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2009年12月 7日 (月)

坂の上の鬼灯の花(菅野美穂)狆は鯛で陪臣を釣る模様(松たか子)

たとえば昭和の時代には冷戦があった。すでに大日本帝国は滅び日本国が成立している。

日本を中心に考えると冷戦時代の同盟国は米国である。米国の最大のライバルはソ連(現在のロシア)であった。ソ連の極東におけるパートナーは北朝鮮と中国だったがソ連の独裁政権と中国の独裁政権の間に亀裂が入り始める。ソ連は中国を支配しようとするし、中国は自立しようとする。

この機に乗じて米国は中国へ接近し、新たな関係を構築しようと考える。

驚いたのは日本だった。パートナーが突然、敵と仲良くし始めたのである。当時の首相は「ま、そのう」といいながら日中国交をあわてて回復したのである。

時は流れて平成の時代となりソ連は滅び去り、中国は驚異的な大国となった。今、また米国は中国に接近しようとしているが、その流れは昭和の時代とは微妙に違う。

ロシアは依然として米国のライバルたろうとしているが、むしろ米国の実際のライバルは中国であり、そして日本でもある。

国力というものを簡単に計ることは困難である。たとえば人口なら、日本を1とすれば米国は2倍、中国は10倍だ。国内総生産(GDP)なら日本を1とすれば米国は3倍、中国は日本とほぼ同じである。

それでも三国を同等の国家と考えてみると、その関係はどういう可能性を含んでいるだろうか。

現状は日米同盟と単独の中国という構図である。同盟を結んでいるために有利なことはたくさんあるがある意味では不自由さもある。特に日本の場合は人口も経済力も米国には劣っており、弱い。弱いものは強いものにある程度は従うしかないのがこの世のルールである。そうでない場合は猛烈な摩擦が生じることがある。

しかし、国家には内と外があり、内の中で上下や左右がもめれば外はじっとそれを観察しつつ、場合によっては付き合い方を変えることもあるわけである。

たとえば朝鮮半島を見ればいい。かっては朝鮮という一つの国だったものが、大日本帝国と合併し、大日本帝国が滅亡すると・・・それ以来、北朝鮮と韓国に分れ・・・現在に至っているのである。

その間、朝鮮半島がいかなる悲惨を味わったかをよく考えるべきだろう。

はたして・・・日本は米国とも中国とも対等のパートナーシップをもち、自主独立して繁栄していけるだろうか。

もしも、米国と中国が同盟して・・・日本を山分けしようと考えたら・・・どうするの

明治の日本は現在よりもさらに苛酷な状況に置かれていた。侵略すること火の如しという巨大な帝国がいたるところにうろつく世界で・・・はだしで立っていたのである。よく、まあ、ご無事で。

で、『坂の上の雲・第2回・青雲』(NHK総合091206PM8~)原作・司馬遼太郎、脚本・野沢尚(他)、演出・柴田岳志を見た。ドラマでは兄の好古(阿部寛)が10才ほどもはなれた弟の真之(本木雅弘)が下駄の鼻緒を切ると裸足で行けと命ずるのだが、それは極普通のことだった。好古も陸軍士官学校に入校し、軍靴を支給されるまで靴などはいたことはなかったのである。しかし、誰もが裸足なので「はだしのゲン」のような惨めさはなかった。裸足で当然なのである。いや、草鞋とか下駄とかはあったわけですが。

さて、ドラマには描かれないが、原作には好古が真之と暮らした麹町三番町土手の佐久間家で暮らした頃、好古が時々、朝帰りをした描写がある。

行き先は吉原である。

幕末の吉原の花魁の値段は基本料金一両、祝儀、飲食費などセットで三両ぐらいだったと言われる。もちろん、高級になればなるほど時価の世界です。一両を10万円と考えると一回30万円くらいである。明治になっても大店(高級)で一等(高級)の料金(玉代)は1円である。ちなみに天丼は2銭(1円=100銭)であり、天丼50杯か、一夜の夢か・・・なのである。

今回、巡査の園田(徳井優)が10数年のエピソードをつなぎ、一人微妙に老いて時の流れを好演するわけだが巡査の初任給が5円前後である。ファーストフードの天丼なら500円なので現代なら250杯食べて12万5000円くらい。現在の東京の最低賃金くらいな感じである。そうなると1円は2万5000円くらい。本来、一両は一円で現在のお金で10万円くらいのはずが明治ではインフレが加速しています。明治10年に20銭だったうな重が明治30年には30銭になったりしますから。

好古は陸軍士官学校を卒業し、明治16年(1883年)には陸軍騎兵中尉になっており、同時に設立されたばかりの陸軍大学校の第一期生として進学します。学費は無論免除ですし、中尉としての給与が支給されます。もちろん、高級ではありませんが、弟の一人くらいは養って時々吉原に遊女を買いに行くことはできたということです。

ただし、一等遊女を買ったかどうかは定かではありません。

原作の件はこうである。パリに留学した好古は四国の父親(伊東四朗)に手紙を書く。それにはパリにおける自分は田舎の処女が吉原に担ぎこまれた如しとある。それを読んだ父は帰省中だった真之に問うのである。

・・・前略・・・

「淳、信は東京のころ吉原によく行っていたのか」

「さあ、存じませんな」

といったが、真之は知っていた。好古とおなじ下宿だったころ、ときどき「淳、きょうは帰らんぞ、吉原で寝る」といって出て行ったことをおぼえている。

・・・後略・・・

まあ・・・とにかく・・・好古も男だったということである。

さて・・・真之が生れた慶応4年(1868年)、松山藩は鳥羽伏見の戦いで敗北する。この前後は日本国内で内戦があり、それは明治維新後、西南戦争まで続いていくと言ってもいい。それは王政復古の戦争でもあったが無数の藩に分裂していたわが国の祖国統一戦争でもあった。一方、ヨーロッパでは1866年にドイツ統一戦争が開始されている。ドイツもまた無数の小国に分れていたのである。その中で古の神聖ローマ帝国の皇帝をいただくプロイセンと列強としての新興国家であるオーストリアが台頭し、両者はそれぞれが群小国家を引き連れて激突したのである。プロイセンの首相はビスマルク。参謀総長が鬼才モルトケである。モルトケはナポレオン(初代)が徒歩と馬で行った分進合撃戦術(別ルートで進軍させ合流することで大兵力を集中させる攻撃)を最新技術の鉄道と電信で再現し、戦力的にはほぼ互角のオーストリア軍を打破した。プロイセンは盟主としてドイツを統一するべくオーストリアを滅ぼそうとしたが、ここで隣国のフランスが介入する。分裂している弱いドイツが統一されて強くなるのはフランスにとって歓迎されることではなかった。そのためにフランスはプロイセンに休戦を求めるのだった。フランスのナポレオン三世はこの後もプロイセン(ドイツ)の勢力拡大を妨害し続ける。

しかし、律(菅野美穂)が生れた明治三年(1870年)、ついにプロイセンは「文句ばっかり言うなってんだ」的にフランスに戦争を仕掛けるのである。フランスという強国の前に不統一だったドイツ国内は一時的に同盟し、大戦力を出現させる。フランス領土に侵攻したドイツ軍はまたもや分進合撃でこの戦法の本家であるフランス軍を撃破。ついにはフランスを屈服させる。この結果、プロイセンはドイツをほぼ統一すると同時にフランスからは一部領土をぶんどったのだった。

もちろん・・・フランスは激しくプロイセンを憎み、それは第一次世界大戦の導火線となっていくのである。

ともかく・・・旧幕府軍がフランス式だったために・・・それを引き継いでフランス式だった日本陸軍はこのプロイセン(ドイツ)・フランス戦争の結果からドイツ方式への転換を決定する。

どうせ真似するなら強い奴をという発想である。

新設された陸軍大学校に鬼才モルトケの愛弟子であるメッケル少佐が招聘され、老若が入り混じる新生日本陸軍を調教したのはそういうわけなのだ。

兵力の運用には集中と分散が欠かせない。そのためには指揮官は兵というものの機能を具体的に把握する必要がある。

たとえば狭い場所に大軍を押し込んでもそれは身動きができなくなるという不利を招いたりもする。メッケルは「兵力の多寡と必要な場所の広さ」を日本の学生に問い、答えられなければ「そんなことも知らないのでは死ぬしかない」と教えるのだった。

ちなみにメッケルは少佐で大隊長クラスである。大隊の兵力は大体千人くらいです。

・・・それが言いたいだけか。

大隊は中隊が四つ集まった単位。そこで中隊は250人くらい。

そして中隊は小隊が四つ集まった単位。ただし、小隊の兵力は40人です。

これは中隊には中隊指揮という別の組織が付属するからです。

ついでに小隊は分隊が四つ集まった単位。分隊は10人です。

つまり、分隊のパーティーはその辺のカラオケ屋でも可能だが、小隊のパーティーともなるとちょっとしたクラブを貸切にしないとできない。さらに中隊のパーティーなら大宴会場が必要だし、大隊のパーティーとなるともはや場所探しに相当苦労するということをメッケルは言っています。

さらに大隊が四つで連隊、連隊が二つで旅団、旅団が二つで師団になるのです。

師団のパーティーともなると武道館とか東京ドームを予約する必要があります。

・・・もういいか。

ともかく、明治16年に相次いで上京した正岡子規(香川照之)と秋山真之。二人は共立学校(現在の開成高校)で受験勉強をすると翌年には東京大学予備門(現在の東大教養課程)に合格してしまう。ある意味快挙である。

現代で言えば東大一発合格である。もちろん・・・青春爆発なのである。

この頃、正岡子規の妹の律は15才。同郷で陸軍士官学校を卒業し陸軍大学校の三期生となった恒吉忠道(後に陸軍少将)と結婚するがまもなく・・・離縁する。もちろんいろいろあったわけだがそこはお茶を濁すのでお茶の間は察するしかないのである。

鬼灯に妹がうらみを鳴らしける(子規)

ちなみに原作では律には秋山家の兄弟のどちらかに嫁ぐ縁談があったことが紹介されている。しかし、秋山兄弟はそろって軍隊で地位を築くまでは結婚しない主義だった。そういう意味で律の思いが年の近い真之にあった可能性は充分にあるわけである。

ちなみに和歌の世界では妹といえば実際の血縁関係ではなく恋人や愛人を示すわけだが・・・もちろん・・・古代には異母であれば婚姻も可なので文字通りの場合もあります。

子規の俳句に登場する妹は律でもあり・・・子規の幻想の恋人のようでもある。

もちろん・・・それが一致しても妄想的には萌えなのである。

ともかく、そういうもやもやとしたものをこの後も正岡兄妹と真之はせつなく生きていくのである。

一方、ナレーション的に秋古の嫁になることが明らかにされている佐久間多美(松)ははつらつと笑いをとっていくのである。ちなみに子規と真之が鯛で予備門合格を祝ってもらうこの頃、多美もまた14~15才です。ご了承ください。

佐久間家の女中のよし(佐々木すみ江)は「松山藩の陪臣(またもの)なんて直参旗本の佐久間家のお姫様とはつりあわない」と怒るのだが、佐久間家では出世間違いなしのエリート軍人の下宿人に早くから目をつけていたと言われる。

ちなみに・・・秋山兄弟の母(竹下景子)は律の離縁に対して「軍人の家とはあわなかった・・・」などと怪しいセリフを言ってしまうのだが・・・本来は秋山も正岡も武家である。そもそもがみんな軍人一家です。

真之が上京した年には徴兵令が改正され免役規定の代人料が廃止されている。これによって兵役逃れが難しくなったのである。

それはすでに兵員を増員する必要を政府が感じ始めていたことを意味する。

ただし・・・徴兵される兵隊さんと・・・士官学校出身のエリート軍人はまったく違う存在であることを認識する必要があるだろう。

正岡子規の文学の友となる夏目漱石(小澤征悦)は偽装転居までして兵役を逃れようとするのだが、あえてエリート軍人の道を選ばなかったのに・・・下っ端の兵隊にされてたまるかという気持ちがあったのである。けして今で言う反戦的な意図ではないことを理解する必要ある。

ともかく・・・青春を謳歌する子規と真之だった。

江の島無銭旅行の件ではドラマでは海にたどり着く一行だが・・・原作的にはもう少しグダグダである。なにしろ全員下駄ばきなのである。

深夜に神田あたりを出発した一行はすでに芝の増上寺あたりでくたびれはじめ、品川あたりではもうヘトヘトだった。ドラマでは怪しい遊郭の描写があるがここで登場するのは品川宿の女郎たちなのである。一行は夜明けに鉄道の神奈川駅(横浜市)まではたどりつく。そこから昼までには戸塚までは行くのだが江の島まであと12キロという地点で精も根も尽き果てるのである。たまたま一人が汽車賃をもっていたため・・・「もう汽車で帰ろう」と言い出すと「帰ろう」「帰ろう」ということになり帰ってしまったのだった。

ドラマでは許されないことが現実では起こるのだな。

東大予備門に入ると子規と同居をはじめる真之だったが・・・そこには妹を好きな子規、妹の慕う真之という怪しいプラトニックラブの世界があったと想像できる。

真之は天才的に勉学もできたが、秀才ばかりが集まる予備門で子規はひとつの壁につきあたる。思ったほどできない自分を発見したのである。特に語学がダメだった。

末は博士か大臣かというコースにのりつつ、日本一でなければ我慢できないというのが書生堅気なのである。子規が野球に熱中するのは逃避なのである。

やがて哲学者を目指したり、国学者を目指したりする子規だが・・・最後には俳句にたどり着くのであった。

一方・・・真之は経済的な問題から将来を考えていた。

兄も大学生。自分も大学生となったとき、学費は免除されても教材費(洋書購入など)で展望が開けなかったのである。

そうなれば兄と同じ道を目指す他はないのである。

しかし・・・陸軍では兄が日本一になる。だから真之は海軍を選ぶのだった。

もちろん・・・理由はそれだけではない。真之が大学予備門で楽しい日々を送っているその時。

日本に遅れつつ、西洋化を開始した清国では大帝国の威信をかけて海軍を近代化・・・植民地として最後に残された朝鮮や沖縄(琉球)をめぐり日本との対立を深めていたのである。

この年の八月・・・清の北洋艦隊は日本には一隻もない巨大戦艦・定遠をはじめ四隻で日本を威嚇するために砲艦外交を展開。長崎に上陸した清国水平が日本の警官隊と衝突して死傷者を出す長崎事件が発生しているのである。

脅威を感じた政府首脳は海軍建設を急務と考え・・・無謀と言うべき予算の投入を開始する。

天才的軍人・秋山真之の魂は帝国の行く末に暗雲が立ち込めるのを察知していたのだった。そして・・・おいしそうな海軍のカレーライスにも心ひかれたのである。

日本海軍は世界に名だたる大英帝国を規範としていた。もちろんカレーも含むなのである。

だから真之は幼馴染の子規に背を向け・・・英雄への道を歩みだす。

秋山真之、明治19年(1886年)に海軍兵学校に17期生として入校。18才だった。

関連するキッドのブログ『第1回のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『ライアーゲーム・シーズン2』『リアル・クローズ』(フジテレビ)『ケータイ刑事銭形命』(TBSテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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コメント

第二話までは
真之、好古、子規ら若者達が
自分の道を見出していくという展開で

次回からいよいよ対外戦争
その第一弾となる日清戦争。

この手の戦争は歴史の教科書で
見た事はあるのですが

ドラマとして見るのは初めてなので
とても楽しみでありますねぇ。

特に練習とはいえ
野原を馬に乗って駆ける好古の姿は
とても様になっていました。

まるで謙信公が乗り移ったかのようです


それにしても
一緒にいると松たか子さんの目と
狆の目はよく似てますが

阿部さんも目は狆に近いです ̄▽ ̄

投稿: ikasama4 | 2009年12月 9日 (水) 20時17分

pencil✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥pencil

原作的には日清戦争は
わりとあっさりなんですよね。

ドラマでも真之が主戦場に
登場しないのでどうかなぁ・・・と思っているのですが。

好古はもう「うかみ」として
最前線に出陣、完璧な偵察で
旅順を一日で落とす優秀さを見せたり
ものすごい大軍相手に
一歩を引かない激戦を演じ
後方から「お願いだから退却しろ」
という感じでありえない撤退戦をするという
本当に名人ぶりを発揮するのですが・・・
さてどうでしょうか?

まあ・・・とにかく
海軍は緒戦で
東郷が英国貨物船を
撃沈してしまう件を
描くのか描かないのか
描くとしたら・・・
どんな感じになるのか・・・
今からドキドキワクワクしています。

まあ・・・とにかくキッドの妄想の中の好古は
謙信に勝るとも劣らない
騎馬武者なのでございますよ。

現実の好古夫人は
本当に・・・なのですが
阿部さんが女性を犬にたとえると
キッドは結婚できない男の
ケン・・・をついつい思い出すのでございます。

投稿: キッド | 2009年12月10日 (木) 16時25分

すごく丁寧に原作を解説している(単なる紹介にとどまっていない)コメントで、読み甲斐ありました。
でも、実はドラマの話していないですね(笑)
江ノ島のくだり、原作との違いですが、ドラマとしては、海に至る場面をつくることで、第1回ラストの大きな軍艦を必死で追うモッくんと合わせ、モッくんが何故に大臣・博士の立身出世を捨て、軍人となるのかを何とか説明しようとしてますから。
まぁ、賊軍の下級藩士の息子達が栄達を目指すなら、軍人は有効な選択肢(そこにも薩長閥があるにせよ)だったという当時のバックグランドがあるわけですが。

で、前半の話。
日本や朝鮮半島の国は、19世紀以降に世界でも希少な目に遭います。異なる覇者に挟まれるということ。日本は米中、朝鮮半島ははじめが日支・いまが米中。
日本は想像もしなかった海の彼方の米国に開国を迫られ、清国を反面教師に近代化を走り、懸命にも英国との同盟を選択することで、日露戦争までは駆け抜けられた。しかし、第一次世界大戦で調子に乗って、英国と違う動きをして、清国でない支那と支那の人々を過小評価して、米国の描くグランド・ストラテジーを読めないままに、日英同盟破棄、軍縮を含むワシントン体制への組み込まれ、巻き起こる排日運動というパラダイム転換にいきなり置かれてしまう。
で、そこから30年間、明治における日英同盟的なエポックメイキングが出来ないままに、時代に流され、気付いたら帝国がなくなっていたということではないでしょうか。
好き嫌いは別にして、友好的関係にない場合の軍事リスクを考えれば、日米より中日を固めたいという小沢さんの露骨なスリスリ外交は、よく理解できます。
いまの中国というのは、15世紀の明や17世紀の清と並ぶ、中華勢力の最盛期(それも勃興期)ですから、わが国は中華柵封体制に大和以来の服属となるのも、やむなしかもしれません。
この動きと、普天間での米国をイライラさせるモタモタが連動しているなら、民主党も悪くないんですけどね(苦笑)

ドラマに戻ると、次回以降の世界の動きや軍事行動をどう分かりやすく表現するのでしょうかね?人物描写のナレは渡辺謙さんよいわけですが。延々と解説までされると落伍者でちゃうのではないかと。
私は、ここまで同様、丁寧に司馬文学を映像化していけばいいなぁと思うのです。スイーツになどあるまじきことです!

投稿: ひろすけ | 2009年12月12日 (土) 08時45分

ship(笑)偏差値40~ひろすけ様、いらっしゃいませ~偏差値65(苦笑)cake

ふふふ・・・大河ドラマに関しては
方針として妄想150%でお届けしているのですが
今回はこれでもドラマについて語っている方なのです。

これは大河ではなくスペシャルということですからね。

基本的に司馬遼太郎の作品は嘘八百ですが
この「坂の上の雲」には
「ウソ」はないと作者本人か断言したというウソが
あるわけです。
しかし、これはキッドにとっては
問題ではありません。
キッドは虚構主義者なので
この世はフィクションにすぎないと考えるからです。
そういう意味でこの作品は原作もドラマも
ものすごく素晴らしいフィクションであると
言っても過言ではありません。

ドラマはドラマ、原作小説は原作小説、そして
作品の背景となる歴史的事実
すべてがフィクションであるという前提があります。

江の島に向かったら
そこに海があった・・・というのは
お茶の間の期待を裏切らないという
演出の固定観念だと思いますが
とにかく・・・軍人になるという選択肢が
最初からない今の国民に・・・
それがものすごく健全で
ありふれて素晴らしいことだった・・・
というのを理解させるのは至難のワザなんですよね。

好古ではなくて真之を
主人公にしているのも
そういう部分にふれたくない・・・
という意図のようなものを感じます。

これは原作者自身が敗戦者であり
いかに逃れようとしても
その呪縛からは逃れられない風が残っていますしね。

戦争を善悪で語るのか
単なる自然現象と考えるのか
やはり人間性が問われてしまいますからね。

キッドは基本的にできれば
後者のスタンスで戦争を考えたいという姿勢です。
そのためには悪魔と呼ばれるのを
快感と感じるように鍛錬を怠らない必要がありますが。

基本的に戦略は
複雑系の科学に属するので
正しい解答というのは
事後に後付けされるしかないわけです。

ただし・・・あらゆる可能性から
勝機を掴む天才というものも
ないとは断言できない。

坂の上の雲は
日清日露の戦役を
秋山兄弟という天才を配置することで
奇跡的な勝利として描く一方で
清国、ロシアという
滅びた帝国に敗因があることを示していきます。

民主党支援者は
自分の愚かな選択から今、
目をそらそうと必死ですが
日英、日米から目をそらし
新興勢力であるドイツ、イタリアと
組んだ結果・・・どんなことになったか
思い出せばいいのになぁと思うのです。

基本的に日本がとるべき政策は
中国の分断化をどう促進させるか・・・
という一点に尽きます。

そのためには各都市との有効が決め手になると
愚考するわけです。
なにしろ、中国海軍はハワイまで
中国圏にしたいという意欲に満ちているわけですから
まあ、そうなった場合
沖縄の中国軍基地の問題を
どうするかで
騒ぐことになっても
今と五十歩百歩だからいいか・・・という考え方もありますが。

鬼畜日帝で洗脳された中国人兵士が
沖縄県民とどう接するかもみものですな。

さて・・・ドラマ版「坂の上の雲」
日清戦争では好古の活躍が主になるわけですが
問題は旅順虐殺をどう描くかですね。

一方で真之が主戦場にいない
海戦の行方も気になるところ・・・。
軍神たちの活躍が縦横無尽に描かれ

三浦「定遠はまだ沈みませんか・・・」
向山「心配するな定遠はもはや死に体・・・これから鎮遠を殺る」
三浦「どうか・・・仇を・・・グフッ」

という旗艦「松島」艦上の名シーンがあるのか
とかが楽しみです。

向山副艦長も三浦水兵も
キャスティングされた形跡ありませんけど・・・。

まあ・・・日清戦争はあくまで前座でございますから・・・。

投稿: キッド | 2009年12月12日 (土) 16時20分

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