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2009年8月31日 (月)

京都阿弥陀山天地人(妻夫木聡)恋につかれた(長澤まさみ)女がひとり(深田恭子)

さて一足早く大選挙終了である。競争社会に嫌気がさしてたちまち起こる「助けてください」の大津波。

もちろん・・・より激しさを増す国際競争を政権交代で止められるわけがないのは明らか。

官僚主導の政治を国民の手に取り戻すといきまく人々のお手並み拝見なのである。

まあ・・・キッドはすぐになにやらしでかして・・・ものすごいグダグダになると確信しておりますけどーっ。

なんていったってパイはどんどん小さくなっていくんですからーっ。

ただ一つ思うのは・・・小沢一郎と田中真紀子・・・なんてしぶといんだ・・・ということです。

これが・・・生命力というものか。

関東直撃台風きたーっ。

で、『天地人・第35回』(NHK総合090830PM0710~)原作・火坂雅志、脚本・小松江里子、演出・一木正恵を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回もあらすじ五行を維持。今回は褒める部分を懸命に捜索して・・・見るべきものを・・・凛とした淀殿以外には見出せなかったと・・・まあ、そうですな。まあ・・・とにかく関ヶ原前夜なわけです。もう日本史史上最大の戦を前にして・・・この程度にしか盛り上げられないのかと・・・なぜ伊達政宗は早々と甲冑着てるのかと・・・凱旋した半島遠征軍のパレードはどうしてないのかと・・・ないない。まあ・・・親友・利家くんと秀吉くんの・・・ともだちごっこと・・・利家くんのドスさばきだけでも褒めてやってつかぁさい。おーいおい・・・。さてと・・・「時効警察」第1話の口のくさい笹野高史の林田巡査でも見るか。家康陣営のニヤリ不足をお嘆きの方は本多正信の秘密もお楽しみください。

Tenchijin159802 で、慶長3年(1598年)は夏となる。多くの小説などでは何故か慶長の役は日本軍が苦戦を強いられたことになっているがそんな証拠はどこにもなく、明・朝鮮軍の偽りの降伏が破られた後も戦力を増強した連合軍を再渡海した日本軍は各所で撃破し戦況は有利に運んでいる。よく連合軍水軍は善戦したと言われるが実際には連合軍水軍は壊滅しているのである。戦線が膠着したのはすべては小西行長ら交易派の外交の失敗によるところが大きい。小西はその責任を回避するため続々と戦利品を日本に送っていた。唐津を経由して秀吉の軍船が大坂に運んできたのは巨大な獣だった。大坂城代片桐且元は在城していた越前敦賀城主・大谷吉継に伏見城への戦利品輸送の采配を托す。

伏見城下は秀吉の京における主城の城下街として大坂と遜色のない賑わいを見せている。城へ通じる参道に巨大な檻車が姿を見せた。人馬の力で搬送されるそれは時々奇声を発する。檻車の背後には駕籠が続いている。

秀吉は奇獣の噂を聞き、愛妾と小姓たちを連れて馬場へ出向く。秀吉は老いを感じさせぬ顔に好奇心に溢れる瞳を輝かせる。

大谷吉継は口上を述べる。

「これなるは小西殿が朝鮮王の飼育したるものを奪いしものでございます」

檻車の覆いが開かれ、巨獣が姿を見せる。集った人々が歓声をあげる。

秀吉も嬉々として叫ぶ。

「これが象か」

「象にござる。天竺の象にてござ候」

「これはどえらく大きいの・・・」

「くだものなどを食べまする」と言いつつ、大谷がリンゴをとりだすと、檻の間から鼻をのばした象はそのリンゴを器用に口に運ぶ。

秀吉は手を打って喜んだ。「さすが・・・小西よ・・・気がきいておるわ・・・して・・・あの駕篭の中身はなんじゃ・・・」

大谷は答える。「朝鮮の美姫でございまする」

駕篭が開き、朝鮮舞姫の衣装を綺羅綺羅しく纏った女が現れる。それは金花姫だった。

大谷が立ちすくんだように見える花姫に「控えよ・・・太閤殿下の御前なるぞ・・・」といい終わらぬうちに金花姫は秀吉に殺到する。

殺気を感じた大谷は思わず、秀吉の前に立ちふさがった。その体に花姫は霧状の液体を噴きつける。大谷は瞬時に激痛を感じ、倒れ伏す。しかし、その一瞬が秀吉の命を救った。秀吉の傍らにいた加賀姫と真田信繁が同時に宙を飛ぶ。左右から斬られた花姫は首と胴体と脚部に3分割され・・・血煙をあげて絶命した。朝鮮くのいちの捨て身の暗殺は失敗に終ったのである。

秀吉は憮然としてつぶやいた。「もったいないの・・・かわいがってやれたものを・・・」

遠巻きに見ていた家康は心の中で舌打ちをした。しかし、表情を変えずに言った。

「だれぞ・・・大谷殿をお救いせよ・・・」

のたうちまわる大谷は花姫の毒液により・・・見るも無惨な姿に成り果てていた。

その夜・・・秀吉は伏見城の寝所で淀の方を待っている。ふと気がつくとその胸に一輪の花弁がのっていた。白百合である。秀吉は夜目が効く。白百合には文字がある。そこには阿弥陀と書かれている。

秀吉は微笑んだ。「味なことをする・・・」・・・白百合が剣であればすでに秀吉の命はない。それは脅迫状であり・・・挑戦状であった。

愛児・秀頼を寝かしつけ・・・寝所へやってきた淀の方は秀吉の不在に首をかしげた。

京の北・・・阿弥陀山の森に太閤・秀吉が立っている。木陰から夜目にも白い装束のくのいちが現れた。初音である。

月もなく・・・暗闇であるのに秀吉は好色な笑みを浮かべる。

「ほほっ・・・噂に聞いたが・・・そなたは・・・真田のくのいち・・・初音殿か・・・」

「忍びに名などありませぬが・・・仰せの如く・・・」

「ふふふ・・・わしにも名前などありはせぬ・・・関白だの・・・太閤だのになろうとも・・・しのびはしのびであろうず・・・しかし・・・名もなきは不便なことだで・・・初音殿・・・契りしは何奴であろうかの・・・」

「この世にはなきお方にて・・・幾人か・・・おられますぞ・・・」

「なるほどな・・・今宵であるのは・・・なぜかの・・・」

「殿下が跡継ぎを得て・・・術を使えるうち・・・というのが決め事でございます」

「そうか・・・一人はお市の方じゃの・・・そして一人は千利休・・・もう一人は御主の師匠か・・・」

「すべて然り・・・」

「では・・・参る・・・わしのしのび名を教えて進ぜよう・・・わしが・・・猿飛びじゃ」

名乗りを上げた瞬間・・・秀吉は虚空に飛んだ。漆黒の忍び装束の秀吉は森の中へ消えた白装束の初音を追う。

「それ後をとったぞ」木々をわたる初音の背後に秀吉はピタリと張り付く。

初音は一瞬も停滞せずに移動を続ける。その黒い影を背負った白い光は幽鬼のように森を彷徨う。一瞬でも動きを止めれば命を失うことになる術くらべである。背後の秀吉は果敢に殺気を放ってくる。

いつ果てるともしれぬ二匹の猿の運動がついに終る時が来た。秀吉が己の体力限界の直前に忍び刀を抜き必殺の突きを放ったのである。背後から初音は刺し貫かれた。が・・・秀吉が刺したのは白装束だけであった。「変り身」と秀吉が悟った瞬間、秀吉は首に熱を感じていた。一瞬で秀吉の背後に回った初音のクナイが秀吉の首を穿っている。

「ふ・・・せめて・・・相打ちと参りたかったの・・・」

仰向けに倒れた秀吉は闇に浮かぶ初音の裸身を見上げて微笑んだ。

「これは馳走じゃの・・・さて・・・地獄では信長公がお待ちかねじゃろう・・・なんと言い訳しようかのう・・・ふふふ・・・つゆと落ち・・ 露と消えにし・・・我が身かな・・浪速のことは夢のまた・・・・・・・夢」

翌朝・・・探索に出た真田十勇士の一人伊三は阿弥陀の山で秀吉の亡骸を発見した。遺髪をとると・・・回向を弔うべく・・・伊三は秀吉の体を山頂に運び上げた。それから配下の忍びを使いに出した。伏見城で知らせを聞いた淀の方は畳をたたく。

「猿め猿め猿め・・・妾を生涯守ると・・・申しおったであろう・・・たばかりおって・・・ええい・・・ええい・・・」その瞳から大粒の涙が落ちる。

関連するキッドのブログ『第34話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『救命病棟24時』『恋して悪魔・ヴァンパイア☆ボーイ』(フジテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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2009年8月30日 (日)

西王母もしもピアノが弾けたなら(香取慎吾)

「もしもピアノが弾けたなら」は1981年の西田敏行のヒット曲である。

「西王母」(さいおうぼ)は人の非業の死を司る女神だが不老長寿の薬効のある桃の実の畑を持っている。この場合は桃源郷に棲む娘たちの桃尻を桃に例えている。桃は秋の季語である。

娘たちに美しく育ってもらいたい。娘たちに健やかであってもらいたい。娘たちに幸せになってもらいたい。

そう願わない父親はいないだろう。いるとしたらそんな奴は人間ではないのである。

で、『こちら葛飾区有公園前派出所・第4回』(TBSテレビ090829PM0756~)原作・秋本治、脚本・マギー、演出・坪井敏雄を見た。アニメ版では御所河原金五郎之助佐ヱ門太郎は御所河原組の親分ではないのだが、実写版ではしっかり組長(西田敏行)である。市民に愛される極道組織を目指す健気なヤクザという設定も上手くアレンジされていると思う。ヤクザの娘の結婚で人情話も古典的題材だと言えるが・・・親がヤクザなので結婚式をしないと決意している娘・夏子(片瀬那奈)である。ある意味、ものすごくタイムリーな話だが・・・それを言い立てるのは憚ることとする。

ケンカ相手であり、遊び仲間である御所河原に不仲の娘との仲裁を取り持ってもらいたいと頼まれる両津(香取)・・・「父親がヤクザだから結婚式はしない」という娘を説得して挙式してもらいたいとお願いされてしまうのである。

もちろん断固として断る両津だったが・・・支度金として渡される1000万円に目がくらみ結局引き受けてしまう。そして・・・たちまち紙くず馬券へと姿を変える1000万円。

無料で結婚式を挙げるために両津の暗躍が開始されるのである。

もう4回目でアレなのだが・・・1回目でもう少し、中川(速水もこみち)と麗子(香里奈)のキャラを描きこむべきだったなあと今さらながらに思う。もちろん・・・二人を知らないなんて日本人じゃないと言う考え方もあるが「少年ジャンプ」で「こち亀」しか読まない読者もいるように「こち亀」を読まない読者もいるという発想があるべきなのである。

二人がいかに「愛すべき容姿端麗でお金に不自由のないありえないキャラクター」であるかを最初に提示できれば・・・もう少し視聴率の改善ができたような気がする。

今回は結局、両津は肝心な部分は中川と麗子に頼っている。だから話はスムーズなのである。しかし・・・二人のキャラクター特性がより認知されていればその面白さは倍増なのである。

同様に・・・大原(伊武雅刀)は前回、キャラとして間違った方向に進みかけ、今回もちょっと危険な匂いがしたのだが・・・どうにか切り抜けたテイストになっている。なんでもありの両津を道徳的に縛る大原を悪に傾かせてはまずいのである。

たとえば・・・今回・・・ハッピーエンドを作った後に両津の悪事がばれ・・・両津が叱責され逃亡するオチを使うわけだが・・・大原が融通のきかない善として確立されていないとオチないのだ。ここはかなり重要なポイントでございます。

危なかったよね。

さて・・・今回は極道者として娘に嫌われている御所河原を中川が特訓で善の道に導き・・・極道者だから父親を嫌っている夏子を麗子が説得するわけである。

そこには唯一・・・父と娘の共通の麗しい思い出である「肩車で花火見物」が忍ばせてあるわけである。それを両津が勘付くシーンを前半で作ろうと思えば作れたはずなのである。もちろん・・・お茶の間的には臭わされているわけだが・・・もう少し「両津」にはキーワードが分っている風に作った方がキャラの魅力が増すだろう。これもまた「両津」のことを知らない視聴者へのサービスが不足している点である。

そういう意味では五所川原に敵対組織が因縁つける場面では影から両津が支援していたり・・・麗子が夏子を説得するくだりでも両津がヒントを出すといった配慮が求められると考える。

まあ・・・西やんが上手いので七難隠しているわけだけど。

とにかく・・・エピソード的には今回は合格。何様だよ。お茶の間様。

関連するキッドのブログ『第3回のレビュー

さて・・・夏も終わりだが、選挙前は芸能人の覚醒剤汚染問題で注目が集まり・・・それが選挙結果にどう関係してくるのかちょっと楽しみだ。売人はイラン人だったと報道されている。この28日にはアラブ首長国連邦が国連安保理決議1874(核実験強行による対北朝鮮制裁決議)に基づき、北朝鮮の武器をイランに運んでいたバハマ船籍の船舶を拿捕したと発表した。日本における覚醒剤の供給元は主として北朝鮮である。北朝鮮-イラン・・・ならず者国家は健在なのである。

2001年12月、東シナ海の九州南西海域において発見された不審船は「北朝鮮の工作船」と判断され、海上保安庁はこれを補足・追尾するべく巡視船艇を出動させる。巡視船「あまみ」、「きりしま」、「いなさ」、「みずき」などが海域に急行する。同時に海上自衛隊も護衛艦「こんごう」、「やまぎり」を佐世保基地から出港させ不測の事態に備える。

不審船は日本領海内を中国方面に向かって逃走。

現場に到着した巡視船「いなさ」の停戦命令を無視して航行を続ける不審船に「いなさ」は威嚇射撃を開始。

なおも航行をやめない不審船に対し、「いなさ」は「みずき」とともに船尾と船首への船体射撃を行う。不審船は出火するがまもなく鎮火。逃走を続行である。

これに対し、「あまみ」と「きりしま」は不審船を挟撃し、強行接舷を試行。これに対し不審船は対空機関銃、軽機関銃、突撃銃などにより巡視船に対して銃撃を開始したのである。

この銃撃により正当防衛が成立し、巡視船は退避行動をとりつつ機関砲による正当防衛射撃を行う。すると不審船は対戦車ロケット弾による攻撃を開始する。

まさに・・・海戦状態である。銃撃により巡視船「あまみ」は乗員3名が負傷する。

そして不審船は自沈用爆発物により自爆し、東シナ海に沈没する。

小泉政権は日本国内の親北朝鮮派閥、親中国派閥の反対を抑え、断固として沈没船の引き上げを行い・・・不審船が北朝鮮の工作船であることを確定したのである。

推定されるのは工作船が覚醒剤を密輸し日本国内の在日反日勢力と提携していたという事実である。

この一連の出来事を善悪で判定することは無意味であり、そこにあるのは脅威が存在するという冷徹な現実にすぎない。

半島では政権が交代する度に善悪の基準が変わりあったことがなかったことになったりする場合があるが列島ではまさかそんなバカなことはないと思う。しかし・・・「あの武器使用は間違いだった」などと言い出す人々がいる政党もあるわけである。念のために記憶をあらたにしておきたいと思うのだった。

また・・・昔・・・某宗教団体Aが選挙に敗れてとんでもないことを始めた歴史をふまえ、当時某団体Aと人気を二分していた某団体Bが選挙に敗れてとんでもないことをし始めないこともお願いしたいのである。

アルゼンチンではブラジル、ペルーに続き、地上デジタル放送の日本方式採用を決めたのだった。キッドはアナログをこよなく愛するが官僚たちのすることがすべてムダな努力だとも思わない。

ムダ使いとは何か・・・誰が決めるのか・・・心配なだけなのである。

もちろん・・・夏休み明けの社会科のテストで「もしもあなたに選挙権があったらどの政党を支持するか」という問題を出題した公立中学が問題になったりするわけだが・・・本質的にどこが悪いのかよくわからない。もちろん・・・キッドが教師なら自分の指示する政党を支持する生徒は贔屓することになると思うがそれは健全な人間関係ではないのか。

さらに言えば「夏休みの自由研究」で「海自と海保における船名重複の問題」なんていうものをした小学生がいればこよなく愛するだろう。

「帝国海軍の伝統ある命名法が・・・海上自衛隊と海上保安庁に受け継がれている日本では・・・船名のかぶりという珍現象がおこります。駆逐艦「秋月」といえば比島沖海戦で米機動部隊の攻撃を受け爆発沈没戦死150名の帝国海軍の船ですが・・・海上自衛隊には護衛艦「あきづき」があります。排水量2350トンのデストロイヤー・エスコートです。そして海上保安庁には巡視艇「あきづき」がありました。すでに退役しましたが改あきづき形巡視艇は健在です。また特型駆逐艦「綾波」といえば綾波レイを連想させる第三次ソロモン海海戦で撃沈され戦死42名の帝国海軍の船ですが、海上自衛隊には護衛艦「あやなみ」がありました。対潜水艦用の護衛艦でしたがすでに退役。しかし、海上保安庁のはやなみ形巡視艇「あやなみ」は健在です。そして軽巡洋艦「夕張」といえばパラオ諸島南西海域で米海軍潜水艦に雷撃され沈没した帝国海軍の船ですが、海上自衛隊には排水量1470トンの護衛艦「ゆうばり」があり、海上保安庁には排水量526トンの巡視船「ゆうばり」があります。どちらも健在で日本の平和を今日も守っているのです」・・・100点満点である。

月曜日に見る予定のテレビ『ブザー・ビート 崖っぷちのヒーロー』(フジテレビ)

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2009年8月29日 (土)

私が神だ(滝沢秀明)私も神だ(錦戸亮)最後の一服は許してあげる(木下あゆ美)

・・・許してもらいてーっ。と一部愛好家垂涎の怨み屋節炸裂である。

一方、チンピラ一人始末できない秘密警察なんて・・・のオルトロスの犬の犬たち。

ああ・・・できることなら・・・小泉響子(木南晴夏)かわいいよかしこさんで記事を書きたいくらいである。

まあ・・・言うまでもないことだからいいか・・・。

で、『オルトロスの犬・第6回』(TBSテレビ090828PM10~)脚本・小林雄次(他)、演出・今井夏木を見た。演出家が戻り、映像的にはそこそこ、脚本グダグダ展開である。熊切勝(八乙女光)は沢村(佐々木蔵之介)を刺した時点で射殺でいいだろう・・・ま、ドラマですから~・・・か。

案の定・・・勝を殺したフリをしていた涼介(錦戸)。勝は凄い潜水能力である。しかも何故か沢村は死体を確認しないのだ。

勝の父親で子煩悩な熊切社長(柴俊夫)に「沢村が涼介に勝を殺させた」と情報を流す竜崎(滝沢)・・・「コールセンターの恋人」では南極アイスに踊らされ、ここでは竜崎に踊らされる熊切社長である。榊大臣(高畑淳子)を裏切り、不正献金を暴露しようとする熊切社長に・・・榊-沢村は暗殺を決意する。

しかし、暗殺を命じられた涼介にはその気はないのである。

不正告発会場に現れた勝に簡単に刺される秘密警察の現場リーダー沢村。まったく・・・どんな警備企画課理事官なんだよ。

そして・・・熊切親子退場の後・・・負傷した沢村の両側に立つ・・・アポロン(治癒)の手を持つ竜崎とタナトス(死神)の手を持つ涼介。

竜崎「助けてやろうか・・・」

沢村「ことわる」

涼介「楽にしてやろうか・・・」

沢村「やめて・・・」

・・・なのである。だから・・・人類としては狙撃にて竜崎も涼介も抹殺するしかないだろうが・・・ま、ドラマですから~。

押しかけたマスコミの前で奇跡の治癒能力を見せる竜崎。

マスコミ「・・・なんだ・・・マジック・ショーか・・・」「不正疑惑はどうなった」「ふざけんな」とは騒がず「奇跡の男出現か」的全紙東京スポーツ化である。

そして姿を消す二人の神々。

刑事渚(水川あさみ)は竜崎の監視役を拝命するが・・・認知症の妻のために竜崎を誘拐したのは同僚の柴田刑事(山本龍二)である。それと察した渚は二人を追う。

・・・拳銃で恫喝しあう渚と柴田だったが・・・竜崎は「力を使うかどうかの選択」を渚に委ねる。たちまち躊躇する女になる渚。しかし、柴田が第三の刑事に撃たれると竜崎に助けるように懇願する。だが竜崎は助けない。

「気分がのらないから・・・」なのである。

渚は・・・自分の子供の病気を治してもらわない。柴田の妻の認知症治癒にも同意しない。しかし、瀕死の柴田を見て信念が揺らぐ。

一体・・・渚の信念とはいかなるものなのか・・・。

実は・・・キリスト教圏内ではそれは明白なのである。

「神は人間に永遠の寿命を与えない」が大前提であり・・・それに反逆するアポロンの手は「悪魔の所業」なのである。それに帰依するのは信仰を捨てることなのだ。これは「恋して悪魔」のヴァンパイアにも通じるが・・・永遠の命を与えられるものは悪魔というのが暗黙の了解としてあるのだ。

だから・・・クリスチャンでもない渚の躊躇はいたって不合理なのである。

日本人は・・・そこに力があれば・・・神サイドだろうが悪魔サイドだろうが利用して生きてきたのである。「子供の病気を治癒したり認知症を治したりできる力」があれば・・・それを利用することに抵抗はないのである。

だから・・・日本人としては渚は少し頭のおかしな女に見えるのだな。どうしてくれるのだ。

このあたりがキリスト教圏内で流行しているネタを翻案するときの問題点なのである。それをこのスタッフはまったくクリアしていないのである。

ともかく・・・実家に帰った涼介は両親が自分の力を知っていてそれでも愛してくれたことに感謝するのだった・・・どうでもいいよね。それより・・・どうしてこんな力があるかについて何故両親を涼介は問い詰めないのか・・・。

とにかく・・・竜崎の力に魅了されて変になった正人(忍成修吾)に愛想をつかした渚はいつのまにか竜崎にホの字なのであった・・・このドラマのスタッフ・・・全員頭おかしいでしょう。・・・まあ・・・暑いからな・・・夏だから。

とにかく・・・「奇跡」のあることを知った愚かな大衆は・・・暴徒と化すのだった。

だから・・・秘密警察は・・・亜人類を秘密裏に処理するべきなのに。なぜしないのか。

もう疑問ばかりが浮かんでとてもじゃないがストーリーそのものを楽しめませんぜ。

関連するキッドのブログ『先週の金曜日のレビュー

で、『み屋本舗REBOOT・第8回(第4話「苦いタバコ・後編」)』(テレビ東京0908282412~)原作・栗原正尚、脚本・演出・佐野達也を見た。前回・・・やや危惧がある脚本・演出だったわけだが・・・終ってみればそこそこまとまっていたのだった。

特に最後に星影(長谷部瞳)が怨み屋をカメラでとらえようとして虚実の隙間につかまる幻想的なシーンは秀逸だった。まあ・・・そこ以外はやや・・・単調だったとも言える。

闇金に上部組織から借金をさせ・・・スティングで金を巻き上げ・・・最後は闇金を血祭りにあげる展開である。ここである程度鮮烈な暴力描写があるので・・・峰島兄妹(兼子舜・夏川桃菜)に対してもう少し残虐なシーンかあっても良かったはずである。妹を暴行されて・・・兄はもう従うしかない・・・という方が辻褄も合うのだ。

情報屋(加藤雅也)の善意が誤解されて終る・・・という趣向も中途半端である。最後は峰島に刺されて情報屋死亡くらいでよかったと思う。そのくらいの思い切りがあっていいだろう。

瀕死の情報屋の倒れ伏す墓場に訪れた怨み屋(木下)が「最後の望みを聞いてあげるわ・・・」と問い、情報屋が「じゃ・・・一服させてくれ・・・(ガク・・・)」ぐらいでいいだろう・・・来週からは新々情報屋をキャスティングすれば済む話だし。

峰島父(黒沢年雄)の「モンゴルはいいぞ・・・」とか意味不明の回想もあり・・・「想定当時のモンゴルには飢餓と貧困があるだけだ」・・・ちょっといただけない部分が目についた回と言える。もちろん・・・ひょっとしたらこのくらいの緩さがちょうどいい人もいるかもしれない。五百旗(黄川田将也)の死に様は美しかったと言えるしな。

ただし・・・作品そのものはまあまあなのである。あくまでキッドの個人的嗜好のレベルの話でございます。

日曜日に見る予定のテレビ『天地人』(NHK総合)運命の衆議院選挙か・・・。

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2009年8月28日 (金)

八つ当たりはみっともないぜ(草彅剛)介添え人の介は介護の介さ(黒木メイサ)

見取りと書けば見て覚えることだが、看取りと書けば臨終に付き従うひとである。

人が死を学ぶためには臨終を見届けるのが一番なので・・・みとりとはつきつめれば同意である。

特に生きていて・・・愛していたものが・・・死ぬことほど人に死を思い知らせることはないだろう。

そうした「死」を回避すれば「生」の実感もまた遠のくのである。

生死は表裏一体のものだからだ。

しかし・・・死を穢れと考えれば・・・それが迫ったものを遠ざけて身を清めたいと考えるのも人の欲のなせるワザなのだろう。そう考えれば介護施設は本来ヤクザな施設なのである。

で、『任侠ヘルパー・第8回』(フジテレビ090827PM10~)脚本・古家和尚、演出・西谷弘を見た。もちろん・・・架空の組織暴力団を設定しているので何が起きてもおかしくないのだが・・・違和感がないわけではない。主人公・彦一(草彅)は翼組の組長である。翼組は隼会の傘下組織であって・・・彦一は六本木地区の貸元扱いになっている。隼会本家がどこにあるかは不明だが、現在・会長は前会長の死亡後、空席となり、若頭(直系組長の頭目)の鷹山源助(松平健)が代行しているという話である。源助は上野地区を仕切る鷹山組の組長でもあり、実子の三樹矢(藪宏太)に上野地区貸元を引き継がせる腹積もりであるらしい。その他に池袋地区を仕切る四方木連合の組長りこ、品川地区の貸元・黒沢(五十嵐隼士)、西日暮里地区の貸元・二本橋(宇梶剛士)、赤坂地区の貸元・六車(夕輝壽太)がヘルパーとして研修を受けている。

それぞれが組長なのである。そして、品川、六本木、赤坂、上野、西日暮里、池袋とかなり広域の縄張りを持っているのが各組を傘下におさめた隼会なのである。

鷲津組がその対抗組織である以上・・・それなりの規模を持っているわけである。そのトップである鷲津組組長・鷲津(竜雷太)が・・・いかに車イス生活を余儀なくされたとはいえ・・・そんなに簡単に介護施設に放置されるか・・・という問題なのである。

まあ・・・ヤクザがろくな死に方をしないというのが前提だとしてもだ。ヤクザの基本は安全保障なのである。文字通りシノギを削って勢力拡大をしていくのが信条だ。その組織の首領はそんなに簡単に地位を手放す事態に追い込まれないのが普通である。

それはあまりにも不手際すぎるのである。・・・ま、いいか。

ともかく・・・鷲津組のナンバー・ツーらしい尾国(鈴木一真)はいかなるマジックを使ったのか・・・組長を介護施設タイヨウに放り込んだのである。

さらに・・・内偵をして・・・任侠ヘルパーの一人、りこが四方木連合の組長と調べ上げ、四方木連合若頭・久米(田中哲司)をヒットマンに襲わせ負傷させた上で四方木連合事務所を鷲津組組員に襲撃させたのである。

「報復のためにりこが鷲津をヒットする」という絵を描いたらしい。

そしてまんまとのせられる・・・りこなのであった。

一方、ついに正体を明かした和泉(山本裕典)・・・彼もまた任侠ヘルパーだった。しかも・・・鷹山のつけた隼会系のお目付け役だったのである。

そこでまた・・・えーっ・・・なのである。

彦一は・・・隼会系組長として・・・鷲津に正体を看破されるのではないかと名札を隠したりもするわけだが・・・和泉は・・・結構凄腕の鷹山組組員あるいは鷹山の舎弟ということになるのだ。

彦一は鷹山の弟分なのである。和泉の顔も知らないなんて・・・いや・・・それよりも三樹矢だ・・・実子で鷹山組次期組長である。それなのに和泉の顔を知らないなんて・・・忍者か・・・和泉は極道忍びなのかよ・・・それなら、まあ・・・納得かな。

とにかく・・・脚本家の策士策に溺れる気配がないではないが・・・若年性アルツハイマー病を発症した羽鳥(夏川結衣)が秘書の弥生(中別府葵)に飼い犬に手を噛まれた状態になり・・・一線から身を引く覚悟を決め・・・彦一に挨拶しにくると・・・りこは可愛く嫉妬を顕わにします。

・・・捨てられた鷲津は・・・同室の仄暗い水の底から生還した少女・菅野莉央を孫に持つ老人(峯のぼる)とちあきなおみを愛する縁で結ばれ・・・自分を捨てた組の代わりに老人を放置した家族をなじるのだが・・・「そいつはこちらさんの家族の問題なんじゃねえか」と彦一に諭されてしまうのだった。人間・・・落ち目にはなりたくないものである。

そして・・・可愛い子分を傷物にされたと知って・・・りこは鷲津を襲撃・・・つづくである。

さあ・・・最後は・・・きったはったになりますか。ねえ・・・なるんですか。そっときゅっと刺しますか。

関連するキッドのブログ『第7話のレビュー

土曜日に見る予定のテレビ『御所ヶ原親分のこち亀』(TBSテレビ)『錦戸亮のにぃにのことを忘れないで』(日本テレビ)『真マジンガーZ』(テレビ東京)『牧瀬里穂の再生の町』(NHK総合)・・・夏も終わりか・・・。

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2009年8月27日 (木)

涙の数だけ鼻血がでたよ(須賀健太)世界で一番好きだって言ったよね(尾美としのり)1982年にはね(小林聡美)

水曜日のダンスは・・・。

「 9係の夫」13.5%↘13.3%↘12.2%・・・・・・・↗12.3%↗13.2%↗13.9%↗15.0%↘13.6%

「芝生の妻」11.4%↘*9.8%↘*9.0%↗10.2%↘*9.2%↗*9.8%↘*8.1%↗*8.5%↗*8.9%

「赤鼻のセンセイ」・*9.4%↘*8.9%↘*8.2%↘*7.9%↘*6.9%↗*7.9%↗*8.7%↘*8.3%

やはり、「赤鼻」は「夫」とダンスしているのだな。しかし「妻」への勝利は一瞬の夢だったのだ。

「救命病棟24時」の企画者の新妻は夫に数字を少し分けてあげたい気持ちがあるのでしょうか。

で、『赤鼻のセンセイ・第8話』(日本テレビ090826PM10~)脚本・根本ノンジ、演出・吉野洋を見た。最初から最も重要な主題である「医療」と「教育」の融合を全面否定する展開。しかも再開発による地上げで立ち退きである。そうなるとこれは映画「シェーン」の焼き直しになってくる。「渡り鳥シリーズ」であり、「遙かなる山の呼び声」であり、「タンポポ」である。

荒涼とした小児医療の現場で子供たちに「教育」を与えているシルク(小林)は流れ者の教師・赤鼻(大泉洋)の破天荒さに戸惑うが・・・やがて病気の子供たち・・・和田(須賀)、八重樫(神木隆之介)、田中(高良光莉)、千佳(八木優希)、その他は次第に赤鼻を慕うようになっていく。

しかし、「医療」を全面に押し出した悪漢(羽場裕一)は「子供の命を人質」にとって「教育の現場」を奪いにかかるのである。

赤鼻はピストルを抜くと悪漢を射殺・・・警察に連行されていく。子供たちは「先生ーっ」とビルの谷間にいつまでも叫ぶのだった・・・おいっ。

まあ・・・そういう展開にならないので面白くなりようがない・・・ということである。

そもそも・・・舞台となる桜山総合病院と院内学級の関係が不透明なのである。

今回・・・唐突に教育委員会と地元の小中学校と病院との提携が明らかになるのだが・・・おそらくその企画者たる前院長・桜山父(神山繁)が行方不明というのが・・・ものすごいアバウトさである。

そのために現・院長で「院内学級存続派」の桜山弟(上川隆也)と「院内学級廃止派」の桜山兄の確執がよくわからない。

当然、本当のヒロインである白衣の小児科医・七瀬(香椎由宇)が赤鼻との交際を経て・・・兄派から弟派に乗り換えたことも見えにくいのである。

がんばって「限られたスペース」・・・「子供たちに義務教育を与える施設」と「小児救急のための集中治療室」・・・どちらが優先されるべきか・・・という対立に持ち込んでいるのだが・・・じゃ、「院長室」いらないんじゃないの・・・という時点で破綻なのである。

にもかかわらず・・・赤鼻もシルクも白衣も・・・「ぼくたちは自習でがんばるから赤ちゃんを助けてください」と言われて悪漢に全面降伏で・・・「私たちって無力」なのである。

そりゃ、外野である定食屋(尾美)が「お前に食わせるしょうが焼きはないっ」と怒り出すのも無理はないのだな。

ま・・・世界的不況・・・格差社会不安・・・そういうものが選挙の争点となり・・・覚醒剤服用議員の所属していた政党が勝利したり、覚醒剤輸出大国である某国よりの政党が与党化したりして・・・某国に拉致された子供を持つ人々の悲しみを踏みにじりつつ・・・できれば「私たちのことはいいから景気をよくしてください」と言ってもらいたいという政治家たちが支配するかもしれないこの国では警察も末端の芸能人を覚醒剤使用で血祭りにあげるくらいしかウサ晴らしができない・・・ということなのかもしれません。

・・・そげな問題意識なんてハナからありゃせんのじゃ・・・。「ハチーっ」て言いたいだけのドラマじゃけんの・・・。

関連するキッドのブログ『第7話のレビュー

金曜日に見る予定のテレビ『怨み屋本舗REBOOT』(テレビ東京)『コールセンターの恋人』『メイド刑事』(テレビ朝日)『タッキー&錦戸亮のオルトロスの犬with水川あさみ』『20世紀少年 もう一つの第2章』(日本テレビ)『田中麗奈・鈴木杏の派遣のオスカル』(NHK総合)・・・うふ、殺しに来てるねー。 

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皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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2009年8月26日 (水)

命を救うより大切な用事は何ですか(北乃きい)食事の邪魔をするな(横山裕)怨霊退散(綾瀬はるか)

火曜日のドラマ対決は・・・。

①「救命病棟24時」↗19.3% ②「恋して悪魔」↗*6.8%

ついでに「ほんとにあった怖い話10周年記念SP」15.6%である。オンエアで見るとはるな愛がのたうつのにつきあわなければならず・・・一部愛好家を除いて注意が必要です。

「ほんとにあった」と聞いただけで「本当にあった」とか「ホントにあった」とか「ほんとうにあった」とか「本当にあったわけがない」とか「本当にあったかもしれない」とか「本当にはなかった」とか「本当にあったら・・・」とかいろいろなフレーズが浮かぶと怖がる前に笑ってしまうのだが・・・そういう時には「ほんこわ」とイメージすれば落ち着きます。

今回も「かかしに誘拐されかかった加藤清史郎(ブレイク前にオマガに出ていた件)」とか「入山法子に呪詛される綾瀬はるか」とか「高橋真唯ドライバーがいねむりしたので無免許男佐藤健は怪奇大女に遭遇」とか「上地雄輔転職理由はドッペルゲンガー」とか「カラオケ・ボックスからバス・ルームに悪霊ついてきた志田未来」など豪華スター共演ですが倍速時間が長いんだよな。深夜にドラマ抜粋版をオンエアしてほしいよね。

で、『救命病棟24時(第4シリーズ)・第3回』(フジテレビ090825PM9~)脚本・鷹山直也、演出・水田成英である。現在、夏ドラマの視聴率上位は①救命 ②任侠 ③科捜研なのであるが・・・普通に考えると①医療もの ②ヤクザもの ③犯罪もので・・・お茶の間の嗜好が窺えるわけである。まあ・・・①救命医療の問題、②老人介護の問題、③科学捜査の問題でもあるわけです。さらに言えば①麻薬患者搬送②組織暴力団麻薬売買③尿検査麻薬検出で・・・アレかっ・・・という気持ちもする今日この頃です。

まあ・・・今回は「仕事」と「家庭」の両立の問題ですな。つまり商売繁盛でお金を使う暇がありませんわ~という景気のいい話です。

それを悲壮感ある話にしあげて高視聴率ウハウハですわ~。

まあ・・・仕事が忙しくて家庭を顧みないから離婚というのは・・・表向きの理由で本当は夫の浮気とか夫の浮気とか夫の浮気とか妻の浮気が大部分だと思います・・・その割合はどんな経験値から導きだされてくるんだよっ。

麻酔科医の花輪(板尾創路)が救命センターを去ったのは離婚争議中で・・・息子に逢う時間を作るためだった。元・妻(秋本奈緒美)は「子供との思い出が一つもないのに父親顔しないで」と花輪を詰るのである。それでも子供とは会いたい花輪である。「逢えるかどうかは裁判所が判断する」・・・ということで家庭裁判所での調停の日。

救命は相変わらず大混乱・・・その上・・・進藤先生非番である。

賀来千香子のような小島(松嶋菜々子)も控え目である。(年齢差12歳あるぞ)

腕利きナースの山城(木村多江)も悩んでいた。救命で過ごした日々に体が依存しているのである。救急車のサイレンが聴こえないと幻聴が聴こえてくる。救急患者を処置したくて処置したくて手が震えるし、わが子の存在も忘れるほどだ。

そんな山城を「できることだけしよう派」の澤井(ユースケ・サンタマリア)は「救命に戻ってください」と誘う。

そして花輪を「限界なんか決めるな派」の進藤先生が勧誘である。

そんなある日・・・新米看護師の鴨居(北乃)は患者に手を握られ・・・「助けてください」と頼まれる・・・そのまま・・・患者は意識不明に・・・。

もし・・・あの患者が・・・このまま死んだら・・・かかしになって森に連れ込まれたり、呪いのブランド物バックが届いたり、処置中に居眠りしたり、シャワー・シーンをさせられたりするかもしれないと「ほんこわ」を見ながら恐怖を感じる鴨居・・・おいっ。

失礼しました・・・ここは「スーパー・ナチュラル・ホラー(死後の世界のある恐怖)」ではなくて「ナチュラル・ホラー(すぐそこにある死)」の会場でしたな。

進藤先生抜きでも異様な混雑を示す救命センター。

鴨居の担当患者も危篤である。もう・・・ダメ・・・と思ったら耳鼻科の野口先生(矢柴俊博)登場・・・やっぱりダメ・・・と思ったら「救命より大切な子供との面会権のかかる裁判を放置した」ドクター花輪登場。そして愛児が「ママのハンバーグよりおばあちゃんのケンチン汁が好きだ」と知り不貞腐れたナース山城も参戦である。

私服はちょっと変だけど一生懸命な鴨居は・・・患者が死んだからではなく・・・患者が助かったから流す涙の味を覚えたのです。

また一人・・・救命の虜になりおったか・・・と出番少な目のセンター長(小野武彦)は自分が有能な役なのか無能な役なのか判じかねつつ遠くを見るのだった・・・そんな場面ないだろう。

まあ・・・三回連続騎兵隊増援パターンで高視聴率だから楽勝なのでございます。

さて・・・北乃きいといえば「ライフ」最終話で17.4%をマークし、「太陽と海の教室」で視聴率的には苦しんだのだが、ここではここまで高視聴率に恵まれている。結構・・・起伏が激しいのであるが・・・キッドは黒井ミサ候補としていいなぁと考える。

しかし・・・エコエコではなくてゲゲゲだったのである。

北乃きいは目元のやつれた感じが吉野公佳(初代・黒井ミサ)なのである。

「太陽と海の教室」には大政絢も登場しているわけだが・・・実はキッドは彼女も黒井ミサ候補としていいなぁと考える。

大政絢はとにかく派手な顔立ちが佐伯日菜子(二代目・黒井ミサ)なのである。

そんな二人も出自はどちらも宮崎あおいとか堀北真希を抜擢したあのワクがらみである。

そういう意味であのワクのプロデューサーの少女趣味はやはり慧眼と言えるだろう。

できれば・・・ケータイ刑事とか恋する日曜日とか東京少女ではなく・・・エコエコでアザラクな北乃ミサや大政ミサがものすごく見たいのだが・・・今さら・・・やってくれないだろうから・・・ひっそりと妄想しておきます。エコエコケルノノス。

で、『恋して悪魔~ヴァンパイア☆ボーイ・第8回』(フジテレビ090825PM10~)脚本・大久保ともみ、演出・村上正典を見た。さて、前回のうちにしておかなければならない当然あるべき質問を真琴(加藤ローサ)はルカ/歩(中山優馬)に今回ようやく問いただす。後始末ご苦労様な感じがします。

しかし「10年間何してたの?」という真琴の質問をはぐらかすルカ。「写真に写っていないんですけど・・・」には「写真がキライだから逃げてた」です。

そして・・・「何故・・・年をとらないの・・・」という質問は真琴自身にも恐ろしいので問えない。

そんな・・・開始以来7話つかってグダグダしてきたこの物語を根底から覆す第三のヴァンパイア・ハーデス小早川(横山裕)登場です。

どういう倫理的な自主規制でアレなのか不明ですが・・・とにかく容赦なく吸血して生死不明の被害者・続出の食いしん坊です。生かして記憶消去は家畜化計画かもしれません。・・・っていうか、がんばったけどまだ世界観造形が甘いのですな。

しかし・・・とにかくヴァンパイアたる傲岸さで小早川はこのドラマではこれまでになかった吸血鬼物語の持つ魅力をある程度見せてくれるのです。

実は藤井母子(高橋ひとみ・姜暢雄)は別の種族のモンスターではないかと疑っていたのですが・・・そういう期待を打ち砕く藤井先生の完全奴隷化。

そして・・・次々に奴隷化する生徒たち。

このテイストは捨てがたい。香織(桜庭ななみ)が奴隷化するという妄想だけで一部愛好家悩殺でございます。

脱げといえば脱ぐのです。それからアレもーっ。

吸血鬼-人間にご主人様-奴隷という関係があってこそのヴァンパイア・ストーリー。

そして純愛はその変化球なのである。

威力のある直球みせてからの変化球が基本です。

いきなりヘナチョコ・カーブじゃ先頭打者ホームランだってば。

そういう意味で帰国子女の英会話教師としては発音がちょっとアレですが・・・若きヴァンパイアとしてはいい味だしてました。

そして・・・小早川は次々と秘密を暴露。

まず・・・本人は50年もののヴァンパイア。見かけ年齢28才として2009年で実年齢78才。1931年生まれの元人間で吸血鬼親はカイト(近藤真彦)らしいのでルカとは血兄弟ということになります。

1931年は昭和6年。朝鮮人を中国人が殺し日本人を巻き込んで衝突した万宝山事件が満州で起きています。そしてこの年には八千草薫や高倉健が生誕しています。

つまり・・・戦前に生まれ、戦中を生き延び、戦後1950年代の終わり・・・フジテレビが放送を始めた頃にヴァンパイアになった男・・・それが小早川です。

つまり・・・中身はおじいさんなのです。それでもヴァンパイア的には若造と言えるでしょう。

しかし・・・カイトは400年クラス。見かけ年齢を足せば445歳。ヴァンパイアになったのは関ヶ原の合戦前後・・・ヴァンパイアの記憶システムは未知数ですが・・・445歳の高齢者の記憶はとにかく・・・考えるだけで恐ろしいものがあります。

まあ・・・完全な化けものと言ってさしつかえないでしょう。

そうです・・・これくらいの年齢がヴァンパイアものの醍醐味です。

これがなければ・・・なんでヴァンパイアものをやる意味があるでしょうか・・・おーいおい。

ヴァンパイアとして半人前のルカは半分人間として小早川と対決しますが・・・当然相手にならず・・・ダウン。

その間に学校はたちまち小早川の支配化に。

小早川の狙いはルカの運命の女からの吸血・・・。

それが・・・食事を邪魔されたための単なる懲罰的行為なのか・・・。

それとも古き一族の支配者たるカイトに対する挑発行為なのかはまだ謎に包まれているか・・・場合によっては未構築の模様。

結局、来週の半澤台本待ちか。

ともかく・・・十字架に反射した月光はかなりの脅威になるという・・・独自のシステムを提示して・・・目から血を流した小早川は・・・ルカの餌場から撤退していきます。

ようやく・・・ヴァンパイアになってしまった歩と出会う年老いた真琴。

「幽霊じゃなかったんだ・・・」

「死すべき運命の人間からは忌み嫌われる・・・神に呪われた存在・・・乙女の血をこよなく愛するもの・・・そうさ・・・オレはヴァンパイアになっちまったのさ・・・」

なのである。さあ・・・盛り上がってまいりましたーっ。なぜここまでくるのにこんなに時間が必要だったのかはさておきーっ。

関連するキッドのブログ『先週の火曜日のレビュー

木曜日に見る予定のテレビ『猿ロック』(日本テレビ)『黒木メイサの任侠ヘルパー』(フジテレビ)『科捜研の女』『ダンディ・ダディ?』(テレビ朝日)『東京少女大政絢』(TBSテレビ)

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2009年8月25日 (火)

二人はあんなに一緒だったのに(北川景子)あなたは私に似ている(相武紗季)真夜中のブザー・ビート(山下智久)

恋愛は人生の重要な要素である。職業もまた人生の重要な要素である。仕事と恋愛の両立は若者が現実の中で直面する問題だ。

そのテーマを真正面から捉えてエンターティメントに仕上げるのは作劇の基本と言っていいだろう。

今回はラスト・シーンに向けて「ひとつの気持ち」が鮮烈に収束していく大傑作。

凄い出来だとしかいいようがないのである。まさに恋のSee-Sawゲームなのである。今回は中島美嘉もまぜています。

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「コールセンターの恋人」↗*5.6%(井上和香妊娠である)、「オルトロスの犬」↘*7.4%(平原綾香ガンである)、「メイド刑事」↘*5.4%(星野真里犯人である)、「20世紀少年①」15.5%(長すぎる)、「華麗なるスパイ」↗11.1%(純名里沙工作員である)、「オトメン~夏帆」↘*5.7%(秋帆にはならないか)、「思い出のメロディー」20.8%(アニソンもあったよ)、「刑事殺し・完結編」13.5%(洞口依子・川上麻衣子共演)、「天地人」↘14.9%(銀メダルに負けた~)、「フレフレ少女」*8.5%(ガッキーかわいいのに・・・)・・・ついでに「フザー・ビート」↘13.5%(拡大しなかったら危なかったな・・・「しゃべくり007SP」17.3%「七人の刑事」16.1%にやられたか・・・浮動票がつかめないな・・・)・・・以上。

で、『ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~・第7回』(フジテレビ090824PM9~)脚本・大森美香、演出・西浦正記を見た。基本的に脚本とは番組の設計図のようなものである。ドラマの場合は脚本は演出を凌ぐことが多い。誤解を恐れずに言うならば優れた脚本は凡庸な演出家を救うが、劣悪な脚本は名演出家も泣かせるのである。そういう意味ではこれだけ脚本がいいと演出家の手腕は二の次になる。しかし・・・実際は演技の設計をしキャストの演技を引き出し演技を編集する演出家が作品の出来不出来を決定付けるのである。矛盾に聞こえるかもしれないがそれがトータルということである。そしてトータルに考えて今回は大傑作といって差し支えないだろう。最初から最後までお茶の間は釘付けになったはずである。それぐらい隙のない仕上がりだった。

相思相愛の直輝(山下)と莉子(北川)である。それはお互いに確認しあったことだった。しかし、二人の未来は暗闇に包まれている。ロッカーの中が扉が開かれる前は暗黒であるようにだ。

直輝と莉子がお互いに求め合っていることを知りながら・・・世界はそれを阻むのである。

当面の最大の障害はボストンに旅立った川崎(伊藤英明)である。川崎は莉子から「他に好きな人が出来た」と告げられ相手が直輝であることを察知している。しかし、横恋慕を止めることができずに莉子に対しては「振り向いてくれるまで待つ」と宣言し、直輝に対しては「莉子についてオレを裏切るな・・・信じている」と釘を刺す。ある意味、ストーカー的でパワーハラスメント一歩手前だが・・・寸止めなので川崎を応援する人々もなんとか気持ちをつなぐことのできる状況である。

これに対して・・・直輝は「莉子に対する恋愛感情」以外の様々な問題が山積みで顔をそむける。

第一に「足に要手術の故障を抱えながら・・・結果を出さなければ解雇寸前のシーズン直前」という問題。第二に「前の恋人の裏切り」という失恋の痛手がわだかまる問題である。

まして・・・「尊敬する先輩」であり「所属チームのコーチ」である川崎の「彼女」との恋愛は辛すぎるのだった。

だからといってその「恋心」を押しつぶす根性はないことは明確なのである。

そんな直輝に電話をかけてくるのは別れた菜月(相武)だった。

一方・・・24才の誕生日を控える莉子は好意を寄せてくれる川崎と複雑な関係があり、しかも恋人のいる直樹とキスをしてしまったことで・・・直輝に対する自分の恋心を確信する。しかし・・・正直な気持ちを伝えても川崎はあくまでしつこく莉子をあきらめようとしないし、直輝には恋人がいるという先入観から行動が制限されている。

好意を寄せる川崎には申し訳なく思う。しかもそこには保険として川崎をキープしたい気持ちがないわけではないと後ろ指さされかねない状況である。

恋人がいる直輝が自分に見せる好意にも不確かなものがある。しかも莉子は「泥棒猫」と呼ばれかねない略奪愛も辞さないらしい自分に驚くのだった。

そんな莉子に電話をかけてくるのは・・・川崎だった。

ボストンに向かう川崎は渡し損ねていた誕生日プレゼントを見送りに来た莉子に半ば無理矢理押し付けるのだった。

どうして莉子は迷いながら逃げ出すこと出来ないのだろう・・・。

川崎は別れて振り返る。しかし・・・莉子は目を伏せている。川崎は激しい眼力で莉子の顔をあげさせるのだった。二人が交わす温度差のある微笑み。

ついこの間まではあんなに一緒だったのに・・・夕暮れはもう違う色なのである。

一方、直輝と菜月は別れの儀式の最中である。二人が清い交際だったと疑わないお茶の間もあるだろうが・・・手荷物二つ分の愛の暮らしがあったのだ。それはきっと下着を含むのである。その中から・・・直輝が想い出として残すのは奈月が愛した挌闘ゲーム・ソフトだった。

その社交辞令的な振る舞いにすがるように菜月は言葉を捜す。

「直輝・・・私たち・・・」(・・・やりなおせないかな・・・と・・・それは無理か・・・じゃ)「友達になれるかな・・・」

直輝はささくれ立った心に煽られて冷たく言葉の暴力をふるう。「それは無理・・・菜月のこと・・・一生友達とは思えない」(お前の裏切りは忘れないぜ)・・・なのだった。

さらに・・・「あいつ(代々木)と上手く行ってるんだろう・・・」と念押しである。

「うん」と頷く菜月だったが・・・直輝の去った後・・・残された合鍵の温もりを惜しむのだった。

ありふれた優しさから遠ざかり・・・冷たく切り捨てたはずだったのに。菜月の心は彷徨い始める。

あんなに一緒だったのに夕暮れはもう違う色なのである。

直輝から菜月を奪った男・・・代々木(金子ノブアキ)は欲望に忠実な男。自分が逢いたいときに仕事を優先して菜月が逢おうとしないと・・・たちまち菜月の後輩のしおん(小松彩夏)を予約するのだった。セーラーヴィーナスしおん・・・今回はアップを確保である。

時に言葉は退屈な夜を潰すための道具にすぎない。

そしてそれもまた業務に過ぎないのだが直輝を勇気づけるチビッ子ファンを案内してきた菜月が目で追うのは代々木ではなくて直輝・・・その傷にもすぐに気がつくのだが・・・。

ついでに今回は直輝の妹・優里(大政絢)も直輝の後輩・秦野(溝端淳平)と合コンをすることで出番を確保する。優里は赤い服で秦野は青い服を着ている。二人はカップルとして成立してもおかしくない組合せだが・・・この世界では優里はまだ「本当の悩みを知らない年齢」の象徴なのだ。優里は秦野狙いなのだが・・・狙いが外れても苦悶はしないのである。

お似合いの二人がいつもたどりつくとは限らないからだ。

一方、未だにゲイなのかバイなのか明らかにしない宇都宮(永井大)は今回生れるもう一組のカップルが先行系となるために麻衣(貫地谷しほり)と二度目のデートをするのだった。

先行タイプ・・・宇都宮-麻衣-秦野

量産タイプ・・・菜月-代々木-しおん

最終タイプ・・・川崎-莉子-直輝

である。「後は若い人同士で裏切りライン」である。お見合いの席かっ。

ともかく・・・ガールズ・トークのついでに川崎の誕生日プレゼントをあける莉子と麻衣。まだまだ自分が好かれていると思ったときの作業だろうが・・・今となってはやや「引かれる素材となるだろう」マトリョーシカ方式多重パッケージ。相手が好きな人があけてこその「いじらしい行為」である。まあ・・・ほだされる人はいるでしょうけど。不気味さを感じさせる方が多い現代だったりして。中身は婚約指輪と思われる高価そうな指輪だった。

二人は顔を見合わせ・・・重いと感じるのである。

そして・・・麻衣は莉子に最も重要な情報・・・「直輝は菜月と別れたみたい」を告げるのだった。

そして、運命はロミオとジュリエットを買い物先で遭遇させるのだった。近所だからという考え方もあります。

直輝の顔を見るととりあえず逃げ出す莉子。自分からキスをしたことが思い出され赤面だからであろう。逃げれば追う法則で走り出す直輝。

二人は「お互いの夢を誓い合ったあの場所」で落ち着く。

二人の愛を始めようとする莉子に対して・・・直輝は例によって最初から逃げ腰である。

直輝「キスのことは・・・忘れる・・・川崎さんは裏切れないし・・・君とは友達でいたいし」

莉子「・・・あたしは・・・もう友達じゃ・・・いられない」

直輝「じゃ・・・もう逢わない」

恋心を傷つけられた莉子は平手打ち一閃である。口で言うより手の方が早いのだが、口も出します。

「なんじゃ、そりゃぁぁぁぁ、じゃあ・・・なんで追っかけてくんの・・・なんで中途半端に優しいの・・・あたしをその気にさせといて・・・大嫌い・・・もげっ」なのである。

直輝は困惑した。直輝は困惑している。直輝はとりあえず医者に行った。

間接ネズミの手術は完治までに最低三ヶ月。瀬戸際の直輝にはシーズンを棒にふる決断をすることはできなかった。

莉子は直輝をあきらめた。愛は憎しみに変わったのだ・・・と思い込もうとした。

あんなに一緒だったのに・・・夕暮れはもう違う色なのである。

もちろん・・・お茶の間は二人の情熱が動き始めていることを知っているわけだが。その情熱がすれ違うことにハラハラするのだな。

莉子は夜のアルバイトに出かける。気持ちは沈み・・・演奏は精彩を失う。

夢を追いかけてきた。でも私はいつまでかんばればいいの?という気持ちが莉子を飲み込みかける。

謎の常連客の男(升毅)はそんな莉子に「そんな魂も思想もない最低の演奏で・・・その安くはないヴァイオリンが悲しいと言って呻いているよ・・・君は恥知らずな女だ・・・もう二度とヴァイオリンを弾こうなどと思わないことだ・・・尼寺へ行けっ」と罵るのだった。

運命の女神は・・・その場に菜月を居合わせるという超絶技巧を一回使用である。

トイレにて菜月と莉子が接触。菜月は目ざとく莉子の所有する直輝のキャラクター・グッズを捕捉確認する。

その表情には仮面をかぶったような危うさが漂いはじめる。恐るべき超能力で菜月は誰が直輝の心を奪っていったのか瞬時に察知したのだ。

心を失いかける菜月は莉子の心を折ってみたくなった・・・そうすれば寂しさがまぎれるかもしれない・・・と。

「すごく・・・酷いこといわれてましたよね。あんなに酷いこと言われて耐えられるなんて凄いわ・・・夢があるって凄いですね。誰も聴いていないような場所で演奏できるって凄いし、それでも一生懸命に夢を追いかけるって凄い・・・我武者羅に夢を追いかけて無我夢中で夢をおいかけてあきらめないで夢を追いかけて・・・それって逆に凄い・・・私たち・・・友達になりませんか・・・」

あなたは私に似ている・・・と菜月は一方的に思う。歯止めの効かなくなる自分がこわくなって静かに泣いている夜があるでしょう。どうしても楽じゃない道を選んでしまうのでしょう。砂にまみれた靴をはいてそんな風にしか生きられない自分を笑うでしょう。何も知らない方が幸せだって言うけれど何を選んでもうつろに横たわる夜はくるわよ。

あなたは私に似ている・・・とさらに菜月は思う。冷たく切り捨てたもうひとりの私。運命とうまく付き合っていけるつもりだった私。悲しいとか寂しいなんて言わない私。

あなたは私に似ている・・・だから同じように辛くなってほしいと菜月は思っている気がします。苦痛への共感の強要という方向でしょう。まあ・・・客観的に見ると危険な心理状態と言える。

莉子はもちろん・・・ただ戸惑うばかりである。

そんな二人が愛した男は一人・・・運命の扉を開こうと悶えている。母と妹はそんな直輝をただ見守るしかないのだった。家族としてあんなに一緒だったのに・・・夕暮れはもう違う色だからである。

ストイックな姿は何かを見出そうとあがく。時にはそれが何かを見失わせるわけだ。

昔のチーム・メイトたちは夢の残滓である直輝を励ます。答えを出すことがすべてではないからだ。やるだけやってみればいい。あせらなくてもいい。夢はいつか醒めるものだが・・・お前も誰かの夢になればいい・・・そうだな。直輝はみんなの夢になろうと決意するのだった。子供の頃、自分が夢見たように・・・。

その頃・・・先輩殺し先行系である麻衣と秦野はいい感じに・・・そこへ遭遇した莉子は「恋愛より女の友情を優先するのが大人の女」という麻衣に「そんな女友達にチャンスを与えるのが女の友情」と切り返すのだった。

夜明かしのために漫画喫茶を目指す莉子は真夜中の公園で思わず涙ぐむ。運命の誕生日が始まろうとしていた。今週の「A DAY IN THE LIFE/THE BEATLES」のインストゥメンタル挿入は長い・・・ギターのソロというヴァージョンで始まり・・・莉子の誕生日と静かに寄り添うのだ。それは・・・莉子と直輝のそれぞれの孤独に始まり・・・。ひとつの道へといたる人生の一日を示している・

一人ぼっちの莉子・・・そこへ直輝が通りかかる。ここからはある意味スカシ(ここではお茶の間をじらすテクニック)ていきます。

ケータイが着信するが・・・誕生日直後夜更かしの莉子の母親によるおめでとうコールである。(スカシ①)

そこで直輝は・・・「仕送りもできなくてごめん・・・でも・・・私もう・・・ヴァイオリンだめみたい・・・」という莉子の涙まじりの絶望を聞き取る。

しかも・・・直輝は莉子残して立ち去るのである。(スカシ②)

けれど直輝は家で仕事をする母親の姿にあらためて打ちのめされる。莉子の涙が直輝の心の扉を猛烈にノックするので・・・今まで見えていなかった世界が見え始めるのだ。

「親孝行できるようになるまでが・・・こんなに時間がかかるとは思わなかった」

莉子の姿は直輝に似ている・・・のである。

翌日・・・麻衣の美しいヘソを見た秦野が語りたいが語れない(スカシ③)・・・しかしやはり語らずにはいられなかったことは直輝の後のセリフで分る。

直輝は・・・誕生日である・・・莉子に電話しようとするが・・・なかなかできない。(スカシ④)

そして・・・誕生日終了直前。誕生日パーティーから二人きりになりたがる麻衣と秦野を気遣いで追い出した莉子は一人ぼっちになる。ふと目にとまる・・・川崎からのプレゼント。そして電話の呼び出し音が鳴る。(スカシ⑤)

電話の相手は直輝だった。

直輝「誕生日おめでとう・・・」

莉子「もう逢わないって言ったのに・・・」

直輝「逢ってないし・・・」

莉子「じゃあ・・・誕生日のプレゼントにあなたのドリブルの音を聞かせて・・・」

どうして莉子は小さな手で傷を背負おうとするのだろう。どうして直輝は迷いながら逃げ出すことが出来ないのだろう。

たちまちジュリエットはバルコニーの下のロミオを発見するのである。もはやとまらない輝く愛の光。

莉子「誓います・・・もう二度とキスしたりしない・・・ひとさし指で触ったりしない。なれなれしくもしない。オヤジにもたたかれたことないのに的な修正もしない。半径五メートル以内に近寄らない・・・だから・・・もう逢わないなんていわないで・・・お願いだから・・・もげっ」

ここで一瞬逃げ出したように見える直輝。(最後のスカシ)

ダッシュで莉子の部屋へ・・・扉をたたきあけ・・・退く莉子を追いかけてキャッチ。

熱烈キスである。

莉子の姿は直輝に似ている・・・静かに泣いているように胸に響く・・・莉子に直輝は約束するだろう・・・いつか僕に向かって走ってくる時は君の視線を外さずにいよう・・・きっと誰より上手に受け止めるよ・・・と。

問題は山積みで恋に割ける時間はない。だからこそ二人でいることは重要。それが一つの突破口。

暗い宇宙の中で二人は道を見つけたのだろう。

関連するキッドのブログ『第六話のレビュー

Hcinhawaii0582 ごっこガーデン。いつもきれいに南公園セット。エリただ今独立のためのエリ専用屋敷お引越し中なのでスー。でもとりあえずごっこはしておきますyon!・・・だってとりあえずパーンチなのです。エリ以外に山P先輩に攻撃することは絶対に許さないのダーっ。でも、とりあえずホッペ・パチーンはしておきまスー。できればムチでバシバシとかローソクたらたらも試したいのですが・・・今回は後半・・・はぅぅぅぅぅぅぅんが待っているので・・・ほどほどにしましゅ~・・・さあさあ皆さん・・・そろそろ夜セットに移動ーっお気楽誕生日を安易に暗証番号にすると危険だよね。でもそれ以外だと忘れちゃうしなぁ。菜月としおんかあ・・・あなたならどうする?・・・菜月は刺々しいセリフも表情もいい感じになってきたよね。連続キスシーン続行中・・・さていよいよ雨を降らせるか・・・とっておきだったよねまこチュウでチュウのチュウですが今回は強烈!・・・ラブ・ドロンボーもたじたじでしゅ~。草々兄さんはウツさんに麻衣をお奨めしていたのに・・・麻衣はとっとと秀治とおへそをすりあわせる中に・・・さあ・・・予告編を独占ブラック菜月楽しみでしゅ~ikasama4ものすごく楽しくなってきてますねぇ。もう相関図ごちゃごちゃです。しかし後輩が先輩を裏切る法則が発見できました。莉子はある意味めんどうくさいキャラですが・・・その手のマニアにはたまらない魅力なのかもしれません。とにかく今回は桃子莉子もさくら麻衣も満開でしたな。さあ・・・華姫菜月はどうするのかっくううーん・・・どうも莉子の気持ちになれない・・・もっとはっきりと川崎に気持ちを告げないと・・・でも川崎・・・聞く耳もたないかもね。まあ・・・でもね・・・人間・・・どこでもいい子じゃいられないんだよね・・・そういう意味で・・・直輝・・・一皮むけたのかしら・・・菜月にみじん切りにされなきゃいいけど・・・みのむしいやあ・・・るるる・・・川崎さんのいない間に青春炸裂ですよ。私的にも経験のあるマトリョーシカ方式・・・つまり・・・川崎さんオトメンかっ・・・さあ・・・ダーク菜月よ・・・セプテンバー・レインに打たれてドロドロの扉を開いておくれーっあんぱんち代々木の欲望は底なしか・・・このまま・・・チアは全員代々木シスターズになってしまうのか(爆)・・・実際の誕生日は0822ね。これミニ情報(爆)・・・20世紀少女のともだち攻撃の真意は何処に~。莉~子ちゃん、遊びましょうって言うかしら~(爆)」

Hcinhawaii0583 ごっこガーデン。愛と青春の赤頭巾ちゃんの部屋セット。mariはぅぅぅぅん。強烈なキスを脳裏から払拭するためにごっこガーデンは不滅なのですーっ。川崎の信じてるビーム攻撃敗れたりーっ。さあ・・・後はあらゆる困難を二人で乗り越えて実際のゲームでブザー・ビートを決める直Pちゃまの雄姿を見守るのですーっ。優勝ーっ。ギャラアップーっ。結婚ーっ。そして直輝をウチの主人と呼んだりしてーっ。きゃーっかくも強力な熱烈キスがこようとは・・・ぼぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんデス。山P先輩はクローン人間ではなくてあくまで三兄弟デス。でもクローンだからあんなに一緒だったのに・・・クローンだから君は僕に似ている・・・デス。ついでにFIND THE WAYデスネ。更新アリマセンシャブリもう離さない・・・莉子が気になっていた本は「モテ本」「大人の男に愛される恋愛マナー」「プラチナ肌で恋愛女王になる!」すべて実在なのでありましたーっ・・・直輝と秀治・・・優里を通じて義理兄弟ですからーっ・・・囁き刑事VSケータイ刑事の遭遇待ち~akiおっと~早い秋の訪れに名残のビールしてたら遅刻しました~。はい・・・そこもう少しテンポアップして~ミマム代々木~、予想通りの奴だったのか~い。最後はロミジュリ・・・どう考えても近所の皆さん・・・ひっそりと息をひそめていましたよねぇ。さあ・・・雨に濡れて~菜月はどういう攻撃を・・・楽しみっしょ~き~み~がいたな~つは遠い夢の中~・・・そ~ら~に消えてぇった~打ち上げ花火・・・はっ・・・カラオケしてたら遅刻しました~・・・今レビューできました~アンナスマスマですぴょん。今回はなんといっても~。視聴率が計算できる唯一のプロ野球選手ダルビッシュぴょんの紗栄子夫人ぴょん・・・好感度激しく上昇の巻でした~。ドラゴン桜では山P先輩と一緒にピヨピヨ言ってたのに~大人でしゅ~すごく大人でしゅ~

水曜日に見る予定のテレビ『赤鼻のセンセイ』(日本テレビ)

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2009年8月24日 (月)

会津磐梯山は宝の山よ天地人(妻夫木聡)愛人は潮時が肝心(木村佳乃)

さて・・・中国白雪に日本尾崎が置いてかれた~ちょっと残念な銀メダルだったわけだが今大会を通じて個人初のメダル獲得に「世界陸上ベルリン大会」18.1%・・・「天地人」↘14.9%である。

朝鮮半島でのその後の激戦を無視したまま、いきなり、慶長3年のお国替えへワープなのである。

しかし、架空の登場人物であるお涼(木村)と兼続(妻夫木)との後朝の別れはしっとりなのである。

まあ・・・それでもまだまだ高視聴率と言えなくもないところが・・・なんともはやである。

で、『天地人・第34回』(NHK総合090823PM8~)原作・火坂雅志、脚本・小松江里子、演出・片岡敬司を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回はあらすじ五行ですが・・・解説は多めでございます。特に得意のワープ攻撃でなぜ上杉家が越後50万石から会津100万石にお国替えになるのか・・・ドラマではまったく触れない部分を丁寧に説明してもらえます。会津領主・蒲生氏郷の死去から秀次事件を経て・・・蒲生のお家騒動そして宇都宮16万石への転封それにともなう上杉家の資産倍増待遇丸わかりでございます。ここは関ヶ原の合戦への伏線ですから・・・住み慣れた我が家にいやいや別れを告げて・・・風に演出されても赤面なんですよね。豊臣兼続くんはたしかに米沢30万石の大名に大出世するわけだし・・・辞退ってなんだよ。辞退って。・・・でございます。そしてついに登場。石田三成書下ろしイラスト。う~ん素晴らしい!・・・美しい越後の空撮ばかりで陰謀渦巻く戦国終末期が不足のあなたは松永久秀の秘密もお楽しみください。

Tenchijin159801 で、慶長3年(1598年)に上杉家は会津に領地替えをされるわけである。すでに豊臣秀吉の臣下である上杉家としては粛々とお引越しをするわけだが・・・上杉家とて戦国大名である。ただ・・・去って行くわけではなく、家来衆を草として越後に残していく。いざとなったら一揆を煽動し、新しい支配者を混乱に陥れるためである。秀吉の転封命令には徳川家も伊達家も従ったのだが・・・ともに火種は残していったのである。真っ向から逆らった織田家は没落したので従いつつ、ささやかな抵抗が基本戦略なのである。しかし、基本的に秀吉の行う転封は合理的なものであり・・・命令された側も少なからずメリットが生じる。もちろん・・・結果的に恩恵を最大に蒙ったのは家康ということになるが・・・それは家康の政治手腕が並外れていたということの証明に過ぎない。

大局的には豊臣政権における淀の方と普代大名および官僚対北政所と外様大名および武将の権力闘争に尽きる秀吉以後の戦いがすでに火花を散らしているのである。

朝鮮半島では貿易派(小西行長)と領土拡大派(加藤清正)の対立により戦線は膠着状態である。そして国内では石田三成と徳川家康がお互いを仮想的として布陣を重ねている。

会津若松城天守閣では酒井法子が覚醒剤疑惑で逮捕された年頃の冬姫が春の空を眺めていた。この地で過ごした日々は八年を数える。冬姫は織田信長の次女で・・・母は信孝を生んだ坂氏である。

信孝も信長にもっとも似た子と言われるが、冬姫もまた織田家きっての美貌と謳われたお市の方を凌ぐとまでいわれた器量である。織田信長が人質の大名の子息の中でもっとも資質が優れていると見抜いた蒲生氏郷に冬姫を配したのは故無きことではない。織田信忠時代というものがあればその補佐役として蒲生氏郷・冬姫夫妻は鉄壁の布陣といえただろう。無論・・・冬姫はくのいちである。

だが・・・時は驚くべき変転を遂げ・・・激動する権力闘争を夫婦はなんとか泳ぎきったのである。しかし・・・夫が早世し・・・三年目にして・・・築き上げた会津90万石を失うことになろうとは・・・冬姫の瞳には暗い輝きが宿っている。

背後には母の里から仕える家老・坂郷成が控えている。

「それでは・・・長沼郷安はやはり・・・猿めの草・・・ということか」

「太閤のしのびと申すより・・・石田治部少輔と誼みを通じていたと判じまする・・・」

「あの茶坊主あがりめ・・・」

冬姫は伊勢の風を受け・・・近江侍を生理的に嫌う。神の国と仏の国の違いほどの違和感を持つのである。近江侍は皆、理屈家で計算高く小賢しい・・・その代表格が石田三成であった。忌々しいことに夫の氏郷にもその風があった。蒲生家の主筋である六角氏に使える一族であった郷安を重用したのも氏郷の失点である。

直感に優れた冬姫は何度も氏郷に忠告したが聞き入れられなかった。

(そのあげくがこの様だ・・・)・・・夫の急死後、家督を継いだわが子秀行は12才。その若き主を蔑ろにする専横の振る舞いを前主の寵臣たる郷安は始めたのである。ついには諌める忠臣を謀殺するにいたって会津城下は一触即発の状態となった。そこで秀吉から調停の沙汰があり・・・蒲生家は宇都宮16万石へ転封となったのだ。

騒ぎの張本人である長沼郷安は咎められて石田三成預かりとなったのだが・・・密偵の報告によれば近江で悠々自適の暮らしをしているらしい。

結局・・・すべては石田三成が・・・蒲生家を会津から追い落とすための策謀であったわけだ。

しかし・・・と冬姫はほくそ笑む。直観力の優れた彼女にはそうした策謀がついに潰えることが見通せるのである。

すでに宇都宮城主となる蒲生秀行には徳川家康の三女・振姫との縁組が決まっていた。

(あの石頭には・・・そういう計算に抜かりがある・・・上杉という巨大な味方を育てる間に一人また一人と敵を作っていることが理解できぬらしい・・・あの男の打つ手、打つ手はすべてが猿という特別な親方あってのこと・・・猿がこけたらみなこけるわ・・・)

「相応院(冬姫)様・・・そろそろ刻限でございます・・・」

観相を終えた冬姫には晴れ晴れとした表情が浮かんでいた。その目には石田三成の滅亡する有様がまざまざと浮かんでいる。

口元に笑みを浮かべたまま・・・冬姫は身を翻した。家老の郷成はあわてて後を追う。

陸奥・会津から下野・宇都宮へ・・・冬姫は忍び装束に着替え・・・忍び馬を駆る。

その速さはたちまち家来を置き去りにする。

馬上、神がかった冬姫は聞くものもない予言を口走る。

「猿め・・・猿め・・・お前の命運は・・・もはや尽きておる・・・この夏は越せまい・・・この夏は猿めの最後の夏である・・・そして猿の子も永うことはないであろう・・・」

家康の命令で密かに冬姫護衛の任に当たっていた服部半蔵影成はその声を幽かに聞き・・・小さく身震いをするのだった。

「おそろしや・・・織田の血筋は・・・まさに魔を潜ませおるわ・・・」

関連するキッドのブログ『第33話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『綾瀬はるか・志田未来のほんとうにあった怖い話』『救命病棟24時』『恋して悪魔・ヴァンパイア☆ボーイ』(フジテレビ)

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2009年8月23日 (日)

赤い国から来た女スパイに愛の十字架を(深田恭子)毛並みのいいネコがじゃれあうところも捨てがたし(武井咲)

国家とは巨大な生物である。しかも、その数は極めて少ない。

そしてそれぞれの生態は多種多様のように見えて極めて相似している。

大地に巨体を横たえている生物がいる。小さくひっそりとうずくまっている生物もいる。四方を海に囲まれている生物もいれば分裂して点在している生物もいる。

さかんに電磁波を発生して意志の統一をはかる生物もいれば、古き教えに縛られた生物もいる。

しかし・・・どの生物も生き残ろうと必死にあがいている点は同じなのである。

秘密警察はその暗部に救う寄生虫のようにも見えるし・・・侵入してくる微生物を排除する抗体のようでもある。

国家の敵にとっては厄介な組織でほあり・・・時には国家そのものにとっても敵となる。

しかし・・・免疫不全になった生物は淘汰される可能性が高い。

秘密警察を憎む人々は言うだろう。秘密警察が守護する国家など不必要だと。しかし・・・国家なき無法地帯が秘密警察より恐ろしいことを知らないだけなのだ。

で、『華麗なるスパイ・第6回』(日本テレビ090822PM9~)脚本・君塚良一、演出・大谷太郎を見た。このドラマにおける日本は中国との戦略的互恵関係を一歩進めた架空世界らしい。主人公・京介(長瀬智也)が雇われている秘密諜報部は内閣情報室直轄の組織なのだが、その中枢に中華共産党帝国の工作員ナオミ・リー(純名里沙)を招き入れるのである。純名といえば宝塚で真矢みき相手の娘役スターだが酒井法子と同じ38才である。なんだ・・・これはビッグ・ゲストなのか・・・。もう、誰がスターで誰がスターじゃないのかわからないな。・・・話題ずれてます。

つまり・・・日本のスパイ組織の中枢部に中国のスパイが中国大使館の依頼で入り込むなんて・・・ありえんだろう・・・。日本と中国がいかに国際協調路線を歩もうともだ。仮想敵国同士だぞ。

こうなる可能性のある時はだ。北海道はロシア領土。本州は中国直轄地。沖縄・九州・四国がアメリカ委任統治になっているということだ。つまり・・・博多にふぐを食べに行く時も、北海道にカニを食べに行く時も東京都民はパスポートが必要ということです。

ま・・・現代の日本人はそうなっても何不自由なく暮らしていそうでそれはそれで凄いな・・・とも思います。

フジテレビが世界最貧国と認定したアフリカ大陸のシエラレオネ共和国に入国した中野美奈子アナウンサーが「また俺たちの貧しさを報道して哀れさを売り金を稼ぐのか」と現地の青年にののしられ・・・もちろん、そういうセリフを言うようにギャラが支払われていると妄想できます・・・病院で次々に死ぬ子供たちにショックを受け・・・もちろん、そういう子供たちにもギャラが支払われていると妄想・・・ようやく生き残った子供たちは全員スラムに住み・・・スラム全体にギャラが支払われます・・・家が貧しいために学校にも行けない賢い子供を抜擢・・・行けなかった中学校にあえて連れて行き・・・裕福ゆえに学校へ行ける子供たちと賢い少年を対比・・・放課後の教室で黒板にかかれた授業内容についていけない賢い子供を見せ・・・もう一度子供の不遇さを強調・・・豊かさとか夢とかなんだろうって・・・「この子にギャラを弾んでっ!」こぼれる一滴の涙・・・「とくダネ!」で小倉智明にちょっと冷たくあしらわれてももう平気だよね的に。

まあ・・・そういう基本設定で躓くので京介(30)が感じる年上の女への恋心とか、元・男性らしいドロシー(深田恭子)のかわいいジェラシーとか尼さんコスプレとか、京介の生い立ちの秘密とか、子供を残して単身赴任のママさんスパイの心情とか・・・本当は京介への暗殺者だったナオミとか・・・もうどうでもいい感じになってしまうのでございます。

ああ・・・無理なら最初からスパイものなんてしなければいいのに。どうでもいいけど長瀬智也、ちょっと体型がだらしなくなってるよな。特に後姿が。最初のヒモのようなレーザー網突破体操コントからそこも気になりました。

やはり京介は吉澤総理(渡哲也)とミスター匠(柄本明)の愛の結晶オチとしか思えない。一種のホームドラマだからな。三九(杏)が拉致監禁されてもなんの緊張感もないし、京介がスパイやめた~とかも・・・しつこいようだがまったくどうでもいいよね。

で、『オトメン(乙男)~夏~・第4回』(フジテレビ090822PM1110~)原作・菅野文、脚本・吹原幸太、演出・谷村政樹を見た。こちらは回を追うごとにそこそこ面白くなっているのだが・・・少女マンガ的おタク心にフィットしているだけかもしれず・・・微妙である。

主人公がオトメンであることを理解するいわば解説役の高校生マンガ家・橘(佐野和真)の妹の久利子(武井)は林丹丹がグランプリを受賞した「第11回全日本国民的美少女コンテスト」(2006年)のモデル部門賞&マルチメディア賞受賞者。審査員特別賞にはポッキーこと忽那汐里が選ばれている。ポッキーより1才年下の15才。ちょっと魅力的である。

ここも脚本はライター・チーム制なのであるが一話完結要素が強く、それほど辛くないし、なんといっても原作ありだから制御しやすいわけである。このチームにも加わる半澤律子の単独脚本があるとすれば「恋して悪魔」との比較で力量が測れるわけで楽しみだ。

今回は夏ネタで・・・剣道部の面々が「海の家」でアルバイトという設定である。

後半は海のイベントでヒロインの男女のりょう(夏帆)を美しく着飾らせるという展開となり、女男の正宗(岡田将生)がファッションをコーディネイトすると・・・ライバルである多武峰(木村了)がメーキャップの凄腕を見せ・・・実は彼もまた女男・・・つまりオトメンだったことが判明し・・・女男と女男の心が通い合うという超絶展開である。

「オレの手で蝶にしてやる・・・」(爆笑)

まあ・・・湘南爆走族の昔から男の中の男のヒーローがお裁縫好きというアイディアはあったわけだが・・・それがかなり昇華されたものと観ぜられるのだな。

今回は戦隊ヒーロー・ショーのパロディーもある。

サムライ・ファイブのイエロー磯野(澤部佑・ハライチ)は町内会長の息子のこども演出家に舌鋒するどくしごかれるのだった。

「だれが地球を守るんだよ。お前だろ。だったら守れよ。お前が守れ」(大爆笑)

そして一皮むけちゃった・・・なのである。

まあ・・・面白いな・・・そして・・・ベルリン女子マラソンでは虎視眈々と中国が日本を抜き去る象徴的な展開である。これは自民党・・・選挙で大敗北だな。・・・な、なんの関係が・・・。

でも尾崎選手、万歳!

関連するキッドのブログ『先週の土曜日のレビュー

月曜日に見る予定のテレビ『ブザー・ビート 崖っぷちのヒーロー』(フジテレビ)

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2009年8月22日 (土)

オレたちは駒じゃない(滝沢秀明)じゃ、狛犬なのか(錦戸亮)煙を愛して私を殺すつもり?(木下あゆ美)

しつこいようだが、タバコの煙では人は死なないが、クルマの排気ガスでは死にますから。

ウソだと思ったら、排気管に吸い口つけて吸ってみてください。

怨み屋、愛煙家を敵に回す気かっ。

それとも禁断症状で苦しむ人の姿をどSとして楽しみたいだけなのか。

生れてはじめて「怨み屋本舗」スタッフに疑念を感じました。テレビマンユニオンの佐野達也氏、後編、面白くなかったら怨み屋頼んじゃうぞ。

そんな妄想にとりつかれる今日この頃。

で、『オルトロスの犬・第5回』(TBSテレビ090821PM10~)脚本・伊藤崇(他)、演出・加藤新を見た。二話続いたスタイリッシュな演出もなくなり、まったく楽しむところのないドラマに逆戻りである。タッキーとか、錦戸亮のファンじゃないとどうしていいか、わからなくなるよね。ファンもその他の皆さんに申し訳なくて居心地悪いよね。

さて、現実世界の「酒井法子覚醒剤所持・常習疑惑」はこのドラマにどの程度影を落としているのだろうか。

違法薬物売買の犯罪者である熊切勝(八乙女光)といえば、「3年B組金八先生・第7シリーズ」(2004年)において薬物依存に苦しむ中学生・丸山しゅうを演じていたわけである。ちなみに榊大臣(高畑淳子)は同シリーズで養護教諭役でお馴染みである。

イメージとしては結局、一度手を染めた薬物依存からは逃れられず麻薬の売人に身を落としたのである。・・・おいっ。

それはともかくとして・・・このドラマは薬物依存についてはその犯罪性がかなり軽く扱われている。女刑事・渚(水川あさみ)が勝を追うのは「女子大生不審死事件」の解明が目的であり、麻薬撲滅ではないのである。

それどころか・・・当然、疑われる勝と交際していた加奈(波瑠)の薬物使用疑惑などは話題にも上らない。

まあ、「話」が「どんな病人でも治しちゃう手」とか「触るだけで殺せちゃう手」という、悪いクスリでもやってんのか・・・という「話」なので、現実に存在する「麻薬汚染」のことなんか知ったこっちゃないという姿勢なのだな。それとも本当にヤバいのか。・・・おいっ。

とにかく・・・そもそもが奇想天外で・・・自由な話なのである。そうなると相当に面白くなければならず・・・そうでないとガッカリなのである。

今回は日本の秘密警察の指揮者である沢村理事官(佐々木蔵之介)が独自の公安哲学を語る。

「国家としては治安の維持が最優先されるべきで、そのためには手段は選ばない。その中には合法的な殺人も含まれる云々」なのである。

これをあたかも「必要悪の論理」のように語るところが鼻持ちならない感じである。

「国家」は何も好んで人を殺すわけではなく、「国民」の安全を守るために法で定められた範囲内で「権力」を執行するにすぎない。「戦争」も「死刑」も合法的な行為であり、結果として死傷者が発生しても違法性を問われないのは「悪」ではなくて「合理」なのである。

少なくとも、「部下を殺すことに躊躇のない上官」である沢村がどのようにしてその心情にいたったのかをドラマとしては提示してもらいたいものだ。

麻薬密輸犯が逃亡を図ったときに躊躇なく射殺するのは正しい行為だし、麻薬密輸船が逃走に移ったら領海内では撃沈してしかるべくなのである。

そんなことに今さら念を押す必要ないのではないか。

そんなことされたら・・・逆に「麻薬汚染なんて死刑にくらべたら大したことない」という市民運動家を親に持つ素直な中学生のような脚本家が書いているのではないか?と懐疑が生じるのだな。

この国でも半世紀前にはビルがテロリストによって爆破され死傷者を出していたし、さらに百年遡れば暗殺者が天誅しまくっていたのである。

今だって、原因不明の不審死、生死不明の失踪者がどれだけいると思っているのか。

安全が「平和への祈り」で賄えると思ったら痛い目見るよ~。

ま・・・駆け出しの人がチーフ・ライターやってるような作品になんだかんだ言ってもアレか。

とにかく・・・今回は案の定、「ハアハア・・・その神秘の手を研究させてくれ・・・ハアハア」の男に渚の恋人・正人(忍成修吾)が変貌し・・・渚を竜崎(タッキー)に売り渡し・・・。

竜崎はなんとなく渚にホの字でキスしてみたらパチーンと頬を張られ・・・。

澪(熊田聖亜)は「翼をください」とタッキー&翼押し。

ホームレス二宮(六角精児)は「殺したのは俺なのに」放置。

歌手のレイ(平原綾香)は咽喉ガンで新曲熱唱である。

真面目に歌を聴かない榊は竜崎に「おばさん」呼ばわりである。竜崎は澪に「おじさん」と呼ばれたので八つ当たりなのだ。

もう・・・なにやってんだか・・・。そもそも・・・あの描写で竜崎が榊に奇跡を起こしたことが満場の観客に伝わったかどうかも不透明だが・・・。

竜崎は能力によって迫害されて人間不信になった言動だったのに・・・自ら新たな迫害の火種を撒き散らすって・・・自暴自棄なのか。

一方、竜崎から・・・能力が周知されれば・・・家族に危険が及ぶと警告された涼介(錦戸)は何故か・・・沢村の元へ行き・・・命ぜられるままに勝の暗殺を実行。

しかし・・・目はキョロキョロしないし、海中に落下するわで・・・勝は生死不明である。

麻薬の売人に徹底して甘い脚本なのである。・・・何故?

合理的な涼介の生き方。罪悪感が耐え難い場合自殺。それでも生きていたい場合、自分の愛するもの以外はすべて抹殺。少なくとも勝、沢村とその部下、竜崎、渚は殺す必要がある。異端者が目撃者を消すのは鉄則だ。医療免許を取得し、安楽死ドクターとなる。

合理的な竜崎の生き方。涼介の妹を拉致監禁。場合によっては殺害。妹の生存の安全保障で涼介をコントロールしつつ、医療免許を取得。ゴッドハンド竜崎となる。

合理的な渚の生き方。なだめすかして竜崎に澪を治療させる。うまくごまかして涼介に澪狙いの可能性のある竜崎を殺させる。生理的に危険な涼介を射殺。裏山に埋葬。澪とエネゴリくんごっこをして幸せに暮らす。

合理的な沢村の生き方。超能力者はいかなる手段を用いても即刻全員抹殺。なぜなら彼らは人間ではないからである。

さてと・・・もう、この話・・・もう終ったよね。後は・・・オルトロスとその犬がどういう感じで出てくるのか・・・やっぱりアニメかな。

関連するキッドのブログ『先週の金曜日のレビュー

で、『み屋本舗REBOOT・第7回(第4話「苦いタバコ・前編」)』(テレビ東京0908212412~)原作・栗原正尚、脚本・演出・佐野達也を見た。頭の悪い嫌煙家の香りが少しする以外はよどみない展開である。例によって架空のニュース番組「NEWS 24」でキャスター大橋未歩がお伝えするのは不況による闇金融業者の急成長。深夜ドキュメンタリー畑の演出家は闇金業者取材で得たノウハウを悪びれずにドラマ化である。ニュースの中ではトイチどころか一日一割の悪徳業者がいると報じるのだが・・・ドラマでは一日二割の闇金業者が登場。そんなものに金を借りるような人間は小学校の算数からやり直すべきだよな。

もちろん・・・大爆笑なのである。

善人の上にバカがつく食堂の経営者・峰島(黒沢年雄・・・ハングマン・第5号である・・・役名は日下部だとよかったのに)は旧友の連帯保証人になり、一日二割の業者から150万円を借り入れる。旧友と業者のワクワク・ローン・五百旗(黄川田将也・・・二代目・本郷猛である)はグルであり、旧友は即刻夜逃げ・・・二週間後、闇金の組織暴力団丸出しの取立てが始まる。ちなみに150万円の借金は一日二割の利子だと14日後には1925万8776円94銭になるので計画的にご利用ください。

峰島の娘の小学生・江里香(夏川桃菜)はランドセルに「ドロボーの娘」と張り紙されてクラスメートに苛められ号泣である。兄のバスケットボールを愛する高校生・達裕(兼子舜)は呆然である。

取立てに現れた五百旗は峰島の預金残高を調べ上げ、「金はあるだけ払ってもらおう」と凄むのだった。

そして・・・硫化水素による一家心中事件発生である。達裕が遠征試合に出かけ留守の夜の出来事。峰島と妻の春江(桜木ひろ子)は死に緑化した無惨な屍をさらす。一命をとりとめた江里香も廃人のようになってしまう。

その事件の報道を目にした東京ベイテレビの報道局デスク城島(田中哲司)は記者の星影(長谷部瞳)に「生き残った子供」の取材を命じるのだった。「バカな借金のために親が死に生き残った子供は哀れでお涙ちょうだい」の数字が見込めるからである。「それにお前の好きな怨み屋が現れるかもしれんぞ・・・」とニヤリである。

一方、新・情報屋(加藤雅也)を訪問した怨み屋(木下)は情報屋と峰島との因縁を語られる。

12年前、世界放浪の旅から戻った情報屋は天涯孤独の身の上になっていた。そんな情報屋に親切にしてくれたのが峰島だったのである。情報屋は峰島から贈られた左利き用のジッポー・ライターを今でも大切に使っていた。よくある話である。

幼い頃の達裕を知る情報屋は弔問の後で事件現場を調査し・・・峰島の死体が右利きの様相を呈していたことを不審に思う。

しかし、網を張っていた星影記者と遭遇、危なくインタビューを取られそうになるがイジリー岡田を使った変り身の術で難を逃れるのだった。

情報屋は「峰島のオヤジは身勝手な心中なんてする人ではない。これは死亡時保険金を狙った闇金業者による計画殺人だ・・・この怨み・・・晴らしてくれ」と怨み屋に申し出るのだった。

怨み屋は自分の健康と情報屋の健康を案じる優しさを見せる風で「10円プラス禁煙で引き受ける」と答えるのだった。これは・・・愛煙家としてはあってはならない無駄で不自然でどうでもいい不必要な展開だと考えます。

まあ・・・そんなわけで・・・怨み屋史上初めて・・・後半の仕上がりが危惧される今回と言っていいでしょう。嫌煙家には基本的に優れた創作能力がありませんからな。

とはいえ・・・ここから復讐に裏がある展開を作れたらそれはそれで素晴らしいと思いますけど。

とにかく・・・峰島・・・あれだけ貯金あるんだったら・・・ドブに捨てる気持ちで150万円融資すればよかったじゃん。

闇金からの借金の連帯保証人になるようなバカは死んで当然だわ・・・くらいが怨み屋テイストだろうに・・・。まあ・・・嫌煙家のやることだから・・・しょうがないのか。基本的に人格に深みがないのだからな。怨み屋本舗で人情喜劇やってどうする。

怨み屋本舗をキッドに賞賛させないなんてどんだけ性格悪い演出家なんだよぉ。

秋の夜長 煙草吸いたやシケモク探し 灰皿揺する ダチの面影

日曜日に見る予定のテレビ『天地人』『気骨の判決』(NHK総合)『女子マラソン』(TBSテレビ)『フレフレ少女』(テレビ朝日)渋井欠場で涙目だけどガッキーキターッ・・・。

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2009年8月21日 (金)

練炭は在宅介護のダイナマイツ(草彅剛)無茶しやがって(黒木メイサ)介錯の介は介護の介(西田尚美)

江波杏子といえば昇り竜のお銀(映画「女賭博師」シリーズより)なのである。

だが今回は師弟親子的な母(江波)・娘(西田)のコンビネーション。

もう・・・よどみないよな。両人とも役者すぎるのである。

「ブザー・ビート」が美味い脚本なら「任侠ヘルパー」は抜群のお膳立てといえる。

「まずくない」のである。

ちなみに「科捜研の女」には疑惑のかかる娘役で黒川芽以が登場。視聴率↗15.8%を記録。「刑事の現場2」のゲストでも↗*6.1%でこの夏はラッキーガールに。「帝王」にもゲストででるはずなのだが・・・いつオンエアされるのだ。世界陸上終了待ちか。ついでに「任侠ヘルパー」↗15.7%である。

で、『任侠ヘルパー第7回』(フジテレビ090820PM1015~)脚本・古家和尚、演出・石川淳一を見た。ゲストの介護老人とそれにまつわる人々と主人公との拘りを描きながら・・・全体的な構図がうっすらと透けて見えるこの趣向。しっかりと構成されているのである。

新しいシノギ(上部組織への上納金の稼ぎ方)を求めて介護施設・タイヨウに出向した六人のヤクザたち。隼会若頭で彼らの兄貴分に当たる鷹山(松平健)を含めると七人である。

タイヨウを傘下におさめた大手介護事業組織・ハートフルバードの代表取締役である羽鳥(夏川結衣)はかって認知症の母親の介護放棄をした過去を持ち・・・自身も若年性アルツハイマー病による認知症を発症している。その一子である涼太(加藤清史郎)は任侠ヘルパー彦一(草彅)の舎弟となり子供ヘルパーなのだ。

そして、羽鳥の二人の秘書は弥生(中別府葵)と皐月(安田美沙子)は姓が違うが名前が姉妹である。・・・とにかく弥生は何者かの企業スパイとして潜入している模様である。

そして・・・隼会の敵対組織として鷲津組が配置されている。タイヨウはその縄張りの中にあるらしい。

いつでも、ハートフルバードの鷲津組による企業乗っ取り、ハートフルバードの傘下介護施設タイヨウに潜入中の隼会組員による血で血を争う抗争を始められるのである。ダイナマイトが爆発し介護老人とヘルパーの血煙が舞うのである・・・舞わないと思うぞ。

さて・・・今回は在宅介護を受ける元・校長先生の長岡(江波)と娘でもあり教え子でもある初美(西田)の物語である。

娘をきっちりといい子に育てあげた長岡だったが、今や白内障で視力をほとんど失い、なんらかの病で体に麻痺が残りオムツ生活。しかもやや偏屈な性格が固定され「筋金入りの介護嫌い」の上に娘を思いやる心を失った「娘に癒着し依存した老女」と化している。

しかし・・・良い子として洗脳された娘は母親の呪縛を逃れることができず・・・親戚の経営する給食センターに勤めながら献身的介護の日々である。独身で「自分の時間」もほとんど持てず心身ともに過労状態になっている。

母娘が所縁のある同窓会に出席するために初美はタイヨウに出張介護を依頼する。

派遣された彦一は長岡の老化状況と室内に隠された「練炭」によって一瞬で状況を理解する。幾多の体験を経て彦一すでに凄腕のヘルパーとなっているのだった。

「介護に疲れ果て・・・もういいよ・・・と思ったらいつでも母子心中をする覚悟が出来ている練炭」なのである。

彦一は「もうヘルパーに頼ったらどうだ」と初美に忠告するが・・・「家族の介護を他人にまかせるものは人にあらず」という家訓に縛られた初美は拒絶するのだった。

一方、子供ヘルパーは「母親が母親を捨て殺した」という報道に心を痛める。

彦一はそんな子供ヘルパーにジュースを奢らせるのだった。

ちなみに彦一たち六人の任侠ヘルパーはそれぞれが縄張りを持つ貸元として対等な関係だが、品川の五郎(五十嵐隼士)は彦一を兄貴と慕い肩をもむし、池袋のりこ(黒木)は彦一にホの字なのである。どうでもいいが今回はヒロインがリコ流行中だな、「ブザー・ビート」の莉子は記述しやすいが、「任侠」のりこは「りこ」なのか「のりこ」なのかと読者が迷うような気がして書いていてイラッとします。リコでよかったんじゃね。・・・どうでもいいわ。

鷹山の実子でもある上野の三樹矢(藪宏太)はりこにホの字なので、彦一派は四人。西日暮里の賢吾(宇梶剛士)は中立派。彦一の対抗馬であるインテリ・ヤクザ・赤坂の雅人(夕輝壽太)は実は孤立している。

敵対しないとなると参謀になるしかないのである。

つまり・・・すでにタイヨウの任侠ヘルパーは彦一組と化しているのだ。

母親の法事に出かけた羽鳥は伯父から「母親殺しは帰れ」と罵られる。羽鳥は「そちらさんが寝たきりになったらお安くしておきますよ」と啖呵を切って帰るのだった。

その頃、母親の異常な呼び出しのために勤務状態が優良とはいえない初美は遠縁の経営者から「庇うにも限度がある」と云われ解雇されてしまう。

切羽つまった初美を母親が呼び出す。初美がかけつけると用件は「テレビのリモート・コントローラーが見つからない」だった。

リモコンを発掘した初美に「(私って)バカみたい」とふともらした母親の一言がつきささる。

「バカみたいって何よ・・・私がバカみたいってこと。仕事もクビになるし、母親の面倒もろくにみれない、恋もできないバカってこと・・・もういいよ・・・お母さん・・・バカでごめんよごめんよ~」

・・・包丁を取り出した初美の前に直感で危機を察知した任侠ヘルパー彦一登場。

立ちはだかる彦一を思わず刺しに行く初美だが、彦一は必殺刃握り血がドクドク痛いよ痛いよの裏技で阻止するのだった。

たちまちかけつけるホの字の任侠ヘルパーりことホの字の普通のヘルパー晴菜(仲里依紗)・・・事態収拾である。

一週間タイヨウにステイすることになった初美の母を必殺・子供ヘルパーの術で癒す彦一。母親の曇った心に光を照射するのだった。母親はヘルパーは嫌いだが教え子は好きなのである。人間である前に教師なのである。

「あんたの娘はいい生徒で・・・あんたもいい先生だ・・・でももう卒業させてやったらどうだい。学校生活だけが人生じゃないだろう・・・」

奇跡が起こり、母親は・・・教師である前に人間だったことを思い出すのだった。

そしてヘルパー嫌いが少し治った母親。晴菜の介護をうける彼女を彦一とりこは微笑んで見守るのだった。「とりこ」ではなく「りこ」です・・・もういいわっ。

母親の介護に疲れ果て自殺したすべての娘たちの魂に救いあれ・・・。

しかし・・・極道にそんな平和な日々が続いてたまるもんですか~なのである。

六本木の彦一がつかのまの倖せを感じたバースディケーキの蝋燭を吹き消すと・・・次回、鷲津組組長(竜雷太)来襲である。

関連するキッドのブログ『第6話のレビュー

さて・・・放置プレー中の「ダダ」こと「ダンディ・ダディ?~恋愛小説家・伊崎龍之介」なのだが「第六章・16歳の母」(脚本・永田優子、演出・梶山貴弘)が↗*7.2%である。今回はあかり(南沢奈央)と悠樹(石黒英雄)の交際が犬猿の仲であるそれぞれの父親、小説家・伊崎(舘ひろし)と評論家・佐々木(鹿賀丈史)に発覚し、本格的に「ロミジュリ」体制に移行。あかりの祖母サチ(野際陽子)の勘違いにより「あかりの妊娠騒ぎ」にまで発展する。まあ・・・コメディーとしては王道であり・・・ニヤニヤしながらは見れるのである。

南沢奈央は「恋する日曜日 ニュータイプ」(2006)で超能力少女ユリでスタートし、「生徒諸君!教師編」で中学生あゆみを演じた後、「栞と紙魚子の怪奇事件簿」で女子高生風男子高校生を、「赤い糸」で思春期の少女を演じてココなのだが・・・現在は大学生なのでなんちゃって女子高校生である。

「栞」はとんでもない世界のありえないタイプの主人公なのだが、「赤い糸」の芽衣は昔なら不良少女と呼ばれるが今ならちょっとバカですむ普通の女の子。

それにくらべて・・・あかりはあまりにも健全な高校生なのだな。

格差社会か・・・格差社会の寵児なのか。

どの奈央も実はそこそこ魅力的だが・・・「ダダ」→「赤い糸」→「栞」がノーマルからアブノーマルにいたる順序じゃないのか・・・と思ったりします。

土曜日に見る予定のテレビ『華麗なるスパイ』(日本テレビ)『真マジンガーZ』(テレビ東京)『夏帆のオトメン(乙男)・夏』(フジテレビ)

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2009年8月20日 (木)

サボテンはいつもさぼってんだ(香椎由宇)だじゃれじゃん(八木優希)夢をアリガトウ(原由子)

水曜日のダンスは・・・。

「 9係の夫」13.5%↘13.3%↘12.2%・・・・・・・↗12.3%↗13.2%↗13.9%↗15.0%

「芝生の妻」11.4%↘*9.8%↘*9.0%↗10.2%↘*9.2%↗*9.8%↘*8.1%↗*8.5%

「赤鼻のセンセイ」・*9.4%↘*8.9%↘*8.2%↘*7.9%↘*6.9%↗*7.9%↗*8.7%

初めて、誤差の範囲内とはいえ(±*0.5%と言われる神話がある)「妻」を抜いた「赤鼻」・・・。ダンスのあるべき姿なのである。「夫」と「妻」があわせて23.5%もあるのだ。もう少しとってもいいのだがな・・・。10時からは録画した「妻」を見ている人が*6.3%、録画した「夫」を見ている人が*8.5%いると言われればそれまでだが。

で、『赤鼻のセンセイ・第7回』(日本テレビ090819PM10~)脚本・山岡真介、演出・佐久間紀佳を見た。5人目の脚本家投入である。もう、連続ドラマとしては・・・なんじゃこりゃ段階に突入しているだろう。シチュエーション・コメディーをやるつもりだったのか。

みんな・・・最初の「ゆうた・きいた」(まえだまえだ)の漫才部分で精も根も使い果たすのではないか。脚本と漫才台本は使用する頭のチャンネルがかなり違うからな。

上手い人は何やっても上手いけどな。

まあ、日本のシットコムは「サザエさん」に始まり「サザエさん」に終るのだ。

まして・・・「病院コント」は無理だろう。ブラック・ジョークにしかならないからな。

「身近な人が死ぬのは嫌なんですよ・・・」などと主人公が言い出すドラマでは成立しないのである。

院長(上川隆也)が藪医者だけど手術が好きという困ったタイプで毎回ゲストが「手遅れ」で死ぬという展開ぐらいないと面白くならないのだな。

看護師のミチル(入山法子)が「今日の犠牲者・・・いえ、患者さんです」という決めセリフがあったりして。

赤鼻(大泉晃)もいっそのこと不治の病にして・・・和田(須賀健太)と死期を争ったりして。

和田「今日は僕の死ぬ死ぬ詐欺で少し視聴率稼ぐよ」

赤鼻「オレがやっても誰も惜しまないしな・・・それにオレって主役だから最後まで死ねないし」

和田「・・・ふっ・・・まだ主役のつもりかよ・・・」(笑)

赤鼻「なんか言った?」

和田「ああーっ、脳に白血病が転移して何もかもが鬱だーっ」(爆笑)

・・・みたいな。・・・できるかーっ。

さて・・・流れとしては「人生について浅く生きてきた教員免許を持った風来坊」が「たまたま院内学級の教師に採用される」・・・「そこには深刻な問題を抱える生徒(神木隆之介・須賀・高良光莉)や児童(八木)がいて」「すごく考えの深い先輩教師シルク(小林聡美)もいて」「教育よりも治療を優先させる堅物の白衣の小児科医(香椎)と対立する」・・・やがて「生死の明確な病院での人生模様が・・・赤鼻の人生観に陰影を加えていく」ということでよろしいんでしょうか。

今回は赤鼻が盲腸で入院。死期の迫る末期ガンの患者(ダンカン)と同室となり・・・その死に接して人生が虚しくなった赤鼻を・・・和田と白衣が「つまらない冗談」ではげますという哀愁漂う展開であるが・・・要するに和田の変わりにダンカンが死んだ話にしか見えないんだよお・・・。赤鼻がコロンボのものまねが上手いのはもうわかったから・・・。

そして女医さん(原由子)の処理ももう少しなんとかならなかったのか・・・。

どうしようもなく不自然だったぞ・・・。

このドラマって・・・もうドラマっていうレベルじゃないよね。

生死の境を彷徨う和田が心配で病室にやってきて読書をはじめる田中(高良)とか、ゆうた(前田航基)にツッコミをいれる千佳(八木)とかがかわいいだけじゃもちませんわぁ。

八重樫(神木)と遊園地で院外デートをするシルク。もう自由奔放でございます。

ああ・・・。

次回は突然やってくる・・・院内学級廃止派の院長の兄(羽場裕一)・・・医療と教育の対立的問題から・・・医療の経営問題に転嫁である。院内学級は義務教育の問題だから政治が介入するのは当然だが・・・またもや唐突な方向転換である。やはりシットコムをしようとしているらしい。だからそれは・・・(冒頭に戻る)

関連するキッドのブログ『第6話のレビュー

金曜日に見る予定のテレビ『怨み屋本舗REBOOT』(テレビ東京)『コールセンターの恋人』『メイド刑事』(テレビ朝日)『タッキー&錦戸亮のオルトロスの犬with水川あさみ』『20世紀少年 第一章 終わりの始まり』(日本テレビ)・・・さあ、殺しに来たよ。 

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2009年8月19日 (水)

幸運の医師(江口洋介)若気のいたり(北乃きい)命短し恋せよ吸血鬼(加藤ローサ)

どうしてか・・・火曜日は脱力気味である。その上、昼にはココログレスポンス障害発生するし・・・。

ともかく、火曜日のドラマ対決は①「救命病棟24時」↘18.3% ②「恋して悪魔」↗*5.9%

「救命」が思ったより下げなかったな。「恋悪」はよくあがったな。

で、『救命病棟24時(第4シリーズ)・第2回』(フジテレビ090818PM9~)脚本・一色伸幸、演出・河毛俊作である。結局、脚本は一色氏なのか。一回目は変名でゲンを担いだのか。まあ、ご時勢だからな。とりあえず奇想天外な治療法の連続で面白ければそれでいい体制らしい。「患者も悪くない」「医師も悪くない」「悪いのは国家だ」という三段論法で厚労省ゲンナリである。結局、不治の病のウイルスが宿る針と宿らない針があって、どちらかを選ぶのは運命のなせるワザ。「助かる患者」と「助からない患者」も運不運という話である。そして・・・ヒーローである進藤先生(江口)は幸運の女神に地味に愛されているのである。

ツキだけでいえばゴッドハンド輝の方が上だが・・・シリーズを積み上げてきた進藤先生の方が安心して見ることができるということだろう。

ここで国家によって人間の命の値段が違うことを三人の医師がもつれあいながら表明する。

訴訟社会であり格差社会である米国を代表する澤井(ユースケ・サンタマリア)は医療事故とそれに伴う訴訟を回避するために救急患者の受け入れを制限する方針だ。

とりあえず命の値段が安いし目の前の命のことだけを考えていればいいアフリカ大陸のとある極貧国家を代表する進藤は「救えるか救えないかは二の次でなんでもかんでも受け入れる。死んだら死んだでいいじゃないか」と主張するのである。

さて・・・問題は我が国日本なのである。これを代表するのが医療事故で訴訟をおこされた小島医師(松嶋菜々子)だ。彼女は進藤の愛弟子なので「とりあえず受け入れて患者を殺してしまった」わけだが・・・ここで・・・澤井が救いの手を差し伸べる。ウルトラQの「海底原人ラゴン」で漁師だった「小島の殺した患者の祖父」(勝部演之)を説得。「たらいまわしにされて救急車で死ぬか病院で力及ばず看取られて死ぬか」の二者択一について理解を求めたのである。

祖父はものわかりのいい人で小島を許してくれるのだった。

つまり・・・小島もまた進藤のオーラをあびてちょっと幸運なのだということである。

結局、「最小限を受け入れる」澤井と「最大限を受け入れる」進藤の二者択一は平行線である。ざっくばらんに言えば・・・「今日は調子悪いから少なめで」「絶好調だからどんどんいくぜっ」とその日の気分で決めればいいことだと思う。

医師のどんな気分とめぐりあうかは・・・患者の運次第なのである。

もちろん必要なのは相互理解ということなのだが・・・理解しがたいのが高度に文明化された格差社会の宿命であるということも明白なのだ。

現在、新型インフルエンザの致死率は0.4%とも0.5%とも言われている。結構患者出たのに日本は現在死者2名で少なめじゃないか・・・という観測もある。しかし、確率通りなら今年の冬に大流行して国民の半数が感染したとすると30万人くらい死亡する計算だ。えーっと思うが残りの99.5%は生存するのだからそれほど問題ではないという考え方もある。

運がいいとか悪いとか人はすぐ口にするけどそういうことは確かにある。

まあ・・・救命の専門医と眼科や耳鼻科の医者が同じ働きをするとは限らない。見上げると進藤先生ならラッキーな患者。眼科の丹原医師(趙珉和)ならアン・ラッキーな患者というストーリーです。

小島医師の複雑な胸のうちを読まず、元気に励ましたり尊敬したりする看護師・鴨居(北乃)・・・いい味を出しているのだが・・・もちろん・・・彼女がなにかをしでかすのは必然なのであろう。そして・・・彼女にちょっかいを出す麻酔医・花輪(板尾創路)はややもったいぶりすぎである。ま・・・視聴率がいいからいいか。とにかく鴨居がなにかしでかすのを気長に待ちたいキッドである。

とりあえず・・・ハラハラドキドキさせて・・・生死の境目を楽しませてくれれば医療ものはいいわけだから。

で、『恋して悪魔~ヴァンパイア☆ボーイ・第7回』(フジテレビ090818PM10~)脚本・小川智子、演出・白木啓一郎を見た。またしても脚本家チェンジでグダグダである。演出家も四人目が登場。ガラス窓には映るがデジタル・カメラには写らないヴァンパイア。えさでもあるが永遠の恋人にもなる人間の女である。時間がとまったら会話もできないだろうとか言い出すとまったく楽しめないのでご注意ください。

ついに・・・謎の転校生ルカ(中山優馬)が初恋の人・歩であると気がつく女教師・真琴(加藤)・・・しかし、何故、歩は10年前の姿のままなのかとかには一切疑問を持たず遊園地で十年前の約束のデートを果たす。ルンルンである。

しかし・・・ルカに思いを寄せるクラスメートの香織(桜庭ななみ)に目撃されてしまう。

翌日、教室に張られる「教師と生徒の禁断の愛についての告発」・・・たちまち・・・歩がなぜ10年前の姿のままなのかとかには一切疑問を持たず、教師として懊悩する真琴である。

追い詰められてどこかに逃げてしまいたいという真琴を「逃げちゃダメだ」と諭す歩だった。

ここでは人間としての常識である「吸血鬼は悪」という思考に支配された歩というものを想定しないとストーリーとしては意味不明なのは言うまでもない。

歩に元気をつけられ・・・歩がなぜなぜ10年前の姿のままなのかとかには一切疑問を持たず・・・もういいか・・・はつらつとする真琴。

激しく嫉妬していた香織も笑って許すのだった。

これらも含めてすべてはヴァンパイアである歩/ルカが超能力で人間の心を支配しているからとかの説明もなしなのである。思いついていないのだな。

一方、いつの間にか「人間が吸血鬼になることは悪である」という信念に支配されたルカに苛立つカイト(近藤真彦)・・・こっちが苛立つわ。

そして・・・ルカは真琴のフィアンセである藤井(姜暢雄)のパソコンに「告発文」を発見するが藤井は潔白を主張する。犯人は藤井の母(高橋ひとみ)なのか。カイトだったらそんな面倒なことをしなくても・・・人間を意のままに操れるのだからな。

っていうか・・・無敵の吸血鬼にそんな些細な妨害工作無意味だろう。

もう・・・絵に描いたようなグタグダ加減に・・・笑いがこみあげてきます。

今時・・・ケータイで写真を撮ったらその場で確認するよね。するでしょ。キッドはします。・・・っていうか・・・確認しないなんて物理的に無理でしょう。なんか・・・フィルムで現像する時代の名残のネタだよね。

どんだけ・・・ド素人が書いているんだこの脚本は・・・。

まず・・・吸血鬼としての自我による道徳観を構築し・・・それに人間時代の記憶が混入して混乱するルカを丁寧に分りやすく描かないと・・・なんだかわけがわかりませんよぉ。要するに説明不足なのである。というか何を説明するべきかわかっていないのだな。分っている脚本家が構築し、分っていない脚本家が壊す。どんなゲームをしているの?

関連するキッドのブログ『先週の火曜日のレビュー

木曜日に見る予定のテレビ『猿ロック』(日本テレビ)『黒木メイサの任侠ヘルパー』(フジテレビ)『科捜研の女』『ダンディ・ダディ?』(テレビ朝日)

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2009年8月18日 (火)

ともだちと恋人の境界線なんて知らない(山下智久)哀愁のゲーム・プレイヤー(相武紗季)素顔のままでブザー・ビート(北川景子)

視聴率的には得策ではないオープニング・主題歌を続けるということはある種の自信の表明である。スタッフはプロだからある程度、手応えを確信したのだろう。なにしろ、オンエアを見れば分るのだ。面白いか面白くないかは。

さて、オープニングの中で・・・主な登場人物紹介がある。

直輝(山P)から莉子(北川)に。莉子から菜月(相武)に。菜月から麻衣(貫地谷しほり)に。麻衣から川崎(伊藤英明)にバスケット・ボールがパスされていくのである。

もちろん・・・キャスティング・ボード的な順番であるといえばそれまでだが、妄想を膨らませればいろいろと考えることができる。

たとえばボールを「愛」と考えてみよう。直輝から莉子へ。これはストレートである。ところがそのボールを莉子は菜月にパスする。その時、菜月は意外・・・というような表情を作る。これは最終的に莉子が直輝を菜月に返却する・・・という暗示のようでもある。菜月からボールを受け取るのは麻衣。この二人はお互いを「嫌いなタイプ」と言い切る。ほとんど接点もないのにである。実は莉子と菜月は似た者同志である。それは付き合っている人がいるのに他の人を好きになってしまう・・・点だけでも明らかだ。麻衣は莉子とは親友だが、同じ性格の菜月を毛嫌いするのである。この辺りに人間関係の妙がある。菜月には女ともだちがいない。そういう意味で仲良しごっこをする二人がうらやましいし憎らしい。そういう意味では菜月は麻衣に愛されたいと願っているのである。そして最後に麻衣がパスする相手は川崎である。現在、川崎は必死すぎる態度でお茶の間の反感を一手に引き受けているわけだが麻衣はもともとが川崎狙いなのである。莉子が直輝を菜月に返すのは川崎を取ったからではないかもしれない。莉子は愛ではなく夢を追いかけて遠くに去って行く予感があるからだ。そうなると残された川崎をガッチリつかむのは・・・麻衣だったりして。

・・・とこのようにいくらでも妄想を膨らませることができる。それがここまでの脚本の勝利であることはボルトの世界新記録を見るよりも明らかなのである。0秒11の差なんてわかるかっ。ブザービート万歳。

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「コールセンターの恋人」↘*4.5%(ギャル曽根・・・)、「オルトロスの犬」↗*8.6%(ドッグス・ボディ・・・)、「火垂るの墓」*9.4%(さくまのロロップ・・・)、「メイド刑事」↘*6.8%(山崎真実・・・)、「こち亀」↘*7.6%(お盆すぎる・・・)、「華麗なるスパイ」↘*9.7%(パパひど~い)、「硫黄島からの手紙」13.5%(おさえたんだけどね)、「法医学教室の事件ファイル29」15.8%(ル~ルルルル~と言っても過言ではないのだ)、「オトメン夏」↗*6.4%(呪怨・・・)、「天地人」↘20.3%(お盆なのに・・・)、「官僚たちの夏」↘*7.8%(裁判官に勝った)、「気骨の判決」*6.9%(官僚に負けた)、「トランスポーター2」14.9%(ルールに名前はいらない)・・・ついでに「ブザー・ビート」↗13.8%(しのいだ~)・・・以上。

で、『ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~・第6回』(フジテレビ090810PM9~)脚本・大森美香、演出・永山耕三を見た。さて・・・様々な仕掛けに満ちたブザー・ビート。ここまで雨天を使用していません。乾いているねえ。いいねえ。

そして・・・抱いて・・・抱かれて・・・つづくの後は・・・押し倒されてます。押し倒した人・莉子。押し倒された人・直輝です。直輝はTシャツの下に白いタンクトップをつけていてあたかもブラ透けの如し。オトメンか・・・オトメンなのか。

さらに朝のダイエット体操のためのケータイ目覚まし。タイマー掛けますね。カップラーメンの出来上がり時間もタイマー機能でバッチリです。そうめんの茹で上がりも・・・もういいわ。・・・つまり、展開がスピーディーということです。その展開の中で今回のテーマである「目をつぶれば君がいる」が明らかになっていきます。「よろしく哀愁」ということです。

直輝「なんで・・・」

莉子「友達だから・・・ファンでもあるし・・・ほっとけない」

直輝「君が友達でよかった・・・」

莉子「じゃ・・・帰る」

直輝「・・・川崎さんに会っていかないの・・・」

莉子「差し入れとかないし・・・」

直輝「じゃ・・・バス停まで送っていくよ」

なのである。その川崎はNG出したら殺伐のセリフありの早朝ランニングの後でバス停上の土手に仁王立ちなのであった。

バスで去って行く莉子は麻衣にメールを送る。麻衣は「何やってんだか・・・と独り言を言う私」と孤独を強調である。

お転婆娘の去った御殿場の合宿所からはチア・ガールの帰社である。しおん(小松彩夏)は今日もセリフを確保である。守口(青木崇高)も処理するお得な展開である。もう一人のお転婆ガール・菜月はさりげなくかつわざとらしく代々木(金子ノブアキ)との交際宣言を決行。

ここも・・・未練の残る直輝への挑発行為とも取れるし、自分への決別宣言ともとれるし、さらにはチーム内の違和感の早期払拭のための荒療治にもとれる。菜月の複雑性が感じ取れるシーンである。

ここで宇都宮(永井大)の問いかけに「ふられたのは私」と答える菜月は実に「かわいい女」なのである。

「浮気をしたけれど別れる気はない」というのはかっては男の常套手段だったわけだが、それを菜月は使い、「暗い闇の中」で愛が終ったのである。直輝は「やがてくる幸せをなぜに信じないの」と菜月をなじるのだが、菜月は「それならちょっとした浮気でなぜに私の愛を捨てるのか」と問いたいのである。まあ・・・愛はいつでも十字架にかかっているということです。

まあ・・・おてんばのやることなので可愛いと思うしかありません。

そして・・・莉子と直輝に「やきもち」の川崎は・・・コーチという立場を忘れて秦野(溝端淳平)のモチベーションを奈落の底に叩き込みつつ・・・恋愛をコートに持ち込むのだった。

主題歌。である。なんという濃密さであろうか。ブラボーを捧げるよ。

さて、恋愛を切り離してチームでは直輝と代々木がコンビネーションを作ることが一つの勝利の方程式になると川崎は考えているが・・・それはさておき、「朝の直輝と莉子のふるまい」についてはネチネチとはっきりさせておきたい川崎である。

川崎「オレに隠してることないか」(内緒でオレの女に手を出すとかな)

直輝「菜月と別れました」(莉子とのことは別に隠すつもりはないのです・・・ただ言わないだけ~)

川崎「大丈夫か」

直輝「プレイに集中できます。当分、女はなしの方向で・・・」

川崎「・・・」(信用してないけど・・・それならオレはガンガンやらしてもらうわ)

川崎・・・性悪の方向に猪突猛進です。まあ・・・よくあることですが・・・浮名を流した青春を過ごしてきたものほど・・・突然、自分が対象外になっている事実に気がつかず戸惑うものでございます。

そういう水面下の駆け引きに全く無頓着な・・・ある意味阿漕です・・・直輝の足に異変が。故障発生である。モーニング娘。の光井愛佳と同様に軟骨剥離で痛みが生じているのである。黒人初の大リーガー・ジャッキー・ロビンソンも引退後に46才で剥離した軟骨の除去手術を受けている。老若男女を問わず関節ねずみは発生するのである。

麻衣は「幸せ(川崎)を選ばずに不幸(直輝)を選ぶのか」と不吉な予言をするわけですが・・・直輝には暗雲の旗が立ちました。

そのように前途多難な直輝の合宿風景に対し、ひたすら食事シーン(流しそうめん器使用を含む)でガールズ・トークを繰り広げる莉子と麻衣。

莉子「押し倒し、あわよくば、のしかかって、自分からキスに行こうとした・・・彼のハートは低いファ(F)の音で誘惑するし・・・変態じゃないの・・・ただ普通に好きなだけ・・・」

麻衣「・・・ああ・・・言っちゃったよ・・・」

そして・・・会えない時間が愛を育てるのですな。

莉子「川崎さんからメール来てるけど・・・今度・・・会ったらはっきり言う・・・私は他に好きな人がいるって・・・川崎さんより胸板ちょっぴり薄めで・・・こわくないって・・・」

麻衣「・・・」

さて・・・化粧濃い目で酒場・・・会員制バーらしい・・・で演奏する莉子を見つめる謎の男(升毅)・・・まさか囁き刑事じゃあるまいな。麻衣は小説家目指してないし。キミ犯人じゃないよね?(参照)・・・。

家に戻ってくると早速、直輝と菜月の破局を見抜く母・真希子(真矢みき)。ドラマでは直接描かれないが・・・直輝と菜月の愛の障害はこの母親だったというニュアンスが漂う。

菜月と真希子は「仲のいい息子の恋人と恋人の母」を演じていたが・・・どこか相容れない気配があった。それは直輝が「ごめん・・・好きだったでしょう・・・菜月のこと」と母を慰めるのに対して「今度は直輝が心から安らげる人と出会えるといいわね・・・(菜月ちゃんはそうではなかったでしょう)」というセリフに毒として表現される。

菜月と直輝の破局の根には「直輝が家を捨て自分と暮らさないこと」があったはずである。

二人の愛の巣があるのに・・・お互いの優しさをもっと出し合えたのに・・・疲れた日にはあなたの腕でそっと眠りたかったのに・・・と菜月は思い続けた2年間なのである。

昔の貧しい恋人たちは・・・ふたりのアパートがあればいいのに・・・と嘆いたものだが・・・菜月は用意はできているのに暮らしを始めない直輝が不安だったのである。それはそれとして「ビール・・・メシ・・・」という昔風の男である代々木でよしとするかどうかはまた別の話である。

一方、家族がある直輝、友達と暮らす莉子は最初から不自由なのだった。

小さな「自分」を守って恋人と別離し・・・プライドとはわがままの敬称なのだ・・・足元の爆弾・・・軟骨剥離による痛み・・・というネズミにおびえる直輝。

今週の「A DAY IN THE LIFE/THE BEATLES」のインストゥメンタル挿入である。

「ついてなさすぎるだろう・・・」という夜の直輝の嘆きを昼の菜月が受け取る。

菜月には宇都宮という「男友達」がいるのである。菜月は基本的に「女という人種」が苦手なのかもしれない。菜月が宇都宮に語るのは直輝の気持ちである。

「正直・・・つらいんです・・・いつも・・・あの人のことを考えていたから・・・何か面白いことがあったら・・・あの人に言わなきゃって・・・つい思ってしまう自分がいます」

そして・・・菜月は・・・直輝とした格闘アクション・ゲームを一人でプレイする。

すると・・・失われてしまった愛のメモリーが頬を濡らすのだった。よくあることである。

一方、川崎に訣別するためにデートにでかけた莉子。

莉子の「話」の内容を予測しつつ、次々にあがく川崎スタートである。

「話なら部屋で聞こう」

本能的に「男は狼なのよ、気をつけなさい」を心の奥で聞いた莉子は路上で別れ話を切り出す。

「私・・・好きな人が出来てしまったんです・・・」

そこで川崎は両親を無線操縦で呼び出すのだった。

「息子はあなたをとても気に入っている攻撃」である。搦め手から攻める川崎だが、そんなことをされたら普通は倍速で引くものだ。

そして・・・ついには「あなたに好きな人がいても僕はそいつから君を奪ってみせます」宣言である。川崎・・・東十条さんか・・・東十条さん宣言なのか。

川崎の両親(田村亮・朝加真由美)・・・朝加はノリノリでウザウザの母親を演じるのだった。

その重さにゲンナリと疲れた莉子・・・。

そして・・・莉子を待ちわびる直輝。

二人は「好きだ。好きだよ。好きなんだよーっ」である。

愛のかさぶたをはがし、傷跡をスベスベツルツルして、「バカとか言ってくれ」「バカ」などと・・・友達と恋人の境を越えた以上・・・もう「恋人と別れたこと・・・故障の不安・・・恋人がいること・・・一方的な求愛・・・見えない明日」・・・様々な面倒も平気なのである。あとはそれぞれが感じる「哀しい愁い」におまかせなのだからーっ。

あの可愛いキスでそこまで越えますかーっ。

一方、「オレは帰ってくるつもりなんだ(I will be back !)」と言ったら死亡フラグですが・・・愛のターミネーターと化した川崎は直輝の選手生命を奪う強力ライバルを連れ帰る気満々だな。

序破急。序破急。で決めましたから次回拡大版です。

関連するキッドのブログ『第5話のレビュー

Hcinhawaii0580 ごっこガーデン。愛と青春のバス・ストップ・セット。エリ恐怖!信じる独身瀬戸際男の罠でございまスー。直P先輩ピ~ンチっ。しかし・・・朝からハグされて、ハグしかえして、押し倒して、ドキドキを感じて・・・たたみかけるような攻撃でしゅ~。勉強になりますyon!・・・朝の体育館は穴場・・・と。メモしておきました~。最後はやはり、強引にいかないと初心なねんねは落せませんね~。脈なしだと何をやっても裏目裏目で恨めしいのです。黒い愛の天使菜月が終息したら黒い愛の猿川崎がゴリ押し降臨なのでスー。さて・・・そろそろ、夜の公園ではうぅんタイムでスー、じいやバスでお迎えして~お気楽ふふふ・・・ムカつくので代々木の存在はカットしておきました。菜月は精一杯なの?・・・フッとガッとドキドキドキドキッとグッとバタッとしたんだよな。宇都宮ホモなのかバイなのか・・・さて・・・川崎のプレゼントの箱の中身はなんじゃろな・・・薔薇は足が早し向日葵は長持ちなのね・・・造花?」みのむしるるる・・・川崎応援団といたしましては・・・今回の川崎の一連の不祥事に対し・・・お詫び申し上げるるる・・・川崎さん~あこぎすぎ~。釘さしすぎ~・・・応援団も赤面。顔がドロドロに泥をぬられましたーっ・・・団の面目丸つぶれ~るるるくうまあまあ・・・恋をした人間はみな弱者・・・いたわりの気持ちで接することが大切だよっ。恋は盲目で・・・目も見えなくなるほどだから~。菜月だって痛々しいよ~。人前では精一杯胸をはって・・・一人ゲームをしながら涙~。痛い。痛いんだよね・・・ああ、優しくしてあげたいもんだまこそれそれ~、合宿所の草々夫人差し入れの西瓜は全部イタダキでしゅ~。いかさまトンズラ~、あんぱんボヤッキー、一つでも落したらおしおきでしゅから~・・・宇都宮は川崎と直輝のフタマタ狙いでしゅか~・・・ラブ・ドロンンボーとしてはそこが一番気にかかりましゅ~ikasama4越えちゃったら・・・頂上ですね。コレにて前半終了~って感じでしょうか。で、次回拡大版は後半のスタートなんですかね。前半は黒い菜月で引っ張り・・・後半は黒い川崎で引っ張るのでしょうか。なんにしてもすっごく楽しみです・・・もっともっと複雑で月9な愛の世界が開始されそうです・・・そろそろ西瓜食べてもいいですかーあんぱんち優里(大政絢)の出番が少ないだけにその友達・沙織(杉本有美)の出番はさらに少ない・・・当然といえば当然だけどねーっ。「バカッ」と言いつつ「キスッ」で気合をチューニュウなのね。忘れられない恋って・・・みんな未練がましすぎるのよーっ・・・まこちゃん、西瓜は冷やさないとーっ

Hcinhawaii0581 ごっこガーデン。愛は貴方を強くする公園セット。mariそろそろ花火かな~と思ったら、そうめんですかっ。うふん、体育館の姿勢が魅力的でしたよ。菜月と直輝ふられたのはどちら・・・ここは経験によって答えが変わるところですね。Pちゃま・・・引退した川崎に押されてちゃダメですよね。莉子は恋をして音楽の神様に見初められたのかしら・・・小鳥のようなチュッでもぼぎゃあああんデス。更新アリマセンシャブリ官僚たちの夏をやってたら遅刻なのでありました~。でもそうめんはいただきますーっ・・・つばさも13%台に回復~ホッと一息~うふふ・・・久しぶりに遅刻しませんでした~。会いたいって思ったり、会えばドキドキしたり・・・恋ですね~これが恋なのですね~、アンナちゃんがうたばんリピート止らないごとくなのですね~aki相手の気持ちを考えずにどんどん自分の気持ちで押して行く川崎・・・ダメですよ~・・・そういう強引さが吉と出るのは・・・滅多にないことですよね~。もうそういうタイプというだけでキライになっちゃいそうなタイプは多いです。私もそうですよ~。優しいばかりもダメですが・・・川崎さん問題外ですよ~ミマム他人(主に川崎)に見られたら困る関係・・・と思う直輝。この時点では莉子も直輝が菜月と別れたことを知らないはず・・・ある意味ダブル略奪愛・・・でも二人は相思相愛・・・いや~これは面白いわ~。菜月の表と裏は・・・本当に神秘だし~。キッドじいやはそういうタイプに魅力を感じるのねアンナスマスマですぴょ~ん。でもリピしているのはうたばんぴょん。ダーリンともういくつ風船を割ったかしらん。これが「甘い生活」そして「ちょっとしあわせ」ぴょん。夏の水分補給は賞品の西瓜ぴょん

水曜日に見る予定のテレビ『SONGS中森明菜・歌姫スペシャル②』(NHK総合)『赤鼻のセンセイ』(日本テレビ)

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2009年8月17日 (月)

遊びきれない屋敷は聚楽第(妻夫木聡)入洛よ~(長澤まさみ)

さてと・・・秀吉の晩年が汚されるのは・・・二つの側面がある。

一つは結局・・・豊臣家が徳川家康に滅ぼされることになり、その原因を秀吉に求めるからである。

秀吉の死は1598年で豊臣家が滅びるのは1615年でおよそ死後17年後である。たとえば、17年後に日本が滅びるとして・・・それがこの夏自民党が選挙に負けたからだ・・・と言われても釈然としない人は多いと思う。

もう一つは秀吉の死による朝鮮侵略戦争からの撤退である。これも実際には参戦しなかった徳川家が幕府を開き鎖国政策をとることによってあたかも失策であるかのように喧伝されるのであるが・・・ここで半島を領土化しておけばその後の歴史は全く変わったものになっているはずであり、そこに善も悪もない。また、近代にあっては日韓併合により、半島が領土化されたときに蓄積された過去の清算が曖昧にされたことがある。さらに太平洋戦争の敗北により、半島が独立した以後は分割占領反目政策により、朝鮮の役も日韓併合も黒歴史化したわけである。その責めを400年前に死去した人物に負わせるのもどうかと思うぞ。

このように・・・歴史上の人物は現代の政治的空気で実像とはかけ離れた描き方をされる。それが歴史を考える上で一番留意する点なのである。

キッドは秀吉は16世紀に日本を統一した偉人なのであり・・・些少の汚点には目をつぶるべきだと考える。

で、『天地人・第33回』(NHK総合090816PM8~)原作・火坂雅志、脚本・小松江里子、演出・野田雄介を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。あらすじ五行ツッコミ五行体制健在でございますな。夏休みで子供が見たりしていることも多いので・・・もう少し正史的でもいいかと思いますが・・・もうそんなことこのスタッフに言ってもムダか。悲しいけどこれが今年の大河なのよね・・・なのでございますね。とにかく朝鮮戦役を続けながら内政という名の権力闘争を続ける16世紀末のわが国。その中心人物に迫る老い。難しい局面ですが・・・ある意味、400年経過しても世の中ってほとんど変わってないという見方もできるわけで・・・祇園精舎の鐘の音が聞こえてくる今日この頃でございます。とにかく・・・非情の人に見せかけて優しかった三成。それを判ってやる兼続。三成は他人には見せぬ涙を見せ、兼続はそっと抱き寄せて・・・あーっなのですな。どこまで続くこのやおいの泥濘は・・・。男と男の戦いを求めるあなたは尼子経久の秘密でお楽しみください。

Tenchijin159501 文禄4年(1595年)である。この時期、朝鮮半島では明・朝鮮連合軍が日本軍に降伏。戦後処理が行われている。しかし、明・朝鮮の降伏は一種の偽装であり、水面下では在半島の日本軍に対する反乱計画が進行している。日本軍の和戦派(貿易振興派)と領土拡大派(植民地派)とが対立したことにより、敗軍の将たちにつけこまれているのである。一方国内では王位継承をめぐり、骨肉の争いが始まっていた。実子継承を目論む太閤秀吉は実子・秀頼二歳を担ぐ近江派に加担し・・・血なまぐさい粛清を繰り広げる。そこには戦乱の終焉を快く思わないもの・・・戦乱の再開を防ぎたいものの思惑がからみ・・・複雑怪奇の様相を呈していくのである。2月、織田家の外様武将であり、豊臣家の外様武将でもあった蒲生氏郷が急死し・・・その影響はついに関白と太閤の決裂へと進んでいく。

夏・・・京の都は蒸れていた。京の夜は百鬼夜行である。戦乱に明け暮れ血を流し、陰謀に起き伏し血を吸った土地柄である。どの辻にも怨霊が宿り、怨霊は魑魅魍魎を引き寄せる。先には威勢を誇った千利休が死に果てた聚楽第は都の北・・・御所の西に位置する。その南側には明智光秀によって討ち取られた織田の惣領息子・信忠の終焉の地、二条城の廃墟がある。三条河原では希代の盗人・石川五右衛門の処刑が去年、行われたばかりだ。魔都の血塗られた歴史は怨念によって時空間を歪めている。陰陽師たちはその歪に潜み、千年の呪法を繰り広げてきたのである。

聚楽第の南東には伏見城が構築されている。太閤秀吉の居城であった。秀吉は50の坂を越えてから体の衰えを感じている。夏の暑さがこたえるのである。秀吉は伽を命じた甲斐姫に汗を拭かせている。その心は懊悩に苛まれている。「寧々が・・・」と秀吉はつぶやいていた。「せめて娘でも産んでくれていたら・・・」と秀吉は言葉を飲む。浮かぶのは天正11年に命を奪った織田信孝だった。幼い頃から知った子供である。信長子弟の中でも秀吉に好意を寄せていた武将だった。信長死後に信孝に愛娘を娶わせていればまた違った成り行きがあったはずだ。秀吉の縦横無尽の想像力はあらぬ空想をさまよいだす。信孝を殺さずともよく・・・信孝と我娘の子供が生れれば織田と豊臣の間に生れた孫であり・・・豊臣政権は安泰だったろう・・・。秀吉はそこで自分に娘などいないことに気がつき、闇の中で大坂城にいる北政所の肥満した体を思い浮かべる。「石女め」と秀吉は毒づく。その声に甲斐姫はいぶかしげな目を送るが秀吉は気がつかない。

秀吉は突然にっと微笑む。大坂城から心の中の視線を移し淀城に辿りついたのである。そこには鉄壁に守られた淀の方と愛児・秀頼がいた。秀頼だけは・・・守らねばならぬ・・・人にはできぬことを成し遂げた己の生きた証を・・・あの子にすべて受け継がせるのだ・・・。秀吉の目は闇の中で冥く輝きはじめた。

闇に閉ざされた聚楽第では・・・秀吉の姉・妙慧の子、関白・秀次が愛刀の手入れをしていた。秀次が心から愛する趣味の一つである。秀次は武具の収集家だった。若年から秀吉の甥として近侍し、数々の合戦を潜った猛者である。小牧・長久手の戦では主将として初めての大敗を喫した秀次であるが・・・相手は武田信玄にしか敗北したことがない家康である。自分もまた家康以外には負けていない・・・と秀次は思う。そういう思いが秀次を兵法好きにさせた。家康がそうだったからである。その果てが武具・・・特に刀の収集に着いたのである。人を殺すためだけに特化したその刃物に秀次はめくるめくような美を見出すのだった。

「しかし・・・」と秀次は磨き上げた刀身を柄に戻しながら思う。「それも今宵限りじゃ・・・」秀次はその日、伏見城の太閤に呼び出され・・・そしてそれを拒絶したのである。秀次は疲れていた。秀吉のために精一杯努力してきた日々を振り返る。超人である叔父の期待に応えるために・・・文武に励み命を賭して奉公してきた。しかし・・・それは無為だったのである。豊臣の二つの流れ・・・秀吉と血でつながる木下系と・・・北政所の血縁である浅野系・・・その派閥争いでは常に木下系が上に立ってきた。現に・・・木下秀次、三好秀次そして豊臣秀次と名を変え関白にまでなった。だが・・・それも第三の派閥とも言える浅井系の登場により・・・無に帰したのだった。

今、聚楽第には秀次に恩義を感じるものだけが残っている。それは秀吉に対して含むものがあるものの集いであった。秀次配下の忍び衆の長は前野但馬守である。秀吉の将として墨俣以来、野の忍びを率いてきた。秀吉から秀次を託された前野但馬守にとって・・・秀吉の裏切りは腹に据えかねるものだった。

聚楽第内部に結界を張った前野衆、服部衆、滝川衆の忍び衆はみな老忍である。 しかし、百戦練磨の手練れ揃いだった。聚楽第関白の間の周囲は表向きは一の台と呼ばれる藤原のくのいち一姫をはじめ、秀次が収集したくのいち衆が最終防衛線を作っている。

その間には広大な聚楽第の敷地内に・・・世を拗ねた忍びのもの、落武者が飼われている。彼らは死をものともしない刺客だった。

その中に石川五右衛門と伊賀の才蔵がいた。

「ふ・・・やはり煮られたのは影武者か・・・」と才蔵が声をかける。

「弟よ・・・」と五右衛門は答えた。「御主もよく生きていたな・・・」

「お互い・・・逃げ足だけには自信があるからな・・・」

「わしはな・・・もう逃げあきたわ・・・」と五右衛門は言った。五右衛門は率いていた盗賊一族を秀吉に殲滅されていた。才蔵は五右衛門の声の陰りに返す言葉を失った。

その時・・・聚楽第北の森に騒がしい鳥の鳴き声が湧き上がった。

「きおったか・・・」才蔵は闇に潜んだ。

すでに聚楽第は十重二十重に包囲されていた。北の森には抜け穴の出口があり、それを守備していた秀次配下の池田衆が戦闘に突入したのである。指揮をするのはくのいちお若だった。怪力無双の愛妾だ。攻撃側は飛騨忍軍である。赤影は遠巻きを命ずるが超高速のお若は飛騨忍者の体を当たるを幸いに引き裂いていく。

その動きがピタリと止った。いつの間にかお若の影に潜んでいた青影がお若のうなじに毒針を吹き付けたのである。お若は振り向きざま、青影の首を胴体から引き抜くとそのまま息絶えた。飛騨忍軍は抜け穴の出口に殺到する。

聚楽第の周囲では秀吉自慢の鉄砲忍びが射撃を開始していた。邸内に潜む忍びたちが鉛玉の餌食になる。聚楽第は東西南北に門を持っており、その周囲は全面堀に囲われている。制圧射撃が終ると戦忍びの群れが各門にとりつく。

泉小太郎指揮の越後忍軍は南門、真田幸村指揮の真田忍軍は東門、くのいちお福(後の春日局)の指揮の美濃忍軍は北門に忍び寄る。そして西門に姿を見せたのは石田三成が陣頭指揮をする犬神衆だった。群雲から満月が姿を見せる。たちまち狼に変身するまものしのびたち。攻め手は卍の陣を描きながら聚楽第に侵入する。

邸内の鉄砲忍びが応戦を開始し、たちまち硝煙の匂いが渦巻き、銃声がこだまする。もはや敵味方の区別のつかぬ乱戦である。命あるものは殺す。最後に生き残るのは一人という忍びの戦である。

五右衛門は犬神の群れに襲われ足を噛み砕かれ、得意の韋駄天を封じられると地雷火に火を放った。轟音とともに狼の死体が舞い上がる。全身を火に包み、さらに切り込もうとした五右衛門は邸内の池に足をとられ、水蒸気を吹き上げながら息絶えた。

最上駒姫は義母・妙慧から授けられた古代の剣を打ち振る。すると、剣からは神々しい女神が立ち現れるのだった。尾張・大高に伝わる火上御八竜剣の神は最後は炎となって敵を焼き尽くす。一種の火炎放射器である。

最上駒姫は悪戯好きの少女のように敵を追い回す。駒姫が逃げる敵を追って中庭に飛び降りると井戸の中から水が吹き上げた。その噴水に乗って現れたのは青龍である。炎の女神の身に竜が巻きついていく。爆発する雲気が静まると泉小太郎は少女の死体を見下ろしていた。幼い姫は一撃で息絶えている。

大広間には灯があふれ舞い踊る女郎が満ちている。真田忍者の清海は陶然とその舞に見ほれている。そこに真田の忍者幸村がやってきた。幸村は盲人である。

「清海・・・何をしている・・・」

「何をしているって・・・この美しい舞が見えぬのか」

「見えぬ・・・」

幸村は大広間を抜け、居合いを放った。飾られた美しい衣装の影から血まみれの一姫が最後のきりきり舞いをする。「し・・・か・・・」と何かを言いかけてこときれる一姫。

たちまちかき消える美女の群れ。呆然とする清海を残し、盲目の忍び剣士幸村は奥へと進んでいく。

清海はようやくつまらぬ一言をもらす。「鹿は大和の国の名物じゃろ・・・」

邸内の抵抗は終息しつつあった。

穴山小助は負傷して悶絶している才蔵を発見した。仏心の湧いた小助は才蔵を担ぐと撤退する。

奥の間の暗闇で関白秀次は手入れを終え鞘に収めた刀を抜き放った。闇の中で刃先が怪しく光る。

「この妖刀・村雨・・・思う存分血を吸いたいと泣く・・・名乗るがよい」

「くのいちに名乗る名などありませぬが・・・初音と申しまする」

「ふふふ・・・聞いておるぞ・・・真田一のくのいちの名じゃ・・・上杉謙信を斬り、織田信長を斬り、明智光秀を斬ったとか・・・今度は関白を斬るか・・・」

「たわいもない噂でございます。しかし・・・関白殿下は斬りまする」

「フ」と笑いをもらした秀次はたしかにその手に握っていたはずの刀が消えうせていることに気がついた。その時には村雨は関白の心臓を貫き・・・そのまま逆転した袈裟切りのように肩先を切り裂いていく。体から刀が抜け出るとそこから噴出する血煙。

ふりそそぐ血の雨の中で秀次は絶命した。

闇の中にすでに初音の気配もない。

聚楽第の生き残った女子供を三成と犬神衆は容赦なく食い殺す。

やがて・・・火を放たれた聚楽第は炎上する。京の闇の歴史に新たな一幕が加えられた蒸し暑い夏の夜だった。

関連するキッドのブログ『第32話のレビュー

In ★★★ねんドル情報★★★

『ねんドル岡田ひとみの

「ミニチュアねんどワールド」作品展』を開催中。

【開催日】8/15(土)~8/23(日)

【場所】ていぱーく逓信総合博物館(郵政・NTT・NHKが共同運営する博物館)

2階企画展示場

9:00~16:30(入館16時まで)

月曜休館日 地下鉄:大手町駅下車 A4・A5出口

岡田ひとみ本人も毎日、会場におります。

【岡田登場時間】

・15~20日…12:00~13:30、15:45~16:15

(上記以外の時間は岡田ひとみは別のフロアでねんど教室を行なっており個展会場にはおりません)

・21~23日…10:00~16:15

岡田ひとみ「みなさんにお会いできたら嬉しいです!!」


【入場券】ていぱーくのサイト、トップページから無料招待券がダウンロードできます。
 ⇒http://www.teipark.jp/event/event.html

ていぱーく 逓信総合博物館 
(〒100-0004 東京都千代田区大手町2-3-1)
03-3244-6811
http://www.teipark.jp/about/about.html

【交通アクセス】
http://www.teipark.jp/guide/guide.html

地下鉄大手町駅A4、A5出口すぐ。東京駅からは徒歩10分です。

くわしくはコチラでチェックしてくださりますように→ひとみュータントのよてい。


火曜日に見る予定のテレビ『救命病棟24時』『恋して悪魔・ヴァンパイア☆ボーイ』(フジテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

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2009年8月16日 (日)

私がお侍さんの幽霊に出会う時(観月ありさ)モロッコって(深田恭子)硫黄島のパン屋(二宮和也)妖怪はいずり女を蹴る(夏帆)

・・・おい・・・このタイトルって。

・・・四本立てですけど何か?

・・・まあ、やりたいならやるがいいさ。

で、『こちら葛飾区有公園前派出所・第3回』(TBSテレビ090815PM0756~)原作・秋本治、脚本・マギー、演出・坪井敏雄を見た。とりあえず、今回の問題点はスペシャル・ゲストの観月ありさの出番が顔見世すぎる。大原部長(伊武雅刀)が悪役キャラになりすぎている。時にはわがままな部長だが無責任に部下に責任を押し付けるような卑劣漢では絶対にない。アレンジが冒涜的。一話にもあった人情喜劇偏重の路線が鼻につく。それは「こち亀」の本筋ではない。

まあ・・・そういう様々な問題点はあるが宮藤官九郎の演じる日暮熟睡男(ひぐらしねるお)はまりすぎ~・・・なので許す。何様じゃ・・・お茶の間様じゃ。

とはいえ400年成仏できなかった侍(田口淳之介)のために宴会を催そうとする両津(香取)の件はすべてキッドが眠たかったわ。

中川(速水もこみち)が女のゴーストにとりつかれるとか、麗子(香里奈)がエッチなゴーストに悪戯されるとか・・・いくらでも違う方向があるだろうに・・・。

で、『華麗なるスパイ・第5回』(日本テレビ090815PM9~)脚本・金沢達也、演出・石尾純を見た。ついに君塚良一お休みである。構成作家のほぼドラマデビュー作。そんなものにつきあう渡哲也とか・・・ご苦労様である。

まあ・・・どんなドラマがあったっていいと思うが・・・スパイ大作戦に「美味しんぼ」を組み合わせるとか・・・どんだけチープなお話しなんだよう。

ドロシー(深キョン)の性転換ネタでずっと引っ張り続けるわけだが・・・モロッコが去勢の王国だなんてよいこのみんなは誰も知らないだろう。

こうなると吉澤総理(渡哲也)とミスター匠(柄本明)は元夫婦なのだな。つまり、匠は元女性で・・・鎧井京介(長瀬智也)は二人の愛の結晶なのだろう。

そんなオチにむけてこれからグダグダとしょうもない話を続けていくのかと思うと・・・キャストが哀れだなぁ。

今回はコックの岸原(中村育二)が犯人と思わせておいて実は違う・・・というミス・リードが仕掛けられているが・・・そんなことでは楽しめないわ。

ま・・・寒いコントを続けたいというのならそれはそれでいいか・・・。せめてゲストを何とかしてもらいたいよね。先週だってキューティー・ハニーTLのファンじゃなかったら全然だしぃ。

関連するキッドのブログ『先週の土曜日のレビュー

で、『土曜プレミアム・硫黄島からの手紙(2006米国映画)』(フジテレビ090815PM9~)脚本・アイリス・ヤマシタ、監督・クリント・イーストウッドを見た。裏表で下宿屋の娘(杏)と栗林中将(渡辺謙)が親子対決である。「パパ、ひどい~」って言われるぞ~。

さて・・・架空の登場人物・西郷一等兵(二宮和也)は内地の妻・花子(裕木奈江)を思いつつ・・・無事生還できたのか気がかりだ。外国人が日本軍を描くと・・・日本人が日本軍を描くよりまともだ・・・って日本人スタッフは恥ずかしくないのか・・・って思います。

憲兵に犬を殺させるのは・・・日本発の作品の悪影響でしかないしな。

栗林中将が硫黄島に着任したのは1944年6月である。

栗林の指揮する小笠原兵団はおよそ四割の兵力を父島に残し、東京とサイパンの中間に位置する最前線、硫黄島の守備を固める。

無能な戦争指導者のずさんな戦争計画によりすでに大日本帝国の敗色は濃厚である。

しかし、栗林は優秀な指揮官として第109師団などの陸軍15500名、市丸少将の率いる第27航戦など海軍7500名、あわせて23000名ほどの兵力で硫黄島を要塞に作り上げた。

1945年2月までに島に掘削された地下道は総延長18キロメートルに達している。野砲120門、高射砲300門、迫撃砲130門、対戦車砲60門、ロケット砲70門などすべての火砲を地下に格納したのである。戦車は20台ほどあったが・・・それも車体を地下に埋めて砲塔だけを露出させるという徹底ぶりである。もちろんそれはもはや戦車ではないが。

そして・・・それが米軍に硫黄島の苦戦を強いたのだった。

ターナー中将を援護部隊指揮官に、スミス中将を上陸指揮官とした米軍はレイテ沖海戦でのスケジュールの調整があり、最初の予定より三週間遅れた2月16日・・・上陸支援のための艦砲射撃と空爆を開始する。

この攻撃で島南端の要害摺鉢山は八合目から上が消し飛んだ。

当初計画ではこの支援攻撃の間、守備隊は反撃しない作戦だったが摺鉢山砲台は耐え切れず応射してしまい、位置を暴露して攻撃目標となり殲滅される。これは守備隊にとって大誤算だった。

しかし、南海岸での待ち伏せ攻撃は成功し、2月19日の上陸開始1日で米軍はおよそ2000名の戦死者を出す。

この後は激戦に継ぐ激戦である。屏風山の攻防戦では米軍が六度占拠して守備隊が五度奪回するという血まみれの戦いが行われた。

上陸開始からおよそ一ヶ月。3月17日には守備隊による最後の総攻撃が行われる。栗林はその後拳銃によって自決した。

硫黄島の守備隊は玉砕である。しかし・・・米軍の死傷者もおよそ25000名にのぼった。英霊たちは・・・米軍に著しい出血を強いて散っていったのである。硫黄島は太平洋戦争において奇襲だった真珠湾攻撃を除くと局地的に米軍の被害が日本軍の被害を上回った唯一の戦場だった。今はただその栄誉を讃え散っていったすべての魂に黙祷を奉げたい。

・・・・・・・・。

関連するキッドのブログ『ヒロシマ 少女たちの日記帳

で、『オトメン(乙男)~夏~・第3回』(フジテレビ090815PM1130~)原作・菅野文、脚本・野口照夫、演出・阿部雅和を見た。実は第1回からそこそこ面白いのである。ただし、演出や演技がいささか物足りない部分もあり・・・「華麗なるスパイ」や「こち亀」を凌駕はしなかったのだ。しかし・・・「カレスパ」も「亀」もそれほど凄いわけでもなく・・・それなら「オトメン」だって面白い部分はある。第1回で「男と女の魂が入れ替わって生れたみたいなタイプ」というセリフがあり・・・それは当然、巨匠の名作「リボンの騎士」に対するオマージュであり・・・そういう点はグッとくるのである。

そこかしこにそういうパロディーが散りばめられているのも楽しい。まあ「花とゆめ」系コミックにはありがちなことだと言われればそれまでですが。

とにかく主人公の正宗飛鳥を演じる岡田将生は古風な感じの美少年だし・・・ヒロインの都塚りょうを演じる夏帆はそれほど美少女にはならなかったがなかなかの演技力を見せるのである。

りょうの幼少期を演じる日向ななみも個性的でいい感じである。

今回は季節ネタで「こち亀」同様怪談ネタ。やはり眠気をさそう部分はあるがキャストの演技の未熟さを割り引けば「こち亀」よりずっとネタに厚みがある。

ネタとしても女教師・花沢夢子(柳原可奈子)に応じて前列の女生徒三人組が全員デブなど肥満の格差社会に応じた過激さがあります。柳原少し太った・・・ま・・・少し太ってもみんな気がつかないよな。

とにかく・・・剣道部主将の正宗は男らしい男なのだが・・・中身は乙女根性で充満。一方、都塚は「正宗くんがかわいいので守ってあげたい」と思うタイプ。しかも実は武道の達人である。

今回も本当は幽霊がこわい・・・正宗に対して、幽霊が出ると踏み潰す都塚だった。

実は・・・正宗の先祖と幽霊・百合子との間には悲恋があった・・・というおなじみの展開だが・・・そういうものが見たい季節なのである。

都塚の過去の思い出・・・「私が小学生の時・・・転校してしばらく友達がいないことがありました。その時、となりのクラスのマリちゃんが私と遊んでくれたのです。しばらくして・・・クラスにも打ち解けた頃・・・私が転校する前にマリちゃんが川で溺れて死んでいたことが判明。それ以来・・・マリちゃんは消えてしまいました。いつか川の中の楽しいところに案内してくれるって言ってたのに残念です・・・」と野生で育てられ第六感が冴え渡る都塚だが少し天然ボケの味があります。

実は・・・このドラマ、秋からは「オトメン~秋~」として「救命病棟24時」(火曜午後9~)の後番組になる予定なのである。

予習として一回くらい見ておくとよろしいのですよ。

一話完結なので途中参戦まったく可でございます。

関連するキッドのブログ『4姉妹探偵団

月曜日に見る予定のテレビ『ブザー・ビート 崖っぷちのヒーロー』(フジテレビ)

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2009年8月15日 (土)

犬も殺せば罪にあたる(錦戸亮)牢獄と棺桶棲みやすいのはどっち?(滝沢秀明)その嘘、本当にしてみようかしら(木下あゆ美)

「オルトロスの犬」から深夜映画の「河童のクゥの夏休み」(2007年)で碧井家の愛犬と上原家の愛犬、連続死亡である。犬死亡率の高い夏の夜だった。かぶるときはかぶるものだ。日本全国の犬たちに幸あれ。

訃報あいつぐ夏なのだが・・・なんとなく意外な人が死んでいるような気もするし・・・死というものはいつでも意外なのかもしれない。

まあ、死後の世界を信じない方のキッドは死んだら意外もクソもないだろうと思うわけだが。

死後の世界を信じる方のキッドは死者への供物である花束を買うわけである。

で、『オルトロスの犬・第4回』(TBSテレビ090814PM10~)脚本・青木万央(他)、演出・今井夏木を見た。もちろん、大失敗作の匂いが漂う本作だが・・・前回、今回と演出力でなんとかお茶を濁している感じである。たとえば「今夜はそこで会おう」と電話の声が言い、電話を受けた相手が「ここで」と見つめるのは死体のための解剖台といった・・・シーンの演出だけが青白い燐光のように輝いている感じなのである。

柴田刑事(山本龍二)は「過去の失敗なんかにこだわらず前だけ向いて歩いて行け」と渚(水川あさみ)にアドバイスするわけだが・・・この手の物語はその場その場を面白くすれば前後の辻褄のあわなさは目をつぶると開き直っているようなセリフだと言える。

前回・・・渚は「病気の子供の母親として奇跡の手を拒絶する」不自然な気持ちを表現し・・・「傷害の現行犯を逃がして脱獄囚への伝言を頼む」不可解な行動をとる。

今回、竜崎(滝沢)を逮捕することによって「竜崎を呼び出すトリック」、そして娘の容態の悪化を見て「奇跡への誘惑にかられる心理」を見せて危うい着地をするのだが・・・だからといって口封じのために殺人未遂をくりかえす凶悪犯(八乙女光)を逃がした罪は消えないし、娘の健康よりも犯人逮捕を優先する母親としての心情の不自然さも拭えない。

結果として、渚は単に・・・ちょっと頭の悪い人に見えるだけなのである。

そういう渚の頭の悪さを生むのはチーム制のシナリオ・システムの弊害であることは確実であろう。今回は「恋して悪魔」や「赤鼻のセンセイ」も同様な失敗を犯している。これらはすべてオリジナル・ドラマであり・・・またもや原作もの安心主義が横行しそうだ。その中で「ブザー・ビート」の大森や「任侠ヘルパー」の古家は希望の星なのだな。

さて・・・登場人物たちがそれぞれの思惑で動き出し・・・物語は動き出したように見えるのだが・・・今回、判ったことは涼介(錦戸)は飼い犬を殺しているということ。そして、妹の志穂(河北麻友子)が食べていないときは餃子を準備中だということだ。ちなみに走ればそこそこ揺らすテクニックも持っていて一部愛好家熱狂である。

さて・・・超能力に限らず人々は様々な力を持っている。

志穂は兄に愛犬を殺させるほどの妹力を持っている。澪(熊田聖亜)は真面目な刑事である母に迷いを生じさせる娘力を持っているのだ。

熊切社長(柴俊夫)は資金力で息子の罪を揉み消そうとするし、榊大臣(高畑淳子)は政治力で竜崎をDog's Body・・・ドッグス・ボディ(犬奴隷)として使役しようと試みる。

今回、突出しているのは竜崎と榊の支配をめぐる対決であるが・・・その周囲では警察庁理事官の沢村(佐々木蔵之介)が秘密警察力を使って暗躍を始めている。沢村が何を「ゲーム」として考えているかはまだ未詳だが・・・とにかく、ゲームのためのゲームをしようとしていることは明確である。

沢村は秘密警察としての秘密捜査により・・・ホームレスの二宮(六角精児)が隠匿していた「竜崎死刑囚の事件の真相ビデオ」を入手するが・・・それよりも部下を使った人体実験による「触るだけで殺せる手の存在」に興味津々なのである。

実は二宮が真犯人だった事件の殺害現場をビデオ録画で見た観察医・前園(原田夏希)は殺戮劇に驚愕し・・・これまでのクールさが解剖室限定だったことを露呈するのであった。

そして・・・例によってふらふらと彷徨う涼介は・・・秘密警察の監視下において秘密警察の偽装刺客に襲撃され・・・四人目を「タナトスの手」で殺害する。四話で四人なので最後までに何人殺すことになるのか。とにかく・・・その度に自首して・・・「あなたは罪に問えません」と警察に云われないと気がすまないらしい。一種の記憶障害か・・・学習能力のない元教師なのである。

一人目は麻薬の売人、二人目は悪徳刑務所長、三人目は飲酒運転犯人、四人目は秘密警察官である。その遺族がまったく登場しないのも脚本の限界であるな。

涼介の犯行を責めるものは涼介だけである。それも殺人が絶対的な悪であるという思い込みによる自責の念である。殺されたものたちへの哀悼の気持ちはないのである。

このあたり・・・このドラマには「心」はないと断言してもいいだろう。

後は・・・二宮が何故少年たちを刺殺し・・・竜崎(仮名)がなぜアポロの手を使わなかったのか・・・という謎が残るわけだが・・・そこに興味がある人は日本全国で100人くらいだと思うぞ。

とにかく・・・最大の謎・・・何故・・・タナトスの手とアポロの手が人間に宿ったのかもさておきながら・・・主な登場人物が何をしたいのか・・・もう少し教えてください。インパクトがあってスピーディーでミステリアスなシナリオで。

関連するキッドのブログ『先週の金曜日のレビュー

で、『み屋本舗REBOOT・第6回(第三話「地獄の姉弟・後編」)』(テレビ東京0908142412~)原作・栗原正尚、脚本・川嶋澄乃、演出・石井永二を見た。例によって架空のニュース番組「NEWS 24」でキャスター大橋未歩がお伝えするわけだが・・・もちろん、これが異次元時空間への転送システムなのである。

そのニュースコメントを追ってみよう。「人気ラーメン店の武藤製麺所が異常な妄想壁のある木経姉弟の異常な攻撃にさらされ廃業の危機に瀕しています・・・」まず・・・実際にはこの事件を報道するテレビ局は少ないし・・・犯人側の実名報道をするテレビ局もまずないだろう。「しかし、相次ぐ被害にも関らず警察に被害届は出されておらず、一方的で執拗な攻撃を受ける武藤さんの安否が気遣われています・・・」つまり、この事件は警察沙汰ではないのである。また民事訴訟が起されているわけでもない。そんな事件を実名入りで報道するテレビ局はないのだ。・・・しかし・・・この番組が魔界からの放送だと断じてしまうことはできない。本来、報道とは警察発表を垂れ流すことではない。事実をありのまま伝える姿勢がその求められる根本にあるわけである。つまり・・・この「部分」は現代の「流行便乗型ジャーナリズム」に対する鋭い警鐘を打ち鳴らしているのだ・・・と妄想してみました。

さて・・・そういう高度な展開はさておき、ババリアン星人の手下・木経弟(六角慎司)の策謀にはまり、正義のマクロイン王国の我らが十二月田(前田健)は放火の現行犯(濡れ衣)で警官に逮捕されてしまう。しかし、さすがは十二月田、発炎筒を使い、脱走である。立派な公務執行妨害だけどな。しかし、抜群の体力・知力を持つ十二月田を再逮捕できるような超優秀な警官はこの世界には存在しないのである。

悪質な被害に遭いながら警察に被害届けを出さない武藤(鈴木浩介)に不審を抱いた怨み屋(木下)は調査した銀行預金の不自然さで本人を尋問する。その結果、武藤は「バス停留所に置き忘れた300万円をネコババした罪」を告白する。

木経がその関係者ではないかと・・・思案し・・・警察に被害届を提出できなかったのである。

怨み屋は木経姉(播田美保)の存在を示し、姉弟に復讐するなら報酬の100万円アップを告げる。合計200万円で・・・怨み屋相場としてはまだまだ安いが・・・武藤は渋る。しかし、三つの条件を出して・・・交渉成立である。

①自分の客と同じ痛い目を味わってもらいたい。

これは十二月田が下剤塗布手袋を使い、木経弟と握手することで実現する。爪を噛むクセのある木経弟はたちまちお腹痛い痛いになるのであった。

しかし・・・長野の資産家(資産総額50億円)の後継者・木経姉弟と武藤の接点は以前、謎のままである。そこで怨み屋は武藤の愛人として一芝居打ってみるのだった。

「ああ・・・すごいわ・・・富士山みたい・・・」「君がしてくれたら・・・チョモランマになるよ」という怨み屋と武藤の艶技に騙された木経姉は発情して武藤家におびき出される。

その間に怨み屋と時代に逆らって天晴れにヘビースモーカーで明らかに工藤ちゃんの情報屋(加藤雅也)は隣室の木経姉弟の部屋に侵入。工作を開始する。

一方・・・ついに明らかになる武藤と木経姉の関係。武藤は友人との悪い遊びで「行きずりの美しさに不自由な女が処女かどうかを賭け」・・・悪酔いして木経姉に初体験を捧げられてしまったのだった。武藤にとってはほとんど記憶外の出来事だったが・・・木経姉にとっては妄想が膨らみ「武藤こそ命懸けて誓った恋人」だったのである。

そこへ武藤の婚約者・アヤ(矢沢心)が乱入する。

②自分を傷つけた捏造ブログと同様に木経姉弟の恥ずかしい捏造ブログを作る。

・・・ということで作られたブログ「木経姉弟の近親相姦日記」を見たアヤは・・・婚約者への誤解を解いて戻ってきたのだった。そして、女の戦いが始まるのだが・・・女優・播田美保の凄まじい破壊力は女優・矢沢心をかなり美人にしてしまうほどの強力さを持っている。東京ではCMで「東京メトロ」や「梅酒」が流れるのだが登場する女優・宮崎あおいなどは人間離れした美しさを持っているように見えてくるのである。播田美保恐るべし。

そこに木経弟が参戦し・・・捏造ではなく本当に近親相姦をしていることを自慢したところで捜査当局乱入である。

怨み屋の画策で木経姉は「首相官邸放火未遂」(計画の証拠など捏造された濡れ衣)、木経弟は「民家に対する放火」(真犯人)で逮捕なのであった。

③木経姉妹の社会的抹殺・・・達成である。

怨み屋への報酬を払いに来た武藤はアヤを同伴してくる。怨み屋の正体を他人に告げる契約違反である。しかし、アヤは「これは結婚資金を解約したお金で・・・今回は二人からの依頼ということにしてもらえないか」と談判である。少し危ういところのある武藤だがアヤが尻に敷くことでなんとかしたいらしい。

基本的に女には甘いのが怨み屋である。アヤの顔に免じて「武藤の命を奪う」ことは保留となるのだった。

しかし・・・一応・・・お説教である。「愛は憎しみや怨みに変化する。気をつけないと命とりよ・・・」

その頃・・・東京ベイテレビの星影記者(長谷部瞳)はついに入院中の寄木刑事(きたろう)のインタビューを成功させる。その録画を見た上司の城島(田中哲司)は「怨み屋の似顔絵」に釘付けになるのだ・・・に、似てないのに・・・。

日曜日に見る予定のテレビ『天地人』『気骨の判決』(NHK総合)『官僚たちの夏』(TBSテレビ)『トランスポーター2』(テレビ朝日)

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2009年8月14日 (金)

乙女かよ(草彅剛)はじめてのタバコ(黒木メイサ)厄介の介は介護の介です(仲里依紗)

さて・・・「猿ロック」では黒川智花がビキニなわけだが、ついでに「怨み屋本舗」の初代シュウ(竹財輝之助)も出演しているのだが・・・もう、「任侠」ひとすじの木曜日にしたいわけで・・・残暑厳しいわけで。

ついでに、ねんドル情報もお伝えしておくわけで・・・。岡田ひとみの新コスチュームをチェックできます。

ちなみに黒川智花の水着とかスケバン刑事VSメイド刑事とかをチェックしたい方はコチラへ→お気楽社長の週末まとめてチェック!なわけで・・・。

さあて・・・夏休みも後半戦。涼宮ハルヒは結局、みんなと一緒に宿題やりたかっただけだったわけだが・・・よい子のみんなもそろそろとりかかろうね。

で、『任侠ヘルパー・第6回』(フジテレビ090813PM10~)脚本・古家和尚、演出・葉山浩樹を見た。・・・「この世に介護施設は星の数ほどあるのに何故ここへ来たんだ」展開なのであるが・・・まあ・・・家が近所だったということでしょう。

堅気だが遊び人だったエロ爺さん風間(ミッキー・カーチス)は浮名を流し続けて生涯独身をつらぬくプレイ・ボーイである。ボーイなのか・・・。さりげないおさわりプレイもそつがない。

ブクロのりこ(黒木メイサ)の臀部から美空晴菜(仲里依紗)の胸部への連続タッチなどターゲットの選択が観客を魅了する的確な判断だ。・・・そうなのかっ。

まあ・・・介護施設「タイヨウ」としては風紀を乱されて困るのである。

そこへ・・・嫁の百合(横山めぐみ)に付き添われ入所してきたのが、多恵子(木村夏江)である。二年前に夫と死別していたがそれを忘却する認知症を発症している。

そして・・・多恵子は風間の忘れじの初恋の人だったのである。

たちまち・・・色事師の過去を捨て純情モードになる風間・・・一方・・・百合は風間を亡き夫と勘違いしたり・・・初恋を思い出したりしているらしく・・・なんとなくいい感じである。

嫁の百合としては・・・最初にヒップタッチされている怒りもあり・・・二人の交際に大反対なのだ。

まあ・・・人間は基本的に自分の恋愛には甘く、他人の恋愛には厳しいものである。

先日、とある新聞の医療相談に・・・「夫との夜の性交渉が辛い」という60代後半の主婦の悩みが掲載されていて・・・婦人科の医師が「年齢とともに潤滑液が減少し性行為で痛みを訴える方は多い」と前置きした上で「ホルモン投与などによる治療を提案」していたのだが・・・・・・この記事を読んだ読者の反応は老若男女様々だろう。「その年でまだなさるのか」とか「ご主人いい加減に枯れろ」とか「団塊の性奴隷か」とか「実にうらやましい」とか様々であろう。

人間って本当に個人差の激しい生き物だよね・・・なのである。

「老いらくの恋」という言葉があるように「それ」はあるのであり、「おじいちゃんとおばちゃんがフォーリン・ラブなんてなんだか恥ずかしい」という若い身内の「気持ち」もまたあるのである。人間なんて感情の生き物だからな。

そのために・・・多恵子の息子の嫁・百合は二人の愛を断固として引き裂くのである。

ここで今回脚光を浴びる任侠ヘルパーは西日暮里地区貸元の賢吾(宇梶剛士)である。

賢吾は「生涯愛する女は一人でいい」主義なのだが、別れた妻に復縁申し込み中の身の上である。義理堅いのと未練がましいのは紙一重なのだ。取調べで自白しても裁判で否認の如しだ。・・・もう無理にたとえなくていいぞ。

だから「初恋をやりなおしたい」という風間の気持ちが痛いほど分かるのだった。

しかし、プロのヘルパー和泉(山本裕典)は家族の意向には逆らえないと風間を諌め、逆上した賢吾は暴力に訴える。たちまち始まる大乱闘。最後は彦一(草彅)の頭突き炸裂である。けれど・・・風間の気持ちは変わらない。

ついに百合の家に談判に赴くのだった。土下座する風間の熱意に打たれ・・・多恵子と風間の交際を渋々認める百合・・・。

晴れてデートの日・・・美術館で多恵子を待つ風間。その頃・・・賢吾は別れた妻との談判に・・・。しかし・・・妻には交際中の男性がいたのだった。極道から足を洗うつもりだった賢吾は妻と娘の幸せを祈りつつ・・・堅気の衆に背を向けるのである。

そして・・・「女は身支度に時間がかかるもの。遅刻覚悟で待つのが好印象をもたれる秘訣」などとレクチャーする風間に彦一が届けたのは訃報だった。

「命・・・短し・・・恋せよ乙女・・・」なのである。

その頃・・・本当の乙女らしいりこは・・・羽鳥(夏川結衣)と美空という恋のライバルに対し捨て身の「あなたの吸いさしのタバコもらっちゃいますから」作戦を決行。彦一は態度保留である。

まあ・・・死んだ兄貴がこわくて・・・誰も手が出せなかったりこの乙女の純情の行方がもはやこのドラマ最大の関心事ですな・・・一部ファンがだろうっ。

関連するキッドのブログ『第5話のレビュー

土曜日に見る予定のテレビ『華麗なるスパイ』(日本テレビ)『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(TBSテレビ)『真マジンガーZ』(テレビ東京)『硫黄島からの手紙』『夏帆のオトメン(乙男)・夏』(フジテレビ)

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2009年8月13日 (木)

天涯孤ドクター(香椎由宇)私の愛したぬいぐるみ(八木優希)造血幹細胞移植を待ちながら(須賀健太)

水曜日のダンスは・・・。

「 9係の夫」13.5%↘13.3%↘12.2%・・・・・・・↗12.3%↗13.2%↗13.9%

「芝生の妻」11.4%↘*9.8%↘*9.0%↗10.2%↘*9.2%↗*9.8%↘*8.1%

「赤鼻のセンセイ」・*9.4%↘*8.9%↘*8.2%↘*7.9%↘*6.9%↗*7.9%

かろうじてダンス復活である。今回は白衣の小児科医・七瀬(香椎由宇)のメイン回だったのだが・・・そもそも第6話でそうなっていることが敗北の原因である。繰り返して書いているが、このドラマのヒロインは七瀬であるべきで、シルク(小林聡美)ではない。小林は名女優だがあくまで名脇役に徹するべきなのだ。

それなのに・・・つい彼女を軸にしてしまったスタッフは本質を見失っていると言わざるをえない。

で、『赤鼻のセンセイ・第6回』(日本テレビ0090812PM10~)脚本・土田英生、演出・茂山佳則を見た。人はつかのまの人生を生きる。その人生はけして誰もが平等には見えないし、多くの場合苦難に満ちている。しかし・・・つかのまであるということにおいては平等なのである。そして・・・誰もが幸せになれないとは限らない。

最近、核兵器廃絶の声が高まっているが、核兵器の抑止力がなくなれば通常兵器による果てない殺戮が始まるだけだという考え方もある。そういう点についてキッドはただ無力なので祈るほかないのである。人類がある限り戦争はなくならないと考えるし、それが自然であると思うからだ。

たとえば、昨夜は「星条旗の下に生きたヒバクシャたち」(NHK総合)というドキュメンタリーの再放送が行われていた。急性骨髄性白血病から復帰した俳優・渡辺謙が「ヒバクシャたち」を訪ねインタビューを重ねるという趣向である。

「ヒバクシャ」とは彼らが特殊なカテゴリーによる原爆被害者であることによる名称である。太平洋戦争(1941~1945)開始前に米国で生まれ、米国市民権を持つ日系人が日本に帰国中に開戦・・・広島・長崎で原爆による被曝者となるのである。その後・・・彼らは米国に再び暮らし始める。二つの祖国は加害者であり被害者である彼らに原爆症という負債を背負わせる。

日本では「原爆投下は仕方なかった」と発言すれば職を失うほどの失言となるが、米国では多数派は「原爆投下は戦争終結を導いた正しい選択」という意見を持つ。「ヒバクシャ」たちは日本で原爆により家族を失い、米国ではその後遺症に苦しみ生きてきた。

彼らの辛さを理解するためには相当に想像力を働かせなければならない。

「ヒバクシャ」の一人、山岡明は米国育ちの孫娘が6才になった時に帰日し孫に広島平和記念資料館を見せる。少女は展示された残酷な光景に恐怖し、数日間悪夢にうなされたという。

その少女が大人になり老いた祖母に一篇の散文を贈る。

それは概ね、次のような内容だ。「壁には見知らぬ文字が刻まれている。私にはその意味を読み取ることはできない。けれど私は泣いている。私の姉も泣いている。私の母も泣いている。祖母はこの建物には入らない。しかし、彼女もまたきっと泣いているのだろう。そこにいる人々は誰もが泣かずにはいられないのだから。人々はここにはいない祖母のために。祖父のために。母親のために。父親のために。兄弟姉妹のために。友達のために。息子のために。娘のために。あるいは親しい人々のために泣いているのかもしれない。もしかするとそれらすべての人々のために泣いているのだろう。だから私も泣かずにはいられないのだ。ここに立てば誰もが泣かずにはいられないのだ・・・」

通常兵器もまた人を殺さずにはいられない。しかし・・・核兵器や化学兵器・・・そして生物兵器は時には生き残った人々も殺すのである。

その苦しみが悪であると考えれば核兵器は格別に悪いのである。

その犠牲者に悪いのだと言われて返す言葉はない。ただ泣くしかないのである。

それは病気の人を前にするときも同じなのだ。痛いのだと言われて返す言葉はないのである。ただ泣くだけだ。

このドラマはそういう主題を持っている。しかし・・・このドラマの主人公である赤鼻の教師・石原(大泉洋)は生活のために院内学級に勤めるただの男に過ぎない。重い病と闘う生徒の苦しみに直面してもただ泣くしかないのである。

しかし・・・白衣の小児科医である七瀬は違う。入院患者の子供たちの病気と一緒に闘う医者なのだ。

子供たちの将来の社会復帰のための手当てとして義務教育の補助を行う教師と・・・生存の瀬戸際に立たされた子供たちの命を救おうとする医師。

その立場の違いは実に明確である。その違いによる落差をシビアに描いていけばかなり面白いドラマになっただろう。

いや・・・もちろん・・・ドラマとしてはそれを描こうとしているのだが・・・本題に入るまでがあまりにも遠回りなのだった。それは小学校担当の教師・シルクにあまりにも時間を使いすぎたからだと思う。

今回・・・白衣の医師は子供たちの小さな反抗に遭う。急性骨髄性白血病の中学生・和田(須賀健太)は闘病に疲れ受診拒否をする。小児糖尿病の小学生・千佳(八木)は母親の手作りのぬいぐるみを没収(入院患者にそばアレルギーのものがおりぬいぐるみの中身がそば殻だったため)されて受診拒否である。

そのうえ、大病院への転属の噂が広まり、院内学級閉鎖の危機と誤解した赤鼻は大騒ぎをする。しかし・・・白衣はただ・・・和田の化学治療に必要なデータを大学病院に請求しただけだったのである。

生真面目に治療に取り組む白衣に・・・子供たちは心を開く。

白衣はシルクに手伝ってもらい・・・ぬいぐるみの中身を綿にと移植手術をするのだった。

まあ・・・タイトル的には鉄仮面ドクターでもよかったのだが・・・なんとなくおたんこナースな気分だったのである。

今回だって・・・内容的にはグズグズだったのであるが・・・ただデータを渡すのに院長(上川隆也)をセッティングする必要ないし・・・とかね・・・まあ・・・ともかく、白衣を中心にした話こそが核心なのだということが明確になってよかったと思う。っていうか・・・このドラマはこのエピソードから始めるべきだろう。

ともかく・・・骨髄バンクの話題が一度も出ないまま・・・来週・・・和田の身になにか恐ろしい運命が待っているようだ。どうか・・・無駄死にになりませんようにと祈るばかりである。

素人の書いたエッセイで涙が止らないのにプロの書いたドラマで泣けないのは困ったことだよな。もちろん・・・笑えませんし。

人生は戦争なのだということが・・・分ってないのか。

関連するキッドのブログ『第5話のレビュー

金曜日に見る予定のテレビ『怨み屋本舗REBOOT』(テレビ東京)『コールセンターの恋人』『メイド刑事』(テレビ朝日)『タッキー&錦戸亮のオルトロスの犬with水川あさみ』 

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2009年8月12日 (水)

心が折れた女医(松嶋菜々子)患者が死んじゃった。からどうした(江口洋介)あなたが好き(桜庭ななみ)

さて・・・四回連続で予告編の総集編を経て・・・本編始まりましたなのだが。

火曜日のドラマ対決は①「救命病棟24時」20.3% ②「恋して悪魔」↗*5.5%・・・である。

こ、これは・・・対決史上稀に見る落差であるな。もう・・・コメントしようがないよう。

で、『救命病棟24時(第4シリーズ)・第1回』(フジテレビ090811PM9~)脚本・二木洋樹、演出・河毛俊作である。総集編は林誠人が脚本だったのだが、本編は別人、しかも脚本協力が一色伸幸である。・・・なんかバタバタしていそうだ・・・。

さて・・・今回は斜陽で鬱な日本シリーズ的テイストである。「ER」のパクリドラマとしては老舗でシーズンごとに色合いを変えるが進藤先生(江口洋介)の「目の前にある命を救うのが医者だ」という情熱と信念は不変なのである。

この路線は「コード・ブルー」が引き継いだと思ったのだが、ところがどっこい進藤先生はまだまだ不滅なのである。これでフジは進藤先生、ドクター・コトー(吉岡秀隆)、藍沢(山下智久)と三人もいい医者持ったことになる。・・・キッドは医龍はそれほど評価しません・・・テレ朝が「相棒」「科捜研の女」「おみやさん」を持っているみたいに。

ともかく・・・今回、例によって海外の荒れた現場から帰ってきた進藤に与えられるのは・・・世の中が豊かになりすぎてハングリー精神を失った医療の世界である。そこではちょっと忙しいと医者が全員やめちゃうのである。

そのため・・・救命センターは人材不足となり・・・救命医は進藤だけ・・・後は眼科(趙珉和)や耳鼻科(矢柴俊博)からの助っ人や、実家が美容外科の研修医(石田卓也)なのである。そして・・・上司は「医療の現場をマネージメントしてコントロールしてシェイプアップしたい」澤井医局長(ユースケ・サンタマリア)である。クールだが腕はいいのである。

つまり「情熱」の進藤と「怜悧」な澤井の対決である。

シリーズものなので旧知のメンバーが集まる。第1・第3シリーズで進藤に鍛えられた救命医・小島(松嶋)、第2シリーズで活躍したナース山城(木村多江)である。しかし、小島は判断ミスで子供の患者を殺し、訴訟を起こされている。山城はバツイチ子持ちで年中無休の救命勤めは不可なのであった。

医師不足といえば最近ではドラマ「Tomorrow~陽はまたのぼる」があったわけだが、ついに横浜・海南医大高度救命救急センターまでその波は押し寄せてきたらしい。東海地震も近いのに困ったことである。

この他に救急センター長・守谷(小野武彦)、救命が気になる麻酔医・花輪(板尾創路)がいて、キレイどころのナースは新人・千夏(北乃きい)、ベテラン(市川美和子)、中間(西原亜希)という布陣。ついでに看護師長(山野海)だ。

自信喪失の小島は・・・校医でお茶を濁しているが・・・進藤が冷たく突き放すとたちまち復活するのだった。「お前は医者だろう」「私は医者です」なのだった。

波状攻撃で人員不足の医療最前線を襲う熱傷患者に集団食中毒かと思いきや無差別毒殺未遂の被害者たち。根性なしの医師たちは「もうダメです~」「こんなのやってらんねえんだよ」と不平不満爆発である。

それでも手当たり次第にどんどん患者を受け入れる進藤。澤井は「過剰な受け入れで余裕がなくなり・・・ミスを犯し・・・患者に訴えられる・・・それでは医療は破滅ですよ」と苦言を呈されるのだった。

澤井「大体・・・最近、患者は自分たちを顧客だと思っている・・・命を助けたって医者に感謝なんかしませんよ」

進藤「・・・」

しかし・・・ゲスト患者の夫(橋本じゅん)は・・・妻子を助けた進藤に感謝のメッセージと生れたばかりの子供の手形を贈るのだった。

こうして・・・進藤の新たな戦争が始まるのだった。

まあ・・・初回だから・・・主に登場人物紹介・・・。去年の夏「太陽と海の教室」で痛い目にあった二人のヒロインのうち・・・北川景子は「ブザー・ビート」に北乃きいはここに引き取られたわけである。数字的には北乃きいの方がホッと一息だが・・・松嶋菜々子のいる場所で出番を確保するのはそれなりに大変そうだ。しかし・・・北乃には「ライフ」根性があるのだからがんばってもらいたい・・・よねえ。

関連するキッドのブログ『先週の火曜日のレビュー

で、『恋して悪魔~ヴァンパイア☆ボーイ・第6回』(フジテレビ090811PM1015~)脚本・半澤律子、演出・村上正典を見た。またしても脚本チェンジで今回はものすごくまともだったのだが・・・もう前回が致命傷だったよね。で・・・物語的にはまったく予想通りの展開である。誰か・・・あっと驚いた人がいただろうか?

こういうドラマの作り方として・・・仕掛けがお茶の間に分っていることと・・・隠していることのメリット・デメリットは当然あるべきだが・・・キッドはある程度、視聴率が獲得できるのは前者だと思う。

お茶の間は分っていて・・・登場人物が知らないというスタイルの方がわかりやすいからである。

今回で言えば「真琴(加藤ローサ)の初恋の男の子・歩にうり二つのルカ(中山優馬)。その正体はヴァンパイアと化した歩だった・・・」という仕掛けである。この仕掛けを今回ようやく明らかにしたのだが・・・そのことにあまり意味はないのである。

それよりも・・・この「仕掛け」は最初から提示されていた方がずっと面白く見ることができる。

登場人物はそれを知らず・・・お茶の間は知っている。だからこそ・・・いろいろな楽しみが生じるのである。

たとえば・・・野球のルールを知っているのと知らないのとではどちらが野球を楽しめるかという問題だ。

ルカと真琴は初対面で惹かれあう。二人は何故・・・と思うがお茶の間は知っている。

やがて・・・ルカがその仕掛けに気がつく。そして・・・苦しむ。お茶の間は同じ「ヴァンパイア」としてルカの苦しみを知るカイト(近藤真彦)と同じようにルカの苦しみを理解できるのだ。

そして・・・今度は真琴が仕掛けに気がつく・・・二人はどんな選択をすることになるのか・・・お茶の間はいろいろと妄想できるのである。

とにかく・・・このドラマが構成的な欠陥を持っているとしたらその点につきるのです。

・・・・・・・街には霧がかかっている。空には冥い新月がかかっている。転校生はクラスで一番の美少女・香織(桜庭)の気にかかっている。私はそれが妙に気になる。この霧はどこからやってくるの。私は不安で一杯になる。転校生と香織が何か話をしている。教室の片隅で。霧は教室の中にも侵入してきて・・・突然、私は苦しいほどの嫉妬心を感じる。ああ・・・転校生は私の失われた恋人にそっくりだ。けれど・・・それは時の彼方に忘却された記憶。転校生は彼ではないのだ。ああ・・・どうしてこんなに霧が晴れないのかしら。この霧は何かを隠している。霧の向こうに彼がいる。いいえ・・・霧の向こうにいるのは転校生。私よりずっと年下の高校生。もしも転校生が彼だとしたら・・・幽霊なのだわ。私の心を騒がす憎らしい幽霊。彼は私を置き去りにして・・・去って行った。この流れる時の中へ。私の周囲で月日は流れ去り、私は変わって行ったのに・・・彼はあの時のまま。置き去りにされたのは私ではなく・・・彼なのかしら。だけど私は彼にどんなにか会いたかったことだろう。その体のぬくもりに触れ・・・その言葉に笑顔で応じることをどんなにか待ち望んだろう。その耐え難い虚しさ。かなわぬ願いの味気なさ。それなのに彼は突然やってきた。・・・いえ、やってきたのは見知らぬ転校生だわ。でも転校生はあの日の彼のまま。この霧。この霧の向こうに何か恐ろしいものが潜んでいる。でもその恐ろしさは私をうっとりもさせるのよ。ああ・・・霧の彼方。音楽室から・・・あの懐かしいメロディーが聞こえる。二人で奏でた思い出の調べ・・・誰・・・誰なの・・・そこにいるのは・・・私の心は震えている・・・夜の風が吹いている。月光が照らす魔性の姿。ああ・・・私の愛しい人・・・そこにいたのね。これは・・・きっと夢。目が覚めればただ・・・涙に濡れた私がいるだけ。それでも私は待っている。さあ私を連れていって。そこがたとえ地獄でも・・・あなたがいればそれでいいから。

木曜日に見る予定のテレビ『猿ロック』(日本テレビ)『黒木メイサの任侠ヘルパー』(フジテレビ)『科捜研の女』『ダンディ・ダディ?』(テレビ朝日)

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2009年8月11日 (火)

許したいけど許せない(山下智久)君の音は楽しい(北川景子)愛と夢中のブザー・ビート(相武紗季)

悪女というよりはちょっと困った可愛い女の子だった菜月(相武)。

もちろん、これが普通の女の子だという考え方もできる。

普通というのは多数派と密接な関係があって可愛い女の子が少数派だとすると普通でなくなってしまうだけだ。

まあ・・・好奇心は猫を殺すのである。

そういう意味ではあるいはあの人もまた・・・。

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「コールセンターの恋人」↘*5.6%(東ちずるとミネラルウォーターじゃな・・・ウサギとシャブのご時勢に)、「オルトロスの犬」↘*8.3%(野放しのヤクの売人か・・・)、「メイド刑事」↗*9.2%(あぶったらいかんぜよ)、「ナイト ミュージアム」15.4%(夜警のジャンキーか)、「こち亀」↘11.3%(夏休みだなあ)、「リミット」↗*7.3%(若村麻由美ファンいるなあ・・・)、「華麗なるスパイ」↗12.7%(深キョン・水崎綾女のダブル水着の勝利)、「オトメン夏」↘*5.9%(夏休みだ)、「クライマーズ・ハイ」11.2%(これのせいか・・・)、「官僚たちの夏」↗*9.0%(公害か・・・なにもかもが懐かしい・・・いいのかよ)、「天地人」↗24.8%(ぼぎゃぁぁぁぁん)、「トランスポーター」14.8%(さすがだな)、「ニュースキャスター」30.4%(なんてこったい)・・・ついでに「ブザービート」↘13.5%(夏休みだからだよ~・・・まあオープニング主題歌もな・・・いいんだけど・・・甘い)。

で、『ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~・第5回』(フジテレビ090817PM9~)脚本・大森美香、演出・永山耕三を見た。視聴率を見て単純にいじれるのは編集である。今回は主題歌を復活させた分、先週の引きの決着がついて・・・リセットという感じになっており・・・ものすごく悪くはないのだがドライではない。演出もややあっさり・・・まあ・・・これはどちらがいいとは言えない程度。ただし・・・視聴率を狙うなら違う手があるということだ。

まあ・・・そういう姑息な部分よりも・・・近来稀に見る良く出来た脚本を楽しみたい。リピートしても面白いというドラマはそうないわけですから。

恋人の菜月とライバルの代々木(金子ノブアキ)の濃厚なキスを目撃して・・・しかも菜月と目があってしまった直輝(山P)である。ただし、お茶の間的にはすでにこの愛は第3回で決着がついている。直輝が海へ行き、菜月が代々木を自宅に連れ込んだ時点で・・・あるいは菜月が直輝のどうしようもない幼さに捨て身の攻撃を挑み直輝が小さなプライドにしがみついた時点で・・・菜月と直輝の愛はもう終ったのである。

しかし・・・当事者はまだ気がつかないという趣向である。とにかく・・・直輝は信じられない光景を見て凍るのだった。

「何してんの・・・何してんだよ・・・」って「見れば分るでしょ」とは菜月は言わない。

菜月はパニックに陥る。菜月もまた「愛が終ったこと」に気がついていないのだ。あるいは「二人の男を愛せる自信」があったり、「本気と浮気は別腹だ」と考えていたり、「現在過去未来」の区別がつかなかったり・・・とにかく気持ちは乱れるのである。

菜月はこう思う。・・・今までしてきた悪いことで私が明日有名になってもどうってことないわまるで気にしないあなたが私を知ってる・・・と。何から何まであなたがわかっていてくれる。私のことすべてわかっていてくれる・・・とも。そして離れ離れになんかなれないわ・・・と信じるのである。主題歌とは相容れない女心である。

しかし・・・「ごめん」と泣いて詫びる菜月を・・・直輝は拒絶する。

「泣きたいのはこっちなのである」・・・しかし・・・小さなプライドに縛られた直輝は菜月を責めることはできない。「ひどいよ・・・ひどいよ・・・」と泣いてすがることもできないのである。そうなると怒りは代々木に向けるしかないのである。

「オレのものだと知ってかよ」と問い詰める直輝に「女は誰のものでもないさ」と正論で返す代々木。代々木につかみかかる直輝に菜月が「私のためにケンカはやめて」攻撃である。

いたたまれない直輝は「いつからだ」と菜月に問うが「たった今よ」と口からでまかせの菜月である。ついでに代々木の口を封じるために「帰って」と追い払う。

ここで代々木に傷つけられた獣の表情が浮かぶ。早くもそこに「愛」があるフラグである。

もちろん・・・菜月は直輝を傷つけぬように見せて・・・代々木を逃がしているのである。

一方、川崎(伊藤英明)と愛が半分しかない援助交際風なデートをしている莉子(北川)。

川崎を部屋に誘い、川崎はニヤリとするが・・・部屋には麻衣(貫地谷しほり)もいれば秦野(溝端淳平)もいるのだった。その上、秦野は宇都宮(永井大)を呼ぶのである。名目が「秦野の引越し祝いの会」なのだ。川崎さん・・・それはもうデートじゃないよと全国海猿応援会が絶叫である。

そして・・・「自分だけを愛してくれていると思った恋人が他の男とキスしてた~」と乱れる心を鎮めようといつもの公園でシュート練習をする直輝。

今週の「A DAY IN THE LIFE/THE BEATLES」のインストゥメンタル挿入である。心騒ぐ一日。その夜の闇は深いのだった。一人ぼっちの直輝。そして・・・多くの人間と時間をともにしながら・・・莉子もまた一人である。

麻衣は「莉子の心にある直輝への恋心」を見抜く。しかし・・・麻衣は「恋人のいる人なんか好きにならない・・・」と言う。それはもちろん好きだということだし、「私は川崎さんをきっと好きになる」と言うのは今、好きではないということである。海猿同好会号泣である。

そして・・・インストゥメンタルが終ると夜が明け、「新しい一日」の最初に莉子はベンチで寝ている直輝を発見するのである。

もちろん・・・ここには眠れぬ夜を過ごしたもう一人の女が存在する。莉子が直輝に教えてもらった電話番号で携帯を探し出すと・・・その電話の着信履歴は菜月の名前で埋まっているのである。

直輝はコーヒーを菜月に入れてあげたいと思う。二人で居ることも出来たし、灯りを暗くして夜明けを待つこともできた。

しかし・・・それは直輝にはできなかった。何から何までわかっていてくれると思っていた相手がそうではなかったし・・・直輝ときたら上から下まで全部わかっていなかったのだ。

直輝はわからないものがこわかった。

だからとりあえず菜月を避けるのだった。

しかし・・・家族は母も姉も妹も一瞬で・・・「何かあった」と見抜くのだった。とにかく菜月と直輝の愛は物語から遠ざかり・・・バスケットボールチームのスケジュールが進行していく。

選手たちのファンダメンタル(基本事項)を整理整頓するためのシーズンを前にした強化合宿である。

その前夜・・・川崎は「今夜は朝まで一緒にいたい」と莉子を口説くのであるが・・・莉子は「それでは朝まで飲み明かそう」と交わす。

ここはもはや繰り返しのギャグなのでなんと本日二回目の「A DAY IN THE LIFE/THE BEATLES」挿入である。最初がピアノとギターのからみだったのに・・・ここではピアノのみ。これは川崎の空転を物語っているといえよう。全国海猿友の会が・・・もういいか。

本筋ではないが・・・菜月を誘って断られた快調にダブルダブル(一試合で一人の選手が得点やアシストなど評価対象のプレイを2項目で2ケタ以上記録すること)の宇都宮が麻衣を初デートに誘い、取り残された秦野が一抹の寂寥感を覚える夜でもあった。

バス旅行をして合宿開始で一同に会す直輝と菜月と代々木。しかも直輝と代々木は同室である。代々木の口から菜月との体の関係を聞き出す直輝。「もうそれ以上言うのはやめてくれ」と叫びたい直輝だった。一部特殊な趣味の者をのぞいて誰もが共感する場面だろう。

そんな・・・直輝を宇都宮は見ていた。「菜月と何かあったのか」という宇都宮の裸の問いかけに身も心も裸になる直輝。「誰だっておかしいと思うさ」という宇都宮に「えっ、そうなのか」と驚愕する川崎。今回・・・ある意味・・・川崎メインだな。

直輝を気遣う宇都宮に川崎も・・・相談を持ちかける。「オレは莉子ちゃんに愛されていないかもしれない・・・」・・・かもって・・・誰がどうみても愛されていませんからー。海猿を心から愛する人々脱力である。

さて・・・ここからは三角関係の息づまる清算となる。

直輝は菜月との話し合いに応じる。

直輝「代々木のことが好きなのか」

菜月「好きなのは直輝・・・できれば別れたくない・・・でも・・・直輝は私に本当の自分を見せてくれないでしょう・・・今のあなたは・・・未来のあなたが私を幸せにするって言うけれど・・・私は今のあなたと幸せになりたいだけなのに」

直輝「代々木は・・・違うのか・・・」

菜月「彼といると・・・我を忘れて夢中になれるの・・・ただそれだけよ」

直輝(それ以上言うなぁぁぁぁぁぁぁぁ)

部屋に戻り直輝は代々木と話し合う。

直輝「菜月を本気で愛してやってくれ・・・」

代々木「おいおい・・・お前は中学生か」

直輝「菜月は・・・淋しがりやなんだ・・・」

代々木「じゃあ・・・お前が許してやればいいのさ」

直輝「オレじゃ・・・ダメなんだよ・・・」

代々木(男として直輝に同情する)

そして・・・直輝は部屋を出る。直輝が間を置いて部屋に戻ると代々木はいない。

もちろん・・・代々木は菜月の身も心も慰めるために外出したのである。

もはや泣きそうな直輝に電話をかけてくる莉子。直輝からもらったシールでマグカップを手に入れたから。直輝の薦めでバーでのヴァイオリン演奏をしたが酔客は誰も聴いてくれなかったから。実はただ直輝の声が聞きたかったから。

莉子は直輝に演奏を聞いてもらいたかった。だから電話越しにヴァイオリンを演奏した。

そして直輝は泣きました。すぐに電話を切りました。

莉子は驚愕する。その恋愛脳は素早く回転する。直輝が泣いている。なぜ泣いた。彼女との恋が終ったから。つまり・・・直輝には今恋人がいないのだ。行かなくちゃ。直輝に会いに行かなくちゃ。次の恋人が出来る前に行かなくちゃ。電車に乗って行かなくちゃ。深夜バスに乗り換えて行かなくちゃ。バス亭から合宿所まで走って行かなくちゃ。

ほら・・・耳をすませば聴こえてくる。直輝のドリブルの音が。バスケット・シューズの鳴る音が。弾むボールの音が。体育館から聴こえてくる。この扉の向こうから。

予想外の莉子登場に思わずハグをする直輝。ふと・・・失礼なことをしていると感じるが莉子は優しく抱き返す。「大丈夫・・・もう逃がさない」なのである。

なぜなら・・・誰かがあなたの邪魔をしても・・・私はもっといいこと思いつく・・・なにからなにまで私がわかってあげる・・・あなたのことすべて・・・わかってあげる・・・なのである。

代々木と菜月・・・直輝と莉子・・・さりげなく行われる若さゆえのパートナー・チェンジ。その時・・・川崎は・・・。きっと「君が僕を知ってる/忌野清志郎」(1980年)を宇都宮と聴いていたのだ。あたかもボスとチャボの如く。

関連するキッドのブログ『第4話のレビュー

Hcinhawaii0578 ごっこガーデン。別れ話のための緑に囲まれたベンチセット。エリうえぇぇぇぇん。山P先輩かわいそうでスー。でもすがる女のいじらしさもやりましゅ~。アンナちゃん直伝逆あすなろ攻撃~はうぅん。直輝に抱かれて私は蝶になる~のでス~。ナツメロ過ぎて意味不明でしゅけど~。寝顔写真は絶対永久保存にしないとダメですyon!・・・まあ・・・心のシャッターでいつでも再生可能でしゅけれど~。ええーっ、じいや・・・直輝が泣いている間に菜月は代々木とそんなことを・・・すぐに亀雫先輩をオーダーしてくだしゃい。ハグごっこしている間にスタンバイよろしく~お気楽川崎はあれだけはぐらかされたらいい加減気がつくよね。でもそこであきらめないと意外とチャンスがあったりして・・・とついまたムダ骨を折るんだよね。直輝はもう、崖からおちてはいあがるだけだけど・・・川崎相手じゃ勝負にならないんじゃ・・・ケガとかしちゃうのかなぁ・・・まこしょっかぁ、耳がいいから足音だけで誰だか分るパターンなのねぇ~。まこは匂いでかぎわけましゅ。くんくん、朝食はフレンチ・トーストでしゅね。さて・・・川崎コーチは大人しく引き下がるのかいな~。まあ・・・それじゃ、ドラマになんないか~。草々の新妻キターっ・・・シャブリ先生・・・奥さん誰でしゅか~?」mari例の事件の取材で大忙し~・・・遅刻ですけどごっこは参加しておきますーっぼぎゃぁぁぁぁん。菜月・代々木ごっこ翠は類でお願いシマス。更新なしデス・・・放置記録は更新中デスパッションフルーツ食べてたら遅刻しました~。翠ちゃんも食べる?・・・さて第5話レビューできあがりました~」アンナあすなろ抱きはダーリンの専売特許なのぴょん・・・基本はバックをとることぴょ~ん。きゃあぁぁぁ台風接近~。きゃぁぁぁぁ地震発生~。きゃぁぁぁぁ体重増加~。じいや緊急脱出装置作動して~~~ダイエット・ルームに直行ぴょ~~~ん

Hcinhawaii0579 ごっこガーデン。早朝特訓用爽やか体育館。くうでもやっぱりオープニングがあった方がいいのよね~。決めるとこは決めてくれないと~。菜月が泣き崩れたところは予言を感じたわ~。あえてフォローすると・・・もう別れる気だけど直輝を愛してるって宥めてるっていう手なのかもしれない~。でも手近で浮気はダメ~。遠距離ならいいってわけじゃないけど~・・・直輝もこのままじゃ男らしくないぞ~ikasama4直輝は古風なお嬢様キャラなのですな。結婚するまでは純潔を守る~。貞操を守れないなら舌を噛む~感じです。菜月もまあ、男女雇用機会均等法的なオヤジギャルがアニキギャルになってきたか・・・。まあ・・・恋愛に関して絶対に妥協しないという点では菜月も莉子も乙女ですけども・・・さあ次は川崎さんが・・・チンケなプライドを・・・みのむしバレーボール韓国戦見てたら遅刻しました~。皆さん録画ミスに気をつけて~。がんばれ~川崎~私の気持ちはこちらでるるるシャブリ修斗の妻・留美さんは林希さん、「GIRL's TIME -女の子よ、大志を抱け!-」(1995年)で実質デビューの女優さんなのでありました~。金沢(小松彩夏)は叱られるばかりで文句言ったときに抜かれずまさに陰口状態に・・・がんばれ、セーラーヴィーナスあんぱんちやはり、菜月先輩、こわくない・・・はしおんちゃんかな(爆)・・・はんにゃまでお風呂に・・・マッチョじゃなかったわ~。麻衣と宇都宮は即行できてたりして・・・そのあげく宇都宮バイだったりして・・・もう話は違う方向に・・・行かないわよね~(爆)」akiやはり東京は暑いっしょ~。電話越しにヴァイオリン・・・夏なのに春のワルツの匂いがします・・・我慢していた娘が一発逆転・・・月9の王道ですねぇ・・・でもまだ中盤戦・・・恋の醍醐味はここからよねミマムオルトロスの犬ってことでギリシャ神話を読んでみました~。なんか知っているようで知らないことって多いよね~ミサト・デビル魔性の女が出ているということで来たけど・・・この程度ではちょっとかわいい女ぞな。ついでだから・・・全国の災害被災者の皆さん、お見舞い申し上げます・・・八月まだ更新なしなので

水曜日に見る予定のテレビ『麻生久美子のぼくたちと駐在さんの700日戦争』『赤鼻のセンセイ』(日本テレビ)

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2009年8月10日 (月)

大阪で生れた天地人(妻夫木聡)女の子は比べられるのが大キライ(深田恭子)

毎日、毎日、のりピー語を聞かされて洗脳されそうだ。

とにかくワイド・ショーの憶測がそろそろ限度を越えてきたな・・・。

タトゥーを入れたり、髪の毛染めたりしたら・・・覚醒剤常用の兆し・・・って高校生の生活指導かよ。

覚醒剤やめますか・・・それとも人間やめますか・・・という線でお願いします。

それにしても、社長、マンガ化されたアイドルおタクみたいだよな・・・言ってることも見た目も。

そういうギャグなのか・・・。まさか「のりピーと替わりたい」って湾岸署に電話してたのは・・・。

まあ・・・芸能事務所の社長がファンのように商品を愛するのは基本か・・・。

自分で使いたくなるようなものしか売りません的な。

で、『天地人・第32回』(NHK総合090809PM8~)原作・火坂雅志、脚本・小松江里子、演出・野田雄介を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。あらすじ五行ツッコミ五行体制復活。まあ、やはりポイントは秀俊が12才ってところですよね。まさか・・・12才を上地雄輔が演じるとは・・・なんちゃってにも程があるだろうということでございますな。去年の松田翔太13才を凌駕するなんちゃってぶりでございましたーっ。ということで書き下ろしイラスト「毛利・小早川・豊臣・名跡継承問題トリオ」が炸裂でございます。マンモスうれピー大サービスです・・・おいっ。もうりてるもとと書かれただけてあぶりをやったと読めてしまう今日この頃です。おいおい。まあ、養子縁組でお家のっとりは常套手段ですからねえ。秀吉も近衛家の養子だし、景勝も兼続も養子、小早川隆景だって養子だもの~。養子大会か・・・父親代わりや母親代わりが多すぎるのは・・・おいおいおい。そして朝鮮半島の武将たちの雄姿は完璧にスルー。とにかく天地人の行方を支配する淀の方のルーツを知りたい方は浅井三代の秘密もお楽しみください。

Tenchijin159301 で、例によって時間はうねり文禄元年~文禄四年(1595年)あたりを行ったり来たりの展開である。文禄元年に懐妊した淀の方はお拾い(後の豊臣秀頼)を生みその子が三つ子になる急行列車である。バッドトリップしそうな勢いです。おいおいおいおい。景勝・兼続主従は二泊三日の韓国ツアーに行ってきたみたいな。焼肉食べて美味かったみたいな。とりあえず現地妻は確保みたいな・・・おいおいおいおいおい。文禄元年、渡海した太閤軍はほぼ三ヶ月で朝鮮全土を制圧。朝鮮王宣祖は首都・平壌を脱出。辺境に身を潜めた。上杉勢など後続部隊も半島に上陸し、各拠点に展開する。朝鮮王の圧制に忍従の日々を過ごしていた半島庶民は太閤軍を歓迎したのである。しかし、その一部は海賊、山賊として各所に分散・・・占領軍に対して略奪目的の反乱を目論んでいた。

その事態を受けて明国皇帝は半島支援軍を派遣するとともに太閤軍に対して和平交渉を開始した。韃靼人の侵略に対処中の明国には余力がなかった。半島支援軍の郭将軍は先鋒部隊を用い平壌占領中の太閤軍肥後もっこす兵に威力偵察を試みた。

先鋒部隊は殲滅された。血まみれで脱出した戦しのびが報告する。「倭王の軍はおそろしい武器を使います・・・まずは種子島と申す西洋火縄銃を装備した部隊があり、弓矢のおよばぬ距離から鉛玉を撃ち放ちます。多くの兵が接近すること叶わず果てしものなり。そして白兵戦になるや巨大な刀を用いて斬りかかり、一閃にて十の明の兵の首が飛びまする。倭の兵は一人一人が関羽、張飛、趙雲の如き恐ろしさでございます」

郭将軍は軍師であり、外交官でもある沈大使をふりかえる。「倭奴など東海の蛮人と思いしに・・・これは如何に・・・」

倭研究家である沈大使は勢い込んで応える。「永く戦乱の続いた倭国では戦争技術が発達し、西洋から取り入れた新兵器を発展させ・・・西洋商人の語るところでは鉄砲なる新兵器の装備量は西洋にも比類するものがないほどの数と聞き及ぶ。またお互いを食い合って生き残った武者たちの戦上手もはかりしれぬもの。ここは増援を求めるとともに大砲などの秘蔵兵器を待つことが得策。そのための時間稼ぎを我が敵陣に赴き口説をもっていたしましょう」

かくて、沈大使は明国の使いと称し、占領軍に接触した。

その頃、朝鮮くのいち花姫の術中に陥った小西行長と加藤清正は花姫の気をひくために張り合い、軍事衝突寸前の状態にあった。太閤軍に下った朝鮮奴隷たちもその成り行きに困惑し、各地に集結しつつある朝鮮民兵組織に参加するものも現れた。

この情勢を分析した黒田如水は両者の和解を即すために平壌に乗り込んだ。

その行く手をはばむ花姫支配のしのびたち。しかし、謀略の鬼である黒田如水は後藤又兵衛の手の者を伏せていた。アリランを歌いながら麻薬煙を焚き朝鮮お化けに変装したしのびたちは伏兵の一斉射撃で全滅する。

報告を受けた花姫は平壌の城から姿を消す。

最前線に黒田如水が到着した頃、夢から醒めた小西行長は失策を取り戻すために沈大使の和平交渉に乗り気になっていた。

黒田如水は沈大使の文言に不実の影をたちどころに読み取ったが何故か交渉には口を挟まない。如水はまだ天下に対する野望を捨てたわけではなかったので心中ニヤリとしたのである。

そうした半島の情勢を余所に・・・肥前名護屋では太閤秀吉が歓喜していた。淀の方が男子を出産したのである。前々年に鶴松を失い、前年には母・大政所を失った秀吉の心の均衡は崩れ始めていた。

「今度は・・・寧々といえども・・・我子を殺すことは許すまじ・・・」

秀吉は大阪城に戻った。すでに北政所の放った刺客軍との戦いに疲れ果てていた大国実頼(泉小太郎)はほっと肩の荷を下ろした。すでに軒猿忍軍は半数が命を落としていた。

「実頼よ・・・よくぞ・・・茶々と腹の子を守ってくれた・・・恩に着るぞ・・・そうじゃ・・・このお拾いに・・・命の恩人の名を貰うとしようかの・・・やがて余の跡を継ぐものじゃ・・・秀頼じゃ・・・うんうん、いい名じゃ」

小太郎はそう語る太閤秀吉の目に狂気が宿るのを見た。

秀吉は景勝・兼続主従を半島から呼び戻すと京の地に伏見城を築城することを命じた。

そして・・・その目は秀頼の競争者となりえるおのれの養子たちに向けられたのである。

真っ先に目をつけられたのは・・・北政所の血縁である豊臣秀俊であった。

豊臣家にはいくつかの家内派閥がある。一つは北政所の縁者によるグループである。北政所の兄、木下家定、浅野長政がその骨格となっている。家定の子の一人が秀俊である。北政所にとって血縁の養子だった。言わば浅野系豊臣養子である。

秀吉に呼び出された家定と長政は秀吉に「秀俊を養子に出す」と告げられ絶句した。

二人の兄からその件を伝えられた北政所は「この辱めをいかにとやせん」と泣き崩れた。妹の心の闇を知る二人の兄はただ顔を見合わせるばかりだった。

白羽の矢を立てられたのは跡継ぎのない毛利家だった。それを察知した毛利家の家老・小早川隆景は・・・先手を打って秀吉に秀俊の小早川家相続を願い出たのである。

本家の血脈を守るため、鎌倉以来の名門・小早川家を秀吉に差し出すという苦肉の策だった。もちろん・・・秀吉にとっては秀俊が豊臣でなくなれば毛利でも小早川でもよかったのである。

残る豊臣には兼続がいるが・・・これは上杉家の家老なので問題はない。豊臣秀家も母で秀吉の愛妾おふくにとっては宇喜田秀家で問題はない。秀吉の弟・秀長の跡を継いだ豊臣秀保、そして秀吉の跡を継いで関白となった豊臣秀次はともに秀吉の姉・お智の子である。実質的な後ろ盾は大政所であった。

その大政所が死に・・・秀吉の冷たい眼は秀次の上で止った。

石田三成は秀吉に大阪城・金の茶室へと招かれた。

三成は京都・大阪・博多・肥前名護屋・釜山と渡り歩き疲労困憊していた。しかし、その気配は見せない。

秀吉は利休風の茶を点じる。「イエズス会のヴァリニャーノが肥前に伴天連の寺小屋を作ったそうだな・・・」

三成は秀吉が何か言い出しにくいことを言おうとしていると感じる。本題はまだ遠いのである。そういう場合は大人しく相槌を打っていればいいことを三成は知っている。

秀吉は話を続ける。「九州で南蛮の奴隷商人が出没していて・・・これは見過ごせぬ・・・しかし・・・伴天連との商いは利も捨てがたいし・・・何よりもまだ学ぶべきことが多い・・・しかし・・・伴天連は一向宗の匂いがするであろうず・・・」

三成はまたも畏まって頷く。

「余は・・・信長旦那とは違って・・・許せぬものも許してきた・・・たとえ明智が血筋で・・・伴天連であるガラシャを・・・細川が室にすることもだ。細川はまたとない味方ゆえにの。そして小六のせがれの家政が少しばかり南蛮贔屓がすぎるのも目こぼした。高山右近が前田にいるのも先刻承知だ。じゃがのう・・・そういう者たちが関白と仲良くするのは面白うないのう・・・」

三成は秀吉の本意を知った。それは淀の方のグループを主宰する自分の利にも適っていた。三成はすでに・・・関白秀次を貶めるいくつかの策謀を始めている。

利休を罠に落とすことよりはずっと楽そうだ・・・と三成は考える。あの時は主をその気にさせる必要があった。しかし・・・今回は・・・主・・・太閤秀吉はもはやその気なのである。

関連するキッドのブログ『第31話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『救命病棟24時』『恋して悪魔・ヴァンパイア☆ボーイ』(フジテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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2009年8月 9日 (日)

風鈴屋さん、ちょっと(石原さとみ)すっぴんメイク、キラリ(深田恭子)赤い水着でタコさんウインナー(水崎綾女)

巷ではサン・ミュージック祭りなのだが・・・土曜の夜はホリプロタレントスカウトキャラバン爆発である。

深刻な麻薬汚染も心配だが・・・報道の人々の目は節穴なのか・・・とも思う。

こうなる前に警鐘を打ち鳴らさないのは麻薬を甘く見ているからか・・・それとも自身が・・・。

とにかく・・・芸能は人々の心を楽しませるためにあって欲しいと願う。クスリ抜きでである。

で、『こちら葛飾区有公園前派出所・第2回』(TBSテレビ090808PM0756~)原作・秋本治、脚本・マギー、演出・英勉を見た。初回視聴率12.2%がもの足りなかったのか、生中継で視聴者参加型オープニングで主題歌である。いや、夏だし、子供少ないしもう充分だと思いますが。

本編はタイムスリップ・ファンタジーである。原作的には「駄菓子屋でアコギなビジネス展開」は重要な要素であるが、そこに昭和ノスタルジーものをからめてメルヘンに仕上げている。

タイムトラベル・システムは「サクマのドロップ」が魔法物質化して両津(香取慎吾)だけが睡眠中の夢の中で昭和39年(1964年)に実体化するというもの。ものすごいドタバタだが実は妙に説得力がある。

一度現代に帰還した両津は過去で遭遇した「恋」のために再び過去に戻ろうとするが、その方法がコールド・スリープによって永遠の眠りにつき、夢の中で過去に戻るというユーモアのある展開。一種の逆転の発想だ。だってコールド・スリープは未来へ行く方法なのである。

もちろん、時間が円環だとすれば・・・果てしないコールド・スリープによって一巡した時間の果てのちょっと過去に到達することは可能なのである。

さて・・・その原動力となるのが・・・45年後には渡辺えりになってしまう石原さとみの演ずるモエコである。未来に渡辺えりが待っているとしてもそれを無視して石原さとみに萌えるのが男子たるもののあるべき姿なのだな。

さて、前半は駄菓子屋改造計画で・・・麗子(香里奈)と中川(速水もこみち)がセンスと財力にものを言わせてラスベガスな駄菓子屋を披露する。このあたりのビジュアル展開は素晴らしいと思う。

そして・・・過去で出会う石原さとみのモエコは久しぶりにブリブリのブリっ子全開である。クラブでブリブリするのとは違うのである。

2002年ホリプロタレントスカウトキャラバンでピュアガールなグランプリを受賞した石原さとみを彷彿させ可憐さだ。さとみ、かわいいよ、さとみなのである。

その魅力にメロメロになる両津勘吉・銀次(ラサール石井)親子もおかしいし・・・モエコの初恋の人が若大将・加山雄三本人だというオチもおかしい。まあ・・・完全に客層違うけどな。今回は旬のコントとしてオードリーが登場。やはり芸人はこの程度の登場が望ましいのである。

夢のまた夢で「昭和の駄菓子屋王」を妄想する両津の幻想は無声映画仕立て弁士は山崎バニラである。

はっきり言って楽しいです。

関連するキッドのブログ『第1話のレビュー

で、『華麗なるスパイ・第4回』(日本テレビ090808PM9~)脚本・君塚良一、演出・岩本仁志を見た。一方、こちらはなんとなく・・・チープさで笑いをとろうとしてただのチープになってしまっている感じが漂う。

今回は学校のプールを舞台に映画「007 サンダーボール作戦」の水中活劇が展開するという趣向。非常に微妙だが次の点は評価したい。

①主人公・京介(長瀬智也)の飛び込みのシーンのポーズがワイルドで素敵である。明らかに腹を打っており体をはっている感じがする。

②ドロシー(深田恭子)がすっぴんメイクで水着となり泳ぎを披露する。さすがは1996年のホリプロタレントスカウトキャラバンでPURE GIRLなグランプリを受賞した深キョンである。ドラマの完成度が段違いとは言え、「ブザー・ビート」のヒロインが海まで来て水着にならないのに大女優が惜しみなく水着なのである。この女優の魂に誰か応えてくださいよ~なのである。深田キョンかわいいよ深キョンなのである。

③そしてなんといってもシスターミキこと後輩・水崎綾女の演じる女スパイ・ミイナである。堂々たる水中アクション。そして赤い水着の敏感な部分に京介の水中麻酔針を受けて悶絶なのである。さすがは2004年のホリプロタレントスカウトキャラバンでヤングサンデー賞受賞なのである。ピチピチなのである。綾女かわいいよ綾女なのである。

ちなみに少女兵として登場するなんちゃって女子高校生はミイナ(20)、カオリン(22・「トイレの花子さん」の水谷妃里)、モモ(24・「湯けむりスナイパー」の小雪こと谷桃子)、レイ(non-no専属モデルの高橋絵美)である。みんな頑張った。

まあ・・・そこまでなんだよな・・・せっかく吉澤総理(渡哲也)が精力絶倫でいたるところに隠し子ありみたいなナイス設定があってもそれがお笑いまでは届かないのである。

たとえば・・・元アイドルで政府の仕事もやっているような女優が覚醒剤に汚染されているとして・・・それが選挙直前の権力の空白期間にターゲットとなり、警察が一気に独走態勢に入る。そのスキャンダルには当然のように外交問題を含む政治問題がからみ、セレブと呼ばれる人々の闇の部分も問題になる。その中で薬物使用の現行犯は回避したが逃走の間に自宅が無防備になり始末したはずの証拠がでてきたり、逃走中もうっかり服用したりしてタイミングを逃がしたり、警察も生かさず殺さずで情報の小出し。本来なら組織の末端で話題にならない小者が血縁を理由にさらされ心理的圧迫。出頭すれども黙秘権。固唾呑んで見守る交友関係。いざとなったら口封じ。元をたどれば在日工作員とか・・・そのくらいスリリングな現実があるわけである。ドラマはもっともっとスリリングにするべきだろう。

たとえば「国際規格」をめぐる戦いがあって、そのテレビ・ドキュメンタリーがあるとする。ドラマの中では標準化競争に遅れをとる日本が・・・超高圧の送電技術を開発。それを「国際標準」と承認することを拒むドイツなどのヨーロッパ諸国との駆け引きが展開され孤立化し窮地に立つ日本。しかし、そこで巨大な電力市場を持つ中国に協力を求めついに承認にこぎつける・・・めでたしめでたしという話だが・・・結局、日本にとって中国はなくてはならないパートナーだから敵対してはいけないという結論で・・・番組のスポンサーは中国政府だった・・・というのが国際関係の醍醐味なのである。

そういう普通のシリアスを物語らないで・・・人情喜劇に持ち込まれてもスカスカ感が耐え難いのである。

「京介・・・あなたは本当は心の優しい人・・・」とかドロシーに言わせるようなストーリーしか書けないんでしょうか。書けないならそれはそれで仕方ないかもしれない。

お茶を濁し続けるがいいさ。

関連するキッドのブログ『第2話のレビュー

月曜日に見る予定のテレビ『ブザー・ビート 崖っぷちのヒーロー』(フジテレビ)

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2009年8月 8日 (土)

限りないものそれは欲望(滝沢秀明)野獣保護するべし(錦戸亮)私のことを話せば命はありません(木下あゆ美)

闇の世界に触れれば人々は暗い気持ちになる。

だが・・・時にはギラギラした気持ちを感じることもある。

情報も麻薬の一種だからだ。

暗闇に潜むものたちが誘惑の手を常にのばしていることを人々は忘れてはならない。

しかし、世界が闇に飲まれれば用心も無意味になる。

悪を認めることと悪を許すことの境界線は常に霧に包まれている。

で、『オルトロスの犬・第3回』(TBSテレビ090807PM10~)脚本・青木万央、演出・今井夏木を見た。『ケイゾク』『QUIZ』『弁護士のくず』などの演出家である。どちらかといえばスタイッリッシュだがオーソドックスにまとめる場合もある。今回はややスタイリッシュな感じ。超能力という言葉が挿入されるように・・・この物語にはスーパーナチュラルな部分があるわけだが、特にエロス(生)の手を持つ竜崎(滝沢)が神出鬼没な場面でスタイリッシュさが窺われる。なお、神の手をキッドはエロス(生)で語ってきたが、「死んだものは復活できない」「自分自身は治せない」というように能力が明確になってきたので・・・ここからはアポロン(治癒)の手と呼ぶことにする。さらばエロスの手である。まあ、タッキーはアポロンぽいのでよろしいでしょう。エロスが「生」であったり「性」であるように、太陽神アポロンは医療神でもあるのです。さらに言えば医療神にはアポロンの息子・アスクレピオスもいるがタナトスとつりあいがとれないからな。ちなみにアスクレピオスの杖には蛇が巻き付いている。竜神の巻きついた十字架とはテザインが相似しているのだ。

元・高校教師の涼介(錦戸)がタナトス(死)の手を使うことに怯み、そのために教え子・加奈(波瑠)の母親(朝加真由美)が野獣の勝(八乙女光)に刺されてしまう。

苦悩する涼介がベンチに腰を下ろすといつの間にか竜崎がすわっている。

涼介「・・・おまえは何をたくらんでいるんだ・・・」

竜崎「オレのせいか・・・お前が力を使わなかった結果じゃないか・・・」

涼介「・・・」

竜崎「人として扱ってはならない人がある。野獣を飼いならすのは困難なんだよ」

竜崎はアポロンの手を使い勝によって傷つけられた涼介の手を治癒する。

そしてふと気がつくと・・・竜崎は一瞬で消えている。

この辺りの描写が・・・スタイリッシュである。

つまり、スーパー・ナチュラル・ホラーの香りがするのだ。

今回も①涼介が自首すると言い出す ②病気の子供を抱える母親が「絶対に神の手にはすがらない」などと叫ぶ・・・とおやおや・・・という場面がある。

しかし・・・①涼介は「さわるだけで人が殺せるなんてありえない」ととぼける。②どうやら娘の病気の治癒を願うために竜崎の走狗である勝を逃がす・・・という場面が対になるため、鼻白むまでにはいたらない。

もちろん・・・刑事・渚(水川あさみ)の発言は「竜崎をおびき出すためのトリック」である可能性もあるのだが・・・それは次の話である。

自然な心の流れとして今回は辻褄があっている。この辺りがオーソドックスなのである。

先に述べた究極の選択以外にも今回は最近、躁状態の演技がやや鼻につく高畑淳子の演じる榊大臣が心臓発作に倒れ涼介が「あなたを治したら・・・あなたは何をしてくれる?」と問いかける場面がある。

榊がどういう答えを用意するのか楽しみだが・・・それも次の話である。

この程度の含みのもたせ方は許されるところだろう。

相変わらず警察は無能だが・・・せっかく加奈が復活したのに・・・なにやってんだ・・・だが、この辺りも許容の範囲におさまってきた。・・・というか慣れた。

涼介が電話で龍谷村について父親に尋ねると母親は動揺して皿を割る。涼介が生れる前に夫婦は龍谷村を旅行したらしい。それはともかくその場面で、妹の志穂(河北麻友子)は食事中である。志穂は登場すると必ず食事中なので太る可能性がある。

そして・・・渚の娘(熊田聖亜)に「おじさん」と呼ばれ竜崎は心が深く傷ついたのだった。

安全な死体を相手にたどたどしくクールを演じる観察医・前園(原田夏希)にラクダの警察庁理事官・沢村(佐々木蔵之介)は「そろそろ自分の死の危険がある生きたゲームに参加しないか」と煽る。ラクダは生を実感するために死ととなりあわせであることを求めるタイプであるらしい。

だから・・・あえてタナトスの手を持つ涼介と握手をしてみるのである。

まあ・・・お茶の間的には二人の手のサイズ違いや身長差に驚愕したかもしれないが。

この辺りはスタイリッシュといえばスタイリッシュだがベタといえばベタだ。

ミダスはバッカスの片腕である森の精霊シレノスをもてなし、「ふれるものを黄金に変える手」を手に入れる。最初は食べ物まで黄金となったり、娘を黄金の彫刻に変えてしまったりと難儀をするが・・・雑用を黄金で雇った召使にさせれば事足りることに気がつき満足する。必要は発明の母であり、気分を変えればなんとでもなるということだ。もちろん、神話なので別のヴァージョンもございますけれど。悪魔は金万能主義者なのでこのヴァージョンをこよなく愛するのです。

関連するキッドのブログ『先週の金曜日のレビュー

で、『み屋本舗REBOOT・第5回(第三話「地獄の姉弟・前編」)』(テレビ東京0908072412~)原作・栗原正尚、脚本・川嶋澄乃、演出・石井永二を見た。ファースト・シリーズからの脚本家登場である。十二月田猛臣(前田健)登場回だからか。それとも木経姉弟の回だからか・・・とにかくその手のキャラの描写力抜群なのか・・・。

例によって「ニュース24」でキャスター大橋未歩が伝えるのは「行列のできる人気ラーメン店・武藤製麺所が風評被害で廃業の危機にある」ということである。・・・今回は・・・おい、それを報道するのか・・・とツッコミを入れてもらいたいらしい。

客で賑わう「武藤製麺店」に新人アルバイトの祐天寺がやってくる。しかし、祐天寺の常軌を逸したふるまいに店主の誠(鈴木浩介)が注意をすると「拙者をいじめるのか」と激昂。白髪ネギを店内にぶちまける大騒ぎ。満員の客が逃げ出す始末である。

疲れ果てた誠が自宅アパートに戻ってくると同棲中の婚約者・早瀬アヤ(矢沢心)が家出仕度をして待ち構えている。インターネット上に「誠の浮気現場」が掲載されていると言うのがその理由だった。見ればそれは明瞭な合成濡れ場写真だった。

何者かが誠に悪意をもった攻撃を開始しているのである。

翌日も店にやってくる祐天寺。ネット上には「幻の魚スープのレシピが鼻水入り」などと公開され・・・レシピを盗んだのは祐天寺らしい。「悪質な嫌がらせだ」と警察に通報しようとする誠だが、祐天寺は動ぜず「そんなことをしていいのかな・・・あんた昔・・・あるものを盗んだだろう・・・」と嘯く。何か思い当たるところのある誠は電話を切る。祐天寺は嘲笑しながら「バイト代」と称してレジから金を奪っていく。

進退の窮った誠の元へ「怨み屋本舗」の名刺が届く。

怨み屋(木下)と商談に入る誠。事情を聞いた怨み屋は「警察に通報すれば・・・」とアドバイスするが「婚約中なので穏便にすませたい」と明らかにごまかすのである。

怨み屋は「祐天寺の社会的抹殺・・・料金は100万で」と答える。誠は「高い」と言うが明らかに低価格である。・・・これは裏がある証拠だろう。

ともかく「私の正体を他人に言ったら命の保障はない」と念を押しつつ「しかるぺく」請け負う怨み屋だった。明らかに色気を感じて怨み屋の手を握る誠。

しかし・・・その場面を盗撮する女がいた。

女は木経透子(播田美保)という恐ろしい女だった。その呪力が頂点に達すると室内灯をショートさせるほどの静電気を発生させるらしい。ちなみに演じるのはソニン主演ドラマの「いちばん暗いのは夜明け前」(2005年)で沢木刑事を演じた異相の女優である。このドラマは映画「富江」の監督・及川中によるゴシックホラーだが・・・沢木刑事は怪物ではなくておびえる側なのである。ユーモアあふれるキャスティングだったわけだが今回はストレートだ。

そして、祐天寺は偽名で招待は透子の弟・木経薫(六角慎司・・・オルトロスの犬に出演中の六角精児(本名・山地克明)とは別人である・・・見ればわかるわ)だったのである。

しかも・・・木経姉弟は誠の隣室に住んでいた。

木経家家訓は「やる時は徹底的にやれ・・・傷つけられたら相手を地獄につき落とすまでやり返せ・・・」であり・・・木経透子は誠に何かを盗まれた過去を持つらしい。おそらく・・・それは「心」か「金」で・・・そうなると・・・まだ別の「線」が隠されていることになるだろう。

新・情報屋(加藤雅也)はおばちゃん(小野敦子)のハイライトをくゆらせながら「他人をかえりみない自分勝手な人間は珍しくない」というが木経姉弟はさすがに限度を越えているようだ。

その手の人にはその手の人ということで先代情報屋から伝授されたマニュアルにより「マクロイン王国の前世を持つ正義のおタク・十二月田召喚」である。

怨み屋から「薫は前世がババリアン星人の手下」と告げられ「尾行」を命じられた十二月田は驚異の身体能力で積極的追跡を開始する。

薫は姉のご褒美を得るために下剤胡椒作戦を実行。さらに行きずりのカップル(つぶやきシローを含む)と悶着を起す。カップルの部屋に放火した薫に正義の一撃、「改心光線」を放った十二月田だが・・・薫に逆襲され放火魔として誤認逮捕されてしまう。

木経姉弟恐るべしである。

怨み屋は呆れつつ・・・なぜか依頼者の誠の身辺調査を進めるのだった。

その頃・・・透子は「怨み屋と誠の盗撮写真」を使い、婚約者・アヤの追い出しに成功する。

「あんたのおかげでアヤが家出した」とクレームをつける誠だが「あなたは何かを隠している」と切り返す怨み屋。

一方、東京ベイテレビの星影記者(長谷部瞳)は「怨み屋の存在する証拠」を求めていた。彼女は板橋西署の刑事から渋谷南署の寄木刑事(きたろう)の噂を聞きだすことに成功する。そして寄木刑事は病院で第2話の新聞記事をチェックしていたのである。

とにかく・・・「怨み屋本舗」は十二月田がからむと三倍面白いのだった。

在りし日をしのぶキッドのブログ『酒井法子の出張料理人 最後の晩餐届けます

夫婦で常習。

夫が現行犯逮捕。任意同行を拒否して逃走。

尿検査による陽性反応回避を試みるために失踪。

実子を巻き込んで行方不明工作。

家宅捜索によるストローなど吸引器具と覚醒剤押収。本人のだ液特定。

夫が妻の覚醒剤使用を暗示。

山口組系指定暴力団に属する実弟の覚醒剤使用発覚をリークされる。

周辺関係者の証拠隠滅の時間稼ぎ終了。

自白の範囲を検討。

保護から犯人隠匿に立場を変えた匿い先から弁護士と出頭。

容疑を認める。が、否認。それはもはやしたたかレベルか。

逃走に際し痛恨のミスを犯しているが鮮やかな手口と言わざるを得ない。

容疑者も捜査関係者もである。

果たして幕引きは氷山のどこまでなのか。

日曜日に見る予定のテレビ『天地人』(NHK総合)『官僚たちの夏』(TBSテレビ)『トランスポーター』(テレビ朝日)

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2009年8月 7日 (金)

捨てた子供にビンタかよ・・・極道だねえ(黒木メイサ)夏服は手縫いで(佐伯日菜子)

番場の村から忠太郎が出たよ~瞼の母に命の母よ~叫ぶかけ声「おっかさん」~と言えばザ・モップスの「大江戸冒険譚」だが・・・誰が知っているというのだ。

草彅剛は長谷川紳の「瞼の母」を2008年に世田谷パブリックシアターで演じている。

「瞼の母」は博徒である番場の忠太郎が生き別れた母親おはまを捜し求める股旅ものの傑作である。忠太郎は母と再会して冷たい仕打ちを受けるのだが・・・「瞼を閉じれば優しい母の顔が浮かんでくる・・・」と泣かせるのである。

だから・・・今回の彦一の気持ちはすでに心に出来ているのである。

一方、子供を捨てて男と駆け落ちした母親役は倍賞美津子・・・名前はさくらである。

「瞼の母」は昭和5年(1930年)に発表されてからおよそ80年・・・ヒットを飛ばし続け、さまざまにパロディーも生み出してきた。

美津子の妹・倍賞千恵子が寅さんの妹・さくらを演じた「男はつらいよ」シリーズでは第2作でフーテンの寅が生みの親のお菊(ミヤコ蝶々)をたずねるシーンがある。寅次郎(渥美清)もまたお菊に冷たくされ笑わせるのである。

まあ・・・そういう王道な展開で涙をしぼりとりにきたのである。

ちなみに不慮の死を遂げた故・大原麗子は倍賞美津子と同い年だ。すべては歳月だ・・・。合掌。

で、『任侠ヘルパー・第5回』(フジテレビ090806PM10~)脚本・古家和尚、演出・石川淳一を見た。介護施設「タイヨウ」運び込まれた老人・小澤(上田耕一)は半身不随で気難しい男だった。小澤は早く妻を連れて来いと怒鳴り散らす。小澤の妻・さくら(倍賞美津子)は老々介護に疲れ・・・自殺未遂をして入院していた。先輩ヘルパーの和泉(山本裕典)に連れられてさくらを見舞った桜吹雪の彦一(草彅)とブクロのりこ(黒木)の任侠ヘルパーペアだったが・・・さくらを一目見るなり彦一の顔色が変わる。

「忘れたかい・・・28年もたってるからな・・・子供を捨てて・・・今度は男を見捨てて逃げるのかい・・・」

「・・・彦一」

さくらは彦一が七歳の時に夫と子供を捨てて男と逃げた実の母親だった。

母が去った後まもなくアルコール中毒の父親は死に、彦一は親戚をたらいまわしにされ・・・そして気がつけば任侠の徒になったのである。

母への思慕と怨みとで自分を抑えきれない彦一だった。

やがて退院したさくらは施設に現れ、夫の世話を始める。

まだ生い立ちの定かでないメイド・ヘルパー美空(仲里依紗)は「実の母子なんだから・・・話し合えばいい」と彦一にアドバイスするが・・・事情を知ったりこに「あんたに何がわかるんだ・・・」と釘を打たれる。

ちなみに月(直輝・菜月・莉子)火(ルカ・真琴・香織)水(赤鼻・白衣・シルク)とつづく三角関係だが木はりこ・美空に加えて若年性認知症に悩む羽鳥(夏川結衣)も参加して彦一もてもてである。

その羽鳥に「親を捨てた私だけど・・・子供に嫌われたら辛いんだ・・・」と告げられ悩む彦一。

しかし・・・母を奪った男に寄り添う母を見てインナー・チャイルド爆発である。

「子供を捨てて、どんだけ楽しい人生送ってきたか・・・聞かせろや」

養護施設の憩いのひとときをぶちこわす息子の頬を張るさくら。

あまりの仕打ちに母恋しさに流れ流れて幾年月の彦一は泣きじゃくりながら飛び出すのだった。

しかし・・・直後に母親が介護疲れで倒れると母をおぶって夜の街を走り医者をたたき起こす彦一だった。

病室で彦一にわびる母。「どんなにか・・・お前を迎えに行きたかったか・・・でも病気して・・・あの人にも苦労かけて・・・いつの間にやら・・・こんなことになったのさ・・・母ちゃんを許しておくれとはいわない・・・ただ・・・お前にはあやまりたかった・・・それに一目お前をみただけで私はうれしくて・・・もう一度生きようと思ったんだ・・・」

母の無事を小澤に知らせた彦一は小澤にも「君の母親を奪ってすまない」と謝罪される。

しかし・・・彦一は「母の面倒を見てくれて・・・ありがとう」と礼で応じる。

例によって立ち聞きのりこも思わずもらい涙なのだった。

まあ・・・せっかくトイレに連れて行ってもらったのにパンツを下ろしてもらえなかった小澤は粗相確実だけどな。

やがて小澤夫妻は去り・・・彦一の心の傷は少し和らいだようだ。

そして・・・羽鳥涼太(加藤清史郎)は毎日グラタンを作り始めた母に・・・恐怖を感じるのだった。まあ・・・キッドは好きなものなら毎日でも平気だけどな・・・そういう問題じゃなくっ。

関連するキッドのブログ『第4話のレビュー

              『春さらば

で、『ヒロシマ 少女たちの日記帳・昭和20年4月6日~8月6日』(NHK総合090806PM8~)脚本・演出・岸善幸を見た。連日・・・深夜には「兵士たちの戦争」と銘打ったドキュメンタリーが放送されているわけだが・・・夏だと言うのに戦争ものが少なくないか・・・と思う今日この頃である。しかもこの作品はBSでは1時間50分のプログラムなのに45分のダイジェストなのである。

作品は広島県立広島第一高等女学校の1年生の日記を元にインタビューなどを交えた擬似ドキュメンタリードラマ。少女スターを多数そろえ・・・淡々とその日常を追っていく。

高等女学校1年生はほぼ現在の中学1年生である。つまり・・・彼女たちは1945年4月に高女に入学し、日記を書き・・・そして恐ろしいカウントダウンが行われているのも知らず、人生の素晴らしい季節を春から夏へと生きていくのである。

4月、5月、6月、7月、8月と悲劇の時に向かって生きていく少女たち。

入学早々、副組長に選ばれた石堂郁江(森迫永依)は親友の中本雅子(甘利はるな)とささいなことで絶交するが・・・たちまち仲直り・・・盲腸の手術をした雅子が身動きできなくなって「今、空襲があれば死ぬ他ないねえ」と言えば「私がおぶって逃げるから大丈夫よ」と請け負うのである。

すれ違った男子に恋をした郁江は授業で習い覚えた手旗信号で川をはさんだ土手の上から自分の名前を告げるという微笑ましくも切ないエピソードも残す。

梅北トミ子(山田夏海)は幼い妹の世話をして昼寝の時に胸に置かれた妹の手のぬくもりを日記に書き残す。

物資が不足し・・・夏服は古着を使った縫い直しである。指導する教師を演じるのは貴重な佐伯日菜子だった。

自ら裁縫した夏服を来た少女たちは軍事目的の作業に借り出される。

しかし・・・色とりどりの制服はかえって鮮やかに郁江の目に映るのだった。

あまりにも平穏に時は流れていく。しかし、昭和20年8月6日午前8時15分は無情に訪れるのだった。郁江はその朝も建物疎開の作業に従事した。建物疎開とは空襲により重要な施設に火災が広がるのを防ぐために一部の家屋を解体し除去する作業である。

少女たちは夏服を汚さぬように脱ぎ・・・周辺に置いた。そこは広島に投下された原爆の爆心地からわずか600メートルの地点だった。作業に参加した223人の少女たちは全員が彼岸へと去った。

残されたのは・・・被曝した夏服だけだったのである。

盲腸手術後の痛みのために作業に参加しなかった中本は生き残った。

郁江の恋の思い出についてコメントを求められる老いた中本は「本当にそういうことが・・・あったなら・・・よかったなあと思います」と涙ぐむのだった。

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土曜日に見る予定のテレビ『華麗なるスパイ』(日本テレビ)『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(TBSテレビ)『真マジンガーZ』(テレビ東京)『リミット・刑事の現場2』(NHK総合)『クライマーズ・ハイ』『夏帆のオトメン(乙男)・夏』(フジテレビ)

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2009年8月 6日 (木)

人生150年まだまだこれからね(香椎由宇)バランス悪いよね(八木優希)

水曜日のダンスは・・・

「 9係の夫」13.5%↘13.3%↘12.2%・・・・・・・↗12.3%↗13.2%

「芝生の妻」11.4%↘*9.8%↘*9.0%↗10.2%↘*9.2%↗*9.8%

「赤鼻のセンセイ」・*9.4%↘*8.9%↘*8.2%↘*7.9%↘*6.9%

芸能人がらみの事件発生で「報道ステーション」19.0%、実際面白い「爆笑レッドシアター」16.2%を敵にしているとはいえテレビ東京の「ウォーターワールド」(なんどめだ)*7.2%をも下回る「赤鼻」・・・。「夫婦」がそろってあげているのに・・・。まさにダンス崩壊である。

で、『赤鼻のセンセイ・第5回』(日本テレビ090805PM10~)脚本・高梨一起、演出・吉野洋を見た。四人目の脚本家投入である。このあたりまではすでにオンエア前に進行している可能性があり・・・すでに企画編成段階(番組を誰がどのように作るかの方針決定)で道を踏み外していると言える。小児医療と義務教育の複雑な問題とそれにまつわる人間ドラマを描くのに脚本家それぞれの個性をまぜたら危険です。

もちろん・・・大泉洋というちょっと変なキャラクターで冒険ファンタジーを作る上では問題ないのですが・・・そんな番組を見たいお茶の間は・・・少数派に決まってるだろうが。

今回も「長期療養」が必要で、症状が重いために「夏休みの一時帰宅」もできない子供たちを連れて郊外までバスでハイキングに出かけるというファンタジーです。

急性骨髄性白血病で入院中の中学生・和田(須賀健太)は病状が悪化。父親(山崎一)を呼び出した白衣の医師(香椎由宇)は「死」を含む深刻な状況を告げるが、父親は「本人には告げない方向」を要望する。

「ウソでも明るい未来を信じてもらいたい」と願うからである。

白衣がもっとも危惧するのは・・・お調子者の赤鼻の教師(大泉)がこの事態に対応できるか否かであった。

シルクの教師を交えて会議を開く白衣。

しかし・・・シルクは白衣の要請に味方するどころか・・・「本人に事実を知らせないこと」に異をとなえるのだった。「けれど・・・親御さんの意志は尊重します」とあくまで大人である。

「無理に明るくするとウソが見抜かれるし急に真面目になってもおかしいし」と赤鼻は和田との接し方に悩む。

そんな折に「課外授業」の日程が浮上し・・・和田が行きたがっていた「秘密の黄色い海(ひまわり畑)」へのハイキングが計画される。

しかし・・・小中合同で課外授業の当日・・・和田の容態は急変。

課外授業を中止しようとする大人たちに和田は「ボクの代わりに見てきて」と甘える。

任務遂行のために現地を訪れた一行。しかし・・・土地開発のためにひまわり畑は工場に姿を変えていた。和田の入院仲間である八重樫はわずかに残された空き地に・・・ここに和田の宝物が埋まっていると言って発掘を開始するが喘息の発作に倒れる。

赤鼻は子供たちを先に帰し・・・一人発掘作業を開始する。かなり長時間を要する描写である。

なんとか危機を脱した和田に帰院した八重樫は「黄色い海は本当に凄かった」と優しいウソをつくがシルクは「工場が建って跡形もなかった」とミもフタもない事実を告げる。シルクには人類は皆現実と向き合うのが正しいという信念があるからである。

気まずいムードの中・・・時系列的には瞬間移動したとしか思えないタイミングで帰ってくる赤鼻。掘り出した雑菌一杯のタイムカプセルを化学療法中の和田に手渡す。そこには和田のともだちたちの書いた30才から150才までの和田宛ての手紙が封入されていた。

赤鼻「どうだ・・・もう読んじゃうか?」

和田「長生きして・・・その時に読むよ・・・」

と和田が一番のウソツキになるという話である。

・・・なんていうか・・・いい話なのかどうかもよくわかりません。

だってドラマそのものがウソっぽいんですもの・・・。

海に行きたかった糖尿病の小学生・森村(八木優希)の願いは軽くスルーされてるし。

・・・そこかいっ。

関連するキッドのブログ『第4話のレビュー

金曜日に見る予定のテレビ『怨み屋本舗REBOOT』(テレビ東京)『コールセンターの恋人』『メイド刑事』(テレビ朝日)『タッキー&錦戸亮のオルトロスの犬with水川あさみ』 

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2009年8月 5日 (水)

永遠の闇より来たり、一瞬の光にて逝く、我はヴァンパイア(中山優馬)あんた日光OKじゃん(桜庭ななみ)

文学少女が救いがたいのは自分が少数派だと知らない場合である。演劇少女がこれに順ずる。さらに言えばそういう少女系・・・基本メガネっ娘に萌えるおタクもごく少数派だということだ。

そういう系統の人々は「櫻の園」で痛い目に遇うのである。テレビを愛する一般人はけしてお耽美だけで生きているわけではないからだ。

ドラマはなんとなく・・・放課後演劇の延長線上にあると考えたら大間違いですから~。校庭で白球を追いかけた人も即行で学習塾に向かった人もゲーセンでたむろした人もお茶の間化されることを忘れてはダメなのです。

火曜日のドラマ対決は①「小島楓」↗13.4% ②「恋して悪魔」↘*5.3%

ほらね~。まして・・・ヴァンパイアの基本をおさえていない・・・つまり底の浅い・・・文学知ったかぶり少女の書くものには少数派でさえ・・・背を向けるのである。

で、『恋して悪魔~ヴァンパイア☆ボーイ・第5回』(フジテレビ090804PM10~)脚本・小川智子、演出・都築淳一を見た。脚本がふりだしに戻りました。一応・・・修正されたヴァンパイア・システムは残り・・・「人間なんて餌に過ぎない」が合言葉のカイト(近藤真彦)が「血を吸って仲間(ヴァンパイア)にすればいい」と前言撤回です。

こうなると「生まれついてのヴァンパイア」であるルカ(中山)の出生の秘密が気になるところ。しかし・・・そこに気が向く筋立てにはなっていません。

そして・・・鏡に映るルカはごはんおかわりの雑食野郎で悪夢を見てうなされ好きになった女性の血を吸うことに罪悪感を覚える困ったちゃん。

ヴァンパイアとしてのロマンのかけらもないよね。

だからご飯に合掌しちゃう仏教徒が十字架を畏れる意味が分んないって言ってるのさ。

・・・気をとりなおして・・・今回はメガネっ娘ではない演劇少女・香織(桜庭)が「吸血鬼ドラキュラ」を原案に書き下ろした劇中劇「恋におちたヴァンパイア」と・・・英語教師・真琴(加藤ローサ)の教材である「シェイクスピアのロミオとジュリエット」が交錯してルカの心情を描いていくという趣向になっている。

「ロミジュリ」からは「薔薇の名前が薔薇でなくても花は甘く香り茎には棘があることに変わりはない」という「人の作ったルールと神の御技は無関係」的諫言が提示される。

それは「敵対するものに芽生えた愛」を肯定化する常套手段。黒人と白人が結婚したっていいじゃない。キリスト教徒とイスラム教徒が結婚したっていいじゃない。自民党員と共産党員が結婚したっていいじゃない。教育委員会と日教組が結婚したっていいじゃない。ヴァンパイアと人間が・・・ということである。

ルカ「そしてロミオとジュリエットはどうなるの?」

真琴「恋に溺れて死んだフリをするつもりが行き違って本当に死ぬの、まあちょっと間抜けな心中ものよ・・・シェイクスピアって基本、喜劇だから・・・うひょっ」

一方で「恋におちたヴァンパイア」では超然とした存在であるヴァンパイアが人間から見れば忌み嫌われる怪物であることが主張され・・・「孤高」だったヴァンパイアが「孤独」に気がつき思い悩むという主題が提示される。

「自分は一人ぼっちじゃないと思っていたから・・・淋しくなかった・・・でも・・・あなたと出会って・・・自分が孤独だったと知ってしまった・・・もうあなたなしでは生きていけない・・・ボクは寂しすぎて死んでしまう碧いうさぎ・・・なのさ」展開である。

胸きゅんですか。こんなもんで胸きゅんできますかーっ。

ちなみに「恋に奥手な女性と恋に積極的な女性を登場させ、その比較で登場人物の性格を強調しつつ男性との運命の出会いから始まる恋の物語」という恋愛ドラマの基本形は今回、月・火連続で使用されている。

月曜日は莉子・菜月・直輝がこれをやっていて、火曜日は真琴・香織・ルカでやっているのである。

三角関係に二つの三角関係を足す展開も常道で・・・

月曜は川崎・莉子・・・直輝・・・菜月・代々木という構図。

火曜は理事長の息子・真琴・・・ルカ・・・香織・クラスメートという構図である。

同じ「手」を使ってここまで「出来」が違うのはいい教材となるでしょう。

まあ・・・主役軸が「生徒」と「女教師」という「手」を使っていたり、クラスメートが香織に香織がルカに「片思いの連鎖」という「手」を使っていたり、そりなりに装飾されているのですが・・・なんといっても肝心の「ヴァンパイア・システム」がぐだぐだなので・・・です。

激しい痛みが体を電光石火でつらぬき、はみだし者の赤い血がカラッポの世界を染めることもなく・・・ためいきロカビリーです。

関連するキッドのブログ『第4話のレビュー

木曜日に見る予定のテレビ『ヒロシマ 少女たちの日記帳』(NHK総合)『猿ロック』(日本テレビ)『黒木メイサの任侠ヘルパー』(フジテレビ)『東京少女大政絢』(TBSテレビ)『科捜研の女』『ダンディ・ダディ?』(テレビ朝日)・・・夏か・・・戦争もの・・・真夜中に追いやられて・・・哀れだ。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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2009年8月 4日 (火)

売れ残った8番を買いました(北川景子)濡れ場のち修羅場(相武紗季)ブザー・ビート・セレナーデ(山下智久)

イギリスのロイヤルリズム&セントアンズGCでカトリーナ・マシューが今季メジャー最終戦「全英リコー女子オープン」を勝った。出産後10ヶ月目の勝利である。39歳の二児の母は自身初のメジャータイトルを手にした。

「もう・・・メジャーのタイトルは遠ざかっていくものだ・・・と考えたこともあった・・・」とマシューは語る。

ゴルフというスポーツが年齢を問わない傾向が強いとはいえ・・・先週米ツアーで初優勝した宮里藍は24歳。15年後までプレーを続け、その間にメジャーのタイトルを獲得し、二児の母になる保証はない。

人は時にはそれさえも運命と呼ぶ。

運命とは自由意志と敵対する言葉である。人が自分の運命を選択しているのか・・・それともただ選択させられているのか・・・その答えは実は風に吹かれている。

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「コールセンターの恋人」↗*7.4%(心霊写真で人情怪談である)、「オルトロスの犬」↘*9.4%(究極の選択でしのぐ)、「メイド刑事」↗*8.2%(岩佐真悠子でしのぐ)、「魔女の宅急便」13.7%(なんどめだ)、「ゲゲゲの鬼太郎」11.4%(なんどめだ)、「怨み屋本舗R」↘*3.9%(解決篇でさげるとは・・・)、「こち亀」12.2%(ネタ的には順当な数字・・・在宅率低し)、「華麗なるスパイ」↗*8.5%(韓流ネタではなく韓流おちょくりだがもう区別がつかない)、「リミット」↘*4.7%(若村麻由美のダブルブッキング痛し)、「ゲゲゲの千年呪い歌」13.6%(はじめてだ)、「オトメン・夏」*9.6%(魔女裁判から*0.9%あげ原作分か)、「天地人」↘19.6%(ちょっと面白かったからな)、「官僚たちの夏」↗*8.3%(国産コンピューターの幻想)、ついでに「ブザー・ビート」↗14.1%(う~んスリリング)・・・以上。

で、『ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~・第4回』(フジテレビ090803PM9~)脚本・大森美香、演出・西浦正記を見た。夕陽の海岸を一人歩く直輝(山P)は菜月(相武)からの返信メールを待っている。直輝の心にはまだ花が咲いているのである。結婚話のもつれから口論をしてしまった直輝と菜月。しかし「ちょっと気が弱いけど素敵な人だからあなたと同じ青春を走っていきたい・・・あなたについていきたい」と菜月は思っている・・・と直輝は楽観している。直輝の心の岸辺には赤いスイートピーが咲いているのだ。だが・・・スイートピーの花言葉は思い出・別離・旅立ちである。

一方、直輝がバスに携帯電話を忘れた男の人だったと「二人の運命的出会い」を親友の麻衣(貫地谷しほり)に熱っぽく語る莉子(北川)。麻衣はその電話を受け取りに来たのがコーチの川崎(伊藤英明)だったことから「直輝を川崎と莉子のキューピッド」と判じるが・・・莉子の不服そうな顔を見て・・・「まさか・・・直輝が運命の人だと思いたがってるの?」と問いただす。莉子狙いの川崎を莉子に譲った気分の麻衣としてはそれはあってはならない展開である。

「直輝くんを好きじゃないと自分に言い聞かせ、川崎さんを好きだと言え」と莉子に自己暗示作戦を指示。

揺れる莉子は「川崎さんが好き・・・」をくりかえすうちにもげっとなるのだった。

そこへ現れた川崎・・・タイミング的には「恥ずかしくもうれしい登場」だが・・・一瞬早ければもっと気まずい場面である。運命の神の采配おそるべしである。

「ふたまたをかけられたことによって恋に臆病になっている」はずの莉子がどんどん「ふたまた方向」に走っていくところが絶妙なのだな。

川崎・宇都宮(永井大)と莉子・麻衣が帰る算段をしているところにやってくる直輝。

そこに菜月からメールが届く。「会いたい・・・」直輝の心には菜月という花の香りが届く。直輝はまだ愛の中にいる・・・少なくとも自分ではそう思うのだった。しかし・・・愛されたあの日々はもはや遠ざかりつつあるのだ。

直輝の到着を待つ菜月はすでに新しい愛のゲームを始めている。

もちろん・・・二つを同時に所有するのは楽しいが・・・確かな一つを手にいれるのも大切だ。昔の愛とこれからの愛の中間で菜月は駆け引きを始めている。代々木(金子ノブアキ)は「直輝と別れないのか」と問う。「別れない」と菜月は答えるが「あなただって本気で始める気はないでしょう」と問い返す。代々木は冷蔵庫からペットポトルの水を口のみしてマーキングを施しながら「ああ・・・その気はない」と答えをはぐらかすのだった。

もちろん・・・二人はすでにその気なのである。その証拠に菜月は「コップで飲んで」とは注意しないのだった。とりあえず最初は男の好きにさせる・・・というのが菜月のいつものやり方である。そのやり方をしている以上、菜月はすでに代々木を愛し始めている。

直輝が代々木が退散した菜月の部屋に到着するとそこには夏の夜のカナブンが紛れ込んでいた。

直輝は虫を捕獲して夜空に放つ。直輝と菜月は悲しみに包まれている。しかし、菜月は愛が消えた悲しみを感じ・・・直輝は愛が消えそうな気配を悲しむのである。

夜空に舞う星に願いをこめて・・・直輝は「君が優しくしてくれるから・・・甘えていた・・・」と謝罪する。菜月は「私はコートで輝くあなたのプレーを見たい」と告げる。それはあなたがしっかりとつかまえていればこんなことにはならなかったという詰りを含んでいるが・・・結論は先延ばしにする言葉である。菜月はもはや直輝を愛していないが・・・直輝に対する優しい気持ちは残っているのだ。

しかし・・・直輝は「ようしがんばるぞ」とおどけて筋トレを始め・・・ベッドの下に代々木の残していったサポーターを見出すのだった。

自宅に戻った直輝は「部屋にいたのは虫だけではなかったかもしれない・・・」とおどけて不安をごまかそうとする。しかし・・・スポーツ選手としての直感は菜月の部屋に別の男の気配があったことを主張する。直輝は懊悩するが・・・再婚者と結婚した姉の雪乃(ちすん)が夫が昔の妻から猫を預かったことが不服で里帰りしているため・・・ゆっくりと悩んでもいられないのだった。

いつもの公園に行くと莉子がモーツァルトのセレナーデ第13番を奏でている。いわゆる一つの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク(小夜曲)」である。ショッピングモールでのミニ・コンサートに友人のピンチヒッターで出演するために練習中なのであった。

「麻衣のコンサートのように立派な場所ではないので・・・とても招待はできない」と語る莉子。その莉子の視線を受けて直輝の心は落ち着きを取り戻し・・・シュートは狙いを外さない。「あなたの練習を聞いていたい」という莉子の何気ない言葉にも心が躍り出すのを感じる直輝。「音フェチ・・・なの・・・」とおどけてみせる。

夏の女神にいつでもキスができると思っていてもいつの間にか夏は終っているものだ。

抱き合って溶け合う瞬間の前に・・・いつかきっと思い出すことになる胸に残る時を過ごす直輝と莉子だった。お茶の間は誰もが莉子が直輝を「好きになってしまった」ことを知っているが本人はその気持ちをなるべくそっとしておきたいのである。しかし・・・そっとしておこうとすればするほど気がかりなのである。

好き・・・じゃないよね。ともだち・・・だよね。

菜月に仲直りの口実として「NBA(北米のプロ・バスケットボール・リーグ)にも行くし・・・オリンピックにも出るし・・・チームも優勝させる・・・そのつもりで頑張る」と夢のような抱負を控え目に語った直輝だったが・・・全日本チームの強化合宿に招聘されたのは宇都宮と代々木だった。

バーのマスターで直輝の昔のチームメイトであった陽一(加藤慶祐)は菜月に「直輝は日本代表に選抜されなかったのか」と問う。菜月は酒とタバコの向こうで「最近の成績では無理に決まっているじゃない」と吐き捨てるのだった。結構、二人は気安いので陽一は菜月の直輝の前の彼氏かもしれない。

チームに残留したメンバーはファン感謝イベントに参加する。直輝の所属チーム「JC ARCS」の中で宇都宮が人気者であることを示すために登場する直輝の妹・優里(大政絢)の友人のなんちゃって高校生・秋田(杉本有美・炎神戦隊ゴーオンシルバー)。宇都宮のキャラクター・グッズが売り切れ寸前なのに・・・大量に売れ残る直輝グッズ。今回の「崖っぷち」念押しポイントである。

しかし・・・その哀れさに・・・来場した莉子は激しく心を揺さぶられるのだ。

ショッピングモールでモーツァルトを弾く自分と・・・キャラクター・グッズが売れ残る彼。

似ているよねぇ・・・なのである。

そんな莉子を優しく抱擁しようとする川崎。しかし・・・そこに莉子を紹介したいと言っていた川崎の昔からの悪友(平山浩行)がやってきて・・・「昔は女をとっかえひっかえだったが・・・そろそろ固い女とつきうと宣言して・・・無理だというオレたちと10万円の賭けをしたお前だったが・・・こんなにいい女を捕まえたとはさすがだな・・・」である。

「そういうつもりだったんですか・・・」と自分の心の中の躊躇はさておき・・・傷つく莉子。

「お前なんだって・・・あんな説明っぽい長いセリフを・・・ひどいじゃないか」と川崎は文句を言うが悪友は「昔、お前に女を盗られた復讐だ」とつれないのだった。まあ、それじゃあ、しょうがないな。

涙に濡れて会場を去る莉子を目撃した直輝は「友人」として莉子に慰めの電話をかけるのだった。それは「川崎は悪い人ではない」と弁護しつつ「そう言った自分がウソツキではない」と弁明する要素を含んでいる。とにかく莉子はもげっなのである。麻衣の慰めよりも直輝の言葉の方が効くのだった。

そして休日。母親(真矢みき)の誕生祝のプレゼントを姉妹とともにショッピングするために街へ出た直輝。

逃れられない運命というものが・・・直輝に「莉子の名前のあるポスター」を発見させる。

そして・・・買い物客の行きかう通路上のホールで演奏する莉子を発見。ふと思いついてなけなしの金でひまわりの花一輪を買った直輝だったが・・・そこに麻衣から連絡を受けた川崎が薔薇の花束を持って現れる。直輝は一瞬で身を引き、ひまわりも近くの子供に与えてしまう。相手は男の子だけに危険な行動と言えなくもない。

ちなみに真紅の薔薇の花言葉は「あなたを情熱的に愛している」、向日葵の花言葉は「あなたを崇拝しています」である。

ここで今週の「A DAY IN THE LIFE/THE BEATLES」のインストゥメンタル挿入である。

花束を受け取った莉子に川崎は「賭けをしたのは本当だし・・・最近親が入院したりして・・・そろそろ身を固めたいと思ったのも本当だけど・・・あなたに会った時に運命的な出会いを感じたのも本当なんだ・・・」と聞きようによっては少しも弁解になっていない弁解をするのだった。しかし・・・莉子は演奏を聞きにきてくれた感謝の気持ちと・・・川崎に運命的出会いを感じていない後ろめたさで・・・川崎と一時的な和解を選択する。それが「本当は運命的な出会いの直輝もこっそり聞いていて黄色いひまわりの人になったことを知らない莉子の人生のある日」だったのである。

もちろん・・・「よかったじゃん」とつぶやいて立ち去った直輝は少し悲しい気持ちを抱いていた。

しかし・・・サポーターが代々木の忘れ物であったことを菜月から聞き出し不自然に思い、サポーターを使用しなかったためか代々木が選抜合宿で軽い負傷・・・そのニュースをただならぬ様子で見つめる菜月に不審感が生じる直輝にとって・・・それは衝撃の準備運動のようなものだった。

それでもチームに合流した代々木の負傷の具合を案ずる直輝。

代々木は「優しすぎるといつか大切なものを奪われる」と率直な意見を返すのだった。

お茶の間だけが知っている運命の手は・・・子供の気まぐれか・・・あるいは機転でひまわりを莉子の手に届けていた。

忘れ物をとりに戻る途中で偶然会った莉子の口からそのことを知った直輝の心には優しい気持ちが蘇るのだった。灯は消える前に一際輝くものだ。

直輝「化粧してるときれいだな」

莉子(恋は盲目なのできれいだしか耳にはいらないのでテンションあがる)

直輝「オレたちは夢をあきらめないでがんばろう・・・オレはキミをずっとずっと応援するよ」

莉子「うん、私はおばあちゃんになってもヴァイオリンを引き続けるよ」

直輝「・・・(おじいちゃんになったらバスケは無理かもしれないと考えて言葉につまる)」

そして・・・莉子は・・・直輝は運命的な友人であって・・・「好きではない」とまたしても自分に言い聞かせるが・・・結局・・・「好きなのだ」とついに悟ってしまう。その瞬間、デート相手の川崎はサーカスにはピエロがつきものなのさ状態になりつつ・・・にこやかに手をあげるのだった。

そして運命のロッカールームでは・・・ケガのために弱った風を見せる代々木に・・・菜月は優しい表情を浮かべ・・・心のこもった接吻を交わすのだった。

やがて忘れ物をとりにきた直輝は愛されたあの頃が遠ざかる瞬間を目撃するのだった。

はたして・・・待っているのは修羅場なのかそれとも愁嘆場か。とにかく愛している男はいつだって悲しいものと相場は決まっているのである。

さて、桑田佳祐の『悲しい気持ち (JUST A MAN IN LOVE)』(1987年)は松田聖子の『赤いスイートピー』(1982年)へのアンサーソングだと妄想できる。キーワードは「心に咲いた」と「心の岸辺に咲いた」であるが連続して聞けば関係は明瞭である。そして今回はこの2曲がドラマのベースであることは瞭然なのである。そもそも、主人公が「知り合った日から半年過ぎても手も握らない」ような、自分がふられたくせに「泣くのはやめて愛しい女性よ」とふった方をなぐさめかねないようなジェントルなキャラ設定なのである。

もちろん・・・ドラマの中盤で母親が「あなたたちには幸せな結婚をしてほしい」とあえてしんみりと語るように離婚による母子家庭化が主人公の恋愛観に陰影をつけていることも明らかである。

直輝もまた恋愛にはどこか臆病な側面を持っている。それは生き方にも波及し、選手としての成績にまで関係しているだろう。しかし・・・そういう心の襞の懐疑を乗り越え・・・プロとして成功したり・・・明るい家庭を築いたりするのもありえることである。

マシューの傍らに優しい笑顔の夫が寄り添うように。ハッピーエンドだって成立する。それが運命なのかどうかは別として。

関連するキッドのブログ『第3話のレビュー

Hcinhawaii0576 ごっこガーデン。夏だ浴衣だバスケ祭りセット。エリはうぅん・・・ついに衝撃・電撃・痛撃の浮気現場目撃です。ああ。ドラマとはいえ山P先輩があんな悲しい場面に出会うなんて・・・はうぅんでスー。もう、莉子ごっこではそっとよりそうドキドキ青春プレイ。菜月ごっこでは大人のハード・プレイ・・・一粒で二度おいしいドラマなのですyon!・・・そして今週は夏の浴衣サービス・デイ。金魚すくいはどこでしゅか~。わたアメはどこでしゅか~。ガンダムのお面はどこでしゅか~お気楽莉子はもげっパワー全開だよね。直輝はどうすんのかな~。また逃げ出すのか・・・それとも優しく許しちゃったりして・・・そんで菜月はその優しさにまた怒り出しちゃったりして・・・経験ある人は思い出して鬱になっちゃったりしてくう浮気現場っていうか・・・本気現場・・・あの場には愛があったような・・・気がします。一方・・・お茶の間全員が気がついているのに莉子だけが気がついていなかったことに気付いた莉子・・・川崎さん・・・取り残されるの?シャブリ「結構重要な場面でテロップ攻撃。もう怪情報飛びかってますな・・・まあ・・・報道価値があるから報道するんでしょうけど・・・現場の意地とかはないのでありますなーっ。スキで赤信号。キスでフリーズ。はてさて・・・来週は激昂ありの模様なのでありました~mari私もそろそろバスケで輝く直輝が見たいですねぇ。ポイントゲッターになってほしいなぁ。菜月は・・・ハハハ・・・誤解よ・・・ぶつかっちゃって・・・とか丸め込むのかなぁ・・・ホントにぼぎゃぁぁぁぁぁんデスヨ。更新なしデス

Hcinhawaii0577 ごっこガーデン。逆光のロッカールーム・セット。まこひぇぇぇぇ。さすがはエリ姉ちゃん、この場面もごっこするのですか~。なんだか亀梨先輩と山P先輩でリアルに未来予想図でしゅ~。ごっこを越えるプレイ?・・・ちりとてちん夫婦の接近遭遇にはうぅんでごじゃりました~アンナキャロルが解散したからってロックンロールはおわらねぇってじいや火事の現場見てたの?・・・矢沢的にはどうなの?・・・スマスマぴょんikasama4莉子の前では疲れを知らない子供のような直輝・・・菜月の前ではちょっとかたくなになってしまう直輝・・・人は人によって変わるのですな。だから本当の自分なんか探しはじめるとキリがないっていう話なのですみのむし川崎さんがんばって~最後まで応援するよ~・・・奇跡を信じて~るるるモノクロームの少女を観に行ってたら遅刻しました~。暑中お見舞い申し上げます~・・・今レビューできました~aki人間動物園見てたら遅刻っしょー。夏はとりあえずビール、イェ~イ・・・レッスン行くよ~。キス現場を見られても上手くごまかすくらいが大人の愛のテクニックですよ~」ミマムやっぱり東京は暑いね~。突然、小説トライアングルを読んでたりして・・・アームバンドはごまかせてもホットキッスはね~ちーずじいや、早起きね~。とりあえず先週分をリンクしておいて~、あらすじはおさらいが大切なのよ・・・四話できました~廉と直輝のライバル・コースもありですね~二人の男に一人の女ですし~あんぱんちそうなのよね~・・・自分は一人も持ってないのに二人も持っていたらミニスカで踊るいけすかない気取った女って言いたくなる麻衣(爆)・・・SPORTS FESTA2009で浴衣組、ヘソだし組が激しく入り乱れるのよ~。青いマグカップは一個なのかしら~。前半で1個。後半で1個でペアになるのかしら~。来週は入浴サービス・・・あるかもよ~(爆|∇ ̄●)ο

水曜日に見る予定のテレビ『赤鼻のセンセイ』(日本テレビ)

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2009年8月 3日 (月)

椿咲く春なのに上陸作戦天地人(妻夫木聡)寧々めぇぇぇぇぇ(深田恭子)姫の心姫のみぞ知る(比嘉愛未)

北政所を良妻と見るか悪妻と見るかで評価の分かれる今回。

キッドは豊臣家を嫉妬に狂って滅亡させたのは北政所と観測しているので・・・淀の方のパートに関する限り・・・今年初めて「大河ドラマ」を見た気分になりました。

今までのすべての茶々を越えて深キョン茶々は真実に一番近い場所に到達しています。天才だな。

いや・・・寧々信者の皆様にはとんでもない描写の連続かもしれませんけどーっ。

で、『天地人・第31回』(NHK総合090802PM8~)原作・火坂雅志、脚本・小松江里子、演出・片岡敬司を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回はあらすじが12行も・・・まあ・・・一部ツッコミまじりですけど。確かに鶴松暗殺から秀頼懐妊まで北政所と淀の方の確執は丹念に描かれていましたからな・・・その間に朝鮮全土をほぼ制圧した太閤殿下軍の武将たちの華々しい活躍は全く描写なしでございますけどねーっ。そして今回は直江家の家紋の秘密大解説。まあ・・・家紋なんてものは人によっていくつも持っていてなんの問題もないもの・・・意匠ですからな・・・しかし商売がらんでくると地元商店街目の色変わってきます・・・。まあ・・・そういう騒動にうかうかのって・・・ありえない家紋に到達する美術スタッフ、衣装担当の皆さん・・・お疲れ様です。さらに愛妾不足にお嘆きのあなたに秀吉愛妾の基礎知識解説付きです。まあ・・・秀吉にただ一度お手つきになった姫から馴染みになった姫まで英雄色を好むの代名詞ですからな。秀吉が切支丹禁止を発したのは一夫一婦制度を推奨するからではないかとまで疑えます。戦国終焉も近いのに戦皆無の大河ドラマ・・・時代を遡って戦三昧の朝倉宗滴の秘密もお楽しみくださいませ。

Tenchijin159201 さて天正20年(1592年)である。鶴松の死と秀吉の朝鮮の出兵を結びつける発想は多いが・・・そもそも秀吉は鶴松の生前から着々と開戦準備を進めている。兵員輸送の船舶は一朝一夕でできるわけもなく、すでに九州統一戦以前から建造が始まっているのである。そもそも、李氏朝鮮と倭王家(天皇家)は断交していたわけではなく、開戦寸前まで外交は継続されていたのである。ただし・・・秀吉は李氏朝鮮王家に「無条件降伏」に近い要求をつきつけておりそれを朝鮮側が受諾しないことも想定内だったのである。侵略の中継地となる対馬の宗王家は寸前まで朝鮮王家と倭王家に二重服従の形をとっていた。かっては朝鮮王の侵略を撃退するほどの実力を持っている宗王家だったが・・・太閤軍の進駐に関しては無条件で傘下に入っている。李氏王朝と倭王朝(太閤軍)の戦力分析をして宗王家が太閤軍の勝利を疑わなかったことは間違いない。すでに太閤直属の水軍は何度か実地演習を試みている。そして朝鮮に将も兵もないことを確認済みなのである。また暗殺された千利休の意図するほどではなかったが半島勢力への調略も進行しているのである。

朝鮮王・宣祖は倭王の侵略意図について朝議を開いたが議論百出実りはなかった。朝鮮宮廷では東人・西人による内部抗争が続いており、太閤秀吉が「宣戦布告」を朝鮮の外交官に行った後もその真偽をめぐり、議論が起こるほどだった。朝鮮宮廷に出廷していた倭王朝の外交官が退去して・・・はじめて秀吉の本気を信じたのである。

しかし、その時、秀吉軍は博多~対馬を経由して半島上陸を開始していた。すでに釜山周辺は太閤軍に降伏し、上陸作戦は無抵抗で成功した。第一軍指揮官・小西行長は後続の到着を待たずに進撃を開始したほどだった。

文禄の役とは後世の呼び名である。その証拠に作戦開始から作戦のほぼ終了時までは天正20年の出来事である。その年の瀬に後陽成天皇の即位となり元号は文禄に改まる。

天正20年四月に上陸を開始した太閤軍は破竹の勢いで進撃。五月には加藤清正が漢城(現ソウル)を占領し、六月には黒田長政が平壌を占領する。宣祖の悪政にあえいでいた民衆は歓呼の声で太閤軍を迎えたのである。

宣祖は命からがら北へ北へと逃亡していた。

半島の戦況を早船で戻った忍びより博多城で聞いた秀吉は表情を変えなかった。すべては予定通りの作戦経過である。釜山周辺には進軍ルートをはずれた全羅道を本拠とする朝鮮海賊・李舜臣一味が出没し・・・輸送船団に若干の被害を与えていたが、秀吉自慢の戦艦群には敵対する実力はなかった。後に英雄と祭り上げられる李舜臣だが太閤軍の海での被害は基本的に熱帯性低気圧によるものである。しかし、それらも想定の範囲内だった。

半島からの忍びが退出すると京・大阪の情勢を探ってきた飛騨の忍者・赤影が姿を見せる。

「鶴松様暗殺の手配はやはり・・・北政所様によるものでした・・・」

赤影のその一言で太閤の顔に一瞬朱がさした。

「・・・つまらぬことをするものよ・・・あの悋気持ちは・・・性懲りもなく・・・」

才色兼備で並々ならぬ内助の功を示す秀吉の正室・北政所はただ一つの欠点を持っていた。それは石女で・・・それゆえに生じる尋常ではない嫉妬だった。秀吉はすでに何人もの子を北政所に殺されている。しかし・・・・浅野長政、加藤清正、福島正則など・・・秀吉の直属の武将を育てたのも北政所である。秀吉の出世の半分は北政所の実力によるものであり・・・男としては耐え難いことも耐えねばならぬ秀吉だった。北政所は秀吉自慢の忍び衆さえ半分を握っているのである。目の前の赤影さえも・・・うかつには信用できなかった。北政所の悪行を報告する忍びさえも北政所の手の内なのかもしれなかったのだ。

茶々と鶴松の安全を思い・・・淀城まで構築しても北政所の魔手を逃れることはできなかったのである。

おそらく・・・と秀吉は思う。熱田の忍びにも三成配下の甲賀衆にも北政所の息がかかっているに違いない。そういう秀吉の暗澹とした気持ちを少しも察する様子もなく赤影は報告を続けた。

「大阪城では春日(はるひ)姫と京極姫の間でも確執が起こっておりまする」・・・春日姫は信長の娘で蒲生氏郷夫人の妹である。京極姫とは京極竜子で・・・春日は織田の血筋で、竜子は浅井の血筋で淀の方の従姉妹になる。逆に言えば秀吉は三人の従姉妹同志を側室にしていることになる。織田も京極も浅井も秀吉にとっては主筋につながる血族である。秀吉はその血族に憧れ・・・そしてその血族の生み出す容姿に魅かれていた。

その秀吉の愛を競う女たちは当然・・・葛藤を抱えるのだった。

秀吉はせわしなく考える。次の淀の方の子供を守る手立てを・・・である。淀を育んだ京極もだめ・・・母系である・・・織田も・・・蒲生も危険だ。そうなると・・・後は・・・真田・・・あるいは・・・。

赤影が去ると・・・小姓が豊臣兼続を呼び入れる。

兼続の用件は出陣願いであった。連戦連勝を続ける太閤軍の噂に・・・後陣の兵どもはしびれを切らしていた。とりわけ兼続は文弱の徒だった。朝鮮半島にある漢籍の輝きに誘われているのである。

「・・・小西は商人・・・清正や政長は武辺者・・・貴重な韓や唐の文物が灰燼に帰すのではないかと・・・この兼続・・・気が気ではありませぬ・・・一刻も早く渡海の沙汰を・・・」

秀吉は漢籍狂いとなった兼続を呆れた目で見た。もちろん・・・秀吉も唐ものには目がないために兼続の気持ちは分るのである。しかし・・・秀吉の心痛は別のところにあった。

「・・・兼続よ・・・息子とみこんで・・・この父に頼みがある・・・京に残る大国実頼・・・いや泉小太郎と・・・越後の軒猿衆を・・・この太閤に貸し与えてくれまいか・・・」

兼続の目が光る。

「・・・どなたか・・・ご懐妊でございますか・・・」

秀吉は思わず膝を打った。

「さすがは・・・兼続よのう・・・」

その頃・・・半島の北端ではついに蛮族の女真族に庇護された宣祖が一人の朝鮮忍びを呼び出している。金花姫・・・李王朝につかえる朝鮮くのいちの長だった。

「もはや・・・倭の軍の将軍に・・・賄賂を送る他あるまい・・・利で釣れるものがあるかのう」

宣祖は身分卑しきくのいち相手にすがるように問う。

金花姫はひれ伏して答えた。「しかるべく・・・国を売るものはどの国にもおりますれば」

関連するキッドのブログ『第30話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『緊急SP救命病棟24時~救命医・小島楓』『恋して悪魔・ヴァンパイア☆ボーイ』(フジテレビ)

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2009年8月 2日 (日)

こちら葛飾区亀有公園前派出所はこち亀でいいですか(香取慎吾)葛飾って下町じゃなくて田舎だよね(香里奈)

宮里藍が3位タイで最終日を迎えるとか世界水泳ローマ200メートル女子・背泳ぎで寺川綾が涙の8位入賞だとかまで含めると・・・もう土曜日は死亡です。

「華麗なるスパイ」の韓流スターを目指す付き人スヒョン(ヘリョン)の韓流ドラマおちょくりすぎとか、地上波初の「ゲゲゲの鬼太郎・千年呪い歌」の鬼太郎夜話ぶりとか、「リミット」と「土曜ワイド」に若村麻由美タブルブッキングだとか・・・話題にことかかない・・・土曜の夜である・・・「夏帆のオトメン(新)」とかもあるわけだ。

しかし・・・聞こえてくるのである。SMAPナンバーワン・コスチューム・プレイヤーの歌声が・・・。

こち亀でいいじゃん。こち亀でいいじゃん。こち亀でいいじゃん。・・・こち亀でいいか。

今週の「華麗なるスパイ」はコチラを→まこお嬢様の華麗なるスパイ

で、『こちら葛飾区有公園前派出所・第1回』(TBSテレビ090801PM0756~)原作・秋本治、脚本・マギー、演出・英勉を見た。「こち亀」が人情喜劇であっても原作者を含め問題はないらしいがキッドは「こち亀」はドタバタ喜劇であってもらいたい。ハチャメチャでディープで刹那的でスラップスティックで原作者が山止たつひこであったいかがわしさこそが「こち亀」の魅力でいいじゃん・・・なのである。まあ・・・あくまでお茶の間様的に~。

なにしろ「少年チャンピオン」の「がきデカ/山上たつひこ」(1974年~)のパロディーである「少年ジャンプ」の「こちら葛飾区亀有公園前派出所/山止たつひこ」(1976年~)なのであるから。

がきデカが・・・少年警察官であるように・・・少年のような警察官が両津勘吉である。

面白いのは・・・少年警察官が架空の存在だったことに対して実在できる少年のような警察官は現実的存在で・・・本家である「がきデカ」が消滅したた後にもパロディーの方が命脈を残し・・・未だに存続しているということである。

「がきデカ」は忘却の彼方に消え・・・「こち亀」は今も生きているのである。

さて、葛飾区といえば一応東京都であるが、江戸時代には下総国であった。だから葛飾区住民は江戸っ子とは言えないことを断言しておく。そういう意味では東京の下町というのも憚りがあるのである。

だから劇中で神田明神(國村隼)の息子・寅次郎(劇団ひとり)が「江戸っ子なんてキライだ」というのは相当に屈折したセリフであることが分る。寅次郎の親たちは「江戸っ子」だと言っているが本当は「下総国の田舎の子」なのである。まして・・・「東京の下町」と言えるのは中央区・千代田区・文京区・江東区・台東区・墨田区まで。荒川を越えた川向こうは東京下町じゃないだろうという・・・本家・下町の蔑視に耐えた「葛飾の在」の僻みのなせる心理なのであるよ。もちろん、隅田川を越えたら東京下町とは言えないというさらに特権意識もございます。その場合、深川は例外という特別ルールもあったりします。・・・あるのかよっ。

「まあ・・・柴又よりは亀有の方がお江戸に近いよな・・・中川のこっち側だし・・・」という目くそ鼻くそ的な考え方もありますがその差徒歩15分ですからーっ。

地球規模のインターネット時代にローカルな話題はもういいじゃん。日本の中の東京都の葛飾区は東京の下町でいいじゃん。江戸っ子でいいじゃん。・・・ま、いいか。

さて・・・もちろん・・・「こち亀」は一部おタクのバイブル的存在でもあり、横丁のご隠居さん的口さがないおタクたちが目を光らせており・・・あーだこーだとのたまうわけです・・・お前もな。

なにしろ・・・ざっと見渡しても・・・「ガンマニア」「ミリタリーおタク」「サバイバルゲームおタク」「ラジオ・コントローラー」「コンシューマ・ゲーマー」「モデラー」「リカちゃんコレクター」「ロボットアニメヲタ」「コミック作家フリーク」「寿司マニア」「やねせんトラベラー」「スーパーカーマニア」「ミニカー・コレクター」「切手収集家」「なぎら健壱ファン」・・・もういいか・・・おタクの棲息するありとあらゆる分野に手を出している意地汚さです。

キッドが関係する分野だけでも「テレビ番組における視聴者参加番組主題の擬似企画もの」というジャンルがあり・・・今回の「地元のお祭りを巻き込んでテレビにイベント企画を売り込みタイアップで一攫千金を狙うシリーズ」に「亀有神輿キャノンボール」は位置しています。これは結局・・・両津の原点の一つである「サバイバル・ゲーム・プレイヤー」の発展系です。同じ趣向で「ものすごいトライアスロン」とか「ものすごい我慢大会」とかが展開するわけです。もちろん、それがドタバタであることは間違いなしです。

さてさて・・・当然、おタクたちの両津に対する愛着も尋常ではありません。大抵のおタクは両津の中に自分を見ているので・・・自分とちょっとでも違う両津には拒絶感覚があります。

リアルな両津ということでは・・・初代せんだみつお(1977年映画版)やアニメ版声優で舞台版のラサール石井が先行し・・・彼らはみな・・・チビでずんぐりむっくりな中年男というイメージを拡大しています。まあ、少年たちは大人にくらべれば皆チビというのが一般的ですから、両津はチビというのは定説です。。

これに対して今回の香取慎吾は推定180~182cmあるために「両津(チビ)じゃねぇぇぇぇ」という大合唱は当然、日本全国の主にチビから沸き起こるのですが・・・チビか非チビかはあくまで相対的なもの。

「こち亀」で長身の代名詞はもちろん中川巡査。これを演じる速水もこみちは身長およそ186cmなのです。つまり・・・もこみち中川と比べると慎吾両津は「チビ」なのです。

ちなみに両津は35才ヴァージョン(現行)と36~39才ヴァージョン(初期)があり、すでに実年齢32才の慎吾は30代として年齢問題もクリアしています。子供から見れば32才も39才も中年男ですからーっ。

だから・・・慎吾両津にはまったく問題なし・・・。

さて、カトリーヌ麗子はスリーサイズが問題になってきますが・・・まあ・・・香里奈ですので不問とします。ちなみに劇団ひとりをつまみあげるOL(岩佐真悠子)は上から83-58-86です。岩佐・・・初回ちょい役ゲスト女優として定着なのか。昨日はメイド刑事に出てたけどな。「ウェルかめ」がんばって。ヒロイン、「エリヤン」の春菜ちゃん(倉石カナ)かよ~。

ビッグゲストの北野(ビートたけし)・・・たけしさんも62才か・・・バケツかぶるところなんかまだまだひょうきんだよね。「なんだ、このやろう」や「冗談じゃないよ」とかを慎吾が言うくらいでもよかったかな。なにしろ元祖・ニセ下町芸人だからな(足立区は当然、東京下町ではありません)・・・。

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月曜日に見る予定のテレビ『ブザー・ビート 崖っぷちのヒーロー』(フジテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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2009年8月 1日 (土)

無邪気であることは罪ですか?(錦戸亮)時と場合による(滝沢秀明)充分に苦しませて実質的殺害(木下あゆ美)

ねえ・・・オルトロスってそんなにすごい怪物じゃないよね。どっちかっていうと前座だよね。

いや・・・そうともいえないぞ。英語で言えばオールとロスだからな。オール(全て)とロス(喪失)は生と死の暗喩とも言える。ギリシャ語では「最短距離」でこれは「生と死」の哲学的境界線を示していると言えるしな。

だじゃれじゃん。それに「と」ってなんだよ。「と」って。

オルトロスは右の頭に毒牙を・・・左の頭に薬牙をもっていたのかもしれん。

右の頭を後回しにする左脳優位論かしら。

まあ・・・所詮、オカルトだからな。俺たちのように本当に二頭の苦しみがわかっておらん。もうイキタイと思っても気がそろわん時のじれったさを一つ頭は想像もしないのだから。

あんたが早すぎるんだよ。

何をー。

怪物の母「これこれ・・・兄弟ゲンカはやめなさい」

で、『オルトロスの犬・第2回』(TBSテレビ090731PM10~)脚本・青木万央、演出・加藤新を見た。前回の登場人物がみんなバカの後遺症はややあるが・・・今回は伝奇的ミステリとしてはなかなかに見応えがあるものになっていた。

渚(水川あさみ)は今回も刑事として少しは格闘術の鍛錬をせんかっと上司に説教してもらいたい脆弱さである。

悪い大学生・熊切勝(八乙女光)に組み伏せられる体たらくである。

そのピンチを救うのはエロスの手を持つ竜崎(滝沢)だった。

竜崎はナイフで勝を刺し、あわてた渚が救急車を呼びに行ったり一人で戻ってきたりと無意味に右往左往するうちに姿を消す。渚・・・うろたえすぎである。

竜崎は勝を通じてベアーズ製薬の社長にコンタクトをとる。

「この力が本物なら・・・あんた何してくれる?」

竜崎のコミュニケーションは基本的に契約交渉で「力の誇示」「要求」である。

渚の恋人・正人(忍成修吾)は今回はもしもエロス(生)の手を持ったらどうするかという渚の質問に答える。

「病人を次々と治して神様として崇めてもらう」

渚はそんな正人を嫌いになっちゃいそうになる。喘息の娘・澪(熊田聖亜)をかかえるシングル・マザーは「病気の治癒」に対して屈折した心情を持っているらしい。

まあ・・・正人がベアーズ製薬の研究員である以上、ダーク・サイドに堕ちる可能性は高い。なにしろ、演ずるのが忍成である。「任侠ヘルパー」祖母虐待の麻薬の売人。「スマイル」でビトを死刑に。「魔王」逆恨みするチンピラ・・・こんな役ばかりだからな。

一方、目を開いたが意識を確認できない女子高校生・加奈(波留)の見舞いに訪れた元・担任教師の涼介(錦戸)の前に現れる竜崎。

「人を殺してお前を逃がしたんだから教え子を助けてくれ」とは言わずに「何しにきたんだ・・・」と喧嘩腰である。

「通りすがりだよ・・・」とスパム・コメンテーターのように冷酷な竜崎である。

ここから・・・病院を舞台に・・・二人の禅問答が展開する。

①死病にとりつかれた成金とその愛人。成金は全財産を奉げても生きたいと願うが・・・愛人は遺産相続がしたい。どちらの願いを聞き入れるのが人として正しいのか。

これに対して・・・二人はあまり興味がない。

②飲酒運転で事故を起した運転手とそのために危篤状態の子供たち。前者を殺して、後者を生かすのは悪なのか。

これに対して竜崎は「運転手を殺したら・・・子供たちを助ける」と宣言する。

すでにその手にのって一人殺している涼介は逡巡するが・・・子供たちの苦しみ、親たちの悲嘆に耐え切れず運転手をタナトス(死)の手にかけるのだった。

ふりかえると竜崎は姿を消し・・・涼介はまた騙されたと絶望的な気持ちになる。

しかし・・・処置室で次々と子供たちが息を吹き返すのである。

涼介は竜崎の心が分らず・・・呆然とするとともにすでに三人を殺した自分の罪悪感がそれほどでもないことに唖然とするのだった。

生かす手と殺す手には因縁があるはずだ・・・と疑う登場人物たち。

竜崎の出生地である龍谷村を訪ねた涼介は路傍の石に見覚えのある図案を見出す。

それは涼介が幼い頃から持つお守り袋に描かれた図案に酷似している。

「十字架にからみつく龍」である。

もちろん・・・それは神(クロス)と悪魔(ドラゴン)の相克を示している。

隠れ切支丹かよ・・・。ばてれんででうす様でぱらいそさ行くのかよ・・・である。

しかし・・・まだ因縁の謎は解けない。ただ・・・涼介は「力」を封印してきた歳月の彼方に何か失われた記憶があることを悟る。

涼介が意識不明の加奈に読み聞かせたのは中原中也の詩「山上のひととき」である。

いとしい者の上に風が吹き

私の上にも風が吹いた

いとしい者はたゞ無邪気に笑つてをり

世間はたゞ遥か彼方で荒くれてゐた

善悪の生む争いごとに対して見て見ぬ生き方を実践してかりそめの平和を貪った涼介の平穏な日々は失われたのだ。なぜなら神のもたらす厄災は善悪を問わずふりかかるものだからである。

相変わらず監察医・前園(原田夏希)はセリフ回しのたどたどしさ全開だがつっこむのはやめておきます。演技なのかもしれないしぃ・・・。

で、『み屋本舗REBOOT・第4回(第2話「もう一人の復讐者」後編)』(テレビ東京0907312412~)脚本・演出・本田隆一を見た。基本的にはコレだけに専念したいのだが・・・まあ・・・パーフェクトな作品なのでレビューは単調になる可能性があり・・・だってもう絶賛するしかないんだ・・・二本立て体制にすることにしました。けしておねだりに弱いわけではありません。

例によって「ニュース24」でキャスター・大橋未歩が伝えるのは「久里浜夫妻襲撃事件に関与した大多喜商会の動向は警察の捜査によっても未解明・・・」ということである。つまり、警察の捜査は進展なしということである。

「怨み屋殺害」の報告のためにクラブ「エゴイスト」を訪れる大多喜(中村有志)。依頼者であり業務提携者であるマキ(夏目ナナ)は報酬の1000万円を支払う。

「私のことを信用してくださる?」というマキに「あんたのことは信頼している」と応える大多喜。

しかし・・・マキは信用してはいけない女だったのだ。

前回のことが何もなかったように工作員のシュウ(小野健斗)とコンタクトする怨み屋(木下あゆ美)である。

「死体を準備してすり替わっただけよ・・・」と淡々と種明かしである。

つまり・・・それが可能だったのは・・・「怨み屋殺害」を依頼したマキが・・・怨み屋の工作員だったという大どんでん返しが用意されていたのだった。

里奈(葵)と同様にかっては怨み屋の顧客だったマキ。しかし、怨み屋はマキの「男を虜にする超絶技巧」に目をつけ「女が武器」の工作員としてスカウトしたのだった。

つまり・・・すでに「大多喜商会」は怨み屋の術中にはまっていたのである。

もちろん・・・興津(山本浩司)からの依頼「大多喜商会に握られた久里浜事件への関与の証拠隠滅」のためである。・・・まあ・・・それだけですまないことは怨み屋ファンには想定内である。

怨み屋の性の仕掛け人といえば対女性はシュウ・・・対男性は怨み屋だったのだが・・・リミットまで性的描写が濃厚になったのでマキ登場というよどみない展開である。

もう・・・シュッシュッである。シュシュシュのシャシャシャーなのである。笑うよね。

暴行チームに対しての仲間割れ工作は怨み屋本舗の常套手段だが、今回は大多喜の部下である樋渡(大堀こういち)や大蛇(緋田康人)に対してマキが色仕掛け攻撃。ジョシュジョシュのサワサワで・・・悩殺し・・・そして分配金の問題で大多喜、樋渡、大蛇がお互いを裏切り者と思い込む疑心暗鬼工作である。

一方で侵入ルートの確保のため・・・シュウは不動産所有者を色仕掛けで昇天させる。

「また・・・会ってくれる」

「そういう言い方は嫌だな・・・会いたいのはボクなんだから・・・」

「まあ・・・そんな」

「あなたの美しさに惑わない男はいませんよ」

で十八回目のガッシュガッシュである。カメラワークによるモンタージュ表現もノリノリである。

それが女性であれば容姿を問わない絶倫ぶりを発揮するショウ。全男性の鏡である。

そしてたちまち始まる・・・仲間割れ。大蛇が樋渡を射殺。大多喜が大蛇を射殺。瀕死の樋渡が大多喜を毒殺である。

三人の死体を回収するために部屋にやってくるシュウと怨み屋だった。

やがて・・・依頼に対する支払いのために怨み屋の元へ訪れた興津。人気のない廃屋の屋上である。

怨み屋は「久里浜襲撃を依頼する興津の声の録音」を回収しており・・・興津に渡す。

興津「しかし・・・これで二度と恐喝されない証拠があるのかよ」

怨み屋「証拠はありますよ・・・すぐそこに」

怨み屋に誘導され興津は落とし穴に落下である。

「だから・・・言ったでしょう・・・人を呪わば穴二つと・・・」

周囲を見渡した興津は腐乱した三人の男を発見して胃の腑がでんぐり返る。

「あなたの依頼とは別に久里浜さんからも復讐を依頼されていたんですよ・・・久里浜さんの奥さん発狂したんですよ。知ってたかしら?・・・久里浜さんの依頼は実行犯の実質的殺害と・・・犯行の依頼者を久里浜夫人と同じ目に合わせること・・・さあ・・・がんばって発狂してね・・・」

こうして・・・腐敗した死体や大蛇のダッチな愛人などと暗闇で長期監禁された興津は精神に異常をきたすのだった。もちろん・・・「死ぬまで狂っている」ように怨み屋のアフターサービスが続行されることは間違いないのでしかるべく。

東京ベイテレビの星影記者(長谷部瞳)はそろそろ怨み屋の存在に気がつくが・・・彼女に眠るトラウマの秘密とともに対決はおそらく最終章までおあずけなのだろう。

とにかく・・・今回も怨み屋最高!なのである。

抱きしめたい その体を

綴る手紙 の証

傷ついた その体に

せめて触れたい 38℃の熱の中で

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日曜日に見る予定のテレビ『天地人』(NHK総合)『官僚たちの夏』(TBSテレビ)『劇場版・仮面ライダー電王』(テレビ朝日)・・・佐藤健ファンはお見逃しなく。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

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