お悔やみを申し上げなかったことを謝罪します(藤原紀香)彼に代わってお詫びします(本仮屋ユイカ)子役あつかいかっ(吉田里琴)
このまま・・・出番終了じゃないだろうな・・・母を殺した病院と思い込み、絶叫しながら不機嫌な顔で退場って・・・子役扱いにもほどがあるだろう・・・って子役ですけどね。
水曜日のダンスは
「相棒」19.4%↘16.6%↗18.9%・・・・・・・↘17.8%↘17.6%↗18.0%
「ギネ」14.8%↘11.6%↘11.1%↗12.1%↗12.2%↘*9.5%↗11.8%
「最終章」・・・・10.9%↘*7.0%↗12.2%↘*8.0%↘*6.7%→*6.7%
*6.7%の人たちは浅見光彦・命なのだな。かなり低空だが「相棒」と「ギネ」のダンスは続く。時間変更によく耐えたな。
で、『ギネ 産婦人科の女たち・第7回』(日本テレビ091125PM10~)原作・岡井崇、脚本・大石静、演出・本間美由紀を見た。原作の小説「ノーフォールト」のタイトルの意味はfault(過失)がないことを示す。そして・・・誰のせいでもない不幸をどうするかという問題を含んでいる。昔は「手遅れでした・・・」ですんだことがすまない時代だということである。
「悪いことをしたら謝る」という教育を受けたものも社会に出れば「簡単に謝ってはいけない」ということを教えられたり学んだりする。「謝罪」は「過失」を認めることになるからである。この皮肉は言葉に反映している。謝罪を意味する「apology」は弁護や弁明も同時に意味する。
つまり、「お詫びのしようもありませんが仕方のないことだったのです」ということである。
それが過失だったのか、不可抗力だったのか・・・判断は第三者に委ねられるのだが当事者が形勢不利だった場合の文句も決まっているのである。
それが「記憶にございません」だ。
しかし・・・カイザーの女王・柊奈智(藤原)が「忘れたい」のは「自分の過失」ではなく「不幸な出来事」だったことは間違いない。
空気を読めない桧口(板谷由夏)には単なる心無い言動だが、訴訟をおこした徳本(八嶋智人)には実はそのことは最初から分っていたのだと思う。分っていながら誰かにやりきれなさをぶつけなくてはいられない気持ち。それがやつあたりだとわかっている心。徳本は終始無言だがそれを好演していたように思う。
だから・・・奈智がノーフォルトでありながらアポロギーした時、彼はいたたまれず逃げ出した。
もちろん、謝罪や感謝そして解放の涙を誰にも見られたくなかったからである。
「すまない・・・そして、ありがとう・・・これでおわった」なのである。
桧口の心ははじめての男・徳本(喪失現場・理科室)に揺らいでいるのか・・・かなり感情的である。どちらかといえば自慢のコレクションを傷つけられたコレクターの気持ちに近いのかもしれない。童貞キラーだから精子マニアになったのか精子マニアだから童貞キラーになったのかは定かではない。おタクの人の趣味の不可解さは男女を問わない時代である。とにかく・・・そのために桧口は奈智に対して冷淡なのである。
有能な二人の部下の穏やかならぬ確執に管理職の君島産科医長(松下由樹)はまたもや管理能力を問われることになるのか・・・と不安になった。
徳本の妻・美和子(西田尚美)が医療過誤による院内感染の死に至ったという疑いで病院と医師の過失を問う裁判で被告席に座らされた君島は医療訴訟で稼ぐ悪徳弁護士・岸本(半海一晃)に「柊医師が度々たちくらみを起こしていたことをご存じなかったのですか」と責められたばかりなのである。
「40時間も働き続けるなんて・・・異常だと思わないのですか・・・」
「しかし・・・そうしないと・・・出産のできる病院はなくなってしまうのです」
過労の招いた過失という絵図を描いている岸本はほくそ笑む。しかし、実際に現場で医師たちの懸命な努力を見ている徳本の心には同情や後ろめたさが浮かぶ。徳本は「妻の敵討ち」を口実にをやりきれなさを他者にぶつけて駄々をこねている自分が見えているのである。
けれど・・・誰も悪くないのに妻が死んだという事実には耐えられないのだ。
「倒れるまで働いたからって・・・俺の妻を殺していいってことはないはずだ」
徳本は最後の一線にしがみつく。
そんな徳本の気持ちを反映した娘・優美(吉田)は学校内の事故で負傷。救急車で運ばれたのが聖修大学医学部附属病院だったために激しい拒絶反応を起こす。
「この病院だけはいや」なのである。
しかし、外傷を治療したERの飯村医師(川渕良和)は優美の出血状態に疑念を抱き、血液内科の奈智の元・夫・柊隆弘医師(長谷川博己)に相談する。
元・妻を密かに監視している隆弘は患者名から訴訟中の徳本の関係者だと思い当たる。
患者の血液に遺伝的な問題があったのではと仮説を立てた隆弘は桧口医師が研究用に保存していた徳本の妻の血液を入手し、遺伝子検査をするのであった。
今回のゲスト患者である星名(吉田羊)は遺伝性の血管神経浮腫であった。蕁麻疹の一種だが皮膚表面ではなく気道内や腸管などの体内に一過性の浮腫が生じるものである。玉木医師(上地雄輔)が症状緩和のための注射を行った直後に症状が悪化したためにアナフィラキーショック(薬物過敏症)が疑われるが、「声がかすれていた」という言葉を手がかりに奈智はHANE(遺伝性血管神経浮腫)と診断する。浮腫の発生によって呼吸困難が生じていたのだった。そして・・・星名は陣痛開始。
「カイザー・グレードAです」
伝家の宝刀「カイザー」(帝王切開)を要緊急強化型で叫ぶ奈智。君島や藤木医局長(近藤芳正)は悪夢の再来に怯えるが、奈智の治療法の指示を聞き、なるほどと納得するのだった。
「それはカイザーだ」「絶対カイザーよ」カイザー・トリオ結成である。
大事なヒントを出し惜しみした玉木は君島に決まり文句を言われるのだった。
「いい勉強になったわね」
君島と藤木は一皮剥けた奈智の動向に安堵する。
君島は奈智を改良した婦人科医長・榎原(中村橋之助)に感謝する。ピーマンではなくてグリーンピースが食べられない榎原は昔から女殺しだったが・・・本人が奥手なのでゲイだと思われていた。
君島が榎原に密かな好意をよせているのは自明の理だが、榎原が桧口に好意を持っていることを知ると素知らぬ顔で面白がるのである。
もちろん、奈智が榎原に心を奪われていることを部下の行動に関して知らないことが多すぎる君島は認知していない。
主題とは別にこだわる院内相関図はまた複雑になりました。
君島は榎原に好意を寄せつつ藤木と不倫。藤木は看護師小山(鈴木恵美)とも不倫。
榎原は奈智を調教しつつ桧口に片思い。
桧口は徳本をはじめ奈智の元夫まで精子提供者を手広くである。
悪徳弁護士の情報源となっている助産師は木村(映美くらら)であることは明瞭だが、それは憂さ晴らしのためである。同棲中を直訴の必死の抵抗にも関らず、玉木は院長の娘えりな(本仮屋)とのカリフォルニア医大留学を選択するのだった。この話の成り行きからして木村が妊娠している可能性は高いのである。ついでにえりなも妊娠するという話も充分ありえます。
君島「明日・・・裁判に出廷だから・・・帰宅しなさい」
奈智「はい」
玉木「・・・絶対に帰りませんよね」
奈智の仕事熱心を暖かい目で見る関係者一同だった。
翌日、奈智を迎えに来た刺青入り顧問弁護士・瀬川(内田有紀)は主任教授・須佐見(國村隼)の子供を妊娠中である。二人の会話から柊の離婚の原因が「妊娠・出産・育児のために当直のない転科」を隆弘が薦めたことにあることが判明する。
隆弘は「男ってそういうところがダメよね」という地雷を踏んだのだった。地雷を踏んだらサヨナラだ。
奈智にとってカイザーは夫よりもわが子よりも優先するのである。お茶の間には周知の事実だがそれで隆弘を責めるのは憐れである。
そういう異次元の精神を全く理解せずに悪徳弁護士はあくまで「奈智の過失による医療過誤」を立証しようとするのだった。
「あなたは・・・亡くなった患者の夫に対してひどいことをいいましたよね・・・亡くなった患者のことは思い出したくもないとか・・・」
しかし・・・徳本には奈智の本心は分っていた。夫が妻を失ってショックだったと同じように・・・あるいはそれ以上に奈智という医師が患者を失ってショックだったこと。それを思うと泣きたい気分になる徳本だがこらえていたのである。なぜなら誰も悪くないのに死んだ妻が不憫であり、その夫である自分がかわいそうだからだ。
しかし・・・奈智の夫から血液検査の結果を知った桧口医師が裁判を根底から覆す新情報を持って入廷する。
「血液検査から故人は20万人に一人の奇病であるフォン・ヴィレブランド病であることが判明しました。患者は血小板が損傷組織に粘着するのに必要なフォン・ヴィレブランド因子と言う接着因子が先天的に欠損している遺伝子を持つために・・・皮膚粘膜出血が止らなかったのです。事前にこれを認知しないまま予測することは不可能であり、手術を担当した医師にまったく落ち度はなかったということです・・・遺伝病であるためにすでに出産された嬰児にも同じ病が確認され・・・おそらく娘さんにも遺伝していると思われます」
こうして実は徳本にとってもっとも地獄だった裁判は終わり、悪魔は顔をしかめたのだった。
どのように正義の冠をかぶせようと争いごとはすべて悪魔の手の内にあるるからだ。
悪魔の傀儡である岸本弁護士は舌打ちをしつつ法廷から退場するのだろう。
妻を失った徳本と患者を失った奈智。悲しみに背を向けるのではなく、共有することもできると熱愛する榎原から仕込まれた奈智は徳本を訪ねるのだった。
「あの日・・・ご主人に言った言葉を心から謝罪します」
悪くないものからわびられて徳本の涙腺は限界に達するのだった。
それを知ってか知らずか・・・奈智は明日に向かって歩き出す。
なにしろ・・・桧口の口から「榎原先生の精子はすごく元気がいい」と聞いて心が喜びに満ち溢れている奈智なのである。意味不明だぞ。
まあ、あれだ・・・好きな人のセンスがいいと誰かが褒めているのを聞いて誇らしい気持ちになるみたいなアレだよ。
そして・・・主題である「無過失で死亡した患者に対する救済の重要性」を説いた須佐見教授はついでに「顧問弁護士とのできちゃった婚」を発表し・・・医局員一同を唖然とさせるのだった。
人々の祝福の拍手の幻聴を聞きながら・・・わが子のためのベビー服をショッピング中の刺青弁護士は・・・大腿部を伝う出血を残して意識を失うのだった。
神は与え奪う。そして奪ってまた与える。さらに与え奪うのである。
関連するキッドのブログ『第6話のレビュー』
金曜日に見る予定のテレビ『嬢王Virgin』(テレビ東京)『仲間由紀恵のアンタッチャブル』『石井萌々果のマイガール』(テレビ朝日)『酒井若菜のおひとりさま』(TBSテレビ)『岩田さゆりの行列48時間最終回SP』(NHK総合)『平愛利のダブルブッキングで岡部警部シリーズ④』(フジテレビ)・・・「20世紀少年」の余熱か・・・。
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
>カイザーの女王・柊奈智(藤原)が「忘れたい」のは「自分の過失」ではなく「不幸な出来事」だったことは間違いない。
そうなんですよね。
それをボソっと遺族に思ったまま言ってしまうのも。。。
まぁ、彼女だから仕方ないわけなんですが。。。
徳本さん=八嶋さんの演技はセリフがなくても素晴らしかったと
私も思うのでした。
そうして、また柊は一つ成長したって言うお話でした。
やっぱり好きだな。。。このドラマ。
木村は妊娠しているのでは。。。と私も思いましたわ。
投稿: くう | 2009年11月27日 (金) 18時41分
最近、キッドは八嶋智人の演技を
あまり買っていなかったのです。
主演映画までやって
ちょっと伸び悩んだ感じがあり
そしてそういう役しかもらえていなかった。
今回も深読みしなければ
どうってことない演技だけど
最後の主人公の謝罪に対して
言葉では許さない演技が
良かったんですよね。
すると・・・そこまでの無言が
ちゃんと計算があったことが妄想できる。
役にも恵まれて久しぶりに感動できる演技でした。
今でもふりかえると涙腺が刺激されますし。
仁の武田鉄矢ほど誰もが泣ける芸ではありませんが
キッドは今回かなり感動しました。
だからこそ・・・ちょっと無理な感じもある
柊の成長を
素直に受け取ることができる・・・
ということでございます。
木村まで妊娠しているとなると
くどいだろう・・・とは思いますが
この脚本家は結構
平気でくどくしてきますからね。
まあ・・・残り時間の関係もありますが・・・
シリーズ化するつもりなら
ありですよね・・・。
投稿: キッド | 2009年11月28日 (土) 06時33分
こんばんは。
TBありがとうございました。
>子役扱いにもほどがあるだろう・・・って子役ですけどね。
う~ん。まさにココにつきる。
これじゃあ、クラブ里琴も開店できないわ!
でもいいのよ~。
正岡律@坂の上の雲で、兄を果敢に守っていたから~。
祝!NHK初出演!! ほほほ~~。
あ、ギネかぁ・・。
嶋に玉木の子供がいるとすれば、
あの精子の弱さから、なにかしらあるのかと思うのですが、果たして・・。
投稿: シャブリ | 2009年11月29日 (日) 22時49分
ふふふ・・・クラブ里琴は妄想上では
年中無休ですぞ。
日曜日の夜にあいててよかったバーでございます。
まあ・・・子役ですから
こういうポジションで
存在感を示すのも大切ですからね。
まあ・・・美人すぎる子役は
使える範囲が限定されるのも
テレビの宿命なのですな。
かわいいのぞみ・萌々果路線と
美人な里琴・杏花路線は
どちらも必要ですしね。
「Tomorrow」では菅野の妹(黒川智花)の
幼少だった里琴。
今回は菅野の幼少です。
正義の味方では山田優の幼少。
ホタルノヒカリで綾瀬はるかの幼少。
花嫁のパパで石原さとみの幼少。
結構、個性派の幼少にキャスティングされているところが
ミソですな。
ふふふ、
ダブル妊娠で
ダブル障害胎児なんて・・・
玉木・・・どんな前世の因果が・・・。
貧乏太郎か小早川秀秋か・・・。
投稿: キッド | 2009年11月30日 (月) 01時28分