忠義一途の天地人(妻夫木聡)直江状全国一斉販売中(長澤まさみ)うっとり(小栗旬)
ついに妄想で家康の断末魔を描くようになったか・・・キッドのブログを越えたな・・・。
天晴れだ・・・天晴れ天地人。
それにしても愛姫(杏)・・・なんの説明もなく蜂の一刺しをするわけだが・・・お茶の間的には意味不明の人が多いと思う。
本来、大坂城にいる大名の夫人たちは豊臣秀頼に対する人質である。たとえば菊姫(比嘉愛未)は上杉景勝が謀反人になった時点で殺されてもおかしくない立場だがすでに戦国の世ではないために拘束され監視下におかれる程度になっている。処分は決着がついてから・・・という流れである。
豊臣政権では大坂城と伏見城が共に首都機能を持っていたために主要な大名屋敷はそれぞれにある。
人質が大坂城下の屋敷にいるか伏見城下の屋敷にいるかは各大名家の都合によって変わる。
もしも直江状が実在したとしたら・・・上方の上杉屋敷は大混乱になったはずで・・・うっとりしている場合ではないのである。
その家康が上杉討伐軍を引き連れて関東に出陣する。討伐軍に参加した大名の奥方は討伐軍司令の家康の人質のニュアンスが生じる。その留守を狙って石田三成の発案で毛利輝元が大坂城を占拠するのである。すると今度はクーデター司令官の石田三成の人質になるわけだ。
この時点で・・・伊達政宗は徳川についており・・・愛姫は微妙な立場になったのである。
そこであえて・・・「けっ」て言っちゃう愛姫・・・面白すぎるぞ。
この時点では徳川軍も石田軍もどちらも豊臣軍である。
しかし・・・敵味方が生じると人質たちも混乱する。そのために・・・命を落とす人質も現れる。
そういう流れはまったく説明されず・・・うっとりだったり、「けっ」だったりもう意味不明だよな。ま、いつものことだけどさ。
で、『天地人・第37回』(NHK総合090913PM8~)原作・火坂雅志、脚本・小松江里子、演出・片岡敬司を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回はあらすじが5項目の大盤振る舞いです。長めの五行ともいいます。妄想を含め幽かに戦の匂いがあったためでしょうかぁぁぁぁぁ。まあ「お笑い」としてはかなり傑作だったということでしょう。いつから大河ドラマがチープなコントになったのかはさておき。まあ、ムダ毛なみに処理された武将多数のこの大河。あの人もいない。この人もいないで・・・よく話が成立するよな・・・と思うこともありますが・・・話として成立していないのか・・・と気がつくわけです。しかし、ここに至って志駄義秀も下吉忠もいないというのは驚愕ですな。ま・・・畠山義春とか・・・上杉家中の乱れを感じさせる人物は極力排除という流れですからね。当然、関ヶ原寸前に家康に降った藤田信吉も抹殺です。おそろしい捏造でございます。戦の弱さに定評あるくせに作戦成功を確信した豊臣兼続・・・景勝を斬るという架空戦記でも始めればいいのに・・・。しかし・・・今回は大爆笑展開満載なので皆さんの視線も優しいみたい。ついにバカな子ほどかわいいの境地にお茶の間も導かれたのか・・・。毛利輝元の大坂城占領の正体を知りたい方は小早川隆景の秘密もお楽しみください。
で、慶長五年(1600年)に突入である。まるで無能の人に描かれる春日山城主・堀秀治であるがすでに越後各地では上杉景勝・豊臣兼続主導による一揆が年明けから始まっており、越後国内は内戦状態なのである。秀治がその証拠を押さえれば上方に急報するのは当然なのである。そのために上杉家は豊臣家から詰問され、返答に屈している。なぜなら上杉家は豊臣内部の石田派と福島派の抗争に乗じて東北制覇を開始しているからだ。上杉家としてはまず旧領土・越後の回復。そして庄内地方から山形に攻め入り出羽地方の占領。そして伊達との決戦によって陸奥を併合し・・・会津、越後、出羽、陸奥を統合して東北に上杉帝国を築き上げようとしているのである。そうなれば関東の徳川、関西の豊臣、と本土は三分割できるという計算である。もちろん・・・そこには義理はなく欲望という人情があるばかりなのである。
冬の間に準備を整えた越後の軒猿たちは雪解けとともに各地で反乱を開始した。本庄城の村上義明、新発田城の溝口秀勝など小大名の領地では各所で城方の屋敷が襲われ、代官が殺されたり、逃げ出したりする騒ぎになっている。
一揆勢は鉄砲を含めて武装されており、すでに領内の統制は失われた状況である。越後・東北では不作が続き、百姓たちにも不満が鬱積している。一揆は扇動され面白いように火の手をあげていく。越後一揆を支配するのは樋口一族の惣領・与一である。
織田・北条・新発田と数々の激戦を生き残ってきた戦忍びはおびただしい傷跡の残る顔に笑みを浮かべる。
「さあ・・・ものども・・・こうるさき上方の侍どもを血祭りにあげるのじゃ。越後の忍びの凄まじさを弓矢鉄砲で味あわせ火をかけていたぶって目にものみせてくれよう・・・まもなく会津でも庄内でも戦の太鼓が打ち鳴らされ・・・上杉の天下がやってくるぞ・・・待ちに待った時は今ぞ・・・存分に働くがよい」
軒猿たちに組織化された一揆勢は連携し・・・かって知ったる春日城へとじわじわと圧力をかける。
景勝の上洛拒否を受けて徳川の息のかかった上杉臣下は粛清を逃れて会津を脱出する。
景勝はその動向を注意深く見守る。
「藤田信吉は失せおったか・・・」子飼いの軒猿の報告を受けた景勝の顔は一瞬曇る。小田原合戦から10年・・・。国内から戦が消えて人々の交わりは複雑となっている。敵味方の峻別は難しい。景勝が忍びを放ったと同様に家康も忍びを放っている。景勝は身内に戦国の血が蘇るのを感じる。手厚く養った小姓が・・・優しく愛撫した姫がいつ刺客に豹変するかわからぬ日々。そのどうしようもないはかなさが心を満たす。
心に浮かぶのは兼続の顔である。辛苦をともにした股肱の臣も裏切る修羅の世界。その恐ろしさが景勝の血をたぎらせるのだ。
兼続は最前線となる白河の砦にいた。東海道に放った忍びからは次々に諸城の動向が報告される。すでに上杉討伐軍は上方を発している。家康は石田や真田の送った刺客をことごとく葬りすでに江戸城に入っていた。下野・上野の徳川軍は連携して会津への封鎖を強めている。慶長五年七月・・・すでに戦は始まっている。
兼続は刻一刻と変わる状況を冷静に吟味する。徳川軍北上軍の合計は10万。対する上杉軍は5万である。そのうち3万が若松城南部に集結している。兼続にとっては上方における石田勢の蜂起の時期が問題であった。それは討伐軍と上杉軍の戦端が開かれる前なのか・・・後なのか。しかし、情報を分析しているうちに家康の意図が見えてくる。家康は待っているのだ。三成の挙兵を。つまり・・・あえて進軍を停滞させている気配が窺えるのである。
すると・・・兼続は懸命に頭を働かせる。白河での防衛戦は発生しない可能性があった。
兼続は忍びを呼んだ。「酒田の直江衆に・・・知らせよ。最上川のぼれだ」
七月下旬、庄内地方の上杉衆は酒田城の志駄義秀、大山城の下吉忠を中心に最上川沿いに出羽最上領への進軍を開始する。会津側に戦力を集中していた最上勢は各所で上杉軍に敗退する。軒猿たちはのろしで会津に勝利を意味する「虎」の符号を送る。
その頃、石田三成は挙兵していた。佐和山城に集結した犬神勢は夜陰に乗じて琵琶湖を渡り、家康の腹心・鳥居元忠の守る伏見城への攻撃を開始する。
結界を張っていた隠密衆から報告を受けた元忠は寝床から跳ね起きる。
すでに城外では戦闘が始まっていた。伏見城本丸には鍛冶場が特設されている。そこでは城内にためられた銀を弾丸に加工しているのである。
「ふふふ・・・石田勢の犬侍どもにはこの銀の玉がさぞや応えるだろうて・・・」
鳥居自慢の鉄砲衆の銀の弾丸攻撃に石田三成の先鋒衆はきゃんと悲鳴をあげる。
ついに天下分け目の戦が始まったのである。
伏見城攻城が始まって10日目の夜。しぶとく、抵抗を続ける鳥居元忠はあやしの気配を感じる。城内に侵入したものの気配があった。鳥居は片手に短筒、片手に槍を構えて待ち構える。物見の櫓から巨大な物体が舞い上がり、天守の扉を突き破る。
「うぬ・・・大谷刑部少輔か・・・」
それは巨大な蝙蝠だった。その蝙蝠から黒い物体が分離する。
一瞬の逡巡が元忠の命を奪う。黒い物体から無数の弾丸が吐き出される。
暗闇の中で穴だらけになった鳥居はそのまま、城外へ飛び出し落下する。
変身して大谷吉継となった蝙蝠男を従え、天守から連射銃をかまえた鉄砲忍びが名乗りをあげる。
「雑賀孫三郎重朝・・・鳥居元忠殿を討ち取ったり」
城の内外から歓声が起こる。豊臣秀家の軍勢が乱入しすでに城内では虐殺が始まっていた。大谷吉継は逃げ惑う小姓衆の生き血を吸い上げる。
慶長五年は八月になった。すでに徳川方は反転行動を始めている。
会津では上杉対伊達・最上連合軍の闘いが始まっている。すでに領内白石城を伊達軍に落とされた上杉軍は出羽と陸奥の二方面作戦に引きずり込まれていた。兼続の計算は徐々に狂い始めていく。
真田忍びの神八は信州・上田城へと駈ける。真田家二分の計の実行を知らせるために・・・。
関連するキッドのブログ『第36話のレビュー』
火曜日に見る予定のテレビ『救命病棟24時』『チーム・バチスタの栄光・総集編プラス』(フジテレビ)吸血鬼打ち切りの余波か・・・。
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
直江状を読んで声の裏返る家康とか
水攻めで溺れる家康を景勝が討って
( ̄ー ̄)ニヤリとする光景を妄想して
したり顔になってる兼続とか
夫がいる場合といない場合とでは
裏表がある腹黒?な愛姫とか
いやぁとにかく笑わせてもらいました≧∇≦
ドラマを見る限り
人質をとった経緯とか全く分かりませんが
愛姫のあの様子を見ると、それは失策だったって
事なんですよって言ってるようにも見えますが
ここまでの流れから
このスタッフがそこまでの考えがあったとは
思えないですけど ̄▽ ̄ゞ
でもって未だに出てこない
前田慶次や安田能元や藤田信吉
彼らを出したら、兼続君がダメダメ君に
見えてしまうのが嫌だから排除したって
思惑があるのかもしれません ̄▽ ̄
投稿: ikasama4 | 2009年9月15日 (火) 07時58分
✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥
まあ、ドラマなので
作った部分がどう面白くなるかという勝負。
お茶の間に支持されているので
キッドとしては
日本の歴史教育が
完全に暗礁にのりあげているのだなと
実感するばかりでございます。
まあ・・・受験の選択科目の問題だったりして。
妄想で遊ぶ人に文句を言う資格のない
キッドですが
それ相応の制裁も欲しいですな。
これはいわゆる
獲らぬタヌキの皮算用というやつなので
兼続くんがタヌキのきぐるみを着用して
家康に謝るとか。
本人は戦場から逃げ帰るのが得意技なのに
追い討ちを主張してすねるとか
義対義の言い合いにも負けるとか・・・。
兼続くんももう40才ですからな。
いい加減目覚めなさいなのでこざいます。
とりあえず愛姫は
出番作れと強力なプッシュが
あったとしか思えない展開でしたな。
なんのフリもないんですから~。
駿府・浜松城の作者に
歴史的なおまかせやられても
唖然ですよね。
まあ・・・お気に入りの武将たちには
夜・・・夢の中で会うしかない。
恵まれない子供たちの気持ちです。
ズバリ・・・
兼続くんを貶めるもの
存在するべからずですな。
きっと、神様仏様イケメン様なのでございましょう。
ははは・・・( ´Д`)y──┛~
投稿: キッド | 2009年9月15日 (火) 12時37分
直江状は同報システムで配達されていたのですね。途中の伝送エラーがあったから異本が生まれて伝えられているのですかー?
でも今回みたいにここまで来ると、淀君が「やっておしまいー!」とか言ったり、家康が「おしおきだべー」と叫んでも全然構わない感じ。
なら兼続はガンちゃんで、景勝はヤッターワンですかー!
愛しの刑部様はまさか津田寛治とは……。最近、ラスト近くの出演が多いですなぁ……。
投稿: 幻灯機 | 2009年9月15日 (火) 23時43分
✪マジックランタン✪~幻灯機様、いらっしゃいませ~✪マジックランタン✪
キッドはどちらかと言えば
直江状はなかった・・・という意見強めの
人格群で構成されていますので
まあ、最初にちょっと嗤っちゃうところがあります。
相国寺和尚は実に怪しい人物で
なにしろ文禄の役の外交官の一人。
明も秀吉も手玉にとる悪党坊主でございます。
直江状というのは
家康が景勝を詰問するために送った和尚に
対して兼続が送った書状と言われているわけです。
そんなものにどんな信憑性があるのでしょう。
しかも現物なしですからね。
いわば徳川政権下においては
徳川の悪口を言うのは
禁断の快楽のようなもの。
つまり趣味の文学なのです。
そして倒幕の後に
徳川の悪口に満ちたこの文書がもてはやされた。
それだけのことでございます。
まあ・・・言ってはいけないことを言う人に
庶民が拍手するのは
ビートたけしさんとかを見れば
明らかでございましょう。
直江状とはその手のお笑いなのでございます。
まあ・・・そういうものに
うっとりする人がいるのは
今も昔も同じなのでございます。
津田寛治は本来チョイ役こそが
命なのでもっとチョイ役で
活躍してもらいたい。
交番のおまわりさんとか
バーテンダーとか
コンビニ店長とか。
そういう意味では顔出しのない
大谷吉継はツボでございました。
投稿: キッド | 2009年9月16日 (水) 08時27分