« 時のないホテルの外事警察(尾野真千子)天下無敵のプリンセス(志田未来) | トップページ | 仁は摘出(大沢たかお)万華鏡のバラード(中谷美紀)辻褄も結納も水に流してくださりませ(綾瀬はるか) »

2009年12月21日 (月)

坂の上の雲の下の桃(菅野美穂)酔って旅順へゆくぞなもし(阿部寛)

とにかく・・・頭の中が日清戦争でいっぱいだったので、ものすごくものたりなかったという気持ちはする。

たとえば高陞号の撃沈の描写では沈み行く船から清国兵がさかんに銃撃し、沈没後の海域から英国人船長らを救出する間、千人の清国兵が溺死していくのを六時間あまり見守った東郷艦長の眼差しというものをスペクタクルとして表現してもらいたかったのである。

それをあっさり在りし日の写真一枚に差し替えるのはあまりにも淡白である。

その前後での豊島沖海戦の戦闘の経過も実におざなりで、黄海海戦も威海衛海戦もナレーション処理である。

この戦争に日本が勝ったと思えるような描写がほとんどないのである。

そのあげくに紋切り型の悪い日本陸軍登場である。ある意味、なんじゃこりゃ・・・という気分も少し感じました。

ただし・・・主人公グループとしての正岡子規の無邪気さを描写している・・・という意味ではまあ・・・しょうがないか・・・という感じである。

まあ・・・死人にくちなしなのであれだが・・・あまりにも原作とずれた主張を盛り込むならオリジナルで作ればいいのにと素人みたいに言っておきたい。

で、『坂の上の雲・第4回』(NHK総合091220PM8~)原作・司馬遼太郎、脚本・野沢尚(他)、演出・柴田岳志を見た。やはり戦争を美化するということに対する心理的抵抗というものは思った以上に根強いらしい。日本軍といえば略奪というイメージで育ったスタッフとしてはそれを描写しないとリアルでないと感じるくらいなのかもしれない。何よりも戦争は悲惨なものとして描かねばならないという使命感みたいなものに拘束されているのだろう。そのくせ、帰宅すれば大量虐殺ゲームはそれなりに楽しんでいるはずなので・・・創作者としてはバランスを欠いているとしか思えない・・・そりゃ、お前の妄想だろう。

とにかく・・・日清戦争というものをもう一度簡単に振り返っておく。まず・・・その原因である。前回述べたようにフランスがベトナム(越南)を清帝国(シナ)から分捕った。このことにより清は軍の近代化を模索する。イギリス、フランス、ドイツ、ロシアなどの欧州諸国は清の完全なる植民地化を狙っていたが、やせてもかれても大帝国が相手なので用心深く、租借という形で出方を窺っている。

日本にとっての恐怖は朝鮮半島がベトナム化することであった。もし、そうなれば次は日本列島がベトナム化するのである。

朝鮮半島を狙っているのはロシアと近代化を目指す清である。そしてついに清が朝鮮出兵の挙に出たのである。そうなることを予測し、準備を整えていた日本軍の清による朝鮮半島の植民化を阻止する戦い。それが日清戦争の発端である。

戦前の予想では世界中が清の勝利を確信していた。

日本でも知識階級ほど清が有利だと考えていた。清には日本にはない巨大な戦艦があるし、広大な領土と膨大な人口がある。第一に金持ちなのである。

だから伊藤総理大臣も日本が負ける考えていたし、明治天皇も日本の勝利を信じていなかった。

原作では正岡子規(香川照之)の気持ちを次のように描写している。

・・・前略・・・

「いくさがいよいよおこったと聞いたときにはさすがに平和になれた耳を驚かしたよ。もしか日本が亡びてしまいはすまいか。明日にも東京に敵兵が這入ってきてわれわれもどこかへ逃げねばならぬようなことになりはすまいか。そのときには書物を置いてゆくのは惜しいがどうしたらよいか、などという取り越し苦労もした」

・・・後略・・・

しかし、陸海軍の実力者たちはある程度の勝機はあると考えていたのである。

第一に日本軍が清よりも先に近代化を始めたこと。第二に清が腐敗した帝国だったこと。

この二点が敵の隙であると認識されていた。

川上は無数の忍び(諜報員)を清国内部に送り込んでいたのである(実話)。

そのために日本軍は常に清の先手を打ち、緒戦を勝利したのだった。

緒戦とは朝鮮半島からの中国軍の駆逐である。

真之(本木雅弘)の属する帝国海軍は最初の連合艦隊を組んだ。海軍が平時において持ついくつかの艦隊を戦時に連合艦隊として一括運用するシステムをとったのである。

初代・連合艦隊司令長官は伊東祐亨中将だった。連合艦隊の戦力は軍艦28隻に水雷艇24隻である。

これに対して清国艦隊の持つ軍艦は82隻とも64隻とも言われた。この当りの曖昧さが清国の弱みである。清国は北洋艦隊、南洋艦隊、福建艦隊、広東艦隊の四大艦隊を持っていたがそれぞれが独立艦隊であり、たとえば清仏戦争において南洋艦隊がほぼ全滅に近い打撃を受けたときにも北洋艦隊は静観をしていたのである。艦隊同志は味方というよりも縄張りを争うライバルだったのである。

北洋艦隊だけを相手と考えれば軍艦は25隻、水雷艇13隻で日本軍が上回る。

日本としてはこわいのは戦艦「定遠」と「鎮遠」という二隻の巨艦だけであった。

ついでに言っておくがこの時代、まだ無線通信は装備されていない。艦隊同士は旗で交信し、陸路は伝令である。

日本側は旗により味方同士の通信が可能だったが、清側は近代化が遅れたために海上での意志の疎通が困難であった。このことが清国海軍の深刻な敗因のひとつとなったのだ。

とにかく、明治二十七年(1894年)七月・・・佐世保から日本初の連合艦隊は出陣した。

Tenchijin18947 最初の海戦は豊島沖海戦である。出港から三日目、戦闘に参加したのは日本海軍第1遊撃隊の「吉野」「浪速」「秋津洲」の三隻の巡洋艦だった。「吉野」は4000トン級だが、当時の世界最速艦。「秋津洲」は3000トン級、東郷大佐(渡哲也)が艦長の「浪速」も3000トン級である。三艦は前衛として朝鮮半島の西岸を北上していた。そして清国海軍の巡洋艦「済遠」(2000トン級)と「広乙」(1000トン級)と遭遇する。この二艦は清国兵を輸送する英国汽船「高陞号」とその護衛である砲艦「操江」(640トン)の露払い役だった。「高陞号」は兵員を上陸させるために仁川(インチョン)を目指している。

この戦力差は一目瞭然の如く、日本側の有利である。排水量でいえば日本側は清国の三倍である。

そのために済遠は攻撃開始と同時に逃走する。広乙も一撃で大破し、戦場を離脱、擱座した。吉野は済遠を追跡。

そこへ操江と高陞号が現れる。操江は即座に逃走を開始。秋津洲がこれを追跡する。

現場には高陞号と浪速が残されたのである。

ここで敵国の兵員を乗せた中立国(英国)と浪速の艦長東郷との駆け引きが開始される。

いわば中立国民を人質にとった敵国兵をどうするかという問題である。東郷は国際法にのっとった手順を踏み・・・これを撃沈したのである。

それでも伊藤首相は海外世論の評判を恐れ、震え上がったのだった。

それほどまでに神経の細やかな大日本帝国であった。

しかし、戦歴のある古強者たちは阿吽の呼吸で東郷を護る。

海軍軍務局長・山本権兵衛(石坂浩二)「理想を言えばキリがないが・・・さすがじゃ」

東郷「他に仕様はなかっただけでごわす」

山本「戦じゃもんな」

東郷「戦でごわす」

もちろん、実際には浪速と東郷艦長はこの後も黄海海戦、威海衛海戦で大活躍する。呼び出し云々はあくまでドラマでの話である。勝つか負けるかの戦争中に大事な戦力を離脱させるバカはいないのである。もう一度言うがこの時代、艦隊には無線が装備されていない。もしも浪速を呼び戻そうとしたら伝令船を出すしかないのである。そんな余力は日本海軍にはないのだった。

たとえば直後に成歓(ソンファン)牙山(アサン)で戦闘が発生し、真之が乗艦する筑紫は支援のために牙山に向かう。木口二等兵は死んでもラッパを離さなかったのだが、清国軍は早期撤退。その後の命令が届かず、筑紫は牙山で暇をもてあましたのである。

なお、豊島沖海戦で逃亡した済遠も操江もその後日本軍に捕獲され、帝国海軍のものとなった。いわゆる戦利艦である。

この後、日本海軍は清国海軍に連戦連勝してついに清国海軍司令官丁提督を自殺に追い込むのだが、清国自慢の巨艦のうち「定遠」は自沈、「鎮遠」は鹵獲され戦利艦となった。

「鎮遠」はその後帝国海軍の軍艦として日露戦争にも参加する。

とにかく・・・日本海軍にとって日清戦争は戦利艦を多数もたらした戦だったのである。

一方陸軍は、8月に平壌(ピョンヤン)の戦いで朝鮮半島から清国軍を駆逐、10月に朝鮮と清の国境である鴨緑江を渡河。11月には酔いどれた好古(阿部寛)の大活躍で旅順を占領する。

ここで非戦闘員に対する日本軍の虐待行為があったとして戦後問題になるが、当時どころか現代でも戦時にはよくある行為であり、特に日本軍に限ったことではないので深刻な問題とはならなかった。

それをことさら陰湿にとりあげなかった代わりに正岡子規の従軍記者の架空のエピソードが追加されたのであろう。子規は戦後に最初で最後の海外旅行をして戦跡の地を訪れ興奮し、疲労し・・・周囲の人々の心配した通り、喀血して病状を悪化させたのであった。

明治二十八年二月。清国海軍降伏。清国は戦意を喪失し、三月には清国宰相の李鴻章が来日して講和会議が開かれた。

妹が頬のほのかに赤し桃の宴(子規)

最愛の妹・律(菅野)に見送られて子規が満州に旅立ったのは四月のことだった。

もちろん、子規が現地で軍人に逆らったなどという逸話はないのである。ただ、はしゃいだ子規が戦後の無法地帯に入り込み、周囲の常識ある人々に叱られた可能性は高いと思う。

先輩記者「あそこは危険だと申したでしょう・・・」

子規「・・・だんだん」

日本が清国に勝利したことに世界はあっと驚き・・・ロシアは警戒心を抱き、英国は日本に急接近をする。もちろん、好意ではなく、日本にロシアの番犬の役割をさせるためである。

威海衛の港口で直撃弾を受けた筑紫では三人が即死した。その骨肉と血にまみれた光景を真之は死ぬまで夢に見たという。もちろん、そのことで少将に進級した東郷に教育的指導を受けたりするのはドラマとしてのフィクションである。

関連するキッドのブログ『第3話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『ライアーゲーム・シーズン2』『リアル・クローズ』(フジテレビ)『長澤まさみのそのときは彼によろしく』(TBSテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

|

« 時のないホテルの外事警察(尾野真千子)天下無敵のプリンセス(志田未来) | トップページ | 仁は摘出(大沢たかお)万華鏡のバラード(中谷美紀)辻褄も結納も水に流してくださりませ(綾瀬はるか) »

コメント

キッドさん、相当凹んでますか(笑)
面白いことに、第4話の感想って、ブロガーさんは概ね感動・好意的・賞賛ばっかり(貴TB先ご参照)、キッドさんのは異色ですが2ちゃんねるは主流の意見ですね。
要するに、歴史や過去の戦争ドラマや戦争映画を知っているかいないかの差が出たなぁと。偏差値というと語弊がありますから、映画「2012」を観に行った映画好きのお父さんと小2の子供の映画の感想の差といったとこですかね。

私思い出したのは、安いホラー映画やセクシー映画。スチール写真や予告編のモンスターやセクシーが全てだったあれです。
予告編でさんざん見た馬上の阿部ちゃんと、砲撃で吹っ飛ぶモッくんが全てだったんですわね。夢見た海戦も陸戦も全部無かった。全ては「来年の日露戦争で」って、「ラストは映画で」の交渉人まがいですな(苦笑)

そうそう、典型的な日本陸軍下士官を演ってしまった森本レオさんですが、あれが旅順虐殺事件の代用だとすると、こういう意図かなぁと妄想してみました。

・レオ曹長も、旅順の激戦にも参加し、清国人にいきなり襲撃されたり、逆に自らの手を汚したりという戦いをしてきた。
・したがって、清国人に優しい顔などできない。
・しかし、万年下士官としては、従軍記者の案内もソツなく済ませなくてはいけない。粗末な食事ではいけないと、酒や料理も現地調達。
・それを、ポッと出の浮かれたアンちゃん(子規)が何やら騒ぎ出して、かえって清国人も不穏な雰囲気(あの場面で清国人の老人達が子規を敵視するのは◎)
・それでも堪えたが、酒を飲んでの夜についに感情が爆発した。でも、軍人なので、森少将(だっけ、このときって)にはペコペコ。

1895年に帝国主義だ維新の押し売りだと言える鴎外なら、ドイツでなくロシアにわたって革命家になれるわけけですけどね。

しっかし、NHKさんもそんなに反戦ドラマつくりたいなら、乃木さんも折角の曲者・柄本さんを起用したのだし、ムチャクチャ好戦的で無謀な愚将にするくらいやってみなって感じです。
原作をそのまま映像化することがベストとも思いませんが、原作と完全に逆のメッセージを盛り込むというのは、さすがにいかんでしょうに。
日露戦争終盤で、坂を転げる乳母車でもやりかねないかもです。

投稿: ひろすけ | 2009年12月21日 (月) 21時02分

ship(笑)偏差値40~ひろすけ様、いらっしゃいませ~偏差値65(苦笑)cake

ふふふ、凸れば凸るほど凹む法則発動ですね。

もちろん、海外市場も考えた
NHKの戦略というのも
分らないのではないのですが
結局、戦争シーンの描き方
というもののノウハウが
失われているということに尽きるのですね。

しかし、「タイタニック」は
見ているはずで
タイタニックと同じ画面を
作りながら
敵にとどめをさしつつ
その中から
国益のために
殺してはならない相手のみを
救出する
防護巡洋艦の艦長の心情を
見せてくれないのであれば
なんのためのドラマ化なんだ・・・。
ということになるわけです。

そんなことを
上司とのセリフのやりとりで
見せられても
なんのこっちゃわからんわっ・・・。
と思うのですな。
いえ、もちろんお茶の間的な話ですけど。

逆に原作を再現した
威海衛の場面では
「プライベート・ライアン」の
いただきをしているわけで
お守りというフラグをたてて
戦闘旗というフラグをたてるという
だじゃれまでやっているのに
その戦闘が戦争全体の中で
どういう意味を持つのかを
伝えないわけです。

なぜ、東郷が
敵兵を殺すことに意義があるのか。
なぜ、名もなき水兵が敵弾に倒れることが
美しいのかを描かない。
つまり、英霊を賛歌するという
人としての美しい心を
凌辱する姿勢が
ありありです。

つまり、戦争というものに対する
勉強が不足していて
理解不足ということなのでございます。

作り手が理解していないことを
お茶の間に伝えようとするのは
無理なのですな。

「坂の上の雲」の
素晴らしいところは
明治の軍人といえば乃木将軍しか
知らない大衆に
秋山兄弟もいたし
児玉もいたということを
伝えたところ。

乃木も不器用な実像を
伝えていますが
けして貶めてはいない。

今回は柄本明を起用した時点で
なにかかなり個性的な乃木を
作り出そうとしている気配もありますが
一将功成りて万骨枯る的な
ステロタイプをやりそうな予感を
ひしひしと感じたりもします。

今回の失われた視聴率を
製作者側がどう読むのか楽しみです。

戦争シーンがうけないと考えるか。
つまらない戦争を作ってしまったと考えるか。

そうやって勝者と敗者は分岐していくわけですからね。

黒沢明をジョージ・ルーカスに
評価されて
歯軋りして口惜しがる
日本人はいないのかっ
ということです。

・・・前世紀の話はやめなさいっ。

レオ曹長のキャラクターは
それなりに楽しく拝見しましたけどね。
もう少し大人の従軍記者がいて
子規のアホぶりをたしなめる
くらいでもよかったわけです。

子規は天才ゆえに滑稽というのが
この物語の骨格のひとつなわけですし。

まあ、不実の人モリリンが
子規と奇跡の邂逅を遂げるということでは
ちょっとえへへ気分のスタッフなのかも
しれませんが
少なくともクソ大河を越える
視聴率をとってから
余裕でやってほしいと思うのでございます。

ま・・・なんだかんだいっても
妄想的には
凄く楽しかったわけですけれどもーっ。

投稿: キッド | 2009年12月22日 (火) 01時21分

まずは誕生日の御祝いの言葉
ありがたく頂戴致します<(_ _)>


自分も色々と期待していましたが
ドラマとしては好古・真之・子規の
初めてのお遣いならぬ初めての戦争を
描いたことに終始したのかなって感じですね。

なので戦争の描写自体
どことなく薄いものになったのかなとも
思ったりするんですが、一方でなんか某国への
配慮もあったのかなぁと思ったりして。

まぁそれはそれとして
好古、真之が徐々に軍隊の中枢に近付いていく事で
戦争に向かう状況が詳細に描かれていくのかもしれないので
それはそれで今後に期待です。


一方で子規の目線で戦争によって敗れた国は
どんな風になるのか、その悲惨さを描いたのは
前だけ見て進んでいく事の危うさを示しているようですね。


それから旅順攻撃があっけなく終わったとこは
今後のロシアとの旅順攻防戦の激しさの前の
静けさを感じさせるとこもあり

また、乃木&伊地知コンビが旅順にあったのも


全ては日露戦争への伏線なんでしょうね。

投稿: ikasama4 | 2009年12月23日 (水) 10時35分

pencil✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥pencil

最近、よる年波でごっこガーデンの
生産量が落ちていますが
来年はいきなりエリお嬢様の季節ですので
なにとぞご協力よろしくお願いします。

今回はマップに東郷団長の顔は
入れたかったのですが
タッチの差で間に合わず
無念・・・でございました。

まあ、じいさんたちの顔は
差し替え用としても貴重なので
すでに加工場にストックさせてもらいましたけど。
あしからず。

業務連絡終了。

さてさて、はじめてシリーズ
秋山兄弟の日清戦争。

キッドは基本的には満足しているのですが

やはり

「勝てるかどうか不安だった」

「でもやるしかないからやった」

「かろうじて勝つことができた」

「よかった(涙)」

この流れだけでもせめて作ってほしかったのですね。

しかもそれが「無謀」ではなく

ギリギリまで誠意を尽くして努力して
勝算がないわけではない上での決断だった。

この二つの流れは
充分に描けたはずなので
どこにも存在しない
清の国民を描くという虚構に
回す時間を
そちらに使ってほしかった・・・
と思うわけです。

まあ・・・一般的に
知識が不足しているところに
つけこむ
ある種の勢力が
それをさせることにストップを
かけていることは明白なんですけど。
・・・妄想的には。

そういう人たちは「正しい戦争なんてない」という「正しさ」を
信仰しているのでどうもならん・・・わけですから。

とにかく日清戦争は日露戦争の雛形で
上のような流れはさらに
続いてくわけです。

昭和の戦争と違って
明治の戦争は明らかに官僚の質が
敵よりも数段まさっていて
結果として勝利の果実を掴んだ。
その点だけは
しっかりと描いてくれないと
現代や未来への
警鐘になりませんしね。

今、深夜にNHKは
第二次世界大戦カラー化された白黒フィルムのシリーズをやっているわけですが・・・
これが血湧き肉踊るので
ガス抜きかっ・・・と思ったりもしています。

旅順(日清)と旅順(日露)は
ある意味、明治の善と昭和の悪の交差点です。

旅順(日露)では
陸海軍の戦争計画の齟齬や
情報の軽視と
現地司令官と参謀の無能。
さらに仕方のない機械力不足。
膨大な戦死者。
太平洋戦争を連想させる
様々な萌芽があったわけです。

しかし、それでも勝ったのは
ロシア軍と帝政ロシアがさらにダメだったから・・・。
このあたりがポイントですよね。

今回も日本が勝ったのは
清がダメだったから・・・。
ここが大切なのに・・・。

戦争はしないですめばこしたことはないが
自由がある限り戦争はあり
勝った方が負けた方より悲惨が少ない。
この当たり前の事実にフタをしようとすると
とんでもないドラマになる可能性がある。

そういう気配をちょっと感じて
少し震えました・・・。

投稿: キッド | 2009年12月23日 (水) 20時03分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/83353/32684451

この記事へのトラックバック一覧です: 坂の上の雲の下の桃(菅野美穂)酔って旅順へゆくぞなもし(阿部寛):

» スペシャルドラマ「坂の上の雲」第4回 [日々“是”精進!]
  全商品送料無料!ポイント3倍!!【楽天ポイント3倍!】【漫画】日露戦争物語(1-22巻全巻)...第四回「日清開戦」1894年(明治27年)7月25日、日清戦争が開戦。敵艦を追いかけていた巡洋艦「浪速」が英国国旗を掲げた汽船「高陞号」を発見する。船が清国兵...... [続きを読む]

受信: 2009年12月21日 (月) 12時31分

» 【坂の上の雲】第4話感想と視聴率 [ショコラの日記帳]
【第4話視聴率追加済】(12/21)第4話の視聴率は、前回の19.5%より下がって、17.8%でした。裏に、『M−1』(20.6%)や『JIN-仁-』最終回(25.3%)があったので、苦しかったのでしょう。迫力満点だったのに、残念でした。* * *阿部ちゃん(秋山好古)、カッコ良か...... [続きを読む]

受信: 2009年12月21日 (月) 19時14分

» 『坂の上の雲』 第4回「日清開戦」 [政の狼 〜TheWolfwantshisownDandism.〜]
日清戦争の勃発に至った経緯は、まずは東学党の乱の勃発に端を発する我が国と清の派兵にあるとされている。ただ、李氏朝鮮が公式に派兵要請を出したのは清のほうだという記述が確か、教科書には載っていたはずだ。そこに我が国が派兵して…という流れで説明されていたはず...... [続きを読む]

受信: 2009年12月21日 (月) 20時22分

» 坂の上の雲 第四話 [還山捫虱堂]
#4「日清開戦」 [続きを読む]

受信: 2009年12月21日 (月) 20時49分

» 「坂の上の雲  日清開戦」を視聴しました [徒然”腐”日記]
ネタバレ注意・・・というほど、内容については書いていません。印象に残ったほんの一言だけ感想をば。日清戦争開戦・・・・その時秋山真之・好古・正岡・・・それぞれが三人三様の戦いをしていた。海で、大陸で、日本で戦い方も状況も全く違うけれど、どこか似ているよう...... [続きを読む]

受信: 2009年12月21日 (月) 20時50分

» 坂の上の雲 第四話 日清開戦 [V36スカイラインクーペが欲しい!]
原作とはかなり違った描き方だった。 この第四話は日清戦争を扱ったが、原作と違い戦争そのものの流れはあまり追わず、個々のエピソードに焦点を合わせた描き方だった。東郷平八郎が艦長を務める浪速のイギリス船撃沈、小山寿太郎と李鴻章とのやりとり、乃木将軍の旅順攻略、...... [続きを読む]

受信: 2009年12月21日 (月) 20時57分

» 坂の上の雲 第4回 「日清開戦」 [青いblog]
あらすじ 好古(阿部寛)は旅順要塞の攻撃に参加し、苦戦。真之(本木雅弘)も巡洋艦「筑紫」で初めて実戦に直面し、衝撃を受ける。子規(香川照之 [続きを読む]

受信: 2009年12月22日 (火) 00時48分

» 「坂の上の雲」第1部3,4話烏合の衆の大国清に少数精鋭の日本が勝利し真之も軍人としての厳しさを学んだ [オールマイティにコメンテート]
「坂の上の雲」第4話は東郷平八郎の攻撃命令で日清戦争は始まった。日清戦争を回避しようとしていた伊藤総理はこの現実を受け止めるしかなく日本が大国清との戦いが展開される。陸軍は遼東の要塞を攻略すべく好古は果敢に清軍を攻めて見事に遼東の要塞を1日で攻略した。一...... [続きを読む]

受信: 2009年12月22日 (火) 01時44分

» 坂の上の雲 日清開戦 [のほほん便り]
ついに日清は開戦。最初の開戦の火ぶたは、東郷の命じた砲弾 交渉へ向かうも、清国兵は暴動を起こし、イギリス船を脅して乗り込みます。苦渋の選択の結果。船長は「ひとまず出港に戻る」と言う要求を出すも、東郷はそれを拒否して撃沈 焦る伊藤首相でしたが、即、東郷の首を切り、英国に「未熟者だと思われる」のも何だからと、ひとまず様子見することに 北京との交渉を任されたのが、通称「ねずみ公使」。目つきといい、態度。皮肉のとばし方といい、竹中直人が、じつに似合ってましたね やがて真実が明らかにな... [続きを読む]

受信: 2009年12月22日 (火) 08時37分

» 『坂の上の雲』第4話 [もう…何がなんだか日記]
第4話『日清開戦』「なき人のむくろを隠せ春の草」戦争私は右では決してないけど、左でも絶対にない。ただの小心者(笑)だから、物凄い無知を曝すけど>言わなくても分かってる?戦争って、あんな風に簡単に始まってしまうものなの?肯定する人達が必ず言うのは...... [続きを読む]

受信: 2009年12月22日 (火) 10時26分

» スペシャルドラマ 坂の上の雲 第4回 日清開戦 [レベル999のマニアな講義]
第1部第4回『日清開戦』内容明治27年7月25日朝鮮西方の海上で日本艦隊は、清国艦隊と戦闘を開始した日本艦隊の巡洋艦“浪速”は、英国国旗を掲げた汽船“高陞号(こうしょう)”と遭遇する。清国兵が多数載せられていた汽船であった。英国人船長に対し、“浪速”に...... [続きを読む]

受信: 2009年12月26日 (土) 17時48分

« 時のないホテルの外事警察(尾野真千子)天下無敵のプリンセス(志田未来) | トップページ | 仁は摘出(大沢たかお)万華鏡のバラード(中谷美紀)辻褄も結納も水に流してくださりませ(綾瀬はるか) »