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2009年10月 6日 (火)

触らぬ神に祟りなし(笛木優子)空気感染の憑神(妻夫木聡)イザナミ(森迫永依)

節分の豆まきで福の神に対応するのは鬼である。

凶事をもたらす「人知を越えた存在」を神と考えることについては様々なアプローチがある。

キリスト教においては神は善悪を超えた存在として君臨する。

神道においては善悪を為す八百万の神は統べられる。

仏教においては神は存在しない。

人々はそれぞれの得た情報の中で「この世にあらざるもの」を妄想する。

「憑神(つきがみ)」もまたそのひとつにすぎない。

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「歌枕殺人事件」13.7%(浅見光彦さすがだ)、「キングコング」10.3%(コングよりゴジラが見たい)、「断絶」11.1%(愛人殺人の勝利か)、「ザ・マジックアワー」10.7%(つまらないからな)、「左目探偵EYE」*9.1%(さらにつまらないからな)、「天地人」↘18.8%(さあ・・・このままさがってください・・・最終回10%前後を希望)、「派遣のオスカル」↘*4.4%(空前のつまららなさだったからな)、「憑神」*9.2%(まあまあ面白かったけどな)・・・以上。

で、『憑神(つきがみ)2007年公開日本映画』(TBSテレビ091004PM9~)原作・浅田次郎、脚本・監督・降旗康男を見た。『駅 STATION』(1981年)とか『鉄道員』(1999年)の監督である。『鉄道員』は原作者も同じだ。そこそこ面白い映画を作るコンビである。まあつまらない映画ばかりだから貴重な組合せとも言える。

主演は妻夫木聡で週末は「天地人」「ザ・マジックアワー」そして「憑神」と妻夫木だらけだったのである。

その中ではコレが一番マシだった。

なぜなら一人二役で・・・主人公である幕府の貧乏旗本と・・・そっくりさんである最後の将軍・徳川慶喜を演じるのだが・・・この慶喜が抜群にいいのである。

鳥羽・伏見の戦いに敗れ江戸に逃げ戻った慶喜はどこか物憂げで冷淡でしかも品がある。そして「命を粗末にしないことだ・・・」などと似合わぬセリフを吐いてさっと退場する。

いい。実にいい。こういう役でこそ妻夫木聡は輝くし・・・最高にかっこいいのである。

さて・・・話は前後するが・・・時は幕末である。史実的根拠はないが・・・先祖が家康の影武者として敵に討たれた別所家は代々、影武者として影武者専用鎧の番人を務める下級役人の家柄である。彦四郎(妻夫木)はその次男坊で部屋住み。一度婿入りしたが不始末を理由に離縁された出戻りで肩身はせまい。

婿入り先の井上家には妻子が残っている。別れた妻の八重(笛木)はまだ彦四郎に心を残している。しかし・・・跡継ぎが出来れば婿などただ飯食いと考える守銭奴の井上(石橋蓮司)は陰謀で婿を追い出したのだった。

彦四郎の兄・左兵衛(佐々木蔵之介)は嫁(鈴木砂羽)も子もあるのに怠け者で仕事をさぼっているし家宝の刀は錆び付かせるというダメ旗本である。

勝海舟(江口洋介)ら出世組を見てぼやく彦四郎だったが・・・井上家の下男で山伏くずれの小文吾(佐藤隆太)や蕎麦屋の甚平(香川照之)には慕われる気風の良さを持っていた。

そんなある日、彦四郎はご利益のある三廻稲荷と間違えて怪しい三巡稲荷に詣でたことでもののけに近い三神にとりつかれてしまうのだった。

三神は貧乏神の伊勢屋(西田敏行)、疫病神の九頭竜(赤井英和)、死神のおつや(森迫永依)である。

どちらかいえば祟り神といえる三神だが・・・その正体は狐狸のたぐいであるらしい。

貧乏神は稲荷の一種である。貧乏という神そのものは古来から存在したが庶民がそれを強く意識するために貨幣経済が発達しなければならず、三神の中では新参者なのであろう。本来、貧乏な彦四郎をさらに貧乏にしようとする。しかし、山伏の小文吾の未熟な祈祷でも霊験あるほどの実力のなさで・・・彦四郎に宿替えを申し出る。つまりたたり先の変更である。

ちょうど井上家の陰謀が明らかになり義父の不人情に腹を立てた彦四郎は宿替え先を言いつける。たちまち出火で無一文となる井上家。しかし彦四郎は焼け出された元の妻子を見て気がとがめる小心者である。

役目を終えて去った貧乏神に続いて現れたのは疫病神。疫病神の歴史は古く、聖徳太子も霊力で疫神とは戦っている。まあ・・・病気は人につきものですからな。西洋でも流行病は悪魔の仕業と決まっています。

たちまち病となる彦四郎。おりしも兄の左兵衛の怠け癖が上役の目にとまりお役御免の危機が。そこで兄を隠居させ危機を乗り切る別所家。采配を揮うのは後家のイト(夏木マリ)である。

病を押して務めをする彦四郎の健気さにほだされる疫病神。蕎麦屋の甚平の口添えもあって今度は左兵衛に宿替え。

健康を取り戻した彦四郎だが・・・伏した兄を見てまたもや気が咎めるのである。

九頭竜「まあ・・・怠け者は苦手だわ。無理がたたると言う如く。無理しない奴にはたたりにくい・・・養生すれば案外長生きするで・・・」

いよいよ、死神登場である。洋の東西を問わず死神の歴史は古い。西洋ではカマをもった髑髏だったりしますが、今回は幼女である。

まあ・・・表現は小狸になっていますが・・・神道的にはイザナミが黄泉の国の大神である。日本を国生みしたイザナギ・イザナミ二柱の神のうち・・・一人が死神なのだからその歴史的古さは疑いようがない。

死神おつやは早速、殺鼠剤のネコイラズを飲ませたり、井上の跡取り息子(彦四郎の実の倅)に襲わせたりと彦四郎を狙う。

命にかかわることだからと・・・今度は死んでも宿替えをしないと心に誓う彦四郎。

そんな心がけがいいからか・・・演じているのが妻夫木聡だからかなのか・・・おつやは彦四郎に惚れてしまうのだった。

そんな折・・・将軍・慶喜と出会う彦四郎。

ここからが彦四郎の心理の複雑なところなのだが・・・映画はそのあたりのことはかなり手際悪く描いていきます。

将軍に殉じるという精神が現代人にはわかりにくいと考えた気配があります。

まあ・・・キッドとしては将軍にお声をかけられた彦四郎が感激して身代わりを引き受けたと解釈することにします。その方がスッキリしますから。

おつやは彦四郎の恋によって将軍に宿替えしたのだが、彦四郎は恩に感じて将軍の影武者として上野の山に登り官軍と一戦交えるのです。

やがて・・・戦火に消える彦四郎。

おつやは彦四郎と心中したかったのだが・・・神なので果たせず・・・彦四郎との恋の思い出を胸に今も・・・ひっそりと三巡稲荷の祠の中で哀れな犠牲者を待つのです。

まあ・・・いわゆるひとつの落語ですな。お後がよろしいようで・・・。

HC関連リンク→くう様の憑神

関連するキッドのブログ『ザ・マジックアワー

               『どろろ

                『ケータイ捜査官7

水曜日に見る予定のテレビ『谷村美月のトリハダ6』(フジテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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コメント

キッドさん、こんばんは♪
毎日、こそこそと覗きには来ているのですが。。。
妻夫木くんの話題が出たので、久々コメしに参りました〜

妻夫木くんには、「カバチタレ」で初めて見たときに、一目惚れしてしまったのですhappy01

「ランチの女王」「スローダンス」「オレンジディズ」と、思い出深いです〜

「スローダンス」の頃は、私も教習所に通っていた頃なので、「妻夫木くんに補助ブレーキ踏んでもらいたい〜」と、何度思ったことか。。。

大河で主演するまでにもなって。。。母はうれしいです。。。(でも最近見てないけどー)

そんな週末は、娘と2人「左目探偵」を見ていたのでした〜最後のオチで、「こんだけのために銀行強盗したのかよー大げさすぎー」と、小5の娘のツッコミ炸裂しておりました。。。

子どもって、正直。。。

最近は、Wiifit plusを買ってしまったので、ついつい録画したドラマがたまりがちです。。。

キッドさんは、スポーツの秋?食欲の秋?芸術の秋?ですかhappy01
ちなみに私は、ダイエットの秋です。。。

インフルエンザがはやってますので、お身体に気をつけてくださいませね♪

投稿: ゆきみき | 2009年10月 6日 (火) 22時03分

parking✪✪ブザビーヤマピー✪✪ゆきみき様いらっしゃいませ✪✪ブザビーヤマピー✪✪basketball

「カバチタレ」の妻夫木聡は
なかなかですな。
キッドが愛する妻夫木は・・・

なんと言っても
映画「ジョゼと虎と魚たち」(2003)の恒夫。
これにつきるのです。
恒夫が好きだぁぁぁぁっ。

まあ、流れとしては
「池袋ウエストゲートパーク」(2000)のサル。
いじめられっこのヤクザ。組長の娘にぞっこん。
背中には・・・。

「木更津キャッツアイ」(2002)のリトル。
プロ野球選手でウルトラ・プレイボーイ。
スキャンダルの果てに・・・。

このクドカンによって造形された魅力が大ですな。

妻夫木の魅力はちょっとあこぎな色男です。
これに尽きるのです。

その他のあっさりしたハンサムくんは
つけたしですぞ。

キッドはきれいごとを言うときの妻夫木の目は
笑っていないと信じております。

まあ、「左目探偵」は
ちょっと頭のおかしい脚本家の手によるものなので
言及は控えます。

う、撃たないで~(これはお決まりでつくことになってます)

参考レビュー→http://kid-blog.cocolog-nifty.com/blog/2006/10/post_f0d7.html

ゆきみき様のお嬢様の慧眼おそるべしっ。

運動は大切ですな。
何事も適度になさるのが肝要です。

キッドは秋になるとやや鬱になるので
いねむりをこころがけています。
朝寝で、シェスタで、夜安眠です。

寝てばっかじゃねえか・・・とは
おっしゃらないでくだされ~。
寝たきりへのステップ・アップの準備なのかも
しれませんから~。

おそらく・・・新型インフルエンザには
免疫ありだと考えています。
お若い方ほどご用心くださりますように。

投稿: キッド | 2009年10月 6日 (火) 22時51分

こんばんわ~。
別館の方にトラバありがとうございました。
どうもFC2はココログさんに飛ばないことが
多くて、お返し出来ているかどうか。。。

夏クールはお疲れさまでした。
いよいよ秋が始まりますね~。
良いドラマが多いといいな、と期待してます。

この映画はね~。。。
中盤までは面白かったんですが、どうもクライマックスに
納得が行かなくて^^;
せっかく死に神がああ言ってくれたのに
ああなっちゃうんだ~。。。とか。。。
まぁ、ああ言う時代だから仕方ないのかな~。
じいやがおっしゃるように、将軍に声を掛けられて
感激したからかも知れませんね。
私も、先日テレビ放映で改めて見て、将軍役いいな~、
と思いましたよ。
妻夫木くんが出る映画はたくさん見ていますが、
特に妻夫木くんを見たくて選んでいるのではなくて、
たまたま見たい映画に妻夫木くんが出ている事が多いのです。
脇役の方が絶対に輝いているんですよね~。
変に充て書きされるよりも、ある役を上手に
こなす役者さんだと私は思っとります。

今の大河には、もうガックリし尽くしてますので、
早く大河の事は忘れて上手く復帰していただきたいです。

ではでは、秋クールもよろしくお願いします~(__)

投稿: くう | 2009年10月 7日 (水) 22時37分

rouge❀❀❀☥❀❀❀~くう様、いらっしゃいませ~❀❀❀☥❀❀❀rouge

こちらからもTBとんだりとばなかったりで
ございます。
自家製リンクを失礼ながら
貼らせていただきました~。

お許しくださりますように。

夏クールはお疲れ様でございました。

秋ドラマは「スマイル」のことが
思い出され
月9の仕上がりがドキドキです。
「イケパラ」→「絶対彼氏」
「メイちゃん」→「MR.BRAIN」
と順調にキャリアを積み上げてきた
水嶋ヒロ・・・大丈夫なのかーっでございます。

予想を裏切って大成功だと
良いのでございますがっ。

「憑神」はやはり
後半のグダグダが気になりますな。
けしてポイントをつかんでいないわけでは
ないのですが
かなり迷いが生じた感じがいたします。
「戦争」に対する心理的なプレッシャーが
どうしてもかかってしまう
世代の監督(昭和9年生まれ)なのですな。

ファンタジーでなくて
戊辰戦争の上野の戦いをシリアスに
描くのが一番だったと思うのですな。
お伽話が突然実話になるみたいな。
最後に原作者だしてガッカリさせて
どうするっていうのもあります。

とにかく夢から醒めたように
負け戦を純情な律儀さで戦う彦四郎。
これを慶喜レベルのリアルさで描く。
そうすれば神がうらやむ
「人間の愚かさ」が
もう少し伝わったような気がいたします。

「坂の上の雲」が待ち遠しいのでございます。
もうアナログを捨てる誘惑にかられるほどに。

こちらこそ、秋ドラマもよろしくおつきあいくださりませ。

投稿: キッド | 2009年10月 8日 (木) 00時57分

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憑神 [DVD]TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)このアイテムの詳細を見る この作品の原作は浅田次郎さんの同名小説で監督は降旗康男だ。1999年に公開され大ヒットした名作『鉄道員』のコンビである。 本作品の舞台は江戸幕末、主人公下級武士(妻夫木聡)に貧乏神( 西田敏行)疫病神(赤井英和 )死神( 森迫永依)がとりつくストーリーだ。 みどころは死神と主人公の心の交流だ。 出演 妻夫木聡佐々木蔵之介森迫永依西田敏行赤井英和夏木マリ笛木優子江口洋介鈴木砂羽香川照之佐藤隆太石橋蓮司ほか。 ... [続きを読む]

受信: 2009年10月 6日 (火) 20時00分

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