八つ当たりはみっともないぜ(草彅剛)介添え人の介は介護の介さ(黒木メイサ)
見取りと書けば見て覚えることだが、看取りと書けば臨終に付き従うひとである。
人が死を学ぶためには臨終を見届けるのが一番なので・・・みとりとはつきつめれば同意である。
特に生きていて・・・愛していたものが・・・死ぬことほど人に死を思い知らせることはないだろう。
そうした「死」を回避すれば「生」の実感もまた遠のくのである。
生死は表裏一体のものだからだ。
しかし・・・死を穢れと考えれば・・・それが迫ったものを遠ざけて身を清めたいと考えるのも人の欲のなせるワザなのだろう。そう考えれば介護施設は本来ヤクザな施設なのである。
で、『任侠ヘルパー・第8回』(フジテレビ090827PM10~)脚本・古家和尚、演出・西谷弘を見た。もちろん・・・架空の組織暴力団を設定しているので何が起きてもおかしくないのだが・・・違和感がないわけではない。主人公・彦一(草彅)は翼組の組長である。翼組は隼会の傘下組織であって・・・彦一は六本木地区の貸元扱いになっている。隼会本家がどこにあるかは不明だが、現在・会長は前会長の死亡後、空席となり、若頭(直系組長の頭目)の鷹山源助(松平健)が代行しているという話である。源助は上野地区を仕切る鷹山組の組長でもあり、実子の三樹矢(藪宏太)に上野地区貸元を引き継がせる腹積もりであるらしい。その他に池袋地区を仕切る四方木連合の組長りこ、品川地区の貸元・黒沢(五十嵐隼士)、西日暮里地区の貸元・二本橋(宇梶剛士)、赤坂地区の貸元・六車(夕輝壽太)がヘルパーとして研修を受けている。
それぞれが組長なのである。そして、品川、六本木、赤坂、上野、西日暮里、池袋とかなり広域の縄張りを持っているのが各組を傘下におさめた隼会なのである。
鷲津組がその対抗組織である以上・・・それなりの規模を持っているわけである。そのトップである鷲津組組長・鷲津(竜雷太)が・・・いかに車イス生活を余儀なくされたとはいえ・・・そんなに簡単に介護施設に放置されるか・・・という問題なのである。
まあ・・・ヤクザがろくな死に方をしないというのが前提だとしてもだ。ヤクザの基本は安全保障なのである。文字通りシノギを削って勢力拡大をしていくのが信条だ。その組織の首領はそんなに簡単に地位を手放す事態に追い込まれないのが普通である。
それはあまりにも不手際すぎるのである。・・・ま、いいか。
ともかく・・・鷲津組のナンバー・ツーらしい尾国(鈴木一真)はいかなるマジックを使ったのか・・・組長を介護施設タイヨウに放り込んだのである。
さらに・・・内偵をして・・・任侠ヘルパーの一人、りこが四方木連合の組長と調べ上げ、四方木連合若頭・久米(田中哲司)をヒットマンに襲わせ負傷させた上で四方木連合事務所を鷲津組組員に襲撃させたのである。
「報復のためにりこが鷲津をヒットする」という絵を描いたらしい。
そしてまんまとのせられる・・・りこなのであった。
一方、ついに正体を明かした和泉(山本裕典)・・・彼もまた任侠ヘルパーだった。しかも・・・鷹山のつけた隼会系のお目付け役だったのである。
そこでまた・・・えーっ・・・なのである。
彦一は・・・隼会系組長として・・・鷲津に正体を看破されるのではないかと名札を隠したりもするわけだが・・・和泉は・・・結構凄腕の鷹山組組員あるいは鷹山の舎弟ということになるのだ。
彦一は鷹山の弟分なのである。和泉の顔も知らないなんて・・・いや・・・それよりも三樹矢だ・・・実子で鷹山組次期組長である。それなのに和泉の顔を知らないなんて・・・忍者か・・・和泉は極道忍びなのかよ・・・それなら、まあ・・・納得かな。
とにかく・・・脚本家の策士策に溺れる気配がないではないが・・・若年性アルツハイマー病を発症した羽鳥(夏川結衣)が秘書の弥生(中別府葵)に飼い犬に手を噛まれた状態になり・・・一線から身を引く覚悟を決め・・・彦一に挨拶しにくると・・・りこは可愛く嫉妬を顕わにします。
・・・捨てられた鷲津は・・・同室の仄暗い水の底から生還した少女・菅野莉央を孫に持つ老人(峯のぼる)とちあきなおみを愛する縁で結ばれ・・・自分を捨てた組の代わりに老人を放置した家族をなじるのだが・・・「そいつはこちらさんの家族の問題なんじゃねえか」と彦一に諭されてしまうのだった。人間・・・落ち目にはなりたくないものである。
そして・・・可愛い子分を傷物にされたと知って・・・りこは鷲津を襲撃・・・つづくである。
さあ・・・最後は・・・きったはったになりますか。ねえ・・・なるんですか。そっときゅっと刺しますか。
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土曜日に見る予定のテレビ『御所ヶ原親分のこち亀』(TBSテレビ)『錦戸亮のにぃにのことを忘れないで』(日本テレビ)『真マジンガーZ』(テレビ東京)『牧瀬里穂の再生の町』(NHK総合)・・・夏も終わりか・・・。
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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