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2009年10月12日 (月)

どじょっこホイだよ!天地人(妻夫木聡)貧乏姫になりました(比嘉愛未)

とにかく展開に困ったら「どじょっこホイ」を踊るのだな・・・。

なにしろ会津・米沢・庄内・佐渡150万石から一挙に米沢・福島30万石に減棒なのである。

それで家臣は減らさないというのは・・・一瞬美談に聞こえるが・・・すでに士農工商の萌芽があった時代で結局は武士が農民から収奪するのである。つまり米沢の百姓の負担が一挙に五倍にふくれあがったということだ。

本来、米沢は直江兼続とその与力衆が上杉家から半独立的に支配していた土地だった。

その旧支配層と新支配層の兼ね合いが身内の中でなされるのである。

ある意味難民キャンプ状態であったと言えるだろう。

そして・・・そのすべては負け戦を指導した主君景勝・家老兼続の責任なのである。

風当りは相当に強かったはずである。

その度に兼続は「取り潰された宇喜田家や長宗我部家よりはマシ。あの毛利家だってものすごく苦労している。浪人したけりゃするがいい」と言い訳したはずである。

なぜなら景勝は無口なのだから・・・。

で、『天地人・第41回』(NHK総合091011PM8~)原作・火坂雅志、脚本・小松江里子、演出・野田雄介を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回もあらすじは五行ですが、参考資料として大作業・直江家系譜のまとめ大特集があります。これはかなりの労作ですのでお得感が本編の数十倍ございます。大河ドラマのスタッフもこれくらい緻密な作業をしてもらいたものです。ちなみに本多政重と阿虎の間には本多政遂が生まれ下野榎本藩主になっているという説もございます。本庄長房の長女は菊姫の甥・武田勝信に嫁しています。景明は大坂の陣後に病没しますが・・・上杉景勝の指揮の下、鴫野の戦いで戦功をあげ徳川秀忠から感状を与えられ父の戦に弱いという汚名を雪いだという説もございます。兼続が戦に弱いという流れならここは感涙の名シーンになるのでございますけどね。そのような戦国の渋さをお求めの方は浅野長政の秘密もお楽しみください。

Tenchijin160201 慶長7年(1602年)の春の米沢城下は荒んでいた。上杉景勝の主城となった米沢城は手狭であった。城下町は伊達政宗が去った後に直江兼続の居城となったが、豊臣政権下においては兼続は上方での政治工作が忙しく、城下の整備は城代となった父・樋口兼豊に委ねられていた。しかし、費えの主たる部分は会津若松城や伊達・最上などと接する前線に置かれ米沢城にまではまわらなかったのだ。周囲を最上・伊達・蒲生に囲まれ敗戦国として米沢30万石を運営していくためには米沢の城下町の整備が急務であったが、佐渡金山も失い、庄内地方という海運ルートも失った上杉家の財政は窮乏の一途をたどっている。先立つものがないのである。越後・上田時代から景勝の財政を運営してきた樋口兼豊の肩には巨大な負荷がかかっていた。何より・・・上杉家を支える軒猿衆の駄賃さえ滞る事態である。侍と違い自由度の高い忍びたちを動かすためには金が必要なのだ。財政的困窮は諜報網の弱体化を招き、情報不足は追い詰められた上杉家をさらなる危機にさらす可能性を高める。

兼豊はようやく上方より戻った兼続と米沢城本丸で会っていた。景色は一面の雪野原である。

「父上・・・お顔の色がすぐれませんな」

「ふふふ・・・米沢は冷えるでの・・・老骨には堪えるわ・・・」

「して・・・荒砥城への使いは・・・」

「秀兼を向かわせた・・・もうついておるじゃろう」

荒砥城は山形・米沢の国境で対最上の最前線である。荒砥城には兼続の従弟・志田義秀が篭っているが戦後処理の一環として志田の出羽攻略戦は仇となり高野山への追放が決まっている。死罪を免れたので折りを見て上杉家への帰参を認めるという算段になっている。言うなれば謹慎処分である。兼続の弟である樋口秀兼がその旨を志田に告げ城代を変わるのである。

上杉家の影守りを司る樋口家は総力をあげて国境を守っていた。荒砥城と米沢城のつなぎの城である高畑城には泉太郎こと大国実頼が入っている。また、伊達は白石城に片倉景綱を置いているがこれに対する最前線は梁川城である。城主は須田長義だが兄の満胤には兼続の妹於北が嫁いでおりしのびが組織化されている。その後備は金山城で城主は色部光長である。光長には兼豊の娘で兼続が養女とした於梅が嫁している。さらに最終防衛線となる福島城は城主・本庄繁長の三男・長房が直江家で養育され忍びとしてしつけられており、目付けとして兼続の娘・於竹が嫁している。

北の最上家、東の伊達家に対し、樋口家と直江家の忍びはできるかぎりの結界を張っているのである。

兼豊は国境の守備へ思いをめぐらせつつ、兼続を見た。

「上方はどうじゃ・・・」

「もはや・・・徳川の天下は動かしがたく・・・」

「それはそうじゃろう・・・内府様(家康)が急死でもしない限り・・・もはや徳川に手をあげるものはおるまい・・・初音殿とは逢うたか」

「いくさしのびの伝授を受けました・・・」

「もそっと早く・・・そうするべきだったの・・・」

兼豊は兼続の目に戦忍の暗い翳りを見てとっていた。

「陽忍となった・・・御主には不必要と判じた・・・ワシが愚かだったわ。抜かったわ・・・」

「父上・・・」

「京ではさぞや・・・お船殿が難儀しておるじゃろうの・・・」

「先立つものがありませんからな・・・伏見屋敷を維持するのが精一杯でございます・・・高野聖(兼続の義理の息子)に頼るほどの有様です」

「菊姫様にも苦労をかけてすまぬことだわ・・・真田のしのびとのつなぎもこれで仕舞いじゃの・・・」

「これからは本多のしのびとつないで参らねばなりませぬ・・・」

「ふふふ・・・本多のしのびはしわいと聞くが・・・」

「本多佐渡守殿は・・・どこか父上に似ておるようでございました・・・」

「さようか・・・」

兼豊は若き日に出逢った本多の忍びを思い出していた。その忍びは越中の一向一揆に身を投じていた。あれから・・・長い闘争の日々であった。城内に運び込んだ謙信公の遺骸に心の中で手をあわせつつ・・・兼豊に慙愧の念がこみあげる。謙信・景勝と二代に渡って築きあげた財が散じてしまった実感がわく。豊臣秀次に賭け、石田三成に賭け・・・賭け損じてしまったのである。費やした金はあまりにも莫大であった。

「兼続・・・いや与六よ・・・もう負けることは許されぬぞ・・・」

「父上・・・」

「忍びとして自害など虚しいことだが・・・この義は陽忍として貫かねばならぬ・・・」

「・・・・・・」

「此度の負け戦の責は・・・この樋口兼豊が負うてやるわ・・・兼続よ・・・樋口と直江の惣領として・・・しかと上杉家をお守りせよ・・・ぐ・・・」

「父上・・・陰腹をお召しになりましたな・・・」

「兼続・・・もう・・・二度と・・・敗けてはなら・・・ぬ・・・ふはっ・・・」

「・・・父上ーっ」

上杉家敗北の咎を背負い・・・樋口兼豊は切腹して果てた。

関連するキッドのブログ『第40話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『オトメン(乙男)・秋』『リアル・クローズ』(フジテレビ)『ケータイ刑事銭形命』(TBSテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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コメント

こんばんは。
今回は、ほのぼのとしたホームドラマ風で、それはそれで良かったです。天地人も無理に天下国家を語らず、今回のように兼続の家族だけを描いていてが向いているようです。120万石が30万石に減らされると、こんなに貧乏になるのですか。実際はもっと酷いかも。毛利が幕末まで徳川を恨んでいたのがよくわかります。上杉は、愛と義とよらにより最後まで徳川についていくようですが・・・
来週は菊姫の出番が増えそうで楽しみです。
また来ます。

投稿: haru | 2009年10月12日 (月) 19時01分

キッドさん、こんばんは。
「天地人」は…私はあまり日本史に詳しくないのでここが間違ってる!などとミスを指摘することはできませんが…主人公の妄想のシーン(徳川をハメるシミュレーションだったか)など、“心的描写”がやたら多いのが気になって仕方がありません(^^;。

ところで、日曜劇場「JIN-仁-」を見たのですが、意外に面白くて良かったです。現代では当たり前のことが昔はできなかったんだ…というのはベタでしょうが、メッセージ性が出ていた気が。
ただ、オリジナル脚本かと思ったらマンガ原作で残念。オリジナル脚本で唸らせてもらえる作品がもっと多いと良いのですが。。。
マンガ原作、とりわけ少女マンガモノがやたら多い(まぁ「オトメン」とかは面白いですが残念な割合も高い…)のは“時代の要請”でしょうかね?

投稿: ys_maro | 2009年10月12日 (月) 20時39分

rvcarV36☁☁☁haru様、いらっしゃいませ☁☁☁V36rvcar

そうですねぇ・・・大河ドラマでなくても
いい・・・というのであれば。

樋口伊予守兼豊の享年は不明ですが
この時期に亡くなったということは
米沢城代として心労が激しかったと
推定されます。

ちなみに一石は人の食い扶持1年分。
30万石というのは30万人分の米が
収穫できるということです。
しかし・・・人は米だけでは生きられません。

士分が6000人いれば
一人平均50石ということです。
百姓と五分で分けると25石。
父母がいて妻がいて子供2人の口を養うと
残り19石。
これで衣服を買い、戦支度(家来を雇うなど)をし、
冠婚葬祭などすべての費用をまかなうわけです。
酒なんて買えたもんじゃありません。
もちろん、大名家が50石ではどうしようもないので
直轄地が最低でも1万石はいるわけです。
兼続は家老として2~6万石とっていましたから
景勝はおよそ10万石は経費として必要だったでしょう。
すると実質は15万石の分配になります。
つまり・・・10石取りの士分がゴロゴロでてきます。
藩政がくるしくなると
借り上げ米をして半分支給などという事態もあります。
もしも六人家族なら実質5石で暮らすことになります。
まさに食うや食わず・・・。
この後、幕府はしぼりとるだけしぼる体制に
なっていきますから・・・
日本人の我慢強さは相当なものになっていくのでございます。

投稿: キッド | 2009年10月12日 (月) 21時51分

carouselpony♬♬♬のだめデスヨ♬♬♬ys_maro様いらっしゃいませ♬♬♬のだめデスヨ♬♬♬carouselpony

キッドにとって大河ドラマは
妄想劇のヒントでございますので
実は内容はどうでもいいのでございます。
今回ですと・・・樋口兼豊はなぜ
関ヶ原の戦いの2年後に没したか・・・
という妄想をしてみるわけです。
そして・・・ははんと一人で納得するのです。

まあ・・・今回はあまりにも
脚本家が歴史にうとかった・・・ただそれだけに
つきると考えます。
もうほとんど知能に問題あるレベルです。
まあ・・・原作もアレなんですけど。

さて・・・「JIN~仁~」は
月曜分でレビューする予定です。
まだ月9が始まらないので。

で・・・月9がアレだった場合は
「婚カツ」→「ぼくの妹」体制に
する予定です。
なにしろ「猿ロック」とか「33分探偵」の
脚本家のオリジナルですから
恐ろしいことになる可能性は大です。

せっかく「ブザビ」で耕した畑を
どぶ泥に変えるのか・・・と
唖然としなければいいんですけどね。

原作があろうとオリジナルであろうと
ドラマはドラマとして見る・・・
というのがキッドの視聴方針です。

100万部のベストセラーも
視聴率では1%に過ぎませんから。

投稿: キッド | 2009年10月12日 (月) 22時04分

ホームドラマの反動が
ここにガッツリ出てますねぇ ̄▽ ̄

すっかり樋口家と上田衆が
上杉の中心となってるみたいですしねぇ。


たしかに本多正信はしわそうですね。

逆に政重はそんな父が大嫌いだったかもしれんですねぇ。

実はそんな父親が嫌で家出ばっかしてたって
オチかもしれんですね。


上杉家は改易は免れたとはいえ
たしかに誰か一人は敗戦の責任を取って
詰め腹切る事にはなったかもしれないです。

こういうのはいつの時代も
等価交換ってやつですかね ̄▽ ̄ゞ

投稿: ikasama4 | 2009年10月13日 (火) 01時13分

pencil✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥pencil

樋口兼豊のとった血縁主義を見ると
実に深遠なことに驚かされます。
今回のikasama4様の記事と
対伊達用の城主・城代の配置の
符号ぶりにキッドは
軽く興奮したのでございます。

最前線に信濃系の須田。
そして後方を揚北衆の色部。
さらに要を古豪である本庄に締めさせる。
その何れも樋口・直江系の血縁武将。
実に見事です。

こうした実力面を機能させながら
国主、親族、普代、外様の
様々な思惑の渦巻く米沢城下を
采配していく兼豊の心労を思うと
背筋が震えますな。

移住から一冬を越して
人々の蓄えも底をつき
これからの暮らしの厳しさが
見えてきたとき・・・
家臣一同の不平不満をはらすためには
何かが必要だったのではないか・・・。
と考えるのです。
景勝・兼続体制の維持のために
老い先短い兼豊が
責めを引き受けて殉死した
可能性は高い・・・とキッドは考えます。

まあ・・・後世から見れば
焼け石に水だったかもしれませんが
とにかくそれによって
上杉家が細々と生き延びる算段は
ついたのでございます。
義とは自らを生贄とすることですから
兼豊の死はまさに義そのものだと
考えるのでございます。

さて・・・徳川将軍誕生。
側室懐妊→正室不審死→後継誕生→側室不審死
と続いてその後は本郷猛登場ですかな。
仮面ライダーと子供店長の
義理の兄弟の交遊がきっと
ほのぼのと描かれるのでございましょう。( ̄ー ̄)

投稿: キッド | 2009年10月13日 (火) 08時11分

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