« 触らぬ神に祟りなし(笛木優子)空気感染の憑神(妻夫木聡)イザナミ(森迫永依) | トップページ | 死体の処理に困っています(谷村美月)トリハダ6的に・・・(足立梨花) »

2009年10月 7日 (水)

どんなことが起きましたか(黒川芽以)こわくてできませんでした(佐津川愛美)やってないんだもんね(谷村美月)

映画「それでもボクはやってない」(2007年)と同様に痴漢冤罪の被告人となった主人公のドラマである。

実に微妙な問題なのである。

痴漢行為は迷惑防止条例違反であり、悪質なものは強制わいせつ罪となる。

キッドが最後に満員電車に乗ってから歳月がたっているが・・・キッドの知る限り満員電車はすでに迷惑防止条例違反であり、強制わいせつ罪だと思う。

だが・・・そういう責任回避は公序良俗を乱すので許されないのが現実の恐ろしいところである。

犯罪の性格から立証が困難であるにも関らず推定無罪の原則を逸脱し、有罪率が100%に近いとされるこの「特別な犯罪」の不可思議さをある程度は表現できたドラマだと考える。

もちろんかっては「泣き寝入り」をしていた被害者たちが勇気を出して犯罪者を告発することは賞賛に値する。

一方で「触られたって減るもんじゃないだろう」という迂闊な本音が通用しない時代でもある。

あるいは満員電車で手を下ろしていることがすでに「甘い」という考え方もあるわけである。

また・・・集団で「でっちあげ」をしようと考えるグループがあればその魔手から逃れるのは不可能であるとも言える。

そして「君子満員電車に乗らず」は都会に住む一般人には実行不可能なのだ。

もちろん・・・指紋がのこる痴漢対策スカートとか・・・DNA採取パンツとかの開発も面白いと思うのだがそれにしたって悪意による逆用は可能である。

今回のドラマはものすごい「シベリア超特急的どんでん」を持ってくるのだが・・・そんなことが起きる確率は・・・。

で、『誰かが嘘をついている・有罪率99% 家族はあなたを信じてくれますか?』(フジテレビ091006PM9~)脚本・上杉隆之、演出・宮本理江子を見た。時計メーカーの企画部長・佐藤敏昭(水谷豊)は妻・美羽(宮崎美子)と長男・貴浩(手越祐也)そして娘・由香(谷村美月)と平穏な暮らしを営んでいた。あの日、普段より一本遅い急行電車で通勤しようとするまでは。満員電車を降りた敏昭は女子校生・持田舞(佐津川愛美)に「痴漢行為」で現行犯逮捕されてしまうのである。

身に覚えのない敏昭がうろたえている間に身柄は駅事務所から警察署に移され気がついた時には容疑者として拘束され取調べを受けることになる。

いかに無実を訴えようとも痴漢の現行犯逮捕の有罪率は100%に近いという慣例があり、被害者の証言が確固たる証拠となり起訴・裁判の運びになってしまう。

そして・・・容疑者は被告となり犯人となって社会的地位は喪失し、家庭は崩壊するのである。

いくら善良な市民でも魔がさすということはあると誰もが思うし・・・夫を信じる妻も体調不良になり、男である長男はそういうこともあるかもしれないとふと思い、被害者と同じ年頃の娘はお父さん不潔に傾きやすいのだ。

まあ・・・キッドは悪魔なので不潔ですわーっと叫びたい気持ちもあるのだが、本筋ではないのでやめておく。

この場合、被害者はいたいけない美少女であり、いかに被告人が正義の使者・右京さんに似ていても裁判官の心証はどんどん被害者に有利になっていく。

まして検察官は小川(黒川)なのである。ちなみに番組公式ホームページでキャストが黒川芽衣になっていてそれはいつのまにか芽以に訂正されていたが、オンエアのクレジットでは芽衣になっていました・・・もきゅっ。

小川「何をされましか?」

持田「おしりを・・・さわられました」

小川「それだけですか?」

持田「下着に・・・手を入れられました」

小川「どちらの手ですか?」

持田「右側にいたので左手だと思います・・・」

この検察側証人尋問に興奮するようだと人格が疑われるので内緒にしてください。

・・・というような反道徳的な視点があるために被害者が未成年の場合はついたて登場で非公開で行われる。演出的配慮として検察官のアップも挿入されず、被害者と検察官のやりとりが公然わいせつ罪に問われないようにしていると推定できます。

被告の娘・由香は傍聴することに耐えられずトイレで泣いていると・・・証言を終えた被害者がトイレにやってきて泣くということで冤罪を生み出しつつある被害者に悪意がないことが強調されます。これもまた演出的配慮です。けして女子トイレをのぞきたいわけではないのです。・・・おい・・・ほどほどにな。

とにかく・・・こうなってはもう・・・会社としては社員をかばいきれません。

そして・・・被告弁護人が何を言おうが一審は有罪判決で懲役1年6ヶ月執行猶予3年です。

すでに失うものは失い犯罪者となった敏昭。無念です。しかし・・・ドラマなので家族は敏昭を見捨てませんでした。

「控訴をして・・・裁判を続けたい」という敏昭を受け入れる妻と子供たち。

由香「そうよね・・・だってお父さんは・・・何もやってないんだもの・・・」

娘にここまで言われれば結婚式でなくとも父親は男泣きでしょう。

さあ・・・とにかく・・・ドラマですから・・・鬼塚弁護士(平田満)が無力でも・・・たまたま知り合いの山崎弁護士(モト冬樹)が耳寄りな情報を持ってきます。

たまたま・・・別の事件で捕まった盗撮マニアの押収された証拠品の中に事件当日の車内の盗撮映像が残っていたのです。

そのマニアは「痴漢されているところを盗撮する」変態だったのです。

鬼塚「この下着はあなたの下着ですね」

持田「・・・はい」

鬼塚「被告の着ていた服は何色でしたか・・・」

持田「グレーです」

鬼塚「今、下着に手を入れている袖の色は?」

持田「・・・黒です・・・えーっ」

つまり・・・痴漢電車には盗撮マニアを配備するのが正解なのです・・・ちがうわっ。

持田「じゃあ・・・だれが犯人なの・・・」

被害者の痛切な一言に失うものがあまりにも多すぎた元・犯人の敏昭はあふれかかる言葉を飲み込みます。

今日もどこかでいたいけない人々を傷つけるかもしれない魔が躍動しています。

痴漢行為を立証するのが難しいように冤罪を証明することも難しい。

その魔がどうか・・・誰かを苦しめませんように。

無力な者は祈るばかりなのでございます。

視聴率も*9.8%と水谷豊主演としては微妙なことに・・・。

関連するキッドのブログ『HERO

               『アイシテル~海容~

                『スマイル

                 『おとり捜査官

                  『相棒

木曜日に見る予定のテレビ『猿ロック』(日本テレビ)『飛鳥凛と原幹恵のラストメール』(テレビ朝日)『グイン・サーガ』(NHK総合)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

|

« 触らぬ神に祟りなし(笛木優子)空気感染の憑神(妻夫木聡)イザナミ(森迫永依) | トップページ | 死体の処理に困っています(谷村美月)トリハダ6的に・・・(足立梨花) »

コメント

キッドさん、こんばんは。民主党政権の今後を暗示しているが如く降り止まぬ雨・・・(単に私が民主ネガなだけですが…^^;)。

“もちろんかっては「泣き寝入り」をしていた被害者たちが勇気を出して犯罪者を告発することは賞賛に値する”。
キッドさんの仰る通りで。一方で、痴漢被害を「でっち上げる」悪意ある連中は、満員電車に乗る男性サラリーマンを人生の崖っぷちに追い込むだけでなく、本来の痴漢被害者にも迷惑を及ぼす(声を上げさせなくさせる)ので、それこそ右京さんにでも駆逐してもらいたいものです。

しかし水谷豊主演なのに9.8%とは・・・どんでん返しがダメだったのか痴漢冤罪モノは重すぎたのか・・・。愚作「働くゴン!」よりも低いなんて、制作陣ガッカリでしょうね。

投稿: ys_maro | 2009年10月 8日 (木) 02時25分

carouselpony♬♬♬のだめデスヨ♬♬♬ys_maro様いらっしゃいませ♬♬♬のだめデスヨ♬♬♬carouselpony

ふふふ、キッドは政治的には
常にニュートラルで
なにしろ・・・悪魔は無政府主義者と
相場が決まっています。

声高に善を叫ぶほどつつましくも生きてきませんでしたし
悪を賛美するほど大それた行いもいたしません。

それでも民主党連立政権が非常に
危ういものであることは自明の理ですな。
多くの愚民は
ただ自民党を終らせたかっただけで
まさかみずほちゃんとかしずかちゃんが
こんなにでしゃばってくるとは
予想もしていなかったと思うのですな。
あんたら民主党じゃないだろう・・・と言う気分だったりして。

キッドは憲法九条破棄論者ですが
それは戦争はできないより
できたほうがいいという
選択肢の問題にすぎないのです。
もちろん選択された戦争によって
どんな悲惨があってもかまわないと
考えます。
なにしろ悪魔ですから。
ただ戦争ができないから
起きる悲惨よりマシだと思うのですな。

「痴漢行為と冤罪の当事者」を
エンターティメントと考えるのか
現実認知のための啓蒙活動と考えるかで
作品の評価は変わるのですよね。
そのボーダーラインは定かではないし
スタッフ・・・特に演出家は
かなり神経を使った形跡があります。

娯楽なら・・・
痴漢をする加害者側の情欲のたぎりや
痴漢をされる被害者の羞恥や恐怖の苦味を
もっと直接的に表現するべきですしね。

主人公の中には
かわいい女子高生に密着して
いい気分が皆無だったとは限りませんし
真犯人をうらやましいと思う気持ちもなきにしもあらず
そこから
「しなかったのにとがめられた」不条理が
強まるわけです。

さらに「冤罪」を晴らすのは
生存権を守るため。
当然、根拠なき告発をした
少女とその家族に
法的制裁や賠償を求めていくだろうし。

そこからが本当は悪魔がしたなめずりするところだったりして。

また・・・少女が勝利したとして
すべてを失った主人公が
「トリハダ」シリーズの住人になることも
予測可能の範囲。
まあ・・・タイムリーに今夜は「トリハダ6」やってましたし。

まあ・・・そういうわけでこのドラマは
けしてエンターティメントに徹していなかった
と考えますので
フタケタ寸前は納得の数字だったのでは・・・
とキッドは思うのでございます。


投稿: キッド | 2009年10月 8日 (木) 03時43分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/83353/31684916

この記事へのトラックバック一覧です: どんなことが起きましたか(黒川芽以)こわくてできませんでした(佐津川愛美)やってないんだもんね(谷村美月):

» 特別ドラマ企画 誰かが嘘をついている〜家族はあなたを信じてく... [レベル999のマニアな講義]
『有罪率99%痴漢冤罪事件と闘う家族達・夫がわいせつ罪で逮捕!? その時妻や子は…会社は?…そんなアナタを信じてくれますか?』内容年間200件の痴漢裁判で無罪になるのは、たった2%佐藤敏昭(水谷豊)は、法廷に立っていた。。。。。それは、数ヶ月前のこと。...... [続きを読む]

受信: 2009年10月 7日 (水) 17時51分

» 『誰かが嘘をついている』 [英の放電日記]
 見ごたえのあるドラマでした。 ?現代の痴漢逮捕、起訴、裁判の現状に対する問題提起 ?痴漢の冤罪に陥った主人公とその家族の葛藤と絆、さらに、人としての尊厳  このふたつが大きなテーマと言える。 ?−? 痴漢逮捕時の歪んだ取り調べ、扱い  裁判員制度発足により、裁判の基本的姿勢を知ったが、それとはかけ離れた現状。「刑が確定するまでは無罪、被告側は無実を立証する必要がなく、検察側に立証責任がある。疑わしきは罰せず」などの精神は、痴漢に関しては、存在しない。  被害者の女性の証言があれば逮捕され、... [続きを読む]

受信: 2009年10月 9日 (金) 23時14分

« 触らぬ神に祟りなし(笛木優子)空気感染の憑神(妻夫木聡)イザナミ(森迫永依) | トップページ | 死体の処理に困っています(谷村美月)トリハダ6的に・・・(足立梨花) »