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2009年11月12日 (木)

むきだしの私のものさし(藤原紀香)バランス(本仮屋ユイカ)私の母を殺したのは誰ですか?(吉田里琴)

社会的な問題の多くは個人的な問題を避けて通る口実である。

・・・まあ、時にはそれが真実だったりして。

水曜日のダンスはまたも変則ワントップに。2+1=1.5みたいな不思議な数学になっちゃうのよね。

「相棒」19.4%↘16.6%↗18.9%・・・・・・・↘17.8%

「ギネ」14.8%↘11.6%↘11.1%↗12.1%↗12.2%

「最終章」・・・・10.9%↘*7.0%↗12.2%↘*8.0%

相棒は一回おやすみで浅見に*1%とられたし、ギネはグラチャン・バレーに踏みつけられてます。

深夜のテレ東「ゴッドタン」の「ドスベリサミット」には白衣・眼鏡ゲストとして日本一かわいい女子高校生・折山みゆが登場。18歳の誕生日の前日の収録ということで紹介されるとドブスベリクイーン大島美幸に「前日とか収録日とかで誕生日アピールするな」とからまれ一年くらい習ったことのある空手の正拳突きで大島のボディを強打。大島の腹部に手首までもぐりこませる。劇団ひとりがフィリピンパプでの営業ネタがらみで「ナメタイヨ」を連発するとしっかりとリアクションを抜かれていた。・・・矢作「緊張してるでしょ」折山「吐きそうです」矢作「昨日は眠れた」折山「・・・三時間くらい」大島「充分だろが」(笑い)・・・基本的に正直者はすべらない。

で、『ギネ 産婦人科の女たち・第5回』(日本テレビ091111PM1010~)原作・岡井崇、脚本・大石静、演出・岩本仁志を見た。ついに発狂して分娩室から担ぎ出される柊奈智(藤原)・・・このまま、精神科で拘束されるのかと思ったら・・・隔離して説諭である。一過性の気の迷いとして処理する気満々の周囲の医療スタッフたち。まあ・・・精神に問題のある医師が「母体死亡のケース」に関っているなんて世間体が悪いからな。全人類が発狂している現代においては正常と異常のボーダーラインは専門家だって判別しがたいわけである。なにしろ、専門家そのものが狂っているのだからな。

奈智は「一貫して孤立した行動を好む」「情緒的な冷たさ・超然とした態度・平坦な感情」「感情というものを他人に伝える能力が限定されている」「社会規範や慣習への無関心」「賞賛にも批判に対しても無関心」という統合失調質人格障害の診断基準をほぼ完璧に満たしている。受診すれば病名を特定されることは明瞭なのである。

しかし・・・奈智の上司・君島産科医長(松下由樹)の相談を受けた榎原婦人科医長(中村橋之助)は「人間としての精神的発達が未熟なだけで教育・指導で改善できる」と判断する。もちろん・・・この場合も広汎性発達障害ではなく・・・健康だがちょっと迷いが生じている人間を矯正するという認識である。

「機知外の人を機知外といえない以上機知外の人は存在しない」という考え方である。

もはや「医療現場のかかえる社会的問題」ではなく、「奈智という問題児をかかえた聖修大学医学部附属病院のスタッフの管理能力の問題」の話である。

とにかく・・・脚本家はその点をえぐりこむ。そしてキッドは面白くてのめりこむ。

こうして奈智は産科から婦人科にトレードされるのだった。

榎原は奈智を「病人」ではなく「未熟な人」として扱うために奈智の「社交的でない側面」はあくまで「幼児的な全能感に支配された未熟な精神」によるものと考える。

もし・・・この問題が救いようの無い世界の話であるとすると・・・すでに榎原は「人間性至上主義という信念において全能感を持っている」ことになり・・・奈智の間違った全能感を榎原の正しい全能感で洗脳するという虚しい展開が提示されるのである。

しかし、脚本家はそこまでは踏み込まず贔屓の俳優に優秀な指導者としての「いい人」を演じさせると思われる。

それは理屈では割り切れない社会ではある意味正しい選択なのである。

人々は意外な組合せで時には救われることがあるからだ。

たとえばお医者様でも草津の湯でも治せない恋の病を・・・なんのとりえもない恋人が治すがごとくである。

統計医学としての精神医学を拒絶して榎原は怪しげな心理学の理論を素人解釈で応用し始める。

産科医長の「トラウマ」連発と同様に奈智は「親の愛に満たされないまま育ったので自我が肥大化し自己中心的で他人の存在を軽視する全能感に人格が支配されている」と確信するのである。もう一度言っておくがこの態度は「全能感」に支配された人間の言動といえる。

人間は「是非」で情報を処理する生物である。そのために「自己」も「肯定」したり「否定」したりできる。しかし、複雑で高度な情報処理は限りなく中立的にもなっていく。

「自己肯定」と「自己否定」は「どちらでもない」に落ち着くのが普通である。

もちろん・・・自己否定が強まれば「自殺」への道は近いのだが、逆に「自己肯定」が強くても「自殺」への道は近いのである。

「生死」もまた限りなく曖昧なものだからだ。

だから本当は奈智はたまたま機知外になってしまったかわいそうな人だとキッドは考えるが・・・二人の上司は指導すれば・・・なんとかなると前向きに考えるのだった。

はたして・・・どうなのか・・・楽しみである。

一方で相変わらず・・・必要以上に肉体関係の描写にこだわる脚本家。

なにしろ、産婦人科が舞台なので妊娠・出産は日常的光景であり・・・その前提条件として性行為があるのは自然だと激しく主張します。

基本的に作家は作品世界に没頭するあまりに統合失調質人格障害的に見えることがある。それは職人気質の異称だからである。

それを客観的視点で見ればかなり滑稽な感じもしてくるがある意味同病相哀れむのである。

活躍するのは①科学者のくせに天中殺を気にする教授の須佐見(國村隼)と顧問弁護士の瀬川(内田有紀)・・・ふたりの家族関係は不明だが明らかに不倫の匂いを漂わせている。脚本家は医学部教授と顧問弁護士は不倫関係でなければ不自然だという病的な信念があるのだな。

②はじめてのカイザー(帝王切開分娩)を成功させた玉木医師(上地雄輔)はモテモテ設定らしく、とりあえず助産師の木村(映美くらら)を愛人としつつ積極的にアプローチしてくる同期の女医・嶋えりな(本仮屋ユイカ)もそれとなくうけとめるのである。源氏物語である。

③実は常識的で対人処理能力に優れた人格に見えて・・・精神的に問題のある医師を精神的に問題のある患者の家族に個人的に引きあわせるという空気の読めない人格であることを暴露する奈智の同僚・桧口(板谷由夏)は死亡患者の遺族である徳本(八嶋智人)の初体験の相手であり、前世の因果を気にしたりする妙に信心深い寡夫となった徳本と同情などからただならぬ関係になる可能性は充分であり・・・脚本家はそういう展開にしたくてたまらない感じが匂い立っている。

この性に対するこだわりは・・・「全能感」や「天中殺」あるいは「前世」といった怪しい精神世界用語をつい使用してしまう「スビリチュアル」で「霊的」で「ニューエイジ」で「ドラッグ中毒」で「トランスパーソナル」的なものへの傾斜とともに・・・この作家独特の淫靡でいかがわしいムードを作品世界にたちこめさせ・・・なんとも言えず味わい深いものがある。

全面的に否定していませんのでご注意ください。

とにかく・・・榎原の指導のもと・・・精神の改善をほどこされた奈智だが・・・ゴミ箱にあたる姿を目撃した藤木医局長(近藤芳正・・・この日「相棒」では勘違い殺人犯)は「効果なし」を感じるのだった。

徳本の娘・優美(吉田里琴)は美少女すぎるので私ってブスだった脚本家の憎悪の対象になりやすいのだが・・・前回、奈智の発狂の引き金を「母を惜しむ絶叫」で引いたあと・・・通夜の席では躁病気質の桧口を眼力で不安な気持ちにさせている。ここだけキャリーの世界である。

しかし・・・今回はその不気味さを子役の先輩・「女王の教室」の馬場ちゃん・・・ではなくて末期の子宮がんの少女(永井杏)が半分引き受ける。余命いくばくもなく、いじめられた過去があり、リストカッター・・・そして夜の屋上で縁に腰かけ足をぶらぶらである。

「この患者への告知をまかせる・・・」と奈智に告げる榎原。結局、荒療治である。

榎原は「死と向き合い、克服したものだけが本当の医者だ」と言う信念があるわけである。

しつこいようだが・・・それも一種の全能感的な思い込みの一種なのであるが・・・要するにそれが実用的であれば問題ないのである。

だが・・・「病的に死から目をそむける」奈智には「告知したら自殺してしまう可能性のある少女」に告知をすることはできない。

そうした世界の恐ろしい部分から目を背け、医療技術者としての医師に特化してきた奈智の情緒はたちまち不安定なものに。

そんな奈智を機知外を見る目で批難するスタッフたちを発狂させた張本人の一人・嶋は「それは言いすぎです」とお嬢様気質でたしなめるのだった。マッチをすってポンプで消すタイプである。

そして・・・徳本家には「演歌の女王」で国境なき医師団に身を投じた医師・・・ではなくて売名を目論む偽善的で悪徳的な感じの弁護士(半海一晃)が浸透してくる。

「隠蔽体質の大学病院の言うことなんてすべてウソですから」という弁護士に徳本は疑心暗鬼状態に。

そして・・・「アイシテル~海容~」のキヨタンのママ・・・ではなくて桧口の空気の読めないお節介でセッティングされた徳本と奈智の対話の場。

徳本「あなたの口から妻(西田尚美)の死因を聞きたいのです」

奈智「そのことはもう忘れたいのです。前を向いて進みたいのです。そのためにはそれを思い出したくないのです」

桧口「ええーっ・・・・」である。

面白すぎる。

私が私でいるため

昨日よりも強くなれるために

損失すものよりも得るものがどれだけ大きいか

歯をくいしばりながら噛みしめた

何が絶対なんてわからない

どれかひとつだけってこともない

今自分のものさしで歩いていこう

ある意味、ドラマ本編は主題歌のテーマの完全否定を展開中。凄いぞ。言わば元気ソングに「がんばれ」って言っちゃダメなときもあるよねと言ってるのか・・・。

関連するキッドのブログ『第4回のレビュー

金曜日に見る予定のテレビ『嬢王Virgin』(テレビ東京)『仲間由紀恵のアンタッチャブル』『石井萌々果のマイガール』(テレビ朝日)『酒井若菜のおひとりさま』(TBSテレビ) 

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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コメント

先日はどうもでした~。
水曜午後の再放送を録画して4話を見れました~。
これは確かに見逃せない回でした。

ど~しようもない医者、どうしようもない話、と思いつつ、
私ものめり込んでいるのです。

柊は極端ですが、心の無い医者はたくさんいますよね。
両親が揃っていても心が育たなくて、知識だけを
詰め込んで医者になったような人は、これからの時代
ますます増えてくる気がするのです。
病院は弁護士と共に患者と接するためのカウンセラーが
必要な気がします。
でも、そのカウンセラーもまた心が育ってなかったり。。。。。
人と接する事は難しいですね。

で、結局は何だかんだ言いながら、今期「JIN」に続いて
夢中なドラマなのでした^^

投稿: くう | 2009年11月12日 (木) 23時09分

rouge❀❀❀☥❀❀❀~くう様、いらっしゃいませ~❀❀❀☥❀❀❀rouge

ナイス再放送でございましたね。
じいめもほっといたしました~。

でございましたでしょう。

どうしようもないけどほっとけないタイプのドラマで
ございます。
「東京DOGS」とは一味ちがいまする。

もうのめりこむしかないのですな。

柊はキッドの周囲にはよくいるタイプ。
熱中すると周囲が目に入らなくなるのは
そう珍しいことではないのですが
醒めれば社交もそつなくこなすのが
普通です。
ところが・・・ずっと熱中しっぱなしの人は
柊と同じ匂いをかもし出してくる。
その境目は非情に曖昧です。

お酒を飲んだときだけ
ああなる人もたまにいますし・・・。

結局、誰もが病んでいる世界では
その時に調子のいい人が調子の悪い人を
カバーすることぐらいしか
できないのでは・・・とキッドは考えます。

現在は結構向精神薬も開発されてますが
日常に問題がある方は
結局、病むしかないわけですしねぇ。

それでも絶対的な美しさがあるように
どこかで誰かが絶対的な健やかさを
輝かせているのかもしれません。

夏の日、緑の中、ただ走る。
そんな少年のような健やかさを
記憶に持つものはそれだけで幸せですな。
少なくとも健全というものを思い出す記憶があるわけで。

キッドもかっては一日千本素振りをしていたかと思うと
気が遠くなります。

健全な肉体に健全な精神が宿ることを
誰もが願うのですが
身も心もボロボロなのが普通だったりして・・・。

そんな世の中で
毎週・・・私は正しいのです・・・
と目がすわってるくせに
主張する柊。

とにかく・・・目がはなせませんよね。
だって何を始めるかわからないから・・・。

投稿: キッド | 2009年11月13日 (金) 00時30分

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