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2009年12月 3日 (木)

子供の前でする話(吉田里琴)娘は何でも知っている(本仮屋ユイカ)私の知らない世界(藤原紀香)

世の中はいつも二分割されるものだ。

たとえば子供に聞かせる話とそうじゃない話を区別する人と区別しない人という二分割がある。

母子に危険がせまった場合、母体を優先することとしないことの二分割。

ある程度妥協する人と絶対に妥協しない人。

分割した場合に敵対する人と流される人。

その様々な要素がてんこ盛りなのである。

とにかく・・・脚本家が常軌を逸していることは間違いないと思う人と思わない人もいる。

キッドは今・・・選択に迷っています。

水曜日のダンスは

「相棒」19.4%↘16.6%↗18.9%・・・・・・・↘17.8%↘17.6%↗18.0%↘16.1%

「ギネ」14.8%↘11.6%↘11.1%↗12.1%↗12.2%↘*9.5%↗11.8%↘*9.5%

「最終章」・・・・10.9%↘*7.0%↗12.2%↘*8.0%↘*6.7%→*6.7%↗*6.9%

何はなくとも「FNS歌謡祭」18.5%か・・・。師走だ。

で、『ギネ 産婦人科の女たち・第8回』(日本テレビ091202PM10~)原作・岡井崇、脚本・大石静、演出・久保田充を見た。同時出産の長谷部美緒(三倉茉奈)と江川理緒(三倉佳奈)の場合、美緒は出産後、即妊娠なのである。聖修大学医学部附属病院産婦人科はもの凄い難産ばかりが押し寄せてくるようだが、「周産期医学」的な専門病院として婦人医学、妊娠・出産管理、新生児医学に対応できる病院としてレア・ケースが集中するということだ。

嶋病院長(津嘉山正種)は病院経営者としての判断に迫られている。「リスクに対応できる」メリットと「それによって生じるリスク」のデメリットを天秤にかけるのである。

死亡した徳本美和子(西田尚美)のケースに続いて、子宮全摘出の山本利香子(石橋杏奈)の親が訴訟に踏み切り・・・病院長は決断を下す。

産婦人科部門の縮小により、リスクの少ない出産しか受け入れない方針である。

そして訴訟に必ずからんでくる柊奈智(藤原)は解雇リストに載せられたのである。

そして・・・そういう方針を病院長は新人医師で実の娘の嶋えりな(本仮屋ユイカ)にはペラペラ喋っているのである。これは次期経営者に対しての薫陶と考えるべきなのか・・・娘との話題に困ってついなんでも話してしまうのか微妙なのである。

同様に・・・徳本美和子の夫・慎一(八嶋智人)は訪ねてきた精子と血液のコレクター・桧口医師に対して「訴訟をとりさげたのは娘のためだ・・・裁判していると娘から笑顔が消えてしまうって気がついたんだ。母親の命を奪った奇病の治療を病院が出してきたからじゃないぜ」とやや意味不明なことを娘の前でする。

娘は空気の読めない大人たちに憐れを感じつつ・・・桧口に対してはお愛想を言うのである。

「先生・・・病気を見つけてくれてありがとう」

娘の優美(吉田)は母親に似て聡明で気がきくタイプだったのである。

その頃、奈智は当直過剰で睡眠不足の体で息子と外食をしつつ居眠りをする。

息子は母をいたわる姿勢だが人によっては親が子供に甘えすぎというように映る場面だ。

子供の国では親たちも子供と同等で平気で弱いものによりかかり恥じることがないのだな。

しかし、人間はいつでもどこでもいい子でいられるわけではないので・・・これはこれでいいのである。ただ・・・いつもそうだといつかは堤防は決壊するということだ。

お嬢様らしい発想で「人間にとって大切なものはファッションとグルメとセックスだ」と断言するかおり。衣食住ではなくて性を持ってくるところが・・・住む場所に困っていない証拠なのである。そんなかおりとすでに婚約している玉木(上地雄輔)である。お坊ちゃまなのだが苦労人なのだった。そのために相手に合わせすぎるのである。玉木から見れば妥協しない人々は子供っぽいのだと感じる。

しかし、自分の意見をもたないことも子供と言うことができ・・・そのことで結局、摩擦を起こしてしまうのが人生の面白いところなのである。

かおりとのデートの服まで用意した間柄なのに軽く捨てられた助産師の木村(映美くらら)は胸の奥に明らかな地獄の炎を燃やしている。

コレクター桧口にとって血液型がB型Rh-の人である女子校生の利香子だが、救命処置のために子宮をすべて失った利香子はもちろん玉木に恋をしているのである。子宮をとりさったことを知らず命が助かった利香子はVサインを出したが、子宮をとりさったことを知っていた玉木はなす術もなくVサインを返してしまう(第2回)。現実を知った利香子の中で何かがねじれたのである。

おそらく利香子の親は大切なものを失った女として利香子を見たのであろう。

利香子の中でねじれたものはさらによじれていったのだ。

ドラマの中では描かれないが・・・利香子の歪み、利香子の玉木に対する仄かな思いをたちまちに推察する木村はさりげなく囁いているはずである。

「玉木先生は院長先生のお嬢さんと結婚するみたいよ」

利香子は悪魔の悪戯にネジを巻かれた人形のようにカッターを握りしめ玉木に突進するのだった。

血まみれの玉木は刺されてもなお・・・穏便な道を探す。玉木はそういうものが大人のあるべき姿と考えるタイプなのである。

しかし、要するに流されているだけなのだ。

なぜならそれで問題が解決するとは限らないからである。

奈智は木村の告げ口で犯人が利香子と知ると本人と連絡を取ろうとするが・・・玉木が「自分の責任で何とかする」と言うと簡単に同意する。賛辞を述べるほどだ。

これは奈智にとって成長の証だが、見方によっては「自分の主張を貫くことは常に正しい」が「他人が主張を貫くことは正しい場合もある」が加わっただけなのである。まあ、それを大いなる成長と考えてもいいですけど。

やがて・・・この病院ではよくある同時多発類似ケースである。

ゲストは竹尾小枝(須藤理彩)・・・胎児が染色体異常の18トリソミー(エドワード症候群)を発しており、出産しても生育の可能性は極めて低い。死産となる可能性も高いが、瀕死となった胎児を抱きたいと小枝は希望し、奈智はもちろんカイザーを提案する。

小枝の夫はカイザーに伴うリスクを知っており不服をとなえる。

居合わせた産科医長・君島(松下由樹)は次期教授としてリスク管理を優先すると同時に、柊を解雇リストからはずすためにコントロールしようとする。

夫と君島、妻と柊に別れた論戦は・・・結局、患者の意志が最優先され、君島は「カイザー・グレードB」を発動するのだった。

生れた奇形の新生児をただ一度、胸に抱く小枝。一瞬の母としての歓喜。

しかし・・・次に触れるわが子の息はなかった。

君島と柊の間には再びしこりが残る。

適当に理想の医療を目指す君島と過度に理想の医療を目指す柊。

二人の間の亀裂は須佐見教授(國村隼)夫人一代(内田有紀)の妊娠中にも関らず卵巣から悪性腫瘍が発見されたことでさらに深まる。

早期治療のために胎児をあきらめることに決めた須佐見教授に対し、一代から意見を求められた柊はリスクを冒して出産させる方向に誘導してしまったのである。

一度は胎児をあきらめて摘出手術に同意した一代が叛旗を翻したためにパニックに陥った須佐見は手術を強行しようとする。

しかし・・・さすがに医局員は全員反対である。

君島「それは犯罪です」

須佐見「そ、それがなんだーっ」

・・・である。

一代「手術をしてもしなくても生存率が低いなら・・・私は赤ちゃんを抱いてから・・・」

柊「いいえ・・・お母さんも赤ちゃんも助けます・・・28週まで待ってカイザーですから」

医局員全員が柊がカイザーと口に出すとドキドキするのだが・・・とにかく・・・患者の意志が優先される以上・・・柊の方針に従う他ないのである。

須佐見「仕方ない・・・」

ホッとする一同。しかし・・・それを黙って見つめている院長。その心に去来するものが何かは最終回のお楽しみである。早いな・・・九話完結なのか。番組自体が難産あつかいで早産だっのか・・・こういうたとえを穏当と感じる人も不穏当と感じる人もいるわけだが。

関連するキッドのブログ『第7話のレビュー

Hcinhawaii0596 ごっこガーデン。クリスマス新装開店・CLUB・RICO。エリ秋ドラマは仁一色の一人勝ちでしたが・・・エリはマイガール、リアクロ、ギネだったのでスー。でも昨日は歌謡祭でいそがしかったのyon・・・。来年はいきなり亀梨先輩、山P先輩の二本立てですよ~。もう、クリスマスもお正月もふっとばしてお待ちかねでスーくうほったらかしていたエピソードをきちんと回収・・・ベテランだから投げっぱなしはしないのね。生んだら生んだで大変。生まなければきっと後悔する・・・生んだって楽しいことたげじゃないけど楽しいこともあるはずだしねぇ・・・。世界が今あると感じられるのは誰かがどこかで生れるからなんだし・・・それを思うと泣けちゃうよikasama4しかし・・・ものすごく沢山の課題が山積みになっている気が・・・とにかく、大人たちの話を聞かぬふりで聞いている優美・・・見事な演技でございましたシャブリ例によって遅刻ですが・・・すべての親と子供たちに幸あれと祈るばかりなのでありましたーっ

金曜日に見る予定のテレビ『嬢王Virgin』(テレビ東京)『石井萌々果のマイガール』(テレビ朝日)『酒井若菜のおひとりさま』(TBSテレビ)・・・妙にスッキリしたな。「フィギュアスケート」かっ。 

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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コメント

>木村はさりげなく囁いているはずである。

「玉木先生は院長先生のお嬢さんと結婚するみたいよ」

あ~。。。なるほどね~。。。。
私は、木村が玉木を気遣うシーンを見て、愛があるのね。。。
と思ってましたが、影でそういうタネを仕込んでいた
可能性はありますよね。
女ってコワイ^^;

私は玉木は、刺されて死んじゃうかと思っちゃいました。
そういう事やる脚本家ですよね^^;

とにかく、主要人物は全員生き延びそうな最終回。。。
放送回数が短い気もしますが。。。
きっと年末だからだろう、と言うことで。
楽しみです(*^^*)

投稿: くう | 2009年12月 3日 (木) 22時16分

❀❀❀☥❀❀❀~くう様、いらっしゃいませ~❀❀❀☥❀❀❀

女性にも浮気した相手を殺すタイプと
相手の相手を殺すタイプがいて
昔は後者が多いと囁かれていましたが
最近はどうなのでしょうか。

キッドは
木村は後者のタイプで
そう言えば
利香子は
かおりを殺すと思っていたと思います。
ところが・・・
利香子は前者のタイプもしくは
複雑な葛藤で錯乱したので
玉木をターゲットに・・・。

木村は思惑がはずれて
チッと舌打ちしていたのでは・・・
とも妄想いたしました。

まあ・・・そういう方が
面白いと思う悪魔が・・・でございますが。

そうですねえ・・・
玉木は自分の傷に弱いタイプの男らしく
今にも死にそうな蒼白を演じていましたからね。
大袈裟な男なのですな。

まあ・・・とにかく脚本家は
エキセントリックに傾倒しているみたいですからな。

もう少し視聴率がいいと
延々と続けられそうなネタですが
このワクは読みきり姿勢が強いですからね。
次期・菅野もキイナじゃないし・・・。

はたして・・・全員が正月を
迎えられるのか・・・
ドクター柊in小笠原とか
刺青の末期ガン弁護士・一代とか
カリフォルニア新婚物語とか
君島教授の処世術とか
各キャラの動向を
スペシャルで見たいくらいですが
2時間ドラマ枠がない日テレ・・・。

投稿: キッド | 2009年12月 4日 (金) 01時38分

じいやさま~こんにちは。
この頃お肌が乾燥気味なのでフカヒレスープをどうぞなのです。
あ、じいやさまにはエイヒレと熱燗もいいわね。

>医局員全員が柊がカイザーと口に出すとドキドキするのだが・

あはは・・毎週毎週、柊のカイザーを聞くたびに
血圧はあがり、脳みそはパニックになり・・。
心臓に悪かったですね。
ようやくカイザーが優しく聞こえたら最終回なんですね。
淋しくなります。
詰め込み過ぎの気配も有り有りでしたが
毎週じいやさまの解説レビューで爆笑していました。

じいやさま、ごっこガーデンありがとうです。
いよいよ秋ドラマも最終回ウイークを迎えますね。
ようやく夏のショックから回復したようで
今頃になってレビュー熱が出てきました。
きっと冬期の予定が入ったからなのね。
それにしても二人の先輩が同時期に重なるなんて
あまりの至福に倒れないようにしなくちゃ~♪

投稿: エリ | 2009年12月 4日 (金) 18時06分

✿❀✿❀✿かりん☆スー☆エリ様、いらっしゃいませ✿❀✿❀✿

これは気仙沼産のフカヒレたっぷりで
美味でございますな。
平成食科学研究所によりますと
コラーゲン合成のためには
フカヒレ・ホウレンソウ・ジャガイモが
最適でございます。
じいや特製
「ジャガイモ・ホウレンソウのソテーにフカヒレあんかけ」
をご賞味ください。

じいめはエイヒレをキュッといたしますので。
ぐぐーっ、ふはーっ。

カイザー、カイザー、カイザーです。
熱燗のカイザーでございますーっ。

とりあえず
傍から見る分には
普通の人よりも
変な人の方が
面白うございますからなーっ。
まあ・・・贅沢を言いますと
普通の人が変な恋をしたり
変な人が普通の恋をしたり
この微妙さが最高ですが

ギネは変な人が変な恋をしていて
ちょっとやりすぎ感はございますけどーっ。

しかし普通の人が普通の恋をする話よりは
簡単ですからなーっ。

じいめの駄文で爆笑していただき
感謝感激でございまする。

ちょうどいいクール期間を挟んで
怒涛の冬ドラマ体制でございますなーっ。
まだまだ来年の話ですので
どうかお気を確かに~。
ただ今、気付け薬をお持ちいたします~。

投稿: キッド | 2009年12月 5日 (土) 07時30分

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