ヒロインの出番はありますか?(夏帆)マザコン(岡田将生)ストッキングにコンタクト(香里奈)
火曜日はドラマ対決だ。
っていうか・・・ゲスト勝負になってきたな。
「オトメン」は恋敵役として菅野莉央が登場。「リアル・クローズ」には黒木瞳の親友として片平なぎさ登場である。
で、①「リアル・クローズ」↗11.2% ②「オトメン・秋」↗*8.4%
菅野莉央・黒木瞳といえば映画「仄暗い水の底から」(2002年)である。なんとなくそんな感じの数字の上がり方です。
で、『オトメン(乙男)~秋~・第3回』(フジテレビ091027PM9~)原作・菅野文(『別冊花と夢』)、脚本・野口照夫、演出・阿部雅和を見た。ものすごく変則な感じの放送形態をとったこのドラマ。はっきり言って意味不明である。そこで今回は「オトメン・夏」から「秋」までのサブタイトルを振り返ってみる。
其の壱「恋せよオトメン」・・・各サブタイトルはもじりになっている。初回は歌謡曲「ゴンドラの唄」(1915年)の歌詞「命短し恋せよ乙女」からのパクリである。
其の弐「猟奇的な親子」・・・韓国映画「猟奇的な彼女」(2001年)である。オトメンである父子が猟奇的なのか・・・それを許さない妻であり母である浄美(山本未來)が猟奇的なのか・・・という視点がもっと強調されるべきなのだ。
其の参「ねらわれたオトメン!」・・・小説「ねらわれた学園」(1973年)である。薬師丸ひろ子、原田知世、新田恵利、村田和美・・・あなたはどのヒロインを思い出しますか?
其の四「そのオトメン、凶暴につき」・・・映画「その男、凶暴につき」(1989年)は北野武の初監督作品である。ここで女男である飛鳥(岡田)と男女であるりょう(夏帆)がともにオトメンであることを認識するべきだ。どちらかといえば凶暴なのはオトメン(女)の方なのである。
其の伍「オトメンたちの大和!」・・・映画「男たちの大和/YAMATO」(2005年)である。この年の邦画興行収入1位である。反戦かそうでないかの論議があったわけだが・・・戦争を描くことが許されない社会は不健全であると考える。戦争が恐ろしいものであることを描かなければどうやってその恐ろしさを伝えることができるというのか。しかし、物語の舞台が海であることをのぞけばドラマはほぼ映画と無関係だった。
其の六「やまとなでしコン」・・・ドラマ「やまとなでしこ」(2000年)である。古来からの日本女性の美称でもある大和撫子をもじった美少女コンテストが開催される。オトメン(男)がオトメン(女)を大和撫子に仕立てるという話である。結局、個人的なイメージに過ぎない性差というものの本質をおちょくっていて楽しいのである。
其の七「ガラスの乙面」・・・コミック「ガラスの仮面」(1976年)である。少女マンガとしてはもっともパロディー化の元になっている作品なのである。本当に恐ろしい子といえば北島マヤなのである。男らしさも女らしさも演技に過ぎないという考え方があります。
其の八「乙男の祈り」・・・ピアノ曲「乙女の祈り」である。19世紀に二十代で夭折したポーランドの女性作曲家テクラ・バダジェフスカ=バラノフスカの小品である。作曲者自身の薄倖さが乙女への妄想をさらにかきたてる。それははみだしものの子守唄なのだな。
ここからは「秋」である。
第1話「オトメン♂パラダイス」・・・ドラマ「花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~」(2007年)である。突然、恥も外聞もなく人気ドラマのパロディーとなるのだった。
第2話「花より乙男子」・・・コミック「花より男子」(1992年)であるが同名ドラマにあやかっている。「秋」になってからは山下リオ→市川由衣→菅野莉央と女性ゲストでつないでいてヒロインりょうの存在感が非常に希薄になっている。
第3話「贈るほどでもない言葉(前編)」・・・金八先生の主題歌「贈る言葉」(1979年)である。「夏」は深夜枠でやりたい放題だったが・・・背景があまりに前面に出すぎて方向性を見失った一瞬があった。要するにスタッフが磯野(澤部佑)にはまってしまったのである。もちろん・・・磯野は面白いのだが・・・それとドラマそのものの完成度は別なのだ。
花沢夢子(柳原可奈子)と磯野に時間をとりすぎて・・・もう誰が主人公で誰がヒロインだか分らなくなってしまったのである。
そういう意味では目つきの悪いクマのぬいぐるみジュリエットを愛するロリータなお嬢様・咲山入香(菅野)の登場はいかにもフィナーレの匂いがする。そして・・・飛鳥はオトメンである前に単なるマザコンになってしまっている。さらにヒロインりょうはもどかしいばかりに出番がないのである。
まあ・・・ライバルの登場ですっきりした決着を迎えることができるのを祈るばかりなのである。
飛鳥「僕には好きな人がいるのであなたとは婚約できません」
入香「私・・・お母様にあなたがオトメンだって告げ口しちゃうかも・・・」
飛鳥「パ・・・パトラッチュ・・・助けて・・・・」
りょう「・・・・・・・・・」(つづく)
関連するキッドのブログ『先週の火曜日のレビュー』
で、『リアル・クローズ・第3回』(フジテレビ091027PM10~)原作・槇村さとる(『YOU』)、脚本・大島里美、演出・白木啓一郎を見た。非情にオーソドックスな26才の働く女・絹恵(香里奈)の話である。もちろん・・・のれない人はまったくのれないと思う。キッドの場合は大手百貨店の正社員の絹恵が配置転換された途端に無能になってしまうという設定がもういただけない。しかも派遣社員の凌(加藤夏希)の方が有能だったりするのである。あのおどおどした態度では入社試験をパスできないだろう。縁故入社でもないわけだし。
それはともかくとしてコンタクト・レンズにしたのでもはやキョロキョロしないと美人になってしまう絹恵なのである。いくらレッグ・ウェアの巨匠・水嶋(片平なぎさ)が「いい足してるけど細けりゃいいってもんじゃないのよ」と言ってもスカートはかせたらスタイル抜群なのがバレバレなのである。・・・無理があるにも程があるだろう。
しかし・・・抜群の演技力でそれほど美人じゃない絹恵を演じる香里奈だった。
今回のテーマは「仕事」と「プライベート」のどちらに傾くかという問題なのだが・・・20時間も働くのは明らかに働きすぎです。
もちろん・・・本気で仕事をすれば24時間フルタイムということになるのだが・・・ほどほどにしないと死にます。
婦人服統括部長・神保(黒木)のアシスタントに抜擢された絹恵は超富裕層専門のショップで四時間で1000万円の売り上げを見てのぼせあがるのだった。
そして神保に同行してクタクタになる。
一方ブライベートでは恋人の達也(高岡蒼甫)が婚約指輪を用意してプロポーズする気満々なのだが・・・絹恵はまったく気がつかず、軽くスルーなのである。
結局、仕事もプライベートも中途半端なのだ。そんな絹恵に神保は「鏡を見て・・・二十歳の顔は贈り物・・・五十歳の顔はご褒美なの」と意味不明の激励をする。ちなみにココ・シャネルは20才の時にはキャバレーの歌手で、50才の時には売れっ子イラストレーターの愛人だった。そして第二次世界大戦が始まるとドイツ軍将校の愛人になります。この頃、60才です。そういう人と同じバイタリティーを持つのは並大抵のことじゃないと思います。
取引相手のストッキング・メーカーの水嶋から優しくされた絹恵は・・・親友といいながらビジネスで水嶋との取引を優先しなかった神保を「不人情」と断じますが・・・水嶋が「プライベートとビジネスの区別がつかない相手とは親友にはなれない」と語るのを聞き・・・この世の上層部の奥深さに慄くのである。
絹恵はまたひとつ大人の階段を昇ったのです。
もうずっと・・・これなんだなきっと。
まあ・・・きっと次から次へと着替えていく神保や絹恵の着せ替え人形的な部分が見せ場なのでしょうが・・・キッドは着替えている途中にしか興味が持てないのでなんとなくのれません・・・所詮、男だからかな・・・。
木曜日に見る予定のテレビ『傍聴マニア』(日本テレビ)『その男、副署長』『交渉人THE NEGOTIATOR』『飛鳥凛と原幹恵のラストメール』(テレビ朝日)『ROMES/空港防御システム』『グイン・サーガ』(NHK総合)『不毛地帯』(フジテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
コミックに追いつけ追い越せになってしまうので
磯野でまぎらわしているといっても過言では
ないのですけど、
それだと必然的に磯野が主人公になっちゃいますよねぇ。
もうちょっとりょうさんの
出番を・・・増やしてほしいですよ~。
せめてもっと恋愛恋愛した部分をみせてほしいのにぃぃぃ~。
今回だってりょうが何かいいたげだったのに
何を??が来週までお預けだし~。
りょうが飛鳥に2度も断られたのにあっさりと
引き下がりすぎだし~。もやもやです~。
投稿: みのむし | 2009年10月28日 (水) 19時35分
*simple*life*みのむし様、いらっしゃいませ*simple*life*
まあ、柳原を使ってみたいという
スタッフの気持ちもわからないでは
ないのですが
それでも使いすぎは禁物。
まして磯野なんてフィーチャーしすぎでございます。
おそらく・・・スタッフは酔ってしまって
自分を見失ってる・・・気がします。
さすがに夏帆や岡田の
スケジュールが充分ではない
ということはありえないので
仕込みすぎたお笑い芸人の
処理に追われた感じがします。
それは結局・・・お笑いに対する
ハードルの低さを露呈するのですな。
アイドルやイケメンを
お笑い芸人と同列に扱ったら
二枚目なんてやってられっかよ・・・
になってしまいますから。
これはもう単純に出番の問題で
磯野なんて一回に一度踏みにじれば充分なのに
くりかえしのギャグにもっていきますから・・・。
それは王道ではないのでございます。
今回は主役はマザコンを強調されているし
ヒロインははっきりしない女になっている
そのあたりが
この脚本家の読みの浅いところなんですね。
そういう境遇に二枚目を落とし込むには
相当なフリがいるわけです。
たとえばりょうの場合は
「恋をしてしまったから」
「歯切れが悪くなってしまった」
というシーンを作らないといけないのですなー。
父とごはんを食べながら
ふと箸が止るとか・・・そういうのでいいわけですから。
キッドもここ数回すごく欲求不満な感じでございます。
投稿: キッド | 2009年10月29日 (木) 02時28分
キッドさん、こんばんは♪
ちょっとご無沙汰でした〜
毎日、覗いてばっかりでごめんなさい。。。
オトメン、やっぱり夏帆ちゃんの出番少なすぎですよね〜
磯野の扱いとしては、前回の合コンの回ぐらいは、及第点だったかなぁと思います。
でも、火曜9時に来てから、めっきり夏帆ちゃんの出番がないですからぁ
一部、ネット上で脚本家の発言について色々と言われているようですが。。。
私の印象としては、磯野以外のキャラクターに対して、制作サイドの愛が感じられないドラマだなあ〜と思ってました。
設定は面白いのに、もったいないなあ〜と。。。
最終回、とりあえず見ますけど〜
まとめてになりますが。。。
「東京ワンワンワン」
豚キムチに例えると、「なんで豚キムチに、白菜がこんないっぱい入ってるんだよー」です。
まっ、不味くはないけど、、まだ、キムチ多めの豚キムチの方が、美味しいです〜
月9は月9のドラマやって下さいっ!
で、「Jin」〜
綾瀬はるか、最高!でございます♪
今期、録画してまで見たいのは、このドラマぐらいですね〜
あ、あと「ギネ」
血が多すぎです。。。
もっと違う部分でも、強調できることあると思うのですが〜
またおじゃましますね〜♪
ではでは。。。
投稿: ゆきみき | 2009年10月31日 (土) 23時40分
✪✪ブザビーヤマピー✪✪ゆきみき様いらっしゃいませ✪✪ブザビーヤマピー✪✪
いえいえ、お好きなときにきてくださればいいのです。
そうなのですよねえ。まさに火9に
なってからヒロインが
誰なのか不明なことに。
エンディングだけじゃ・・・。
基本的に原作の主題の読み込みが
甘いのでございます。
はっきり言って男目線。
オトメンの男らしさが
わかっていないのでございますな。
まして
ヒロインの女らしさも
描けないので
方向を見失っているのです。
視聴率は狙ってとれるものでもありませんが
狙わなければとれない。
脚本家のくせに
視聴率を気にしていないというのは
アマチュア宣言にも等しいので
火達磨になってもおかしくないのですが
それほどもりあがってもいないわけで
所詮は裏方ですからな。
キッドは学生時代に
ある映画監督から
「自分が面白いものと
お客さんが面白いものが一致して欲しいが
そこには葛藤があるのが普通」
と言われて・・・そうなんだ・・・
と納得したことを覚えています。
これは客商売の基本ですよね。
まあ・・・今回は
ジュリエットが超絶かわいかったので
美術さんはがんばってると思いました。
結局、オリジナルキャラの大量造形で
原作の面白みをことごとくつぶしてしまった
あげくの果てですなーっ。
おそらくこのスタッフはものすごい
ナルシストぞろいなのではないかと妄想しています。
もちろん・・・キッドはそういう部分も含めて
楽しんだドラマなのです。
まあ・・・月9については
ものすごく多くの方が
語っているので発言を控えたいと考えます。
「Jin」は最高ですね。
もちろん・・・キッドは「嬢王」が一番なんですけど。
もうメモしておきたいセリフが連打すぎます。
なにしろ・・・AV女優の中にただの女優は2~3人。
職業に貴賎がないのは芸能界では建前ですから
もう・・・凄い現場なのではと妄想爆発です。
みんながんばれ・・・と
江戸時代の人たちを見るようなエールを贈りたい。
ギネはちょっと赤信号点灯中。
脚本家はちょっと趣味の人なので・・・
どうでもいい場面に力いれすぎて
肝心の部分がおざなりになっている感じ。
まあ・・・いつもそうですけど~。
季節の変わり目なのでご自愛くださりますように。
投稿: キッド | 2009年11月 1日 (日) 03時29分
キッドさん、こんばんは~♪♪
何事もなかったかのように復活。
この「何事もなかったかのように」
という態度をいろんな場面で
堂々と活用できるようになると
生きるのがかなり楽になるんですよね。
今現在、中谷美紀が演じる花魁の
子供時代の話を聞いて
相当オチていますが
この時代の貧しい家庭の女子であれば
仕方のないことでありんす。
第2話のレビューは好意的でしたが、
第3話のレビューはまたも厳しいですね。
愛のムチといったところですよね。
育って欲しいドラマには
軌道修正してほしい・・・。
ヤマトはあんまり深く考えず
毎回楽しく視聴しています。
磯野君がりょうより出番多くても
あんまり気にならない・・・。
レビューするからには
もっと愛のある視聴者にならなければ。
と反省しております。
ああ~花魁の人生って・・・。
投稿: ヤマト | 2009年11月 1日 (日) 21時46分
☆*⋄◊✧◇✧◊⋄*ヤマト様、いらっしゃいませ*⋄◊✧◇✧◊⋄*☆
ふふふ、15日に別れて27日に復活。
中11日ですからな・・・
乙女の反省タイム短しでございますな。
まあ、知っているのにしらんぷりとか
素知らぬ顔とか
ポーカーフェイスとか
顔で笑って心で泣いてとか
外面如菩薩内面如夜叉とか
表裏は兵法の極意ですからな。
芸は身を助けるのでございます。
花魁もまた芸に生きるもの・・・。
三千世界の烏を殺し
ぬしと朝寝がしてみたい
と英雄に歌われれば
身請け、玉の輿、宰相夫人でございます。
まあ・・・どのような境遇であろうとも
やる奴はやる・・・というのが古今東西の鉄則なのです。
そういう意味ではオトメンは
磯野がやりすぎなのですな。
誰かこの出るブサイクを討たぬかっ。
とサムライモードになりかかるキッドでございます。
キッドはもっともっと
りょうのがさつぶり・・・(例)あみぐるみ貞子
が見たいのでございますからーっ。
そういうアイディアをひねりだしてこその
アレンジなのでございます。
主役とかヒロインたてられない
脚色家が泣き言言うのは
100万年早しです。
まあ・・・もう来週最終回ですからな。
人事を尽くして天命を待つ状態を
待つだけのものを
鞭打つのは
単に鞭打つのが好きだったりしますけれど~。
ちなみにキッドの密林の窓からは
吉原遊女の菩提を弔う
投げ込み寺が見えるのです。
ああ、天保六花撰、天衣紛上野初花
三千歳の身の憐れ(歌舞伎)・・・でございます。
投稿: キッド | 2009年11月 1日 (日) 22時47分