ええいああ天地人(妻夫木聡)契りたいのです(逢沢りな)いのちがけだよ(並木瑠璃)
とにかく・・・もうあとちょっとです。大国実頼(小泉孝太郎)の退場によりついに解禁、本多政重あらため直江勝吉(黄川田将也)である。ご存知、仮面ライダー1号・二代目本郷猛である。1999年デビューなのでもう10年目でクールな二枚目の代名詞と言っていいだろう。最近は悪の役も多くて「怨み屋本舗REBOOT」第7回で悪徳金融業者で実質的殺害されてました。
謎の多い本多一族の中でも特に怪しい政重役はうってつけだったな。
勝者が敗者の家系を犯すのはよくあることで・・・織田家でいえば信長の息子たちは信長が伊勢を攻略した後に北畠信雄、神戸信孝と伊勢の名族の跡目を簒奪したのである。
そういう意味では家康が家来筋の本多に上杉の家来の直江の名を継がせるのは勝利の刻印というべきものだ。
しかし、それはまた平和的な解決の手段でもある。すべては安全保障のためなのである。
文字通りの政略結婚の相手はお松(逢沢りな)だった。逢沢りなといえば「炎神戦隊ゴーオンジャー」(2008年)のゴーオンイエローなので・・・仮面ライダーと戦隊ヒロインの結婚なのである。
とにかく・・・二人とも臭い演技にヒケはとらないのでしっとりと泣かせます。
ついでに言えば早世するお松の妹(並木瑠璃)は「さんまのSUPERからくりTV」のギター少女である。
二人とも突然出てきてさっと死ぬのですが・・・その呆気なさが逆にジンと来たりして・・・憐れで。
で、『天地人・第44回』(NHK総合091101PM8~)原作・火坂雅志、脚本・小松江里子、演出・一木正恵を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回もあらすじ五行ですが・・・ま・・・仮面ライダーとゴーオンイエローの熱演に免じてこらえてつかあさいっ。とにかく・・・政重と結婚してすぐ亡くなったのは政重が精力絶倫だったからではないか・・・と考えたりするわけですが。特にキッドは姉のお松が先に死んで、お梅が後妻に入ってすぐ死んだのではないかと考えているのです。もう夜の生活が激しくて身が持たない感じ?・・・だから・・・三番目の妻となるお虎はものすごいタフネスだったのだと考えます。そういうあれやこれやを妄想すると・・・人身御供状態の直江姉妹が憐れで涙でモニターが見えない状態にっ。そしてお虎は天晴れです。・・・これはしたり。
慶長10年(1605年)である。前年の夏にお市の方の三女で徳川秀忠を三番目の夫とした江の方は長男の竹千代(後の家光)を出産している。家康はこれを天佑と感じただろう。すでに天下の実権は征夷大将軍たる家康にあったが・・・織田家と徳川家の血を引く家光こそはまさに名実を伴った天下の支配者足りうるからである。すでに秀頼に嫁いだ千姫に子があれば話は別となる。千姫の子は徳川・織田・豊臣の血が流れるからである。しかし・・・七歳で嫁いだ千姫は未だ九歳だった。初潮を迎えていなかったのである。家康は天下統一の潮流が流れ出したのを感じた。征夷大将軍を秀忠に譲り・・・さらに家光に譲る。それで・・・と家康は考える。徳川家は将軍家と呼ばれるようになるだろう。家康は決断した。
米沢城下の直江屋敷に婿入りした本多政重は景勝より直江勝吉の名を賜っていた。二十五歳の勝吉は精気に満ち溢れている。重光(兼続)も樋口の忍びとして修行し、初音に鍛えられ、戦場を往来したそれなりの忍びであったが・・・陽忍として城勤めが長い。その野生は抑圧されるうちに輝きを失っている。さらに言うならば政重は常人とは異なる獣の匂いを発散している。勝吉は十七歳で主君家康の後継者である秀忠の乳兄弟を切り殺し、徳川家を一度出奔している。それからは流浪と仕官、そして出奔の漂泊の日々を重ねてきた。関ヶ原の戦いでは宇喜田秀家の侍大将として東軍と戦ったのである。その実力は天下に知れ渡り、戦後も福島正則、前田利長ら有力大名に招かれ万石級で召抱えられてきた男である。
その恐ろしいほどの獣性はただ座っているだけでも周囲の空気を生臭く感じさせるのだ。
その凄まじさは婿に迎えてわずか半年で・・・重光の長女・お松を衰弱させていた。お松とてくのいちとして相応の鍛錬は受けていたが・・・相手が強すぎたのである。慶長10年が明け早春の雪も溶けぬ季節・・・お松は逝った。重光は衰弱したお松の体を見て・・・その無惨さに胸を痛めたが・・・本多との縁を切ることはできなかった。
重光は後添えとして次女のお梅を勝吉に差し出した。
重光「・・・のう・・・婿殿・・・少し・・・控えてくださらぬかの・・・」
勝吉「・・・こればかりは・・・」
勝吉は重光の懇願を一蹴した。
お梅もまた夏を越えるのが精一杯であった。二人の娘を失った重光は悄然とした。そこへ・・・大国家より・・・亡き弟・実頼の忘れ形見・お虎がやってきたのである。
「伯父上・・・心配めさるな・・・このお虎の名・・・伊達ではございませぬ・・・」
お虎は十三歳、しかし・・・その姿からは重光と同じ気が発散していた。そのギラキラした輝きに目を細め・・・重光はお虎を拝み伏した。
その夜から直江屋敷は夜な夜な獣の咆哮が聞こえるようになる。
勝吉はようやく己に相応しい女を得たのである。
嬉々として勝吉の世話を焼くお虎の姿に重光はようやく安堵の息をもらす。
その頃、宮本玄信は京から越前へと向かっていた。玄信は三兄弟の長男である。古い藤原の忍びの末裔である父・無信に育てられた戦忍びである。何れも武蔵守玄信を名乗っているが後に宮本武蔵として高名になるのは三男の鞭助だった。次男が槍助。そして長男は剣助である。ちなみに剣助は勝吉と同じ年の生まれ、槍助は二つ年下、鞭助はさらに二つ年下だった。剣助は勝吉とともに宇喜田秀家の下で戦っている。まだ、修行中の身だった槍助と鞭助は父・無信とともに東軍である黒田勢に加わっていた。
弟の鞭助が京に出て、修行を始めたのを機として・・・剣助は武者修行の旅に出たのである。
武蔵守剣助が越前で結城忍軍の結界に足を踏み入れたのは偶然ではなかった。武蔵は女を追いかけていたのである。近江で見かけたその女は巧に穏形していたが並々ならぬ力量を秘めていた。
「一手お相手したい」という熱望が武蔵に巻き起こった。しかし・・・女は巧に武蔵を交わし北に向かっていた。武蔵は追う。しかし・・・武蔵の健脚をもってしても女には追いつくことはできなかった。それでも女は誘うように後姿を武蔵に見せている。
「くのいちか・・・」武蔵は相手の正体をそう見たが・・・かといって女に追いつくわけでもない。武蔵は執念深い性質であったので女に固執した。
もはや・・・剣の相手ではなく凌辱する女として武蔵の目には女の後ろ姿が映っている。
越前の国境を越えたところで・・・女がふと振り返ったとき、武蔵の男のものは激しく怒張しているほどだったのである。
女は笑ったように見えた。武蔵の胸に甘美なものがこみあげた瞬間、女は姿を消し、次に恐ろしいまでの殺気が武蔵に襲い掛かってきた。
「女の連れと思われたか・・・」と武蔵が悟ったときには忍び戦が始まっていた。武蔵は国境を守る結城忍びの結界の真ん中に飛び込んでいたのである。
火薬の匂いを感じ取った武蔵は素早く森に飛び込む。銃声がこだまし、左右からは抜刀した忍びが斬りかかって来る。武蔵は一撃で左右の敵を同時に切り伏せる。
真っ二つになった胴体が二体、吹き飛ぶように転がった。武蔵の中に修羅の風が吹き荒れる。それから一昼夜、武蔵と結城忍びの暗闘は続いた。二日目の夜明け、無数の死体を残し・・・ついに武蔵は力尽きた。
「女め・・・せめて名など知りたかったぞ・・・」
武蔵にとどめを刺した忍びもまた精魂尽き果てていた。
その頃・・・初音は結城秀康を闇に葬っていた。偶然にもその日、江戸では秀康の弟の一人、松平忠吉も古傷が原因で死んだと言う。
数日後・・・徳川二代将軍に秀忠が就任する。
家康は同時に二人の息子を失ったが・・・彼にとって身内の死は日常のことだった。そして家康は天下をほぼ手中にしていた。
関連するキッドのブログ『第43回のレビュー』
火曜日に見る予定のテレビ『オトメン(乙男)・秋』『リアル・クローズ』(フジテレビ)『ケータイ刑事銭形命』(TBSテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
ホームドラマとしてはヨカッタかもしれませんが
説明がつかない部分は相変わらずナレーションで
バッサリですねぇ。
なんかヒゲさえつければ年とったように
見えるような役者さんの雰囲気はともかくとして
「天下」「天下」「天下」と
バカのひとつ覚えのように連呼する政宗が
幼稚に見えたのは自分には
外見が幼く見えたせいかもしれませんが。
でもって、ドラマでの政重の出奔は
おそらく竹松に家督を継がせるため
みたいなこれまたホームドラマ色に
染めていく匂いがプンプンです。
それにしても
精力絶倫の政重、これはなかなかですねぇ。
お虎も十年も持たなかった
それでも、スゴイものです。
となるとその後、再々婚した西洞院の娘は
もっとスゴイという事になりますのかなぁ; ̄▽ ̄ゞ
京仕込みの業は違うのかもしれませんが。
そのお虎がこのドラマで出てくるかどうか
個人的にはこちらもナレーションで終わるのに三千点。
投稿: ikasama4 | 2009年11月 3日 (火) 11時38分
✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥
ふふふ・・・ドス黒い大河ドラマを
見ていると妄想もドス黒くなります。
黒沢明の映画「悪い奴ほどよく眠る」では
山崎豊子的財界人を
ドス黒く描くのですが
山崎豊子は・・・ドス黒い人にだって人生はある
という救い方をしていくわけです。
本当はドス黒い人を
ドス黒く描かない今年の大河は
まさに大河そのものがドス黒いのですな。
そういう中で
ゴーオンイエローの片思いに
ついにほだされる本郷猛というのは
結構、朝の特撮としては
よく出来ていたと思います。
重光、おやっさん役が似合うな・・・。
という感じで。
重光、政宗の対話は
まあ・・・故郷を奪われたもの同志の
述懐としては許容できる範囲。
ようするに箱庭なのですな。
箱庭あるいは盆栽に
天下を見る。
現物ジオラマ談義なのでしょう。
それは現実の天下とは無縁の・・・
趣味の世界の話として聞いとくほかありません。
ヤオイにコビを売り続けた脚本家は
ついに本家おタクにまで・・・
とキッドはドス黒く感じ入りました。
そんなわけで
政重は新田たつおモード全開の絶倫くんに・・・。
今夜は本多一族の霊にうなされそうです。
笑って許してもらいたい・・・。
ふふふ、お虎はがんばったのです。
さすがの政重くんも・・・
西洞院の方との晩年はさすがに衰えた・・・と解釈しています。
それでも51歳で加賀本多家を継ぐ政長生ませてますが・・・。
まあ・・・西洞院は平の忍びそれも清盛流ですから
寝技にはすごく長けていたと妄想します。
なんといっても家紋・揚羽蝶ですから・・・。
信長様と同門なのでございます。
お虎はおそらく・・・存在抹消される可能性さえ
感じます・・・。
さらに言えば・・・政重・・・
単に家出扱いになったりして。
だって・・・重光が貧乏だったので
婿が嫁ごとヘッドハンティングされたなんて
かっこ悪いと感じるかもしれませんからーっ。
それともお習字で「ヘッドハンティング」って書くのか?
・・・・・・。・゚・(ノД`)・゚・。
投稿: キッド | 2009年11月 4日 (水) 02時02分