強い男(岡田将生)強い女(夏帆)弱い女(香里奈)弱い男(高岡蒼甫)
そういうジャンル分けでないとしたら超人VS凡人か・・・青春のはじまりVS青春のおわりである。
その結果として火曜日のドラマ対決は①「リアル・クローズ」↗12.5% ②「オトメン」→8.4%
とりあえず→キターッ!!は言っとくとして、日本シリーズ17.2%が来ているので→はがんばったと思う。
とにかく「オトメン」は剣道がらんだら視聴率はとれない法則をまた証明しました。
ちなみに「東京DOGS」は暴走族がらんだら↘14.4%である。っていうか・・・店主が元ヤクザであることが発覚し殺人の容疑で逮捕されたクリーニング屋が平常営業は無理だろう。いや・・・ワンワンワンに何言ってもしょうがないけど。まさか・・・少女時代の吉高由里子・浅見れいな(子役・文屋愛海・中川真桜)姉妹に吠えかかった犬が東京DOGSじゃないだろうな。友達だと犯罪者を見逃す刑事というキャラ設定って・・・ま、いいか。
で、『オトメン(乙男)~秋~・最終回』(フジテレビ091103PM9~)原作・菅野文(『別冊花と夢』)、脚本・野口照夫、演出・谷村政樹を見た。最終回にしてようやくヒロインがヒロインとしての出番を確保である。飛鳥(岡田)とりょう(夏帆)といえばデビルマンのサタンだが・・・最後まで怪奇趣味は貫かれていた。磯野(澤部佑)の熱狂的ファンは別として、この最終回ぐらいのバランスでないと・・・そもそもドラマとして成立しないのである。
その最終回もほとんどが回想シーンで押すのだが・・・土曜深夜枠時代(平均視聴率*6.3%)の回想をやられても「秋」の視聴者には意味不明なのである。
もちろん・・・「夏」からのファンは堪能できる。しかし、それじゃダメじゃないの?
突然、女になると言って出奔した夫の為にノイローゼになった母・浄美(山本未來)のために乙女心を隠し男の中の男として生きる宿命を背負う飛鳥。しかし・・・飛鳥は同性愛者ではなくて・・・ただ料理とか裁縫とかファッションとかかわいいものが好きなだけで異性であるりょうを愛しているのだ。
一方、父親(高田延彦)に男として育てられたりょうもまたがさつで下ネタ好きで豪快で乱暴だがけして同性愛者ではなく異性である飛鳥を愛している。
このニュアンスがすでにかなり分りにくい。お茶の間向きでないんだよなーっ。それなのにそこをかなりスルーして・・・ブサイクであるから人間として扱われない磯野の哀愁にスポットライトを当てられても困っちゃうんだな。
そんな二人の間に仄暗いかわいい世界から突然出現した・・・ロリータ姫・入香(菅野莉央)は少女マンガの定番「親が決めた許婚をゴリ押し」である。
入香は「オトメンであることをお母様にばらされたくなかったら婚約しなさい」と飛鳥を脅迫し・・・婚約式の挙行を迫るのだった。
そんな折・・・福岡にいるりょうの祖父の容態が悪化・・・りょうは看病のために転校を決意するのだった。
お互いの心を知りながら・・・なかなか告白できない二人に現役高校生少女マンガ家・充太(佐野和真)は気をもみ尊敬するマンガ家で実は飛鳥の父であるミラ(鶴見辰吾)に相談する。
ミラのアドバイスは「正直ものは少ないがあなたにはそうであってもらいたい」という願いであった。
まあ・・・はっきり言うと・・・諸悪の根源はミラという考え方もあります。
迷いながら・・・飛鳥とりょうは思い出の残る校舎で夜のデートをする。
はじめて作った巨神兵ケーキ・・・夏の夜の貞子・・・声をつまらせてむせび泣くことが嗚咽・・・二人の思い出は楽しいことばかりだし、足元には呪怨の少年が佇むのである。
そんなコネタも悪くはないんだけどね。
りょうは「卒業試験に成長した私のケーキを食べてください」とかなり進化したストロベリー・オン・ザ・ケーキを作る。
しかし・・・飛鳥は「まだまだ伝えたいことがあるんです・・・」と勇気を出して告白しようとするが浄美がそれを阻止する。
充太の妹・久利子(武井咲)や典型的なお蝶夫人・雅(桐谷美玲)もりょうにこのままでいいの?と説くが「男」だけど「乙女」のりょうは「告白は男子から」の一点は譲らないのだった。
かっては敵役だった多武峰(木村了)も「飛鳥とりょうは二人で一人であるべきだ」とりょうに忠告する。
これほど周囲にくっつくことを求められるカップルも珍しいのである。現実的でない以上・・・これは理想のカップルなのだなぁ。
しかし・・・りょうの旅立ちの日・・・。その日は飛鳥と入香の婚約式当日でもあった。
充太は「飛鳥が・・・悪の秘密結社に攫われた・・・」とりょうに伝える。
ここで充太は(我ながら何言ってんだ・・・)と自嘲するが・・・疑うことを知らぬりょうはただちに救出に向かうのだった。
ここで充太は(信じるのか~い)とか(さすがだーっ)とかベタにツッコミを入れるべきなのだが・・・それを書けないのがこの脚本家の未熟なところだ。
一方は飛鳥は・・・「僕には好きな人がいるので君とは婚約できない」と宣言。
入香は「王子様とお姫様は結ばれるべきだ」と最後の抵抗。
しかし、ガードマンを必要最低限のダメージで無力化したりょうが登場。
「僕が・・・好きなお姫様は・・・りょうなんだ」と告白である。
ここで浄美は「周囲に流されず・・・自分の信念を貫く・・・それでこそ男の中の男。そうであれば生涯一人の女を愛しぬきなさい」と手のひらを返すのだった。
入香「私・・・間違ってました。飛鳥さんはお姫様だったのですね・・・だって王子様が助けに来るんですもの・・・」
りょう「私は・・・飛鳥さんと会って守ってあげたくなって・・・戦いたくなって・・・そして今ははなれたくないんです・・・」
飛鳥「僕は思い出を大切にしたいなどと逃げていました・・・思い出なんていらない・・・キミがいればそれでいいんです」
一同「万歳」である。最初からこのくらい主人公とヒロインを立てる方向で作らんかっ。
まあ・・・いくら「イエスタデイ・ワンス・モア/カーペンターズ」と願っても昨日犯した過ちはとりかえせないのである。悔いのない青春をおくってもらいたい。
好きな きみのそばにいつもいたい
ずっと あたしのことだけ 見ていて
交わした約束守り抜く
世も末 嘆かないでオトナたち
関連するキッドのブログ『先週の火曜日のレビュー』
で、『リアル・クローズ・第4回』(フジテレビ091103PM10~)原作・槇村さとる(『YOU』)、脚本・大島里美、演出・本橋圭太を見た。抜群の男と抜群の女の夢の後は・・・どこかどん臭いファッションの世界の話である。キッドは都会人と田舎者のどちらが創作者として有利かと考えると・・・いつも田舎者に軍配をあげる。たとえば東京都民を1000万人と考えると日本人のが1億人なら10%の少数派である。つまり、90%を占める田舎者の気持ちは分らないのである。他人の共感を得る創作をする場合・・・この不利はものすごい。基本的に都会の人間は田舎の人間の10倍努力をしないと田舎者の気持ちは勝ち取れないのである。もう、こんなこと書いていることが問題外なのだな。
そういう意味で・・・このドラマがじりじりと数字をあげている感じ・・・あせります。
なにしろ・・・主人公とその恋人が福島県出身で・・・高校の先輩・後輩である。
別々の会社に就職して通い同棲である。
もう・・・東京生まれの人間には意味不明ですわ・・・いい加減にしとけよ。
さて・・・そういう背景は別として和田アキ子役で有名な中鉢明子が演ずる同級生の結婚式に出席した絹恵(香里奈)と達也(高岡)・・・共通の友人たちは「そろそろ結婚すれば・・・」と冷やかし、達也は結構その気なのだが・・・「見果てぬ幸せを求めるタイプ」である絹恵は潜在的にそれを拒絶する。その気持ちが顔に出ているのである。
絹恵は百貨店の正社員として昇進試験に合格し・・・仕事に対して積極的な気持ちになっていたのだった。さらに母子家庭で育った絹恵は漠然としたわだかまりを・・・結婚に対して持っている。
一方・・・絹恵には黙っているが故郷の父親が重病で心穏やかではない達也。実家は工場を経営しているが・・・職人気質の兄を営業面でフォローするために・・・実家に戻るのも悪くないと考えているのだ。この不況の時代にそれが是か非かは別として・・・要するに帰る場所があると考えるのが田舎ものです。
そして・・・ついに父が死亡・・・絹恵にプロポーズである。
達也の心にどんな野望が秘められているかは謎だが・・・日本一の自動車修理工場にしようとか・・・かな・・・とにかく・・・絹恵のキャリアは全部捨てて黙って俺についてこいなのである・・・つまるところは。
そうでなければ別れると云われ・・・「一人ぼっちはイヤだから結婚する」という絹恵だった。
ああ・・・ものすごく・・・特殊そうで・・・ものすごく・・・ありふれた話である。
とにかく・・・そうなるとリアル・クローズ(おわり)なのでそうはならないという先の見えた話なのだ。
そして・・・故郷で美容師になったそれなりにいい女・晴美(山田麻衣子)登場である。
山田麻衣子といえば「青い鳥」(1997年)で鈴木杏の後の姿を演じたわけだが・・・今年の夏の昼ドラマ「夏の秘密」が初主演というものすごい遅咲きでいつの間にやら28歳なのである。高岡蒼甫と同い年なのだな。香里奈は25歳だが・・・達也と晴美が高校三年の時、絹恵が高校一年の設定なのか・・・まあ・・・凄くせまい人間関係なんだなぁ。
きっと地方出身者にはすごく分りやすいことなんだろうなぁ・・・やはり地方出身者は有利だよなぁ。
大丈夫~ 大丈夫~
きっといつかたどり着ける
木曜日に見る予定のテレビ『傍聴マニア』(日本テレビ)『その男、副署長』『交渉人THE NEGOTIATOR』『飛鳥凛と原幹恵のラストメール』(テレビ朝日)『ROMES/空港防御システム』『グイン・サーガ』(NHK総合)『不毛地帯』(フジテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
キッドさん、こんにちは~♪♪
最終回面白かったですね!
もうおしまいなんて
残念でなりませんが。
毎週火曜日楽しみにしていたので。
今までレビューしたドラマで
楽しかったのは
記憶の新しいところで
「流星の絆」と「ラブシャッフル」。
毎シーズンことごとく
ハズレが多いのですが。
レビューするのツライみたいな。
視聴率ダメだったみたいですが、
今回の「オトメン」ヤマトにはアタリかなー。
毎回わりと楽しめました。
あーあと「有閑倶楽部」とかも
へんなTBばっかりついて面白かった。
同じく学園モノで「イケメン♂パラダイス」も
腐女子的自分が楽しみました。
「おせん」も
お料理好きだから楽しめました。
「二コロボ」から「時効警察」に
すりかえるという違反を犯したけど、
「時効警察」は飛び抜けて面白かったですね。
なんかもう死ぬみたいなコメントですが、
また来年、新春ドラマが楽しみです。
願わくば「時効」シーズン3みたいのが・・・
アメリカドラマ的になかなか終わらずに・・・
シーズン8くらいまで・・・。
人気出ると
10年くらい続きますからね、
アメリカドラマ。
主人公すごく年取るし。おそるべし。
投稿: ヤマト | 2009年11月 6日 (金) 14時47分
☆*⋄◊✧◇✧◊⋄*ヤマト様、いらっしゃいませ*⋄◊✧◇✧◊⋄*☆
そうですねぇ。シーズンは過ぎていきます・・・ってか。
シーズン始まったばかりですぞーっ。
なりゆきで「ウソゲ」をなさいませ。
ついでですし。
ま、新春ドラマにワープするという手はありますな。
おとぼけの一種ですな。
なんとなく「二軍」感の強かったキャスティング
それにもまして
大量の泡沫芸人の投入。
その中でものすごい抜擢の磯野。
しかし、トータルで考えると
視聴率大惨敗。
作家が愚痴ればブログは炎上。
もう・・・意味不明で高視聴率の東京ワンワンワンに
くらべれば
すごく内外楽しめた「オトメン」でした。
ただ・・・まあ・・・
思い切りがよすぎたかなぁ・・・
という感じがしますね。
面白ければ受けなくてもいいという
ニュアンスが強すぎた感じ。
それをベースにどのように
こぼれているところをひろうか・・・
と言う作業をするのがプロですからね。
もっと飛鳥の女らしいところ
もっとりょうの男らしいところ
が見たかったと思うのです。
しかもオカマじゃないし
オナベじゃない
飛鳥は男の中の男だし
りょうは女の中の女である・・・。
そういうつきぬけた部分をどう作るか・・・
すごく難しい問題をスルーして
簡単なことだけやってたな・・・
そういう印象です。
まあ・・・アイドルおタクのキッドとしては
夏帆は河合奈保子の再来
桐谷美玲は松本伊代ちゃん。
武井咲は南野陽子と
歴史は繰り返すが
少し変容する・・・
という感じを・・・認識したのでございます。
ああ・・・粒よりなのにな・・・。
夏帆はあの太股は
膝枕したいクラスだったので
なぜそういうシーンを作らないのかとか
妄想でたぎるオトメンでした。
咲と美玲は役柄交換してもよかったなぁとか。
毎週エンディングで
真剣白刃取りを見るたびに
真剣白刃取りコントが無性に見たくなったり
・・・とりそこなってイテテ・・・
もう・・・感想が漂いだしそうな感じ。
ゴールデン分だけしか
毎週連続のレビューしなかったので
ちょっと食い足りなかったかなぁと
反省したりもしています。
だけど「カレースパイ」「こち亀」も
見捨てがたかったし・・・・
「カレースパイ」よりも「こち亀」よりも
「オトメン」が楽しみだったとしても~。
すでにデジタル化は進み・・・
ものすごいクリアな映像が
お茶の間に浸透しているわけで
しかもワイドなわけで
両方を満足させるコンテンツを
作らされている現場は
大変だと思うのでございます。
しかし・・・いよいよ残りは
この秋ドラマ。
来年の冬。春。夏。秋。
そして最後の冬と春。
ああ・・・残り7シーズン。
アナログ・・・もうすぐお別れなんだね・・・。
そんなセンチメンタルな感じのする。
オトメン・秋でございました。
投稿: キッド | 2009年11月 6日 (金) 15時40分