任侠ヘルパーも今宵限り・・・(草彅剛)ファースト・キスもらいます(黒木メイサ)
くどいようだが・・・任侠ヘルバーで極道者が介護に関係していることは珍しいことではない。
ごく日常的な現実なのである。
任侠ヘルパーのフィクションの部分は主人公が義侠心に満ちた極道者である・・・ということなのである。
そんなヤクザはいないのが現実です。
ともかく・・・最終回は↗15.6%でフィニッシュ。平均視聴率15.0%でした。
で、『任侠ヘルパー・最終回』(フジテレビ090917PM10~)脚本・古家和尚、演出・西谷弘を見た。くどいようだが組織暴力団・隼会は次のような組織であると思われる。
隼会・会長・死亡のため空席。
会長代行・若頭・鷹山源介(鷹山組組長・松平健)
傘下の有力な組織の組長(幹部候補生)
翼組・翼彦一組長(草彅)
四方木組・りこ組長(黒木)
六車組・六車組長(夕輝壽太)
二本橋組・二本橋組長(宇梶剛士)
黒沢組・黒沢組長(五十嵐隼士)
鷹山組次期組長候補・鷹山三樹矢(薮宏太)
なお、表向きでは翼組は翼工業という企業名を名乗っている。
今回、彦一たちが目標としている幹部の席とは何かといえば・・・鷹山源介が隼会会長の跡目を相続した場合の隼会若頭の座なのである。
つまり、会長-若頭-各組という権力構造があるからだ。
ちなみに・・・鷹山組の有能な組員である和泉(山本裕典)が介護施設「タイヨウ」に潜入していたのは個人的事情もあるが・・・基本的には鷹山組内の内部抗争があったと思われる。
つまり・・・実子・三樹矢の継承問題だ。三樹矢はおそらく鷹山組若頭なのだが・・・このボンボンが若頭じゃやってらんない問題が過去にあったと推定。
とにかく、最終的には源介隼会会長・鷹山組長・三樹矢、鷹山組若頭・和泉で決着したらしい。
老人介護施設「タイヨウ」の業務停止処分により・・・研修は終了・・・隼会若頭は彦一に内定する。
つまり・・・結局は隼会会長の跡目相続がなったということである。すべては継承問題でゴタゴタしたくない鷹山の時間稼ぎだったということです。
しかし・・・介護ヘルパーの研修を通じて覚醒した彦一の任侠魂はそれをよしとしないのだった。
密かに彦一に惚れて乙女の純情を奉げたいと思っているりこだったが・・・つぶさに彦一を観察しているので彦一の心情は手にとるようにわかるのだった。
彦一は・・・老人介護を通じて老人介護を食い物にしている極道社会に背を向けたがっている。
彦一は・・・子分の羽鳥涼太(加藤清史郎)をかわいがりすぎて親心が生じ、涼太の母である晶(夏川結衣)に惚れくさってる。
ということである。
そこへ姥捨て山行きのバスがつき、運転手(渡辺哲)は新たなじいさんばあさんを不法投棄するのだった。
一方、涼太の実の父親であり、晶とは違う女を妻に持つ役人・藤堂(陣内孝則)は老人介護行政の立場から組織暴力団の資金源化した老人介護の行く末を案じるのだった。
しかし・・・老人介護の深刻な現状は老人介護のために設定された法を有名無実化していくのだった。なぜなら親を捨てるような子供はヤクザ以下だからである。
しかし・・・市民がヤクザ以下の存在であるとは口がさけても言えないので・・・現状にはそぐわない法を強制執行するしかないのだ。
彦一「おい・・・現にここに捨てられているじいさんばあさんをどうするつもりだ」
藤堂「まあ・・・最悪、保健所に連れて行くしかないかな」
彦一「じいさんやばあさんだって捨てられたくて捨てられてんじゃねえぞ。子だってな・・・好きで親を捨てたんじゃねえんだ・・・仕方なくなんだよ・・・それをお前ら・・・犬か猫みたく言いやがって・・・」
藤堂「仕方ないだろう・・・オレたちは法を執行することでお給金もらってる身分なんだ。法が自己責任に傾けば・・・基本的人権はないがしろになる運命なんだぜ」
彦一「気にくわねえ・・・お前ら役人はクズでカスでクソだ」
藤堂「仕方ねえだろう・・・義理と人情秤にかけちゃあ、なんねえのが役人渡世なんだよ・・・」
一方・・・認知症が進行する晶は別の施設に移り、涼太は藤堂の元へ引き取られるが継母に苛められるので施設に戻ってくる。涼太に泣きつかれてまんざらでもない彦一。
それを見たりこは覚悟を決めるのだった。彦一に土下座をして「若頭の座を譲ってくれ」である。りこは愛しい彦一が晶・涼太母子の元へ行けるようにと背中を押したのである。
インテリヤクザ・六車の法の網目をくぐる作戦で「介護施設」(厚労省担当)から「住宅」(国土交通省)に使用目的変更することで一時を凌ごうとするタイヨウ組だったが・・・インフルエンザの集団感染で・・・それも困難となる。
強制執行で退去を命ずるお役人たちに・・・追い詰められたタイヨウ組はバリケード封鎖による立てこもりを敢行するのだった。
彦一「介護施設タイヨウも今宵限り・・・かわいい子分のお前たちとも別れ別れになる門出だ・・・」
藤堂「執行開始・・・」
ついに始まる暴力沙汰。管轄の機動隊・・・いい迷惑である。
ライダーキックなどの荒技をくりだして暴れるタイヨウ組。いろいろあってりこに忠誠を誓うようになった四方木連合一同も助っ人に駆けつけ・・・大騒動である。
死者はでなかった模様。かけつけたマスコミが仁義なき戦いにお涙ちょうだい要素をみつけ・・・世間は介護施設側に同情模様・・・。政治家たちは「法」の見直しを迫られるのだった。
政治家「誰もが納得する福祉なんてできるかよっ・・・安楽死法案通す方が簡単じゃん?」
藤堂「タテマエとしては強きをくじき・・・弱きを助ける方向でないと弱い有権者の皆さんが納得しませんぜ・・・」
やがて・・・すべては忘却の彼方に。六車はハートフルバードのっとりに成功した模様です。ヘルパー美空(仲里依紗)はいろいろ経験してヤクザがこわくなくなった模様。
隼会会長となった鷹山と親分子分の盃をあらため隼会若頭となったりこは出所した彦一を迎える。
りこ「お勤めごくろうさん・・・」
彦一「若頭(かしら)ともなるとすごい羽振りだな」
りこ(とりあえずはじめてのキスを達成)
彦一「・・・おい」
りこ「かしらって呼んでもらおうか・・・」
彦一は晶のいる施設を訪ねる。晶の症状はかなり進み・・・涼太も彦一もわからない。
しかし「どんなになろうとも惚れた女は惚れた女だもんな・・・」と彦一は微笑むのだった。
涼太が凄腕できわめてかわいく転び・・・幕は閉じたかのように思われたが閉ざされた「タイヨウ」の封印を元のオーナー・園崎(大杉漣)がこじあける・・・お~埋葬・・・お埋葬である。まあ・・・長生きなんてするもんじゃないが、そうなったらそうなったで死ぬまで生きていくのが人間というものなのです。そうしているうちにドサクサにまぎれてこのドラマのようにくるべきときはきますから~。
関連するキッドのブログ『第10話のレビュー』
土曜日に見る予定のテレビ『こち亀』(TBSテレビ)『華麗なるスパイ』(日本テレビ)『真マジンガーZ』(テレビ東京)『牧瀬里穂の再生の町』)『ERⅫ・最終回』(NHK総合)『オトメン(乙男)・夏』(フジテレビ)お彼岸か・・・お墓の掃除をせねば・・・。
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
はじめまして。
たまたま通りかかって読ませていただきました。
サクサクと書いてあるけど結構面白かったです。
お埋葬?なんだろうと思ったけど、なるほど主題歌ですね。
投稿: T | 2009年9月19日 (土) 16時15分
ふふふ・・・レポートとしては
再現性はあえて低くなっています。
あくまで妄想レビューでございますので。
主題歌は「そっと きゅっと」SMAP でございますよ。
「All My Soul」はメイン・テーマで
「Smells Like All My Soul」はアナザー・テーマ。
何れも河野伸・高見優のスコアだそうでございます。
キッドは耳が遠いのでお埋葬は近いのです。
投稿: キッド | 2009年9月19日 (土) 18時13分
こんにちは♪
りこちゃん、押し倒しはなかったけど、無事チュー達成!
おめでとー
彦一も、ぶちゅーっと返してくれたら、更にグッドでしたが仕方あるまい。。。
コメディっていうのは、みんながキッチリ真剣にやってこそ、真に面白いものになるのですね。
そういう意味で、任侠ヘルパーは大変面白い番組でした。
草なぎクンやメイサちゃんのヤクザっぷりは、かっこよかったです(^^)v
えっ?私、なんかまちがってます?
投稿: ゆきみき | 2009年9月19日 (土) 20時25分
りこと彦一は兄妹の絆ですからね。
結ばれぬ運命なのですが・・・
りこの初恋心を思うと
ああ・・・この恋かなえてやりてーなー。
と思うのが人情でございます。
まあ、彦一が晶を好きなのは
マザ・コンですからね。
だから涼太もオヤジと呼ばないで
アニキと呼ぶわけですから。
とにかく、極道の修羅を
演じる彦一が美しく
そして最後の笑顔に象徴される
ハートの暖かさを見せる表情が見事。
このメリハリが大変よろしかったようで。
どんな作品でも真剣さは必要不可欠ですが
ものすごくたくさんの要素を
つめこみながら
主人公の心情を描くことに徹しているのが
この作品の救いでしたな。
極道のロマンスはいつだって
胸にしみるのでございます。
それは実際には絶対にない
絵空事だから。
ふふふ・・・ドラマを心から
楽しむこと。
それ以外に正しいことなんか
ありゃあせんじゃございませんか・・・。
投稿: キッド | 2009年9月20日 (日) 00時25分
ヽ(´▽`)/

暖かいアイロニーが素敵な文章ですね~!
深読みの程度も、合理的でシンプルだし!
終わってしまった愛らしいドラマへのオマージュが
こちらのように、私もうまく書けるようになったら
いいな~っと、うらやましく思います。
どうが、ご活躍を!
投稿: オヤオヤ | 2009年9月20日 (日) 09時21分
応援ありがとうございますーっ。
元気~?
オマージュも元気一杯だヨ~。
私たちアイロニーはこれからも
そこそこ深読みに励みますーっ。
シンプルちゃん、ラショナルちゃん
いくよーっ。
♪♪♬♪~
昔、先生が言ってました~。
書いて書いて書きまくれ~。
それしか上手くなれないと
上手くなったかどうかは
わからないけど~
結局書くしかないんだね~。
応援ありがとーっ。


また来てねーっ。
投稿: キッド | 2009年9月20日 (日) 11時53分
屮アナザーストーリーいいですね
ほんもんより全然いい(笑
とくにりこが土下座するシーンの解釈がgood
そうか、彦一がヤクザの世界から足を洗うために一芝居打ったのか
六車がハートフルバードを乗っ取ったってのは、現実的にはかなり難しそうですが、やったんでしょうね。
本編ももっといろいろ掘り下げれば面白くなりそうでしたのに。。。
投稿: 886 | 2009年9月20日 (日) 12時15分
お褒め頂き恐縮でございます。
ただし本編あっての妄想なのでご容赦ください。
「ウソゲ」「ガリレオ」「ハチワン」「メイちゃん」と
この脚本家は
ハートフルバードのようにシスティマティックな
辻褄あわせを得意としているのですよね。
そして徐々にネタの作りすぎが
過ぎるようになってきました。
ある意味ニューフェイスなので
これは発展途上のあえぎと感じます。
この系統は故・野沢尚へと通じているので
どこで折り合いをつけて
着地していくのか楽しみでもあります。
今回は投げっぱなしで未回収の部分の乱打でしたが
介護予算に群がるハイエナの問題提起と
一人の孤独な男の生き様、
そして一人の純情な乙女の恋の始末。
この三点だけは
見事に描ききったと思います。
最後の彦一の表情にしびれた人も多かったのではと邪推。
まあ・・・捨てられたゴミを拾うのは
社会人のたしなみでございます。
時々危険物がまじっているので注意が必要ですけれど~。
投稿: キッド | 2009年9月20日 (日) 13時55分