ミスター・ブレイン嘲笑のシナプシス(木村拓哉)微笑みをどうしてくれるんですかっ(綾瀬はるか)
本筋から外れるが「お笑い」についての考察があったので妄想しておきたい。
「微笑みの誕生」である。脳科学者九十九(木村)の語る仮説はあくまで仮説であって科学的に証明されたことではない。威嚇のために歯をむき出したことから攻撃の停止による表情の変化が「微笑」であるというのは想像の範囲内と言って良いだろう。
次に「心からの微笑み」と「作られた微笑み」の差異については「感情」から生じるものと「意思」から生じるものでは顔面筋肉の制御に差が出るという話である。これは一種の演技論で訓練によって「完璧な作り笑い」をつくるのと「内面に笑顔をもたらす気持ちを作って自然に笑う」という方法論の問題である。最終的には「作られた笑い」が観察者にどのような印象をもたらすかということになるので鏡で自己採点することになる。そのためには「演技者」は「客観的な自然な笑い」というものの「イメージ」を持っている必要がある。演技者は常に人の表情を観察し記憶に止める必要がある。しかし、人をジロジロ見るのは失礼になる場合があるため、研究素材として演劇、ドラマ、映画などで「他人の演技」が研究対象となることがある。その場合に何が自然な笑いで何が不自然な笑いかを判別することはほとんど無意味化していく。
「笑い」そのものの原点は多くの研究者が「勝利の笑い」について考察している。サルもまた戦いに勝利をすれば笑うのである。当然、そこには優越的なニュアンスが含まれる。敗北を積み重ねるものが笑顔を疑うのはそのためである。笑顔には邪悪の匂いがあると感じるからだ。
劇中で犯行を重ねる男(上川隆也)に嘲笑されて九十九が激怒するのは基本的な対応と言える。
研究者たちがもう一つの「笑い」の原点と考えるのは授乳後の乳児の笑みである。食欲が満たされることによって生じる弛緩の表情もまた「微笑み」の原点なのである。
「乳児の微笑」と「勝利の笑顔」が複雑にからみあって「社交的な笑い」が誕生する。困ったときの「はにかみ」や社交辞令としての「笑み」さらには周囲が笑うから笑う「つられ笑い」・・・もちろん・・・「お笑い」はそんなに簡単に語れるものではないが、基本的にはこんなところで要点としてはいいだろう。
で、『MR.BRAIN・第7回』(TBSテレビ090704PM0756~)脚本・蒔田光治・森下佳子、恩出・山室大輔を見た。前回、意地悪をするけれど本当は優しい人だと由里(綾瀬はるか)が気付き、本格的に「脳科学」を勉強しようと決意をした瞬間、九十九が研究のために渡米するかもしれないという科学警察研究所瀬田所長と九十九の密談を立ち聞きして「どうしてくれるんですか」とくってかかる由里である。
それに対して九十九は由里の意図を知ってか知らずか・・・笑顔についての怪しい仮説を説く。結局、笑顔と渋面の間を彷徨う綾瀬はるかの変顔ショーである。まあ、必殺のウサギの口は出なかったが・・・結局、変な顔でもかわいさキープが女優なのである。
そんな綾瀬を照準におさめる男・北里(上川)が登場する。
今回、警察関係者の過去の悪事がからんでいるらしいのだが、そのために事件は複雑になっている。
まずは被害者は三人である。第一の被害者は北里に狙撃されたらしい警察庁副長官(大林丈史)・・・昏睡状態となる。
第二の被害者は元・警視庁刑事部長の尾崎衆議院議員(浜田晃)で誘拐されてしまう。
第三の被害者は元・検事の菊池衆議院議員(清水紘治)で爆破事件に巻き込まれる。
これに第四の被害者として謎の男・相沢(光石研)が加わるが実は狂言誘拐で実行犯の北里とは共謀していたらしい。しかし・・・捨て駒だったようで北里は脱出した相沢を見捨てて走り去る。こうなると「血染めの×」の血液は相沢のものである可能性もある。
さて・・・第1回に登場した組織暴力団との癒着で汚職を疑われる武井刑事(市川海老蔵)がずっと思わせぶりに再登場である。九十九はその時から犯罪者への内通者として武井を疑い・・・内通者と聞いただけで直行である。都内に刑事が何人いると思っているんだなのだが・・・ドラマですから。ちなみにキッドはどんなにあわてていてもエレベーターのスイッチは一度しか押しません。
とにかく・・・九十九は武井に赤い飴玉をもらい「いやな予感」を覚えるのである。
一方、故意か偶然か・・・武井が街角に放置した青い飴玉を北里は拾い食いである。良い子のみんなは真似しちゃダメだよ。
相変わらずドラマの中での立ち位置がもう一つ掴みきれないままに九十九に「愉快犯としての脳」で犯人の行動を予測することを命ずる佐々法科学部長(大地真央)だった。
そして・・・後手後手に回りつつ・・・なんとか・・・犯人の行動パターンを見出そうとする九十九。そして犯人は「誘導することが得意な人」という結論に達するのである。
しかし・・・時すでに遅く・・・「気をつけていってらっしゃい」「はい」と危険な旗を立てて出発した丹原(香川照之)、林田(水嶋ヒロ)はまんまと爆弾の罠にはまっていた。予告編に丹原の無事は確認できたがキッドの見る限り林田消息不明である。ここまであまりにもコミカルに新米刑事を演じてきただけに殺されてもおかしくないポジションである。ちなみに「トリック」ではシリーズごとに配役が変わるポジションなのである。まあ・・・一人くらい殉職した方が最終回が盛り上がると考えるかどうかだな。
まあ・・・どう考えても死んでいる経過だが・・・逃げ足の速さから生きている可能性もあります。加速したかもしれないしな。どちらにしろ・・・基本的に九十九の夢の中の話だとキッドは考えています。
さて・・・シナプシスである。最近はシナプスでいいらしいがシナプシスの方がなんかかっこいいと思う。シナプスとは神経細胞のシグナル伝達部位である。たとえていえば、情報を伝達する窓口である。神経細胞はシナプスを通じて情報を入力しそして出力する。
脳とは脳細胞で構成され、機能局在のための変異があるが基本的には神経細胞の集積体であると考えることもできる。
脳で生じる心を考えるにあたり・・・その本質は何かを考えるとき・・・キッドにはそれはシナプスではないかと思われるのである。
ではシナプスとは何かと言えばそれは「伝えるもの」であると言うことができる。
神経細胞のシナプスの一つ一つが伝えて伝えて伝えまくる。それが「心」の原点なのだな。
光があれば光を伝え、音があれば音を伝え、熱があれば熱を、痛みがあれば痛みを、臭ければ臭いと美味しければ美味しいと伝えて伝えて伝えまくるそれがシナプスなのだ。
その結果、走光性のものは光に向かって走り、誘蛾灯に誘われて飛んで火にいる夏の虫なのである。
だから・・・伝えていることの意味などはあまりないのだとキッドは時々考える。役者は演技を通じて何かを伝えようとする。親は子に人生を伝えようとする。人は人に愛を伝えようとする。教えたがりは何かを教えようとする。そしてキッドもまたブログを書いているのである。なぜか・・・それはシナプシスの基本が伝えることだからである。
脳を構成する神経細胞の本質が常に「伝えたがっている」のであるから人は誰もが何かを伝えたくて伝えたくてたまらない状態になるのである。
たとえ・・・それが伝える価値も意味もないことだとしても・・・たとえそれが人を不快にさせる嘲笑だったとしても。
人には「伝えたい呪い」がかかっているのです。
当然、伝えられないともどかしい。伝わらないと歯がゆい。
だから・・・九十九は叫ぶ。「連絡をとってくれ・・・伝えたいことがあるんだ」・・・助手はあわてて連絡をとる。伝えたい気持ちは共感の基本なのだから。しかし・・・それが伝わるかどうかは来週のお楽しみだとお伝えしておきます。
関連するキッドのブログ『第6話のレビュー』
ごっこガーデン。唇ふさぎ放題の科警研セット。アンナ「ついにあんぱんち会長に続いて現場に突入したのぴょ~ん。ごっこガーデンでダーロイドと遊ぶのとはまた別の神秘の体験なのだぴょんぴょんぴょ~ん。奇跡の生命体との遭遇にアンナは大人の階段を一歩昇った気持ちになりましたぴょん。もう自分がアイドルであることを忘れてしまいそう~~~。ああ~・・・もう来週で九十九ぴょんともお別れです・・・泣かないで笑顔の練習に励むのぴょん」くう「いや~、とにかく、林田殉職だけはなにがなんでも阻止しますーっ。そんなことになったら殴りこんでやるーっ」お気楽「おっさんばかり多くてあらすじも面倒なんだよね。でも面白はるかはサービスサービス~」みのむし「おっとーっ、メイド刑事やらちっとも意味不明のエバやらをレビューしてたら遅刻したのるるる」まこ「最終回は爆弾で赤と青ですか~まこはアメ玉を所望でしゅ~」エリ「いよいよ・・・MR.BRAINも来週最終回!・・・さあ、じいや、ブザービート会場の準備をするのでスー」あんぱんち「おっと~夏本番ライブの季節なのよね~、じいや記事早めで珍しく遅刻者多数(爆)」シャブリ「そういう時こそ仮記事で追いつくのでありました~。しかもシャブリの部屋でも出ています~。はるかちゃん抱擁~なので来週は必見であります~」ikasama4「尾崎議員の息子(鈴木一真)実に怪しい香りを醸し出していましたな~。実は黒幕だったりして。それにしても現場に巨大なメッセージを書いている犯人はドキドキしないものなのでしょうか。最後は両津も登場か?・・・そんなことして・・・まさか映画につづくではないでしょうな~。まあ・・・アンナちゃんはそれでいいとして」
月曜日に見る予定のテレビ『ハンチョウ~神南署安積班』(TBSテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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