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2009年11月22日 (日)

汝の隣人を愛せそして弱みを握れ(尾野真千子)ママはプリンセス(志田未来)父子相克の巻(三浦春馬)

かって大人は大人だったし子供は子供だった。

しかし子供の国では大人も子供だし子供はもちろん子供だ。

大人は子供のままでそれを恥じることもない。

そんな国がいつまでも滅びないはずはないだろう・・・と思うのだがそうとは限らなかったりして。

で、『小公女セイラ・第6回』(TBSテレビ091121PM0756~)原作・フランシス・E・H・バーネット、脚本・岡田惠和、演出・吉田秋生を見た。もちろん、この場合は謎の学園・聖ミレニウス女学院の院長・千恵子(樋口可南子)が乙女心に支配された成人女性であることは言うまでもない。今回はセイラ(志田未来)のとった行動を少女時代の千恵子(溝口まりも)がとっていたという離れ業でどんな人にも美点はあるという予定調和の伏線をはったわけだが、とにかくセイラの国籍がどこにあるかは不明だが、セイラが孤児になった時点でしかるべき役所にしかるべき保護の申請なり手続きなりを進めるのが大人というものだろう。そんなこと言ったらドラマにならないと言われるかもしれないがそこをしかるべく作るのもドラマのテクニックである。まあ・・・そういう言わずもがなのことを言うのは子供の証拠だけどね。

とにかく富豪の男(安田顕)がやってきて学院に幼い娘(春日香音)を預け、その子守りのために学院追放の執行猶予を得たセイラだった。子供ながらやや大人のかをり(忽那汐里)はポッキーの分際でセイラに「他人と距離を置くこと」を推奨するが神との不義密通の子を宿した聖母マリアに例えられるほど唯我独尊のセイラにそんなこと言ったってムダなのである。セイラは子供のくせに大人を説教して大人の仮面をかぶった子供に激しく顔面を殴打されるのだった。

そしてどんなに子供であろうとも金さえ出せば王様だと「銭ゲバ」の名残を感じさせつつ・・・このしょうもない物語は続く。

関連するキッドのブログ『先週の土曜日のレビュー

で、『サムライ・ハイスクール・第6回』(日本テレビ091121PM0930~)脚本・井上由美子、演出・佐藤東弥を見た。人間の能力には差異があるというのが神の作った掟である。その差異の存在と折り合いをつけるか否かが子供と大人の境界線であるという考え方がある。そういう意味では望月一家は全員子供であるが・・・唯一、子供のフリをしている大人が小太郎(三浦)の妹・優奈(大後寿々花)であることはほぼ確定であるだろう。父親の失職に際し一瞬我を忘れたフリをして「せっかく勉強してきたのに大学進学もままならないのか」と絶望して号泣するのは親の不甲斐なさと自分の不運を嘆く正当な自己表現であり、そんな子供じみた行動をエンジョイしているのである。目は醒めている。やがて兄が「俺が働いて学費くらい稼いでやる」と宣言すると「まるでお兄ちゃんみたい・・・」と優しい表情を作るが兄にそんな甲斐性はないと見抜いているので目は醒めているのである。やがて父と子がお互いの鬱屈をぶつけ合うチャンバラごっこを始めるとフッと笑いながら出来の悪い人間に対しての惜しみない憐憫を示すのである。なんていうか小林聡美っていうかだ。もはや作品の中身はどうでもいいが大後寿々花の出番が多くて良かったよ。まあ、我が家には中学生くらいで父親の入浴中を襲撃して半殺しにするくらいでないと父親に男として見てもらえない家風があるのでなんともいえないが。

で、『外事警察・第2回』(NHK総合091121PM9~)原案・麻生幾、脚本・古沢良太、演出・吉村芳之を見た。実際には存在しない建前の警視庁公安部外事第四課(ウラ)をドス黒く描く物語である。ちなみに第一~三課(オモテ)は実在します。外交官でテロリストの手先であるラモンを現行犯逮捕した住本(渡部篤郎)は心に哀しい殺意を秘めた非情のライセンスを持つ闇の刑事である。

ウラの仕事は諜報活動である。任務の主目的は外国人による犯罪の防止と摘発だがその重要な課題はテロリズムによる事件を未然に防ぐことにあり、そのためには手段を選ばず超法規的な業務を日常とする。

諜報活動は情報の収集と分析を伴うが情報の収集には盗聴や監視はもちろん、潜入操作も辞さない。情報を得るには情報をある程度与える必要もあり、そのための資金も秘密に用意されている。対人的要素も強いため「協力者」と呼ばれる民間の下請けを雇用する場合もある。

もちろん、情報屋と呼ばれる業者を利用することもあるが事件関係者をなだめすかして協力者に仕立て上げることもある。一般的には「協力者」とは手先の美名であり、要するに使い捨ての端末ということである。

渡部は闇の世界であるが家庭を持っている。渡部は妻(奥貫薫)にもウラの世界の人間であることを隠蔽しているが妻は住本の正体を知っている模様。おそらく敵対する外国の諜報機関の手先なのであろう。

住本の言う「おともだち」という名の協力者となることを求められたラモンは住本に家族を人質にとられたために追い詰められ承諾する。しかし、直後に暗殺されてしまう。

その失点をオモテのリーダーである倉田(遠藤憲一)は追求するが住本はサラリとかわす。

住本はラモンの残した手がかりから調査を再開する。協力者の一人で身重の日本人妻(遊井亮子)をかかえる不法滞在外国人に危険な橋を渡らせ海外送金のための地下銀行の存在をチェックするのだった。

地下銀行経営者をマークするウラ。しかし、テロリストらしき人物と接触寸前、オモテの不手際で本命の確保に失敗するウラ。

正体不明のテロリストfishにつながる外国人向け飲食店経営者ジュリオ・ロッシ(チェホ・イムレ)だけが唯一の手がかりとして残る。

ジュリオと親しい理髪店の女主人・下村愛子(石田ゆり子)と交通課勤務時代に知遇を得た松沢陽菜(尾野)はそのためにウラにスカウトされたのであった。

交通事故によって植物人間となった夫を介護しながら一人で理髪店を経営する愛子に陽菜は同情していた。

陽菜は先輩でありウラから抜けた五十嵐(片岡敬子)に相談を持ちかける。

五十嵐「よしなさい・・・あなたに協力者のコントロールは向かないわ」

陽菜「もし・・・私が手を引けば住本主任はどうするのでしょう」

五十嵐「どんな手段を使っても・・・彼女を協力者に仕立てあげるでしょうね」

陽菜は住本の魔手から愛子守るためにあえて自分が彼女を協力者として使うことを決意する。

しかし・・・陽菜にアドバイスをした五十嵐もまた住本にコントロールされた協力者であったのだ。

まんまと住本の手にのった陽菜は愛子に対する簡単な仕事の依頼に成功する。

だが・・・それ以上の仕事をするかどうかは愛子の自主性を尊重するべきだと陽菜は考える。

しかし、陽菜とともに愛子を訪問した住本は大金を見せられても協力を拒む彼女に・・・。

「あなたは協力者としてそんな大それた行動は出来ないという。しかし・・・かってあなたは不倫をしてそれが結果としてご主人を植物状態にする事故につながった。あなたはすでに大それたことをしでかした人間じゃないですか」

陽菜の制止を振り切って愛子の心の闇に踏み込む住本に陽菜は暗澹とした気分になる。

「もう・・・彼女を協力者として使うのは無理じゃないですか・・・」

「そうかな・・・彼女を苦しめているのは心に潜んだ闇なんだぜ。その闇を一緒に身に纏い・・・ともに暗がりに潜まなくて本当の協力なんて得られないものさ・・・お前が一緒に闇に落ちなければ・・・彼女の命を自由にする権利も生れないのだ」

「な、何を言ってるんですか・・・」

「それが・・・ウラの仕事なんだよ・・・」

よりドス黒くつづく・・・である。ちょっと痺れてきたぞ。

月曜日に見る予定のテレビ『吉高由里子の東京DOGS』(フジテレビ)『永作博美のいのちの島』(TBSテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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