勘違いしないでアンタッチャブルなのだから(仲間由紀恵)最終決戦嬢王V?12(原幹恵)暗闇にさようなら(黒川芽以)
気がつけば今年の秋ドラマはクリスマスを前にほとんど姿を消していくのである。そういう意味でいろいろな問題はあるが「クリスマスのデート」を決め手にしてきた「東京DOGS」は月9の伝統をおごそかに受け継いでいるとも言える。そして「アンタッチャブル」もまた最後に聖なる夜を匂わせてくるのだが、実はホラー映画としては常套手段である。クリスマスは言わずと知れたナザレのイエスの生誕を祝う祭日だが、その裏返しには「闇の子」の誕生を示すオーメンの物語が存在する。神の精霊により処女マリアが懐妊するように闇の精霊もまた獣の数字を持つ御子をこの世に為さしめる。「アンタッチャブル」は解読次第でその手の物語であることは明らかであろう。そういう妄想がらみで見ないともたない作品ではあるが。
一方、深夜にわが道を行く「嬢王世界」は暗闇に飛び込む聖女の物語である。
そこには男を食い物にする女たちの神々しき戦いが繰り広げられるが・・・最後は真の闇に堕ちかかる天使をその他の天使たちが救うという冒険譚になっている。女と女は激しく憎悪し、やがて女と女の愛にたどり着くのである。ヒロインの男の恋人が最終話から退場させられるのは本筋ではないから・・・ということになるのだな。
今季の金曜日のドラマは非常に刺激的でいろいろな意味でかきたてられるものばかりだったな。
で、『アンタッチャブル~事件記者・鳴海遼子~・第9回(最終回)』(テレビ朝日091218PM9~)脚本・橋本裕志、演出・唐木希浩を見た。遼子(仲間)の身近な存在であると言う謀略家「名無しの権兵衛」・・・その一人と目された鷹藤(佐藤智仁)の卒業文集の魂百までの醜悪な過去は捏造されたものだった。その情報をもたらしたものは遼子の兄の鳴海刑事(小澤征悦)の部下である片山刑事(辻谷嘉真)だった。しかし・・・鳴海刑事はその仮説を否定する。
鳴海「片山は俗人すぎる・・・名無しの権兵衛はもっと高尚な人間のはずだ」
江島博士(荻野目慶子)殺害の容疑で全国に指名手配された鷹藤だったが・・・遼子に電話で無実を主張する。
先週から優しくされて鷹藤が気になる異性になってしまった遼子は素直にそれを信じるのであった。
一方、永倉(寺島進)の主導する新政党・地球党に対抗するために与野党は大連合で応じ巨大政党・新世界党が誕生する。
脅威を感じた永倉は新世界党幹部を暗殺するために毒ガステロを計画する。
協力を求められた天才児・遠山(要潤)は父親を殺害されたことを理由に拒絶しようとするが、永倉は新たな人質として遠山の遺伝子によって誕生した遠山ジュニアを提示するのだった。もはやファンタジーの領域に突入したのである。
テロ計画は新世界党の結成パーティーで来賓として参加する地球党の子供たちを含めて犠牲とすることを前提としていた。
遠山はこのテロを阻止することを決意し、鷹藤と情報を交換する。そして遼子におそるべき真実を告げるのだった。
「永倉を影であやつり・・・君の両親や鷹藤の家族を爆殺したのは・・・君のお兄さんだ」
「そんな・・・お兄ちゃんは・・・私のたった一人の家族なのに・・・」
非力ながらテロを阻止しようとする遠山はパーティー会場を警備する警官に拘束されてしまう。
絶望に襲われる遼子の背後に佇む鳴海刑事。
ついに対決の時は来たのだった。
「どうして・・・そんな馬鹿なことを・・・したの」
「あれほど真相には近付くなと言ったのに・・・聞き分けのない妹だ」
「カレーライスが好きで鯛焼きの好きないつものお兄ちゃんに戻ってよ」
「しかしお前の母親と精霊との交尾によって生れたのがお前の兄なのだ。お前の父親は聖なる浮気を憎悪し、そして俺に体罰をもって報いた。父親は神に嫉妬し、闇に堕ちたのだ。父親の中の光は人の子であるお前に注がれた。お前は溺愛され、お前の兄は乱暴に扱われた。お前の父親の闇はお前の兄に注ぎ込まれ、そして一匹のモンスターを育てたのだ・・・それが・・・俺なのさ」
「お兄ちゃん・・・まさか・・・頭に・・・」
「あるとも・・・聖なる獣の数字の刻印がな・・・」
「お兄ちゃん・・・かわいそう・・・」
「かわいそうではないよ・・・わが愛しい妹よ・・・俺はやがて輝ける光の帝国を築くだろう・・・そしてお前こそはその帝国の女王となるのだ」
「私はそんなものにはなりたくない・・・お兄ちゃんがやっているのはただの憐れな復讐に過ぎないの」
「復讐・・・そんなちっぽけなものではない。この薄汚れた世界を浄化し、正しい友愛に導かれた秩序ある理想郷を作る・・・これは革命なのだよ」
「愚かだわ・・・復讐と革命が同じことだとなぜ分らないの・・・」
「そんな味噌と糞を一緒にするようなことを言ってはいけないよ・・・さあ・・・防毒作業衣に着替えなさい・・・二人で新世界の到来を待とうじゃないか」
「こんな不細工なものを着ちゃだめだってコーディネーターが言うに決まっているでしょう。私があえてちょっとダサダサに着こなしているからってタイアップをなめないでただでさえ経費節減なんだから」
「じゃあ・・・その手で俺を葬るがいい。愛しい妹の手にかかるなら俺も本望だし・・・お前は俺を殺すことによって俺の孤独に触れることができる。人に正しくものを伝えるためには体験してみることが一番だと学校で習わなかったか・・・」
「私は闇を拒否するわ・・・ただ哀願するのみ・・・もうやめてください」
「それはできん」
しかし・・・鳴海刑事に家族を殺された男・鷹藤は・・・近親憎悪する兄を鳴海刑事に殺されたと思い込み恩義を感じる傀儡・永倉を人質にとり、鳴海刑事の計画をぶち壊す。
「毒ガスはどこだ」
「・・・あそこです」
警備陣によって発見される毒ガス発生装置。
鳴海刑事が配置した手駒もすべて逮捕されてしまう。
「ふ・・・これまでか・・・弘法も筆の誤りとはこのことだな」
駆けつけた警官に確保される鳴海刑事。
「お兄ちゃん・・・」
「まだ・・・俺を兄と呼んでくれるのか・・・愛しい妹よ・・・だが・・・案ずることはない。俺を裁くことは誰にもできないのだ。なぜなら・・・我こそが世界を裁くものなのだから」
心身ともにすべての人を置き去りにして去って行く鳴海刑事。
護送車輌を見送りながら・・・遠山が囁く。
「疲れているだろうが・・・締め切りが迫っている・・・君の兄のとんでもない罪のすべてを記事にできるかい・・・えーと全部で何人殺したんだっけ・・・まあとにかく死刑は間違いないよな・・・死体で山ができる感じ・・・まあ・・・何人かは人間じゃなかったのかもしれないけどね・・・いや失礼」
「真相を追究するのが私の仕事ですから」
そう嘯く遼子の目の前で鳴海刑事を乗せた護送車輌は制御不能となり、空中に舞い上がり火球となってやがて海中に没する。
人々は恐怖に立ち竦むのだった。
人の子である遼子は過去をたやすく忘れ去る。クリスマスシーズンを前に恐ろしいのは一人ぼっちの聖夜を過ごすことだけだった。しかし・・・今年の聖夜はきっと素晴らしいことが待っているにちがいないと信じる遼子である。
遼子の誘いを「ラーメンくらいなら付き合うよ」と受ける鷹藤。
そんな遼子の背後にはサンタクロースが立っている。そしてその影には闇の子が潜んでいた。
彼はつぶやく「メリークリスマス」と。
関連するキッドのブログ『先週の金曜日のレビュー』
→トリック
で、『嬢王Virgin・第12回(最終回)』(テレビ東京091219AM0012~)原作・倉科遼(他)、脚本・梶木美奈子、演出・岩田和行を見た。最終回のサブ・タイトルが「感涙驚愕結末!!最後の裸」である。「アンタッチャブル」の「虹の彼方」と比べると同じ地球上の出来事とは思えない。もちろん・・・舞(原幹恵)も堂々たる下着姿を披露するが、最後となると亜美(麻美ゆま)のポロリである。とにかくもう万歳三唱というか天晴れ連打である。
朋(黒川)は闇の王女である香織(かでなれおん)に拉致され、闇の組織の男たちに六本木近郊の倉庫街でいたぶられるのだった。
香織「よくも私からすべてを奪ってくれたわね・・・私の前にはいつくばって許してくれといいなさい。さもないと・・・」
朋「・・・・・・」
一方、瀕死の床にある優衣華(原紗央莉)は舞に夢を託す。
優衣華「行きなさい・・・あなたの大切なゴールに向かって・・・そして私に勝って・・・あなたに嬢王になってもらいたいの」
舞は遅刻した。
しかし・・・すでにゲスト(客)にもキャスト(キャバ嬢)にも絶大な人気を誇る舞。たちまち店内は活気づくのだった。
過去のゲストも大量来店し最終回には華を添える。
そこへやってくる亜美。
亜美「朋が香織に拉致られたわ」
舞「私には嬢王グランプリがありますから」
すっかり舞贔屓になった珠里(木口亜矢)と翔子(横山美雪)はヘルプとして舞の売り上げに貢献するのだった。
加藤店長(津村知与支)「舞さん、ぐんぐん売り上げ伸ばしています・・・逆転も充分ありえますよ・・・」
客「俺・・・再就職できたんだ・・・ピンドンいれるよ」
客「ゴールはすぐそこね」
舞「ゴール・・・」
舞は回想した。くじけそうになったとき励ましてくれた朋。貞操の危機を救ってくれた朋。ライバルとして火花を散らした朋。そしてともにゴールを目指そうと誓った朋を。
舞は途中退場した。
夜の町を舞は走った。ハイヒールの踵が折れても走り続けた。ハニーフラッシュをしそうな勢いで走った。
その頃・・・倉庫では・・・香織が「しぶとい女・・・どうして謝らないの」と舌打ちしていた。
血まみれの朋はまさに裸に剥かれようとしいてた。一部愛好家が目をそらそうとしてもどうしても画面に釘付けになる瞬間。
失望と安堵のため息を背景に舞の登場である。
香織「この女も好きにしていいわよ」
男たち「どうせ殺すんならその前に味見させてもらおうか」
その手を払いのける舞。そして自らドレスを脱ぎ去り青い下着を披露するのだった。
このシーンのために絞りすぎたんじゃないかと心配になるほどのナイス・ボディーだ。
舞「どうにでも好きにしていいわ。やりたければやればいい。そのかわり朋ちゃんは助けてあげて」
香織「馬鹿じゃないの!・・・こんな女のために」
舞「私は決めたんです・・・どんなにつらいことからも逃げないって・・・」
そして下着に手をかける舞。
朋「やめてーっ」
泣きじゃくる朋だった。
朋「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」
舞「力で人を押さえつけたってむなしさが残るだけじゃないんですか」
朋「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」
香織は心が折れた。そして闇の中へ退散した。男たちは下半身の疼きと戦いながら追従するのであった。
朋「ごめんなさい・・・」
舞はそっと朋の手を握った。
ふたたび「MUSELVA」に戻った舞。その乱れた服装にすべてを悟った客(伊佐山ひろ子)は「三分あげるわ・・・着替えてらっしゃい」と言葉をかける。
その頃、朋は優衣華の病室に現れていた。舞の代わりに優衣華を看取るためである。
最後の追い込みをかける舞。病床で最後の戦いをする優衣華。ついに「嬢王GP 2nd」には終了のゴングが鳴らされる。
優勝は優衣華だった。不在の嬢王に沈黙する店内。
加藤店長「わずかに及ばなかった2位は舞さんです」
客は暖かい拍手を贈った。
「優勝しなければ滅びるのみ」という哲学の主催者・雨宮(永田彬)は口を閉ざす。
その時・・・訃報を伝えるために朋が駆けつけた。
舞「一言挨拶させてください・・・嬢王になった優衣華さんはここにはいませんが、最後まで戦いぬきました。私は優衣華さんにもそしてお客様にも大切なものをたくさん与えてもらいました。そして・・・ゴールすることが大切なのではなく・・・ゴールまでの道程が大事なのだと教わったのです。どうか・・・乾杯してください。嬢王優衣華さんに・・・乾杯」
客たち「乾杯」
名残を惜しむ客たちの中に姿を見せた初代嬢王・藤崎彩(北川弘美)・・・。
彩「キャストにとって・・・一番大切なことはお客様との心のやりとり・・・あなたはきっと素晴らしい嬢王になれるわよ・・・」
事務所の先輩の言葉にはにかむ舞だった。
ものいわぬ優衣華の亡骸に嬢王のティアラを奉げる舞。
「おめでとう・・・よくがんばったね」
エピローグである。
闇の帝王・桐島(大河内浩)から独立を許される雨宮。
桐島「それが娘の願いなのだ」
非情の男、雨宮の前から人々は去って行く。
雨宮「俺は・・・負けたのか・・・」
舞「あなたは私に・・・心なんて捨てろと言ったけれど・・・それでは戦う意味を感じることもできなくなってしまうでしょう・・・今なら間に合います・・・あなたを愛してくれる人がいるのですから」
雨宮は闇の帝国を出てファースト・フードで働く香織に会いにいった。
そして・・・香織を取り戻した。
店長は亜美にプロポーズした。
亜美「こんなズブズブの愛人あがりの女なんてやめておきな・・・私は人より犬がお似合いなの」
店長「私は亜美さんの犬になります」
亜美(ぽろり)
店長と亜美は結婚して花屋になった。
初体験の相手である桜木(大口兼悟)から舞に花が届く。
桜木「ゴールまで走り続けたあなたを尊敬します」
表の世界の男は・・・結局すべてから逃げたのか。
朋「これからどうするの?」
舞「優衣華さんみたいになりたいれど・・・私はあんなに輝いていないし・・・」
朋「舞には優しさがある。私の心を照らしてくれた・・・舞は充分輝いているよ」
そして・・・朋は流離の旅に出るのだった。
やがて舞は・・・夜の闇の中で輝く蝶になったと言う。
次なる原幹恵はTBSの深夜ドラマ(2010年1/20スタート)「新撰組異聞PEACE MAKER」に登場する模様。山崎烝の姉役である。もちろんくのいちだ。その運命は・・・。「菅野美穂の曲げられない女」と戦うのか・・・そりゃ・・・困ったな。ま、鬼が笑うからこの辺で。
日曜日に見る予定のテレビ『坂の上の雲』(NHK総合)『JIN・仁』(TBSテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
終わっちゃいましたね~。。。
まぁツッコミ所満載で、最終回も毒ガスが見つかる下りなんて
ギャグかと思うほどでしたが、(これをギャグにできちゃえば、
もう神なんですけどね~)それでも楽しめました。
兄と妹の下りは、ちょっと泣けましたわ。
ホラー的映像も楽しめたし、続編は望めなくても、
仲間由紀恵には、まだ山田が出来るんだって事も解ったし^^
色々と収穫のあるドラマでしたわ~。
投稿: くう | 2009年12月19日 (土) 23時17分
お疲れ様でございました。
とにかくトリック十周年感謝祭なので
http://www.yamada-ueda.com/
もう来年が待たれる今日この頃。
出来がいいとか悪いとか
最初から超越しているコンテンツって
凄い・・・感じがいたします。
まあ・・・そのなんていうか
予兆のようなドラマでしたので
よかったんじゃないかなぁ~と
思う今日この頃でございます。
とにかく鳴海刑事が
作っていたペーパークラフトが
伏線だったというこが判明し
よかったなぁ・・・と思うのでございます。
キッドは最後は死んだと思われていた
ゲスト・・・浅野ゆう子とかが
全員、悪魔の使徒として
復活するような最終回でもよかったのですが・・・
さすがにそれはなかったですな。
ギャラ的にも無理だしな。
とにかくそつなくまとまって
好印象の最終回でホッといたしました。
あの会場の警備陣は
有能だったということですよね。
さあ・・・トリックのテーマソングでも
聞きながら
タマゴでも割ろうと思います。
・・・カシャッ。
投稿: キッド | 2009年12月20日 (日) 00時44分