心が折れた女医(松嶋菜々子)患者が死んじゃった。からどうした(江口洋介)あなたが好き(桜庭ななみ)
さて・・・四回連続で予告編の総集編を経て・・・本編始まりましたなのだが。
火曜日のドラマ対決は①「救命病棟24時」20.3% ②「恋して悪魔」↗*5.5%・・・である。
こ、これは・・・対決史上稀に見る落差であるな。もう・・・コメントしようがないよう。
で、『救命病棟24時(第4シリーズ)・第1回』(フジテレビ090811PM9~)脚本・二木洋樹、演出・河毛俊作である。総集編は林誠人が脚本だったのだが、本編は別人、しかも脚本協力が一色伸幸である。・・・なんかバタバタしていそうだ・・・。
さて・・・今回は斜陽で鬱な日本シリーズ的テイストである。「ER」のパクリドラマとしては老舗でシーズンごとに色合いを変えるが進藤先生(江口洋介)の「目の前にある命を救うのが医者だ」という情熱と信念は不変なのである。
この路線は「コード・ブルー」が引き継いだと思ったのだが、ところがどっこい進藤先生はまだまだ不滅なのである。これでフジは進藤先生、ドクター・コトー(吉岡秀隆)、藍沢(山下智久)と三人もいい医者持ったことになる。・・・キッドは医龍はそれほど評価しません・・・テレ朝が「相棒」「科捜研の女」「おみやさん」を持っているみたいに。
ともかく・・・今回、例によって海外の荒れた現場から帰ってきた進藤に与えられるのは・・・世の中が豊かになりすぎてハングリー精神を失った医療の世界である。そこではちょっと忙しいと医者が全員やめちゃうのである。
そのため・・・救命センターは人材不足となり・・・救命医は進藤だけ・・・後は眼科(趙珉和)や耳鼻科(矢柴俊博)からの助っ人や、実家が美容外科の研修医(石田卓也)なのである。そして・・・上司は「医療の現場をマネージメントしてコントロールしてシェイプアップしたい」澤井医局長(ユースケ・サンタマリア)である。クールだが腕はいいのである。
つまり「情熱」の進藤と「怜悧」な澤井の対決である。
シリーズものなので旧知のメンバーが集まる。第1・第3シリーズで進藤に鍛えられた救命医・小島(松嶋)、第2シリーズで活躍したナース山城(木村多江)である。しかし、小島は判断ミスで子供の患者を殺し、訴訟を起こされている。山城はバツイチ子持ちで年中無休の救命勤めは不可なのであった。
医師不足といえば最近ではドラマ「Tomorrow~陽はまたのぼる」があったわけだが、ついに横浜・海南医大高度救命救急センターまでその波は押し寄せてきたらしい。東海地震も近いのに困ったことである。
この他に救急センター長・守谷(小野武彦)、救命が気になる麻酔医・花輪(板尾創路)がいて、キレイどころのナースは新人・千夏(北乃きい)、ベテラン(市川美和子)、中間(西原亜希)という布陣。ついでに看護師長(山野海)だ。
自信喪失の小島は・・・校医でお茶を濁しているが・・・進藤が冷たく突き放すとたちまち復活するのだった。「お前は医者だろう」「私は医者です」なのだった。
波状攻撃で人員不足の医療最前線を襲う熱傷患者に集団食中毒かと思いきや無差別毒殺未遂の被害者たち。根性なしの医師たちは「もうダメです~」「こんなのやってらんねえんだよ」と不平不満爆発である。
それでも手当たり次第にどんどん患者を受け入れる進藤。澤井は「過剰な受け入れで余裕がなくなり・・・ミスを犯し・・・患者に訴えられる・・・それでは医療は破滅ですよ」と苦言を呈されるのだった。
澤井「大体・・・最近、患者は自分たちを顧客だと思っている・・・命を助けたって医者に感謝なんかしませんよ」
進藤「・・・」
しかし・・・ゲスト患者の夫(橋本じゅん)は・・・妻子を助けた進藤に感謝のメッセージと生れたばかりの子供の手形を贈るのだった。
こうして・・・進藤の新たな戦争が始まるのだった。
まあ・・・初回だから・・・主に登場人物紹介・・・。去年の夏「太陽と海の教室」で痛い目にあった二人のヒロインのうち・・・北川景子は「ブザー・ビート」に北乃きいはここに引き取られたわけである。数字的には北乃きいの方がホッと一息だが・・・松嶋菜々子のいる場所で出番を確保するのはそれなりに大変そうだ。しかし・・・北乃には「ライフ」根性があるのだからがんばってもらいたい・・・よねえ。
関連するキッドのブログ『先週の火曜日のレビュー』
で、『恋して悪魔~ヴァンパイア☆ボーイ・第6回』(フジテレビ090811PM1015~)脚本・半澤律子、演出・村上正典を見た。またしても脚本チェンジで今回はものすごくまともだったのだが・・・もう前回が致命傷だったよね。で・・・物語的にはまったく予想通りの展開である。誰か・・・あっと驚いた人がいただろうか?
こういうドラマの作り方として・・・仕掛けがお茶の間に分っていることと・・・隠していることのメリット・デメリットは当然あるべきだが・・・キッドはある程度、視聴率が獲得できるのは前者だと思う。
お茶の間は分っていて・・・登場人物が知らないというスタイルの方がわかりやすいからである。
今回で言えば「真琴(加藤ローサ)の初恋の男の子・歩にうり二つのルカ(中山優馬)。その正体はヴァンパイアと化した歩だった・・・」という仕掛けである。この仕掛けを今回ようやく明らかにしたのだが・・・そのことにあまり意味はないのである。
それよりも・・・この「仕掛け」は最初から提示されていた方がずっと面白く見ることができる。
登場人物はそれを知らず・・・お茶の間は知っている。だからこそ・・・いろいろな楽しみが生じるのである。
たとえば・・・野球のルールを知っているのと知らないのとではどちらが野球を楽しめるかという問題だ。
ルカと真琴は初対面で惹かれあう。二人は何故・・・と思うがお茶の間は知っている。
やがて・・・ルカがその仕掛けに気がつく。そして・・・苦しむ。お茶の間は同じ「ヴァンパイア」としてルカの苦しみを知るカイト(近藤真彦)と同じようにルカの苦しみを理解できるのだ。
そして・・・今度は真琴が仕掛けに気がつく・・・二人はどんな選択をすることになるのか・・・お茶の間はいろいろと妄想できるのである。
とにかく・・・このドラマが構成的な欠陥を持っているとしたらその点につきるのです。
・・・・・・・街には霧がかかっている。空には冥い新月がかかっている。転校生はクラスで一番の美少女・香織(桜庭)の気にかかっている。私はそれが妙に気になる。この霧はどこからやってくるの。私は不安で一杯になる。転校生と香織が何か話をしている。教室の片隅で。霧は教室の中にも侵入してきて・・・突然、私は苦しいほどの嫉妬心を感じる。ああ・・・転校生は私の失われた恋人にそっくりだ。けれど・・・それは時の彼方に忘却された記憶。転校生は彼ではないのだ。ああ・・・どうしてこんなに霧が晴れないのかしら。この霧は何かを隠している。霧の向こうに彼がいる。いいえ・・・霧の向こうにいるのは転校生。私よりずっと年下の高校生。もしも転校生が彼だとしたら・・・幽霊なのだわ。私の心を騒がす憎らしい幽霊。彼は私を置き去りにして・・・去って行った。この流れる時の中へ。私の周囲で月日は流れ去り、私は変わって行ったのに・・・彼はあの時のまま。置き去りにされたのは私ではなく・・・彼なのかしら。だけど私は彼にどんなにか会いたかったことだろう。その体のぬくもりに触れ・・・その言葉に笑顔で応じることをどんなにか待ち望んだろう。その耐え難い虚しさ。かなわぬ願いの味気なさ。それなのに彼は突然やってきた。・・・いえ、やってきたのは見知らぬ転校生だわ。でも転校生はあの日の彼のまま。この霧。この霧の向こうに何か恐ろしいものが潜んでいる。でもその恐ろしさは私をうっとりもさせるのよ。ああ・・・霧の彼方。音楽室から・・・あの懐かしいメロディーが聞こえる。二人で奏でた思い出の調べ・・・誰・・・誰なの・・・そこにいるのは・・・私の心は震えている・・・夜の風が吹いている。月光が照らす魔性の姿。ああ・・・私の愛しい人・・・そこにいたのね。これは・・・きっと夢。目が覚めればただ・・・涙に濡れた私がいるだけ。それでも私は待っている。さあ私を連れていって。そこがたとえ地獄でも・・・あなたがいればそれでいいから。
木曜日に見る予定のテレビ『猿ロック』(日本テレビ)『黒木メイサの任侠ヘルパー』(フジテレビ)『科捜研の女』『ダンディ・ダディ?』(テレビ朝日)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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