トリック貧乳誕生(仲間由紀恵)ひとりかくれんぼ(谷村美月)厄災の天使(アナソフィア・ロブ)
ものすごい深夜だったな。「永遠のマリア・カラス」「トリック」「ダメージ」「ライアーゲーム」「リーピング」の横並びである。どれをとってもそこそこ面白いのである。
まあ・・・恒例の年末ホラーの流れから・・・ここは「リーピング」である。
ただし、「トリック」の最初の話も捨てがたい。クレジットの塚本璃子が懐かしいしな。
結局、谷村美月、成海璃子、アナソフィア・ロブと美少女たちの梯子になるのである。
本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「はぐれ刑事純情派・最終回スペシャル」17.3%(がんばったな~)、「坂の上の雲」↘12.9%(司馬遼太郎の原作も歴史も踏みにじればそうなるわな~)・・・以上。
で、『物呪~モノロイ~』(日本テレビ091228PM1149~)構成・折戸泰二郎(他)、演出・黒川高(他)を見た。日テレ版の「ほんとうにあったこわい話」である。特徴を出すために「もの」にかかったのろい・・・という趣向にしているが・・・まあ建前なのでグダグダである。実は物は物の怪(もののけ)というように妖怪変化を示す言葉でもあるが、モノとはタマの対義語的要素もある。タマはタマシイのタマである。モノはその入れ物を示している。また、魂には和魂、荒魂があるわけだが、和魂をタマとすれば、荒魂はモノであるという発想もある。つまり、モノとは本来悪霊を指すのだな。
ドラマだけのオムニバスでは持たないと考えたのか擬似ドキュメンタリー展開が付加されている。全体をナビゲーターとして成宮寛貴が括るという形式である。まあ・・・基本といえば基本だが・・・ホラー・ドラマを楽しみたいと思う視聴者には煩わしい。フジテレビだって「ほんこわ」より「トリハダ」の方がスタイリッシュで楽しめるのだと感じるキッドなのである。
今回は①「ひとりかくれんぼ」②「13階段」③「おいらん淵」の三篇で構成されるが、「13階段」は島田秀平のネタだし、「ひとりかくれんぼ」は西田麻衣がドラマネタを再現で「ほとんどなにもおこらない」というグダグダ加減。「おいらん淵」は一応、山梨県甲州市の「花魁淵伝承」を元に地元でのインタビュー構成になっており、まあ・・・心霊スポット紹介要素や・・・ネタとしての「おいらんのかんざし」の遺物があったりしてそこそこ成立している。
おいらん淵の怪現象に怯えるタクシー運転手(田中要次)もいい味だしてました。
「ひとりかくれんぼ」は深夜部屋にいる率ナンバーワンと言える谷村美月の一人舞台である。
午前三時に家に一人でいるものが、ぬいぐるみに米と自分の爪をつめ、風呂場で鬼として風呂場でぬいぐるみを包丁で刺し、今度はぬいぐるみを鬼として隠れるという・・・ある意味なにやってんだ的一人遊び。これをネットを利用して中継するというのが流行しているという設定である。
自殺した友人から「ひとりかくれんぼ」を試してと遺言された女学生(谷村)はなんとなくやってみる。生前、友人に素っ気無かったことが心のとがめになっているのである。一人暮らしの個室だと味気ないと考えたのか・・・両親が留守で一戸建てに一人という設定がわざとらしい。儀式は単調に進むが・・・隠れる側になってから次々と恐ろしいことが・・・。
まあ・・・ぬいぐるみによる交霊というのがかわいいっていえばかわいい。
それにしても・・・谷村・・・あえてこういう仕事ばかりなのか。
まあ、貴重といえば貴重だけどな。
関連するキッドのブログ『トリハダ』
で、『朝までトリック』(091229AM2~)脚本・蒔田光治(他)、演出・堤幸彦(他)である。・・・まあ、なんどめだ・・・なのであるが。第1シリーズのepisode1~3の一挙オンエアはなかなかにお徳である。「母之泉」篇をまるっと見れるのである。ある意味三時間ドラマなのである。何より、2000年の作品である。山田奈緒子(仲間)も上田次郎(阿部寛)も実に初々しいのである。そして、このシリーズの主題である「貧乳と巨根のラブ・コメ」が最初から存在していたことが確認できるのである。
矢部警部補(生瀬勝久)の部下も金髪こと石原(前原一輝)で「あにぃ」が聞けるのである。「劇場版」では薄倖の美少女役だった成海璃子がこちらでは少女時代の山田でキャスティングされているのもファンには嬉しいのである。
そして・・・実は未だに解決されていない父・剛三(岡田眞澄)と本当の超能力者の関係・・・一応は娘に対する父の配慮という謎解きはされている・・・を墓場に持っていってしまった剛三のフリも見ることができるのである。
そして・・・インチキ超能力者と山田・上田コンビの最初の相手はビックリ・マザー菅井きんというのがまた楽しいのである。
そして・・・救いを求める人たちが愚かにも救いが嘘だと見破る二人を憎むという救いようのない苦い結末もまた心弾むのだなあ。
とにかく・・・これが傑作シリーズの原点であることは間違いないのだ。つまり、この三時間は傑作なのである。エヘヘ。
関連するキッドのブログ『アンタッチャブル』
で、『リーピング(The Reaping)(2007年公開)』(テレビ東京091229AM0335~)脚本・ケイリー・ヘイズ(他)、監督・スティーヴン・ホプキンス、製作・ロバート・ゼメキス(他)を見た。「エルム街の悪夢5」とか「プレデター2」の監督である。そつなくB級ホラー映画になっています。
環境化学者のキャサリン(ヒラリー・スワンク・・・「ギフト」のヴァレリー)はかっては宣教師だった。しかし、布教のために訪れたスーダンで現地人の狂信者により娘と夫をいけにえとして殺害されるという衝撃的な過去を持っていた。
その苛酷な現実により、信仰を捨てたキャサリンは「宗教的な匂いのする環境問題を科学的に処理する迷信ハンター」となったのである。
今日も助手のベン(イドリス・エルバ)をつれて「チリで起こった神の奇跡」を「何が腐らない死体よ・・・工場がら有毒な廃液が垂れ流されて腐敗が進行しないだけなのよ」と一刀両断なのである。
しかし・・・そんなキャサリンに昔の宣教師仲間のコスティガン神父から連絡があり、死を招く悪霊ケールの呪いが預言されたことを伝える。キャサリンに死の危険が迫っているというのである。
もちろん・・・とりあわないキャサリン。
次の仕事はルイジアナ州の田舎町ヘイブンで起こった怪現象の調査だった。
川の水が赤くなったのだという。
依頼主である土地の名士・ダグ(デビッド・モリシー)はなかなかのハンサムで知的な紳士だったが、町には不穏な空気が満ちていた。
町外れに住む未婚の母の一家が凶事の原因だと・・・私刑を始めかねない雰囲気である。
迷信深い辺境の人間を心底憎むキャサリンはたちまち・・・未婚の母の娘で実の兄を殺したと噂される呪われた少女ローレン(アナソフィア・ロブ・・・「チャーリーとチョコレート工場」のヴァイオレット)に興味を抱く。
しかし・・・調査に入ると事態はそれどころではない異常さを示していく。
川は真っ赤に染まり・・・それは人間の血液による染色だった。
ベン「どんだけの人間からしぼりだすと・・・こうなるんだ・・・」
キャサリン「ざっと30万人分ってとこかしら・・・」
続いて・・・川からは巨大なカエルがあふれ出す。
ベン「川が赤く染まり・・・魚が死に・・・そしてかえるの登場か・・・まるで十の災いがおっぱじまるみたいだ」
キャサリン「バカなこと言わないで」
十の災いとは「旧約聖書・出エジプト記」に示されるイスラエルの神がエジプト人に与える神罰である。
出エジプト記はエジプト人の奴隷となっていたイスラエルの民が指導者モーゼを得て、エジプトのファラオ(王)の支配から逃れ、約束の地カナンへと民族大脱出する物語である。
この時、イスラエルの神はモーゼに味方し、エジプト人に様々な災いをもたらす。
それは次のようなものである。
①ナイル川の水を血に変える
②カエルの怪物を上陸させる
③吸血虫(ぶよ)を放つ
④吸血虫(あぶ)を放つ
⑤疫病で家畜を殺す
⑥人に腫瘍を生じさせる
⑦雹をふらせ作物を枯らす
⑧イナゴ大発生
⑨エジプトを暗黒で包む
⑩神の矢で長子を皆殺し
全能の神の異教徒に対するやりたい放題である。
まだまだ・・・危機感のないキャサリンはダグの豪邸に宿泊。妻を亡くしたダグと意気投合して一夜をともにする。しかし・・・その時からキャサリンは悪夢の世界にさまよいこむのである。
スーダンの砂漠で起きた・・・恐ろしい飢饉・・・そして生贄の台に横たわる変わり果てた愛娘の姿。
いつしか・・・娘の姿は汚れた服を着て彷徨う謎の少女ローレンと重なっていく。
そして・・・街では家畜が原因不明の病で続々と死に始め、吸血虫(小)、吸血虫(大)が出現・・・いよいよ十の災いが再現されているような状況になっていく。
ベン「こりゃ・・・神の仕業かな・・・」
キャサリン「よしてよ・・・紀元前のエジプトでは・・・ナイル川に有毒な微生物が異常発生・・・魚が死んで、生態系のバランスが崩れ蛙が大量に発生し、その死骸から虫がわき、病気を流行させ、それに砂嵐が吹き荒れて、イナゴが飛来・・・天変地異の連続攻撃があった・・・というだけよ」
ベン「まあ・・・神の思し召しだろうが自然災害だろうが・・・遠慮したいもんだ」
しかし、雹が降り人々が腫瘍によって次々と死に始めると・・・街の人々は呪われた少女を殺すために立ち上がる。
そうはさせじと先回りするキャサリンだが・・・ローレンの母には異常を感じる。
キャサリンは相手にタッチするだけで過去をリーディングする霊能力が発現し・・・ヘイブンの呪われた過去が明らかになっていく。
ローレンは実の娘にも襲い掛かる凶暴さを示す。
コスティガン神父は「魔王の再来」をキャサリンに警告するが超自然的火災で焼死してしまう。
ローレンは魔王なのか・・・キャサリンが思いかけたとき、ローレンを殺しに街の人々がやってくる。しかし、同時に蝗の群れが襲来するのである。街の人々は蝗に撃退されてしまう。
ついに・・・ローレンを葬る決意を固めたキャサリン。しかし・・・ローレンに触れると新たなる真相が明らかになる。
ローレンの母も・・・ローレンの兄も・・・悪魔崇拝者だったのである。
兄は妹を殺そうとして初潮を迎えたローレンの血によってミイラ化したのであった。
その頃、ベンは逃げ込んだ地下室で膨大な数の子供の死体を発見する。
その直後、何者かに殺害される。
キャサリンの前に現れたダグはローレンを殺すように唆すが・・・キャサリンはすべてを理解していた。
キャサリン「報い(The Reaping)を受けているのね」
ダグ「昔・・・ヘイブンの街は亡びた・・・生き残った人々は神を呪い・・・悪魔主義者となったのだ・・・」
キャサリン「十の災いは神の行い・・・それを為すローレンは悪魔ではなく天使」
ダグ「あんたも・・・娘を奪われて神を呪ったろう・・・」
キャサリン「いいえ・・・私が憎んだのは人々の愚行よ・・・」
やがて、天からは燃える流星が飛来し・・・悪魔主義者を街ごと焼き払うのだった。
キャサリンもダグとともに業火に焼かれるが・・・天使ローレンはダグだけを焼き払う。
ヘイブンは亡び・・・生き残ったキャサリンとローレン。
キャサリン「これから私たち二人は家族よ・・・」
ローレン「いいえ・・・三人よ・・・あなたは受胎している」
父親はダグである。キャサリンの胸に不安がよぎる。死んだ神父の不吉な預言を思い出したのである。
「亡びを免れ思春期を迎えた第2子は・・・悪魔の子となる」
だが・・・とローレンは思う。天使だろうと悪魔だろうと・・・子供なんてものはみな同じようなものなのである。そうでなければ母親なんてやってられないのだな。
どんな子が生れてくるのか・・・楽しみなのだった。
関連するキッドのブログ『デッドリー・フレンド』
水曜日に見る予定のテレビ『リトル・レッド』(テレビ東京)『ベクシル 2077日本鎖国』(TBSテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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