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2009年8月29日 (土)

私が神だ(滝沢秀明)私も神だ(錦戸亮)最後の一服は許してあげる(木下あゆ美)

・・・許してもらいてーっ。と一部愛好家垂涎の怨み屋節炸裂である。

一方、チンピラ一人始末できない秘密警察なんて・・・のオルトロスの犬の犬たち。

ああ・・・できることなら・・・小泉響子(木南晴夏)かわいいよかしこさんで記事を書きたいくらいである。

まあ・・・言うまでもないことだからいいか・・・。

で、『オルトロスの犬・第6回』(TBSテレビ090828PM10~)脚本・小林雄次(他)、演出・今井夏木を見た。演出家が戻り、映像的にはそこそこ、脚本グダグダ展開である。熊切勝(八乙女光)は沢村(佐々木蔵之介)を刺した時点で射殺でいいだろう・・・ま、ドラマですから~・・・か。

案の定・・・勝を殺したフリをしていた涼介(錦戸)。勝は凄い潜水能力である。しかも何故か沢村は死体を確認しないのだ。

勝の父親で子煩悩な熊切社長(柴俊夫)に「沢村が涼介に勝を殺させた」と情報を流す竜崎(滝沢)・・・「コールセンターの恋人」では南極アイスに踊らされ、ここでは竜崎に踊らされる熊切社長である。榊大臣(高畑淳子)を裏切り、不正献金を暴露しようとする熊切社長に・・・榊-沢村は暗殺を決意する。

しかし、暗殺を命じられた涼介にはその気はないのである。

不正告発会場に現れた勝に簡単に刺される秘密警察の現場リーダー沢村。まったく・・・どんな警備企画課理事官なんだよ。

そして・・・熊切親子退場の後・・・負傷した沢村の両側に立つ・・・アポロン(治癒)の手を持つ竜崎とタナトス(死神)の手を持つ涼介。

竜崎「助けてやろうか・・・」

沢村「ことわる」

涼介「楽にしてやろうか・・・」

沢村「やめて・・・」

・・・なのである。だから・・・人類としては狙撃にて竜崎も涼介も抹殺するしかないだろうが・・・ま、ドラマですから~。

押しかけたマスコミの前で奇跡の治癒能力を見せる竜崎。

マスコミ「・・・なんだ・・・マジック・ショーか・・・」「不正疑惑はどうなった」「ふざけんな」とは騒がず「奇跡の男出現か」的全紙東京スポーツ化である。

そして姿を消す二人の神々。

刑事渚(水川あさみ)は竜崎の監視役を拝命するが・・・認知症の妻のために竜崎を誘拐したのは同僚の柴田刑事(山本龍二)である。それと察した渚は二人を追う。

・・・拳銃で恫喝しあう渚と柴田だったが・・・竜崎は「力を使うかどうかの選択」を渚に委ねる。たちまち躊躇する女になる渚。しかし、柴田が第三の刑事に撃たれると竜崎に助けるように懇願する。だが竜崎は助けない。

「気分がのらないから・・・」なのである。

渚は・・・自分の子供の病気を治してもらわない。柴田の妻の認知症治癒にも同意しない。しかし、瀕死の柴田を見て信念が揺らぐ。

一体・・・渚の信念とはいかなるものなのか・・・。

実は・・・キリスト教圏内ではそれは明白なのである。

「神は人間に永遠の寿命を与えない」が大前提であり・・・それに反逆するアポロンの手は「悪魔の所業」なのである。それに帰依するのは信仰を捨てることなのだ。これは「恋して悪魔」のヴァンパイアにも通じるが・・・永遠の命を与えられるものは悪魔というのが暗黙の了解としてあるのだ。

だから・・・クリスチャンでもない渚の躊躇はいたって不合理なのである。

日本人は・・・そこに力があれば・・・神サイドだろうが悪魔サイドだろうが利用して生きてきたのである。「子供の病気を治癒したり認知症を治したりできる力」があれば・・・それを利用することに抵抗はないのである。

だから・・・日本人としては渚は少し頭のおかしな女に見えるのだな。どうしてくれるのだ。

このあたりがキリスト教圏内で流行しているネタを翻案するときの問題点なのである。それをこのスタッフはまったくクリアしていないのである。

ともかく・・・実家に帰った涼介は両親が自分の力を知っていてそれでも愛してくれたことに感謝するのだった・・・どうでもいいよね。それより・・・どうしてこんな力があるかについて何故両親を涼介は問い詰めないのか・・・。

とにかく・・・竜崎の力に魅了されて変になった正人(忍成修吾)に愛想をつかした渚はいつのまにか竜崎にホの字なのであった・・・このドラマのスタッフ・・・全員頭おかしいでしょう。・・・まあ・・・暑いからな・・・夏だから。

とにかく・・・「奇跡」のあることを知った愚かな大衆は・・・暴徒と化すのだった。

だから・・・秘密警察は・・・亜人類を秘密裏に処理するべきなのに。なぜしないのか。

もう疑問ばかりが浮かんでとてもじゃないがストーリーそのものを楽しめませんぜ。

関連するキッドのブログ『先週の金曜日のレビュー

で、『み屋本舗REBOOT・第8回(第4話「苦いタバコ・後編」)』(テレビ東京0908282412~)原作・栗原正尚、脚本・演出・佐野達也を見た。前回・・・やや危惧がある脚本・演出だったわけだが・・・終ってみればそこそこまとまっていたのだった。

特に最後に星影(長谷部瞳)が怨み屋をカメラでとらえようとして虚実の隙間につかまる幻想的なシーンは秀逸だった。まあ・・・そこ以外はやや・・・単調だったとも言える。

闇金に上部組織から借金をさせ・・・スティングで金を巻き上げ・・・最後は闇金を血祭りにあげる展開である。ここである程度鮮烈な暴力描写があるので・・・峰島兄妹(兼子舜・夏川桃菜)に対してもう少し残虐なシーンかあっても良かったはずである。妹を暴行されて・・・兄はもう従うしかない・・・という方が辻褄も合うのだ。

情報屋(加藤雅也)の善意が誤解されて終る・・・という趣向も中途半端である。最後は峰島に刺されて情報屋死亡くらいでよかったと思う。そのくらいの思い切りがあっていいだろう。

瀕死の情報屋の倒れ伏す墓場に訪れた怨み屋(木下)が「最後の望みを聞いてあげるわ・・・」と問い、情報屋が「じゃ・・・一服させてくれ・・・(ガク・・・)」ぐらいでいいだろう・・・来週からは新々情報屋をキャスティングすれば済む話だし。

峰島父(黒沢年雄)の「モンゴルはいいぞ・・・」とか意味不明の回想もあり・・・「想定当時のモンゴルには飢餓と貧困があるだけだ」・・・ちょっといただけない部分が目についた回と言える。もちろん・・・ひょっとしたらこのくらいの緩さがちょうどいい人もいるかもしれない。五百旗(黄川田将也)の死に様は美しかったと言えるしな。

ただし・・・作品そのものはまあまあなのである。あくまでキッドの個人的嗜好のレベルの話でございます。

日曜日に見る予定のテレビ『天地人』(NHK総合)運命の衆議院選挙か・・・。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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コメント

はじめまして。
怨み屋レビューを毎回読んでいます。

私は原作を全て読んでいますが最後の誤解の所は原作も同じです。

そこに至るまでの経緯は違いますが…

あと第2話ラストは死体を見て錯乱ですが原作は大量のネズミに埋もれて錯乱というこっちのほうがきつい内容です…

これからもレビューがんばってください。

投稿: ナナシヤ | 2009年8月30日 (日) 03時02分

✥✥シカルベク✥✥ナナシヤ様、こんにちは✥✥シカルベク✥✥

ご愛読ありがとうございます。
そして貴重な原作情報もありがとうございました。
まことに僭越ながら勝手に命名させてもらいます。
改名ご希望の場合はしかるべく。
継続的コミュニケーションにネームは便利ですから。

キッドは原作は原作、ドラマはドラマを
心がけて視聴しています。
しかし、愛する原作が
見事に再現されているときは素晴らしいと思いますし
原作をはるかに越えた世界に到達するドラマを
待望もします。

「怨み屋」実写版(ドラマ版)はある意味、
原作をはるかに凌駕している作品だと考えます。

そういう意味でドラマ版は
ある程度ドラマ版としての品格を保つべきだと
思いますし
そういう意味では今回はギリギリセーフの出来。
こうした方がもっとドラマ版らしかった・・・
とつい妄想してしまいました。

まあ、加減がこうあるべきというのは
あくまでわがままな希望なのですが。

また、遊びにいらっしゃってくださいね。

投稿: キッド | 2009年8月30日 (日) 06時12分

面白くないドラマにもこれだけの記事が書けるキッドさん(笑)
面白く読ませて貰ってます。

>だから・・・クリスチャンでもない渚の躊躇はいたって不合理なのである。
あ~、少し楽になりました。そゆことね~。
もう渚をどうにかして~って耐え難いです。
(渚だけじゃないけど)
まだ6話。。。レビュー選択ミスで辛いわぁ。

立派な役者さんたちが気の毒にさえ見えて、可哀想。
24時間テレビの『脳腫瘍と闘った…』錦戸君に涙涙でした(T_T)
オルトロスで先の見えない神を演じるよりも、
先のない若者を演じさせる方がずっとずっと生きてると感じましたわぁ。

投稿: mana | 2009年8月30日 (日) 10時15分

|||-_||シャンプーブロー~mana様、いらっしゃいませ~トリートメント|||-_||

面白がっていただけることが
キッドの生きる糧。
ありがとうございます。

やはり、国民性とか民族性で
暗黙の了解というものがあるわけです。
不可解な言動を作るのは
パクリをするときに
A(背景の説明)B(面白いところ)の
Bだけをいただいちゃうとおこりがち。

テレビの男性スタッフは
少女売春地帯へロケに行けば
ほぼ買春します。

だから実際の9歳の少女との性交渉を通じ
実感としてその痛みを感じるわけです。

菅野美穂が
「かわいそうな幼女売春婦」の話を聞くとき
やがて・・・来る「性を売る日」を
想定しながら聞いている気配がありますよね。

しかし・・・実際は生まれたての赤ん坊さえ
性交渉の対象となる恐ろしい生き地獄なのでございます。

某国などでは小学校に売春客が訪問し
教室で指名して・・・そのまま・・・という現実があります。

24時間テレビのうわべのインタビュー同様に
このドラマはそういうバックボーンを
説明しないと伝わらないことばかりということです。

と今、24時間テレビを横目で見つつ
思ったのでございます。

錦戸の「もうオレはにぃにじゃないんだよぉ」は
よかったですね。
後出しで出てくるかもしれませんが
「力」を使った
反動が「何か」あってしかるべきでしょう。

涼介が「殺人」を犯すたびに
竜崎が「治癒けを与えるたびに
涼介と竜崎の中では「何か」が
すくすくと育っているのが王道ですからね。

涼介の先も長くないのかも・・・。

投稿: キッド | 2009年8月30日 (日) 18時15分

キッドさん、こんにちは~

レビューは
続けて下さっているものの、
すでに精神的には
ドラマ視聴継続から脱落している模様の
キッドさん。

「スマイル」よりは
救いのある感じですが、
もうあとは渚と竜崎の昼ドラチックな
べたべたの「いけない恋」みたいな、
そんな展開がいいのではないかな、
と思ったりしまする。

「このメスイヌが!」とか
渚が正人になじられたり、
逆上した正人が竜崎の顔に塩酸かけたり、
嵐の夜、自分がいなくなればいいと判断した渚が
娘を竜崎にまかせた後入水自殺・・・
とか、
ベッタベタのオンパレードで
逆にすごい面白くなったり・・・。

とにかく、
しょこたんは宇宙について考えていると
すごくわくわくしてくるって言うのだけれど、
ヤマトはその無限を感じる
想像を絶する大きさに
なんだか恐怖を感じ不安になるのです。

投稿: ヤマト | 2009年8月31日 (月) 14時48分

☆*⋄◊✧◇✧◊⋄*ヤマト様、いらっしゃいませ*⋄◊✧◇✧◊⋄*☆

いえいえ・・・裏番組に「20世紀少年」があろうとも
「美山加恋の外科医・鳩村」があろうとも
「オルトロス」は見てますぞ~。
一応、ファンタジーですから~。

米国ではマイケルだろうがアンナ・ニコル・スミスだろうが
小金ためたら弁護士と医者が組んで
オーバー・ドース殺。
夢も希望もないのですが
日本はまだまだ
オペラの怪人ポッポーに
夢を托すことのできる
お調子者ぞろいですからな。

ファンタジーこそは最後の希望ですからねぇ。

とにかく・・・なんで「オルトロスの犬」なのか
一刻も早く解題してほしい。

バロンか・・・バロンなのか。

バロンといえばバロムなのか。

最後は涼介と竜崎が腕をクロスして
友情のバロム・チェンジで
オルトロスになるのか~。

そして渚は実は女装のヘラクレスなのか。
最後は細マッチョに変身して
ムキムキキーッて言うの?ねえ言うの?

・・・渚と竜崎の「牡丹と蜜蜂」

畏れていた邂逅、裏切りの情事の果て、
切られた花嫁衣裳、悪意の証拠品、
実の父親の乱入、卑劣な友情、
いたいけな娘の嫌がらせ、永遠の一夜、
衝撃の愛人生活、魂の債権取立て・・・。

そして最終回「涼介、断末魔の告白」
愛と裏切りのファンタジー・メロ・ドラマ
見たいぜっ。やらんわーっ。

しょこたんはモ娘。の前で
モ娘。になりたかったーっ。
と心の底から言えるよいブリっ娘。
ブリブリっ。
ワクワクとブルブルは同じなんですよーっ。
期待に胸がふるえるのと
震度3くらいの地震でふるえるのが
同じ感じなくらい同じーっ。

ああ・・・「オルトロスの犬」について
語るだけで
ジャンキーのように脈絡のないことにーっ。

おそろしやっ。


投稿: キッド | 2009年8月31日 (月) 17時22分

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