももはやあまりピンとこなくなってるかもしれません。

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「スマイル」↗10.1%(フタケタ復帰・・・一応脚本家変更が効いたかな)、「名探偵の掟」↗*9.8%(名探偵続々登場か・・・)、「親父の一番長い日」12.9%(さだまさしがイケメンだった時代もあったんだよな)、「MR.BRAIN」↘18.5%(釣り度より満足度だよな)、「ザ・クイズショウ」↗14.6%(バンビすげぇぇぇぇぇ)、「刑事一代・第一夜」19.4%「第二夜」21.6%カ(相武紗季すげぇぇぇぇぇ・・・それはどうかな)、「天地人」↘20.7%(お茶の間の神秘です)、「ぼくの妹」↗*7.4%(笹本玲奈の涙分か)、ついでに「婚カツ!」↘*8.8%(出た~末広がりで月9最低記録更新)、「ハンチョウ」↗13.0%(高校サッカー応援マネージャー逢沢のな殺人事件の巻である)・・・以上。

で、『ぼくの妹・第10回』(TBSテレビ090621PM9~)脚本・池畑俊策、演出・清弘誠を見た。ヒロインが颯(長澤まさみ)だから・・・盟(オダギリジョー)のお相手のことはどうでもいいのかもしれないが・・・死亡した里子(ともさかりえ)、理事長の娘・春奈(笹本)、田舎の看護師・機美(西原亜希)しか選択肢がないってどうなんだ。

しかも盟が春奈をふって機美を選択って・・・脚本上はあっても現実的と言えるのかどうか。

分析すると・・・やはり・・・盟は自分より心情的に下位の女性しか愛せないタイプなのかもしれない。心情的に見上げるタイプだと首が痛くなっちゃうのか。

まあ・・・そうでないと安らげないということならしょうがないけどね。

それにしたって・・・春奈をふって・・・機美って・・・蓼食う虫も好き好きです。

西原亜季は親友役も多いが「ラストフレンズ」のように意地悪な同僚が似合う顔立ちなので余計に違和感を感じるんだよな。

まあ・・・好みの問題だからなーっ。

意地悪な顔立ちってどんな顔立ちだよってツッコまれても答えられないし~。

今日の春奈。九鬼の手術を終えた盟をキャッチして、ミネストローネ・スープの美味しい店に誘い出し・・・プロポーズである。女の口から何言わせるのよである。これに対して盟は戸惑いも顕わに回答拒否。もう・・・なんてもやもやした男なんだ。

そこへ機美参戦である。第一、患者のためにと盟をスカウトしに来たのに患者放りっ放しなんだよね。もう・・・婿取りに来ているといって差し支えないよね。

「私が理事長、あなたが院長・・・夫婦でこの病院を素晴らしい病院に・・・」と言われて「私には父のように田舎で医者をする子供じみた夢があるのです」・・・「本当に子供じみてますね・・・じゃ・・・考える時間をあげます」である。

しかし・・・こんなことになったのは春奈の作戦ミス。それは颯と九鬼の仲について触れたからです。「二人の仲を認めたんですね」・・・これは禁句です。だって盟の本質は・・・「妹は誰にも渡さない・・・妹はぼくの妻、ぼくは妹の夫なんだから」という変態だからです。

どうしても盟を手中におさめたかったら・・・その変態性質をうまく丸めこまないといけません。しかし・・・それはお嬢様をもってしても・・・なかなかに困難でございます。

さて・・・ともかく・・・盟の表層人格はその本質は避けて通り・・・「いい兄」を演じまくります。

不安に胸を激しく揺らせて手術室に駆けつけた颯の杞憂もなんのその九鬼の手術も無事成功。妹の恋人の命の恩人となり・・・「妹を幸せにしないと許さないぞ」なんて言ってみて盟はご満悦です。

そして・・・妹が「九鬼と結婚するつもりだ」という言葉には耳をかさず妹が「東京の家に田舎からやってくるお兄ちゃんのために部屋を用意しておく」という言葉に従って・・・春奈の申し出に答えを出すのです。

「(妹が東京の家に田舎からやってくるお兄ちゃんのために部屋を用意しておくと言うので)ぼくは夢にフタをできないのです」である。

春奈・・・お嬢様の意地を見せて微笑んでさようなら・・・家路で涙です。

いいのでございます。あんな変態医師・・・お嬢様にはもっと相応しいお方がいらっしゃいますとじいやとして慰めたい気分。

さて・・・後はイケメン風の九鬼が病気が治って心機一転、下水道にもぐりたいとわがままを言いだし、家出。

たちまち始まる兄妹喧嘩。

颯「九鬼さんは九鬼さんはデリケートなんだからお兄ちゃんの残酷で心無い非道で非情で身の程知らずでバカで愚かでとんちんかんで冷酷な仕打ちに耐えられなかったのよ・・・お兄ちゃんはどうして私の幸せの邪魔ばかりするの・・・もう兄でもなければ妹でもない・・・二度と会ってあげないんだからね」

盟「えーっ」である。

まあ・・・女性はみんなダメ男好きなのである。なぜなら・・・母になったら・・・子供というダメ男を扱わなければならないからだ。だからと言って・・・ダメ男の子供として生れる多くの子供たちは迷惑このうえないが・・・それが人類100万年の歴史の成果だからな。

関連するキッドのブログ『第9話のレビュー

水曜日に見る予定のテレビ『臨場』(テレビ朝日)『夫婦道』『漂流ネットカフェ』(TBSテレビ)さあ・・・どんどん最終回です。

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2009年6月22日 (月)

浪花節だよ天地人(妻夫木聡)忍びの里で生れた女(長澤まさみ)

さて・・・もう・・・どこへ向かっていくのか検討もつきません。

まず、基本的に上杉家はすでに羽柴家の家来になっています。まもなく羽柴家は豊臣という新姓をやんごとなき筋から賜るわけです。その名を使って言うと豊臣秀吉と上杉景勝は主従関係になります。やがて上杉景勝が大老という家老職につくのは・・・つまり景勝が豊臣家の重臣だからです。同様に直江兼続は上杉家の家老です。

上下関係は豊臣秀吉→上杉景勝→直江兼続となり、秀吉から見て景勝は直臣、兼続は陪臣ということになります。

つまり、秀吉が兼続を家来として求めるということは兼続として出世を意味するわけです。

それを兼続が拒否する理由は・・・それが罠だから・・・ということになるのですが・・・それを説明してもらわないとね。

第一に出世しても厚遇されるとは限らないという問題があります。同時期に徳川家からは石川数正が引き抜かれていますが、そして数正は秀吉に飼い殺しにされます。つまり徳川家にあっての数正には価値があるが、そうではない数正には価値がないということです。もっと端的な例では景勝の義理の弟である畠山義春も引き抜かれてしまうのです。もちろん飼い殺しです。

そういう目で見ればそう簡単に引き抜かれるわけにはいかないわけです。

第二に兼続自身の問題があります。上杉家では家老という重職についてそれなりの権限を持っているわけです。しかし、豊臣政権の直臣になったらどうでしょう。出世できたとしても豊臣家の普代の大名のような信頼も得られないし、景勝のような外様大名としての実力もないわけです。なにしろ・・・主家を裏切ったという経歴になるわけでしかも裸一貫ですから。もちろん・・・主家で冷遇されていれば心機一転のチャンスと考えられるわけですが・・・景勝と兼続のような主従が親身一体となっている場合・・・マイナス材料の方が大きいわけです。

だから・・・いえいえ・・・せっかくの申し出ながら・・・ご遠慮しますということになるわけです。

それを・・・真田の忍び(架空)がああだこうだ・・・利休の娘(架空)がどうだこうだ・・・なんなんだっ。

で、『天地人・第25回』(NHK総合090621PM8~)原作・火坂雅志、脚本・小松江里子、演出・一木正恵を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。秀吉の基本戦略である人材引き抜きによる敵勢力の弱体化の解説あり。そして、今回はダメな大河ドラマのここがダメ!ダメ出し10連発のサービスあります。モヤモヤしている方はスカッとできます。旅行けば駿河の国に茶の香りです・・・何のこっちゃ。そして超お得だね「サラリーマンNEO」より超戦国武将・色香恋実の書き下ろしイラスト大公開です。これは・・・今年の最高傑作にノミネートされる出来ばえでございます。見つめられたらメロメロになりそうです。まあ・・・一年がこんなに長く感じる大河は史上初でございますよね。そして知る人ぞ知る戦国ナンバーワン波乱万丈武将・水野勝成の秘密もお楽しみください。

Tenchijin158602_2 で、天正14年(1586年)のつづきである。本編は歴史的事実の積み重ねが不明なので季節感もまるでないようなのだがおそらく夏頃だと思う。旧暦六月の下旬のあたりです・・・きっと。さて、日本史上最高の革命児である織田信長の権力基盤を継いで日本史上最高の独裁者・豊臣秀吉がこの時期に作り上げたもの。それは近江・山城・摂津に整備された首都圏である。元々、近江、京、難波は代々の都の置かれた土地柄である。しかし、長らく続いた戦国により都市機能は壊滅状態にあった。それを信長と秀吉が再構築し・・・近畿地方に一大人口密集地を作り出したのである。それが秀吉の意図した中央集権化構想なのである。秀吉にとって最初の重要拠点とも言える近江長浜から京の都を経て摂津大阪城にいたる大都市圏は日本最初の首都を構築したに等しい。近江周辺には鉄砲工場を中心とした軍事産業を興し、京都に文化の花を開かせ、大阪に軍事・政治の中心を置く。そしてそれは姫路、堺の経済拠点へと手を広げ、首都関西を完成させる。これが秀吉の「浪花の夢」である。

大阪城とその周辺には秀吉傘下の大名屋敷が続々と新築され、その人口を目当てにした物資が流れ込み、それがまた人を呼ぶという循環で・・・逢坂の街は活気にあふれかえった。やがてその盛況を見た日本史上最高の経営者・徳川家康は後にまったく同じことを江戸で始めるのである。こうして日本には関西と関東というふたつの拠点が生れるのだった。

大阪のにぎわう街角に「翡翠楼」と看板を掲げた楼閣が建ったのは去年のことだった。楼閣の主は元は武将だったという噂があるが・・・そこに酒と女を目当てに集まる男たちにはどうでもいいことだった。そこに上がるためにはそれなりの羽振りのよさが必要となるが、空前の関白景気に沸き返る大阪の街は小金を持った男たちにことかかないのである。

あるものは屋敷の増築に関る大工たち、あるものは屋敷の主に従う有名無名の侍、あるものはにわか成金となった商人たち・・・そういう者どもが美酒と美女の香りに誘われて一夜の宴をくりひろげるのだった。

その中に・・・鉄砲商人を装って越後の与六と名乗る直江兼続が紛れ込んでいる。与六は久しぶりに上杉の宰相という重責から逃れ、一人の忍びに戻っていた。お供をするのは重蔵という末弟である。父・兼豊が坂戸城下の農民の娘に産ませた庶子で齢十六になる。もちろん・・・樋口衆の忍びである。手裏剣の名手だった。

その二人の待つ個室に遊女姿の初音が姿を見せた。

飛び加藤に育てられた真田昌幸の姫である初音は史上最強のくのいちである。そして、樋口一族と信濃忍びの縁により、若き日の与六に忍びとしてうかみ(斥候)の術を授けたのも初音だった。それから十年の月日が流れている。当時、重蔵と同じ年頃だった与六もすでに齢二十六となっていた。当時、初音は与六とさほど変わらぬ年頃に見えたが・・・驚くべきことに十年たった今もまったく変わらぬ容姿を保っていた。

与六は平伏したい心持だったが、客として忍びの仮態を装っている以上、ただ目礼をするばかりである。

「ふふふ・・・与六よ・・・いい男ぶりだな」

初音は与六に酒を注ぎながら忍び言葉で囁く。与六は下半身が熱くなるを感じた。供の重蔵はすでに恍惚となって初音に目を奪われている。

「父上よりの伝言がある・・・」初音はちらりと重蔵に流し目を送り、それだけで重蔵を昇天させながら言葉を続けた。「いよいよ秀吉殿下の妹・朝日姫が遠江浜松城に下ることとなった。この行列を狙うものあり・・・真田忍軍は近江から美濃への護衛を担当するが、これに越後衆の手を借りたいとのこと・・・」

「なるほど、信濃はすでに徳川の勢力範囲・・・これの用心でござるか・・・」

「さにあらず・・・」初音は微笑んだ。「家康公が秀吉殿下に臣従するを好まぬものがいるということじゃ・・・」

「すると・・・風魔が・・・」与六は北条配下の忍び衆を思い浮かべた。上杉・真田が戦国の生き残りを賭けて同盟したように、徳川と北条も同盟中である。上杉・真田はともに秀吉の傘下に参入したが、徳川・北条は表面上は秀吉に敵対している。その徳川が豊臣と婚姻関係を結ぶのは北条に対する裏切りということになる。

「ふふふ・・・そうとは限らんのじゃ・・・秀吉殿下の天下は大きゅうなったものだからな」

与六は上杉が敵対中の新発田重家を思い浮かべた。その背後に影が見える奥羽の覇者・伊達政宗のまだ見ぬ姿にたどりつく。しかし・・・その手が近江まで延びてくるとは想像つきかねた。すると・・・と与六は思う。西か・・・。

初音は与六の心を読みつつ小さく頷いた。「中国にて毛利を臣従させ、四国にて長宗我部を臣従させた殿下が次に狙うは九州征伐よ・・・。徳川の臣従を急かせるのもそのため・・・。豊臣・徳川の手打ちがなれば・・・九州統一まであと一歩という薩摩の島津一族は長宗我部と同じ道を歩むことになるのじゃ」

「では・・・九州から・・・何者かが・・・参ると?」

「ふふふ・・・島津には水軍がある。そして・・・先代の島津忠良が育てた・・・恐ろしき忍軍があるのじゃ・・・その名はくぐり衆」

「島津のくぐり衆・・・」

その時、初音と与六は同時に息を飲んだ。楼閣の天井から殺気がほとばしる。

「主さん・・・ちょいと堪忍しておくんなはれ」初音は遊女として声を出すと・・・奥の間に下がった。

「いかがした・・・」という初音の問いに答えるのは天井裏の穴山小助である。「・・・ネズミが一匹まぎれこんでいましたが・・・退散しました・・・佐助が追っております」

楼閣に忍びこんでいたのは伊賀の才蔵だった。ただし・・・初音たちを目当てに忍び込んだわけではない。楼閣に金の匂いをかぎつけて忍びこんだのである。才蔵は盗人に落ちている。同じく、秀吉暗殺に失敗し伊賀の里の抜け忍となった五右衛門はやり手の盗賊としてすでに名をあげはじめているが才蔵はどうも・・・金運に恵まれないようだった。

今日も・・・金を目当てに忍びこんだ楼閣が・・・真田忍びの巣窟だったのである。

街を抜け・・・森を求めて逃げる才蔵を執拗に狙う追っ手がある。

ようやく・・・暗い森に紛れ込んだのだが・・・追っ手は速度を増す始末だった。

「うぬ・・・猿飛びの術か・・・」才蔵は相手が只者ではないことを知った。しかし・・・と才蔵は思う。俺は霧隠れ才蔵だと。

だから真田佐助は・・・突然霧に包まれて・・・生れて初めて尾行に失敗した。

その頃・・・太平洋を一隻の戦船が東に向かっていた。

その船首に立つのは薩摩忍び・・・くぐり衆の首領・・・普賢だった。

普賢はくのいちだった。その側にはくぐり衆一の鉄砲忍び・不知火が控えている。

「ふふふ・・・いい風じゃ・・・忍び戦とはいえ・・・こうも穏やかじゃと・・・なにやらウキウキしてくるのう・・・妾は・・・噂に聞く大阪の賑わいもちょっと楽しみになってきたでごわす」

「普賢様・・・ぐふぐふふふ」不知火は巨体を揺らして・・・若く美しい首領に同意を伝えた。

しかし・・・待ち受ける秀吉の忍びは予想外の強敵だったのである。

くぐり衆は飛騨の黒影他、多くの忍者を倒したものの・・・朝日姫の強奪には失敗したのだった。

関連するキッドのブログ『第24話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『アタシんちの男子』『白い春』(フジテレビ)

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2009年6月21日 (日)

ミスター・ブレイン愛と殺意のモアレ(木村拓哉)可愛がりと意地悪のはざま(綾瀬はるか)ヤヌスの鏡(仲間由紀恵)

デビット伊東かよっ・・・今回のドラマにおいてキッドがもっとも衝撃だったのは白骨死体の正体がデビットだったことである。あの復元された顔は絶対、陣内孝則だと思っていたのに・・・。まあ・・・仲間由紀恵と喜多嶋舞の区別も、白石美帆と中山忍の区別もつかない・・・人の顔の判別ができないキッドだからな・・・しょうがないか。

さて・・・キッドは白骨死体は記憶障害のピアニストとは無関係だとも読んでいたのだが・・・これもまた・・・犯人はピアニスト(佐藤健)というオチだったのである。

何故、そう読んだかと言えばフィクションのリアルさ強調の仕掛けとして・・・こういう「手」を考えていたからである。

ドラマなどの物語では一つの事件が解決すると次の事件が始まるのが普通である。現実というものには事件の波があってすごく事件が重なるときとまったく何事もおこらないときがあったりするものだ。つまり、刑事たちは多忙だったり暇だったりするわけである。もちろん・・・さらに言えば事件が簡単に解決するとは限らないので刑事たちは年がら年中いそがしいという考え方もある。

だから・・・ドラマの中に現実っぽさを持ち込むために・・・前の事件が解決していないのに別の事件の幕が開く・・・という演出かと思い込んでいたのだった。もしもそうだったら・・・また無意味に手のこんだことを・・・と言えるからである。

そして死体が陣内孝則で犯人が仲間由紀恵なら「ありふれた奇跡」チームがゲストだと書けたのである。ヒトネタ損した気分なのです。

しかし、実際には今回、演出家が二人クレジットされたように・・・佐藤健がゲスト、山室大輔の演出による事件と仲間由紀恵がゲスト、福澤克雄の演出による事件はまったく別の事件でようするに佐藤健の事件の後編(解決編)と仲間由紀恵の事件の前編(予告編)の二本立てオンエアだったに過ぎないのだ。

連続ドラマだから釣りの手段としてそういう「手」があってもいいが・・・キッドは基本的に得策ではないと考える。

なぜなら・・・世の中には佐藤健の演じたピアニストのように記憶が一時間しかもたない障害者がいて・・・一時間なら起承転結を楽しむことができるが、一週間立つと起承(前編というフリ)を忘れてしまい、転結(後編というオチ)を見せられても途方にくれるからである。

つまり・・・中期記憶障害者に優しくない構成方法だと言えるのである。

あのピアニストは二時間サスペンスを楽しむことができないのに・・・一時間サスペンスも楽しませないのか・・・とキッドは哀れを催すのだった。

実際・・・最後に犯人をひっかけるトリックがカード・ゲームの「神経衰弱」だったり、最初の容疑者だったピアニスト→ピアニストの姉のウソの自白→八木仁→古い死体の発見→ピアニストの姉がまたまたウソの自白→結局、ピアニストは殺人犯というめぐる因果の輪を示す「パンドラの箱」だったりが・・・気の抜けたサイダーのようにお茶の間に出されてしまうのです。冷蔵庫にしまっても一週間経つと生ものは危険なのです。

で、『MR.BRAIN・第5回』(TBSテレビ090621PM0756~)脚本・蒔田光治・森下佳子、演出・山室大輔・福澤克雄を見た。非常に分りにくいかもしれないが、簡単に事件の経過をまとめておく。

7年前。将来を嘱望されたピアニスト・優は記憶障害を発症する。一時間しか記憶が持たないために事実を文字で記述するメモと感情を記憶する自作の楽譜を日記として姉・純(木村多江)と暮らす。

ある日、姉と見た星空があまりにも美しくその日に「ある曲」を作曲する。

5年前。連続強盗犯・西崎(デビッド)が優の家に侵入、純を襲う。優は姉を守るために西崎を殺害する。その日に作曲した曲を弾くと・・・優は過呼吸になる。そんな日に作曲しなければよかったのに。純は弟を庇い西崎の死体を解体してバラバラに遺棄し始める。

首は遺棄できたが、腕を遺棄する途中で八木仁に発見される。

八木は純を脅迫して優の曲を盗むようになる。

優の曲を「追憶」と題して八木が発表する。

「追憶」を聞いた優は名曲だと感動する。

純が弁護士の木下と婚約する。

事情を知った木下は脅迫者の八木と談判しに行って八木に殺害される。

八木は優を犯人に仕立て上げるために偽装工作をする。

優は木下殺人事件の容疑者になる。

優の捨てた西崎の白骨した頭部が発見される。

優を庇って純は自分を犯人に仕立てる偽装工作を行う。

九十九(木村)、由里(綾瀬)、丹原刑事(香川照之)、林田刑事(水嶋ヒロ)が捜査を開始して真実が明らかになる。

一件落着である。日々の記憶は失っても・・・純への愛を優は忘れなかったと九十九と由里は哀れな姉弟を慰める。

草臥れた九十九は河川敷に行き・・・そこで頭を休める。キッドはこのドラマはすべて昏睡中の九十九の見ている夢と妄想しているので九十九は夢の中で眠っている夢を見ているのである。

後半、九十九と由里はようやく出番を確保した行動科学担当の浪越研究員(井坂俊哉)と次なる殺人現場の再現をするのだが・・・ここで非常に危険な科学警察研究所の建築が明らかになる。落下の危険のある区画があるのである。断崖絶壁でたちすくむ夢をよく見るキッドは・・・夢だからな・・・とすごく納得しました。

さて・・・次の事件の前に・・・九十九は人間の脳が「色と形」を認識することで起こる心理的現象を「科学捜査の広報活動」の場で講演する。ストループ効果とは文字色と文字意味のように同時に目にする視覚的な情報が脳内で干渉することによって認識に及ぼすなんらかの作用のことである。認識に要する時間差の測定によってストループ効果の有無を示す。ちなみにストループとはこの効果を発見した研究者の名前である。

たとえば「あか」という情報よりも「あか」という情報の方が情報の受け手が「あか」を認識する速度が向上するとされている。「あか」という文字の情報と「文字色」の情報が一致することによって・・・「これは赤だ」と認識する速度が加速するのである。こういう場合を「ストループ効果があった」と言うのだった。ただし・・・それが犯罪捜査にどのように役立つのかは不明である。

これを応用して九十九は由里を実験台として「図形の意味」と「図形の色」のどちらを人間は優先するかという公開実験を行う。

人間のモラルを何よりも大切にするキッドにとっては非常にきわどいシーンであった。

まず・・・九十九は一切、被験者・由里の了解を取っていない。

実験は「女子トイレのマーク」を「女子トイレのマーク」にし、「男子トイレのマーク」を「男子トイレのマーク」にすることによって尿意を感じた由里が切迫した状況で男子トイレに入ってしまうように仕組むというものだった。

はっきり言ってセクハラである。

もちろん、親しい間の可愛い悪戯で・・・九十九がキスをしても由里は怒らないという意味でならそれは違うというかもしれない。

しかし、ここには神田研究員(設楽統)や夏目研究員(田中裕二)もからんでくる。

二人がキスしたら由里は怒ると思われるので・・・これは明らかにパワハラである。

さらに言えば、この実験を確実に成功させるためにはビールを飲ませるだけでは不確実だと予想されるためにあのビールには利尿剤が混入されていた可能性がある。

そうなればもはや犯罪ですから。

ドラマのやることにいちいち目くじらはたてないが、良い子のみんなは真似しないように。人間性が問われるからね。

さて、そういうスタッフのモラルの問題はさておき、この実験で示されるのは人間が情報を受けてそれを処理するための複雑な手続きというものです。

つまり・・・「赤」を「赤」と認識する情報の流れと「」を「赤」と認識する情報の流れがあり、二つの情報の流れが干渉することにより、より素早く情報を認識できるという人間のシステムをストループ研究員は「ストループ効果」と名付けたということです。

つまり、「あか」より「あか」の方が赤っぽいということです。

キッドがあの会場の人々のようにこの実験に対してスタンディングオベーションする気になれないのは・・・「実験の素晴らしさ」という見た目よりも実験の裏に見える・・・デリカシーのない男たちの「セクハラっぽさ」を強く感じるわけですが・・・そういう場合には・・・「見た目」以外のなんらかの「情報」が「認識」に干渉しているという考え方もできます。

それはキッドがモラリストだからとは限りません。ある意味、歩くセクハラという人間であっても・・・過去にセクハラ行為の発覚によって痛い目にあっていれば「セクハラ認識力」が高まったりするわけです。

さて、モアレとは干渉縞(かんしょうじま)という意味です。本来は織物の規則正しい模様に生じる視覚的な想定外の縞模様を意味します。模様と模様の干渉作用により視覚的に発生する模様は波型模様とも木目模様とも水模様とも言います。デジタル写真などでも周波数のずれによって条件がそろうとこの縞模様が発生します。おそらく誰もがそれを目にしたことがあるでしょう。

これは模様(パターン)と模様(パターン)が組み合わさることで新たな模様(パターン)が生れてしまうということです。

キッドは人間の心はこのモアレのようなものではないかと考えることがあります。

神経細胞は分裂し、発達しながら、様々な刺激を受け、それを伝達処理していきます。

普通人間は、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚を通じて様々な情報を入手し、それを記憶することで内なる世界を構築していくわけです。そして・・・ある日、突然、自分というものを発見します。

キッドの知る限り、科学者たちは現在、人間がそれぞれ意識する「自分」というものを神経細胞のシステムの中に発見しようと研究を続けているのです。しかし・・・それが完全に解明されたことはまだない模様です。一人一人の人間の外側の世界の情報と・・・一人一人の人間の内側の世界の情報。その境界に「自分」がいるはずだと多くの研究者が考えています。

しかし、それはなかなか発見されない。キッドはそれは情報パターンと情報パターンの間に発生するモアレのようなものが「自分」というものだからではないかと思うのです。

前回、心がノイズだとキッドは思っていると表現したのですが・・・今回はそれを別の言い方で自分というものはモアレのようなものではないかと記しておきます。

それは心全体を示すモアレでもありますが・・・愛しながら殺したいと思うというような一瞬の複雑な感情もまた・・・モアレのように思えるからです。

モアレを知る人間は・・・意図せぬ心の動きをいぶかしみながら・・・「何故・・・こんなことになったんだ」と戸惑う心をモアレのように感じるはずだとキッドは考えます。

さて・・・脳科学者である九十九もまた脳内に生ずる意識というモアレを捜索する一人です。

彼は新たなる研究対象である多重人格かもしれない殺人事件の容疑者・秋吉かなこ(仲間由紀恵)に重大な興味を感じます。

それはなぜかといえば・・・脳内の活動を機械的に覗くことで研究を進める九十九にとって未だに発見できない脳内の自分というものを多重人格という特殊な脳を見ることによって解明できるかもしれないと考えるからである。

なぜなら、多重人格者が実在するとすればその人間には複数の「自分」がいることになるからだ。交代制多重人格を前提にすれば・・・人格の交替によって脳内の活動はどのように変化するのか。変化するとすれば・・・それは自分というシステムの研究にとってかなり貴重なデータを提供するはずだと九十九には予測できる。

さて・・・登場する秋吉かなこは15年前の誘拐事件で消息不明となった少女のDNAと指紋を持っていて・・・しかもそれがかってのかなこの恩師の殺害現場に残されていたことから・・・猟奇的な事件がスタートである。

ちなみに殺された松下を演ずるのは大沢逸美。ドラマ「ヤヌスの鏡」(1985)の二重人格のヒロインだ。時の流れを越えて多重人格の殺人者の犠牲になろうとはめぐる因果の糸車である。

一方、秋吉かなこは拳銃を所持、「空がみたかった」と言い放つと・・・残忍と言える手口で松下を殺害。その後、松下の死を懇ろに弔うと・・・たまたま現場にあった幕の内弁当を食べる。

その行動に九十九は・・・「三人いる・・・でも一人だ・・・だから多重人格だ・・・きゃほーっ」と激しく反応する。

その間にもかなこは由里と廊下でぶつかってニヤニヤし・・・ステーキの大食いレースに勝利し・・・そして第二の犠牲者に45口径の銃口を食わせるのだった。

おそらく、残忍な殺人者は「リング〇」の山村貞子なのであろう。そして死者への敬意を忘れず丁重に弔い泣き崩れるのは「ごくせん」のヤンクミこと山口久美子なのである。もちろん大食いチャンピオンは「トリック」の山田奈緒子であるに違いない。

売れ線のキャラがたくさんあるので多重人格を演じるのにはうってつけなのだった。

キッドとしては楽しいので奈緒子多めでお願いしたい。

ちなみに・・・九十九と由里、そして刑事の二人組というパターンは「トリック」そのまんまである。

果たして・・・九十九は・・・どう考えても長期の監禁虐待生活で・・・多重人格化したかなこの病める魂を救済できるのか。

某ドラマで先行した「トリック」「ごくせん」の相棒の生瀬勝久を軽く凌駕する最高の多重人格ものになるであろうことを信じて・・・来週をワクワクドキドキしながら待つのである。

・・・あ・・・結局釣られてるのかよっ。

関連するキッドのブログ『第4話のレビュー

Hcinhawaii0564 ごっこガーデン。憧れの河川敷で午睡セット。アンナじいやぁぁぁ、最初からどうみてもデビット伊東だぴょん。それはそうとこれからお昼寝をするので人口太陽を弱めにしてぴょん。紫外線カットモードでぬくぬく加減、時々そよ風にしてねーっ。ダーリンと河川敷でお昼寝は・・・最高のシェスタ、最高のバカンスなのしゅ~。アンナの脳内隠しポケットはダーリンへの愛でパンパンなのぴょん。もちろんそこ以外もほとんどたっくんダーリンで構成されています。もう遺伝子もTAKUYAで配列されているかもぴょん。アンナはダーリンにどんな意地悪悪戯されても大丈夫なのぴょ~ん。だってそれは愛の儀式なんでしゅもの~エリアンナちゃんにつられてバナナを食べすぎたら・・・虫歯になったのでス~。虫歯だと思ったら内臓疾患ということもあるとじいやが大騒ぎして人間ドッグに監禁されましたyon!」まこ歯医者は断固として拒否~。例によってザ・クイズショウを見てたので遅刻でしゅ~。最終回でしゅっきり~犯人は本間かいなそうかいな~お気楽なんで中途半端にするの?・・・まあ・・・血まみれの仲間ちゃんとアンナちゃんのダーリンの目力はサービスしておきますくう私もザ・クイズショウ組~。次は長瀬智也でスパイものか~。ちょっと楽しそうikasama4やはり・・・別人格は貞子でしたね。まあ、仲間さんの貞子はこわさ控え目ですけど。デビさん早くも白骨化していたけど来週火曜日にも仏さんになってしまうのでは・・・モルモットとしての綾瀬さんはかわいさ最高潮ですよねmari開けてはいけないパンドラの箱の中身はなんじゃろな・・・ですね・・・それは脳の奥にしまわれた愛の記憶だったのかもしれません。九十九菌は善玉菌みたいです。ついでにヤヌスはローマ神話の扉の神。扉は双面だからですよシャブリ虫歯の検診受けてくださいーっ。さて、今回のかなこの少女時代は・・・成海璃子ちゃんではなく・・・さすがにもうムリ~・・・まだ未調査なのでありました~松岡日菜ちゃん(10)かなakiポカポカしてお昼寝日和ですね~、昼間からビールの季節です~ってどんな季節ですか。遅刻ですけど前回のことを忘れた人はおさらいしてください~あんぱんちど、ど~ゆぅ、どっどっ、どうゆうことですか・・・しょうゆうこと(爆)・・・ビーチボーイズが豪華に感じるのは青春ど真ん中ストライクだからかしら・・・。でも多江さんも永遠にストライクよ~

月曜日に見る予定のテレビ『ハンチョウ~神南署安積班』(TBSテレビ)『婚カツ』(フジテレビ)

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2009年6月20日 (土)

差別とか偏見とかもうどうでもいいんです。ボクはとりかえしのつかないことを(松本潤)私のために微笑んで(新垣結衣)

空気が変わった。もちろん・・・そこにいたる経過があまりにも澱んだ空気の中で・・・異臭に満ちていたためにその名残はあるのだが・・・新鮮な空気が窒息しかかった体に流れ込んでくるのである。

もう・・・セリフの一つ一つが生き返っています。

たとえば・・・脚本は撮影スケジュールのために本編の進行通りに書かれているとは限らない。だから、すでに先行して収録した場面では旧脚本のままである可能性もある。しかし、トータルで考えるとその汚れた場面さえも再生可能になるのである。

とにかく・・・脚本家変更によって・・・見るのが苦行だった作品が息を吹き返した気配はあります。・・・ま・・・来週、最終回ですけど。キッドは1話の時点であらゆる危惧を提示しておきましたので・・・あ、やっぱりとしか思いませんけど。

で、『スマイル・第10回』(TBSテレビ090619PM10~)脚本・篠崎絵里子、演出・石井康晴を見た。今回、これまでにあえて隠されいたいくつかの事実が明らかになる。本格ミステリではないのでいくらでもアンフェアでいいのだが、それを隠していたことと、隠さなかったことがどれほどドラマの深みを変容するかということを中心に考えたい。

まず、林(小栗旬)のおいたちの問題がある。林はすでに殺人者であり、しかもビトに濡れ衣を着せた張本人であるとして描かれてきた。これによってビトが本当は前科者ではないということをお茶の間に伝え・・・お茶の間が冷たい世間に変わってビト(松本)の味方になるように仕組まれていたのである。

しかし・・・今回、林の父親である元・警察庁・次長の誠一郎(竜雷太)が家庭内暴力の常習者で林はその犠牲者であったことが林を残し、夫から逃げた妻・・・林の母親から語られる。

もちろん、それはビトが犯した罪の重さをより強く感じたことをお茶の間に示すには効果的である。・・・しかし、それだけなのである。

林の悪魔のような暴力の裏に「事情」があったことをしっかりと提示しておけば・・・たとえばビトが林を殺害してしまった時にすでに悲劇の始まりを感じることができる。

最後にわっと驚かしたいために・・・それを知っていればもっともっとお茶の間に人間の複雑さを味あわせることができる素材を隠しこんでしまったのである。

単なる悪魔のような男を殺してしまうビトと単なる悪魔にならざるを得なかった男を殺してしまうビトではその「せつなさ」がまったく違うのである。

これは「歌姫」でも指摘したことだが・・・このような何を隠して、何を明らかにするかの加減は・・・たとえば起承転結がその日のうちに完結する舞台と何週間かにわたって継続する連続ドラマではまったく違ってくるのである。

舞台「歌姫」を連続ドラマ化したドラマ「歌姫」ではその加減の難しさが充分に感じられたはずの作者(第9回までの「スマイル」の脚本家)が・・・何も学ばなかった証拠がここにある。失敗から学ばないものには成功はなかなか訪れないものだ。

もちろん・・・そういう最も基本的なことを理解しない以上・・・ひとつひとつのセリフはどんどん上滑りしていくのである。

来週最終回となるのだが・・・これがここまで「壮絶な生き様」も「愛と正義」も物語に感じられない最大の理由になっています。最後に・・・あっと驚くそれらがあったとしても・・・ここまでの9時間をその前フリとして使ってしまっては・・・お茶の間が持たないのです。

同じように北見敏之が演じる証拠を捏造してまでビトを犯人に仕立あげる古瀬刑事の心模様も秘匿されてきました。彼は「かって外国人犯罪者の犯罪を個人的な裁量で見逃してしまったことにより自分の娘が逆恨みをした外国人犯罪者に暴行されてしまった」という事実により狂を発していたのです。

まるで狂ったようにビトを憎む刑事が本当に狂っていたというのはあっと驚く仕掛けですが、その狂気が単なる差別や偏見の強い人の見本的扱いになっていたわけですから、実に頭がおかしい構成になっていると言えます。

できれば物語の序盤で南洋の土人らしくファンデーションを塗った水嶋ヒロが古瀬刑事の娘を演じるメガネっ娘の成海璃子を無惨に凌辱する心象風景を挿入しておくべきです。

そうしたやりきれない古瀬刑事の狂気の発露のターゲットとしてビトが選ばれてしまうということがはっきりと序盤から示されていたとすればどれだけ深みのあるドラマになったことでしょうか。

なぜなら壮絶なのはビトではなくて・・・林や古瀬刑事なのですから。

それが明確に提示されていれば・・・いたってノーマルでどちらかと言えば小心者のビトが運命の糸に操られて殺人犯になってしまうという残酷さはもっと痛烈にお茶の間の心を揺さぶり続けたでしょう。

ともかく・・・差別や偏見は人間にとって当然あってしかるべきシステムです。母親がわが子を他の子と差別することなく愛したら・・・どうしてそれが母親の愛と子供に感じ取れるでしょうか。人が人を殺めてしまうことが悪であるという偏った見方が存在しなければこの世に正義というものは存在しないのです。

自由と平等が両立しないのと同じように・・・差別と偏見には損得が生じるのもまた真理。

この前提から行過ぎた差別と偏見やあまりにも不当な待遇に対する緩和措置を考えるのが政治であり・・・その方法が司法なのです。そういうこの世の実態をそれとなく再確認するためのドラマとしては・・・ここまであまりにも稚拙だったこのドラマ。

今回は主人公の口から・・・その幼稚さに決別するセリフが告げられます。

伊東弁護士(中井貴一)「ここであきらめたら差別や偏見に負けることになるぞ」

ビト「差別や偏見とかもうどうでもいいのです。ボクはボクと同じように苦しみ悲しんでいた一人の人間の命を奪った・・・それがどうしようもなく辛いのです」

償いようのない罪の重さに「死」を望み始めたビト。

しかし・・・愛する花(新垣結衣)がいます。もしも・・・ビトが死刑になったとしたら・・・死刑を回避するにいたらなかった理由のひとつである犯行後の花とのデートがビトを死においやったことになってしまう。

「殺してしまった林のために死にたいビト」と「愛する花のために生きたいビト」・・・この相克こそが・・・ビトに残された「壮絶」「愛」「正義」のラスト・チャンス。

ま・・・ぬいぐるみのビトと花のブタに加えて折り紙のブタは・・・愛の結晶という最後の手段もありますけどね。やることやってるわけだし・・・。

とにかく、たった一回で最終回に望みを繋げた代役・脚本家の腕前を高く評価したいと考えます。

まあ・・・死刑執行官が三人いて、ダミーの執行スイッチが2個あって・・・誰が直接手を下したか分らないようにするという気遣いがあるのに・・・死刑が死刑回避かを投票にせず・・・裁判長の恣意的な順番で採決していくというのが・・・結構茶番であるにしてもですけど。

関連するキッドのブログ『第9回のレビュー

日曜日に見る予定のテレビ『サトエリの少年時代』(フジテレビ)『天地人』(NHK総合)『ぼくの妹』(TBSテレビ)

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2009年6月19日 (金)

テロリスト集団・ブラック・ムーン・ビーチ・ボーイズ?(戸田恵梨香)黒い月だよ(竹野内豊)

「MR.BRAIN」の第1回ゲストが広末涼子、最終回を迎えた「アイシテル~海容~」の主演が稲森いずみである。これに今回の「BOSS」のゲストである反町隆史とレギュラーの竹野内豊を加えると・・・ドラマ「ビーチボーイズ」(1997)を連想する人は多いだろう。平均視聴率23.7%でひと夏の青春ものとしてはかなりの人気を博したと言える。それから12年である。23才だった反町は35才になり26才だった竹野内も38才になったのだった。二枚目の青春期間は常人より長いとはいえいつまでも若者ではいられないのである。童顔系の竹野内が若く見えたり野生系の反町が老いが濃かったりするのもまた持ち味というものなのだ。ともかく・・・12年後もアクター&アクトレスたちがそれなりに活躍しているのは微笑ましいことだ。

で、『BOSS・第10回』(フジテレビ090618PM10~)脚本・林宏司、演出・石井祐介を見た。今回はなんとなくラヴェルのバレエ音楽「ボレロ」を連想するような構成になっている。冒頭・・・砂浜で海鳥の声を聞き、強い海風に吹かれるサングラスの男・龍平(反町)。笑顔を見せながら携帯電話で話すその仕草は一人踊りを始めたダンサーなのである。

その後・・・物語は錯綜しながら・・・ある意味・・・それぞれ勝手な方向で踊りだすのだが・・・気がつくと全体が盛大なお祭り騒ぎになっており・・・さあ、これからというところで最終回に続くという展開である。まあ、お約束といえばお約束だが・・・ドラマとしては楽しいのである。

犯罪特別対策室が警察の不祥事を暴露したために生活安全課へのお手伝いというペナルティーを科せられること

大澤室長(天海祐希)と岩井刑事(ケンドー・コバヤシ)は小学生の万引き事件を担当し、文房具用品売り場で張り込み。大澤は小学生の頬をつねる。マミリン(戸田)と山ムー(温水洋一)は下着泥棒の家宅捜査。盗品の下着の匂いを確認する山ムーと「嗅ぐな」と嗜めるマミリン。片桐(玉山鉄二)と一平ちゃん(溝端淳平)は振り込め詐欺対策教室の講師である。生徒のおばちゃんたちに大人気の二人だった。

新聞記者が刑事に警察上層部の裏金汚職疑惑について匂わすこと

最終回に向けて核心となる事件の要素の一つが・・・「白い春」の心臓外科医の双子の弟の新聞記者・鈴木(小須田康人)によって片桐に告げられる。このパートは・・・片桐による野立警察庁参事官補佐(竹野内)への情報提供、野立の否定→鈴木の大学の先輩であり、片桐のかっての上司であった小野田刑事(塩見三省)の調査参加→裏金のプール先が犯罪特別対策室であるという疑惑へと淡々と展開し・・・小野田の消息不明という衝撃に達する。

室長の恋人・浩(丸山智己)の弟・健吾(石垣佑磨)が爆弾テロの一員として有罪となり服役・・・出所後、連続爆破事件が起こり時限爆弾の部品から室長の指紋が発見されること

科学捜査研究所の奈良橋監察医(吉瀬美智子)の報告により、爆破事件と大澤室長の接点が浮上し、一平とマミリンが大澤の取調べを担当する。

これによって浩が大澤の携帯電話を拾うことによって二人の交際が始まり・・・弟が爆弾事件に関与したため、大澤はニューヨークに配置転換・・・弟は一貫して無実を主張・・・浩は大澤が潜入捜査官であることを疑うが・・・大澤はそれを肯定も否定もしないということが判明する。二人の愛は終ったのか・・・それとも始まってもいなかったのか・・・まだ継続中なのか、一切謎である。

だだし・・・爆弾に残った大澤の指紋は浩にプレゼントした時計の部品を流用したものであることが推測される。

爆弾はゴミ箱→ゴミ箱と愉快犯的なものだったのがついに大学の講堂が爆破され死傷者が発生。謹慎中の特別対策室一同・・・本気モードに突入する。

ただ一人・・・モテ期にはいったと称する野立は合コンの手配に忙しいのだった。

参事官補佐が警視総監の警護を担当中、反政府テロリスト組織・黒い月の元メンバーたちが爆破騒ぎを起すこと

警察庁の参事官補佐が警視庁トップの警備責任者になるのかどうかは別として・・・疑惑の只中に置かれた野立。裏金作りの仕掛け人として疑われるは・・・テロ集団「黒い月」のボスとして疑われるは・・・大山警視総監(津川雅彦)誘拐犯として疑われるは・・・である。

これだけ黒いと逆にシロはミステリの常道だが・・・はたして。

さて・・・第一話が野垣(武田鉄也)の爆弾使用殺人事件だったわけだが最終話も爆弾がらみ。大澤と野立の金八ものまね合戦まであって来週、再登場である。

爆弾のことは爆破犯人に訊け展開か。

ついでに・・・謎のテロリスト集団・黒い月である。

警視総監誘拐現場にはなぜか健吾も姿を見せるのだが・・・果たして彼は本当に無実だったのか。それとも無実だったが服役後、本当にテロリストになってしまったのか。

それを推理するためには「黒い月」の情報・・・薄すぎるぜ。

そもそも・・・どういう目的のグループなのかも不明である。法務大臣を狙った爆破事件というだけではどんな主義主張でもありえるからな。

「死刑絶対反対法務大臣に死を実行委員会」でもいいし「臓器移植法改正・人身売買に道を開くな決死隊」「臓器移植法改正・日本人は日本人の内臓で救命ボート」「冤罪ぽんぽこぴー許すマジ団」「核武装・再軍備絶対防衛網共同戦線」「お釈迦様おしゃか同盟」「東南アジア売春買春粛清軍」「東アジアワールドカップ予選突破しすぎ中東の笛連合」「日本を中華帝国の領土にしよう万歳組」「ヤーレンコーランハイハイ党」「無政府のための政府の影の内閣」「とりあえず法相殺っちゃう会」・・・もう、いいか。

まあ・・・黒い月から・・・黒のイメージでアナーキスト集団、日本語名で国粋主義者、十字架に対する月で反キリスト教団体、日の丸(太陽)に対する月神狂信者などが連想できるのだが・・・そうなると月食を信仰する宗教団体である可能性が浮上するのである。

もちろん・・・ヒマなので遊んでいる元フリーターの仲間たちである線も捨てきれない。

警視総監を誘拐するためにわざわざ爆弾騒ぎを起す必要があるのかどうはさておき・・・目的は・・・身代金かな。・・・ダイ・ハード的に・・・。金があれば・・・大抵の目的は達成できるこんな世の中じゃ・・・。ポイズン。

関連するキッドのブログ『第9話のレビュー

Hcinhawaii0563 ごっこガーデン。エンストしたクルマのあるビーチ・セット。まこぎゃぼぉぉぉぉぉん。竹しゃまがテロリストのボスで裏金作って合コン三昧でタヌキ警視総監の誘拐犯のまっくろくろすけだったなんて何かの間違いなのでしゅ~。竹しゃまは女子高校生とはうぅんなことになってもそんな悪いことは絶対できないと刑事マコリンは主張するのでしゅ~。でもいざとなったら連れて逃げてよ逃避行で恋人たちが逃亡者な映画化決定でしゅでしゅ~最後は夏の渚でラブなのでしゅ~くう黒い月・・・イケメンそろってます・・・ケンコバとヤマムーが質を低下させる対策室より総合力では上か・・・その上、野立が~。最後に脱出した要人警護車はエンストするのでしょうか~野立会もこれまでなのか~お気楽過酸化ベンゾイルはニキビの治療薬ですが用量・用法は正しくね。反町さんロト6では散々だったけど今回は視聴率↗17.4でよかったよね・・・はたして豊さまは本当に悪人なのでしょうか?エリ事件は一つだけど複雑な要素がからみあってまだまだ裏がありそうでスー。野立がスペシャルに参加できる立場を残すのか・・・絵里子と浩の愛の行方は・・・来週が楽しみですyon!」アンナダーリンが女子高生のパパだったら最高の1位になったのぴょ~ん。パパじゃいや~ん・・・と思ってたら遅刻ぴょんmari軽い犯罪には遊び感覚で対処するボス・・・この辺りがならではですね。しかし・・・死傷者発生で本気モードに・・・それってジャーナリストとしては問題にしたい感じですけど~。でも事件を未然に防いでるとドラマにならない非常の世界です・・・野立・・・黒幕?」みのむしわ~い。やや過疎の婚カツ見てたら大遅刻るるる・・・アイシテルとか最終回だしそして・・・多重人格がですね・・・え・・・もう十話ですか~・・・超遅刻~(腹話術の人形風)」あんぱんち蘇る青春の日々・・・記念すべき238回夏、突入だよ 野立会の開催はどうなるのかしら~。もう、すっかりおじさんになった二人がグルになって帰ってくるとは・・・先週ちっとも気がつかなかった(爆)・・・シャブリ最近朝が早いしふたつのスピカが始まって桜庭ななみちゃんもかわいいし、クルマがエンストして遅刻なのでありました~ikasama4予想した通りの展開になりました~。佐々成政の妻に前田利家の弟、そして織田信長・・・利家とまつな回になってます・・・他にもぞろぞろと・・・警視総監家康みたいだったし・・・とりあえずものすごくたくさんの謎を残して最終回へ・・・前フリはバッチリです・・・後はオチが・・・どうなりますか

土曜日に見る予定のテレビ『MR.BRAIN』(TBSテレビ)『ザ・クイズショウ』『イケ麺そば屋探偵』(日本テレビ)『ERⅩⅡ』(NHK総合)『トランスフォーマー』(フジテレビ)『相武紗季の刑事一代』(テレビ朝日)

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2009年6月18日 (木)

朝の来ない夜はないのよ(稲森いずみ)涙の土下座の人、それはどうかな?(川島海荷)

これはくりかえし書いているが命というものは全てということである。

投資に失敗して「何もかも失った」とか、わが子を失って「何もかも失った」とか言う場合、一言多い人間は「でもまだ命があるじゃない」と緊張感を台無しにするのである。

つまり、「命」が全てなので「命」以外のものは失っても全てを失ったことにはならないと考える人にとって「命」のある限り、何もかも失ったなんていうセリフは理屈に合わないのである。

しかし、そういう理解が根底になければ「掛替えのない命」という言葉は力を持たない。

その延長線上に「命に値段なんかつけられるか」という言葉が発生するわけである。

しかし、それは一人一人の個人的な「命」の話である。

「別人の命」となると「人間関係」によって「資産的価値」は当然出てくる。

死者の家族を「遺族」と呼ぶのはそこに「遺産相続」がからんでくるからである。

そして時には不慮の死者には特殊な資産価値が生じることになる。生命保険がビジネスとして成立しているのがその証拠である。そうなると「命」には値段がつくのである。多くの場合、時価です。

家族が殺害された時に犯人に向かって「反省するなら金をくれ」と叫ぶ遺族を世間がどう評価するかどうかは別として。・・・そこか~。

で、『臨場・第9回』(テレビ朝日090517PM0930~)原作・横山秀夫、脚本・坂田義和、演出・橋本一を見た。ミステリの死者の値段は安い。毎週一人は殺されてしまうのでインフレが生じるからである。今回は変態の天井裏の散歩者が美人女子大生(山内明日)を殺害する話。心ある人は美人女子大生でなくて変態が死ねばいいのにと思うはずである。これに幼い頃、子供を捨てた母親(佐々木すみ江)が・・・捨てた子供(伊武雅刀)をずっと思い続けるという人情話をからませてきます。

さらにインフレ気味に二人目の死者発生。根こそぎ拾う倉石(内野聖陽)は溺死した上司の母親の死因を自殺ではないと断定。「出来のいい自慢の息子がいる母親は自殺しない」と根拠を語ります。

まあ、その真意は気休めですけどね。

とにかく・・・認知症になっても「女の道は一本道」であって欲しいという男たちのせつない心情がここにあるのかもしれません。

まあ・・・人間というものはどこでも良い子ではいられないし、いつでも良い子でもいられない。その方が自然だとキッドは思いますけれど。ああ。人間って基本的に良い加減。

まあ、敗戦国と戦勝国の「勝つ根性」の違いを見せ付けるサッカー・ワールドカップ・日本VS豪州のために後半「アイシテル」にかぶっていくので軸足ぶれますけどね。何度も言いますがとっとと憲法改正して交戦権を復活させない限り、日本代表は真の強さは獲得できないのです。国のためなら敵を殺すことのできる国民と殺されるまで我慢する国民とでは基本的な戦闘力がケタ違いだからです。

関連するキッドのブログ『先週の水曜日のレビュー

で、『アイシテル~海容~・最終回』(日本テレビ090617PM10~)原作・伊藤実、脚本・高橋麻紀、演出・吉野洋を見た。「愛」に対応する言葉として「憎」がある。どちらも多くの人間が知っているのが前提の心のあり方である。その中で人々は「海容」という海のような広大な愛のあり方を示す言葉があることをこのドラマで始めて知ったりしたはずである。

もちろん・・・未だに造語ではないかと思っている人も多いだろう。

愛も様々な形がある。キッドはその根底にあるのは記憶であると考えるタイプだが、さらには認知のドーパミンシステムが深く関連していると思う。

人間は快感を求める性質を持っているが、「気持ちがいい」というのは基本的に体内麻薬性物質のなせるメカニズムによる現象なのである。

それは根本的には「生」の維持のためのシステムのパーツによるものである。

美味しいものを食べて美味しいと感じる「気持ちの良さ」は食行動という刺激に伴って脳内に快感を感じさせる麻薬性物質が分泌されることによって生じる。

頭が痺れるような美味という表現は非常にストレートなものいいなのである。

たとえば、テレビタレントの威力というものはこの延長線上にある。川島海荷という美少女をくりかえし見ることによって「かわいい」→ドーパミン放出→快感という認知のドーパミンの回路が脳内に構築される。これは「かわいい」でなくても「面白い泉ピン子」でも同じように構築されるのである。泉ピン子→ドーパミン放出→快感になるのである。

街で偶然、タレント本人を見かけたことがある人なら経験があるはずだ。本人の存在という刺激を受けてドーパミン大量放出なのである。そのなんともいえない「うれしい感じ」は驚異的なものである。ガッキーが新曲の宣伝のために高校のイベントに参加、ハグされた女子高校生が感激して泣き出すのを見て、そんなに好きなのか・・・と思う人は認知のドーパミンシステムの恐ろしさに対する理解が不足しているのである。

で、たとえば・・・家族というものは基本的にこの認知のドーパミンシステムの影響下にある。家族という見知った対象が緩やかに放出する認知のドーパミンが「安らぎ」の正体なのである。

そして・・・家族喪失が人を鬱にする根本的な原因がここにある。つまり、掛替えのないドーパミン放出対象の損失ということである。

愛と憎しみの関係は憎しみが負のドーパミン(不快感)システムでもあり、正のドーパミンシステム(喜び)の欠損でもあるという複雑な関係にある。

悲しみを背景とした怒りともいうべきものが「憎しみ」なのである。

昔の人は「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」と言うわけだが、それが好きな人のつけている香水の匂いまでが好きという気持ちの裏返しであることは簡単に想像できる。

原爆を投下するから鬼畜米英なのか鬼畜米英だから原爆を投下するのかなのである。

核と聞いただけで鳥肌が立つのである。

オウム真理教のためにオウムの人気下落である。・・・いい加減にしとけよ。

まあ・・・とにかくひとたび生じた憎しみの連鎖を断ち切るのは非常に難しいということだ。

キッドはヘソが曲がっているので「復讐心は何も生み出さない」という考え方には全面的に賛成できない。「自分の愛するものを奪ったものが存在すること」で生じる「つらい気持ち」を解消したいというのも自然だと感じるからである。

もちろん、多くのものはそうでないことも事実である。

「殺したいほど相手を憎んでも殺さない」というのがまた人間の自然のあり方なのである。

その人と人を繋ぐのが法であるという考えがある。

このドラマの場合・・・法外の人間である少年に殺人を犯させることによって・・・被害者側の家族は「憎みきれない相手」の存在に苦悶する。加害者とその家族は心あるものであるために被害者側の家族の苦悶を思いさらに苦悶する。

最終的な着地点のない無限地獄である。

そのために死後の世界を信じなければ全てを失った被害者本人以外は苦しみ続けるしかなく・・・最後には被害者側と加害者側が一種のシンパシーを感じるまでになっていくのである。

もちろん、被害者と加害者が同じだと言うのはあまりにも観念的なので最後までお互いが交わっていくことはない。全てを失った被害者に対して加害者が失うものはあまりにも少ないからである。

ただ・・・ユーミンが「時はいつの日にも親切な友達、過ぎていく昨日を物語に変える」と歌っても「そうとは限らんぞ」と思うばかりなのである。

しかし・・・被害者側は「しかし・・・加害者側は物語に変えるかもしれないぞ」とふと想像してしまうかもしれない。被害者の母親は加害者の母親に「生きてください」と言うが父親は「加害者はもうこの世に存在しないと思うしかない」と言う。

ギリギリです。復讐を是としない限り、これが心の終着点。しかし・・・記憶のシステムが彼らをそう簡単に解放しないことも明白です。時には「悲しみが癒える」ことすら新たな悲しみの記憶となるのだから。

そこで・・・復讐を是とするのも悪くないという考え方がある。相手に責任能力があろうがなかろうが善人であろが悪人であろうがとりあえず仇を討つということです。

これはこれで全くありなのだとも考えられます。

しかし・・・仇を持つ人間と持たない人間では持つ人間は常に少数派、第三者である人々にとって仇討ちを実行する人は物騒な人ということになります。

そのために・・・刑罰には「死刑」があるのです。つまり・・・死刑とは少数者の救済措置です。

世界は・・・様々な理由で「死刑」からの解放に流れています。いかなる理由があっても人が人を殺すことは許されないという前提に立てばそれは当然のことのように見えます。

しかし・・・「死刑」という法的規制がなくなった社会で・・・実力あるものが人を殺し、無力なものがただただ悲嘆にくれるという現実は簡単に想像できるのです。

そして、さらに少数のものが「他人様の力をあてにすることが土台間違ってんだ。仇が討ちたけりゃ自分で討つさ」と自己責任の誓いに従い、相手に最大級の苦痛を与えつつこの世から抹消する方法を考えながら、瞳に暗い炎を点すのでしょう。

復讐するは我にあり・・・という言葉はそのためにあるのですから。

まあ・・・しかし・・・それほど悲嘆にくれることもないのです。なぜならどんな苦しみにも必ず終わりがあるからです。そして夜の間に全てを失えば朝は来ないのです。

水曜日のダンスは・・・

「臨場」・・・・・14.1%↗14.5%↘12.8%↗14.8%↗15.2%↘14.6%↘14.5%↗15.6% ・・・・・↘13.8%

「海容」・・・・・13.2%↗13.7%↗14.2%↘13.0%↗14.8%↘13.9%↗14.0%↗15.6%↗16.6%↗18.6%

「夫婦道」・・・*9.2%↘*8.9%↘*8.6%↘*7.9%↗*9.2%↘*6.7%↗*8.2%↘*6.3%↘*5.8%↗*7.5%

サッカーめぇぇぇぇぇぇぇぇぇ。

金曜日に見る予定のテレビ『新垣結衣のスマイル』(TBSテレビ)『湯けむりスナイパー』(テレビ東京)『香椎由宇の名探偵の掟』(テレビ朝日)『長澤まさみの親父の一番長い日』(フジテレビ)・・・ガッキーVSまさみ・・・来たか・・・またもやドラゴン桜の山P争奪戦の決着を着ける日が。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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2009年6月17日 (水)

ためるな・・・(阿部寛)ためるのね(大橋のぞみ)ためるわよ(吉高由里子)ためるだけで・・・(堀北真希)

ついにサービスの種が尽きたか・・・。まあ「防護グラス装着で催涙ガス噴霧始めました」(堀北真希)でもよかったのだがそれをサービスと感じる需要少なすぎるだろう。

一方、ご時勢的には合格点の数字に達してきた「白い春」・・・もう全員、間をとることに情熱を傾けているのである。どれだけ固唾を呑んで見守らせる気だっ。

火曜日のドラマ対決は①「白い春」↗13.9% ②「アタシんちの男子」↘*9.8%・・・平均視聴率で1%以上の差がついたのでもはや逆転は不可能になってきた。関西テレビの勝利は確実だろう。しかしフジテレビとしては下に「婚カツ」があるからな・・・。火9スタッフの風当たりは月9防風林で弱まってラッキーかもしれない。

で、『アタシんちの男子・第10回』(フジテレビ090616PM9~)脚本・武藤将吾、演出・松田秀知を見た。奇想天外なお子様向けドラマとしては抜群の出来なのであるが・・・ラブコメ要素が薄すぎるのだな。もう少し、古典の研究をするべきだろう。

致命的なのは新造と千里(堀北)が「おさな妻」でも「形だけの夫婦」でもなくて「実の父娘」だったというオチである。もちろん・・・このドラマには表面上の性的描写は必要ないと言ってもいいのだが、それだけにスッキリさせすぎなのである。

逆に言えば・・・翔が子持ちのホストだったという設定は生臭すぎるのである。そんな汚れたキャラではヒロインとの恋愛沙汰に持ち込めない。

このあたりが奇をてらっているだけの脚本という印象を抱かせるのである。

まあ・・・それが持ち味と言われればそれまでですが。

実は、「アタシんちの男子」も「白い春」もホームドラマの変化球である。「アタシ」はヒロインがホームレスだがシンデレラのようにお城に迷いこみそこで家を見出す物語。「白い春」は殺人の前科者が平穏な家庭に紛れ込み家の夢を見る物語なのである。そして千里もさち(大橋)も育ての父を実の父と信じていたヒロインである。同じタイプでありながらもう一つ客をつかみきれない「アタシ」はもう少し古典を研究して「手」の使い方を感じ取るべきなのだ。

ただし、ドタバタとしてはついに戦争モードに突入。幻想的なセットとそこそこモブ・シーンがあり楽しい。要するにもって行き方の問題です。

キッドはなんとなくイヴ・ロベール監督の映画「わんぱく戦争」(1961)を思い出す。もちろん・・・このドラマはほとんど子供の役者は登場しないのに対し、映画は子役中心の話。仲の悪い二つの子供グループがあり、ずーっと戦争しているという物語である。ただ・・・ドラマの登場人物は基本的に体は大人でも心は子供なのである。それはやりての秘書・時田の言動からあきらかなのである。最終的にはヒロインの腹違いの兄である風と時田の友情の物語になれば・・・それは構造的には「わんぱく戦争」だ。

映画では性的描写も限りなく「萌え」を感じさせるものになっている。子供たちは戦争が一段落・・・つまり家に帰る頃・・・するとその日の捕虜からズボンのボタンを奪ってしまう。そうするとスボンがずりおちてまことに情けなくなるのだ。だからルイ・ベルゴーの原作小説は「ボタン戦争」というタイトルである。子供たちの戦争は日々エスカレートしていくのだが、時にはボタンを奪われないために全裸で突入という作戦が登場したり、親のトラクターを持ち出して機械化作戦が展開されたりもする。ワクワクします。そしてある日・・・そういう子供の時代が終焉する哀愁が待っているのだ。悪ガキのリーダー格二人は寄宿舎に送られ・・・やがて友情を芽生えさせるのである。

こういう一つの形を想定しておくだけでも崩壊しかかる物語の破綻は意外に食い止められるものだ。お茶の間がその作業をしなくても作り手がツボを心得ておけばそれでよろしい。そのあたりのことをもう少し考えて欲しいのだな。

今週の妄想イケメン度査定。

①故・大蔵新造(草刈正雄)・・・回想シーンで登場。生前の仲むつまじさを感じさせていたのに二人には肉体関係はなく・・・婚姻届も提出しておらず・・・あろうことか父と娘だった。まあ・・・だからどうしたという感じがしないでもありません。とにかくこの世界の人々は正雄の遺骨の混じった大気を呼吸していることを忘れてはならない。↗。

②時田修司(山本耕史)・・・理想の秘書。メイドで忍者の井上さん(江口のりこ)は帰ってきたが、暗躍や陰謀をするときには声が震えるかわいさをアピールしつつ時田はトリックハート城とりこわし作戦を決行。どこまで本気なんだかいまだに不明→。

③大蔵風(要潤)・・・無職の長男、実は新造の実子であることが判明。ハードゲイ(HG)にも手を出すバイセクシュアルである。最近はすっかりお兄さんである。どころか腹違いながら千里の実の兄だったのだった。うっかり関係していたらどうするんだって・・・それはそれで面白いだろう。しかしお茶の間の支持は得られないぞ。→。

④大蔵翔(向井理)・・・ホストの三男、すっかり、千里びいきになり、あれこれと手を尽くす。風とはナイスコンビになりつつある。今回も千里にそれとなくアプローチするが。あまりにも汚れキャラなので物語的にはかなりハードル高し。ケータイ小説ならOKなのか↘。

⑤大蔵知(瀬戸康史)・・・ひきこもりの高校生の五男、まあ・・・もう・・・ほとんど影がありません↘。

⑥大蔵明(岡本知樹)・・・生意気な中学生の六男、完璧な棒演技で追従を許さない。ちょっとしたナイス・ツッコミも棒であるところが救いである。今週の棒「お母さんじゃなかった」・・・↗。

⑦大蔵猛(岡田義徳)・・・ホスト見習いの次男、よっちゃんやうっちーであってそもそもイケメンではないのだが。実の父親と暮らすために旅立つが一家の危機のために里帰り。サウナでそろい踏みでは風並みのナイスボディー↗。

⑧大蔵優(山本裕典)・・・カリスマモデルの四男、女性恐怖症でおネー系男子、どちらかといえばキモカワレベル。千里も好きだが知も好きなボーイズラブにも目覚めたバイセクシュアルである。まあもう知の相方みたいな感じ↘。

⑨国士豊(つるの剛士)・・・ネットカフェの千里親衛隊長・・・空気だが今回は自覚なきストーカーとして工作員化。ついに千里の部屋を爆破→。

⑩真島平次(永山絢斗)・・・ネットカフェの千里親衛隊員・・・空気だが自覚あるストーカー。しかし時田に洗脳されてよくわからない立場に↘。

順位変動しないじゃないかっ・・・という人もいるでしょうがけして手抜きではなくそういう査定だからです。

まあ・・・結局・・・他人のために涙を流せる人は愛される・・・それが作者の言いたいことなのだと思います。まあ・・・それはある意味正論ですが・・・そんなこと今さら言われてもな。

関連するキッドのブログ『先週の火曜日のレビュー

で、『白い春・第10話』(フジテレビ090616PM10~)脚本・尾崎将也、演出・植田尚を見た。こちらは原点が限りなく融かされて上手い具合に料理されている。一番近い手だと「レオン」なのである。さらにいえば「大岡越前のお裁きの話」なのである。そうでありながら実にオリジナリティーの極みの芳香を放つわけである。勉強してるよなぁ。

心臓手術のために手術室に入るさち(大橋)。てんやわんやの手術室に不安になる育ての父であるパン屋(遠藤憲一)と叔母の佳奈子(白石美帆)。この二人の関係も不透明だがそれはあまり気にならない。些細なことだ。

そして手術室のランブが消え・・・手術を終えた医者(小須田康人)がすでにためます。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・娘さんはがんばりました・・・・・・・手術は終りました・・・・・・・・・・・手術は成功です」

ぷはぁぁぁぁぁぁである。

手術の成功とさちの無事を祝うパン屋一同。しかし・・・春男(阿部)は笑顔を見せない。パン屋を裏庭に呼び出して・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「よかったな」

ふはぁぁぁぁである。

やがてさちは順調に回復。パン屋が病院に行って不在の時に春男は禁断の二階に上がる用ができて・・・ふと・・・さちのおいたちアルバムを目にとめてしまう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・春男はこらえきれずにさちの写真を見てしまう。

ぷはっ。

・・・・・・・・二度見る。

ぶはぁぁぁぁっである。

実の父である春男に「私を海に連れてって」と誘うさち。春男がプレゼントした絵の具を発見する育ての父・パン屋。二人の父親のもやもやのプレッシャーに息も絶え絶えの佳奈子が「こうなるのが心配だったのよ」

ぷはっ。

父親に捨てられた栞(吉高)の父親(佐戸井けん太)の居所が判明する。

幼い頃に父にもらった玩具の首飾りを身にまとい・・・春男と栞は父親の写真館に正体を隠して近付く。そこには栞の父親の新しい家族・・・しかも妻と娘がいる。揺れ動く栞の父萌え魂・・・・・・・。

・・・・・。・・・・。・・・・。・・・・・・・・・・・栞はネックレスを服の下に隠した。

はぁぁぁぁぁ。

そして・・・さちとパン屋の幸せを願い・・・二人のために海への一泊旅行を手配した春男は旅立ちを決意。

家を出た春男を追いかけて・・・心臓病手術を終えたばかりのさちが走る。走る。走る。

春男「走るな・・・」

心を鬼にしてさちに別れを告げる春男。意気消沈するさち。

そのとぼとぼと歩く姿を発見した栞はさちに・・・。

「おじさんはね・・・本当はね・・・・・・・本当は・・・さっちゃんの・・・・・・。・・・・・・・・・・・」

・・・・・・・・・・・つづくかよっ。来週までためにためて最終回です。もちろん・・・消えた殺人のギャラの行方もたまっています。

そして最後の舞台は食い逃げ食堂かっ。ためるなぁ。

木曜日に見る予定のテレビ『桜庭ななみのふたつのスピカ』(NHK総合)『釈由美子のLOVE GAME』(日本テレビ)『中年悪女大集合の夜光の階段』(テレビ朝日)『戸田恵梨香のBOSS』(フジテレビ)

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2009年6月16日 (火)

ロミオとジュリエット・・・美女と野獣だろう(オダギリジョー)ゴジラ対モスラですぅ(長澤まさみ)

なんて言うか。この話、女流が書いているのなら納得するんだよな。

そうか・・・ブサイクがロミオでも奇妙な・・・をつければOKなのかーっ。・・・みたいな。

でも・・・男性作家しかもヴェテランが書いているとセクハラの匂いを感じちゃうの。

今回・・・ジュニア・・・ほっしゃんみたいに見えるときあったしな。

はいはい、外面至上主義ですが・・・なにか。

なにしろ・・・老醜をさらしたくないから外出を控えるタイプなものでございますからーっ。

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「スマイル」↗*9.7%(おおっ盛り返した・・ガッキーの一声おそるべし)、「名探偵の掟」↘*7.6%(キムニイ主役回だもんな・・・面白かったけどね)、「ツレうつ」↘*6.7%(一日天下だったか)、「中村俊介の美濃路殺人事件」16.2%(馬渕英俚可・・・怨み屋以来か・・・もっと見たいぞ)、「MR.BRAIN」↗21.0%(こうなると先週・・・なんだったんだ?・・・やはりダルビッシュか?)、「ザ・クイズショウ」↗13.2%(おおっ・・・土曜のダンスが始まったのか?)、「ビニールシート」↗*5.5%(銃後の妻の時代じゃないって何度言えば・・・)、「ターミネーター2」14.9%(だから何度戻ってくるんだよお)、「救命士・牧田さおり」14.8%(浅野温子そして連続中村俊介)、「魔女裁判」↘*5.3%(下げ止らず)、「ぼくの妹」↗*7.1%(*0.1%あげた~)、「天地人」→22.0%(→でたぁぁぁぁぁ、ひたすら主人公をヨイショするだけのドラマ・・・ある意味正解なのか・・・みんな・・・お疲れ様)・・・ついでに「婚カツ」↗*9.3%(上戸彩恋愛モードであげたけどヒトケタ)、「ハンチョウ」↗11.2%(ほとんどジジババであげてフタケタ)・・・以上。

で、『ぼくの妹・第9回』(TBSテレビ090614PM9~)脚本・池畑俊策、演出・金子文紀を見た。差別や偏見を面白く批判するのは難しい。基本的に差別や偏見を批判するのはつまらないからだ。なぜなら差別や偏見を批判することは差別や偏見にすぎないからである。だから人が簡単に差別や偏見を批判すると・・・己の無知をさらけ出すことになるのである。

たとえば、外国人を外国人と言い、ブスをブスといい、いじめっ子をいじめっ子と差別する方がはるかに難しく、勇気を要することなのである。いじめっ子を非難すればいじめられるかもしれないし、いじめられっ子を非難すれば自殺されて後味が悪かったりするのである。

しかし・・・どこかに軸足を置かないと・・・何の意味も見出せないということがある。

キッドの場合、それは「言論の自由」にかなりおかれている。さらに言えば自分の言論の自由である。自分だけは何があっても言いたいことを言う。

これは譲れない一線だ。しかし、フサフサの手触りのウサギちゃんに「お願い、それだけは言わないで・・・ねっ・・・ねっ」と赤い目で見つめられたら我慢しちゃうかもしれない程度にである。

たとえば・・・このブログも世界に場を借りて存在している。そのために管理をする責任があり、言いたいことを全部言うわけではない。それなのに通りすがりの人の中にはそういう認識のない人がいるわけである。基本的にキッドはそういう人たちの存在を一瞬で削除するのだが・・・時々、仏心が出てしまうことがある。こんなバカでも生きているんだもんなぁと思うのである。正体不明でなんか言う人たち・・・キッドが恐ろしいハッカーではないことに感謝してもらいたいよねぇ。

で・・・たまにコメントで教育的指導の応答をするのだがコメント欄とはいえ、不毛なやりとりをつい目にしてしまった人々には申し訳ない気持ちでいっぱいになるのである。

というわけで、キッドはいじめは素晴らしい、戦争は素敵だ、命なんて別に大切じゃないと時々主張することがありますがそれは深い考察があっての発言だということを理解してくださるように通りすがりのバカに言っておきます。お前らなんてみんな虫ケラ同然なんだってことを自覚しとけよ。

・・・というようなことを思っても書かないのが大人なので皆さんは注意してくださいね。

さて・・・お嬢様はお嬢様なりに苦労が絶えないのである。まず、経済的に恵まれているとどうしても本人よりもその恵まれた経済に目をつけてくる異性がいるのである。そういう異性を見抜く目を養わなければならない。

次に経済的に恵まれていると、消極的なタイプの異性はそれだけでお嬢様を「高嶺の花」扱いし、お嬢様の存在そのものを無視する場合がある。お嬢様はそういう異性に対し・・・「そんなことないのよ~同じ人間だよ~」と諭してやらねばならないのである。これをナチュラルな感じで実行するにはかなりの洗練を必要とする。

また、世の中には「巨乳で知性的な女なんていない」という偏見と同様に「お嬢様に深みなんてない」という偏見がある。そういう偏見もある程度は甘んじて受け入れなければならないのである。

さらに言えば「お嬢様」はお嬢様でない人以上に美しくなければ許されない。十人並みのお嬢様なんてお嬢様と言えるかよという偏見が存在するからである。

そういう役柄を素敵に演じている理事長の娘(笹本玲奈)・・・素晴らしい女優さんでございます。

900万円くらい好意を感じている男性にはポンと貸しちゃうし、それを返すと言われても国債発行させて大人の交際でそれとなくがんじがらめである。

そして・・・自分も楽しく・・・相手もそれなりに楽しい時間を過ごすのである。

この時点で盟(オダギリジョー)はまったく無警戒で無防備だが・・・探偵事務所によって徹底的に監視されていると考える必要がある。盟の行動は睡眠時間から排泄時間までお嬢様にすべて把握されているのが妥当なのである。

そして・・・お嬢様にそれだけ愛されていながら・・・それを意にも介さず、心配事があれば平気で暗い顔になり、お嬢様の話もうっかり聞き逃し心ここにあらずを露呈する盟を「小憎らしくて・・・かわいい人・・・調教のし甲斐があるわぁ」とお嬢様が思っていらっしゃる確率は99.9%なのである・・・妄想的には。

さあ・・・まあ・・・そういうお嬢様の動向にくらべれば・・・どうでもいい盟と颯(長澤)の姉妹や颯と九鬼(千原ジュニア)のカップル、そして脇に徹するキビ団子扱いの田舎のナース(西原亜希)の物語のあれやこれやである。

九鬼がガンであることを知った盟は・・・愛する妹の悲しい顔が見たくないという気持ちや九鬼なんか死ねばいいのにという気持ちに心が面倒くさい感じになります。

一方、九鬼はイケメン風にオレなんか死んだってどうでもいいだろうっていうか・・・死ぬのがこわいって認めたくない気持ちから・・・現実と向き合わず・・・病気のことを颯に打ち明けることもできません。

颯はそんな九鬼の態度に苛立ち、九鬼のカルテを持って兄の盟に診断を仰ぎ・・・愛するものの危機を知り、トイレで号泣した後で現実に立ち向かいます。自分の愛したダメ人間を簡単に神様には奪わせない覚悟です。

ところが、イケメン風の九鬼はイケメン風にウダウダ。

颯はそれなら「抱かせない」攻撃です。なんだかんだ言って颯は自分の体に絶対の自信を持っているのです。キッドはこれを四文字熟語で「自身自信」として妄想熟語辞典に登録したいと思います。今、友近がこれをCMで表現していますがCGなのでもうひとつ説得力にかけますな。

たちまち性の兵糧攻めに屈する九鬼。どうみてもさらば愛しき女よ的ストーカーであり、心ある人は通報しろよ状態ですが・・・颯は悪女ではなくキャバクラに降りた最後の天使なので「お前のために生きるよ」「ありがとう」な馬鹿野郎展開に落ち着きます。

盟はただただ「これで手術は絶対失敗できなくなった・・・絶対にだ」と思いつつ・・・妹と九鬼の愛に感動した風なナレーションでお茶を濁すのでした。

まあ・・・ここまでくるともう・・・それなりに登場人物が好きになっているのが普通ですが・・・それまでに脱落している人が多いので連続ドラマとしては失敗作と言えます・・・しかし、日曜劇場はもうパンチドランカー状態で道路だと思って線路を歩いている最中であり・・・問題ないと言えるのです。

関連するキッドのブログ『第8話のレビュー

水曜日に見る予定のテレビ『臨場』(テレビ朝日)『アイシテル・海容』(日本テレビ)『夫婦道』『漂流ネットカフェ』(TBSテレビ)

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2009年6月15日 (月)

天地人・おのぼりさん篇(妻夫木聡)臣従接待指南始めました(木村佳乃)

秀吉の直轄領が222万石で動員兵力が10万人以上だった・・・とさりげなく語る大河ドラマなのだったが、そうすると1万石あたりの動員数はおよそ450人くらいになる。これはちょっと多いのである。それに対して家康は3万人を動員できるとこれまたさりげなく言うのだがそうなると家康の領地はおよそ66万石くらいとなる。三河・遠江・駿河・甲斐・信濃の五ヶ国はおよそ150万石である。家康の領地・・・少なすぎです。家康が150万石の太守で動員兵力3万人なら1万石あたりの動員数は200人くらいである。

1万石あたりの動員数200人で10万人を動員するためには500万石必要となる。もちろん・・・秀吉の支配地はもっとあるわけである。この時点で天下一統半ばと考えてもざっと1000万石近くあっただろう。つまり、実質的に秀吉の最大動員兵力は20万人に達していたといっても過言ではないだろう。

ただし、そんな大兵力を動員する必要がないので半数の10万人という数字が出てくるし、あるいは1万石あたり100人と想定した数字でもそうなる。

この時点で徳川は守勢、秀吉は攻勢である。つまり外に向かって攻める方が費用がかかるのである。

だから、秀吉は1000万石で10万人で攻め、家康は150万石で3万人で守る場合の動員数であるとも言える。

要するに秀吉の直轄領と秀吉の動員兵力の話は相関関係がないのだな。ただ・・・なんとなく・・・直轄領が222万石あった~とか全部で10万人動員できた~とか資料の数字を並べただけの脚本なのである。あいかわらずお馬鹿さんで素敵。

この頃の日本の人口を1000万人と考えると、全国で2000万石なら1石は1人を1年間養える計算なので・・・大分余裕があったことになるが・・・実際は・・・多くの人間が餓えで苦しんだと言われる。なぜなら1人で三人前くらい食べる人がたくさんいたからだと考えます・・・馬鹿はお前かっ。

で、『天地人・第24回』(NHK総合090614PM8~)原作・火坂雅志、脚本・小松江里子、演出・片岡敬司を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は・・・ぞんざいヴァージョンの前田利家・徳川家康・福島正則書下ろしイラスト大サービス。いい感じでございますが・・・あらすじは二行です。ツッコミは10行ありますから出血大サービスです。画伯~><・・・お気持ち分りますぞ~。キッドなんか内容にはこれっぽっちも触れたくない感じですからなーっ。お口直しが必要な方は「ドラマ化希望の戦国武将・龍造寺隆信・鍋島直茂篇」をどうぞ。

Tenchijin158601 で、ようやく天正14年(1586年)である。五月二十日に越後を出発し、六月七日に京に入り、十二日に大阪城で秀吉と景勝は対面を果たした。秀吉はすでに従一位関白であり、この時、景勝は従四位下左近衛権少将に叙位・任官を受ける。位の上では秀吉と景勝の身分に開きがあるわけである。下克上の戦国時代真っ最中ならそれがなんだという話だが・・・信長の天下布武以来、時代はゆっくりと天下一統に向かっている。そこには新秩序が形成されていく。そして位はそこでは重要な意味を持ってくるのである。景勝が「侍云々」を口にするとき、そこには身分というものが介在する。身分を口にする以上、位の差というものを認めばならない。しかも・・・秀吉は単なる位が上というのではなく・・・事実上の圧倒的な実力差を有しているのだ。景勝は相当にプレッシャーを受けたはずである。

しかし・・・秀吉は景勝を歓待した。景勝は嬉しさを感じた。越後半国の領主でしかない自分を引き立ててくれる。景勝は秀吉に心から忠誠を誓ったことだろう。そして景勝は秀吉が存命中・・・そして死後も秀吉の一族に義を奉げるのである。

秀吉は秀吉の茶道の師であり、秀吉政権の茶頭でもある千利休の茶を景勝にふるまった。

黄金の茶室で利休は六十三歳の老い錆びた笑顔を景勝にむける。

「景勝様は・・・無口なお方だそうですな・・・」

「・・・・・・・・」

「謙信公が二度目のご上洛の折・・・あれは永禄の頃ですからこの利休めはまだ四十にもならぬ頃ですわ」利休はくだけた口調で淡々と語る。「ご尊顔を拝しましたよって・・・」

「義父をご存知か・・・」

「手前どもの一族は・・・足利将軍家の隠密でございますさかいに・・・もちろん・・・建前は茶坊主でございますけれど・・・謙信公に茶を献じましたのは私の父でございました・・・この利休めはまだ半人前もええところで・・・しかし・・・お迎えの手伝いなどをしまして・・・その時、謙信公をお見かけしたのでございます。その心、その形、その振る舞い・・・見事なお方でございましたな・・・」

その何が・・・景勝の心をとらえたのか・・・利休のふるまう名物茶碗を前に・・・景勝は一滴の涙をこぼしていた。

「あれから・・・えらい歳月が流れていきましたなぁ・・・わが一族は堺で鉄砲を商うようになり、上様(信長)にひきたてられ・・・そして今は関白殿下の茶頭でございます・・・」

利休は景勝の涙を見て見ぬふりで優しく包み込むように語りを続ける。

山里曲輪に設置された黄金の茶室を出たとき・・・景勝の気分は高揚していた。その意気は別室に控えていた樋口の与六こと直江兼続を驚かせた。

利休は茶室を出ると・・・近くにしつらえた利休のための控えの庵に入る。そこには関白秀吉の弟・秀長が待っていた。秀長もまた茶人として利休の弟子の一人である。しかし、秀吉のしのびの長としては利休の上忍である。

秀長は越後国主・上杉景勝への応対には触れず話を切り出した。「飛騨の忍びから報告が入った・・・家康はついに最後の手を使いおったわ・・・」

「すると・・・もはや・・・上洛の儀・・・申し受けるしかないと観念したのでございますな」

「ふふん・・・兄者は妹の朝日を質に出すと申したでな。もはや家康も潮時と読んだのであろうず」

「それで・・・」

「服部半蔵を伊賀の里に送ったのじゃ。おそらくは刺客を放つつもりだわ」

「狙いは殿下のお命か・・・」

「家康とはさても底の知れぬ恐ろしきしのびだて」

「さもありましょうや。しかし・・・伊賀の里にももうそれほどの使い手は残っておりますまい・・・」

「百地三太夫がおるがや・・・その子飼いのものが死に物狂いでかかってこよう・・・」

「されば・・・」

「防ぎは・・・飛騨のものどもがあたる・・・利休様には攻め手をお願いしたいのだわ」

「申し受けて候・・・千家のくのいち衆を放ちまする・・・」

「お頼み申した・・・」

秀長は隠し通路に消え・・・利休は孫娘の名を呼んだ。

「お涼は・・・ここに」

利休は娘に指図をする。「伊賀者と忍び戦じゃ・・・ぬかるでないぞ」

一瞬後、娘はすでに大阪城内の忍び道を抜けて行く。

徳川家康の命を受け・・・戦乱をしぶとく生き抜いた最後の伊賀上忍・百地三太夫が選んだ刺客たちは京を抜け大阪城を目指していた。

秀吉暗殺の頭は伊賀の中忍・・・音羽の城戸である。浪人ものに身をやつし・・街道を行く。

その左右の林の中を二人の下忍が進んでいく。一人は伊賀の才蔵、一人は石川五右衛門である。一世を風靡した伊賀の忍者たちも・・・あるものは戦場に消え、ある者は大名に仕え・・・闇の世界に知れたものはわずかとなった。

しかし・・・信長暗殺を企てたこともある音羽の城戸が選んだ二人の下忍は若いながらも比類なき遣い手だった。

夕闇が近付く街道に殺気が満ちた。旅芸人の一座と見えた一行が散開しつつ、攻撃を開始したのである。敵はすべてくのいちだった。獲物は忍び短筒である。音羽の城戸もまた短筒を抜き放つ。

銃声がこだまする。

一瞬で二人のくのいちが血煙をあげて倒れ伏す。

「ふふふ・・・この音羽の城戸を相手に鉄砲勝負を挑むとは・・・痴れ者が・・・」

しかし、その時、土中から槍が突き出された。

「む・・・土蜘蛛の術・・・今時の小娘が・・・使うワザか・・・」

槍の下から裸のくのいちが姿を見せる。

「音羽の城戸・・・老いたな・・・」

「千家のくのいちか・・・」

「土蜘蛛のお涼じゃ・・・」

お涼の槍は音羽の城戸の心臓を突き破った。

すでに林の中でも暗闘が開始されていた。

石川五右衛門は任務の失敗を悟った。すでに周囲は殺気に満ちている。

「ふふふ・・・難波に足も踏み入れさせぬとは・・・さてもおそろしき秀吉の忍軍よ・・・」

すでに銃撃戦は終わり、五右衛門はくのいちを一人倒していたが・・・それは囮の下忍だと分っている。

五右衛門は包囲されている。しかし、五右衛門は不敵に笑った。

「この石川五右衛門の得意技・・・しかと目に焼き付けるがよい・・・伊賀忍法・・・韋駄天」

五右衛門は林の中を走り始めた。五右衛門の進路にいる忍びは忍び筒を撃つ。しかし、ギダンの術を得意とする五右衛門は銃弾をかわし、必殺の一本クナイを敵に刺しこんだ。

一撃でくのいちは頚動脈を貫かれる。五右衛門はそのまま獣のように走り去った。

最後に残った刺客は・・・伊賀の才蔵だった。才蔵もまた戦意を喪失している。

だが・・・才蔵も逃げ足自慢の五右衛門と同様に退散には絶対の自信があったのである。

「ふふふ・・・伊賀の忍びも・・・もはやこれまでじゃな」

そのつぶやきを聞いた千家のくのいち・・・稲妻のお亀はそっと足を敵へ向けた。お亀の忍び足は鉄壁だった。木の葉の落ちる地面を音もなく才蔵へと忍び寄る。そこに十字手裏剣が飛来する。しかし・・・鉄甲を着込んだお亀はそれを胸ではねかえす。忍び刀を抜きお亀は微笑みを浮かべた。その微笑が凝固する。お亀は一瞬で視界を奪われていた。周囲は乳白色の煙幕で満ちていたのである。

「ふふふ・・・ははは・・・伊賀忍法・・・霧隠れの術・・・」

その声は・・・こだまのように響き・・・そして唐突に消えた。

こうして秀吉暗殺はまったくの失敗に終ったのである。

関連するキッドのブログ『第23話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『アタシんちの男子』『白い春』(フジテレビ)

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2009年6月14日 (日)

ミスター・ブレイン死霊のクオリア(木村拓哉)おみやげはバナナ(綾瀬はるか)ドレミはハニホです(佐藤健)

一般常識としてドレミファソラシドはCDEFGABCともハニホヘトイロハとも表記します。

だからドミラレはハホイニです。

ハホイニを八木仁と脳内変換できるかどうかが・・・この記事がネタバレになるかどうかの瀬戸際です。

ちなみに八木仁(東儀秀樹)は由里(綾瀬はるか)が憧れる世界的な作曲家であり、記憶障害のピアニスト・優(佐藤健)のピアノの先生です。

まあ・・・今回も二時間ドラマを前後編に分ける脚本家の悪い癖が出ていると思います。それで面白ければ問題ないですけど。キッドのような心ないブロガーがネタバレの嵐をする時代ですからね。

で、『MR.BRAIN・第4話』(TBSテレビ090613PM0756~)脚本・蒔田光治(他)、演出・山室大輔を見た。どこかの避暑地では山林からペットの犬によって白骨死体が発見される。時を同じくして、ピアノ演奏の騒音を主張する近所の主婦が警官を伴って演奏家の屋敷を訪問し、血まみれのシャツを着たピアニストと血まみれのナイフと血まみれの死体を発見する。早くも風呂敷広げすぎて一時間でおさまらない気配濃厚です。

白骨死体は科学警察研究所に身元の特定が依頼され、生物学担当の難波研究員(トータス松本)は「こんなもの科学捜査研究所でできるだろう」と愚痴を言います。ちなみに一般社会では科学警察研究所は警察庁の所轄する組織。科捜研は警視庁などの都道府県警察の所轄する組織です。つまり、どこぞの山林を担当する県警の科捜研が実力不足で全国区の科警研に協力が求められたということになるのでしょう。実際の科警研がそういうことをやるのかどうかは別問題です。とにかくトータス松本はこれで出番が確保できたので文句を言うべきではないのです。

一方の出来立ての死体はピアニストの姉・純(木村多江)の婚約者で弁護士の木下であることが判明しますが・・・容疑者の優は一時間で記憶の消える記憶障害者であって殺害したかどうかよりも・・・被害者が誰なのかも「記憶にございません」状態。しかし、優のポケットからは「殺した」というメモが発見されるのです。

この困った容疑者に対して警視庁の丹原刑事(香川照之)は脳科学者・九十九(キムタク=誤検索対応)にバナナ持参で協力を求めます。たちまち事件に興味を感じる九十九。このままでは出番がなくなるとばかりに林田刑事(水嶋ヒロ)もバナナ持参で駆けつけて捜査開始です。

ついでに・・・この後の「ザ・クイズショウ」では存在感のあるプロデューサーを演じる真矢みきが出演していますが、それに対し科警研の法科学部長の佐々(大地真央)は出番の少なさに業を煮やしたのか、まるで上司でもあるかのように九十九の尻をたたき始めるポジションを確保。脳科学者のトップが九十九である以上、脳科学部長(あるいは主任なのか・・・じゃ部長はどこにいるの)なわけで佐々は明らかに越権行為ですが出番を確保するためには手段は選べないのです。もう副所長待遇になんとなく移行の感じか。初期設定が悪かったのだな。

掃除のお姉さん(木下優樹菜)に突然恋をする音声分析担当研究員・神田(設楽統)も出番確保に必死なのです。

画像解析担当研究員の船木(平泉成)なんてじゃんけん、しりとりに続く神経衰弱必勝法で出番確保なのですから。

そんなこんなでまずは記憶の話。記憶についての研究も心理学的なアプローチの段階から神経学的な研究の段階に入り、その成果や名称については複雑化しているのですが・・・ここは記憶の四段階説を紹介しておきます。

まず、瞬間記憶というものがあります。これは感覚記憶とも称され、要するに感覚器の情報を脳が処理したことを示します。つまり視覚でいえば目の前のものが見えたということです。

これは瞬間的に忘却されます。これが忘却されないと動画が動いて見えませんから。

続いて短期記憶があります。これは瞬間記憶の連続性から見たものを認識する記憶と言って良いでしょう。つまり、動画が見えるということです。記憶時間は数十秒です。

次に中期記憶があります。ここからは所謂、記憶です。「今、エロいものを見たな」と見たものを思い出せるということです。

これの記憶の保存が1時間から1ヶ月程度と考えられています。ちょっと前なら覚えているが一年前だとちと分らないなということです。この記憶は海馬に蓄えられると考えられており、優の記憶障害が海馬の損傷により中期記憶に問題が発生しているという九十九の説明になるわけです。

この中期記憶から選別された記憶が長期記憶に移行すると考えられており、そのために障害発生以前の記憶はあるが・・・それ以後は一時間前の記憶しか保持できないというのが優の病状なのです。

そのために・・・取り調べる刑事とのその場での会話は成立しますが、1時間後には刑事の名前も職業も自分との関係性もわかりません。

刑事たちは取り調べる相手の嘘を見抜く感覚には優れていますが記憶のないものの取調べ方にはお手上げになるわけです。

そして丹原刑事は直感的に「優は犯人ではない」と感じます。

さて、クオリアとは哲学的な意味で「感じ」のことです。一体、そんな感じとはどんな感じなのかという問題です。たとえば「いやな感じ」という「感じ」があるとされています。丹原刑事は容疑者としての優を取調べ中にこの「いやな感じ」がしたわけです。

それは基本的にはこれまでの体験(記憶)を総合して優に「犯人らしさ」を感じないことによるものだと丹原は九十九に説明します。

補足として「殺人をするためには動機として様々な記憶の総合力が必要だが記憶できない人間には無理な感じ」がすると言うわけです。

ここで「記憶」と「そういう感じ」が複雑にからみあってきます。

ここに脳科学の限界があると主張する哲学者たちがいるわけです。神経学の発達により、脳内の記憶のメカニズムや、感情の発生過程は解明されつつあるわけですが、それは物理的あるいは化学的なものに還元できるという科学者たちと・・・いや「そんな感じではない」とする哲学者との対立です。

科学者たちは脳は複雑なコンピューターに過ぎないと主張し・・・哲学者たちはコンピューターは「そんな感じ」を持たないと主張します。

つまり、パソコンにどれだけエロい情報を記憶させてもバソコンはエロいと感じないだろうということです。

簡単に言えばコンピューターに心はあるのかと言う問題になるわけです。

キッドは心はノイズにすぎないと時々言及しますが、これは両者の対立における折衷案的言動です。

たとえば多くの人間が「傷みを感じる」とされているわけですが、傷みの研究が進むにつれてそのメカニズムが明らかになっています。まず、感覚器(受容器)に対する刺激があります。神経細胞はその刺激を伝達するのが基本構造です。その伝達は神経細胞と神経細胞の間で連鎖していきますが、必ずしも伝達が継続されるとは限りません。それでも大きな刺激に対しては伝達はより確実に行われ、その結果が傷みの強弱となって感じられるということになります。

また中枢に到達した刺激の情報はそれがどのような刺激であるかの確認作業によって再度処理されるわけです。熱湯風呂につかった場合の熱さの感覚はある程度までは個人差があるが、ある程度までは同様であるというアイロニーが生じます。また処理の誤作動によって幻痛も発生します。つまり刺激ないところに痛みが生じるわけです。

さらに「痛みに敏感なタイプ」は感じる以上の痛みを感じたりもすると考えられます。

その場合、「痛みに鈍感なタイプ」は「大袈裟なんだよ」と言ったりするとも考えられます。

また芸人の場合は「そういう芸風なんだよ」と主張したりもするわけです。

そういう感じをあなたは感じるでしょうか。

この「感じ」がより高度なコンピューターになれば存在するかどうか。ドラマを見てなんとなくリアルであったり、容疑者を見てなんとなく無罪っぽいと感じることができるのかどうか。

それがクオリア(感じ)の問題なのです。

その感じをたとえて言うと生ける死者の問題にたどり着くのです。

もちろんそれは死せる生者でも良いと思うのですが、いやちょっと違う気がする「感じ」なのです。それは死霊(ゾンビ)と呼んだ方が相応しいという「感じ」なのです。

人間の神経の機械的な部分を回路として構築し、記憶を処理するプログラムを機能として持たせたコンピューターは果たして「感じる」のかどうか。

そのコンピューターのインターフェイスが「私は感じます」と言ったときにあなたがそれを素直に信じるのかどうか。

それがクオリア(感じ)の問題であり、哲学的ゾンビの問題でもあります。

キッドはどうもロボットも感じると思う感じなので・・・心はノイズにすぎないと言ってみたくなる感じです。

結局、容疑者は優から純に変更されるのですが、丹原刑事はそれも信用していない感じです。そして・・・九十九は暗号によるメモから第三の人物にたどりついた感じ。

それは論理(ロジック)の帰結なのか、単なるクオリア(感じ)なのか・・・なんとなくお子様向けに作られているような感じなのに・・・なんだか相当に高等な問題に足を踏み入れている・・・「MR.BRAIN」はそんな感じのドラマなのですな。そして・・・山中の白骨死体は・・・優の事件とは無関係で・・・次の話の長いフリであるような感じがいたします。まあ、妄想なのでネタバレではないと感じていただきたい感じなのでございます。

関連するキッドのブログ『第3話のレビュー

Hcinhawaii0562 ごっこガーデン。超巨大脳髄ホログラフィー・セット。アンナ先週からずーっとダーリンのバナナ釣りをしていたので一週とんだ気がしますが気のせいぴょん。今週になったら丹原刑事も林田刑事もアンナのバナナ釣りワザを覚えた模様なのぴょ~ん。「亡き王女のパヴァーヌ」を記憶障害になったラベルはいい曲だと絶賛したぴょん。そして誰が作ったのかと質問したのぴょ~ん。記憶障害はおかしくって悲しいの。さあ・・・次はダーリンとパヴァーヌをしっとりと踊るのでしゅ~。山に登ったら八木~と叫びましゅ~エリ「おっと~。アンナちゃん登場ね。エリは今回重力ピエロをみたので遅刻しました~まこまこはザ・クイズショウを見てたので遅刻でしゅ~。でもバナナは食べましゅる・・・そろそろドラマは終盤戦・・・MR.BRAINはいつまででしゅか~」お気楽魔女裁判を見てたら遅刻だよ・・・もう大どんでん返しだけど・・・比嘉愛未の監禁シーンはサービスしておきましたikasama4今回がザ・クイズショウと同じで記憶障害、来週がBOSSと同じで多重人格・・・ミステリだけにかぶりまくってます・・・そして主人公に感化されるチーム全員ということではHEROにもCHANGEにもかぶりまくっています。まあこれはアンナ様のダーリンのドラマというひとつのジャンルってことで・・・他の人には真似できないテイストですからね・・・まあROOKIESのワクですけどくう私もザ・クイズショウ見ていたら遅刻したよ。本間・・・スマイルの林を越える不気味さだった~みのむしでもね~、今回のMR.BRAINはすごく面白かった~。もう謎につぐ謎の展開~。じいやは白骨死体は無関係っていうけど私は複雑なありふれた奇跡をドロドロと期待しまするるるあんぱんちあんぱとしては産休明けの多江さんが見れただけで大満足なのよ~。「追憶」で終息する過呼吸の発作にはどんな追憶が隠されているのか・・・見上げてごらん夜空の星を~なロマンスが希望だわ~(爆)」

月曜日に見る予定のテレビ『ハンチョウ~神南署安積班』(TBSテレビ)『婚カツ』(フジテレビ)

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2009年6月13日 (土)

ガラス越しの指きり始めました(新垣結衣)スマイルの愛と正義(松本潤)

「街の灯がとてもきれいね」(いしだあゆみ)でもよかったのだが、突然、検事の人間性についてお説教を始める証人はものすごく自己主張の強い人間だと裁判員の心証を悪くする可能性があります。

裁判の開始によって一応・・・落ち着きをとりもどしたドラマ展開。しかし前回の視聴率が↘*7.1%である。

ここまで・・・どれだけお茶の間をうんざりさせてきたか・・・だってもう第9回だよ。

外国人の父親を持っていたり、詐欺師の父親を持っていることがハンディキャップになることの是非が問われるわけだが・・・結局、成人に求められるのは自己責任に尽きるのである。

法の前の人間平等を目指す裁判員なら「死刑」が当然の選択だろうし、人間性によって罰の差別化をはかる裁判員なら情状酌量も考慮するだろう。

しかし・・・そんなことはこのドラマの本質とは無関係。

言いたいことは「恋人を守るためなら人を殺しても許される」でいいのかな。それが・・・この物語の愛と正義なのですかーっ。そりゃ・・・ちょっと驚くね。

で、『とりあえずスマイル・第9話』(TBSテレビ090612PM10~)脚本・宅間孝行、演出・坪井敏雄を見た。事件の被害者・林(小栗旬)の策謀によって・・・夫を自殺に追い込まれた妻であり被告・ビト(松本潤)の後見人でもあるみどり(いしだ)は「あなたは夫を自殺に追い込んだ林への復讐心からビトに有利な証言をしているのでは・・・」と質問され「あなたはかわいそうな人。誰かにひどいことをされたならかならず仕返しをすると決め付けている。しかし、世の中にはビトのようにひどいことをされても笑って耐える子もいるんです」と切り返す。

しかしだ・・・事情はどうあれ・・・ビトは花(新垣)に林がひどいことをして・・・さらにもっとひどいことをしそうなので・・・射殺したのである。

つまり・・・ビトは耐えていません。本人も認めているし。

とにかく・・・苦しい裁判である。殺人の前科のある人間が仮釈放中に殺人をしているのである。もちろん・・・お茶の間は殺人の前科は冤罪だと知っているわけだが・・・そこに至る過程でビトにまったく非がないわけではないことも知っている。

弁護士である伊東(中井貴一)が「愛と正義の物語」だと主張していてもそれは北朝鮮が核武装して何が悪いというのと同じ論調であるにすぎない。

法廷戦術としてもっとも重要な証人である花を弁護側の証人として召喚する以上、その長所短所は把握していてしかるべきである。

しかも花は弁護側に有利な証言をするのだから、検察官(甲本雅裕)が花の証言の信憑性を疑わしいものにするために花が大物詐欺師の娘であるという事実を利用してくるのは当然想定の範囲内である。

知らなかったではすまされないであろう。

それがさけて通れない道である以上・・・犯罪者の娘に罪はないという論調と花が失声症に至った経緯をあらかじめ明らかにし・・・裁判員の同情を買う勝負をするのが当然である。後出しが印象悪いのは原則だから。まあ・・・それをしないのがスマイルだから・・・と言われればそれまでですけれどーっ。

さて・・・とにかく突然、発声する花。愛のなせるワザなのか・・・それとも詐欺師の血によってこれまで世間を欺き、障害者を装って同情を得ようとしていたのか。いや・・・ブタ姫だからな・・・そこまで悪いことはしないと・・・お茶の間は思いますが、ドラマの登場人物たちの心証はどうでしょうかね。

青木裁判長(本田博太郎)を始め、妊婦の裁判員(酒井若菜)とか過去に何か秘密のありそうな裁判員(櫻井淳子)とか微妙にゴージャスなキャストたちが・・・いまさらな感じがしてちょっと哀れです。

ところで・・・五年後のビトは服役しているのか・・・拘置されているのか・・・ものすごく謎でございます。この脚本家だと刑務所に拘置されていたり、拘置所で服役していたりとものすごく基本的なことが欠落しているおそれがあり・・・ある意味、今年の大河ドラマみたいな居心地の悪さがまもなく最終回だというのに拭えきれない・・・。

一体・・・脚本家は結局・・・膨大な時間を消費して・・・何が言いたいんだ・・・?

関連するキッドのブログ『第8話のレビュー

日曜日に見る予定のテレビ『天地人』(NHK総合)『ぼくの妹』(TBSテレビ)

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2009年6月12日 (金)

犯人はやすきよかもしれない(天海祐希)やすきよ?(戸田恵梨香)ジキル博士とハイド氏(生瀬勝久)

ミステリにおいてある意味ベタな多重人格ものである。もちろん、かなり特殊なベタであるので意表をつかれる人も多いのである。

聖書において荒野でイエスと悪魔ベルゼブブが語りあうのは解離性同一性障害の典型であるという考え方もできるし、1886年の英国の小説「ジキル博士とハイド氏」(R・L・スティーヴンソン)から始まり、映画「サイコ」を経由して現実というフィクションの中で死刑執行された宮崎勉もまた解離性同一性障害であると鑑定されている。

精神障害は脳の中のミステリである。

誰一人、他人の脳の中身を知ることはできないのだが・・・知ったつもりになってそこに一般とは違う何かを見出すという精神障害の鑑定というシステムはある意味・・・精神障害の一種であることだなぁと考える。

最終回を迎えた「ゴーストフレンズ」も実は解離性同一性障害の話であるという考え方もできる。「ゴーストが見えます」というのはビョーキと考えるのが一般的だからだ。もちろんそう考えないで霊的世界のアレコレに心を奪われるのも魂の自由奔放さというものだ。とにかく病気と考える「BOSS」が視聴率16.9%でゴーストは実在するという「ゴーストフレンズ」は*3.1%であった。

で、『BOSS・第9回』(フジテレビ090611PM10~)脚本・西山晃太、演出・星野和成を見た。かって多重人格障害と呼ばれ、現在は解離性同一性障害と呼ばれるこの疾患を考えるとき、いつも悩むのは人格とは何かということだ。おそらくその悩みがあるために新しい診断基準からは人格と言う言葉が消えているのである。

ドラマでは「わかりやすさ」を強調するために人柄を特定するのが一つの手法である。

たとえば「憧れの人を真似するタイプ」というキャラクターがあって、その人は憧れの人をいつも真似するとは限らないが、そういうキャラクターに設定されたらそれを演ずることが「魅力」につながってくる。そこで強調される「魅力」の中身も様々で、それがまた個性とからみあって複雑なものとなるのである。

たとえば刑事マミリン(戸田)は現在、上司の大澤(天海)に夢中である。そのために大澤が一平ちゃん(溝端淳平)を引っ叩けばマミリンもまた一平ちゃんを引っ叩かずにはいられないのである。

このキャラクター設定によって上乗せされる魅力が「純真な子供の可愛らしさ」であることは言うまでもない。

しかし・・・現実の人間がこんなに絵に描いたようなキャラクターであることは稀なのである。その証拠にうちの近所には戸田恵梨香は住んでいないのだ・・・おいっ。

今回は「児童虐待をする父親連続殺人事件」である。殺されるのはわが子を虐待した父親ばかりなのである。

その第一の犯行現場で大澤は「犯人は無秩序型の残忍な犯行をしているが・・・現場の後始末は実に秩序だっている」とプロファイリングをする。

するとマミリンは「それでは犯人は複数である可能性があるのですね」と大澤の分析を抑制された熱烈モードで解説するのである。

つまり犯人は実行犯である無秩序型で衝動的なやすしのようなタイプと、証拠隠滅をはかる秩序型で実務的なきよしのようなタイプの二人以上がいた可能性に言及するのです。まあ、ベタベタのミスリードなわけです。

ここからは演出マジックで犯人で解離性同一性障害を発症している心理学の教授・西名(生瀬)の心象風景がドラマ内の現実風景と交錯して描かれ、お茶の間をだましにかかるわけです。

しかし・・・人間というものは時にはやすしのようにカッとなり時にはきよしのようにコツコツとやったりするものなのです。

早い話ほとんどの犯罪者は頭に血が登って犯行に及び事後に冷静になって証拠を隠滅し始めるのが自然な流れというものです。

しかし・・・そんなミもフタもないことを言っていても始まりません。オチは「犯人は実は一人だった」なのですから「いかにも犯人が二人いるように臭わせる」のがフリというものです。

そのためには・・・実在しない西名の弟(虎牙光揮)まで登場させます。西名は右利きの学者タイプ。西名・弟は左利きの無法者タイプです。

やがて・・・児童虐待トラブルの救済サイトを運営する西名教授と被害者の関係性が浮上しますが・・・例によって大澤の心には西名教授が犯人で解離性同一性障害がその犯行の裏に潜んでいることが直感的に浮かんでいます。もちろん、それは妄想性人格障害を発症しているからですが・・・運よく、妄想と現実が符合するとビョーキとは見なされず「刑事としてのカン」が冴えていると評価されるというのが実情です。

そして恐ろしいことに今回も大澤の妄想的推理はズバリ的中なのです・・・なにしろド・ラ・マですからーっ。

さて・・・もう一度、人格についての考察に戻りましょう。人間の心は非常に大雑把に言えば『記憶と意識』によって出来ていると言えるでしょう。さらに言えば『意識』は『意志と認識』に分れます。このセットが一つであれば・・・「お腹がすいた(認識)・・・ここにカツ丼がある(認識)・・・これを食べよう(意志)・・・食べたのでカツ丼はない(記憶)・・・」と人々は時の流れにのって生きるのです。

しかし・・・このセットが様々な事情で二つ以上ある人がいる場合があると考える人々がいるわけです。たとえば・・・子供の頃にぬいぐるみと話をしすぎて・・・ぬいぐるみが心の中に別人格を形成したり、あまりにも空想力があるので知り合ったものすべてに人格を見出したり・・・ということです。

まあ・・・人によっては能力差があると思いますが、夢の中で他人と話した経験がある人なら想像できるでしょう。確かにあなたは誰かと会話をしていたわけですが・・・その誰かとはあなたに他ならないということです。

この夢の中の出来事が覚醒中に起きるのが多重人格システムです。

交代制多重人格のように一つのシステムを交替で使う場合もあります。その場合、のっとられた人格は意識を失う場合もあり・・・気がつくととんでもないことをしていたりするわけです。

もう一人の自分が食べたのに「カツ丼を誰かが食べた~」になるのです。

また・・・うっすらともう一人の自分がしでかしていることを感じる場合もあります。

その場合、夢の中で走ろうとするまに走れずもがく・・・というような気分になったりします。

「この野郎・・・オレが食おうと思っていたカツ丼を・・・まあ、いいか胃袋共有だし」ということになります。

まあ・・・人を殺した人間から「別の誰かが私に囁いたのだ・・・」などと取調べ中に言われた刑事は「またかよっ・・・カツ丼おかわりかよっ」と思うかもしれませんが。

もちろん・・・主人格は断絶されず・・・他者を認識する同時性多重人格もあるわけです。この場合は心のセットは一つでありながら、無数のサブシステムが独自に作用するというイメージになります。つまり・・・いるはずのない誰かがそこにいると心が認識するわけです。これはまさに覚醒中に夢を見ていることになるわけです。

まあ・・・こうして・・・キッドがこの記事を書いている間にも絶世の美女がアイスコーヒーを入れたり、とっくに土に還った友人が「そこはもう少しボケればぁ」とか、翼の折れた天使犬がすねをなめていたり・・・もうすでに子供のいるはずの少女がテレビゲームの相手待ちをしながらウロチョロ邪魔をしたり・・・多重人格者は心の休まるヒマがないっていうか・・・永遠のノイズの中に棲んでいるっていうか。晴れた日に宇宙が見えるっていうか。

関連するキッドのブログ『第8話のレビュー

Hcinhawaii0561 ごっこガーデン。実写版あんぱんち様がいたセット。まこえー、今回、マコドロンジョがマコリンに変装して竹しゃまを捕獲するにあたっての苦心した点についてご説明しましゅ。まず戸田ちゃんの衣装はキツキツでしゅ。まこは今、成長期なのでしゅ~。けしてぼよよんスーツを着込んでいたからではないのでしゅ。ついでにあんぱんち様を捜していたので前半・・・意味が判らず二度見しましたから~くうオーバーキル・・・それは心の傷の深さの裏返し・・・世界にはやるせないことがあるんだろうなぁ。現実の世界ではたとえ・・・この発症が認定されても死刑になったりしてるのよね・・・二重人格の責任とらされるってこと?お気楽今回も様々な戸田ちゃんのかわいいシーンが散りばめられていたのでした・・・弟人格の時はエレベーターに乗れるってことなの?・・・さてヤッターマンとしてはパフェでも食べるかな・・・ikasama4トンズラーはプリンアラモードお願いします。BOSSに憧れる木元は逮捕術もメキメキ上達ですな・・・人間を成長させるものはやはり愛なのです。そして憎しみでしか愛を表現できないのは悲しいことなのです・・・さてさてまさか最後の敵BOSSは・・・アンナ毎日がアイ・カム・ウィズ・ザ・レインぴょんエリ絵里子の彼氏は逆モードで・・・このあたりの構成がキッチリしてまスー。頭に毛根の刺青がおしゃれでスー。BOSSはホントに安心作ですyon!・・・エリはクリームソーダにしまスーあんぱんちふぅーっ・・・予告編ですでに脱力しました(爆)」「まことちゃんハウス見学に行ったりしてたら遅刻しましたーっ」みのむしハゲタカ見に行ってたら遅刻るるる~mari熱湯・離婚・父子家庭・閉所恐怖症・・・四つの悲しいキーワードでしたね。それにしても特別対策室が謹慎?・・・一体何が起きたのでしょうか・・・まあ・・・今回の捜査手法も違法っていえば違法ですけど・・・囮捜査だし

土曜日に見る予定のテレビ『MR.BRAIN』(TBSテレビ)『ザ・クイズショウ』『イケ麺そば屋探偵』(日本テレビ)『吹石一恵の風に舞いあがるビニールシート』『ERⅩⅡ』(NHK総合)『魔女裁判』(フジテレビ)

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2009年6月11日 (木)

ぞうさんぞうさんお鼻が長いのね(川島海荷)そうよ母さんも長いのよ(稲森いずみ)

人間が人間を再生産する。それが親子関係である。

人間から生れてくるのはほとんどの場合、人間である。

もちろん、遺伝子の突然変異で違うものが生れる場合もあるが・・・それはこの際、計算に入れない。

しかし・・・時には人間が鬼を生むかもしれないし、場合によっては天使を生むかもしれない。

もしも・・・鬼を生んでしまっても・・・母親は生れた子を慈しみ、生れた子を母親を慕う。

そうであってほしいものだ。童謡「ぞうさん」にはそういうせつない願いがこめられていると思う。

ちなみに・・・ピンクの象が見えないのにこの世に生を受けるものがいることとは別問題です。

で、『アイシテル~海容~・第9回』(日本テレビ090610PM10~)原作・伊藤実、脚本・吉本昌弘、演出・国本雅広を見た。くりかえしになるがキヨタンを殺害した智也(嘉数一星)は犯罪者にはならない。14歳に満たないので責任能力がないからである。彼は家庭裁判所で「触法少年」として保護処分を下される。そして児童自立支援施設に送致となったのである。

智也の両親であるさつき(稲森)、和彦(山本太郎)にとっては「親失格」の烙印を審判によって決定されたということである。いわば「あなたたちの手には負えない子供なので国が面倒を見ます」と宣告されたわけである。

しかし・・・このケースをドラマで見ているお茶の間は「そんなことを言われてもな・・・」と思うのが普通である。まさに親としては不運としか言えないからだ。

けれど・・・人によっては「人を殺せる子供=怪物」という認識も働くかもしれない。

特にある程度の知的水準に達しなければ「殺意の認識」ができないとすれば・・・「人を殺そうと思う」こと自体が異常に思えるかもしれないし、「殺意の記憶」がある人間でも「それを実行に移すにはある境界線を越える必要がある」と考えるかもしれない。

しかし・・・そういう人間はダイエットしなければならないのに間食してしまう経験がないか、それと殺意と殺人の実行は別のシステムと考えるタイプなのである。

けれど、本質的にはほとんどの人間が殺意を持つことができるし、ほとんどの人間が殺人を実行できる。ようするに機会に恵まれないだけだという考え方もある。

このように・・・「殺意」「殺人」の認識に限ってだけでも認識を共有するのにはかなり複雑な問題がある。

まして・・・子供が子供を殺した事件を描くことは非情にデリケートな問題だ。

たとえば・・・智也は「人を殺したら死刑になるから自分は死刑になる」と認識していた。

明らかに誤解であるが・・・子供に「人を殺したら死刑になるよ」とウソをついている親はかなりの量になるはずである。

もちろん・・・本当にそういう間違った認識を持っている親もあるだろうが・・・多くは「人殺しは死刑になるほど悪いことだ」と子供に伝えるためにそう言う親なのであろう。

しかし・・・現在ではそういう間違った知識でそういう恐怖を与えることは児童虐待になりかねない。

ドラマの中では智也は「死を覚悟」することによってある意味、心が麻痺してしまった風に描かれる。

第三者を代表する調査官の富田(田中美佐子)はそのことを察知し・・・とまどいを感じるのである。被害者が発生し加害者が存在するのに犯罪そのものがない少年事件の困難さがここにある。

しかし・・・世間というものはそういう微妙な立場の加害者の親たちを容赦なく疎外する。少年事件の認識に立てばそれは無思慮の行為であるが・・・ドラマとしては許容範囲なのである。

なぜなら・・・そういう社会的制裁の描写がなければ優秀な知能を持った子供が触法行為に走る恐れがあるからである。

キッドの場合、小学校一年生くらいで「今なら少年Aですむ」とよく考えたものだ。

もちろん・・・そういう天才少年でなくても中学生くらいになればちょっと悪知恵の働く子供ならそう考えるものだ。

そして・・・親が子供より知性において劣ることなど日常茶飯事である。

だが・・・そういう子供たちの知恵は多くの場合、バランスを欠いているものであり、そこに社会と個人の戦いの縮図のひとつである親子の対立における親のアドヴァンテージがあるのだ。くちばしの黄色いガキがほざくんじゃないとか自分の食い扶持を稼ぐようになってから生意気を言えとか問答無用でぶっとばすことも可なのである。

しかし・・・時には・・・バランスを欠いたまま大人になる子供がいて・・・彼らは時にしつけを虐待と呼び・・・子供を甘やかすことに全身全霊を傾けることがある。そういう人々は親に逆らう子供を簀巻きにして橋からロープでつるして教育する親を頭がおかしいと糾弾したりする。実に困ったことである。

まあ・・・とにかく・・・そういう法を施行する国家で起こってはいけない事件がおこり関係者一同困り果てています。

被害者の母親「キヨタンは殺されるような悪い子ではなかった・・・でも美帆子(川島)がもし誰かを殺したら・・・と思うと加害者の母親の気持ちも分る・・・一人の人間として」

被害者の父親「そんなこと言ったって現にキヨタンは殺されていないじゃないか・・・加害者も加害者の両親も死んでしまえばいいと思う自分もいるし・・・家族のことを思うとそんな自分が恐ろしくもある」

被害者の姉「キヨタンが死んで・・・両親の愛情はともかく・・・子供としての経済的権利は独占できて加害者には感謝したいくらいだが・・・そう思ってしまう自分が人間として悲しいと思う」

加害者の母親「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。あっカブトムシ」

加害者の父親「どうしていいかわからないよ・・・でもビッグニュースだな」

調査官「ああ・・・またそんな中途半端な抱擁して・・・結局・・・この母親ってば恥ずかしがりやさんなんだわ。かっこつけすぎでぎこちなくなるタイプ。で・・・子供ははにかむタイプ。でも心の中では恥ずかしいことに執着しているのね。これはまどろっこしいわ・・・恥ずかしがらないタイプの親と恥しがりやの子供の方が相性いいのかなあ・・・うざいって言えばすむし・・・」

被害者の母「キヨタンのお墓の前で待ってます」

加害者の母「すみません、すみません、すみません了解(ラジャー)」

ぞうさん ぞうさん

誰がすきなの

あのね 母さんが すきなのよ

関連するキッドのブログ『第8話のレビュー

水曜日のダンスは・・・

「臨場」・・・・・14.1%↗14.5%↘12.8%↗14.8%↗15.2%↘14.6%↘14.5%↗15.6%(↗サッカー16.1%)

「海容」・・・・・13.2%↗13.7%↗14.2%↘13.0%↗14.8%↘13.9%↗14.0%↗15.6%↗16.6%

「夫婦道」・・・*9.2%↘*8.9%↘*8.6%↘*7.9%↗*9.2%↘*6.7%↗*8.2%↘*6.3%↘*5.8%

ダンス休止なのに「夫婦道」・・・。

金曜日に見る予定のテレビ『ツレがうつになりまして。』(NHK総合)『新垣結衣のスマイル』(TBSテレビ)『湯けむりスナイパー』(テレビ東京)『香椎由宇の名探偵の掟』(テレビ朝日)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

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2009年6月10日 (水)

もうっと言って地団駄始めました(堀北真希)手術中麻酔が切れたら痛いと思う(大橋のぞみ)ワッフルワッフル(吉高由里子)

死線の話である。生死の境目であるが・・・生命線でもいいのだが、手相を連想するとちょっと違う気がするのだな。

「アドレな!ガレッジ」はくまきりあさ美にとって一種の生命線だと思うが番組を卒業なのである。まあ・・・日本では29歳のバニーガールはまさに一線級としてはギリギリだからな。

芸能界では人間の商品化は日常的なことであり、それを賛否の対象にされても全関係者が困惑することになると思う。

そこには常に微妙な問題がある。それを暗示する言葉が「芸は売っても体は売らない」という芸者の決まり文句であるが・・・芸なんて体と切り離せるものではない。

もちろん・・・そこには法令や道徳の無言の圧力が関係してくる。

「売春禁止法」が出来れば枕芸者が犯罪者となり、「児童ポルノ法」が出来れば未成年のヌードモデルを起用すれば犯罪者なのである。

人間がどこに性的な欲望を感じるかについて科学的な解明はまったくなされていないわけだが、その曖昧な部分で時には児童の過度な虐待が行われることは問題である。しかし、何をもって虐待とするかの線引きは非常に難しいだろう。

たとえば・・・今回、さち(大橋のぞみ)が発熱して昏倒しているシーンに激しく欲情する人間がいないとは断言できないのだ。そうなると線引きをする人間の判断しだいではこのドラマのスタッフ一同児童虐待である。

家族で海水浴に行き、娘の水着の写真を撮った父親が現行犯逮捕される日も近いかもしれない。

まあ・・・キッドはそういう悪夢のような事態にはならないと人間の良識をある程度信じているわけだが。

火曜日のドラマ対決は①「白い春」↘12.5% ②「アタシんちの男子」↘10.4%

で、『アタシんちの男子・第9回』(フジテレビ090609PM9~)脚本・武藤将吾、演出・佐藤源太を見た。そういう意味では堂々と「性」を商品化しているドラマである。欧米では挨拶であるかもしれないキスも日本ではまぎれもなく性的行為である。その需要があるのかどうかは別として、千里(堀北真希20歳)は成人女性であり、堂々と職業・女優という立場でキス・シーンを演じるわけである。同様に長男も三男もいい体をしているイケメン俳優として上半身の裸体を惜しげもなくさらすのである。その需要があるのかどうかは別としてだ。もちろん、ドラマの中で女優がキスしようが、俳優が裸体を見せようが性的な問題ではないという考え方もあるが・・・それで激しく性的興奮を覚える人が絶対にいないとはいいきれないのである。・・・で、それは法的規制を必要とするものなのか・・・。

それが・・・人間の欲望の本質に根ざすものならば・・・その法的規制はほとんど効果がないと言ってさしつかえないだろう。禁酒法ができればスピーク・イージー(もぐりの酒場)が乱立し・・・それは非合法活動ゆえにギャングの資金源となるのだ。

もちろん・・・少年少女を性的に虐待しその人権を奪うような行為は激しく糾弾されなければならない。しかし・・・それは結局・・・あらゆる人間の根源的な日々の戦いに還元されるのである。

法はあくまでその手段にすぎないのである。

哀れな子供たちを救出するには結局はタクシードライバーが少女売春宿に武装して乱入し大暴れするしかないのだと思います。

今週の妄想イケメン度査定。

①故・大蔵新造(草刈正雄)・・・回想シーンで登場。殺人犯である猛の父親から猛を金で買ったと公言していたが実は犯罪者の子供である人生から猛を保護する方便であることが判明。長男への手紙に時田の野心について記す。相変わらず暗号で遊ぶのだが千里にはなぜかすぐに解明できるのである。これが夫婦の呼吸と言うものだろう。生前の仲むつまじさを感じさせる。とにかくこの世界の人々は正雄の遺骨の混じった大気を呼吸していることを忘れてはならない。まあ、深夜にはケータイ刑事の相棒として健在なのだが↗。

②時田修司(山本耕史)・・・理想の秘書。理想の弁護士でそっと背後に立つ小金井響子(高島礼子)を山川豊コンサートのプラチナチケットで買収したらしい。メイドで忍者の井上さん(江口のりこ)不在の間にやりたい放題だが、暗躍や陰謀をするときには声が震えるかわいさをアピール→。

③大蔵風(要潤)・・・無職の長男、実は新造の実子であることが判明。ハードゲイ(HG)にも手を出すバイセクシュアルである。最近はすっかりお兄さんである。時田は玩具メーカーのミラクルをゲームに一本化するらしいが・・・対抗するには兄弟が各部門のトップになる必要がある。風は科学教材担当か。→。

④大蔵翔(向井理)・・・ホストの三男、すっかり、千里びいきになり、あれこれと手を尽くす。風とはナイスコンビになりつつある。今回は千里の肩にタッチ。ミラクルでは大人の玩具担当か。↘。

⑤大蔵知(瀬戸康史)・・・ひきこもりの高校生の五男、大縄跳びで運動音痴であることが発覚。ミラクルでは手品グッズ担当か↘。

⑥大蔵明(岡本知樹)・・・生意気な中学生の六男、完璧な棒演技で追従を許さない。ちょっとしたナイス・ツッコミも棒であるところが救いである。今週の棒「それちょうだい」・・・ミラクルではマネーゲーム担当か↗。

⑦大蔵猛(岡田義徳)・・・ホスト見習いの次男、よっちゃんやうっちーであってそもそもイケメンではないのだが。実の父親と暮らすために旅立つ。ミラクルではミニカー担当か↗。

⑧大蔵優(山本裕典)・・・カリスマモデルの四男、女性恐怖症でおネー系男子、どちらかといえばキモカワレベル。千里も好きだが知も好きなボーイズラブにも目覚めたバイセクシュアルである。リカちゃん担当か↘。

⑨国士豊(つるの剛士)・・・ネットカフェの千里親衛隊長・・・空気だが今回は裏切りを暗示する自覚なきストーカー→。

⑩真島平次(永山絢斗)・・・ネットカフェの千里親衛隊員・・・空気だが自覚あるストーカー↘。

順位変動しないじゃないかっ・・・という人もいるでしょうがけして手抜きではなくそういう査定だからです。

まあ・・・結局・・・お世話になったらお礼が必要だ・・・それが作者の言いたいことなのだと思います。まあ・・・それはある意味正論ですが・・・そんなこと今さら言われてもな。

関連するキッドのブログ『先週の火曜日のレビュー

で、『白い春・第9話』(フジテレビ090609PM10~)脚本・尾崎将也、演出・小松隆志を見た。人間の善意など信じないという人は愚かだし、人間の悪意だけを感じ取る人も愚かである。人間は善悪の塊であり・・・時には善意と悪意を同時に放出することも可能なのである。

たとえば育児放棄をしてしまうような鬼畜レベルはさておき・・・子供に対するしつけも善悪は糾う縄の如しである。

基本的には・・・家庭と社会は別の次元である。家庭には濃密な愛があるのが基本である。親は善意でもって社会の悪意から子供を守るという姿勢がある。

しかし、子供がやがて社会に適応しなければならないために・・・悪意に偽装した善意を持つ必要がある。かわいい子供を叱るのはつらいものだが・・・親は心を鬼にして子供をしつけるのである。もちろん・・・そこには加減が存在する。行き過ぎれば虐待と評価され、不足すれば甘やかしたことになるのである。

この加減は難しいぞ~。

しかし・・・このドラマではその加減は抜群に巧妙になっている。なにしろ・・・主役からして殺人の前科のある春男(阿部寛)なのであるが・・・さち(大橋)が実子だと悟った瞬間から全身全霊でさちに善意を放射するのである。

その放射はあまりにも強烈であるために・・・登場人物たちはどんどん善意の人になっていくのである。

さちを結果として春男から奪ったパン屋は・・・さちの実の父親である春男の再起のために機会を与え・・・さちから春男を遠ざけたいと願いつつ・・・春男を雇用する。

そして・・・恋した女の忘れ形見であるさちを全身全霊で育ての父親として愛するのである。

そして・・・やくざな春男の更生を信じたりするのである。

今回、心臓病で緊急手術の必要となったさちのためにパン屋を抵当に入れて借金する覚悟である。

そして・・・神社では・・・春男と並んで手術の成功を神頼みするのである。

パン屋の拍手がカタギな感じ、春男の拍手が極道風味で爆笑である。

栞(吉高由里子)は春男に父性を感じているのでさちには嫉妬するのであるが・・・その心を押し殺して・・・さちのために春男が初任給で買う水彩画セット選びをお手伝いである。

さちの母親(紺野まひる)の妹であるだけでさちの母親代わりをする佳奈子(白石美帆)は本来善意の人であるが・・・今回はさらに繊細だ。

さちが入院中・・・不安を感じていることをただ一人敏感に感じ取る。そして・・・パン屋の目を盗んでこっそり春男が見舞いにこれるように手配をするのである。

栞は佳奈子には「隠れてお見舞いさせるなんて勝手ね」と春男のために嫌味を言いつつ、春男には「意地を張っていないで見舞いに行け」とけしかける。

栞と佳奈子・・・あうんの呼吸である。

人々の過剰なまでの善意に見守られて・・・さちと春男は手術前の不安なひとときを楽しい一瞬に変えることができたのである。

実の父「大丈夫か」

そうとは知らない娘「こわい」

実の父「こわくなんかないさ」

そうとは知らない娘「うん」

なのである。・・・そして来週は・・・手術です。予告編はとても節度ある長めになっていました。こうでないと。ああ・・・善意にあふれたレビューは気が楽でいいなぁ。

木曜日に見る予定のテレビ『シスターミキのゴーストフレンズ』(NHK総合)『釈由美子のLOVE GAME』(日本テレビ)『中年悪女大集合の夜光の階段』(テレビ朝日)『戸田恵梨香のBOSS』(フジテレビ)

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2009年6月 9日 (火)

狙われているのに気がつかない男(オダギリジョー)よりどりみどりなのに選ばない女(長澤まさみ)

もちろん・・・ドラマの登場人物と俳優は別人格である。

しかし・・・外殻と内面には相関関係があるはずである。

そこで作り手は登場人物と演技者の間の空隙をイメージしなければならない。

しかし・・・この脚本家はそんなことは知ったこっちゃないというタイプである。

まあ・・・そういう生き方もあるよね。

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「スマイル」↘*7.1%(要するに絵空事が過ぎたってか)、「名探偵の掟」↘*9.4%(香椎由宇がガッキーに勝っちゃった)、「必殺仕事人09」↘*9.6%(谷村美月回だったのだが)、「千と千尋の神隠し」21.4%(泣く子もだまります)、「ツレうつ」↗*7.7%(泰造が松潤に勝っちゃった)、「MR.BRAIN」↘16.3%(外ベタ内ひねりのバランス悪し)、「ザ・クイズショウ」↗12.5%(ヤッターマンダルビッシュ流れを確保)、「ビニールシート」↘*4.9%(吹石を戦場に出さないとね)、「魔女裁判」↘*5.7%(結局裁判員は裁判の素人だけど国民の代表という視点が分ってないんだな、もう一度じっくり12人の怒れる男を見てみるべき)、「福原警部」16.5%(石塚・藤谷ペアが木村・亀梨・綾瀬・相武連合軍に勝つとは恐ろしいことだ)、「天地人」↗22.0%(子供店長の与六おそるべし)、「ぼくの妹」↘*7.0%(どんなに底辺があえいでいても国民の大多数は世界でも恵まれた人々であることを忘れているんだな・・・作り手が)、「ターミネーター3」18.6%(何回戻ってくれば気がすむのだ)・・・以上。

で、『ぼくの妹・第8回』(TBSテレビ090607PM9~)脚本・池畑俊策、演出・森嶋正也を見た。誰がなんといおうと九鬼(千原ジュニア)の二枚目ぶりを絶対に受け入れない。絶対にだ。折り紙の風車なんかで騙されるもんかーっ。しかも・・・肺がん発症である。

「私の幸せを祈っていてね」と最愛の妹・颯(長澤)に頼まれた兄・盟(オダジョー)の心は乱れまくるのだった。

今回もものすごくありえない展開を何度も飲み込まされつつ・・・それに胸焼けさえしなければそこそこ面白いこのドラマ。

まず・・・すごいのは・・・埼玉県には死ぬほど病院があるだろうに・・・なぜ盟の友人が派遣されている病院に九鬼はたまたま通院するのか。そして・・・毎日患者は死ぬほど来るだろうに九鬼のカルテをたまたま友人は盟に見せるのか・・・ふっ・・・ドラマだからな。

もう、このクスリが飲み込めれば、はるばる岡山県まで桜井のじいさんの遺骨を届けに行った盟がたまたま寺の住職(またもや品川徹)の娘の看護師・機美・・・キビダンゴか(西原亜希・・・長澤とはDV仲間である)に見初められ、その勤務する病院長がたまたま盟の恩師の恩師であることも全く気になりません。

だからといって九鬼がイケメン風吹かせるのは金輪際認めないぞーっ。

ちなみに・・・盟はたまたま知ってしまった九鬼の病状を・・・颯に知らせることがなぜできないのかという疑問がお茶の間に生じるわけだが・・・これは「九鬼との幸せな生活をエンジョイする妹を悲しませたくないから・・・」ではありません。

できれば・・・九鬼は医者にかからず・・・病気が悪化して死ねば・・・妹を取り戻せると考えたからです。

よろしいですか・・・突然、週二回、東京-岡山間を通勤してほしいとおねだりにきた変なナースの誘いを拒めなかったり・・・終電なくなったから家に泊めたりするからといって盟は単なるお人よしではありません。いくらお嬢様だからといって理事長の娘に無担保で900万円を融通させ、用が済んだら利子もつけずに返すという大胆不敵である意味、心無い男・・・それが盟なのです。

妹のためなら・・・人くらい簡単に殺せる男だ・・・と妄想刑事は断言しますよ・・・それは誰なんだよ。

とにかく、高層ビルの外壁清掃をする颯を見上げるだけで立ちくらみする盟のオタオタぶりにごまかされてはいけないということです。

さて・・・男女雇用機会均等法の施行以来、日本では男は限りなく女に近くなり、女は限りなく男に近くなっているように見えますが、所詮は男と女なのです。

杉浦太陽が辻希美にキティーちゃんのトイレカバーを強要され、高岡蒼甫が浮気の代償として宮崎あおいに禁酒を誓わされようともです。・・・たとえがわからんわっ。

盟は最も近い異性として颯に出会った。弁護士が妻子を捨てるほど入れあげる魅力的な女にです。

そして颯は最も近い異性として盟に会いました。ゆきずりの美人局女(ともさかりえ)だろうが、理事長の娘(笹本玲奈)だろうが、田舎の看護師だろうが、出会った相手が瞬間的に結婚したいと考える男です。

つまり・・・世に言う・・・美男美女のカップルなのですが・・・兄妹なので結婚できないという呪いがかけられているのです。

二人の心はいつも「妹が妹じゃなかったら・・・」「お兄ちゃんがお兄ちゃんじゃなかったら」と見果てぬ夢を見る夫婦兄妹です。所詮男と女なのにこれは苦しい。

まあ・・・どこかイエスタディー・ワンス・モアの聞こえる異国の教会で秘密の結婚式をあげけばいいのにと思ったりもしますが・・・まあ・・・夫婦とちがって兄妹は離婚もできない永遠の関係でいいじゃないかという考え方もあるわけです。

そんな兄と妹はどのようにお互いを高めあえばいいのでしょうか。

それはつまり・・・自分と世界のバランスの問題に通じてきます。

自分と世界(他者)は違うと認めること。

そして自分と世界(他者)は同一だと感じることです。

「お兄ちゃん・・・私は夜汽車に乗るの・・・トランク二つが私の嫁入り道具」

「お前は相手を間違えているよ・・・(お前の相手はオレだろう)」

「お兄ちゃん・・・私はとても不安・・・一週間後にはボロボロになって帰ってくるかも」

「だったら行くなよ・・・(お前にはオレしかいないんだって)」

「お兄ちゃん・・・でも私は行くの・・・幸せは待っていては手に入らないものだから」

「・・・(オレは待っているぜ)・・・ところで900万円の借金どうなったんだ?・・・それとビルの窓って上から下に拭くよね・・・お前はお風呂で足の裏から洗うタイプなの?」

はたして・・・男と女は違いを認め合い・・・やがて一つになれるものなのか。

人類発祥以来の謎がここにあります。

抱きしめても

抱きしめても

届かない想いがあるから

切なくなるときがあるよ

男と女だけど兄と妹だからかな

兄と弟ならさらに変態だけどね

関連するキッドのブログ『第7話のレビュー

水曜日に見る予定のテレビ『アイシテル・海容』(日本テレビ)『夫婦道』『漂流ネットカフェ』(TBSテレビ)

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2009年6月 8日 (月)

ハッとして天地人(妻夫木聡)グッときてパッと決まった愛だから(常盤貴子)

まあ・・・「ハッとしてGOOD!/田原俊彦」(1980)を知らない人も多いのかもしれません。

ぐっという日本語は・・・戦国時代もあったと推定できますが、それは・・・ぐい(と飲む)とかぐう(の音も出ない)とかの変化形があるはずだからです。

しかし・・・越後の人々が気持ちをつかまれることをぐっとくると言ったかどうかは定かではありませんな。

で、『天地人・第23話』(NHK総合090607PM8~)原作・火坂雅志、脚本・小松江里子、演出・片岡敬司を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。ついにたまっていた卓袱台在庫一斉処分でございます。完全アニメ化です。もう、まるっきりグッとこなかったのですな。分ります。お気持ち察します。ご同情申し上げます。しかし、景勝の兜の前立てが飯綱権現であるところは見逃さないのですな。さすがでございます。徳川家における石川数正出奔を受けて・・・上杉家中は疑心暗鬼の最中。すでに妹婿の畠山義春(上条上杉家)追放の計画が進行中だと思われるのに・・・故郷にピクニックの主従って・・・坂戸城は謀反中の新発田重家の新発田城と上野の北条勢力に挟まれて・・・ある意味最前線でございますのにねーっ。脚本家を「ぼくの妹」のお花畑に埋めてしまいたいわ。愛宕権現の愛だとか・・・景勝の信義の義に応じて仁愛の愛だとか諸説ある愛の印ですが・・・妄想では愛染明王説を採用しております。

Tenchijin158503 で、天正13年(1585年)は延々と続くのである。続くからにはもう少し内容があるといいよね。越中国境まで完全に制覇した羽柴勢。以前として越後北東部で抵抗を続ける新発田重家。そして信濃を侵食する徳川や上野を窺う北条と独立勢力となった真田氏を挟んで虚々実々の駆け引き。戦国時代終焉を前に最後の領地確定をめぐり越後周辺はただならぬことになっているのである。それなのにこの大河ドラマときたら・・・ありもしない秀吉とのご対面、ありもしない石田三成遊びに来ちゃいました、ありもしない真田幸村弟子入り騒動である。もうあいた口がふさがらない人だらけで新型インフルエンザ流行に一役かっているのではないかと思う今日この頃です。

さて・・・信濃である。戦の鬼・真田昌幸が徳川侵攻軍に大打撃を与え・・・撤退を余儀なくしたために・・・虚空蔵山中の真田の隠れ里にもひとときの平和が訪れている。

父・昌幸の依頼で・・・くのいちの初音が忍びの育成を手がけるようになって数年・・・すでに真田佐助、望月五郎、海野八兵衛など・・・初音の目にかなった数人の忍者が実戦配備されている。今、初音が手元に置いて手がけているのは本能寺の変に巻き込まれて死んだ穴山梅雪の庶子・穴山小助の養育である。

小助は体術の方はそれほどの伸びはみせなかったが・・・それでも槍は名手と呼ばれるほどの腕にはなった・・・しかし・・・抜群の知力を持っていた。すでに小助は齢十四となっており初音は最後の仕上げに入っていた。

小助が忍びの法として受けているのは説経師の偽装術である。旅芸人とも放浪僧ともつかぬ職業だが・・・ありがたい話をして食い扶持を稼ぎ諸国をめぐる説経師はしのびの隠れ蓑としては定番であった。

初音は飛び加藤伝来の「お伽草子」のうちの本地ものをテキストとして小助に語りをたたきこんでいる。本地ものは神仏の縁起(前世の姿)を語る説話である。

初音は問いかける。「それでは毘沙門天の本地など聞かせてたもれ」

小助は神妙な顔をして語り始める。すでに変声期を迎え、渋みのある声がなかなかに趣きのあるように仕込まれているのだ。「今は昔、天竺に小さき国あり、小さき国の主君の名はせんさいのきみと申しました。

せんさいのきみは跡取りの子のないことを気に病み梵天王に祈願したところ・・・姫を授かりました。この姫が長ずるにおよび天竺一と噂される美姫になったのでございます。その名を天大玉姫と呼ばれ大変な人気を博しました。

ところがその噂を聞き、大国のまやのおおきみが妻として差し出すように申し入れてまいりました。命にそむけば国を滅ぼすと脅され、せんさいのきみは泣く泣く天大玉姫を興し入れの旅に送り出したのでございます。

その旅の途中・・・天大玉姫は立派な若君と出会います。その名を金色太子と申します。玉姫と太子は一目会うなり、惚れあってその夜のうちに契りを交わしました。姫から事情を聞いた太子は姫にせんさいのきみの元へ戻り、太子が訪れるのを待つように伝えます。

それから太子は一振りすれば千人の首を切るという神刀を持ってまやのおおきみの十八万騎の軍勢に立ち向かったのです。はげしい戦が数年続きました。けれどさすがのまやのおおきみも神刀の武威をおそれ、ついに金色太子に降伏したのでございます。

しかし、戦の日々は時を要し・・・金色太子が勝利の言葉をもって玉姫を訪れたときに・・・姫は太子を待ち焦がれて病となりこの世を去っていたのでございました。それを知った太子は嘆き悲しみますがその夜の夢のお告げで姫が天上界にいることを知るのです。太子は天上界へかけのぼる天馬こんてい駒を捜しもとめて険しい旅を重ね・・・ついに姫の待つ天上界にたどりつきます。ひしと抱き合い涙にくれる姫と太子。そこで梵天王が現れて申すことには・・・金色太子こそは本地が毘沙門天の仮の姿、天大玉姫もまた本地が吉祥天女の仮の姿だったという真言(まことのり)・・・これ一切善哉でございまする」

滔々と述べる小助の語りに頷いて初音はなおも問いをかける。「それでは越後国の真言寺の本地をお聞かせ願いたい」

小助は一瞬、間を取るとやや越後訛りを加えて語り出す。「今は昔、越後の国になにがしの宗忠という長者のあったそうな。たいそうなはぶりのよさで威勢をほこった宗忠の一族であったそうな。

しかし、ある夜の夢に神の使いが現れて、七年たつと迎えに来る(寿命である)と告げられたそうな。宗忠はその性、信心深く、後生大事と願う一心から、財を投げ打ちお堂を建立し、都より天台の和尚を迎えたてまつったそうな。

和尚は快く下向し七日間の説法を行って宗忠に功徳をつませる。宗忠はたいそう喜び、和尚を宴でもてなした。その宴があまりにも盛んであったためか、何処からか天女が舞い込み、宴はさらに盛況となり三日三晩続いたそうな。やがて宴が果てると天女は何処へと去って行く。

しかし、その日より宗忠のせがれ宗光は天女のおもかげが頭を去らず・・・恋の病にとりつかれたそうな。今ひとたびの逢瀬を願い宗光は気もふれんばかりの有様。息子を哀れんだ宗忠は諸国の寺に祈願を重ねる。すると羽黒山の観音菩薩が現れて宗光に山中の古堂を示す。宗光がその古堂に一夜こもると件の天女が現れ、天女がすでにこの世のものでなく、浄土を棲み家となしているため、この恋は成就しないと諭したそうな。

しかし、宗光はあきらめることができず、父・宗忠に別れを告げ浄土へと旅立つ。御仏はこの宗光の心を哀れと思い・・・浄土への道を示す。険しい旅の果て、ついに宗光は天女と涙の再会を果たしたそうな。するとたちまち、宗光の本性が愛染明王、天女の本性が弁財天であることが明らかになりて・・・これ一切善哉なり」

「よかろう・・・」初音は聞き手としての擬態を解き、緊張を解いたまだ幼さの残る小助に微笑んだ。「天竺のものも・・・越後のものも・・・人は皆似ておろう・・・」

小助は美しい師匠の顔を見つめる。「近頃・・・お前の兄弟子である・・・越後の直江兼続は・・・愛の印を掲げたそうじゃ・・・亡き謙信公の毘の旗を主君・景勝が受け継いでおるからの・・・毘沙門天の本地と愛染明王の本地を重ねた洒落のつもりであろう・・・ふふふ・・・与六め・・・なかなかに笑わせることよ・・・」

小助はかって自分と同じように初音の教えを受けた兄弟子と若き師匠のありし日の姿を思い浮かべた。それはどこか心が疼くような・・・しかし気が浮き立つような不可思議な気持ちを小助に与えたのである。

初音は教えをまとめた。「世の人はこのような絵空事を心の糧として辛き日々をいきていくのじゃ。そして説経師はそのおかげで日々の糧を得るという仕組みよ・・・もはやお前も立派に稼げるぞ」

天正13年がようやく暮れようとしていた。

関連するキッドのブログ『第22話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『アタシんちの男子』『白い春』(フジテレビ)

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2009年6月 7日 (日)

ミスター・ブレイン愛を語る(木村拓哉)死角のアイロニー(亀梨和也)キリンとバナナ(綾瀬はるか)

失われた恋の記憶(相武紗季)犯人は透明人間(水嶋ヒロ)しりとりの帝王(平泉成)・・・と続くのであるが・・・もう出演者多牌だろう。

掃除のお姉さん(木下優樹菜)とか喫茶室のお姉さん(SHIHO)とかまとめて挿入である。

もう・・・出演者の出番を作るのだけで精一杯なのだな。

そして・・・予想通り・・・ドアの影にかくれていました展開である。

この脚本家はこの手が大好きなのだが・・・いくらなんでも多用しすぎだろう。

で、『MR.BRAIN・第3話』(TBSテレビ090606PM0756~)脚本・蒔田光治・森下佳子、演出・平川雄一郎を見た。「平成夫婦茶碗」や「白夜行」の脚本家・森下が脚本協力から昇格である。チーム制脚本は、時間の余裕があってリーダーシップが確立されていれば有効だが、一歩間違えるととりとめのないことになる。今回はかなり際どい感じでした。

盲点や死角というのはミステリの基本中の基本である。たとえばほとんどの人間は背後が見えない。しかし、五感を研ぎ澄ますことにより背後の気配を感じることができる。

しかし、人間には第六感があり、その場合は背後に誰もいないのに視線を感じることがあるわけである。

そこにいるのはビートルジュースかもしれないが西川のりおの吹き替え版だとガッカリなのである。まあ、ティム・バートンは基本的に悪趣味なので趣味の悪さをノリノリで受け入れるかもしれない。

脈絡なき脱線はさておき、研修医・めぐみ(相武)は背後の気配に気がつき、ふりかえることによって最悪の光景を目撃し・・・そして階段から落下・・・脳を損傷しほとんどの記憶を失ってしまう。

めぐみが被害者になった以上、加害者はめぐみの婚約者で優秀な外科医・雅和(亀梨)であるしかないのだが・・・その動機が限りなく薄く感じられる演出になっている。雅和はめぐみを愛しているが・・・自分の保身を選択する。それでは愛の立場がないのである。

ただし・・・そういう「感じ」はわからないでもない。脚本的にも充分に描かれている。しかし、トータルで考えると散漫な印象も残るのである。それはある程度知的であると分りにくくなるという話なのである。

今回は・・・意識の永遠のテーマである「理性と感情の対立」が主題である。

これを一言で言うと「アイロニー」ということになるのだが、日本語の「皮肉」は少しニュアンスがことなる。実はアイロニーとは本音と建前であり・・・皮肉とは文字通り、皮(表面)と肉(中身)という意味であるのだが・・・日本では本音が尊重される気配がある。

たとえば・・・「あなたは本当に美人だよ」という皮肉がある場合、それを皮肉ととると「美人ではなくなってしまう」のである。

しかし、皮肉とはあくまで「あなたは本当に美人だ(本当はそれほど美人じゃない)」ということなのである。

この両義性こそがアイロニーの本質なのである。アイロニーとは物事を明確にせず曖昧にする知的な道具なのである。

今回は二つの皮肉が語られていく。一つは「監視カメラの死角」である。これは雅和がめぐみ襲撃に使うトリックなのだが・・・監視カメラを避けたことによって・・・そこに存在することが不合理になってしまうという皮肉になっていく。つまり、そこにいるはずがないのにいるという矛盾になっていくのである。

もう一つは「理性的な計画が愛に溺れて失敗すること」である。

例によって怪しい脳科学の機能局在論で・・・記憶領域の活動を愛の根源などとこのブログのタイトルのようなことを言う九十九(木村)なのだが・・・この件はこのようになっている。

医療のとある分野の研究で成果をあげつつあった雅和はその研究費用を捻出するために医療器メーカーから裏金(リベート)を受け取っていた。これは犯罪であるが、雅和の理性は「研究の成果(裏金の必要性)」と考えていたわけである。

しかし、医学部内で教授(品川徹)が雅和の上司(小市慢太郎)によって殺害されるという事件が発生し・・・二人の不仲をめぐみが警察に通告しようとするという予想外の展開となる。

そこで雅和の上司に嫌疑がかかると・・・雅和の裏金授受が発覚する恐れが出てきたのである。

雅和は・・・「研究の成果(裏金の発覚阻止)婚約者めぐみの殺害」を計画する。

理性では・・・研究の成果の方が婚約者めぐみの生存より優先されたのである。

しかし・・・実際に犯行に及んだ雅和はめぐみに対する予想以上の自分の愛情に抵抗され・・・殺人は未遂に終ってしまう。

九十九は雅和の行為を激しく糾弾しながら・・・深い理解を示す。

だから雅和の心が「めぐみを愛していない(愛している)」というアイロニーであったことを解き明かすのである。

そういう意味では非常に論理的な脚本なのだがその論理がお茶の間に届いたのかどうかは疑問(届いていないと思うの)である。

もちろん・・・由里(綾瀬)はリフレッシュのためにしりとりは効果的だしバナナは脳に優しい栄養源だと受けとめることができる。しかし・・・愛がないから殺そうとしたくせに愛があるから殺せなかったってなんなのよと憤慨するに違いない。

「白い春」のキリンの絵、「BOSS」のゲストが麒麟、「スマイル」のキリンの見えるデートに続いて、しりとりで九十九の想像するすべての機械を受ける由里の敗北のキーワードがキリンである。

もちろん・・・記憶とは愛そのものである。

脳の中の脳は今・・・キリンが気になって仕方がないのかもしれない・・・。

失われためぐみの愛がいつか蘇る(蘇らない)・・・それが雅和の希望(絶望)という死角のアイロニーなのである。

アイロニーとは現れるのに現れないのが透明人間です・・・のようなものなのだ。

「その感じ」について語るのは本当に難しい。しかし、次回はクオリア(感じ)をタイトルに導入することになる予感がします。

関連するキッドのブログ『第2話のレビュー

Hcinhawaii0559 ごっこガーデン。監視の行き届かない通路セット。アンナわーい、たっくんダーリンはバナナがお好き。バナナをかぶって鬼ごっこぴょん。オホホホ。捕まえてごらんなさいよなのですぴょん。でね、映画「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン」がね。もうね。面白くってね。ドラマのレビューはしばらくお待ちくださいなのぴょん。もうね、毎日がダーリン、ダーリンなのでございましゅ~ikasama4和音ロイド1号2号完成しました。タチコマもどきを作ったついでに光学迷彩にもチャレンジしました・・・妄想研究資金は無尽蔵なのでリベートはもらいませんみのむし透明服って涼しそうだけど・・・実際はすごく通気性悪いのるるる・・・ドラマでいうとスマイルみたいな感じお気楽ううん・・・なかなかマシントラブルが解決しないのね・・・香椎由宇は温泉入らないし・・・ちすんじゃね・・・これってお風呂に入っても大丈夫なの?・・・光学迷彩マスクも欲しいんだけど

Hcinhawaii0560 ごっこガーデン。イケメンだらけの廊下セット。エリはうぅん・・・冷徹な殺人者でありながら・・・潜んでいた愛に裏切られたドクター亀梨先輩・・・心が愛をもてあます・・・困った感じの知的な役がとても似合いまスー、しかし・・・婚約者の口封じはキスでするべきなのでスー。だから・・・ここは心を鬼にしてお仕置きですyon!・・・それそれーっくうスマイルのビトでくたくたになっちゃうからなかなかヒロくんが間に合わないのよね~・・・でも捜査会議でボケすぎですから~・・・ヒロくんの主役回とかないのかなぁあんぱんちBOSSに参加したので遅刻なのよ~。来週のBOSSはお見逃しなく~。見逃したらお仕置きよ~」mari脳細胞は再生しないけれど脳機能は再生する・・・ここが脳科学の神秘のシステムなのですね・・・これは・・・廊下でSM教室?・・・まこきゃほ~、エリねえちゃんのどSの魂が点火でしゅ~、今後のドロンジョごっこの参考にしましゅ~akiふふふ・・・北海道からこっちにくるとやはりもう夏ですね・・・皆さん・・・健康管理に気をつけてね~、寝不足は禁物ですよ~

月曜日に見る予定のテレビ『ハンチョウ~神南署安積班』(TBSテレビ)『婚カツ』(フジテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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2009年6月 6日 (土)

気絶するほど撲られて元気に逃避行始めました(新垣結衣)どうしてこんなドラマに(松本潤)

もちろん、人間ではなくて超状現象的なブタ姫・花(新垣)だからである。そして原作の力があった「花より男子」と脚本家の実力を一緒に考えてはいけないということなのだな。

井上真央の「花男」(原作なし)、相武紗季の「歌姫」(自作を脚色)そして新垣結衣の「スマイル」(オリジナル)・・・禍福は糾える縄の如しである。どんどん始末におえなくなっています。

一部の世では塗りつぶしたい経歴を「黒歴史」と呼ぶそうだが、最悪の脚本を与えられ、ギリギリ踏みとどまっているキャストの皆さんは今後の人生を誇り高く生きていけるはずである。

「スマイル」だってなんとか凌いだんだ・・・どんな苦難も乗り越えられるさ・・・なのだから。

で、『かえすがえすもスマイル・第8回』(TBSテレビ090605PM10~)脚本・宅間孝行、演出・渡瀬暁彦を見た。「ぼくの妹」もひどいが、「スマイル」にくらべたらまったくマシである。もう毎回・・・泣きたくなるよ。外国人犯罪者って日本にしかない言葉だって・・・そりゃ、そうだろう・・・日本語だからな。しかし、そういう意味の言葉はすべての国家にございます。

基本的にアウト・ロウとは「法の拘束力の外にある人々」を指すのであり、法が国家単位を基本とする以上、外国人は基本的に法外の人なのである。その証拠に日本人の中学生を拉致監禁していても北朝鮮にいると想定される犯人は日本の法律では誰一人裁かれていないのである。

在日外国人が日本人でない以上、日本人としての権利がないのは当然の理である。なぜなら彼らには外国人として外国で権利を有するからだ。

弁護士という法律の専門家が・・・事件の容疑者にあることないこと言っていいのかよ。

子供も見ているのだから偏見についての偏見的主張にはもう少し思慮深くあるべきだろう。

ま・・・そんな正論言ってもムダか・・・なにしろ・・・悪名高い在日半島出身者の悪名をさらに高めようとしているだけだという見方もできるからな。

もちろん、キッドはお笑いとは心無い心だという認識もあるので、次のようなお笑いにも爆笑を禁じない。

昔、中学の社会科の教師が・・・「朝鮮人、朝鮮人とバカにするな。朝鮮人だって同じ人間だ。同じ米食ってどこが違うと朝鮮人に言われたことがあります」と言った時も爆笑したし。

「目隠しされていても大韓航空機だってすぐ分る・・・キムチくさいからな。大韓航空機が墜落でもしたら周辺キムチ臭くて大変なことになるぞ」というギャグにも大笑いである。

それが悪いお笑いだと言うのならお笑い差別だと思います。

・・・さて、それはそうとして・・・警察官から銃を強奪、その銃で知人を射殺、逃亡中の容疑者が銃を所持しているかどうかは重大な問題である。ビト(松本潤)が銃を所持している気配はないので、現場に放置した可能性は高い。当然、警察は問題の銃を回収しているのである。そこには被害者の林(小栗旬・・・いいところなく退場)の指紋も死ぬほどついているはずだ。林の脅迫行為の対象として気絶するほど暴行を受けた花(新垣)の体には明らかに傷痕が残っているはずなので・・・花が証言する以上、ビトの行為が緊急避難的要素の強いものであることは明らかにすることは比較的容易である。

まあ・・・これまでのビトの行動から・・・ビトの知能に明らかに問題があるのは明瞭なので犯罪行為の責任能力を問うという方法もあります。

しかし・・・ビトはそういう立場もわきまえず、「富士山デート」を敢行である。そして、全国で顔出しで報道されていると知っていながらのこのこと人前に顔を出し、旅館ジャック事件発生である。旅館従業員・宿泊客一同、ビトを見るなり腰が抜けて立てなくなったのである・・・・・・・・・そんなバカな!・・・・まあ、いいか。

そして、静岡県警を警視庁の刑事が指揮して、特殊部隊突入である。

時の流れを止めて 変わらない夢を

見たがるものたちと 戦うために

コレ(世情/中島みゆき)が流れるのかと思いました。

まあ・・・せっかくだから

もしも彼らが君の 何かを盗んだとしても

それはくだらないものだよ

返してもらうまでもない筈

何故なら価値は 生命に従って付いている

コレ(ありあまる冨/椎名林檎)でもいいのにね。でも盗まれた時間は返してほしいわ。まあ・・・もうどうでもいいけどね。

もうどうでもいいのさ

つまらぬことは考えないで

これからの道を生きるのさ

関連するキッドのブログ『第7話のレビュー

日本代表サッカーワールドカップ予選突破。日本1-0ウズベキスタン(審判シリア)

日曜日に見る予定のテレビ『天地人』(NHK総合)『ぼくの妹』(TBSテレビ)

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2009年6月 5日 (金)

黒の天使(小西真奈美)よくしゃべるソラマメ(戸田恵梨香)

「黒の天使」と言えば知る人ぞ知る鬼才・石井隆のシリーズである。正体不明の女殺し屋で・・・基本的にエロティックな存在である。その名は魔世である。映画では「黒の天使 Vol.2」(1999年)で天海祐希が魔世を演じている。ちなみに「黒の天使Vol.1」 (1998年)の魔世は高島礼子である。石井隆には別に「天使のはらわた」シリーズがあり、こちらの主人公は名美でよりエロティックな存在だ。名美の方は水原ゆう紀、鹿沼えり、泉じゅん、桂木麻也子、川上麻衣子が演じている。名美は凌辱されて闇におちていく女というモチーフである。

「天使のはらわた」で地獄に堕ちた女が「黒の天使」として蘇るというのが話の流れだろう。

今回、小西真奈美が演じるのはオリンピックの代表選手候補でありながらチンピラの情婦となりさらには復讐のために女殺し屋となる菜々美である。

射撃の名手でチンピラの情婦・・・この取り合わせを唐突に感じる人も多いと思うが、「黒の殺し屋」の系譜としてはしかるべき流れなのである。小西真奈美は凌辱される名美も女殺し屋の魔世も共に演じられるエロティックを兼備している存在だ。

その役名が菜々美であることは・・・なかなかに暗示的なのである。

で、『BOSS・第8回』(フジテレビ090604PM10~)脚本・林宏司、演出・光野道夫を見た。ハードボイルドでコミカルというのは非情に稀な味わいである。しかし・・・ハードボイルドであれば必然的にコミカルだという考え方もある。しかし・・・その笑いはあくまで苦いのである。

ヤマムーこと山村刑事(温水洋一)は最近、足しげく場末のバー「CLUBさびしんぼう」に通っている。店に入ると異次元空間かと思うほどに内装が豪華であるためかボトルを入れるとお勘定が「22万円」である。5000円ポッキリの店なのにである。しかし山村は店のホステス・菜々美と婚約しているのであり、けしてぼったくられているわけではないと信じていた。

ちなみに「ぼる」という言葉は「暴利」の動詞化という説と「むさぼる」の略語化という説があるのだが、暴利をむさぼるという言葉もあるのでこれを動詞化しつつ略語化すればぼるぼるである。

しかし、岩井刑事(ケンドー・コバヤシ)の目からはどう見ても・・・山村が幸せな結婚式当日を迎えることができないのは明らかであった。

刑事マミリン(戸田)が「ヤマムーが結婚?・・・結婚・・・結婚って」と三度念を押すまでもないのである。

一方事件が発生する。暴力団「龍千会」の構成員・谷本(工藤俊作)が殺人犯として逮捕直前、何者かによって刑事たちの目の前でライフルで狙撃され殺害されたのである。

そして特別犯罪対策室には「ライフルの銃弾入りの人形」が届けられる。

何者かがよせばいいのに大澤(天海)に戦いを挑んできたのだ。

しかし・・・ターゲットは片桐刑事(玉山鉄二)だったのである。そしてついに拳銃を撃てない男・片桐の過去の古傷が明らかになるのであった。

大澤は当時の事情に詳しい野立参事官補佐(竹野内豊)から極秘の捜査ファイルの閲覧を許され・・・片桐の過去を知る。

当時、大阪から流れてきた谷本は某組織のヒットマン(殺し屋)と目されていたが、大阪府警と警視庁の縄張り争いから正確な情報が得られないまま、上司の小野田(塩見三省)に発砲を許可された片桐刑事と川野刑事(長谷川博己)は谷本の潜伏先に向かった。そこで片桐は非武装のチンピラ・武藤(松田賢二)を谷本と誤認し射殺してしまう。武藤の手に握られていたのは拳銃ではなく・・・携帯電話だった。

やがて・・・片桐に直接、犯行予告があり、かってコンビを組んだ川野が狙撃される。

片桐は武藤の関係者による復讐であることを知る。

「お前が・・・のうのうと生きているのが・・・口惜しいんだよ・・・」と片桐に告げる犯人。

自決を考える片桐。しかし、大澤は・・・「丸腰の男を射殺したのはお前が背負う十字架だが・・・それを背負い続け・・・一人でも多くの犯人を逮捕する・・・それがお前の仕事なんだ・・・」と諭すのであった。部下が自殺でもしたら後味が悪いし出世に響くのである。

やがて・・・山村刑事の怪我の功名で「犯人が菜々美で・・・次のターゲットは発砲命令の真の責任者だった屋田参事官(相島一之)であること」が判明する。

武藤が片桐に射殺されたとき・・・片桐に引き金を引かせることとなった武藤の動作は懐から携帯電話を取り出したことだった。その電話をかけたのが愛人の菜々美だったのである。

射撃の五輪代表候補の菜々美がなぜ武藤の愛人あるいは恋人になったのかは定かではない。

射撃の選手といえば警察関係者や自衛隊関係者が多いが・・・そうでない場合はお嬢様であることが多い。山村刑事が「とびっきりの美人」と評する菜々美は一体どこで武藤と知り合ったのか・・・そしてどのように転落していったのか。妄想が膨らみ、「泥だらけの純情」の世界が展開されるわけだが・・・まあ・・・ただいろいろと相性が良かっただけなのかもしれない。

とにかく・・・菜々美は夜の世界で警察関係者から情報を収集し、同時に復讐のための資金を獲得していたのである。そして・・・その情報源であり資金源であった山村刑事は失恋の痛手のためにあまり・・・強くは責められないのだった。このあたりが毛根の維持に一生懸命な人の既得権益であるらしい。

サッカーの日韓戦を明日に控え、ジャパン・スタジアムで警備の指揮をとる屋田参事官。

黒の天使は観客席に舞い降りて照準を合わせる。しかし・・・悪運に守護された屋田は命中を逃れるのだった。

黒の天使を包囲する刑事たち・・・慟哭のスナイパー「黒の天使」をこよなく愛した男「おしゃべりなソラマメ」の到着をまたず・・・事件は解決したのだった。

関連するキッドのブログ『第7話のレビュー

Hcinhawaii0558 ごっこガーデン。超ぼったくりCLUBドロンジョ・お店セット。まこ竹しゃまに代わってマコリンがマコドロンジョモードでお仕置きだジョ~。ぼってぼってぼりまくるのでしゅ~。こんなボロイ商売があったとはドラマは勉強になりましゅね~。さあさあツケはおことわりでしゅよ~、端数は切り捨てオマケして今夜のお代は10億円、いつもニコニコ現金払いでお願いしましゅ~お気楽アマミンもコニタンも苦手なのね・・・志田ちゃん脱獄しないかなぁ・・・まあ、西部劇みたいな銃撃戦があるだけマシなのかな・・・最近刑事ものでも発砲件数少ないし・・・くう今回は普通に面白かった~。小西真奈美ちゃんがただのホステスのはずはないし、ああやっぱり~って感じだけどそういう期待を裏切らないところがいいのよね~あんぱんちメガホン片手にさあ、いってみようって・・・BOSSっていうよりいかりやさん・・・マミリンも一平ちゃんを助けたお礼に一発撲ってるし・・・ワキアイアイだわ~。来週、実写版あんぱんち久しぶりにBOSSに登場予定なの・・・ご期待ください~・・・見逃しちゃダメよ~・・・現場レポートあるわよ~ikasama4書き下ろし新作山む~お仕置きヴァージョンあります。あしたの、喜田善男の小日向・小西元夫妻・・・トライアングルで夫が・・・ココでは妻がスナイパーに・・・狙撃地点も逮捕された場所も似た者夫婦状態でしたな~

土曜日に見る予定のテレビ『MR.BRAIN』(TBSテレビ)『ザ・クイズショウ』『イケ麺そば屋探偵』(日本テレビ)『吹石一恵の風に舞いあがるビニールシート』『ERⅩⅡ』(NHK総合)『魔女裁判』(フジテレビ)

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2009年6月 4日 (木)

マザコン殺人事件(川島海荷)私は犯人ではありません(佐野史郎)

「ボクはお母さんが好きだからぁ」(嘉数一星)「私も好きだからぁ」(川島)「オレだって・・・」(佐野)というマザー・コンプレックスの連鎖である。面白すぎるぞっ。

水曜日のダンスは・・・

「臨場」(テレビ朝日)・・・・・・・・・・・・・・・14.1%↗14.5%↘12.8%↗14.8%↗15.2%↘14.6%↘14.5%↗15.6%

「アイシテル~海容~」(日本テレビ)・・・13.2%↗13.7%↗14.2%↘13.0%↗14.8%↘13.9%↗14.0%↗15.6%

「夫婦道」(TBSテレビ)・・・・・・・・・・・・・・*9.2%↘*8.9%↘*8.6%↘*7.9%↗*9.2%↘*6.7%↗*8.2%↘*6.3%

ついにきたシンクロ率100%・・・ナイス・ステップだ。「夫婦道」明らかに編成ミス。

で、『臨場・第8回』(テレビ朝日090603PM9~)原作・横山秀夫、脚本・尾西兼一、演出・猪原達三を見た。またもや小坂・検視補助官(松下由樹)がらみの死体である。ちなみに実年齢40才の松下と実年齢43才の川上麻衣子と実年齢40才の渡辺梓(マジマザー)が実年齢54才の春田純一と遠い昔恋愛バトルを繰り広げたという設定がなんだか・・・虚しいのであるが・・・ま、いいか。

かってはピチピチだった婦人警官トリオも・・・今はAround40である。憧れの国広(春田)夫人におさまった久乃(川上)、国広には失恋したが主婦となった春枝(渡辺)、そして仕事一筋の小坂。

久しぶりに春枝と会った小坂は家庭を持つ春枝が妬ましくてつい絶交宣言をしてしまう。

その夜、春枝は死体となって発見される。春枝は離婚し・・・淋しい一人暮らしだった。

そのためにすっかり悲劇の主人公気分になった小坂は罪悪感で押しつぶされそうになってキーッである。うっとおしいわっ。

しかし・・・部下思いの倉石(内野聖陽)は明らかに自殺の状況なのにこれは「他殺だ」と言い出す。爆笑である。

そして・・・あぶりだされる・・・春枝の危険な情事と・・・不倫関係に蒼白となった国広、そして・・・そんな夫と夫の愛人の関係を知りつつ、愛人を叱咤激励する久乃の懐の深さ・・・なのである。・・・そうなのか?

まあ・・・今回は特殊な「オレのとは違うな」でした。

ま、部下かわいさで・・・暴かれたくない他人の過去を暴き・・・警察官の不祥事をアピールする。倉石・・・やりたい放題です。でも・・・なんとなく憎めません。

結局、自殺だった久乃。ただ・・・「お前の一言が彼女を自殺に追い込んだわけじゃない」と小坂に言いたかった倉石でした。まわりくどいわっ。

しかし・・・小坂は惚れてしまった模様です・・・まあ、最初からそうだけどな。

けれど・・・所詮は実らぬ恋・・・だって倉石は家庭菜園の野菜しか愛さない男だもの。

で、『アイシテル~海容~・第8回』(日本テレビ090603PM10~)原作・伊藤実、脚本・吉本昌弘、演出・吉野洋を見た。冒頭、夏服の中学生大特集です。ポスト・沢尻エリカの呼び声も高い(誰が呼んだっ)宏美(折山みゆ)と元・キグルミの麻衣子(志村玲那)とともに下校する美帆子(川島)。話題はもしもタイムマシンがあったら・・・。

麻衣子は「期末試験をスルーして夏休みまで時間跳躍したい・・・」と言い、宏美は「憧れの人とゴールを決める成人式の夜まで跳びたい」と言いますが・・・美帆子は「あの事件の起こる前まで戻りたい」と切実に願うのでした。しかし、気を使うタイプなので・・・「過去に戻って試験勉強したいよ・・・」とお茶を濁すのです。

殺されたキヨタンに密かに殺意を感じたことのある美帆子にはキヨタン殺害事件は「もう一人の自分が犯したとりかえしのつかないこと」と認識されています。繊細なのです。

美帆子は「キヨタンを殺されて口惜しいけれど忘れてしまうしかない」と言う父親の気持ちも理解し、「キヨタンを殺されてどうしていいのかわからない」と言う母親の気持ちも理解しています。さらには「もしもキヨタンが殺した方だったら・・・」とは言わずに「もしも美帆子が人を殺したら・・・」と鈍獣レベルで気遣いのない母親の心無い仕打ちも飲み込む健気さがあります。

だから・・・もちろん・・・美帆子が一番シンパシーを感じるのは「うざいキヨタンの言動に耐え切れずついに実際に殺してしまったまだ見ぬ一人の少年の自責の念」にあるのです。

なにしろ・・・殺人少年・智也(嘉数)はその供述の中で「お姉さんの気持ちは分る」と言ってくれたのです。愚かで親バカな両親に代わって・・・美帆子の辛さをわかってくれた少年。そんな少年をどうして憎むことができるでしょう。もちろん・・・家族として血を分けた弟を殺された怨みがないわけではありませんが・・・それを1とするとキヨタンがいなくなってせいせいした気分10くらいだからです。

キヨタンの母親・聖子(板谷由夏)は加害者の母親・さつき(稲森いずみ)の気持ちが分かる・・・とものわかりの良さそうなことを言い出していますが・・・誤解してはいけません。聖子が言いたいことはただ一つ・・・「うちのキヨタンに限って殺されるような悪い子ではありません」です。ああ・・・母の愛は盲目の極み。

一方、鈍重さにかけてはいい勝負のさつき。智也に好意を寄せるフラワーショップの娘(野口真緒)が授業のノートをとってくれたのを口実に・・・「また勉強がんばろう」です。

それ(学校の一部教科)がいやで人殺しになった智也なんだよぉ・・・わかってくれよぉ・・・でございます。

そして・・・言うにことかいて・・・「お母さんのためにいろいろ(殺人を含む)してくれてありがとう」です。

たちまち・・・絶望に心を閉ざす智也・・・。

(お母さん・・・大好きなお母さん・・・だけどちょっとバカなお母さん・・・お母さんは知らないのですか・・・夜がくるたびに・・・地獄から蘇ってくるキヨタンの亡霊の恐ろしさを・・・頭からダラダラと血を流し・・・お母さんが買ってくれたグラブから血染めのボールを取り出してボクに投げつけてくる・・・ボクはボールをぶつけられてもぶつけられても黙って耐えるしかない・・・なぜならボクは人殺しだから・・・ボクは地獄のロープで拘束されて・・・指一本動かせない・・・たとえ・・・死刑にならなくても・・・最後は恐ろしい地獄へまっしぐらなのです・・・そこでボクは無数の鬼のキヨタンに囲まれて・・・いつまでもいつまでも真っ赤な血まみれのボールを全身に受け・・・責め苛まれるのです・・・お母さんは鈍感だから・・・ボクが平気で学校に戻れるなんて言う・・・おばあちゃんの家にお世話になるって・・・お習字の生徒が減った理由を知らないのですか・・・お母さんは・・・世間を知らなさすぎるのです・・・ああ・・・そんなお母さんが・・・大好きなボク・・・もう死ぬしかないとどうしてわかってくれないのです・・・調査官のおばさん(田中美佐子)だって・・・結局・・・高みの見物人にすぎないし・・・ただ知らない子より知っている子に情がうつる動物的なタイプなだけだしね・・・彩乃おばさん(田畑智子)だってほとぼりがさめるまで・・・海外に逃亡するだけなんだよぉ・・・)

関連するキッドのブログ『先週の水曜日のレビュー

金曜日に見る予定のテレビ『ツレがうつになりまして。』(NHK総合)『新垣結衣のスマイル』(TBSテレビ)『エンケンの湯けむりスナイパー』(テレビ東京)『谷村美月の必殺仕事人2009』『香椎由宇の名探偵の掟』(テレビ朝日)

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2009年6月 3日 (水)

抱きしめられてふりほどいたけどキスは許す始めました(堀北真希)一服もられてヘラヘラ始めました(吉高由里子)絶交始めました(大橋のぞみ)

実によどみのない攻撃である。やくざに呼び出されて一服もられて多幸感に襲われているというのに覚悟を決めて笑顔で応酬の栞(吉高)、圧倒的な存在感でもはや女優の風格漂うさち(大橋)、そして回想でキス、引きでキスの間にも暴走族の赤い特攻服に白いインナーで揺らしたり、裸の男たちに囲まれて困惑したり、せまくて暗い場所で押し倒されたりとサービス満天の千里(堀北)・・・日本の萌えの粋が火曜日にあります。深夜になるとチバテレビでは「涼宮ハルヒの憂鬱」あらためて放送中です。

火曜日のドラマ対決は①「白い春」↗14.0% ②「アタシんちの男子」↗11.3%

フジテレビのドラマは平均視聴率が①「BOSS」16.5% ②「白い春」12.1% ③「アタシんちの男子」11.2% ④「婚カツ!」11.1% ⑤「魔女裁判」*7.7%・・・と巨大アイドル帝国がらみの二本が苦戦中。企画や脚本がダメなものはダメという証拠がここにあります。危機感を持たないとね・・・。

で、『アタシんちの男子・第8回』(フジテレビ090602PM9~)脚本・武藤将吾、演出・松田秀知を見た。一時、視聴率的に苦戦したためか、千里と翔のラブストーリー要素強化である。そのためまきまきは二週連続キス・シーンのサービスなのだった。

最近、やたらと裁判官役のメイドの井上さん(江口のりこ)武者修行のために防備が手薄となったトリックハート城。秘書の時田が謀反である。予告編によると「野心があるので要注意人物」だったらしい。

このドラマ、実は「サイボーグ009」の換骨奪胎の気配がある。「サイボーグ009」は野球のチーム編成をいただいた故・石ノ森章太郎の代表作だが、基本はギルモア博士と九人のサイボーグ戦士の大河ドラマである。イケメン査定表から裏切った時田を除くと9人。新造をギルモア博士と考えると8人となり、これに紅一点の003である千里を加えると・・・九人になるわけです。千里と恋愛モードになると翔は009ポジションで・・・当然、孤児院出身。最年少の明は午後九時になると眠ってしまうのですが、これは冬眠する001のモチーフです。こうなると男女である優は俳優で007・・・と次々に対応していきます。クールな風は002、009と敵対的な004はツンデレの猛・・・だから006ポジションの知はそのうち口から火を噴くと予想します。

今週の妄想イケメン度査定。

①故・大蔵新造(草刈正雄)・・・回想シーンに登場。今回の主役である翔を孤児院から引き取る足長おじさんである。とにかくこの世界の人々は正雄の遺骨の混じった大気を呼吸していることを忘れてはならない。草葉の陰で未亡人と養子の恋愛に嫉妬中↗。

②時田修司(山本耕史)・・・理想の秘書。理想の弁護士でそっと背後に立つ小金井響子(高島礼子)が千里の成長を見守る間にも挙動不審で暗躍。最後は響子が風と時田のどちらを選択するかの勝負か?↘。

③大蔵風(要潤)・・・無職の長男、実は新造の実子であることが判明・・・今回は弟と義母を優しく見守るポジションへ。バイセクシュアルであるからその心は寛大。流石は新造の血を引く。時田との抗争を控え充電中か?→。

④大蔵翔(向井理)・・・ホストの三男、すっかり、千里と恋愛モードに突入。震える小鹿を翻弄するが・・・騙されていると知っても教祖様に尽くす新興宗教の信者にありがちな殉教者魂が痛々しい。風はその甘さを危ぶみつつやさしくフォローするのだった。下半身は毛深い↘。

⑤大蔵知(瀬戸康史)・・・ひきこもりの高校生の五男、千里と二人で海外旅行をするのが夢のお花畑少年。外食ができるようになった。マジック不足↘。

⑥大蔵明(岡本知樹)・・・生意気な中学生の六男、完璧な棒演技で追従を許さない。家長に立候補するが間をとって拒絶、寝顔のかわいさでポニョと対抗しているらしい↗。

⑦大蔵猛(岡田義徳)・・・ホスト見習いの次男、よっちゃんやうっちーであってそもそもイケメンではないのだが。バイク便の正社員を目指している。今回も男気をみせる・・・暴走一家の妄想ドラマもう少し見たいくらい↗。

⑧大蔵優(山本裕典)・・・カリスマモデルの四男、女性恐怖症でおネー系男子、どちらかといえばキモカワレベル。ついにアイシャドウメイクから脱皮。男の中の男を模索中。しかし人差し指でのの字を書きまくる。千里も好きだが知も好きなボーイズラブにも目覚めたバイセクシュアルである↘。

⑨国士豊(つるの剛士)・・・ネットカフェの千里親衛隊長・・・空気だが今回は恋敵の翔を結局助けるアッシーに昇格→。

⑩真島平次(永山絢斗)・・・ネットカフェの千里親衛隊員・・・空気だが国士の悪い顔を喝破する↘。

順位変動しないじゃないかっ・・・という人もいるでしょうがけして手抜きではなくそういう査定だからです。

まあ・・・結局・・・何が何でも信じるものは騙されても幸せというのが・・・作者の言いたいことなのだと思います。まあ・・・それはある意味正論ですが・・・そんなこと今さら言われてもな。

関連するキッドのブログ『先週の火曜日のレビュー

で、『白い春・第8話』(フジテレビ090602PM10~)脚本・尾崎将也、演出・三宅喜重を見た。俗に「空気を読めない人」と言うが鈍感な人というのはいつの時代にもいる。そういう人には結構手ごわいドラマである。

たとえば・・・佳奈子(白石美帆)の心情はかなり複雑であり、そしてベールに包まれている。人によっては悪い性格なのではないかと思う人もいるはずだ。しかし、佳奈子はとても心配性な女なのだし、そして聡明な女でもある。真理子の墓を清める春男(阿部寛)を見て「根は悪い人ではない」と見抜くのは佳奈子なのである。しかし、その後、春男が前科者と知り・・・おそらく擬似母親的な気持ちを抱くさちに対する愛情と・・・おそらく擬似夫婦的気分を抱くパン屋(遠藤憲一)に対する愛情から・・・春男に対して警戒心を抱く。

さちの絶交宣言に呆然自失の春男に「私も絶交されたけど2日で許してもらったよ」と慰めつつ「とっとと出て行けばいいのに・・・」という春男に対する辛辣な言葉を投げるのも・・・義理でありながら申し分のない親子関係を構築しているパン屋とさちへの保護者としての気持ちと・・・実の父親でありながら名乗りを上げることのできない春男の苦渋を察し・・・複雑な気持ちで吐き出す言葉なのである。優しくて賢くてかわいい・・・しかもさりげなく揺らす・・・とても魅力的な造形になっている。

空気の読めない人は・・・このあたりの機微を察することができず・・・冷たいイヤで高慢ちきな女だと思ったりするわけである。察する人には信じられないかもしれないがそういう鈍重な人間は無数に存在します。

さちに対する父親としての対抗心から・・・りんご勝負を挑むパン屋と春男。それをハラハラと見守りつつ・・・最後は仲良く洗物をする二人を見てビールを差し入れる佳奈子。

平和な一家に春男が波風をたてることを危惧しながら・・・「昔の悪い仲間との縁が切れなくて・・・彼・・・大丈夫かな?」と春男自身の行く末を案じる。実にいい女だ。

春男は・・・さちのことばかりでなく・・・佳奈子のこともパン屋に「いい年してあんなにいい女をほったらかしにしておくなよ・・・」と差し出た口を聞いてもらいたいくらいだ。

そして、純情なパン屋は「余計なお世話だ」と言いつつ・・・ひょっとしたらまだ別室で眠っている可能性のある佳奈子に夜這いをかけてもらいたいところである。

もちろん・・・春男は余計なことは言わない・・・ただ・・・一筋にさちの幸せを願う天使の翼を持っているからである。

二人のお父さんが気になって様子を見に来てそのまま眠ってしまったさちをおんぶして去って行くパン屋。

春男はパン屋の人情に感謝しつつ・・・激しく嫉妬する。

その心を慰めるために栞は春男におんぶしてもらうチャンスを作るため、催眠剤入りドリンクを飲んで爆睡である。

ここで・・・春男と栞は父を失った娘と娘を失った父としてつかのまの安らぎを得る。

しかし・・・当然、それは春男の足元に蹲る春男が殺した男の亡霊の罠であるのだ。

春男は過去の形跡によって一端は危機を脱するが・・・それは最終的な危機の伏線にすぎないのである。

それを匂わしつつ・・・来週はさちに亡き母・真理子の影が忍び寄る。ベタでお約束な展開だが・・・まったく気にならない。古典芸能の傑作を見るように隅々にまで神経がいきわたったドラマだからだ。

どんなに不幸な結末が待っていようとも・・・それなりに満足できると予想できるドラマになっています。

木曜日に見る予定のテレビ『シスターミキのゴーストフレンズ』(NHK総合)『釈由美子のLOVE GAME』(日本テレビ)『中年悪女大集合の夜光の階段』(テレビ朝日)『戸田恵梨香のBOSS』(フジテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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2009年6月 2日 (火)

ぼくと妹と恋人たちが輪になって(オダギリジョー)浴衣でターン始めました(長澤まさみ)

雪ダルマ式で膨らんだ900万円と無担保でポンと900万円。

恐ろしいのは世間知らずの兄の盟(オダジョー=誤検索対応)がお嬢様・春奈(笹本玲奈)に金で買われたことに気がついていないということだ。

恋愛沙汰も金次第というミもフタもないテーマで生臭い話を延々と続けるこのドラマ。ロマンチックのかけらもないお花畑である。

そして・・・突然明らかになる・・・兄妹と桜井のじいさん(大滝秀治)の故郷が近所。

おい・・・そんなに激しく心臓マッサージして・・・揺らしたら・・・中身の人がポックリ逝っちゃいそうでまじホラー。

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「スマイル」↗10.1%(ガッキーのはじめてのキス・シーンでなんとか)、「名探偵の掟」↘*9.5%(おっさんの女装じゃ・・・)、「ツレうつ」*6.7%(再放送が*6.1%あわさると恐ろしいことに)、「MR.BRAIN」↘22.0%(子供向きに作ってあるが知的水準設定はやや高め・・・それでコレ・・・すごいな)、「クイズショウ」↗11.4%(哲太あげました)、「魔女裁判」↘*6.2%(斗真のキャラ設定がダメ男すぎるだろ・・・虚仮の一念岩をも通す話なのか?)、「ビニールシート」*7.2%(銃後の妻の話じゃなくてフィールドの話にしろよ)、「サマヨイザクラ」10.3%(電車男ひとり同窓会)、「鉄道捜査官スペシャル」16.5%(前田亜季また死亡)、「イケ麺そば屋」↘*2.0%(ヤンキー夏帆参上)、「天地人」↘20.7%(脳氏に二連敗)、「ぼくの妹」↗*8.9%(ご臨終に通夜に初夜でも)・・・ついでに「ハンチョウ」↗11.1%(九十九一登場)、「婚カツ」↗10.9%(ハンチョウに二連敗)・・・以上。

で、『ぼくの妹・第7回』(TBSテレビ090531PM9~)脚本・池畑俊策、演出・清弘誠を見た。ついに完成した兄・盟=里子(ともさかりえ)=九鬼(千原ジュニア)=颯(長澤)の間接近親相姦。変態である。

オダギリジョーと長澤まさみはそうでもしないと結ばれない運命なのか・・・である。

まあ、ノーメイクでフランケンシュタインの怪物が演じられそうな千原ジュニアにイケメン風に「オレは・・・(心が)醜い・・・」と言われても「顔がか・・・」と一瞬、戸惑うので面倒くさいドラマなのである。まあ・・・そんなことばっかり言っていると「人を外見で判断する人を撲滅実行委員会」から召喚状が届くかもしれないのでもう言いません。

それはそれとして・・・九鬼の実の父である桜井のじいさんが危篤。九鬼の恋人であると九鬼が主張する里子(死人に口なし)と一夜を共にした負い目から・・・桜井・九鬼の微妙な親子関係に巻き込まれウダウダする盟である。

さらに・・・兄に見捨てられた心の傷から自分を不幸にしそうな男を愛してしまう体質となった妹はすでに心を九鬼に奪われている。そんな妹を絶対に九鬼に会わせたくないと言いながら「桜井のじいさん・・・死にそうなのに・・・九鬼と連絡がとれない」とわざわざ妹が九鬼に会う口実を与える兄だった・・・何してんだ・・・。

もちろん・・・九鬼の彼女と自分が寝て・・・妹が九鬼と寝れば・・・クリームソーダを二人で飲むみたいじゃないか・・・と盟の深層心理が働くからである。

お兄ちゃんの変態的近親相姦願望おそるべしなのであった。

早速、九鬼の下へと体を奉げるために出かける颯であった。

植木市で九鬼は颯から「桜井のじいさん危篤」を教えられ、病院に。

意識朦朧とした桜井は知ってか知らずか・・・九鬼に「あの花畑を売って・・・息子の借金を返してやってください・・・」と遺言である。

恩人が自分を捨てた実の父と知った九鬼は「言いたい文句が山ほどあったのに・・・」と泣きながら病院を去るのだった。

盟は・・・なんだかんだと一夜をともにした里子の自称・恋人の九鬼を捨てた父親の死後の手続きを代行する。どんだけ・・・人がいいのか皆目見当がつかないのです。

植木市に戻った九鬼は花を売りさばく颯とさっさと二人きりになれる場所へ。据え膳を食べた後で「オレには近付かない方がいい・・・オレは女を不幸にする男だ・・・」・・・二枚目気取りである。なぜ・・・そんなことで爆笑させられなければならないのか・・・皆目見当がつかないのです。

事態を知った・・・盟はもう・・・落ち着かない気持ちでいっぱいです。

妹には幸せになってもらいたい。だけど妹を他の男に奪われたくない。しかし、兄妹が夫婦になることは法律で禁じられている。でも妹には幸せになってもらいたい。堂々めぐりです。

そこで盟は・・・相手は明らかに盟との結婚を想定しているから貸してくれるという意図に全く気がついていない様子で春奈から900万円を借用、その金をポンと右から左に九鬼に贈与です。妹とちがって領収書ももらいません。

客観的に見ると「里子の死にまつわりうしろめたい事情があり口止め料金として払った」と言ってもさしつかえないのですが・・・ただ妹と九鬼の腐れ縁をそれで買い取るつもりだったようです・・・どうしてそういうことになるのか・・・皆目見当がつきません。

そして・・・妹はそんなことで九鬼と縁を絶つつもりはこれっぽっちもないのです。

「お兄ちゃんには医者になる夢があったけど・・・私にはなんにもないんだもん」

「東京で1億円の家を建てるのだって立派な夢だろう・・・」

「でも・・・ちっともうまくいかないし・・・それにお花を売ってると楽しいの・・・お花を買いにくる人はみんな幸せそうだし・・・だから・・・私、お花屋さんになるの」

盟は殺し屋が花屋に化けてターゲットに接近するために花を買いに来ているかもしれないじゃないかと妄想したが口には出さなかった。

なぜか・・・桜井のじいさんは・・・兄妹の育った町に近いふるさとを持っていて・・・盟は桜井のじいさんのお骨を桜井のじいさんの知人の寺に届ける使命があった。

そして・・・颯は九鬼の元へと帰っていった。

九鬼は借金がチャラになり颯を手にいれ、盟は900万円の借金と桜井のじいさんの遺骨を手に入れた。なんでこんなことになったのか・・・皆目見当がつきません。

仕方ないので盟は幼い頃の甘い思い出にひたるのだった。颯は時々、どっかに言ってしまって・・・よくさがしまわったっけ・・・でも・・・かならず・・・どこかにいて・・・ホッとすることができた。あの頃はよかったなあ・・・颯の行動半径がせまくて・・・。

ネタに困ってくると人を殺すのは駄作の証拠だが・・・次の犠牲者は九鬼らしい。

しかし・・・ひょっとすると先に誰かが死ぬ可能性もないではない。なにしろサブタイトル「最後のケンカ」だからな。

ま・・・そんなことは本当にどうでもいいと思うのです。どうしてオダギリジョーと長澤まさみを使ってこんな話しか作れないのか・・・皆目見当が・・・。

美しい海を 見たよ

流れていく 風のリボン

輪になって 輪になって

泣いていたよ 街の角で

関連するキッドのブログ『第6話のレビュー

水曜日に見る予定のテレビ『臨場』(テレビ朝日)『アイシテル・海容』(日本テレビ)『夫婦道』『漂流ネットカフェ』(TBSテレビ)

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2009年6月 1日 (月)

天地人の夫婦道(妻夫木聡)忍びの道は獣道(長澤まさみ)質流れ武将(城田優)

作り手(送り手)を志すときには様々な基本を知っている必要がある。様々であるから当然筆舌に尽くしがたいのであるが・・・兵法的には敵を知り己を知れば百戦危うからずということである。

これもまた敵をライバルである別の送り手と考える場合と獲物である受け手と考える場合で違う。

たとえば最近、テレビドラマがミステリばかりなのは「相棒」の成功を知って、ライバルたちが我も我もと群がったからである。

それでは敵を受け手と考えた場合に大切なことは何か。

まず、送り手は「面白いもの」を作らねばならないのだが、「面白さ」の基本の一つに「わかりやすさ」がある。

この「わかりやすさ」の加減というものが実に奥が深い。特に、受け手が大衆である場合はとりとめないにも程がある奥の深さである。たとえば、言葉の通じない人には何を書いてもわからないのである。そこから、専門家とか天才とか呼ばれる高度な理解力を持つ人まですべてにわかりやすい何かというのは幻に近いものがある。

そこで・・・作り手は階段を下りる必要がある。それが丁寧というものだ。つまり、分っちゃってる人には我慢してもらうのである。ただし、そこで肝心なことは分っちゃっている人の我慢にも限度があるということだ。

だから土下座である。ものすごく自明の理を書きますがどうかお慈悲をたまわりますようになのである。

で、くのいちである。「くノ一」とは「女」という文字を分解した暗号である。そこで女を秘めた忍びの名称となる。ストレートに女忍者の場合もあるが、女に化けた女装忍者の場合もある。稀に男装した女忍であることもあるがこれは女忍者の術のうちということになる。

戦忍び(戦闘工作兵)は基本的に男の世界だ。武将が男たち中心であるように忍者もまた男たち中心なのである。しかし、影忍び(情報収集員)には女の用途がある。世の中には女に弱い男がいるからである。そのために忍びの一族はくのいちを養育するのである。

密偵には裏切りがつきものだ。敵に潜入した密偵が変心しないような工夫が必要となる。忍びたちは里で少女を探す、これはという少女を見つけると攫い、訓練をして親元に戻す。これが神隠しである。なぜ、親元に戻すのかといえば、情を作るためである。そして敵地に送りだすことが決まると今度は親ごと攫うのである。そして親の命を人質にとって・・・娘に任務を遂げさせるのである。

戦国時代においても命の大切さや、親子の情はけして軽くない。しかし、その利用方法は現代の想像を絶するものであることも確かなのである。

妄想上の初音(長澤)は特異な戦忍びと影忍びを兼ね備えた達人であるのだが・・・本編の初音もこれに近い説明になってきている。しかし・・・ちっともそんな風に描かれていないので唖然とするのだな。

で、『天地人・第22回』(NHK総合090531PM8~)原作・火坂雅志、脚本・小松江里子、演出・野田雄介を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。真田一族豪華イラスト大公開(別配役)でございます。そしてドラマ内容を点描です。気持ちは分りますがこらえてやってつかぁさいでございますね。ちょっとコミカルで時効警察な真田昌幸もここまでが納得の行く展開ならユニークの一言で片付けられるのですが、堂々と大男の真田幸村ですからな。ここまでくると真田幸村・真田信繁別人説で展開してもらいたいくらいです。・・・まあ・・・ドラマですから・・・堪忍してやってください。もう盗みを働いた悪餓鬼を庇い泣いてあやまる老婆の心境でお侍様におすがりします。父に目付け忍びをつけられていたと知った初音の動揺ぶりはキョロキョロとかわいいのですが、そんな性格の昌幸なら信繁に諜報内容明かさないだろうでございます。

Tenchijin158502 で、時間軸が変容し、季節が入り乱れる新発田の乱が存在しない天正13年(1585年)である。越後は異様なまでに平和なのだが、越後と国境を接する信濃・上野国境はものすごい動乱を続行中なのである。なぜなら、ここに戦鬼・真田昌幸がついに戦国大名の名乗りをあげているからである。まさに最後の戦国大名に相応しく、表裏最強の武将なのである。庶子である初音が戦国最強くのいちであるのも親子だからなのだろう。この一年、元は武田家臣だった真田家は昌幸の元、同盟関係を次々に転換していく。気分は独立勢力だが、相手は冬に相模・武蔵・房総の太守北条家、春に三河・遠江・駿河・甲斐・信濃の太守・徳川家とどう見ても格違いの相手である。北条家も徳川家も臣従と見なしているのに真田家はあくまで対等の同盟関係を主張するのだった。真田の領地は東信濃から上野・沼田にいたる山岳地帯である。夏に結ぶ上杉家は現在、越後半国の領主であり、ある意味、対等に近い。しかし・・・上杉が羽柴中央政権に臣従している以上、真田もまた秋の羽柴臣従を視界に収めての同盟である。客観的には真田昌幸は一年に四度主を変えた変節漢となるわけである。

しかし・・・古より信濃に拠点を持つ真田一族にとって・・・そんな世評はまったく気にならない。

本来が漂泊の民である滋野一族の末裔である。信濃に流浪する修験者、山伏、旅芸人の元締めとしての実力がものを言うのである。信濃には甲賀流を始めとする忍びの一族の修行話が尽きぬほどに技を極める霊域にことかかない。一人前の忍者になるためには信濃で修行をする必要があり、その認可は真田一族が握っているのである。

もぐりの修行を始めたりすれば「おうおう誰にことわって修行してんだい」とこわいお兄さんが出てくるのだった。

伊賀の里とならぶ忍びの強化合宿所である真田の里では今日もエリート忍者が量産体制に入りしごかれているである。

その実態を探ることは徳川家の支配する伊賀・甲賀の手練れ、北条家の風魔一族をもってしても困難だった。なぜなら・・・甲賀にも伊賀にも風魔にも真田の草(潜伏忍者)が潜んでいるからである。

昌幸は武田滅亡、織田滅亡の大混乱の中、信州上田に新城を構築し、真田一族の野望をついに明らかにした。陰忍から陽忍となったのだ。

昌幸は表の顔ではお屋形様と呼ばれているが裏ではお頭と呼ばれる。上田城本丸の頭の間に真田佐助が訪れた。昌幸の兄、昌輝の庶子でもちろん忍者である。長篠の戦で昌輝が戦死した後は真田の里で忍びとして仕込まれ、指導教官を務める初音に筋の良さを認められて齢十七ながら真田十人衆と呼ばれる忍軍集団の小頭となっている。

「佐助・・・首尾はどうじゃ・・・」

「人質となられた信繁様(幸村)におかれましては海津城に無事到着しましてございます。また・・・城主・須田満親様からの書状はこれに・・・。上杉衆はすでに越後国境を越え、矢沢城へと行軍しておりまする」

「そうか・・・」昌幸は短く思案をした。織田滅亡により流動化した信濃情勢だが、すでに武田信玄の目として暗躍した時代から全国に張り巡らせた真田の諜報網は健在である。めまぐるしく変わる状況に昌幸は気迫で対応する。上野・信濃の真田領地を確保するために北条から徳川に同盟相手を変えた昌幸だったが、北条と徳川が同盟するにあたって苦境に陥った。徳川が主人顔で上野における真田の領土を北条に割譲することを命じてきたのである。昌幸はこれを拒絶し・・・徳川・北条連合軍を敵に回した。そのため、織田家滝川一益の組下として攻めた上杉との同盟が必要となったのである。

対極的には中央に羽柴政権があり、徳川はそれと対立しつつ同盟するという奇妙な状況を示している。

当然のことながら・・・昌幸は羽柴と徳川を天秤にかけている。そのために羽柴秀吉に急接近している上杉の将、須田満親とつなぎをつけることには思惑がある。須田は武田に反抗した信濃の武将だが・・・川中島以来の古強者でもある。そして外交に優れていた。

昌幸は上杉を通じて・・・羽柴につくことを考えている。

(しかし・・・)と昌幸は思考を転じる。(まず急場を凌がねばな・・・)徳川の真田討伐軍がすでに信濃に進出していた。真田攻めの手順は信玄の信濃侵攻と同様である。違うのは甲斐から諏訪へ侵攻した手続きが省略されるだけだ。徳川勢はまず佐久に侵攻し、小諸城を拠点として真田の里を急襲する手筈である。

(おそらく・・・家康はわしをなめておる)と昌幸は笑みを浮かべる。(父、幸隆とて所詮は武田の一将・・・田舎侍が世間も知らずに逆らったとでも思うておるじゃろう・・・)しかし、昌幸には算段があった。それは上野・沼田城に滝川一益が残していった軍資金と・・・大量の武器・弾薬である。すでに・・・真田の里では鉄砲忍びの育成を十年に渡って続けている。長篠の戦の戦訓を昌幸が重視したからだ。真田には鉄砲の扱いになれた忍者どころか、騎乗にて鉄砲を使う鉄砲騎馬衆さえもが存在するのである。

すでに・・・沼田城の矢沢頼綱は北条軍を真田鉄砲忍軍の働きで撃退していた。

その鉄砲と弾薬を沼田から真田の里に続く山間ルートで密かに運び入れ、中央の上田城、左翼の戸石城、右翼の矢沢城に鉄砲忍者を配置する。そして、大量の火薬による地雷火を用い徳川勢を爆砕するのである。

(痛き目をみせてくれる)昌幸は戦果を想像し、口元をめくりあげる。そこには発達した牙があった。

「佐助・・・小諸城までの要路に忍びを伏せておけ・・・」昌幸は命じると奥へ下がった。昌幸は夜戦も強かったが夜の床も強かった。そこには三人の愛妾が待っている。もちろん全員がくのいちである。

電光が走っている。山の天気は変わりやすいと言うが絶好の戦日和と思っていた徳川の武将たちは不安に襲われて空を見た。鳥居元忠、大久保忠世、平岩親吉と徳川普代の中堅所の武将たちである。これに信濃の降伏の将である保科勢、諏訪勢、相木勢、依田勢などを加え、軍勢は1万2千にふくれあがっている。対する真田勢は1000人に届かぬと忍びが調べている。上田原の砦をさしたる抵抗もなく突破した徳川勢は上田城攻めを中核として、戸石城、丸子城などの支城を同時攻略をする勢いを見せている。すでに上田城の二の丸にまで先鋒が侵入している。

一日で落ちるか・・・と歴戦の兵である鳥居元忠がふと読んだ瞬間、城方の猛射が始まった。しかも、それは城内だけでなく、周辺のいたるところから・・・徳川軍を狙い射ちしたのである。城攻めの兵たちに謀反発生の動揺が走る。味方には敵の同族が多数いるからである。そのために一時的な退却が命じられた。しかし、大軍である。攻め口には進もうとする後続と退こうとする先鋒とで混雑が起こった。その進退が極まったとき・・・軍勢の中央で火柱があがり・・・それは各所に飛び火した。

徳川勢がたちまち劫火につつまれる。阿鼻叫喚の地獄である。もはや・・・統制は失われ攻め手は雪崩れるように逃げにかかる。

その軍勢に阿修羅の如き、鉄砲騎馬部隊が追い討ちをかける。

体勢を立て直そうとした徳川勢に戸石城から出陣した真田信幸の軍勢が襲い掛かる。徳川勢はさらに乱れた。

さらに上杉衆の援軍とともに矢沢城より追い討ちが開始される。

徳川勢は将も兵も女子供のように逃げ惑った。

火に追われた軍勢は神川周辺に脱出路を求めていた。

それを樹上から眺めるのは真田佐助と泉小太郎(大国実頼)だった。

「泉流秘儀・・・雷神鉄砲水」

佐助は父(養父・昌幸)の指示通り案内してきた上杉の忍びをいぶかしげに見た。

次の瞬間、地上は暗黒につつまれた。空は暗雲に覆われ、物凄い集中豪雨が発生したのである。一寸先は闇であった。佐助の耳に聞きなれぬ物音が届く。それは洪水の押し寄せる音だった。その中に無数の人馬の悲鳴が混じる。

轟々と押し寄せる濁流が通り過ぎると・・・徳川勢はほぼ全滅していた。

世に言う上田合戦である。

関連するキッドのブログ『第21話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『アタシんちの男子』『白い春』(フジテレビ)

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