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2009年8月31日 (月)

京都阿弥陀山天地人(妻夫木聡)恋につかれた(長澤まさみ)女がひとり(深田恭子)

さて一足早く大選挙終了である。競争社会に嫌気がさしてたちまち起こる「助けてください」の大津波。

もちろん・・・より激しさを増す国際競争を政権交代で止められるわけがないのは明らか。

官僚主導の政治を国民の手に取り戻すといきまく人々のお手並み拝見なのである。

まあ・・・キッドはすぐになにやらしでかして・・・ものすごいグダグダになると確信しておりますけどーっ。

なんていったってパイはどんどん小さくなっていくんですからーっ。

ただ一つ思うのは・・・小沢一郎と田中真紀子・・・なんてしぶといんだ・・・ということです。

これが・・・生命力というものか。

関東直撃台風きたーっ。

で、『天地人・第35回』(NHK総合090830PM0710~)原作・火坂雅志、脚本・小松江里子、演出・一木正恵を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回もあらすじ五行を維持。今回は褒める部分を懸命に捜索して・・・見るべきものを・・・凛とした淀殿以外には見出せなかったと・・・まあ、そうですな。まあ・・・とにかく関ヶ原前夜なわけです。もう日本史史上最大の戦を前にして・・・この程度にしか盛り上げられないのかと・・・なぜ伊達政宗は早々と甲冑着てるのかと・・・凱旋した半島遠征軍のパレードはどうしてないのかと・・・ないない。まあ・・・親友・利家くんと秀吉くんの・・・ともだちごっこと・・・利家くんのドスさばきだけでも褒めてやってつかぁさい。おーいおい・・・。さてと・・・「時効警察」第1話の口のくさい笹野高史の林田巡査でも見るか。家康陣営のニヤリ不足をお嘆きの方は本多正信の秘密もお楽しみください。

Tenchijin159802 で、慶長3年(1598年)は夏となる。多くの小説などでは何故か慶長の役は日本軍が苦戦を強いられたことになっているがそんな証拠はどこにもなく、明・朝鮮軍の偽りの降伏が破られた後も戦力を増強した連合軍を再渡海した日本軍は各所で撃破し戦況は有利に運んでいる。よく連合軍水軍は善戦したと言われるが実際には連合軍水軍は壊滅しているのである。戦線が膠着したのはすべては小西行長ら交易派の外交の失敗によるところが大きい。小西はその責任を回避するため続々と戦利品を日本に送っていた。唐津を経由して秀吉の軍船が大坂に運んできたのは巨大な獣だった。大坂城代片桐且元は在城していた越前敦賀城主・大谷吉継に伏見城への戦利品輸送の采配を托す。

伏見城下は秀吉の京における主城の城下街として大坂と遜色のない賑わいを見せている。城へ通じる参道に巨大な檻車が姿を見せた。人馬の力で搬送されるそれは時々奇声を発する。檻車の背後には駕籠が続いている。

秀吉は奇獣の噂を聞き、愛妾と小姓たちを連れて馬場へ出向く。秀吉は老いを感じさせぬ顔に好奇心に溢れる瞳を輝かせる。

大谷吉継は口上を述べる。

「これなるは小西殿が朝鮮王の飼育したるものを奪いしものでございます」

檻車の覆いが開かれ、巨獣が姿を見せる。集った人々が歓声をあげる。

秀吉も嬉々として叫ぶ。

「これが象か」

「象にござる。天竺の象にてござ候」

「これはどえらく大きいの・・・」

「くだものなどを食べまする」と言いつつ、大谷がリンゴをとりだすと、檻の間から鼻をのばした象はそのリンゴを器用に口に運ぶ。

秀吉は手を打って喜んだ。「さすが・・・小西よ・・・気がきいておるわ・・・して・・・あの駕篭の中身はなんじゃ・・・」

大谷は答える。「朝鮮の美姫でございまする」

駕篭が開き、朝鮮舞姫の衣装を綺羅綺羅しく纏った女が現れる。それは金花姫だった。

大谷が立ちすくんだように見える花姫に「控えよ・・・太閤殿下の御前なるぞ・・・」といい終わらぬうちに金花姫は秀吉に殺到する。

殺気を感じた大谷は思わず、秀吉の前に立ちふさがった。その体に花姫は霧状の液体を噴きつける。大谷は瞬時に激痛を感じ、倒れ伏す。しかし、その一瞬が秀吉の命を救った。秀吉の傍らにいた加賀姫と真田信繁が同時に宙を飛ぶ。左右から斬られた花姫は首と胴体と脚部に3分割され・・・血煙をあげて絶命した。朝鮮くのいちの捨て身の暗殺は失敗に終ったのである。

秀吉は憮然としてつぶやいた。「もったいないの・・・かわいがってやれたものを・・・」

遠巻きに見ていた家康は心の中で舌打ちをした。しかし、表情を変えずに言った。

「だれぞ・・・大谷殿をお救いせよ・・・」

のたうちまわる大谷は花姫の毒液により・・・見るも無惨な姿に成り果てていた。

その夜・・・秀吉は伏見城の寝所で淀の方を待っている。ふと気がつくとその胸に一輪の花弁がのっていた。白百合である。秀吉は夜目が効く。白百合には文字がある。そこには阿弥陀と書かれている。

秀吉は微笑んだ。「味なことをする・・・」・・・白百合が剣であればすでに秀吉の命はない。それは脅迫状であり・・・挑戦状であった。

愛児・秀頼を寝かしつけ・・・寝所へやってきた淀の方は秀吉の不在に首をかしげた。

京の北・・・阿弥陀山の森に太閤・秀吉が立っている。木陰から夜目にも白い装束のくのいちが現れた。初音である。

月もなく・・・暗闇であるのに秀吉は好色な笑みを浮かべる。

「ほほっ・・・噂に聞いたが・・・そなたは・・・真田のくのいち・・・初音殿か・・・」

「忍びに名などありませぬが・・・仰せの如く・・・」

「ふふふ・・・わしにも名前などありはせぬ・・・関白だの・・・太閤だのになろうとも・・・しのびはしのびであろうず・・・しかし・・・名もなきは不便なことだで・・・初音殿・・・契りしは何奴であろうかの・・・」

「この世にはなきお方にて・・・幾人か・・・おられますぞ・・・」

「なるほどな・・・今宵であるのは・・・なぜかの・・・」

「殿下が跡継ぎを得て・・・術を使えるうち・・・というのが決め事でございます」

「そうか・・・一人はお市の方じゃの・・・そして一人は千利休・・・もう一人は御主の師匠か・・・」

「すべて然り・・・」

「では・・・参る・・・わしのしのび名を教えて進ぜよう・・・わしが・・・猿飛びじゃ」

名乗りを上げた瞬間・・・秀吉は虚空に飛んだ。漆黒の忍び装束の秀吉は森の中へ消えた白装束の初音を追う。

「それ後をとったぞ」木々をわたる初音の背後に秀吉はピタリと張り付く。

初音は一瞬も停滞せずに移動を続ける。その黒い影を背負った白い光は幽鬼のように森を彷徨う。一瞬でも動きを止めれば命を失うことになる術くらべである。背後の秀吉は果敢に殺気を放ってくる。

いつ果てるともしれぬ二匹の猿の運動がついに終る時が来た。秀吉が己の体力限界の直前に忍び刀を抜き必殺の突きを放ったのである。背後から初音は刺し貫かれた。が・・・秀吉が刺したのは白装束だけであった。「変り身」と秀吉が悟った瞬間、秀吉は首に熱を感じていた。一瞬で秀吉の背後に回った初音のクナイが秀吉の首を穿っている。

「ふ・・・せめて・・・相打ちと参りたかったの・・・」

仰向けに倒れた秀吉は闇に浮かぶ初音の裸身を見上げて微笑んだ。

「これは馳走じゃの・・・さて・・・地獄では信長公がお待ちかねじゃろう・・・なんと言い訳しようかのう・・・ふふふ・・・つゆと落ち・・ 露と消えにし・・・我が身かな・・浪速のことは夢のまた・・・・・・・夢」

翌朝・・・探索に出た真田十勇士の一人伊三は阿弥陀の山で秀吉の亡骸を発見した。遺髪をとると・・・回向を弔うべく・・・伊三は秀吉の体を山頂に運び上げた。それから配下の忍びを使いに出した。伏見城で知らせを聞いた淀の方は畳をたたく。

「猿め猿め猿め・・・妾を生涯守ると・・・申しおったであろう・・・たばかりおって・・・ええい・・・ええい・・・」その瞳から大粒の涙が落ちる。

関連するキッドのブログ『第34話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『救命病棟24時』『恋して悪魔・ヴァンパイア☆ボーイ』(フジテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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コメント

いやぁ、ドラマだからある程度の着色があっても
いいんですが、これほどまでにやってくれるとは
本当にスタッフ及び時代考証の方はちゃんと
仕事してるのかが甚だ疑問ですね; ̄▽ ̄

当分、こういうのが続くんでしょうね。

笹野さん演じる秀吉はよかったんですが
松方さん演じる家康と比べた場合には

どうも雰囲気というか、存在感では
ちょっと負けてしまってたかもしれません。

それにつけても福島正則の存在が空気です ̄▽ ̄


朝鮮の娘といえば
政宗さんが朝鮮の娘を嫁にしたそうですから
朝鮮と密約を結んで密かに秀吉暗殺を計画しても
おかしくなさそうですねぇ。

そこら辺でなくとも政宗の見せ方は
もう少しいい感じにならんかったのかなと
今回の作品を見て思う今日この頃です ̄▽ ̄ゞ

投稿: ikasama4 | 2009年9月 1日 (火) 19時48分

✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥

まあ・・・脚本家の中には
スタッフに対する説得力のある人がいて
次に視聴率という絶対的評価が
ついてくる人がいる。
そうなると・・・些少、作品そのものに
説得力がなくてもやっていけるという問題があります。

そうなると
時代考証の専門家なんて
「ドラマ的な創作」というカードの前には
無力なのでございます。
特にこの脚本家は何かを学んでいくということよりも
力学的な面白さで生きていくタイプですので
無敵状態なのかもしれません。

たとえ・・・10万人が
不満を述べても
2000万人の支持者がついているわけですからーっ。

まあ・・・よろしいではないですか。
あくまで「わかっている人」がいる。
ということが「確認できる」システムがある今は。

昔だったら・・・このやりきれなさを
わかってくれる人を探すだけでも一苦労だったのでございます。

それでもねえ・・・。
これだけの俳優をつかって
これだけの歴史的キャラクターを登場させ
もっと楽しもうという気分にならないのか・・・
と思います。
まあ・・・本人は充分楽しんでいるのかもしれません。

昨日まで豊臣を応援していた人が
今日は徳川を応援する・・・みたいな
歴史的現実を身をもって体験した
今日この頃・・・
関ヶ原の合戦が
どのように描かれるのか・・・
恐ろしく楽しみです。
あのロボットのようなCG兵士たちが
大活躍なのか・・・?

ここからはキリシタン大名の動向が
問題になってくるのですが
政宗はその中心人物の一人。
高山右近がまったく姿をみせないままに
秀吉が死んじゃったわけで・・・
ひょっとすると
日本にはキリシタン大名がいなかったことに
なるのかもしれませんぞ。
キッドの妄想よりも
大河そのものの歴史改変度が高いなんて・・・
ある意味傷心・・・シクシク。

まあ・・・とにかく・・・これで
初音の暗殺秘史もしばらくは停止・・・。
次は忍び戦のシーズンでございます。
政宗VS景勝VS最上
本多VS真田
そして島左近VS高虎
さらに秀家VS正則・・・。
血が騒ぐのぉ・・・でございます。
ドラマは抜きにして。

投稿: キッド | 2009年9月 2日 (水) 02時17分

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