ミスター・ブレイン死霊のクオリア(木村拓哉)おみやげはバナナ(綾瀬はるか)ドレミはハニホです(佐藤健)
一般常識としてドレミファソラシドはCDEFGABCともハニホヘトイロハとも表記します。
だからドミラレはハホイニです。
ハホイニを八木仁と脳内変換できるかどうかが・・・この記事がネタバレになるかどうかの瀬戸際です。
ちなみに八木仁(東儀秀樹)は由里(綾瀬はるか)が憧れる世界的な作曲家であり、記憶障害のピアニスト・優(佐藤健)のピアノの先生です。
まあ・・・今回も二時間ドラマを前後編に分ける脚本家の悪い癖が出ていると思います。それで面白ければ問題ないですけど。キッドのような心ないブロガーがネタバレの嵐をする時代ですからね。
で、『MR.BRAIN・第4話』(TBSテレビ090613PM0756~)脚本・蒔田光治(他)、演出・山室大輔を見た。どこかの避暑地では山林からペットの犬によって白骨死体が発見される。時を同じくして、ピアノ演奏の騒音を主張する近所の主婦が警官を伴って演奏家の屋敷を訪問し、血まみれのシャツを着たピアニストと血まみれのナイフと血まみれの死体を発見する。早くも風呂敷広げすぎて一時間でおさまらない気配濃厚です。
白骨死体は科学警察研究所に身元の特定が依頼され、生物学担当の難波研究員(トータス松本)は「こんなもの科学捜査研究所でできるだろう」と愚痴を言います。ちなみに一般社会では科学警察研究所は警察庁の所轄する組織。科捜研は警視庁などの都道府県警察の所轄する組織です。つまり、どこぞの山林を担当する県警の科捜研が実力不足で全国区の科警研に協力が求められたということになるのでしょう。実際の科警研がそういうことをやるのかどうかは別問題です。とにかくトータス松本はこれで出番が確保できたので文句を言うべきではないのです。
一方の出来立ての死体はピアニストの姉・純(木村多江)の婚約者で弁護士の木下であることが判明しますが・・・容疑者の優は一時間で記憶の消える記憶障害者であって殺害したかどうかよりも・・・被害者が誰なのかも「記憶にございません」状態。しかし、優のポケットからは「殺した」というメモが発見されるのです。
この困った容疑者に対して警視庁の丹原刑事(香川照之)は脳科学者・九十九(キムタク=誤検索対応)にバナナ持参で協力を求めます。たちまち事件に興味を感じる九十九。このままでは出番がなくなるとばかりに林田刑事(水嶋ヒロ)もバナナ持参で駆けつけて捜査開始です。
ついでに・・・この後の「ザ・クイズショウ」では存在感のあるプロデューサーを演じる真矢みきが出演していますが、それに対し科警研の法科学部長の佐々(大地真央)は出番の少なさに業を煮やしたのか、まるで上司でもあるかのように九十九の尻をたたき始めるポジションを確保。脳科学者のトップが九十九である以上、脳科学部長(あるいは主任なのか・・・じゃ部長はどこにいるの)なわけで佐々は明らかに越権行為ですが出番を確保するためには手段は選べないのです。もう副所長待遇になんとなく移行の感じか。初期設定が悪かったのだな。
掃除のお姉さん(木下優樹菜)に突然恋をする音声分析担当研究員・神田(設楽統)も出番確保に必死なのです。
画像解析担当研究員の船木(平泉成)なんてじゃんけん、しりとりに続く神経衰弱必勝法で出番確保なのですから。
そんなこんなでまずは記憶の話。記憶についての研究も心理学的なアプローチの段階から神経学的な研究の段階に入り、その成果や名称については複雑化しているのですが・・・ここは記憶の四段階説を紹介しておきます。
まず、瞬間記憶というものがあります。これは感覚記憶とも称され、要するに感覚器の情報を脳が処理したことを示します。つまり視覚でいえば目の前のものが見えたということです。
これは瞬間的に忘却されます。これが忘却されないと動画が動いて見えませんから。
続いて短期記憶があります。これは瞬間記憶の連続性から見たものを認識する記憶と言って良いでしょう。つまり、動画が見えるということです。記憶時間は数十秒です。
次に中期記憶があります。ここからは所謂、記憶です。「今、エロいものを見たな」と見たものを思い出せるということです。
これの記憶の保存が1時間から1ヶ月程度と考えられています。ちょっと前なら覚えているが一年前だとちと分らないなということです。この記憶は海馬に蓄えられると考えられており、優の記憶障害が海馬の損傷により中期記憶に問題が発生しているという九十九の説明になるわけです。
この中期記憶から選別された記憶が長期記憶に移行すると考えられており、そのために障害発生以前の記憶はあるが・・・それ以後は一時間前の記憶しか保持できないというのが優の病状なのです。
そのために・・・取り調べる刑事とのその場での会話は成立しますが、1時間後には刑事の名前も職業も自分との関係性もわかりません。
刑事たちは取り調べる相手の嘘を見抜く感覚には優れていますが記憶のないものの取調べ方にはお手上げになるわけです。
そして丹原刑事は直感的に「優は犯人ではない」と感じます。
さて、クオリアとは哲学的な意味で「感じ」のことです。一体、そんな感じとはどんな感じなのかという問題です。たとえば「いやな感じ」という「感じ」があるとされています。丹原刑事は容疑者としての優を取調べ中にこの「いやな感じ」がしたわけです。
それは基本的にはこれまでの体験(記憶)を総合して優に「犯人らしさ」を感じないことによるものだと丹原は九十九に説明します。
補足として「殺人をするためには動機として様々な記憶の総合力が必要だが記憶できない人間には無理な感じ」がすると言うわけです。
ここで「記憶」と「そういう感じ」が複雑にからみあってきます。
ここに脳科学の限界があると主張する哲学者たちがいるわけです。神経学の発達により、脳内の記憶のメカニズムや、感情の発生過程は解明されつつあるわけですが、それは物理的あるいは化学的なものに還元できるという科学者たちと・・・いや「そんな感じではない」とする哲学者との対立です。
科学者たちは脳は複雑なコンピューターに過ぎないと主張し・・・哲学者たちはコンピューターは「そんな感じ」を持たないと主張します。
つまり、パソコンにどれだけエロい情報を記憶させてもバソコンはエロいと感じないだろうということです。
簡単に言えばコンピューターに心はあるのかと言う問題になるわけです。
キッドは心はノイズにすぎないと時々言及しますが、これは両者の対立における折衷案的言動です。
たとえば多くの人間が「傷みを感じる」とされているわけですが、傷みの研究が進むにつれてそのメカニズムが明らかになっています。まず、感覚器(受容器)に対する刺激があります。神経細胞はその刺激を伝達するのが基本構造です。その伝達は神経細胞と神経細胞の間で連鎖していきますが、必ずしも伝達が継続されるとは限りません。それでも大きな刺激に対しては伝達はより確実に行われ、その結果が傷みの強弱となって感じられるということになります。
また中枢に到達した刺激の情報はそれがどのような刺激であるかの確認作業によって再度処理されるわけです。熱湯風呂につかった場合の熱さの感覚はある程度までは個人差があるが、ある程度までは同様であるというアイロニーが生じます。また処理の誤作動によって幻痛も発生します。つまり刺激ないところに痛みが生じるわけです。
さらに「痛みに敏感なタイプ」は感じる以上の痛みを感じたりもすると考えられます。
その場合、「痛みに鈍感なタイプ」は「大袈裟なんだよ」と言ったりするとも考えられます。
また芸人の場合は「そういう芸風なんだよ」と主張したりもするわけです。
そういう感じをあなたは感じるでしょうか。
この「感じ」がより高度なコンピューターになれば存在するかどうか。ドラマを見てなんとなくリアルであったり、容疑者を見てなんとなく無罪っぽいと感じることができるのかどうか。
それがクオリア(感じ)の問題なのです。
その感じをたとえて言うと生ける死者の問題にたどり着くのです。
もちろんそれは死せる生者でも良いと思うのですが、いやちょっと違う気がする「感じ」なのです。それは死霊(ゾンビ)と呼んだ方が相応しいという「感じ」なのです。
人間の神経の機械的な部分を回路として構築し、記憶を処理するプログラムを機能として持たせたコンピューターは果たして「感じる」のかどうか。
そのコンピューターのインターフェイスが「私は感じます」と言ったときにあなたがそれを素直に信じるのかどうか。
それがクオリア(感じ)の問題であり、哲学的ゾンビの問題でもあります。
キッドはどうもロボットも感じると思う感じなので・・・心はノイズにすぎないと言ってみたくなる感じです。
結局、容疑者は優から純に変更されるのですが、丹原刑事はそれも信用していない感じです。そして・・・九十九は暗号によるメモから第三の人物にたどりついた感じ。
それは論理(ロジック)の帰結なのか、単なるクオリア(感じ)なのか・・・なんとなくお子様向けに作られているような感じなのに・・・なんだか相当に高等な問題に足を踏み入れている・・・「MR.BRAIN」はそんな感じのドラマなのですな。そして・・・山中の白骨死体は・・・優の事件とは無関係で・・・次の話の長いフリであるような感じがいたします。まあ、妄想なのでネタバレではないと感じていただきたい感じなのでございます。
関連するキッドのブログ『第3話のレビュー』
ごっこガーデン。超巨大脳髄ホログラフィー・セット。アンナ「先週からずーっとダーリンのバナナ釣りをしていたので一週とんだ気がしますが気のせいぴょん。今週になったら丹原刑事も林田刑事もアンナのバナナ釣りワザを覚えた模様なのぴょ~ん。「亡き王女のパヴァーヌ」を記憶障害になったラベルはいい曲だと絶賛したぴょん。そして誰が作ったのかと質問したのぴょ~ん。記憶障害はおかしくって悲しいの。さあ・・・次はダーリンとパヴァーヌをしっとりと踊るのでしゅ~。山に登ったら八木~と叫びましゅ~」エリ「おっと~。アンナちゃん登場ね。エリは今回重力ピエロをみたので遅刻しました~」まこ「まこはザ・クイズショウを見てたので遅刻でしゅ~。でもバナナは食べましゅる・・・そろそろドラマは終盤戦・・・MR.BRAINはいつまででしゅか~」お気楽「魔女裁判を見てたら遅刻だよ・・・もう大どんでん返しだけど・・・比嘉愛未の監禁シーンはサービスしておきました」ikasama4「今回がザ・クイズショウと同じで記憶障害、来週がBOSSと同じで多重人格・・・ミステリだけにかぶりまくってます・・・そして主人公に感化されるチーム全員ということではHEROにもCHANGEにもかぶりまくっています。まあこれはアンナ様のダーリンのドラマというひとつのジャンルってことで・・・他の人には真似できないテイストですからね・・・まあROOKIESのワクですけど」くう「私もザ・クイズショウ見ていたら遅刻したよ。本間・・・スマイルの林を越える不気味さだった~」みのむし「でもね~、今回のMR.BRAINはすごく面白かった~。もう謎につぐ謎の展開~。じいやは白骨死体は無関係っていうけど私は複雑なありふれた奇跡をドロドロと期待しまするるる」あんぱんち「あんぱとしては産休明けの多江さんが見れただけで大満足なのよ~。「追憶」で終息する過呼吸の発作にはどんな追憶が隠されているのか・・・見上げてごらん夜空の星を~なロマンスが希望だわ~(爆)」
月曜日に見る予定のテレビ『ハンチョウ~神南署安積班』(TBSテレビ)『婚カツ!』(フジテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
すごーい、すごいですー!
拓友さん達がみんなキッドさんが、キッドさんがと
言うので何?何?と思ってたら・・・やんだ、じいや。
私はごっこガーデンを見て満足しちゃってて本文見るの
忘れてたじゃないか(爆)
やんだ、ネタバレと言うか、どうしたらそんなレビュー
が出来るのか?九十九さんにじいやの脳を見ていただきたい!ぶらぼー。
で・・・やんだ、やんだ、一般常識なの?
アンナさん、まだ高校生だから(爆)
いや、だから・・・おばかさんだから・・・。
いやんだ、そうなのか~目からウロコ。
ありがとう
すっきり。
投稿: アンナ | 2009年6月14日 (日) 23時43分
記憶障害っていうネタは面白いって
思ったんですがその後の展開に
なぜかハマリきれません・・・・
白骨死体に、姉ちゃんの行動等々謎はたくさんあるのに
うーん
なんか前クールの豪華メンバードラマと
同じ様な感じがしてきてるんですが
これは長年ドラマをみてきたものの「勘」なんでしょか?
クオリア?
投稿: Eureka | 2009年6月15日 (月) 02時01分
アンナお嬢様にお喜びいただけまして
じいや天に登るような心地でございます。
・・・・・・・・・おっと
本当に昇天しかけましたぞ。
まだまだ天国の扉も
地獄の門もくぐるわけにはまいりませんからな。
お嬢様のおめでたきお輿入れまでが
執事の務めでございますからーっ。
お嬢様のお友達方にも
喜んでいただきじいや名誉に存じます。
九十九様に脳内を見学されても構いませんが
そこにはただ脳があるだけ~でございましょう?
ドレミがハニホであることは
小学校の音楽の授業で習われるのでは・・・
おおっ・・・お嬢様はアメリカンスクール育ちなので
イ短調はA minorで学習なさったのですな。
さすがでございます。
それではピンとこないのも当然でございまする。
けしてお嬢様がおばかさんだからではございませんぞ~。
単にお育ちがよすぎるのでございます~。
(じいやバカこどものバイエルレベル)
投稿: キッド | 2009年6月15日 (月) 04時09分
記憶障害はネタとしてはベタベタですからねぇ。
キッドはこのドラマは
お子様向けと大人向けの二重構造になっていると
考えますが
両方を同時に感じてしまうタイプの方は
違和感を覚えるかもしれません。
それはお互いの味が馴染んでない
構造上の問題もあるようです。
「トライアングル」では
原作ありきでストーリーに
脚本家の人生観というか
処世術のようなものが
にじみこんでくるという
洋服に染みが出来た不快感のようなものが
ありました。
「MR.BRAIN」は
脚本家のトリック好きが
手品のようなインチキ臭さを
漂わせ・・・好みを分けるような気がいたします。
キッドはこの脚本家の美点も汚点も
馴染み深いのでそれほど気にならないのです。
あ・・・またやってる~というような
親しみを覚える感じです。
まあ・・・人は誰もが
「赤」のクオリアを感じるそうですが
色盲だと感じない場合があるように
「ドラマの面白さ」という感じは
だれもがクオリアとして感じるが
「どのドラマが面白いか」は
人それぞれになってしまうということです。
人によっては「絶対的な面白さ」のクオリアを
求めますが
キッドはそれは「見果てぬ夢」というクオリアでは
ないかと感じております。
投稿: キッド | 2009年6月15日 (月) 04時29分
うぬ!!
ということは、あの脳障害をおった優くんは
ギャル文字を知ってるということにっ!!!!
ハホイニを見ても私は「八木仁」と
気がつかなかったよ~。
ああ。私の海馬は優くんよりもさらに
障害をおっている模様・・・。
投稿: みのむし | 2009年6月15日 (月) 10時19分
ふふふ、じいやめも
イニを仁と読むのはなかなかに
灰色の脳細胞が抵抗するのですが
そこは多重人格たちがなんなく読み解くのですな。
じいやもネ申と書いて神と読ませた人。
最初にそれを思いついた人は
ネ申だと思うのでございます。
なんだって人類ネ刀は偉大ですからなーっ。
ハオ-イニを八木仁と読めないのは
耳心ではございませんぞ~。
むしろ教養が邪魔している感じでございますから~。
投稿: キッド | 2009年6月15日 (月) 15時42分
最近、バナナがこの番組と
香取君のCMとダブルで推奨しておりますねぇ。
おかげで最近スーパーではバナナが2割り増しで
販売されてるような気がします。
それにしてもキッドさんの言うとおりならば
なんだか「33分探偵」の論理展開にも似た感じもしてきます。
記憶障害に多重人格
次にあるとすれば
以前、木村さんが演じた事もある
見たものを瞬時に記憶する犯人とか。
そーなると明石家さんとか ̄▽ ̄
最近は役者さんのコラボみたいなネタも多いもんです。
投稿: ikasama4 | 2009年6月15日 (月) 20時40分
バナナと脳と言うと
キッドが連想するのは
天井のバナナ
道具
サル
という組合せで
サルの知力を観察する実験です。
積み木を使って
階段を作り
バナナに手が届くと
サルはサル生に勝ったことになるのか
どうかは
人のそれぞれの価値観によって
違う感じ?
ともかく・・・バナナが
食べれてよかったと思うのでございます。
ハホイニは八木仁ではないという論理と
ハホイニは八木仁みたいな感じ~という勘。
人間の心はその隙間にあるようですが
そんなことばかりにとらわれると
人生を生きにくくするかもしれません。
ハニホの歌で歌うなら
ハはハートのハ
ニはニートのニ
ホはほっといて~
へはへのかっぱ~
トは閉じたドア
イはイージーライフ
ロは廊下にメシ
さあひきこもり~
・・・の恐れがあります。
まあ・・・学者は基本的に象牙の塔の囚人ですからな。
メイちゃんの執事兄弟が刑事と容疑者で再会の後は
エキセントリックな死体が
エキセントリックな犯人と
ありふれた奇跡のご対面。
まあ・・・コラボるのは
つまり・・・スケジュール的に
一緒に終るのでつい一緒に始めてしまう
という自然の流れ。
ただし人はそれを時に運命と
呼んだりするのでございましょう。(; ̄∀ ̄)ゞ
投稿: キッド | 2009年6月16日 (火) 06時30分