永遠の恋人をあなたに(綾瀬はるか)救命病棟ちょい停電(北乃きい)
さて・・・「ダイ・ハード4.0」を見た後だと、すべてのエンターティメントが気の抜けたサイダーのように感じるわけだが、それにしても「救命病棟24時・2010スペシャル」はひどいよね。なんだか暗い近未来を暗示しているようだった。その後の「僕の彼女はサイボーグ」が映画とはいえ・・・そこそこエンターティメントに仕上がっていることを考えると・・・正月早々、ゴールデン・タイムで再放送ってなんだよ・・・である。
で、『救命病棟24時・2010スペシャル』(フジテレビ100103PM0915~)脚本・林誠人、演出・河毛俊作(他)を見た。第4シリーズのその後を描くわけだが・・・一時間以上は回想シーンである。なんじゃそりゃだな。まあ・・・見逃していた人にはいいサービスだったのかもしれないが、ただでさえ・・・もう一つ盛り上がらなかったストーリーをもう一度見る気にはなれない・・・という人は多かったと思う。とりあえず、我慢とかザッピングとか録画で早送りとかして・・・たどり着いた新作部分。進藤先生(江口洋介)は新たに崩壊した救命病棟の視察のために出張中である。
その留守中、全米を震撼させたサイバーテロが日本に来襲、ハッカーの群れを追ってジョン・マクレーンが来日、しかしガブリエルはすでに日本を大停電に・・・おい。
ネズミに予備発電システムの基盤をかじられて電力を失った海南医大は大事故による急患と、院内で発生するアクシデントに右往左往するのだった。
しかし・・・進藤によって鍛えられた小島先生(松嶋菜々子)は困難に立ち向かうのである。
医局長に抜擢された小島を今時、女と見て侮る病院長(夏八木勲)・・・しかし、停電中の病院に入院中の妻が急変。小島の迅速な処置で一命をとりとめると改心するのだった。
小島「目の前の患者の命を助けるのが仕事ですから・・・ただし予算不足で最新の医療器具が配備されなければせっかくの修練もムダになります」
エレベーターに閉じ込められたナース鴨居(北乃きい)は頼りにならない研修医を叱りつつ、進藤先生の到着を待つのだった。もちろん、「鴨居、よくやった」と進藤先生に褒めてもらうためである。
医療改革を目指す澤井(ユースケ・サンタマリア)は演説する。
「かって・・・世界第二位の経済大国だった我が国は・・・国民がそれなりの医療を受けることができた。しかし・・・経済が失速し二流国に転落しつつある今は医療も二流になるほかはない。だからといって救命医療を収縮するのは間違いです。とりあえず・・・助けて・・・後のことはそれから考えればいいじゃないですか・・・国家だってとにかく借金で回していくんだから」
実に・・・夢も希望もないビジョンである。
しかし・・・まあ・・・何事にも限界はつきものである。
小島「限界だと思ったら限界なんです。限界と思わなければ可能性は無限です」
発想の転換。それが・・・失敗への道でないことを祈るばかりである。
人生はギャンブル。そして救命医療もまたギャンブルなのだな。
進藤「常に全額を賭ける。それがギャンブラーの宿命だ・・・」
そして・・・進藤は旅立つ。新たなる急患を求めて。ドライブで。事故には気をつけてね。
関連するキッドのブログ『救命病棟24時・最終回』
で、『僕の彼女はサイボーグ(2008年公開)』(TBSテレビ100104AM0010~)脚本・監督・郭在容を見た。韓国映画『猟奇的な彼女』の脚本・監督である。「彼女」がサイボーグというジャンルには含まれないと以前にも言及したが・・・それはあくまである領域における専門用語としてはである。「彼女」が「自分はサイボーグだ」と主張するんじゃしょうがないよね。
ちなみに・・・「彼女」は人間だったりもする。この作品では次の超科学技術のシステム開発が前提なのである。
①人間そっくりの外観を持ち、超高速移動、怪力などの超人的能力を装備、かつ、成長型電子頭脳をもったロボット。
②人間の脳内記憶を外部情報源から直接転送更新できる技術。
③タイムマシン
ものすごい技術革新である。これから100年の間にそれらがすべて実現されるなんてものすごいファンタジーだ。
まあ・・・それはそれとして・・・永遠の恋人を求める一部愛好家には甘くせつないラブ・ストーリーなのである。
北村ジロー(小出恵介)は冴えない地方出身の大学生。科学者になるのが夢だが誕生日を祝ってくれる恋人はおろか友達もいないのである。
その寂しさから生じる妄想は異なる世界を生みだしていく。
第一の世界。ジローの前に「彼女」(綾瀬はるか)が現れる。「彼女」は実は22世紀から来た未来人である。未来彼女はジローを知っているがジローは未来彼女をしらない。
未来彼女はジローとともに2007年の誕生日を祝う。
ジローは一夜限りの大騒ぎで犯罪的(食い逃げ)だがロマンチックなデートをする。
そして「キスをした男に嫌われた」と謎の言葉を残して去る。
その後・・・ジローは二度と彼女に会うことはなかった。
ジローの一生は悲しみに満ちていた。2008年の思い出のレストランで暴漢(田口浩正)にあい、重傷を追い、不具者となった。バイト先の店外では子供が事故死した。テレビを見ていれば女子高が狂人によって殺戮現場となったのになす術がなかった。実の母親を見捨てた。しかし・・・たまたまロト6に当たって資産家になり・・・ついに彼女そっくりのアンドロイド(自称サイボーグ)を開発することに成功する。すでにタイムマシンが実用化しており、ジローは死後、サイボーグ彼女(綾瀬はるか二役)を過去の自分にプレゼントすることにする。おそらくタイムパトロールによる規制があるはずだが・・・かなりの資産を運用したのだろう。
第二の世界。2008年・・・ジローはサイボーグ彼女に出会う。サイボーグ彼女は暴漢からジローを救い・・・奇妙な同棲生活が始まる。サイボーグ彼女は子供の命を救い、女子高校生たちの命を救い、ジローを過去のふるさとに案内する。いつしか・・・ジローはサイボーグ彼女に恋をする。しかし・・・相手は機械の体である。ジローはなぐさめはいらないぬくもりが欲しいだけの病にとりつかれ「せめて気持ちがわかる」と言ってくれとおねだりして虚しくなり、サイボーグ彼女を拒絶してしまう。
サイボーグ彼女が姿を消すとたちまち後悔するジロー。そこで最初の世界ではなかった巨大地震が東京を襲い・・・絶体絶命のジロー。しかし・・・サイボーグ彼女は自己犠牲の限りを尽くしてジローを救助するのだった。
ジローは破壊されたサイボーグ彼女を保存し・・・科学者となって一生をかけて修理する。
そしてサイボーグ彼女はジローを看取り・・・オークションにかけられた。
時は22世紀である。彼女は自分そっくりのロボットがいると友人(吉高由里子)に教えられ、不思議に思いオークションに参加する。
すでにロボットの記憶を人間に転送する技術が開発されていた。倫理委員会による相当な規制があるはずだが・・・彼女は資産家の娘だったのだろう。
サイボーグ彼女の記憶と彼女の記憶は合体し・・・未来彼女はまだ見ぬジローに恋をしている自分を発見する。
第三の世界。未来彼女は2007年にジローと出逢った後で・・・一度未来に戻るが・・・恋心はつのり・・・東京大地震の後の世界にもう一度旅をする。
そこにはサイボーグ彼女の残骸を掘り起こすジローの姿があった。
ジローと彼女は出逢った。
そして・・・彼女にはジローに対する100年の思いとぬくもりが完備されていたのである。
こうして・・・ジローと彼女は幸せに暮らしました・・・で物語は終る。
しかし・・・大人たちは思う・・・たとえ甘美な思い出があったとしても彼女が人間である以上・・・百年の恋が醒めることは充分にありうるのである。
そのように生れる第四の世界が描かれないのは・・・きりがないからである。
関連するキッドのブログ『JIN~仁~』
『絶対彼氏』
火曜日に見る予定のテレビ『インディゴの夜』(フジテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
明けましておめでとうございます



救命病棟は騙されましたね。完全新作だと思ったのに・・・。
サイボーグは、やはり映画館で見てたら大暴れしそうな内容でした・・・綾瀬さんが現代に送られた姿がまっぱだったら許せたけど・・・。
今年もヨロシクお願いします
投稿: お気楽 | 2010年1月 4日 (月) 21時20分
あけましておめでとうございます。
救命のスペシャルは昔はそこそこ
スペシャルとして作ってあったのに
今回は・・・なんともはや・・・でしたな。
ゲストが夏八木勲だけなんて・・・。
やる気ゼロみたいな感じでした。
サイボーグは実はプロポーズ大作戦タイプの
構造を持ったドラマなんですよね。
本当はテレビシリーズでワン・クールくらいは
展開できるネタ。
見せ場が地震だけなのが残念な感じ。
作家が韓国人なんで
モラル感やノスタルジックな描写にも
違和感ありありだし。
まあ、綾瀬はるかの
コスプレ的にはキッドは大満足でしたけど。
特にバストや股間のアップには
サービス精神を感じました。
今年もよろしくお願いいたします。
投稿: キッド | 2010年1月 4日 (月) 22時06分
救命病棟4th、私は見逃していたものですから回想シーンは助かりましたが、きっちり見ていた方にとっては不要ですし、全体的にはうーん…((+_+))な感じでしたね。
消費税増税(を含む税制改革)の議論を向こう4年間封印する旨宣言した政党が国を担っている以上、医療にお金はまわらないのでは・・・と最近強い懸念を感じます。“打ち出の小槌”の発想に近い「低負担高福祉」を謳う傾向は、小泉内閣以前の自民党政権にもいえますが、某オザワ党ではそれがより酷くなってる気が。その点、景気回復後速やかに消費税増税行う旨閣議決定した麻生内閣は評価できる・・・と私は勝手に思っています。べらんめえ口調は嫌いでしたが(^^ゞ
4thは、澤井先生の主張=「医療にいかに財源を回すか」ということが一つのテーマと思ってましたが、厚生労働省が悪い的な結論で終わっていたのが残念。。もっと“政治的な闘い”部分をクローズアップしたら?と思いましたが、それでは救命病棟じゃないし、お茶の間受け悪いですよね(^^;。NHK土曜ドラマ枠の「ハゲタカ」っぽくなりそうですし・・・(そういえば「龍馬伝」って演出・音楽が「ハゲタカ」の方で、ファンドマネージャー鷲津役の大森南朋も出てましたね)。
投稿: ys_maro | 2010年1月 4日 (月) 23時51分
じいやさま、あけましておめでとうございます。
新年会で2010段のおせちに目が喜びました~。
今日はデミグラスソースのオムライスが食べたいので
あとで作ってね~♪
私もね「救命」はちょっと地味になった気がしました。
どこから新作がわからなくて面倒でしたね。
しかしネズミがかじって停電なんていつの時代の話でしょうね。
あと「僕彼女」は良かった~。
綾瀬さんのお肌の綺麗さを思い出しました。
ちゃんと映画館で見たんですけど、
一緒に行った友人と絶賛して楽しめましたよ。
ストーリーはすっかり忘れてましたけど、
そうそう、郡上八幡かどこかの日本が
変だったという印象だけは残ってました。
とにかくじいやさまには一本どころか
同時3本進行で今年も大変な幕開けですね。
どうぞご自愛くださいね。
あとでマッサージロボ送っときますね~。
投稿: エリ | 2010年1月 5日 (火) 11時35分
もちろん、長期シリーズで
それなりに積み上げがあっての
ドラマなので・・・なんとなくは見れるのですが
心に沁みるところがないっていうか・・・。
理屈っぽいし・・・ある意味愚痴っぽい感じ。
たとえば努力すれば必ず見返りはある。
それがまったく努力せずに
最初から決められた立場で特権的に
得られるものより少なければ
心がひるむ人もいるし
そんなことを気にしない人もいる。
どんな境遇でも
ベストを尽くすしかないという思い切りが
救命24時の変わらぬテーマで
そこだけははずしてはいけないような気がします。
世界がどんどん豊かになって
相対的に日本の富が目減りするときに
それを受け入れることを国民に強要しながら
自分たちだけは昔のように豊かであろうとする・・・
キッドは今の政権に
そういう危うさを感じます。
つまり、外面も内面もいいが
真心はどこにもない・・・と言う感じ。
それが・・・冷徹な国益への計算があっての
ことならいいのですが・・・
ぼんくらそうなのが心配です。
まあ、何様なんだ蓮舫が
内部にも目を光らせるといいと思いますけど。
一般的に
未来の国力には
「技術立国」化が必要と云われますが
1億総知識人になろうとしても
それは無理。
結局、情報強者が
連携して地球全体を支配するという潮流で
全世界の中間層は限りなく埋没していく
そういう流れの中で
ほとんどの人々は
自己満足に向かうしかない・・・
それが結論なのでしょう。
まあ・・・ある意味それは正解だし
ものすごく淋しい感じもします。
ナノテク、情報技術、生化学、遺伝子工学
これらの分野が医療を革新していくにしても
その全ての恩恵を
全ての人間が受けられるわけではない。
もちろん・・・よりよい社会は常に来るでしょうけど。
キッドは救命してその後にどうするか・・・
そういう問題を提起した「ギネ」の方が
ずっと心に沁みました。
まあ・・・終末医療にとりくんだ「風のガーデン」ほど
ではなかったですれど・・・。
予算のぶんどりあいを描く
救命病棟・・・面白そうですけどね。
小島「厚労大臣を人質にとるんですか」
進藤「それしかない」
小島「しかし、それはもはや医療の限界をこえてます」
進藤「やるしかないんだ。他に手はないっ」
・・・「24」じゃねえか。
投稿: キッド | 2010年1月 5日 (火) 22時32分
あけましておめでとうございます。
おせちもいいけどオムライスもねーっの
季節でございますな。
じいめは今日は
チャーハンが無性に食べたい感じでございます。
レストランで
メニューを端から
もってこいオーダーをしたい正月明けです。
「救命」はとにかくゴージャス感が
ありませんでしたね。
患者に一人くらい大物がいてほしかった。
今回の患者はほとんど「もの」あつかいでしたな。
ネズミってなんかおしゃれなつもりだったのか。
こんなことで最先端は転ぶという
前世紀のネタでしたな。
火星人風邪ひいて全滅とかと一緒でございます。
「僕彼女」は
見終わって・・・恋人のいる人は
胸がきゅんとなり
恋人のいない人ははうぅんとなる
作品だったように思います。
中森明菜で言えば
恋も二度目なら少しは上手に・・・なのか
一体、ひとつの恋を何度くりかえせば
正解になるのか・・・というお話。
この作品における日本は
都会も田舎も一種の
アジア幻想のフィルターがかかっているのですな。
半世紀くらい前の日本の田舎だったり
北京のような東京だったり
その変な感じが
はまる人にははまるし
そうじゃない人にはなんじゃこりゃなのですな。
名作「ブレード・ランナー」の世界観が
まだ漂ってるのだなぁと考えます。
あっという間に2010年になっていた
年末年始、今年もよろしくお世話をさせていただく所存
のじいめでございまする。
投稿: キッド | 2010年1月 5日 (火) 22時46分
キッド様
かなり遅れましたがあけましておめでとうございます。
謎の腹痛にみまわれて、ずっとコタツにこもって
おりました。キッドじいやの平成財閥正露丸の
おかげでございます。
ありがたや。ありがたや。
ところで元旦からBOSSの再放送の合間に
死ぬほど見せられた究明のSPの番宣でしたのに
ふたを開けたら1時間もダイジェストだったとは
本当に年始から詐欺でございましたよ!
腹痛のこともあって1時間耐えられなくなり
ねてしまいました。おかげでオリジナル部分を
録画で視聴ということになりなんだかなー。な感じです。
そうそう。昼ドラの「インディゴの夜」ですが
昼なのにミステリーってことで録画して見てます。
結構楽しんでます。
ま。そんな感じで今年もヨロシクデス。
投稿: みのむし | 2010年1月 9日 (土) 15時58分
あけましておめでとうございます。
ご無事でなによりでございます。
冬季は時々ウイルスが悪さを
しますからな
おなかの保温は大切ですな。
じいめはハラマキの上にホカロン装着いたします。
気をつけないと低温火傷いたしますけれど。
救命はなんともはや残念な感じでしたな。
結局、主役のアクシデントの影響を
最後まで脱することができなかった模様。
まあ・・・レギュラーの
数字は良かったので
関係者はホッとしているのでしょう。
とにかくプロデューサー(大泉洋夫人)が美人なので
心配です。・・・なんのこっちゃ。
インディゴの夜は
別に夜のドラマでも良かったと思いますが
まあ・・・いろいろあってよろしいのですな。
キッドはもう少し
脚本で笑わせてくれるかも・・・と
期待していたのですが
そうでもないので少しガッカリでした。
本年もよろしくお願い申し上げますルルル。
投稿: キッド | 2010年1月 9日 (土) 23時49分