赤鼻のセンセイ(大泉洋)白衣のセンセイ(香椎由宇)今なら毛髪検査されなくてすむ(須賀健太)毎日採尿されてるだろう(神木隆之介)
水曜日のダンスは・・・。
「 9係の夫」13.5%↘13.3%↘12.2%・・・・・・・↗12.3%↗13.2%↗13.9%↗15.0%↘13.6%↘12.7%
「芝生の妻」11.4%↘*9.8%↘*9.0%↗10.2%↘*9.2%↗*9.8%↘*8.1%↗*8.5%↗*8.9%↘*8.7%
「赤鼻のセンセイ」・*9.4%↘*8.9%↘*8.2%↘*7.9%↘*6.9%↗*7.9%↗*8.7%↘*8.3%↘*7.0%
赤鼻のセンセイ(大泉)が失敗したら産休明けの働くゴン(篠原涼子)が緊急リリーフである。もはやドキュメントハケンの品格か。そのまんまハケンの品格なのか。
で、『赤鼻のセンセイ・第9話』(日本テレビ090902PM10~)脚本・高梨一起、演出・佐久間紀佳を見た。病気になると人は憂鬱な気分になる。憂鬱な気分は人を病気にさせる。人々はなんとなく・・・そう思い「病は気から」などという格言を生んでいる。身体的な病と精神的な病の境界線は実は曖昧である。そこで「笑う門には福来る」という格言を導入したのがパッチ・アダムスであった。
このドラマは明らかにそのパロディーをしようとしていたのだが・・・もう自分が何をしているのか・・・よく分らない状態になっている。
主人公を「院内学級の教師」にしたのはアイディアだったが・・・そのためにホスピタルクラウンによる不確実な医療的効果と厳密な医療との対峙はまったく未消化のまま霧散し、「医療」と「教育」の共存の問題を浮上させ・・・よくわからないドラマになってしまったのである。
要するに「笑い」の本質に対する考察が甘いし、「笑い」による免疫効果向上という個人差が激しく「信仰」の域を出ないものに対する覚悟も不足していたのである。
その形骸としてほとんど意味もなくオープニングを飾る松竹芸能所属のまえだまえだが演じる「ゆうた・きいた」の劇中漫才の虚しさはものすごいレベルに達していると思う。ある意味、健康な人も鬱にさせる域である。
趣向としては毎回の主題をネタとして展開させる狙いがあったはずだが・・・もはやほとんど無関係である。
どうせなら「持ちネタ」でもいいと思うが入院患者としての設定が残っていて毎回、劇中オリジナルネタであると推定していいだろう。
今回は「九九」が覚えられない弟・きいたのために骨折で入院中の兄・ゆうたが「問題を出す」と弟がボケて・・・兄がツッコミを入れるという展開である。
兄「にく(2×9)」
弟「おいしーっ」
兄「(受けて)さざんが(3×3)」
弟「オールスターズ」
兄「(受けて)しさん(4×3)」
弟「うんよー」
・・・この部分がすでにネタとして聞き取り辛く、ボケはまったく違う意味だったのかもしれないが・・・要するに漫才としての体を成していないのである。
(受けて)はここではツッコミを示す。たとえば掛け算の問題を出しているのに「肉と言えば美味しい」と答えたボケに対して「誰が食い物の話をしろって言った」とか「そうそう・・・特にカルビをたれにつけて・・・その肉じゃなくて掛け算だ」などと基本的にボケを解説しつつ笑いそこなったお客に追加サービスをするのである。
この部分がグダグダなのである。
「さざんがオールスターズ」は「サザン・オールスターズ」だがだじゃれとしてもすでに苦しいので「ちょっと無理があったな」などと「気持ちをつけたす」場合もある。
そういう部分も含めて「ネタ」というものは練られて行く。そんなに甘いものじゃないのである。
まして「資産運用」は相当に苦しいネタである。「意味わかって言ってるのか」ぐらいはツッコミを入れないと話の運びが悪いのである。
ここは「さんし(3×4)」「いらっしゃ~い」で「事務所(桂三枝師匠は吉本興行所属)違うから怖いもの知らずだな」にしてほしかった・・・それが言いたかったのか。
まあ・・・とにかく・・・プロの作るドラマ水準に達していないのはこの一点で明らかだということです。子供にこんな恥をかかせてひどいスタッフだ。
さて・・・この後はにえきらない院長(上川隆也)と赤鼻(大泉)が「すでにクビになった赤鼻を院内学級閉鎖まで残れるように処理した院長」という立場でハグをする場面となる。
熱烈にまるで同性愛者のように抱き合った二人をシルク(小林聡美)が目撃し立ち去る。
誤解を解くためにシルクを追いかけた赤鼻。ここでは「同性愛者」と思われたくないのだ。
しかし・・・シルクは「何にも見ていない・・・あなたがクビにならずにすんだことも聞いてません」と答える。
つまり・・・最初からすべてを聞いていたシルクは赤鼻を同性愛者だと疑ってはいなかったのである。
ここでもシルクが「全部聞いてた」と明らかにしたところで赤鼻が「最初から聞いていたのですか云々」というセリフを言わないために「同性愛と誤解されたと誤解した赤鼻の恥」が落ちないのである。もちろん・・・暗黙の了解としてそうする高度なテクニックもあるわけだが・・・そんなゆとりのある状態ではないので・・・単に基本的な素養の欠落なのです。
なんていうか・・・わかっていないのだな。
もうひとつ・・・病状が悪化して滅菌室に隔離された和田(須賀)が赤鼻に「将来の夢」を語るシーンがある。
そこまでには和田が「僕にはもう明日がないかもしれない」と言ったことに対して間を置いて友人の八重樫(神木)が「そんな甘えたことを言うな・・・お前があきらめたらダメじゃないか」と心を鬼にして叱るシーンがあり・・・その気持ちを汲んだ和田が一生懸命に「明日について」語るのである。
それは「16才になったら免許をとって・・・バイトをして・・・バイクを買って・・・退院したら高校に行って・・・大学に行って・・・就職して・・・地味に職場恋愛をして・・・地味に結婚して・・・地味な家庭を作りたい」という未来だった。
その後で教職員・医療チーム共同のスタッフ・ルームに戻った赤鼻は同僚の教師たちに「和田と何の話をしたのですか」と聞かれる。教師たちも医療スタッフも聞き耳を立てる。ここで赤鼻は「ふつうのことでしたよ・・・」とまとめてしまうのである。キッドはテレビの前でソファからずり落ちました。
確かにお茶の間的にはもう聞いた話です。だから要約して無駄を省くというテクニックはあります。だが・・・ここはあえてリフレインするところでしょうが・・・。
「16才になったら免許をとって・・・バイトをして・・・バイクを買って・・・退院したら高校に行って・・・大学に行って・・・就職して・・・地味に職場恋愛をして・・・地味に結婚して・・・地味な家庭を作りたい・・・すごく普通の・・・普通の夢なんですよ・・・あいつの夢は」と言いながら涙がとまらない赤鼻。和田の前では泣けないからここで泣くのです。そして室内の全員がもらい泣きです。
そういうシーンを作らなかったらどこで泣いたらいいのかお茶の間だってわからんのじゃ。
だって・・・もう・・・「お笑い」で楽しませるドラマじゃないことは冒頭から明らかで・・・ここはすでに「お前がいらないと思う今日は誰かがほしかった明日かもしれない」という勉強しない子や生きる努力をしない人へのお説教の場と化しているのである。
それならそれでそういう風にしないと・・・。何の役にも立たないよ。
ま・・・死者に鞭打つみたいで申し訳ありません。・・・おい・・・誰も死んでないぞ・・・まだ。
いや・・・ドラマとしてはもう死に体だろう・・・。
関連するキッドのブログ『第8話のレビュー』
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ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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