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2009年9月 6日 (日)

物語の中だけにある永遠の春(香里奈)華麗なる失敗(深田恭子)

土曜日は落ち着かない。「めちゃ²イケてる」でお笑いレディースクラシックでものんびり眺めて・・・後は「真マジンガー衝撃!Z編」が始まるまで読書でもしたい気分なのである。

ドラマとしては「ERⅫ」を見れば充分だ。今回は進藤先生などの登場する医療ドラマがナレーションで処理する紛争地帯での医療の場面をそれなりに見せてくれる。味方は誰も死なない・・・とかUSAなムードはあるが・・・まったく見せてくれないよりマシなのである。

日本は政権交代の激動期にあるわけだが・・・なんとなく政治の季節という感じがしない。人々は倦怠にかられ変化を選択し・・・たちまち不安に包まれている。

日本人は目隠しを好むのか・・・それとももはや情報量が多すぎて何が何やら把握不能なのか。

それにしても・・・前政権党の敗北後のただならぬみっともなさはどうだろう。メディアが恐ろしく残酷にありのままを伝えているだけだといえばそれまでだが・・・。

現実がそうである以上・・・ドラマがある程度みっともなくても仕方ないのか。

で、『こちら葛飾区有公園前派出所・第5回』(TBSテレビ090905PM0756~)原作・秋本治、脚本・マギー、演出・英勉を見た。くりかえしになるが・・・やはり、麗子(香里奈)と中川(速水もこみち)という両津(香取慎吾)の二人の部下について・・・最初からきちんと描くべきだったのだと考える。

設定としてはすでに麗子も中川も派出所にいて・・・両津とも親交を深めている時点でいいが・・・回想として・・・初登場の頃を物語っておくべきなのである。

両津と大原(伊武雅刀)だけがいるこち亀の世界に最初に中川が登場し・・・そして麗子がやってくる。そこがあって初めて両津・中川のコンビが最強であることが分るし、両津・中川・麗子のトリオがさらに超最強であることが分るのである。

そうしておいて・・・過去四回で・・・麗子の両津に対する仄かな思いをそれとなく描いておいて・・・今回、白鳥麗次(稲垣吾郎)を迎えればもっともっとスムーズに話が展開したのである。一話完結とはいえ・・・連続ドラマなのだからそのぐらいの配慮があって当たり前なのだな。

この脚本家は「山田太郎ものがたり」の時はそれができていたのだが・・・今回は原作のダイジェストの作業に押しつぶされたか?

フィクションには永遠の春というものがある。つまり「サザエさん」である。新婚さんはいつまでも新婚さんのまま。赤ちゃんはいつまでも赤ちゃんのまま。そして子供たちはいつまでも子供たちのままである。

その中に「永遠の春」がある。愛する二人がときめいている瞬間を永遠に引き伸ばす手法だ。なんといってもその瞬間が一番いいのである。現実の世界では春が永すぎると22才で別れたりするのだが・・・「永遠の春」に「卒業」はないのである。

両津と麗子の関係はその一例である。両津は麗子を最高の女だと思っているし、麗子は両津が自分以外の女と結婚するとなると心中穏やかではなくなる・・・そのような相思相愛の関係にありながら・・・キスもしないし・・・告白もしない。永遠に恋愛一歩手前の超友情を感じあうのである。

その「素晴らしさ」を描くための手段が「白鳥麗次」なのである。

もちろん・・・脚本はそれを描こうと努力しているのだが・・・フリが効いていないのでオチが効かないのである。

稲垣吾郎の白鳥はキャスティングとしてはヒットなのだが・・・白鳥よりは稲垣色が強すぎてスマスマのコントみたいになっている。それを狙っているのはわかるのだが・・・それで失敗を重ねているのだから・・・もう少しなんとかしてもらいたい。

白鳥は麗子が同情するくらい・・・片思いで・・・残念なお坊ちゃんでないとならないのである。

少なくとも・・・麗子の実家の貿易会社の下請け末端企業の御曹司であるという立場くらいは明確にするべきだろう。

そして・・・鼻持ちならない金持ちぶりが・・・超富豪である中川や麗子に圧倒されていくところを見せてくれないとつまらない。

まあ・・・こち亀は毎回判で押したように同じ失敗を繰り返しているよ。

ストレートにお笑いで勝負したら・・・めちゃ²イケにはそりゃ負けますから・・・。

まあ・・・でも今回は麗子メインでそのキュートなミニスカートでのドタバタも堪能できたし・・・そこそこ満足いたしました。

係の人(泉ピン子)のサービスもそっときゅっと楽しめたしね。

で、『華麗なるスパイ・第7回』(日本テレビ090905PM9~)脚本・君塚良一、演出・岩本仁志を見た。実はここまで平均11.0%弱でそれほどひどい数字でははない。初回の貯金も大きいが・・・子供たち・・・特に男の子はそれなりに楽しんでいるのかもしれないと思うことがある。基本はドロシー(深田恭子)を核としたエロスな部分においてである。それと・・・京介(長瀬智也)の見せる変顔とか・・・ロッカーを使ったネタとか・・・水着美女をそろえた第4回は12.7%を獲得しているし・・・ただ・・・それ以外はまったく期待はずれなのである。

トーンは基本的に人情話である。非情が売り物のスパイもので「それ」をやることをユーモアだと感じてほしいのかもしれない。

キッドは総理(渡哲也)とミスター匠(柄本明)は元夫婦で・・・京介は二人の忘れ形見。ミスター匠のテロの動機は屈折した総理への愛であるべきだと思うのだが・・・どうもそうではないらしい。

もちろん・・・洗脳された三九(杏)が語る「テロは総理の自作自演で・・・すべては日本の軍事大国化を望む総理の陰謀・・・ミスター匠は正義の抵抗組織のリーダー」はウソだと思うが・・・それが「悪」として語られる論理がおかしいのである。

自国が豊かであることはすべての国民の願いで・・・豊かである以上・・・軍事大国となるのは必然なのである・・・金持ちがアコムするのと同じだから。

そして本来・・・スパイとはその最前線で働く工作員なのである。

それをどう文民が統制していくかは技術的な問題に過ぎない。

ま・・・とにかく・・・今回も後半は「とらわれのお姫様を敵の城から救い出せ」というミッションでゲーム感覚で面白くないこともないのである。でも・・・ゲームをした方がもっと面白いのは確実なのだな。

ちなみにミスター匠の付き人(TERU)は「湯けむりスナイパー」のトラも演じています。

まあ・・・とにかく・・・磔にされて変な拷問されるドロシーが素敵なので細かいことはどうでもいいやぁ。

『第二章』に入っても別に変わったところもなく相変わらずグダグダです。

まあ・・・ドラマとしてはもはや失敗作と断言したいと思います。

要するに最前線で命懸けで働いているスパイに対する愛が欠如しているのです。

関連するキッドのブログ『先週の土曜日のレビュー

月曜日に見る予定のテレビ『ブザー・ビート 崖っぷちのヒーロー』(フジテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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