オムツはいてもらいます(草彅剛)はきません(黒木メイサ)バシッ(夏川結衣)
「ふたつのスピカ」↗*3.5%では海岸で走るという夏の青春を謳歌しているわけだが「任侠ヘルパー」↘13.8%では海岸で一本背負いである。「八月の濡れた砂」といえばたこさんがどこまでもどこまでも泳いでいった海を連想するわけだが、老人介護施設の近くに海というのはちょっと黒い匂いがする。
彼岸にあるのは救いかもしれないじゃないか。
しかし・・・「八十になっても宇宙へ行く」と宣言したあすみ(桜庭ななみ)がNASA留学の合否を伝えられる場面でのヒップラインの色っぽさは尋常でない。その後は生意気な感じの胸元サービスはあるのだが後姿はヒップ控え目である。その後姿を佐野(田辺誠一)が見送るシーンでは・・・。
「いいケツしてんな」
と思わずモノローグをアフレコしました。
「ふたつのスピカ」でさえこれだけセクシーなのに「恋して悪魔」は何やってんだとぞ思う。
で、『任侠ヘルパー・第2回』(フジテレビ090716PM10~)脚本・古家和尚、演出・石川淳一を見た。ゲスト老人に津川雅彦を迎え、オムツ着用問題で1時間である。やるよね。
行間を読むということではどこまでも奥深いのだが読まない人もそれなりに楽しめるということでは今季一番、隙のないシナリオである。
一時期、ゆとり教育の問題が囁かれたが・・・義務教育で情報をつめこまない弊害はじわじわと来ていると思う。結局、優秀な脳というのはある意味、情報量の密度の問題に還元される。たとえば知能指数というのは平均的な情報保有量に対して、個体がどのような情報を保有しているかの指数だ。10才で知能指数200なら20才ぐらいの平均的な情報量を持っているということだ。
そういう意味でゆとり教育とは知能指数の下落を促す教育方針だったのである。
およそ、人間の記憶量は20才までにどれだけ詰め込んだかに左右される。もちろん、個人差はあるわけだがゆとり教育中の人間の知能指数は前後の教育にくらべて明らかに低下しているわけである。
それが標準的な「連想力の低下」を招き・・・基本的な情報が不足するので当然連想は不自由となる・・・いわゆるひとつの「空気を読めない」問題を生むのである。
ただでさえ、別メディアに客を奪われているテレビとしてはここが頭の痛いところ。
もちろん・・・表現の二重構造は昔からあるテクニックだが・・・「バカにも分り、賢い人にはより深い暗示がある」というドラマでなければもはやそこそこのヒットにもならないのである。
犠牲者は中間派であろう。「バカにも分る部分が物足りなく感じ、賢い人向けの部分までは理解できない」・・・この層の人がつらいんだよな。しかし・・・どんな社会にだって犠牲はつきものだからな。
さて・・・寿命に不自由しない国家で、自殺者が増加するのが恥ずかしいことなのかどうかと言う問題を暗示する今回である。
まず、老人介護と言う言葉が使われ始めた頃から、「有償ボランティア」とか「無料サービス」とかある意味、意味不明の言葉が登場する。「ビジネス」と違って、無償の行為である「ボランティア」や「サービス」に対して料金設定をする困難さが生じてきたわけだ。
それは老人介護が「老人の面倒を見ること」や「老人の世話をすること」であり・・・人としてなすべきこととお仕事との差異が微妙になったのである。
そのために・・・まだ「老人」ではない「若者」が・・・「子供笑うな来た道だ・・・老人笑うな行く道だ」の想像力を欠く場合のゴタゴタがいろいろと噴出するのである。
柔道四段の本村老人(津川)はやっかいな老人である。体力の衰えとともに失禁してしまった経験があるが・・・またまだオムツの世話にはなりたくないと主張する。
入所者の自主性を重んじる介護施設「タイヨウ」としては扱いに困る老人なのである。
その上、業務提携をする「ハートフルバード社」の羽鳥(夏川)は「業務の効率化」のために「人類オムツ化計画」を推奨する。
オムツなし介護・・・効率悪く介護の稼働率低下。
オムツあり介護・・・効率良く介護の稼働率向上なのである。
羽鳥「採算がとれなきゃビジネスじゃない」なのである。
これにちょっと反発を感じる翼は「高級介護施設ではオムツなしでもありなんだろう」と問いただすが。
「格差社会だからもらうものもらってりゃ当然なのよ」と正論で応酬である。
「それがいやなら・・・ボランティア(無償奉仕)で稼働率あげるしかないの」とニヤニヤと正論のダメ押しである。
翼は面白くないのでいじめられっ子である羽鳥の息子(加藤清史郎)から五千円カツアゲしてジュースを買い溜飲を下げるのだった。
さて・・・低料金施設での「従業員の善意によるサービス」に応じるもう一つの妥協案が「入所者が施設のサービス内容を理解して受け入れる」ということ。
つまり、協調性のないものは追放ということになる。
「老い」を受け入れられず施設の人間に厄介者として認定される本村。しかし、世間のつまはじきものである極道の翼にはどうしても共感してしまう部分がある。
しかし・・・本村はシニア柔道大会のライバルの老衰で寝たきり老人化した姿を見て・・・ついに弱気になってしまう。
「過去の栄光の象徴であるトロフィー」を捨てるように翼に頼み、そして「オムツ」を承諾するのである。
本村が廊下で失禁してしまい・・・美空(仲里依紗)は「年をとったんだから恥ずかしくない」となだめるが・・・同時に「恥ずかしくないはずはない」と思ったりするし、「女だから極道でなくてもいい」と下っ端に言われれば手近な包丁で相手の指を千切りにしかねない凶暴な女・りこ(黒木)もかける言葉がみつからず沈黙する。
しかし・・・翼にはそういう我慢はできないのである。
男伊達の渡世だからである。
そこで本村を海岸に連れ出すと砂浜に投げ飛ばす。
「じじい・・・お前の根性見せてみろや・・・」である。
もちろん・・・辛口ならここで本村絶命でもいいのだが、お茶の間向け甘口に仕上げます。
気合の入った本村は奇跡の根性で翼を一本背負いで投げ飛ばすのである。
翼は腰を傷め立ち上がれなくなるが・・・男と男は気持ちよく空を見上げるのだった。
女と女は男気に惚れ惚れとするのだった。
結局・・・他の施設に転出する本村。
「オムツさせた方が儲かるのよ」と嘯く羽鳥に「あんたもすればトイレに行く時間も稼げるぜ」と応ずる翼。
セクハラなのでビンタ一閃である。
そのやりとりをこっそり聞いたりこは翼にも惚れるが羽鳥にもちょっと惚れるのだった。
今週の結論。「任侠ヘルパーもオムツをはかせてナンボでござんす」
ああ・・・結局・・・人間は最後にはこう思うものだ。・・・楽に死にたいねぇ。
関連するキッドのブログ『第1話のレビュー』
土曜日に見る予定のテレビ『華麗なるスパイ』(日本テレビ)『真マジンガーZ』(テレビ東京)『リミット・刑事の現場2』(NHK総合)
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皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
スピカの女生徒を見てると
スカートが膝上ってことだけでドキドキです(; ̄∀ ̄)ゞ
こないだファミ通の表紙が桜庭さんで
とても可愛くて思わず買って描きました(; ̄∀ ̄)ゞ
http://www7a.biglobe.ne.jp/~dessin-ikasama/ikasama/illust/2009/img/img0951.jpg
改めて役者を生かすも殺すも
ドラマだという事を感じさせます。
任侠さんの方は
介護する親を持つ身としては色々と考えさせられます。
祖父も祖母も身体が不自由になり
そういう生き方を苦にしてか自ら命を絶ちましたが
苦痛の逃避ともいえますが
一方で自らの「誇り」と「意地」のため
とも言えますかね。
自分も楽に死にたいものですが
一寸先はどうなるのか、わからんものです。
それはそれとして
ドラマの完成度としては
今期の中では結構いい感じです。
まぁ他のドラマが結構ひどいというのもありますが(; ̄∀ ̄)ゞ
こういう作品を見て他の作品を見てると
役柄は演じているけど
役柄の雰囲気まで演じ切れてない方々が
結構目につきますね。
これもゆとり教育の弊害でしょうかね(; ̄∀ ̄)
投稿: ikasama4 | 2009年7月19日 (日) 18時50分
✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥
素晴らしい出来のななみ様でございますね。
思わず、登場予定のなかった甲斐姫が
天から舞い降りる出来です。
おかげで大石比佐姫の出番カットでした。
とりあえず・・・なぜだかしらねど
スピカのななみは魅力倍増です。
これはもう宇宙少女病ですな。
美少女に宇宙とか未来とか言われたら
それだけでノックアウトされる種族に属しております。
任侠さんは
実際に極道が経営する介護施設が
無数にあるという現実と
いかにもヤクザプラス日常のネタやってます
という齟齬がなんともなのでございます。
特に長寿ともなりますと
老人が老人を介護という
切実な問題があります。
その下が子供を作らない世代となりますと
もう自分を面倒見るものがいないと知りつつ
老いた父母の面倒を見るあまり若くない人々の
問題がございます。
闇組織はそういう人々に安息を安売りしたりも
するでしょう・・・。
年金問題もうやむやのまま
安全保障は棚上げ
そして政治資金で真っ黒な人々の
いる党へとりあえずの政権交代。
この夏・・・心ある官僚が
「ろくでもないやつばっかりだ」と
イスをけとばす光景があるのかどうかも
謎につつまれています。
そして宇宙ステーションきぼうに希望なし。
皆既日食・・・嵐じゃないだろうな。
せめて・・・天文ショーくらいは見せて欲しい・・・。
今季はこれがまともなドラマの方ですからねぇ・・・。
これはしんどいのですねえ。
まあ・・・「こち亀」の中川もこみちは
完璧のような気もしますがぁぁぁぁぁ。
夏をなんとか元気にのりきりたいと
思っておりますーっ。(・o・)ゞ
投稿: キッド | 2009年7月20日 (月) 17時12分