世話焼かせやがって(草彅剛)人参は抜いとくぜ(黒木メイサ)介入の介は介護の介(仲里依紗)
5年もヘルパーやってる和泉(山本裕典)が隼会構成員だった以上・・・まあ何でもありだわな。
しかし、いくら大手とはいえ一企業の社長辞任の会見をノーカット生中継でテレビで報道するかどうかは微妙だよな。社員が覚醒剤所持で逮捕されてもだ。もう少しスキャンダルとしての「母親殺し疑惑」のフリが必要だった。
そうなると・・・匿名で送られてきた「任侠ヘルパーの正体暴露写真」を見て驚く・・・美空(仲)も疑わしい・・・。
なにしろ「アキバの受け師」だけど「メイドのみるく」でもあった中静そよを演じた女優(「ハチワンダイバー」より)である・・・本当は・・・西の方の巨大組織から送られてきた任侠ヘルパーだったりして・・・。まあ・・・何でもありだから。最後は関西弁になったりして・・・さすがにそれはないよな。
チャカもドスも使わないで殴りこみ・・・掟か・・・任侠ヘルパーの掟なのか。単なるキレイゴトか。
で、『任侠ヘルパー・第9回』(フジテレビ090903PM10~)脚本・古家和尚、演出・葉山浩樹を見た。ものすごくダイナミックな詰め込み主義である。この脚本家のシスティマティックな特徴が出ているな。もちろん・・・かなり破綻している部分もあるがこれだけ騙りを仕掛ければ・・・まあなんとかごまかせるということだ。
突き詰めると彦一(草彅)をめぐる三人の女の戦いの物語なのである。
第一の女・・・ヘルパー美空。彼女は健気な新人ヘルパーである。美空の過去はまだ語られないが・・・修羅場をくぐってきた気配は濃い。天涯孤独な境遇であることは充分に妄想できる。すでに家族に見放され・・・介護施設「タイヨウ」に「看取り介護」を托された末期の老人・夏夫(峯のぼる)を実の息子(梶原善)に代わって献身的に看護するのである。
自腹で夏夫のために花を買い、終末日記をつける甲斐甲斐しい美空に・・・同室の鷲津も「気立てのいい娘じゃないか」と目を細める。
敵対組織の組長でもある鷲津(竜雷太)から「オレのクビがほしけりゃとらせてやるぜ」と言われて「甘えるな」と説教した彦一も・・・美空には一目おいているのだ。見習いたい気分なのである。
そして・・・家族には誰も看取られないまま・・・介護仲間に見送られて夏夫は旅立つ。
いつものように大事な会議に出席した息子に届いた知らせは黒い縁取りがあるのである。
葬式もきっと葬儀社まかせだったりして。
マラソン・ランナーのように息をきらしてゴールした夏夫の流す涙は幸せの涙なのか・・・不幸の涙なのか・・・鷲津が迷うと・・・美空は夏夫の遺言を取り出す。そこには「みんなありがとう・・・花をありがとう・・・鷲津さんありがとう」と書かれている。
鷲津は「親の血を引く兄弟よりも固い契りの介護施設仲間」の冥福を祈るのだった。
第二の女。任侠ヘルパーりこ(黒木)は鷲津襲撃に失敗して「タイヨウ」を脱走する。四方木組組長としてかわいい子分の仇をとらないと面子が立たないのである。りこの兄貴分・鷹山の実子である三樹矢(薮宏太)は惚れた弱みで彦一が見失ったりこの行方を追う。
すべては鷲津組長暗殺により鷲津組と隼会との抗争勃発を狙う鷲津組系尾国組の尾国組長(鈴木一真)の画策だった。
三樹矢はりこの兄である四方木組・元組長の墓前でりこを発見し真相を伝える。
りこは三樹矢相手にラブホテルで緊縛プレーを楽しみつつ、尾国を狙うが逆に三樹矢ともども拉致されてしまう。
おなじみのそういう倉庫に監禁された三樹矢とりこ・・・。尾国がスピードやらエクスタシーやらで実は男性未経験のりこを薬漬けの性奴隷に調教しようと服を脱がし始めたところで・・・任侠ヘルパー組到着である。
チョーパン(頭突き)の連打で尾国の手下に引導を渡す彦一。怪力無双の二本橋(宇梶剛士)も敵をなぎ倒し、手加減無用の黒沢(五十嵐隼士)もそこそこ活躍し、六車(夕輝壽太)がりこを解放する。りこは尾国をビール瓶で叩きのめすのだった。
そこへ・・・かけつけた黒塗りの高級車の一群。尾国は息を吹き返すが・・・到着したのは鷲津組幹部と鷲津組組長本人。そして鷹山と和泉。
尾国の陰謀はすべて露見し・・・鷲津組と隼会は手打ち(抗争集結宣言)である。
彦一に「ムチャするんじゃねえ」と言われたりこは「馬鹿野郎」と言い返すが・・・罰として命じられた食事当番では・・・人参嫌いの彦一のために人参抜きのカレーを煮込むのだった。フジテレビは主役の偏食礼賛週間か・・・。
まあ・・・所詮・・・餓鬼の見る夢ってこってす。三樹矢・・・片思い継続中。
第三の女は総合介護事業組織ハートフルバード社の女社長・羽鳥(夏川結衣)・・・。彦一の舎弟ヘルパー・涼太(加藤清史郎)の母である。
羽鳥は「介護につかれて老母を見捨てた過去」を持ち・・・理想からは遠いが世の中のニーズに応えた合理的な姥捨て山を作り上げた。しかし・・・自慢の高級老人ホームを彦一に「ブタ箱」呼ばわりされたことも忘れる認知症を発症中である。
秘書の弥生(中別府葵)に病状を見抜かれ社長辞任に追い込まれるが・・・甘えん坊の涼太のために失いつつある記憶が残るうちに楽しい生活をしようと決意する。
しかし・・・彦一と連れ立って遊園地に出かけた折に・・・ついにわが子を認識できなくなってしまう。呆然とする彦一と涼太。はたして涼太はこども社長になってしまうのか・・・つづくである。
まあ・・・三人の女の誰が彦一と結ばれるのか・・・それとも彦一はお約束で最後は誰かに刺されて死ぬのか・・・。クライマックスはもうそこまで・・・でございます。
そっときゅっと結ばれるのか・・・そっときゅっと刺されるのか・・・乞うご期待。
関連するキッドのブログ『第8話のレビュー』
土曜日に見る予定のテレビ『御曹司白鳥のこち亀』(TBSテレビ)『華麗なるスパイ』(日本テレビ)『真マジンガーZ』(テレビ東京)『牧瀬里穂の再生の町』(NHK総合)『ジャングル大帝』『オトメン(乙男)・夏』(フジテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
| 固定リンク
« 赤鼻のセンセイ(大泉洋)白衣のセンセイ(香椎由宇)今なら毛髪検査されなくてすむ(須賀健太)毎日採尿されてるだろう(神木隆之介) | トップページ | これで済んだと思うなよ(満島ひかり)どこかで私を見かけても声をかけてはいけない(木下あゆ美) »
コメント