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2009年11月21日 (土)

熱愛報道の罠って自分たちもであります(仲間由紀恵)なんとなく嬢王V08(原幹恵)

朋(黒川芽以)が復帰するだけですごくステータスのあがる嬢王なのである。結局、ビキニにフィットしない体型になってしまったのか・・・「猿ロック」の智花のように玉砕して果てるのも味があるのに。

もう二人とも暗黒面が使えるのだから悪いコンビでダブル黒川が見たいな。まあただそう願うだけですが。

一方、熱愛相手として微妙な選択の仲間である。もちろん、この場合、田中に選択権はないが・・・哲司でなく要次だったら爆笑のインパクトだったよな。どんな変態プレーをしているのか妄想するだけで眠れなくなりそうですから。

で、『アンタッチャブル・第6回』(テレビ朝日091120PM9~)脚本・橋本裕志、演出・常廣丈太を見た。誰かが支配している幻想というものがある。しかし、それは個人的な問題だったりする。野党から見れば与党は支配者である。しかし、自分が与党に支配されていると自覚しない野党関係者は多いだろう。たとえば独裁者という幻想もある。独裁者の側近であろうと名もなき一市民であろうと独裁者には支配されていないと考えるものはあるはずだ。

しかし、ある程度の民主主義が確立していて国民の自由と平等が保障されていても政府に支配されていると感じる人もいるわけである。

もちろん、奴隷のように支配されたがっている人もいるわけである。

この支配から卒業したいと考える人間はまず支配されていると考えるわけだ。

もちろん、支配するのは人でなくてもいい。金が支配する場合も多いし、神が支配する場合もある。人に支配されることを拒絶する人もそういう人以外の支配は受容したりもする。

個人的な問題ということはそういうことである。

基本的に誰からも支配されたくない人間はそう考えるだけで自由の身なのである。

しかし・・・実際には人間は支配したり支配されたりしているという幻想があるのである。

たとえばオウム真理教事件で信者となった子供たちを信者でない親たちが・・・教団に子供を奪われたと主張するのは・・・子供の支配権を奪われたと親たちが考えていると認識することができる。その場合子供たちが親の支配を逃れて教団に自由を求めたとも言えるし、親の支配よりも教団の支配を選択したとも言えるし、あるいは子供たちは最初から誰にも支配されていなかったと言うこともできる。

個人的な問題というのはそういうことである。

だが・・・何者かに支配される恐怖というのはかなり普遍的なものだ。そこに恐怖がある以上、それはエンターティメントとして成立する可能性がある。

一方で支配されることの安心も普遍的である。親の愛を受けて生育したものならその安心感がかなり甘美であることは明白だろう。

支配には二つの顔があり・・・それがユートピアが常にディストピアとしての側面を持っていることに通じていく。この両面性を受け入れることが人間の支配に対する適度さを作るのである。

たとえば君臨すれども統治せずの王政が比較的穏やかな民主主義を作ることはイギリスや日本を見れば明らかである。

人間の平等を謳う社会主義が獰猛な全体主義になってしまうことは中国やソ連が示している。

逆に絶対民主主義のフランスやアメリカ合衆国が防衛としての侵略戦争に国民を狩り出しても誰も拒絶できないのは民主主義の限界を示している。少数者は多数者に支配されるしかないからだ。

そういう世界において・・・誰かが支配されることを望まぬものを支配しようとすること。

それが陰謀である。

少なくとも・・・現在の日本では自己責任を拒絶し・・・責任を負わないですむ支配を求めた国民が多数派となっている。そういう人々は官僚の支配から逃れることと自己責任から逃れることを同一視していると言えるだろう。

もちろん・・・そこに危うさを感じるかどうかは個人的な問題である。

しかし、さすがに新興宗教の支配する党が一党独裁で政権与党になることはないだろう・・・と多くの国民は考える。かってそういうジャンルに属する党が政権与党にいたことからは目をそむけつつである。

今はガマガエルの親分が鶴の一声を発する政党が与党であるにもかかわらずだ。

我こそが神の国の王だと武道館で演説したりする党首の党には一議席も与えていないという自信を持ってなのである。

そういう国民にこのドラマはチャレンジしているわけである。

誰もが賞賛する慈善を行い、社会から尊敬される地位があり、世の中を正しく導く以上、人命を尊重するかしないかの選択権は自分にあるという男が国家を支配するのはイヤだという国民に・・・そうなったらどうします・・・と誘いをかけているのだな。

まあ・・・それが・・・そういうこともあるかもなあと思えるかどうかがこのドラマを楽しむポイントなのです。

キッドは謎めいた死以外、どんな支配も受け付けない体質なので感情移入する相手は永倉(寺島進)になるわけですが・・・ほとんど正体を見せないので感情移入がしにくいです。

人々に情報を与えることで人々を踊らせ間接的な支配を目指す名無しの権兵衛。

その正体を追いかける三流週刊誌の記者・遼子(仲間)。

深まっていく名無しの権兵衛の背後に永倉がいるという疑惑。

与えられたヒントは「名無しの権兵衛」は身近にいるということだけ。

最初の容疑はおタクな記者の城之内(酒井敏也)に向けられるが・・・その疑いは晴れる。

仲間は永倉を庇う様々な工作を実現してきた編集長(田中哲司)が怪しいと感じ始める。

そんな編集長が指示する今回の取材対象は「実力が疑問視されながら聞くものを失神させるほどのコンサートを行う美人姉妹演奏家」だった。

姉・春果(桜井淳子)、妹・千夏(雛形あきこ)である。

最初は高額すぎる家賃の住居に対する嫉妬のあまり美人姉妹による陰謀を疑った遼子だったが・・・美人姉妹が与党・野党の大物議員と交際し、かつ選挙に立候補するという事態となったとき・・・二大政党双方に打撃を与えるスキャンダルが作られたことに気がつき戦慄する。

美人姉妹もマスコミも手玉に取られていたのである。美人姉妹も知らないことだったが熱狂する聴衆はすべてサクラだった。ついでに長州力もサクラだった。

やがて・・・美人姉妹と交際中の議員が二人そろって不審な死を遂げ・・・マンション住民全員が永倉傘下であることを示す虹の羽根グッズを着装していることに気がつく遼子。

しかし、「むひょー、なんてムダに大掛かりなことを」とはツッコミをいれない遼子。

いれるべきではないのか遼子。

一方、実は傘下の一員だった編集長は・・・かって永倉がヤクザの手から自分を救い出した件が「やらせ」であったことを知り、反撃の狼煙をあげるための単独取材をしていた。

「お前は一流の三流週刊誌の記者だ」と明らかな死亡フラグをたてて資料を遼子に託す編集長だった。

永倉に痛撃を与えるための記事を書き下ろした遼子である。

しかし・・・アンタッチャブルの発刊日に・・・編集長は「記事は誤報であり謝罪する」というメッセージを残した後で水死体として発見される。

そして・・・遼子がストーカー的に片思いする遠山(要潤)の父親(深水三章)が美人姉妹スキャンダルの仕掛け人であったことが示されるのである。

遠山も怪しいが、永山資金の恩恵を受けた同僚の鷹藤(佐藤智仁)も怪しいし、兄の鳴海刑事(小澤征悦)も怪しい。そしてアンフェアだけど遼子だって怪しい今日この頃です。

とにかく汚れた二大政党を追い落とすべく新党を旗揚げする永倉だった。実にオーソドックスな光あるところに影がある・・・という展開である。

関連するキッドのブログ『先週の金曜日のレビュー

で、『嬢王Virgin・第7回』(テレビ東京091114AM0012~)原作・倉科遼(他)、脚本・梶木美奈子、演出・植田泰史を見た。愛しい人のラブレターをいじめっ子にとりあげられて「返して~」と追いかける舞(原幹恵)。もう何度思ったことだろう。ハニーフラッシュしちゃえばいいのにと。「怨み屋」のスペシャルが出来るならお正月とかに「キューティー・ハニーTHE LIVE SP」やってくれてもいいよね。

復活した朋(黒川芽以)は雨宮(永田彬)に「桐島の弱み」を知っていると宣言する。

大物議員・桜木と興行界のドン・桐島(大河内浩)の癒着の証拠を握れば桐島に首根っこをつかまれた雨宮にとっては喉から手が出るほど欲しい情報だった。

朋の交換条件は「嬢王グランプリ」のエスコートとしての復活である。

死んでいた私を生き返らせたのは憎しみ・・・その憎しみの炎を消そうとする舞は私の敵」と断言する朋だったが・・・その真意はまだ隠されているニュアンスがある。

雨宮は意味ありげに「気をつけろ・・・憎しみは愛の裏返しだからな」と告げる。

一方、亜美(麻美ゆま)の画策で舞に対する疑惑を誘導される桐島の娘・香織(かでなれおん)は雨宮の愛を探り始める。雨宮はごまかそうとするが婚約指輪をはずしていることを無視されたと感じた香織は見当違いの嫉妬の炎を燃やすのだった。

「そう・・・彼女たちは男の気をひくプロフェッショナルですものね」

場面変わって嬢王になるために加藤店長(津村知与支)を誘惑しようとする亜美。しかし・・・店長は「実は亜美さんは最初から対象外なのです」

亜美「私が・・・咬ませ犬」

その頃・・・舞は桜木議員の息子であり、優衣華の兄である貴史(大口兼悟)に傾いていく心を止めることができない状態だった。

一度は「君を利用していただけだ・・・」と舞を拒絶した桜木だが「特別な思いを止めることができない・・・」と舞を誘い出す。ものすごくバカヤローだ。

ついに明かされる兄妹の関係。

「私の父親は・・・優衣華の母親を愛人にしていた。ホステスをしていた彼女の存在が邪魔になった父親は手切れ金を渡そうとしたが・・・彼女は受け取らない。そこで私は父の命令で彼女の店を潰して・・・彼女を自殺に追い込んだ。そしてまた今回も・・・妹である優衣華の夢をつぶそうとしている・・・だって愛人に生ませた娘が嬢王になったなんて・・・父には命とりのスキャンダルですから・・・しかし・・・優衣華には心からすまないと思っている」

突然、どこからともなく出現する優衣華(原紗央莉)・・・。

「何が・・・謝罪よ・・・この偽善者が・・・私は絶対に許さない・・・そしてこの男に味方する舞も絶対につぶす」

兄と妹の恩讐の彼方に立ちすくむ舞だった。

しかし・・・貴史への情熱に火がついた舞は身も心も奉げる決意を固める。

タ、タイトルがVの部分が崩壊ですかーっ。

しかし、もちろん、ブラ紐が撫でられる如く、つつーっとつづくである。

ついでだが・・・何故か朋のターゲットは香織になっている。

香織「こんなところに呼び出して・・・何のつもり」

朋「私は・・・あなたの秘密を知っているのよ・・・あなたが誰にも知られたくない秘密を・・・

朋の手は香織の股間にある秘密の場所へ伸びていくのだった・・・それは解釈が違うだろうっ。

本日お店・・・休みかよっ。間奏曲なんだな。さすがに名言もネタが切れてきたかなーっ。

日曜日に見る予定のテレビ『天地人』(NHK総合)『JIN・仁』(TBSテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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コメント

遼子が怪しい場合は二重人格で自分のしている事に
気付いてないって事かしら~。
いや~、最初は全然乗れなかったのですが、ここ何週か面白いです。
すでに誰が黒幕でもおかしくないですね。
確かに同僚カメラマンも怪しいのです。

私くらい単純な視聴者が、誰が犯人なんだろ~、
この先どうなるんだろ~と考えながら見られる
優しさが気に入ってます^^

投稿: くう | 2009年11月21日 (土) 22時55分

❀❀❀☥❀❀❀~くう様、いらっしゃいませ~❀❀❀☥❀❀❀

遼子は実は変装で永倉だったりして。
するかーっ。

ふふふ、トリックのごく初期も
本当はこういうテイストだったんですよね。
ある程度は・・・。
まあ、阿部寛と仲間由紀恵という
絶妙なコンビネーションには達しないけれど。

流れとしてはあのコンビは
渡部篤郎と中谷由紀の
ある種のパロディーとしても見れましたし。
「ケイゾク」(1999年)
「トリック」(2000年)
という流れの中で・・・ああ、なつかしい。

だから・・・やはり
このドラマは「金9」では
ないんだな~という感じで一杯です。
10時台にドラマを作れない
テレビ朝日の限界っていうか・・・。
今さら金曜11時をやらない
仲間のステータスとか。

まあ・・・それはそれとして
毎回一回はなんとか
笑いのようなものを作っている点は
涙ぐましい感じがします。

今回はマンションの家賃を聞いたときと
レストランでの暴走がいい意味で
そこそこ痛々しかった・・・。

投稿: キッド | 2009年11月22日 (日) 00時36分

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