医者である前に(藤原紀香)惚れたはれたのケダモノごっこ(本仮屋ユイカ)親が憎けりゃ子も憎い(吉田里琴)
爆笑の連続・・・キッドが今季、一番目が離せないのは「仁」でも「不毛地帯」でもなく「ギネ」だったりして・・・。
しかし、水曜日のダンスは
「相棒」19.4%↘16.6%↗18.9%・・・・・・・↘17.8%↘17.6%
「ギネ」14.8%↘11.6%↘11.1%↗12.1%↗12.2%↘*9.5%
「最終章」・・・・10.9%↘*7.0%↗12.2%↘*8.0%↘*6.7%
ポーランドに勝った男子バレーの快挙は凄いのだが10.9%である。そのために30分も待たされたらお客は逃げていく。ある意味・・・「ギネ」はそれが最初から想定内の不憫な子・・・。バカな子ほどかわいい法則発動です。
横山めぐみ、いとうあいこを投入して急降下の「浅見光彦・最終章」は編成ミスと言わざるを得ない。
「相棒」はどんなに地味でも右京さんと鑑識さんが見れればそれでいいという人は多いらしい。
で、『ギネ 産婦人科の女たち・第6回』(日本テレビ091118PM1030~)原作・岡井崇、脚本・大石静、演出・久保田充を見た。第2話25分遅れ。第4話50分遅れ。第5話10分遅れ。第6話30分遅れである。6回待ち合わせして4回遅刻してくる相手と付き合うのは我慢強い人間と言えるだろう。世の中には遅刻せずにはいられない人間というものがいて定刻通りの人間とか、待ち合わせの五分前に到着がエチケットという人間には考えられないルーズさを感じさせる。ちなみにキッドは遅刻魔だが他人の遅刻は絶対に許さないタイプでございました。この場を借りて関係各位にあらためてお詫び申し上げます。
人間は社会的な動物であり、人間関係は大切だ。その要は「約束」である。
しかし・・・「約束」にも極私的なものから道徳的なルール、そしてがんじがらめのくせに意外とザルの法律まで様々なものがある。
桧口(板谷由夏)は思う。・・・人間には不可抗力というものがある。自分が男にしてやった徳本(八嶋智人)の妻(西田尚美)の死は避けられようのないことだったと思う。医療スタッフは人事を尽くした。それでも天命が非であることがあるのが現実だ。しかし、家族を失った遺族のやりきれなさは理解できる。徳本の妻が信頼していた担当医の柊奈智(藤原)から「死因」を直接聞きたいという徳本の心を慰めることも医師としての仕事と言えるだろう。だからプライベートで徳本と奈智の対話の場をセッティングした私はなんて気がきくのだろう。そこで奈智は「手を尽くしたが力及ばず信頼に応えることができず無念です」と詫びれば徳本の心も少しは救われるはずである。それなのに・・・奈智ときたら。
「もう・・・その件については思い出したくもないのです」
おい、そりゃないだろう的空気読まない態度なのである。・・・え、そういうことになるだろうことを読めない私にも落ち度があったのではないかって・・・えー、私が悪かったって言うの・・・信じられな~い。私が悪いなんてことは100%ないから~。だって私って完璧な女なんだもん。
とにかく・・・奈智の心ない一言に傷ついた徳本は悪徳ゴロまき弁護士・岸本(半海一晃)に唆されて勝ち目の薄い医療訴訟に踏み切ったのだった。
「妻の仇は俺が討つ」という幻想が徳本の生きる原動力になったのである。徳本はレンタル店でドラマ「太陽は沈まない」(2000年)のDVDを借りて滝沢秀明気分にひたったのである。あの時優香は若かったのである。最終回20%越えも夢ではないのだ・・・妄想停止。
産婦人科主任教授・須佐見(國村隼)は顧問弁護士・瀬川(内田有紀)から二つの問題を示される。一つは瀬川の妊娠。一つは医師と病院を相手とした医療訴訟の発生である。
須佐見は妻に先立たれて子供たちもすでに家庭を持っているので・・・問題ないから「子供を生んでくれ」とプロポーズ。
しかし瀬川は「あなたと結婚するのはいいけど子供は堕胎したい。だってこの世の中に生れて幸せになる保証のない子供の親になるのはイヤなんですもの」とダダをこねるのだった。
須佐見「やくざから足を洗って法律家になった君だ。なんでもありだし、なるようになるって分ってるくせに」
瀬川「でも刺青ものがママになってもいいのかな・・・悲しいことにならないのかな」
須佐見「君は僕に神様がくれた一つ目の贈り物だ・・・二つ目の贈り物が君のお腹の中にある。エロゲでも妊婦プレーには根強い人気があるんだぜ。これは今夜は燃えるな」
瀬川「まあ」
・・・いい加減にしとけよ。
須佐見の避妊失敗で愛人関係が明らかになった教授と弁護士の夜の炎上はさておき、奈智とともに訴えられた産科医長・君島(松下由樹)は憂鬱な気分になるのだった。それに追い討ちをかけるように「訴訟のリスクは重すぎる」と離脱する部下の産科医・井本(サコイ)・・・人手不足の産科は地獄の様相を呈し始める。
個人の頑張りではなくチームワークで理想の医療を作っていこうという私の理想はどうなるの。がんばったってムダじゃない。泣きたくもなるじゃない。みんな勝手なことばっかししてどうして私の言うこと聞いてくれないの。もう、やだあ。私もやめちゃいたい~。
「そんなことされたら俺の立場がないじゃないか」と必死に君島を慰める医局長・藤木(近藤芳正)・・・ナース小山(鈴木美恵)と不倫中の藤木だが体を張っても君島をつなぎとめようと決意するのであった。
一方、院長の娘である嶋えりな(本仮屋ユイカ)は父親から「リスクの高い産婦人科は縮小したいから米国留学でもしろ」とレールを敷かれ真夜中の電話で意中の人・玉木(上地雄輔)に相談を持ちかける。「あなたが行くなって言えば行かない」と意味不明の束縛を要求するえりなだっだが、玉木から携帯電話をもぎとった玉の輿狙いの助産師・木村(映美くらら)は「私たち一緒に暮らしているので真夜中にプライベートな電話をかけてくんなって言っとくわ」と火花を散らすのであった。
ああ・・・このドラマはもはや完全に性の荒野に向かって脱線する急行列車です。
もう、お茶の間としてはいつ転覆するのかと手に汗握って見守るしかありません。
ファンタスティックというよりはエキセントリックです。
てんやわんやの病院での訴訟騒ぎの原因が自分の余計なセッティングにあったことから目をそらす桧口は全開バリバリの空元気で人材不足を埋めようとしますが体力にも限界がありふらふらに。ごめん・・・キヨタン・・・ママもうダメかも・・・という心情に・・・ドラマが違うぞ。
産科は大混乱だが、体は大人だが心は幼児の奈智は婦人科医長で女性選科のセラピスト・榎原の元で再教育という名の心の育てなおしというか、再訓練というか、調教を受けている。
柊、榎原、桧口はひいらぎ、えのき、ひのきと材木シリーズです。
これに準じるのが玉木と藤木の三角関係コンビになってます。
心の調教師である榎原は手頃な末期ガン患者の三井さやか(永井杏)の「生と死」を道具として利用。奈智の肥大化した自我と患者の死によって混乱した情緒を最適化しようと試みます。
娘の死と真摯に向き合うことのできないさやかの母の理不尽な態度こそが「奈智そのもの」と指摘された奈智は榎原の言葉の鞭で調教されつつあった心の反動で・・・理不尽な母親の犠牲としての娘さやかに同調します。
「母と娘」がかって一心同体であったように「生と死」も実は同じものである。
この真理をさやかから聞かされた奈智はいつしか「母殺しの呪縛」から解放され始めるのだった。
榎原は奈智の心を修復するために道具化したさやかをコントロールするため添い寝も辞さないのだった。
もちろん、そのためにさやかは榎原に恋をするのである。
心理も情報にすぎないため、それをコピーして複写(転移)することは可能である。
榎原のレシピは次のように展開する。
理不尽な母に殺される娘さやかというストーリー。理不尽な母と奈智の同化。さやかと奈智の同化。さやかが死を受け入れることに同意する奈智。さやかが理不尽な母を許すことに共感する奈智。これによって奈智は母を殺した自分の宿命を許容し・・・許されざる自分自身を許すことができる。
自分を客観視することができない奈智にさやかを同化させることによって「死」を擬似体験させた榎原は・・・奈智の心に吹きあれる「死への恐怖」をなだめたのだった。
しかし・・・副作用として・・・不在の父親としての恋人をさやかに対して演じた榎原はさやかに恋をされ・・・さらにさやかに同化した奈智は恋人としての父親として榎原を認知してしまったのである。
心理操作恐るべしだな。
おそらく奈智の幼児性を知らずに奈智と結婚し、子供まで設けたのにどこかで那智の幼児的癇癪玉を踏んで未だに激怒されている元夫の血管内科医・隆弘(長谷川博己)別れた妻をひそかに監視しているらしく・・・「榎原先生への恋に燃えてもいいけど自分の子供がいることを忘れるな」と哀願してまた癇癪玉を踏んでしまうのだった。
さやかの死を看取り・・・母親に主治医として「娘さんの最後の言葉は・・・ママでした」と慰めの言葉をかける能力を獲得した奈智を見て「子犬の躾」が終ったことを判断する榎原。
産科への復帰を奈智に告げるが副作用で小学生のように榎原に盲目的な恋をしている奈智は榎原の側から離れることはできないのだった。
ナースからコーヒー・サービスを受ける榎原に父親に対する独占欲的嫉妬の炎を燃やす奈智。しかし、そのコーヒーを横取りして間接キスをすることで小学生的な恋は海よりも深く充足するのだった。
「あなたと一緒に飲んだコーヒーの味」を恋の思い出として榎原への思いを封印した奈智は「徳本の妻の死以前の・・・現在に比べれば安定した自分」を取り戻す。
結局・・・榎原のカウンセリングは効果があったのかどうか不明なのであった。
いや・・・桧口に「徳本家の家族について話がある」と語りだしているので紙一重の成長は観測できるのであるな。
一方、父親の案じる通り、母親の暴走のとばっちりを受ける奈智の息子(中村柊芽)は母親譲りの表現力不足で・・・顔見知りの徳本の娘・優美(吉田里琴)に「(お姉ちゃん覚えている・・・)ものすごい医者の母親(の子供のボク)だよ」と話しかけ水を浴びせられて泣く羽目になるのである。
そういう神々のものすごい心理状態を預り知らぬ徳本は男ヤモメに蛆がわく暮らしの中で「子供にやつあたりしちゃダメだぞ・・・お母さんの仇はお父さんが必ず取るから・・・まかせておいてくれ・・・お前はいい子にしてくれよ」と甘い見通しを語るのだった。
はたして・・・優美は母のようなお惣菜屋さんになるのか・・・母の仇である奈智のような女医になるのか・・・それともやさぐれて刺青を入れたあと一念発起して弁護士になったりするのかは天のみぞ知るしこのドラマはそこまで描かないことは確実である。
ただ吉田里琴の顔の整い方は半端ないということだけがこの世の真理である。
とにかく・・・産科に復帰した奈智は何事もなかったように業務を開始。地獄にあれば鬼も仏とばかりに開放感を感じる医療スタッフ一同なのである。そして・・・奈智贔屓のえりなは面白い玩具の復帰に謎の微笑みで応じるのだった。
ギネ・・・ものすごく対象限定だけどものすごく面白いと考えます。
関連するキッドのブログ『第5話のレビュー』
金曜日に見る予定のテレビ『嬢王Virgin』(テレビ東京)『仲間由紀恵のアンタッチャブル』『石井萌々果のマイガール』(テレビ朝日)『酒井若菜のおひとりさま』(TBSテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
| 固定リンク
« あれはウソですよ(戸田恵梨香)世界で一番バカな女にだまされる男って(松田翔太) | トップページ | 疾しいことは何もないと目をそらす(唐沢寿明)あの方はお元気ですかと釘を打つママ(多部未華子) »
コメント
藤木医局長と看護師との関係といい
玉木を巡る木村と嶋の争いといい
須佐見教授と瀬川弁護士との甘い関係といい
主人公を上回る瀬川弁護士の経歴といい
君島と榎原の何か気になる関係といい
柊の子に憎悪を向ける優美とそれを叱る父といい
いやもう、柊はこのドラマの主人公ですか?っていうくらい
脇の方々がすんごい目立ちましたね。
というか、主人公が主人公として
機能してないから、こういう演出に
なったのかもしれませんね。
吉田里琴さんの顔の整い方はたしかにハンパないですねぇ。
それもこれも
2ヶ月経ったという設定でのあの長髪が合わさって
女の子というよりも女性を感じさせる魅力を作り上げたのかもしれません。
で、何よりも目を引いたのが
妻を亡くした須佐見教授とヤクザの世界から弁護士の転進した瀬川さんですね。
國村さんの貴重なキスシーン
なかなか見れるもんじゃございません ̄▽ ̄
それにしても妊娠9週目って事はおそらく
あの焼肉の席の後あたりなんでしょうねぇ(・∀・)ニヤニヤ
投稿: ikasama4 | 2009年11月19日 (木) 22時55分
キッドは今回は
馬場ちゃんこと永井杏の
不気味なほどの末期ガン患者ぷりにも
目を奪われたのですが
そんな厳粛さを
嘲笑うかのような
医局の皆さんの
色恋模様の競い合いに
唖然・呆然・大爆笑でした。
みんなくわっという感じで
見せ場を奪取でしたな。
色恋教授とはぐれ弁護士の
出会い・・・そしておつきあいは
妄想爆発間違いなしでございます。
組長の娘として生れた弁護士は
敵対組織の若頭と政略結婚・・・。
しかしのっとりをたくらむ若頭は
弁護士父を暗殺。
敵討ちに乗り込む娘に
組長の親友だった教授は
メスをドスに持ち替えて二人旅。
返り討ちにあって
娘はシャブ漬けにされるが
なんとか脱出。
海外で整形手術をした娘は
司法試験にチャレンジ・・・。
そして・・・。
・・・みたいな。
そしていかにも父親の血は引いていない感じの
徳本家長女。
妻は不倫していた・・・。
事実を知った娘は修羅の道へ・・・。
・・・というのも。
焼肉屋ベイビーと宿命の出会いをしたりなんかして。
もはや・・・このドラマの
初期テーマがなんだったのか・・・思い出せない
驚くべきジェット・コースター展開でございますよね。
万歳です。~~・-v(`・ё・´)
投稿: キッド | 2009年11月20日 (金) 00時02分
バリボーをこよなく愛する私といたしましては
ちょっとくらいの遅刻なんぞ屁の河童で
ございます・・っていうか当然のごとく
流れでみておるので大丈夫♪って感じです。(笑)
それにしてももうちょっと柊先生は
狂ったまま頑張るのかと思ったら意外と
あっさり治ってしまいましたね。
榎原先生恐るべし!って感じです。
まぁ治ってくれないと裁判戦えないからなーっ!!
投稿: みのむし | 2009年11月20日 (金) 20時26分
ふふふ、日本男子が絶好調ですな。
女子の手からあと一歩でこぼれおちた
メダルを男子が拾えるといいですねぇ。
お茶の間は現金ですから
エジプト戦は↗15.7%
誰かに勝って貰うものを
人は求めるのでございます。
キッドはメグカナが不在で
さおりん一人じゃ大変だ・・・
と思うばかりです。
柊先生はちっとも治ってない
と思うのは
キッドが心配性だからでしょうかーっ。
っていうか・・・暴走機関車で
いてくれないと
楽しみ半減いたしますーっ。
榎原先生はいい人風に受け取っている人も多いのですが
人間調教師でございますからね。
ある意味一番、間違った全能感に支配されているのでは?
自分以外は人で非ず的な~。
まあ・・・裁判では
「記憶にございません」が
有効なときもありますけどねーっ。
「あのことはもう忘れたい」とか
言い出したら
心証最悪ですからなーっ。
投稿: キッド | 2009年11月20日 (金) 23時07分