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2009年12月31日 (木)

リトル・レッドは冒険がお好き(上野樹里)日本民族は自滅がお好き(黒木メイサ)

赤頭巾ちゃんことリトル・レッドの日本語版が上野樹里の吹き替えである。なにやらせても上手いよな。オリジナルの声優は「プリティー・プリンセス」のアン・ハサウェイ。ティム・バートンの新作『アリス・イン・ワンダーランド』の白の女王である。そういう連想では「リアル・クローズ」を上野樹里が主演していたら・・・という妄想が膨らみました。

今年、最後のレビューがアニメ映画の二本立てになるのは・・・まあ、声優対決なのであるからなのだが・・・米軍兵士ベクシルの黒木メイサはかわいそうな感じがする。基本的にセリフがひどいのである。まあ、シナリオ全体もひどいのだが。こんなものによく金だすよな。

で、『リトル・レッド レシピ泥棒は誰だ!? (Hoodwinked)(2006年公開)』(テレビ東京091231AM0325~)脚本・監督・コリー・エドワーズ(他)を見た。この手の日本語版はベースのギャグが翻訳不能だったり、つい面白いつもりでつまらないことを言ったりして難しいのだが、この作品に関する限り抑制されたいい日本語版だったと思う。

話は童話「赤頭巾ちゃん」をベースにした裏話という趣向である。赤頭巾ことレッド(上野)がオオカミ(加藤浩次)に襲われ間一髪のところを木こりに救われる・・・ところで動物の森の警察が介入。この事件が森を騒がす「お菓子のレシピ連続盗難事件」の真相に迫っていくという展開となる。事件を解決するのは名探偵カエルのニッキー(ケンドー・コバヤシ)である・・・こうなるとお分かりのようにドタバタ喜劇である。

中盤はアンブローズ・ビアス「ザ・ムーンライト・ロード」や芥川龍之介の「藪の中」よろしく、事件関係者が一つの事件についてそれぞれの立場から証言するというスタイルとなる。

しかし、事件で嘘が語られることはなく、それぞれの話の中で起こる突拍子もない出来事、たとえば雪崩の発生とか、空中浮遊するレッドの祖母とかが・・・実際に起きた出来事だったことがパズルのように説明されていくところが楽しいのである。

その中で、オオカミが新聞記者だったり、木こりが歌手志望の串かつ売りだったり、レッドの祖母が有名なプロ・スキーヤーだったりと奇想天外な事実が判明していくのだ。

その中でレッドは祖母に騙されていたことに気がつきブルーになったりもする。

最後はすべての証言の中に何気なく登場する森のかわいい小動物が極悪の真犯人であることがわかり、アクションに突入である。

子供が見て・・・多くのものが面白いかどうかは別としてキッドはきっと大満足できただろうと思える傑作でございました。

まあ・・・あなたが「だまされた」と思ったらそれは趣味の違いというものですな。

関連するキッドのブログ『怪物王女

で、『ベクシル 2077日本鎖国(2007年公開)』(TBSテレビ091231AM0033~)脚本・監督・曽利文彦を見た。「リトル・レッド」はアメリカ映画だがこちらは日本映画である。どちらも素晴らしいCGのテクノロジーで見せてくれるのだが・・・こちらはその技術の素晴らしさに最後まで引きづられて・・・だから・・・なんだというのか・・・というウルトラスーパーデラックスゴールデン金返せ的駄作アニメに仕上がっている。

公開の年から60年後の近未来、日本は鎖国し、その10年後、米軍が侵入してみると一人のマッド・サイエンティストによって機械化ウィルスに犯された日本人は滅亡していた・・・という話である。この監督、映像クリエーターとしては素晴らしいので、オリジナルより原作ありのものを手がけた方がいい・・・と実感できる作品である。この後、「ICHI」そして「TO」と続くのだが、よりオリジナル色の薄まるに従ってなんとか鑑賞に耐えうるものになっているのがその証拠である。つまり、デビュー作「ピンポン」が一番マシだ・・・ということだ。

ただし・・・ロボット工学に対する国際規制に反発して情報鎖国とか・・・一企業にたやすく支配とか・・・そのために日本人だけ滅亡とか・・・お笑いとしてはいけてる部分もあります。

だけどそれを作品としてまとめる力量が不足しているのですな。

その象徴が・・・特殊部隊員ベクシル(声優・黒木)、レオン(谷原章介)、日本人レジスタンス・マリア(松雪泰子)の三角関係の描き方。

米国人レオンと刑事マリアはかっての恋人同士。しかし、突然の日本の鎖国政策でレオンは国外追放になる。

その時、マリアはレオンとともに渡米しようとするが・・・何者かの妨害でそれができない。

おそらく・・・その何者かとはマッド・サイエンティストでマリアが国際条約違反で逮捕したが起訴を逃れた上にいつのまにか日本国の独裁者となったキサラギ(森川智之)の意趣返しであった・・・ということになるのでしょうが・・・さらに言えばキサラギはマリアに偏執的な片思いをしているとも考えられる筋立てです。しかし・・・それを描いていない。

そして・・・レオンは日本に置き去りにしたマリアを思いながらベクシルと深い関係になっていく。ベクシルはレオンの志願の理由を知れば思い悩むところがあるはずですが・・・それを描かない。

何よりも・・・日本を完全に支配できるものがいるとすれば世界を完全に支配することも容易なのになぜそれをしないのか・・・という重大な齟齬があります。

まあ・・・アメリカに「トレマーズ」があるなら日本には「野づち」(Ⓒ水木しげる)がある・・・ということを言いたかっただけなのかも・・・それか「銀河鉄道999」へのノスタルジックか・・・。

まあ・・・シナリオの酷さを我慢すれば凄い映像で楽しめるのかもしれません。

キッドはまた見たいかと言われたら・・・そんな時間があったら「昔のガンダム見るよ」と答えます。

関連するキッドのブログ『任侠ヘルパー

まあ・・・今年最後の記事がガッカリ作品というのも・・・運命というものだと考えます。

結局・・・素晴らしい作品に出会うためには駄作を見続けるのが一番ですからね。

それでは皆様・・・よいお年を・・・。

金曜日に見る予定のテレビ『相棒・元日SP』(テレビ朝日)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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