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2009年12月18日 (金)

疾しいときには向きになる(多部未華子)愛に怯えるセレナーデ(小雪)

心にやましいことがあると向きになるタイプは表のリーダーには向かない。

ただし、向きになっても可愛い感じだとそれなりに愛される。

与党の影の支配者が損をしているとすればそういう点だろう。

こればかりは天が与えるものなので仕方ないのだな。

しかも陰謀家としてのなみなみならぬイメージがあるわけである。

昨夜から朝にかけて関東地方は地震が相次いだ。

かって政権交代時に関西で大地震があったことを思い出す。

天変地異と政治が関連するわけはないのだが、それはどちらも運命ではあるのだな。

官僚と対峙することを大衆が望み誕生した政権である。

それは乱に他ならない。そうした乱を招いた官は猛省するべきだが、民はまた乱を望まない。

どこに和を求めるか。不安な日々は続く。天変地異はそこに追い討ちをかけることがある。

それは天変地異は政治とは無関係に起こるからである。

政治はいつでも待ったなしだということをそろそろ新政権は自覚する頃合いだと考える。

秋ドラマ第二次なんちゃって高校生ビッグ3(もう二人なんちゃってじゃないじゃん)の陣(順位は平均視聴率)

①多部未華子「不毛地帯」・・・・14.1%↘11.1%↗11.6%↘*9.9%↗11.8%↘10.7%↘10.6%↗11.4%↘10.9%↘10.8%

②大後寿々花「サムライハイスクール」14.0%↘11.3%↘*9.6%→*9.6%↗10.6%↗11.0%↘*9.9%↘*9.3%↗10.1%

③志田未来「小公女セイラ」・・・*7.4%↗*8.0%↘*7.8%↘*7.6%↘*6.0%↗*8.4%→8.4%↘*7.0%↗*9.8%

※主役と脇役を同列で論じる脈絡のなさを責めないでください。

・・・「セイラ最終回」を残しているが・・・とりあえずいい勝負だったと思う。

で、『不毛地帯・第10回』(フジテレビ091217PM10~)原作・山崎豊子、脚本・橋部敦子、演出・水田成英を見た。あくまで架空の物語なので韓国と言ってもあの韓国ではないのである。ただし、あの韓国では昭和45年(1970年)の大統領は朴正煕である。大日本帝国の陸軍士官学校出身で日本名は高木正雄だった。日本語が上手なのはそのためである。この時、50代であるが、28才までは日本人だったのである。1963年に大統領になり1979年に部下に射殺されるまで16年間、軍事独裁政権を布いた。1965年に日本と国交回復することで得た多額の資金を使い現在の韓国の繁栄を築いたある意味優秀な独裁者である。とにかく北の独裁者が人民をひたすら貧しくしていったのに対して南の独裁者は国民をまがりなりにも豊かにしていったのだった。

米国からの帰途、壹岐(唐沢寿明)が韓国に立ち寄ったのはフォーク社との仲立ちをした実業家・李(榎木孝明)への答礼だったが、李と同じように陸軍士官学校の仲間である韓国大統領と旧交を暖め、日本の後を追いかけて経済成長を遂げる韓国とのビジネスのパイプを作ったのである。

ビジネスマンとして中途採用の壹岐はコネクションの利用によって手土産をつくり、里井副社長(岸部一徳)らの出る杭は打つ的な態度を緩める努力をする他はないのであった。

しかし、そういう壹岐の低姿勢をいいことに里井はつけあがる。

このあたりの里井の厚顔さは実にみっともないのだが、そのくらいでないとビジネスの戦場では生き残れないわけである。

壹岐は戦地に屍をさらした無名の戦士たち、潔く自決した上官、そして虚弱ゆえにシベリアから戻れなかった戦友たち、さらには愛妻の屍の上にたち、それでも生き恥をさらしていく自分に忸怩たる思いを拭い去ることはできない。

けれど生きていくということは所詮そういうことなのである。

そんな壹岐の心の支えはすでに鮫島と名を替えたが、東京の壹岐家を護る長女・直子(多部未華子)だった。

だが・・・それだけでは壹岐の心の空虚さは埋まらないのだった。

自決した上官の娘、秋津千里(小雪)からの陶芸展の招待状に胸が高鳴るのである。

そんな壹岐の心を見透かしたように亡妻・佳子(和久井映見)の怨念は孫である赤ン坊を泣かせるのだった。

もちろん・・・そんなことでは壹岐の心は停まらないのである。

いそいそと陶芸展に出かけた壹岐は千里との2年半ぶりの逢瀬にひたる。

客の引いた会場の暗がりで千里にコートを着せ掛ける。それだけで壹岐の心は半ば満たされるのだった。もちろん、半ばであって・・・壹岐の妻の死を知って婚約解消をした千里もまた心の空虚を埋めるべく壹岐をひたすらに見つめる。

はっきりいってものすごく悠長なのである。

壹岐は千里の作品をねだり、千里に手によって作られた壺を手元に置くことで満足を得ようと考える。

しかし、千里はニューヨークでのデートをおねだりするのだった。

そんな気配を知っているかのように壹岐をちょっとつついてみる直子だった。

「千里さんてすごく美人よね・・・ああいう方ってパトロンみたいな方がいらっしゃるのかしら」

「そんな・・・失敬な」

「おやおや・・・むきになっちゃって・・・怪しい」

そんな風に娘にからかわれて甘酸っぱいのか・・・壹岐正。

東京での社内内部の調整を終えてニューヨークに戻るとフォーク社との条件交渉が待っており多忙な壹岐だったが・・・千里の米国入りを一日千秋の思いで待ち望んでいるのである。

千代田自動車のこととか、東京商事のこととか、通産省のこととか・・・どうでもいいじゃないかという気分があります。

そして、千里を相手に陸軍諜報部仕込の社交ダンスを披露するのだった。

ニューヨークの夜は更けていくのである。

そしてダンスですっかり満足する壹岐だったが、千里の生殺し状態は続く。

ニューヨーク最後の夜に千里はついにアタックに出るのである。

「まだ帰りたくないの・・・」だ。

壹岐はついに自宅に千里を招く。

「見せたいものがある」と千里の壺をみせて愛を告白する壹岐。連続ドラマ10回をかけてついに結ばれる二人だった。日本の敗戦、シベリア抑留、近畿商事の興亡・・・すべてはこの一夜の契りのためにあったのだな。

しかし・・・壹岐にすべてを奉げた千里はたちまち不安にかられるのだった。

壹岐は壺を手元に置きたがるが生身の自分を置きたがらないかもしれないという予感に襲われたのである。

もちろん、壹岐がそういう女心をはかりかねる男であることは言うまでもないのだった。

壹岐は家庭を思うだけで11年間のシベリア抑留に耐えられる男なのである。

そんな壹岐の前に里井は牙を剥き出しにして襲い掛かるのだった。

「ご苦労だったけど、君の仕事は白紙に戻して美味しいところはこの里井が全部いただくよ」

フォーク社と千代田自動車の提携話を私物化しようとする里井に我慢の限界を感じ殺意を芽生えさせる壹岐である。

しかし・・・その続きは来年なのである。一ヶ月も待ったら全部忘れちゃうよね。

関連するキッドのブログ『第9話のレビュー

土曜日に見る予定のテレビ『尾野真千子の外事警察』『アグリー・ベティ2』(NHK総合)『志田未来の小公女セイラ』(TBSテレビ)『ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ』(フジテレビ)『石原さとみの椿山課長の七日間』(テレビ朝日)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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コメント

この「不毛地帯」という映像作品は、昭和の出来事を描く作品というよりは、昭和の映像作品を作るための作品なのでしょうか?
「白い巨塔」は、単に舞台を昭和から平成に移す以外にも、平成世代にも観てもらうことを意識した演出や脚本があったと思います。前回のコメントで誤解されたかもしれませんが、仁の偏差値45とは作品の出来ではなく、偏差値45の人にも「見てもらう」工夫(下手すりゃ、製作側の作りたいクオリティ下げるリスク)をしているということでした。
で、かたた偏差値65(苦笑)の「不毛地帯」。約1ヶ月
の休養(冷笑)に、ハッキリと局の判断が出ましたね。「休める回は全部休む」
ムダに長い年数が舞台になっているが、時代背景も年数ゆえの人の心の変遷も何もない、だから、何年経っても同じ顔の登場人物に違和感もない。
十年以上お互いの「やりたい」気持ちを抑えてきた壱岐と千里にしても、ダンスのくだりやコートを掛ける描写など偏差値65的演出があっても、で?としか思えないところが辛いです。
ステロもいいところの描写を課せられながら、病にもんどりうつ演技の中で、里井の俗物とだけは切り捨てられない業を垣間見させた岸部一徳さんの演技だけが見ものでした。(一方で、病み上がりのせいか、演技がスタンプ化している原田芳雄さんは、番組自体を見切っている感じか~ヤマ場は先だし)
積極的に弁明に走ることで、意外にも再評価の声すら聞かれだした「官僚たちの夏」に対して、このまま座して死を待ち、皮すら残さず終わるのですかね「不毛地帯」

投稿: ひろすけ | 2009年12月20日 (日) 11時30分

(笑)偏差値40~ひろすけ様、いらっしゃいませ~偏差値65(苦笑)

ドラマの基本も様々ですが
ひとつの基本として
人物、舞台、関係性
の三点に絞ることで考えて見ます。

誰がどこでどんな関係をするか・・・

ということでございます。

ロミジュリならば

ロミオとジュリエットが墓場(教会)で情死する

ということになります。

ここで舞台となるのは

14世紀のイタリアの都市ヴェローナで
これをイギリス人のシェイクスピアが16世紀に
描いたわけです。

これをイギリス人の目で
考えると
100年以上も前の外国の話・・・
なのでございますね。

エンターティメントの基本のひとつには
「わかりやすさ」がありますが
もう一つには
「知らないことを知らしめる」という要素があります。

実はこの要素は実に複雑です。

「知らないことはわかりにくい」
という前提が横たわるからです。

現代劇と時代劇を対比すると
誰もが知っている現代を舞台にするのと
誰も知らない過去を舞台にするのと
どっちがわかりやすいか・・・
という素朴な疑問がわいてきます。

普通に考えれば
現代劇に決まっているわけですが・・・

「水戸黄門」が超難解か・・・
というとそうでもなかったりするわけです。

しかし・・・本当は超難解なのかもしれない。
お茶の間はその難解さに気がつかないだけだ
という考え方もあるのですな。

創作者は誰もが面白いことをわかりやすく
作っているつもりで
気がつけばひとりよがりだったりします。

しかし・・・時にはひとりよがりでなければ
面白くならない場合もあるわけです。

「仁」はその加減が絶妙。
「不毛地帯」はそうでもない・・・ということでしょうかね。

キッドは不毛地帯は

壹岐と千里が戦後日本で不毛な関係を築く

ドラマだと考えているのでその点については
実に精魂こめて作られている感じはします。

ただし、キッドは

直子が戦後日本でそこそこ萌えさせてくれればいい

という視点なのでございます。

まあ、壹岐が戦後日本でひたすらのし上がっていく

というドラマを期待しているとタイトルを思い出した方がいいと

キッドはアドバイスしたいのですな。

キッドは何度も申し上げていますが
「不毛地帯」の映像化としては
このドラマは最高水準だと考えます。

ただし・・・それがお茶の間に受けないだろうことは
最初から予想していました。

まず・・・ドラマをうっとりと見るということが
今のお茶の間は苦手になっていると
考えるからです。

ものすごくサービスしないと
サービスされた気がしないお客さん相手なんだよなぁ。
と思う今日この頃です。

投稿: キッド | 2009年12月21日 (月) 03時52分

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