私を吸血してください(加藤ローサ)ゴクリ。(中山優馬)不潔。(桜庭ななみ)青椒肉絲24時(松嶋菜々子)
火曜日のドラマ対決は・・・。
①「救命病棟24時」↘19.0% ②「恋して悪魔」↘*6.2%
「恋して悪魔」の下げ幅の方が大きいって・・・ハーデス小早川のファンは通り魔か・・・。
で、『救命病棟24時(第4シリーズ)・第4回』(フジテレビ090901PM9~)脚本・林誠人、演出・佐藤祐市を見た。ここも脚本の流動性激しいが、基本「水戸黄門」なので安定感のある展開である。小島(松嶋)は研修医時代の1999年からかれこれ十年も進藤先生(江口洋介)と付き合っているのに「ピーマンをキライなこと知りませんでした~」で「なんかむかつく」で無理矢理にでも食べさせようとして逃げられて「逃げた~」である。小学生かっ。
古代より・・・「最近の若いものは・・・」と「じじいに何がわかる」というジェネレーション・ギャップの波は続く。しかし・・・逆に「老人に知恵では勝てない」と「若者に力ではかなわない」という真理も続いているのである。それを越えるのはヨーダだけのようだ。・・・おいっ。
今回は言語化しにくい情報をいかにして伝えるか・・・という主題である。
たとえば・・・死者を敬うこと。
「いじめじゃなくてかわいがりなんです」と親方がいくら釈明しても情報公開で説明責任を求める世の中である。世の中は「誰かがむずかしいことをやさしくしてくれる」のが当然だと考える傾向にあるからだ。
研修医の工藤(石田卓也)は医師免許を取得できる知能の高さを持っているわけだがバカである。これはいわゆるバカの壁(解剖学者・養老孟司のベストセラーのタイトル)的バカであって・・・医者の資格を取得するための情報収集力はあるが総合的に見て人間としての情報が不足しているわけである。
たとえば死体にツバをはきかけたりする。死体にツバをはきかけても文句は言わないだろうと思うからである。
そんなことをしても何の意味もないという情報が処理できていないし、死体の関係者の心情というものを無視している。そして自分以外の医療スタッフが死体の関係者だとも考えが及ばない。
こういう子を教えるのは大変なんだよなぁ。
っていうか、明らかな発達障害者でも医師免許を取れるシステム・・・問題あるのじゃないか・・・とも思うが「人間らしさ」を計量化する考え方も少し恐ろしいのである。
しかし・・・現在の精神医学は基本的に統計処理されたデータに基づいて診断を下しているのが実情なのである。
刑事は職務質問した相手の挙動によって直感的に「こいつは覚醒剤をやっている」と判断するのだがそれだけでは逮捕できないのである。
しかし医師はデータに基づき心の病の線引きをするのである。
工藤は「指導される立場」でありながら進藤を「医者としては優秀だが指導医としては失格だ」と評価までする。そのために進藤の上司である澤井(ユースケ・サンタマリア)に「指導医のチェンジ」を要求するのである。トリハダ的にまた進藤先生だったらこわいぞ。・・・意味不明の例はやめなされー。
まあ・・・実際には工藤の親の社会的地位とかその人格、澤井との関係とか、進藤の立場とかで・・・チェンジ可能であることがありえるのも社会の複雑さです。
そこまでして面倒みられるか・・・と投げ出すことも可能ですが・・・ヒーローである進藤先生はぐっとこらえます。もちろん・・・周囲は進藤先生にシンパシーを感じているものも多く・・・なんとか気持ちの抑えようがあるのです。これが・・・周囲も「死体につばをはくくらいかまわないでしょう」という状況なら進藤先生泣いちゃうと思うし。
まあ・・・「口」で言っても分らないものは「体」で覚えてもらうしかなく・・・結局、論より証拠なのです。
そこで「女の道は一本道」の大家・認知症老婆(佐々木すみ江)登場である。
工藤は似顔絵を描いてくれた子供の患者を診断ミスで死の一歩手前へ。
子供を孫と思いこんだ老婆は「なまんだぶ・・・なまんだぶ・・・わたしのいのちとひきかえに・・・この子のいのちを・・・おーたーすーけーくーだーさぁぁぁぁぁれぇぇぇぇぇ・・・あんぎゃーおえほわー」と絶叫なのである。
そのあまりのやかましさに工藤は認知症の老婆の前では子供の患者は絶対に助けなければいけないと心に誓うのだった・・・違うだろうっ。
まあ・・・子供じゃないから・・・意図するところは読み取りますが脚本的には成立していませんからーっ。
一人一人の患者の命に向き合うことの大切さは精神論だし。
ついでに先週の結論・・・「ナース鴨居(北乃きい)は患者が死んだ時は泣かず助かった時に泣く」をナース山城(木村多江)が今週終盤にセリフでフォロー。ものすごく遠いわ。
そして澤井は「君が進藤先生に不満を持つことも・・・やがてその不満が解消することも・・・私にはお見通しですが・・・そのことを君がやがて後悔することも断言する」と予言者気取りである。思わせぶりだわ。
相当に荒っぽい脚本だけれどなんとなく面白いと評価されるのはお得ですね。というわけでついに全員が仲間となった救命センター・・・ここからが本当のスタートですかー?・・・なお・・・アフリカ時代の進藤先生の活躍を「ERⅫ」ぐらい描写してくれる日はくるんですかーっ。
関連するキッドのブログ『先週の火曜日のレビュー』
で、『恋して悪魔~ヴァンパイア☆ボーイ・第9回』(フジテレビ090901PM10~)脚本・半澤律子、演出・都築淳一を見た。なんと来週最終回である。まあ・・・全10回と言えば普通なのだが。これはロミジュリなのかシンデレラなのか判別しがたい展開である。シンデレラは結婚したらお終いなのだが・・・吸血したらお終いという設定だったらしい。シンデレラを連続ドラマでやるというのは相当に根気のいる作業である。まあ、ロミジュリもロミジュリが時間差心中したらお終いという一種のシンデレラ・ストーリーだが・・・。
ここまでの9/10回をおさらいしてみよう。
①高校教師の真琴(加藤)は謎の転校生ルカ(中山)の登場に戸惑う。ルカは10年前に溺死した歩にそっくりだったから。
②未吸血のヴァンパイアであるルカは牙が生えてから次の満月までに吸血しないと死ぬことが判明する。
③ルカは真琴からしか吸血したくないし真琴から吸血することはできない。
④カイト(近藤真彦)のような真のヴァンパイアになるためには吸血しなければならない。
⑤香織(桜庭ななみ)がルカに欲情する。藤井(姜暢雄)が真琴に欲情する。
⑥ルカが歩だったことを思い出す。
⑦真琴がルカ/歩に気がつく。
⑧第三のヴァンパイアによってルカがヴァンパイアであることを真琴に知らしめる
そして今回は⑨真琴はルカが真琴から吸血しなければ滅びることを知るなのである。
展開が遅いわぁぁぁぁぁなのである。もちろん・・・その間をルカと同居先の家族とのふれあいやルカとクラスメートたちのふれあいのエピソードでつないでいるのだが・・・非情に間がもたないのである。
だって・・・すぐ側に正体不明の怪物が生息しているのに・・・中華料理店「しんじょう」の娘の敦子(堀内敬子)の死んだ亭主への操とか・・・クラス一の美少女に恋するお調子者半田(中島健人)の心情なんてどうでもいいじゃん・・・なのである。
もちろん・・・すべては「死んだ歩に対する真琴の思い」や「人間だった頃の歩の真琴への思い」にリンクされていると解釈することはできるのだが・・・その裏で展開する辻褄のあわなさがそういう抒情を台無しにするのである。
たとえば・・・結局・・・ルカが歩だった以上・・・歩は消息不明のまま死亡届が出されたことになる。そういう特殊なケースでは・・・単に交通事故で高校時代の恋人を失った心情とは別の思いが真琴に生じているはずで・・・それが丹念に描かれなければならない。
そういう知性に欠けたまま・・・ヴァンパイアの物語は語れない。
・・・とヴァンパイアは主張するだろう。彼らは誇り高き一族だからな。
もう一つは失われた記憶に対するルカ/歩の対応である。
今回・・・ようやく・・・吸血鬼親(誰の吸血によってヴァンパイア化したのかを示す)がカイトであることが判明する。自分が歩であることにカイトが気付いてからそこまでが長いのである。あまりにも知性に欠けたルカ/歩なのである。
すると・・・ヴァンパイアの「心」が人間とはかけ離れた存在である・・・という結論が導き出されるのだが・・・それはまだルカ/歩が真のヴァンパイアではないから・・・という注釈もできる。何も知らないルカ/歩に対してカイトはすべてを知っているからだ。
だったら・・・半人前のルカ/歩をカイトが催眠誘導して真琴の血を吸わせちゃえばいいじゃん・・・と思うのである。それがなぜダメなのか・・・語られないまま・・・ここまできてしまったのだな。
キッドは・・・こう思う。「トワイライト」をパクるにあたってパクリ元を知らない人と知っている人への対応が脚本家の中でかなり混濁しているのだと。
さらに脚本家によって「ドラキュラ」→「トワイライト」→「恋悪」という流れを組んでいるものとそうでないものとの隔絶があり・・・さらに混迷するのである。
ルカが餃子のムチャ食いをするのは「ニンニク」による服毒自殺に挑戦しているわけだが・・・美味しいという意味不明の結論にたどり着くのは何故なんだ。
まあ・・・とにかく・・・今回は・・・筋立てはしっかりしています。
ルカがヴァンパイアだと知って困惑する真琴。
ルカの吸血しない宣言で安心する真琴。
とりあえず藤井との婚約を解消する真琴。
香織に「ルカとの交際は無理だと思う」と善意の忠告をする真琴。
忠告されて「不潔です」という香織。
しかしルカに拒絶された香織は半田でとりあえず妥協する。
真琴をヴァンパイア化しないために滅びを決意する歩/ルカ。
しかし本能の赴くままに真琴を襲いそうになるルカ/歩。
すべてに別れを告げて立ち去ろうとする歩/ルカ。
カイトから「ルカの滅びについて」説明される真琴。
恋に溺れて精神のバランスを失った藤井が真琴を襲う。
影となって真琴につきまとっていたルカは真琴の危機を救う。
真琴は突然・・・夜の闇に落ちた世界でルカ/歩を求め・・・思い出の場所を彷徨う。
出会いの歩道橋。ふれあいの桟橋。ルカの下宿先。そして学校。教室・・・音楽室。
ルカを見出した真琴は告げる。「私の血を吸ってちょうだい・・・そして永遠に美しく・・・二人で時を渡っていきましょう・・・」
もう・・・それで終わりでいいじゃないか・・・まだ歩/ルカはダダをこねるのかよ。
次回・・・人間たちがいかに騒ごうが・・・記憶を操作できるカイトの前ではすべては無意味なのでは・・・。
ヴァンパイアとして生きるよりは人間として死にたいと思うほど・・・ヴァンパイアより人間の方が素晴らしいとどうしてルカは思い込んでいるのだろう。
まさか・・・本当にヴァンパイアが邪悪な存在だと思っているとは思えないし・・・。
最初からすべて説明不足なんですよ。それは謎に包むこととは違うのです。
夜の街で・・・私は彼を探した。失われた恋人・歩を・・・謎の転校生・黒宮クンを・・・いいえ・・・違う・・・私は彼を探しているの・・・あの美しい瞳。あの甘い唇を。ルカ・・・ルカ・・・私のルカ様・・・どこに隠れてしまわれたの・・・私は淋しくて死んでしまいそうなほど。
木曜日に見る予定のテレビ『猿ロック』(日本テレビ)『黒木メイサの任侠ヘルパー』(フジテレビ)『科捜研の女』『ダンディ・ダディ?』(テレビ朝日)『東京少女大政絢』(TBSテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
前回まで割と大人しく言うことを聞いていたのに
(あ。先週は花輪先生の回だったので出番がなかっただけ?)
今回急に反抗心むき出しになっちゃったのは
脚本家さんが変わったからだったのですね。
それにしてもおちゃめな進藤先生をみるのは
初めてだったので、ちょっと戸惑ってみたり・・・。
いやいやいや。進藤先生はこんなキャラじゃないでしょう~。と心の中で思いつつも笑ってしまいました。
投稿: みのむし | 2009年9月 3日 (木) 12時31分
キッドさんこんにちは。
バンパイアボーイ…。
私は何故このドラマがコメディじゃないのかが不思議で仕方ないです。
初回を見てもうやめようと思ったけど罠にはまってしまって見続けてます。
でも一人でみるのは忍びないので家族を道連れにしてます。
優馬様も素晴らしいのですが、マッチ先輩のバンパイアっぷりがブラボーで毎回お腹をかかえて笑ってます。
今回は藤井さんのご乱心が見物でしたね。
役者さんとして好きな方なので残念でなりません。
ローサちゃんは優馬様に上げちゃって新しい人生を歩んだ方がいいと思います!!
それから、優馬様がどうして吸血しないのか?
考えてみると、永遠の命と若さを手に入れたのがマッチ先輩だからだと思います。
だって…
ハイビジョンで見るマッチ先輩のお顔はとても永遠の若さとは言えません!!
鼻の下が青々しくて見るに耐えられんです。
これが、福山雅治様だったら喜んでバンパイアになったはずです。
まあどうでもいいけど来週最終回は寂しいな
唯一爆笑できるドラマだったのに。
投稿: まっちっち | 2009年9月 3日 (木) 12時41分
*simple*life*みのむし様、いらっしゃいませ*simple*life*
まあ・・・研修医としては
やや・・・困ったちゃんであることは
初登場からそれとなく匂わしていましたけどね。
川崎さん・・・じゃなかった研修医・矢部(伊藤英明)は
もう少しかわいかった気がしますな。
「オーバータイム」とか「愛をください」とか
「女子アナ。」とかやってからだし。
工藤(石田卓也)は同じジュノン系だけど
ヒットしなかったテレビ版「青春の門」以来
泣かず飛ばずで・・・誰だよ状態と感じました。
新人ナース枠が「ライフ」→「月9」→「ゲゲゲ」と順調にステップアップしている北乃きいだけに
研修医枠一人で大抜擢な感じがいたします。
皆様はスターとしてのオーラを感じるのかどうか・・・。
で・・・かわいいキャラ不足のために
進藤先生を突然ピーマンのキライな子にしちゃった感じ?
なんだが・・・手抜きのネタであると
感じたのはキッドだけではないのでしょう。
ただし・・・キッドは青椒肉絲24時を
考え付いてニヤリとしてしまいましたけれど~。
そういう意味では素晴らしいネタだったのかも~。
投稿: キッド | 2009年9月 4日 (金) 00時43分
✧✧ギンギラギンニ✧✧まっちっち様いらっしゃいませ✧✧ハイビジョン✧✧
まあ・・・コメディーとして作ろうと思えば
作れましたよね。
またコメディーとして見ることも可能でございます。
そうなると
「一目見て好きになっちゃった・・・謎の転校生と担任の女教師・・・ごくありふれた禁断の愛のはじまりなのですが・・・彼女は親の代から厳粛なクリスチャン・・・けれど彼はヴァンパイア・ボーイだったのです」
くらいの軽いノリでよかったのに。
ルカはおしゃれな洋館に住んでいて
中華料理店の二階に住んでいるのは真琴。
真琴はギョーザが死ぬほど好きなので
いつもニンニク臭く・・・ルカは血が吸えない・・・
・・・みたいなーっ。
香織は委員長だけど
影ではゴスロリ専門で怪奇なことには目がない。
毎回、様々なモンスターがゲストで登場。
巻き込まれて真琴と香織はいつもピンチになるけれど
最後はルカが救う・・・。
そして「来週こそは真琴の生き血を吸ってやる~」
・・・みたいなーっ。
ジャニーズ系なら
先輩バンパイアは本木雅弘(43)でギリギリ。
本当は松潤とかで。
堂本光一でもよかった。
コメディータッチなら
香織が先輩ヴァンパイアでもいいくらい。
理想としては沢尻エリカで。
なんなら美山加恋でもいい。
つまり・・・外見は・・・でも400才なんですから。
そういうセンス・オブ・ワンダーが
まったく期待できないこのタッチでは
無理ですけどね。
なにしろシリアスにも作れないのだから。
キッドはコメディーものは
シリアスものの100倍くらい難しいと考えますので。
先輩なんだから近藤真彦(45)でいいじゃんという
キャスティング・センスですからね。
一体・・・400年前・・・カイトは
誰に愛されてヴァンパイアになったのか・・・
おっさん趣味の誰かがいたってことですからーっ。
藤井は誰がどう見てもヴァンパイア顔なのだし~。
普通のマザコンじゃ・・・困った感じに・・・。
まあ・・・たとえば
真琴がもっと探偵役を務めて・・・
ルカの秘密を暴いていくといった
趣向だったらもう少しのれたかもな~とか
本格的ヴァンパイア・ハンターが
投入されていれば
スリリングだったかも~とか
もういろいろ考えちゃうドラマでしたな。
香織は水着サービス不足だったな~とか
ローサはシーンによってやせたり太ったり大変だな~とか
どうでもいい感想ばかりになったりもして・・・。
まあ・・・マッチはそれなりに
いい感じでしたよ。
もちろん心にもないヨイショ!ですがーっ。
まあ・・・そういう愚痴も
来週で最後かと思うとちょっと淋しい気もします。
その点はまっちっち様と
わかちあいますぞ~。
また遊びにいらっしゃってくださいね。
投稿: キッド | 2009年9月 4日 (金) 01時29分