私たちの敵はプレイヤーでなくゲームのマスターなのです(戸田恵梨香)まず目の前のモンスターを倒してからな(松田翔太)
ゲームというものは不思議なものだ。
ゲームは人生でもあるわけだが、それは人生がゲームである場合、非常に限定的に「人生ゲーム」だったりもする。今や、ネット内にヴァーチャルな人生ゲームは満ち溢れている。
たとえば、このブログそのものも人生ゲームの一種と考えることができる。
その場合、プレイヤーはキッドなのか、それとも運営者を含む読者なのか。
そしてゲームのマスターはどちらなのか。
そうした認識を進めることももちろんゲームなのである。
ゲームが楽しいものなのか、それとも虚しいものなのか。
人生について考えることとゲームについて考えることは同じである。
「一刻もはやく、こんな馬鹿げた戦争はやめましょう」と誰かが言う時、「こんな楽しいことやめられますか」と言う人がいないわけではないことを反戦ゲームをする人々はルール・ブックから見落としたりする。
今回の直(戸田)の呼びかけが鼻で笑われるが如くに。
火曜日のドラマ対決は①「ウソゲ」↗12.6% ②「リアクロ」↗*9.9%
で、『ライアーゲーム シーズン2・第3回』(フジテレビ091124PM9~)原作・甲斐谷忍、脚本・黒岩勉、演出・長瀬国博を見た。さてお気付きのようにブログの表示が変わっている。トップページが折りたたみ式になっているのである。こうすると読者はお目当てのページに行きやすいという利点があるのだが、ブログの主催者がこれを採用しているのはスポンサーのリンクが高めにくるからである。ココログは良心的なので全面表示に設定変更もできるのだが・・・まあ・・・しばらくはこの形式にしておく予定である。ちょっとより強く民放気分を味わってみるのもいいかと思うからだ。これもまたゲームだし。
キッドはこのブログで小銭を稼ぐゲームには参加していないわけだが、それは読者的にそういうものに対する拒否感がある人がいると考えると同時に、そういうものを始めるとそれはそれで面白いので熱中してしまい違うゲームになる恐れがあるからである。
キッドがこのゲームで目指しているものはキッドが思うところでなるべくたくさんの人を楽しませることなのであり・・・そこに全力を尽くすともはやキッドにはあまり余裕はないのである。
・・・ということです。
さて・・・ライアーゲームの四回戦、中堅戦の攻防が続いている。第1シーズンも穴がないわけではないが・・・やはり第2シーズンの脚本家はかなりこなれていない部分が目立つ。
ドラマとしてはかなり特殊なコンテンツであるから・・・ある程度は割り引くのだが・・・ゲームとしての面白さとドラマとしての面白さの折り合いが鍵になってくるので注意してもらいたい。
たとえば、ゲームとしての面白さに「勝敗の行方」はかかせないだろう。スポーツ観戦者に生中継と結果の分っている録画の面白さを問えば、生中継の面白さに軍配があがるはずだ。もちろん・・・録画には録画の面白さがある。
ドラマの場合は冷静に考えると・・・スポーツ中継の録画みたいな部分はある。なにしろ、主人公側が勝つに決まっているだろうという予測があるわけだ。
それだけに途中経過の面白さというものが重要になってくる。
そのためには勝負全体のルールというものが大切になってくるのだ。
最初に団体戦であるということが断られている。
分りやすくなるかどうか分らないが・・・サッカーにたとえてみよう。
まず、サッカーには勝ち点というものがある。一般的に勝利の場合は3点、引き分けの場合は1点という加点がある。負け0点なので1勝1敗1引き分けならば勝ち点は4点である。
勝ち点が多い方が勝利だが・・・同点の場合がある。
その場合、得失点差というものがある。それまでのゲームの総得点から総失点を引いたもので、総得点が50点で総失点が40点なら得失点差は10ということになる。
数字の多い方が勝利だが・・・同値の場合がある。
そうなると総得点の多い方とかもうじゃんけんでいいや・・・ということになるのである。
とにかく、一般的に優先順位は勝ち点を上とするわけである。
だから勝ち点5で得失点差100のチームと勝ち点6で得失点差0のチームでは後者の勝利ということになる。・・・どんな試合をしてるんだっ。
・・・で、ライアーゲームの四回戦は先鋒・中堅・大将戦の三試合があり、それぞれについての勝敗とともに得失コイン差というものがある。
勝敗と得失コイン差の優先順位についての説明が曖昧なのである。
たとえば一回戦がマイナス100の負け、二回戦もマイナス100の負けで勝敗が問題になるのなら三回戦に勝ってもトータル一勝二敗でゼロサムゲーム(一方が負けた場合相手が必ず勝ち)なので相手は二勝一敗になり、二回戦でゲーム終了である。
だが、得失コイン差の勝負なら三回戦プラス300の勝ちならトータルプラス100で逆転勝利も可能なわけである。
この点についてほとんど説明がないのである。
ちなみにコインは各チーム450枚持ちのスタートである。勝負の間にコインは移動するのだがこのコインが途中で尽きた場合についても明確ではない。たとえば2回戦でマイナス50枚になった場合、追加のコイン借用はありなのかとか・・・それともその時点で負けなのかの説明もなしに勝負は始まっている。
ちなみに一回戦では勝負は引き分けだがキノコは164枚くらい獲得コイン差をつけている。もしも獲得コイン差の勝負なら勝っているのである。
さて、そこで問題なのは中堅戦で秋山(松田)がピンチになったとき・・・「このままじゃ・・・四回戦は負けちゃう・・・」と悲鳴をあげる直(戸田)なのである。
もしも・・・中堅戦に秋山が負けても一敗一引き分けなのである。直が勝てば一勝一敗一引き分けなのである。
つまり・・・直は最初から負ける気満々なのである。
逆に秋山は必ず勝つと信じていたわけだ。
それならそれで筋は通っている。
しかし・・・秋山が勝った結果、一勝一引き分けになったときの展開がおかしいのである。もう負ければ一勝一敗一引き分けが確定で・・・直の狙い通りなのだな。
それなのに急に勝たなくては・・・と言い出す直なのだ。なんじゃ・・・そりゃ。
この場合は、ドローの場合はコイン差勝負とか・・・コイン残量ゼロになったら無条件で敗北とかあらかじめ明示されていないと・・・勝負が楽しめないではないですか。
そういう点がとにかく・・・今回の脚本はダメなのですな。せっかくの直のボケどころも表現しきれてないしね。
まあ・・・それはそれとして・・・中堅戦の「17ポーカー」第2ゲームまで秋山の連勝で迎えた第3ゲームである。ここまでは秋山は100コインのリードである。
しかし・・・「17ポーカー」はジョーカー(ワイルドカード=W)を持ったものが勝つというセオリーと・・・シャッフル前のトランプの配列は常に同じ・・・そしてボクサーとしての動体視力で菊地(眞島秀和)はジョーカーの位置を見抜くという必勝法を確立していたのだった。
そのためにカードを支配し・・・必ずジョーカーが自分の持ち札になるようにコントロールすることによって第3~4ゲームを連勝する菊地。秋山のリードは22コインに。
そこで・・・直がタイム。「皆さん・・・本当の敵はライアーゲーム事務局です。私たちが勝ったら皆さんを救済することをお約束します」と演説する。
敵チームである月ノ国の西田(荒川良々)は先鋒戦で受けた恩から動揺するが・・・大将戦を控える小坂(広田レオナ)は「馬鹿じゃないの・・・」と嘲笑する。
しかし、菊地は「今の話・・・乗るよ・・・俺はわざと負ける・・・」と秋山に告げる。
だが・・・それは真っ赤なウソで秋山を勝負に誘い掛け金をつりあげる口実だった。
第5ゲームで秋山はマイナスに変わり、菊地のリードが78枚になる。
もしも・・・勝ち点ゲームなら・・・残り2ゲームを菊地は場代の5枚払っておりていればいいのである。それでも68枚のリードで菊地の勝利だ。そういう意味では秋山は最初に31枚以上のリードをすれば残り全部おりれば勝利なのである。
もちろん・・・この場は欲にかられた勝負の場だから・・・勝てるだけ勝とうとするという流れがあったとしてもだ。
結局、勝敗のルールが曖昧なのでそういう疑問が湧き起こるのである。
ともかく・・・直の「もうだめ~」という嘆きを他所に・・・実はジョーカーどころかすべてのカードの配置をパーフェクトシャッフル(乱雑さの発生しないシャッフル)の場合、一瞬で計算できる秋山は相手に罠を仕掛けていたのだった。
秋山は全てのカードを支配して菊地を賭けに引き釣りこみ、フォーカードを連発、第6~7ゲームを勝利して、秋山の獲得コイン196枚、菊地の獲得コイン104枚でトータル92枚差のコインを獲得する。
ここで画面に表示される獲得コイン数。
太陽ノ国522枚 月ノ国316枚
その差は206枚で先鋒戦でのキノコこと福永(鈴木浩介)の稼ぎが114枚だったことが分る。ちょっと計算合わないが・・・まあ、いいか。
ちなみに両者一度もおりていないので場代の回収はゼロである。
コイン総額は900枚。ただ今の両チームの合計は838枚。つまり、事務局が62枚を獲得していることになる。そこは計算あってます。
事務局としては大将戦で238枚以上回収しないと赤字なのである。
はたして・・・大将戦「回らないルーレット」がどんなぶったくりゲームなのか楽しみであります。
そして・・・要するに何が勝ちなのか・・・はっきりするしね。
ちなみにオセロの白い方じゃなかったもう一人の天才・葛城リョウ(菊地凛子)は17ポーカー途中で敵チームを敗北させたということは持ち点ゼロでぶっとびゲームなのか?
それなら・・・先鋒・中堅でぶっとびにさせていた方が直の理想には近かったのに・・・まあ・・・いざとなったら直がバカだから・・・で片付けるのも「ライアーゲーム」のセオリーといえばセオリーだからな。
さて・・・どうでもいいことだが、ポーカーについて考えておく。普通はポーカーはスペード・クラブ・ダイヤ・ハートの各13枚、あわせて52枚。ワイルドカードとしてジョーカーを加えると53枚のカードを使用する。
このうちの5枚が最初の手札になるわけだ。その組合せは何種類あるのだろうか。
それは結局、異なる53枚から異なる5枚を選ぶ組合せである。
₅₃C₅で計算すると53×(53-1)×・・・×(53-5+1)/5×(5-1)×・・・×1
53×52×51×50×49/5×4×3×2×1=28696845
つまり2869万6845通りの組合せがあることになる。
しかし、17ポーカーになると₁₇C₅ =6188で組合せはぐっと少ない。
その中でファイブカードはJJJJW、QQQQW、KKKKW、AAAAWの四つの組合せしかない。
6188/4=1547なので1547回やって1回できる組合せである。
確率にすると4/6188=0.000646412・・・
最初の手札がファイブカードになる確率はパーセンテージにするとおよそ0.065%である。
ついでにフォーカードはまずJJJJもしくはJJJWになればよく、
これは₅C₄=5×(5-1)×・・・×(5-4+1)/4×(4-1)×・・・×1=5
JQKAの四種類があるので5×4=20
残りのカードは17-5=12であるため20×12=240通りである。
6188/240=25.7833333・・・なのでおよそ26回に1回くらいはできる計算になる。
最初の手札がフォーカードになる確率はパーセンテージにするとおよそ3.878%である。
ちなみにこのゲームではロイヤルストレートフラッシュはスペード・クラブ・ダイヤ・ハートの4つの組合せしかできない。だからファイブカードと発生確率は同じである。ファイブカードが最高の手とされるのは単なるお約束なのである。
まあ・・・ゲームバランスとしてはフォーカード決着というのはまあまあだなあと思うのである。ちなみに1/26の確率なら天使の直は実は7回連続イカサマなしでフォーカードを平気で作る可能性があります。最後はラッキーで乗り切るのが直なのですから。そんなバカな・・・と確率論者を真っ青にさせる直も見たいぞ。
まあ・・・とにかく・・・シャッフルは適当が一番という話です。
関連するキッドのブログ『第2話のレビュー』
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ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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