この世の闇よりも心の闇の冥きこと(仲間由紀恵)ルイ13世300万円で嬢王V06(原幹恵)
金曜日のドラマ4本立てはやはり甲乙つけがたい・・・。
しかも流れるような・・・4本立てなのである。ただし・・・「マイガール」から「嬢王Virgin」は3分かぶるのである。嬢王をあらすじから見るためには「マイガール」の泣かせどころが見れないのである。
これは絶対に闇の組織の陰謀だと思う。・・・録画しろっ。
で、『アンタッチャブル~事件記者・鳴海遼子・第4回』(テレビ朝日091106PM9~)脚本・橋本裕志、演出・下山天を見た。謎の匿名告発者「名無しの権兵衛」を追及する遼子(仲間)の記事は三度目のボツになるがそれを拾い上げた美鈴(芦名星)は遠山(要潤)の指示に従って自分の署名記事として記事を「週刊アンタッチャブル」に掲載し発表してしまう。うっかり最終チェックを怠った編集長・樫村(田中哲司)は蒼ざめる。
そこには「日本福祉募金振興会」が名指しで闇の組織とつながると示されていた。
しかし「日本福祉募金振興会」を傘下にする永倉ホールディングスは「週刊アンタッチャブル」のスポンサーだったのである。
美鈴の自宅は何者かによって荒らされ「信念なき腐れ外道ジャーナリスト」として美鈴が標的になることが暗示される。
中原は美鈴に謝罪記事を書くように求めるが・・・美鈴は「国民ジャーナル」への移籍を宣言するのだった。国民ジャーナルは朝日新聞のような大新聞「国民新聞」系列で「テレビ国民」では「日本福祉募金振興会の闇」を糾弾する報道番組を企画。一流ジャーナリストの遠山が番組に関与しており、美鈴も一緒に参加するという。
遼子は「記事も昔の男も盗られて可哀想」と編集部一同に同情される。
ここで・・・どう考えても貫禄不足のヒロイン(主人公の相手役)・ポジションのカメラマン鷹藤(佐藤智仁)と主人公・遼子の共通点が明らかになる。
二人は苦学生で「永倉ホールディングス」の傘下の「杉の子育英基金」の奨学金にたよって大学を卒業していたのである。ふたりは「永倉ホールディングス」に「お世話になりました」的シンパシー(親和性)を感じているのだった。
テロリズムとジャーナリズムにはいくつかの共通点がある。それはテロが暴力を伴うようにペンにも暴力性が伴うからである。すでに思想闘争の終焉した国家においても右翼と左翼は必ず羽ばたく。右翼は常に既成権力寄りの翼で左翼は反権力の翼である。この場合は資本主義者と共産主義者という対比ではないのでご注意ください。現在の日本のように権力者の交代が起こるとジャーナリズムは混乱するのである。
「今の政府は間違っている」と主張してきたジャーナリストはその意見が入れられ「正しい政府」が誕生した場合は当然、それを支持する言論を行う。そうでなければジャーナリストの正当性がなくなるからである。しかし、一方で新しい権力を批判する姿勢がジャーナリストには求められる。このあたりの戸惑いが今、テレビのコメンテーターたちの揺れる言動になって現れるのである。
いつ・・・「今の政府は間違っている」という方向に言論を翻し、本来の役割に戻るかのタイミングをはかっているわけである。つまり「民主党最高だ」から「民主党最低だ」にシフトしても「言ってること違うじゃん」と後ろ指をさされないために・・・。なにしろ・・・権力者を批判しないことにはおまんまが食べられないのだから。
で、このドラマはこのあたりのニュアンスを痛烈に批判してくるわけです。
なにしろ・・・朝日新聞、週刊朝日、テレビ朝日的な国民新聞、国民ジャーナル、テレビ国民が長いものに巻かれていく話なんですから。ある意味、凄いぞ。
ただし・・・左翼的ジャーナリズムの矜持なのか敵対組織は極右的様相で描かれるところが微笑ましい点であると言えます。
何度も言いますがこの点についてはジャーナリストとテロリストは同じ穴の狢なのでございます。
国民ジャーナルのように「闇の組織」を追及したいと主張する遼子ですが・・・与えられた仕事はイケメン俳優・雨宮翔(内田朝陽)のスキャンダル追求取材だった。
雨宮のマンションで張り込んだ遼子と鷹藤は・・・雨宮とテレビ国民アナウンサーの小池雫(国分佐智子)の密会現場に遭遇する。鷹藤がさらなる待機にそなえ買出しにでかけると・・・雨宮の部屋にはアイドル歌手の鮎川ミク(金子さやか)も現れて三角関係の大スキャンダルに発展。遼子は「うひょひょひょ・・・」と鷹藤のカメラのシャッターを切るが調子に乗りすぎて発見されてしまう。四人がドロドロになってもめているところに・・・ロープと拳銃を持った男(原田龍二)が現れ、四人は雨宮の部屋で監禁されてしまうのだった。
三角関係の俳優と歌手とアナウンサーと雑誌記者を人質にとった男は手始めに雨宮がテレビ国民のドラマで語ったセリフ「真実を報道するためには手段を問わない」について謝罪をするように要求する。テレビ電話で雨宮が拉致されたことを知ったドラマのプロデューサー湊(神保悟志)は報道局長(山田明郷)に相談。犯人の要求を呑むと同時に現場に中継車を派遣し、警察に通報する。
そんな大事になっているとは知らず、消息不明となった遼子を探して美鈴の荒らされたマンションを訪ねた鷹藤は「温泉グルメ」の取材で箱根にいるはずの同僚・城之内(酒井敏也)が美鈴のマンションから姿を見せたのを目撃。疑惑を感じる。
通報を受けて雨宮の現場に到着したのは何故か警視庁・公安部の刑事で遼子の兄・鳴海刑事(小澤征悦)と部下の片山(辻谷嘉真)だった。
しかし、その姿は周囲に仕掛けられた監視カメラで犯人の知るところとなる。
「警察には知らせるなと言ったのに・・・ま・・・いい・・・中継させてやるからテレビ・カメラを持って1人遣せ、そして警察には付近の住民避難させろ・・・下手にケガ人出したくないからな」と支持する犯人。否応なく湊は中継カメラを持って部屋に召喚されるのだった。
人質(内田朝陽)、犯人(原田龍二)、追加人質(神保悟志)・・・もうサスペンスな顔ぶれがそろって今週、「相棒」お休みのためスケジョールが空きました的賑わいです。
現場に戻ってきた鷹藤は意外な成り行きに驚愕。
編集長は遼子の監禁体験手記で発行部数倍増が見え興奮です。
そしてお茶の間はスキャンダル含みの立てこもり実況中継に釘付けです。
ああ・・・ドラマでなかったら確かに視聴率はうなぎのぼりだ・・・。
室内では犯人の出す「1人だけ解放」の支持に醜い人間関係が展開。しかし、犯人が「信念なき腐れ外道ジャーナリスト」というキーワードをもらすことで・・・遼子には真相が見えてきます。
「あなた・・・日本福祉募金振興会の支援者ね・・・報道特番をつぶすのが目的なのでしょう・・・」
「余計なことを詮索しない方がいい」
「私は真実を追究します」
「ふふふ・・・身内相手にできるかな」
思わせぶりな犯人である。しかし犯人の狙い通り・・・報道特番は緊急生中継により潰されるのだった。もちろん・・・そういう報道のためにお蔵入りになった番組スタッフの怨念がこもる話なのである。
犯人は遼子を残し、人質を解放・・・遼子を盾に脱出を図ろうとするが・・・鳴海刑事たちの待ち伏せにあって阻止される。
「約束がちがうじゃないか・・・」という謎めいた言葉を残し・・・見えない場所で自殺する犯人。
「そんな・・・子供もいるし・・・死ねないと言ってたのに・・・」・・・遼子の心に疑惑が宿る。
鳴海刑事も片山刑事も・・・恐ろしく怪しいのである。
一方、遼子に会った遠山は「日本福祉募金振興会の件はガセネタだった」と明らかに口ごもる言動である。しかし・・・心の貧しい遼子は「美鈴の移籍の件も立ち消えになった」と聞かされ冥い喜悦に満ちるのだった。
編集長のおごりのウナギ弁当をえさに先輩記者の中原(田中要次)に性感マッサージじゃなくてただのマッサージを受けつつ手記を綴る遼子・・・。
その頃・・・鷹藤は美鈴の部屋で女性のものと思われる猟奇的な死体を発見していた。
さあ・・・面白くなってまいりましたーっ。
関連するキッドのブログ『先週の金曜日のレビュー』
で、『嬢王Virgin・第6回』(テレビ東京091107AM0012~)原作・倉科遼(他)、脚本・梶木美奈子、演出・小山田雅和を見た。腹違いの妹・泉優衣華(原紗央莉)の嬢王への夢を断ち切ろうとする桜木(大口兼悟)の意向を酌んで「敗者復活戦」を実施する雨宮(永田彬)・・・桜木に応援される舞(原幹恵)と桜木の父に恩を売ろうとする桐島(大河内浩)に応援される朋(黒川芽以)の親友同士のデス・マッチが始まる。
「お互いをつぶし合え」という雨宮に・・・「朋ちゃんをつぶすことなんかできない」と答える舞だったが・・・朋は舞に水をぶっかけ「宣戦布告」をするのだった。
そして・・・清楚な白から妖艶な黒へ衣装チェンジした朋は「夜の蝶」へと鮮やかな変身を披露するのである。もきゅファンを悩殺である。
一方、桐島と桜木の客としての参戦を封じる雨宮。桜木はともかくオーナーである桐島が店につぎ込んでどうするという話である。
一方、前回大会で嬢王にはなれなかったものの戦い抜いたことで自信を得、昼の世界で成功した亜莉沙(蒼井そら)は前回・嬢王・彩(北川弘美)に通ずるものを舞に見出し接近する。
返り咲きを狙う亜美(麻美ゆま)は再び、朋に接近するが・・・実は武芸の達人でもあった朋に軽くあしらわれるのだった。
朋「あたしを落としいれようとするなんてムダよ・・・雑魚がっ」
そんな亜美に先輩として亜莉沙は「社長に体を許して何かを勝ち取ろうとしてもそれはあなたが勝ったことにはならないのよ」とアドバイスするが・・・亜美には理解不能なのだった。
敗者復活戦は蝶に変身した朋と舞の一騎打ちの様相となる。しかし・・・出勤途中で道に倒れた老女を救ったためにお約束の遅刻をした舞は遅刻の罰金を科せられた上に指名客を朋に奪われ・・・200万円のビハインドを負ってしまう。
亜莉沙「さすがは毒蜘蛛女・・・なかなかやるわね」
しかし・・・舞はあくまでマイペースで・・・様子を探りにきた雨宮にお礼の気持ちをこめておにぎりを作ったりするのだった。
雨宮が恋人である優衣華にキャバ嬢をやめさせようとしていると誤解した舞は優衣華に「雨宮様の気持ちは分るけど私は自分のために戦いたい」と告げる。
しかし優衣華は「よしてよ・・・愛だなんて・・・私と雨宮は兄と妹なのよ・・・」
雨宮「そうなのだ・・・ボクは・・・妹の夢を潰そうとしているのさ・・・」
舞はとりあえず困惑するのだった。
のほほんと・・・舞の敗北が決定しそうになった瞬間、お約束で来店する老女とその夫。
認知症を発症している老女は舞を亡き娘と思い込み、病院で夫がかけつけるまでつきあった舞に夫は感謝の意を示すために来店したのだった。
喜んで接客を開始する舞に加藤店長(津村知与支)は「このままだと負けるよ」と告げる。
しかし・・・舞は「今、私のお客様はあの方たちなのです」ときっぱり。
朋が勝利を確信した瞬間・・・事情を察した老女の夫はメニューを指差し注文するのだった。
加藤「そ、それはコニャックの最高峰レミーマルタン『ルイ13世』・・・この店ではお値段が300万円になりますが・・・」
夫「支払いはこれで・・・」と差し出すのは利用限度額不明のブラックカードである。
舞「そんなことをしていただいては・・・」
夫「子供のために何かしてやれるのは親にとって最高の喜びなのです・・・親孝行をしたと思ってくだされ」
そんなのありかよ・・・と予想外の敗北に我を失う朋。
朋にとってはようやくできた親友も嬢王の座も一度に失う二重の敗北だった。
そして・・・最後に胸元を強調しつつ・・・グラスの破片でざっくりいくのだった。
トイレで自殺未遂の朋を発見した加藤店長。またしても朋は地獄から生還する。
逆転勝利をした舞を加藤店長が祝福しようとするが、強姦未遂がフラッシュバックした舞は加藤を突き飛ばしてしまう。
気色ばむ加藤を「乙女の恥じらいは仔猫の爪のようなもの・・・許しておあげなさいな」と宥める亜莉沙。成り行きで舞をお持ち帰りするのだった。
亜莉沙にマッサージをほどこし・・・サービス・タイムの亜莉沙。
舞「私・・・こわくて・・・男性と交際したことがないのです」
亜莉沙「処女・・・というわけね・・・いいわ・・・私があなたのフタをあけてあげる」
舞「・・・・・・・・・あぅ」
そして・・・決勝ラウンドに顔をそろえる予選通過者たち・・・新たな戦いのゴングが鳴るのだった。
一方、朋は・・・失踪である。もうなんか・・・朋と舞は力石と丈みたいな感じがします。どこまで限界サービスを続ける気なのだ・・・。(つづく)
日曜日に見る予定のテレビ『天地人』(NHK総合)『JIN・仁』(TBSテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
キッドさん、こんばんは。
結構、楽しく見ています。
>どう考えても貫禄不足のヒロイン(主人公の相手役)・ポジションのカメラマン鷹藤(佐藤智仁)
うん、ちょっとね。私は、佐藤くんはおひげはない方が似合うと思うんですが。やっぱり仮面ライダーのイメージが強いからかなあ。ああいう素朴な感じの方がすきですね。
おひげが似合うステキな人って、パっと思い浮かばないですね。イチローくんくらいですね。イチローくんはかっこいいですわ。
旦那はお兄ちゃんが怪しいといっております。どうでしょうねえ。
投稿: youko | 2009年11月 9日 (月) 22時07分
♢♦~山~♦♢youko様、いらっしゃいませ♢♦~P~♦♢♦♢
ようやく・・・ここにきて
見慣れてきました。
キッドはこのポジシヨン
佐藤健だとよかったと思うんですよね。
どうせ特撮系なら・・・。
華がまったく違うでしょうし
相手役として相応しい。
そうですねえ、せめてヒゲはそったほうが
マシでしたな。
つまりお茶の間受けのポイントはずしてる・・・
ってことですけど。
ふふふ・・・逆に
みんなイチローにあやかって
ヒゲにしているわけですが・・・。
キッドは阿部寛や竹野内豊のヒゲはありだと思います。
しかし、所詮は顔を汚す行為ですからな。
役柄的に求められていない以上・・・
百害あって一利なしなのだと考えます。
ま・・・キッドは結構
無精ひげのばしちゃいますけど・・・。
面倒くさいからぁーっ。
全編、ミスリード尽くしという感じでしたので
ひょっとしたら遼子だって・・・怪しいくらいです。
投稿: キッド | 2009年11月10日 (火) 12時25分