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2010年1月25日 (月)

あなたがバカがつくほど親切だってことは分りました(堀北真希)毎回自腹覚悟で・・・って今、カバチタレましたね(櫻井翔)

さて・・・土曜日を完全にシカトして・・・「龍馬伝」→「特上カバチ」体制をとっているわけだが・・・①12.9% ②↘*9.9%なのである。

お願いだから敗北を認めて、ドラマに集中できるシステムにしてくれ。失敗してんだから~生電話とか~。変なテロップとか~。

内容ぬるいんだから番組企画もぬるくてもいいだろうに。

ま、土曜日も「ブラマン」*9.5%、「左目々」*8.5%の案の定ドロドロスタートでしたけど・・・「明日はない」↘*5.7%は問題外として・・・う、撃たないで~・・・それが言いたかったのか・・・「咲くやこの花」11.6%にしたくなる・・・レビューがもたないからしないけど・・・。

こ・・・これは「コード・ブルー2」以外、ドラマ全部ヒトケタという悪夢の予感が・・・。まあ、「龍馬伝」と「相棒」は別格として。

とにかく、カバチ、原作もキャストも脚本もまあまあなので演出さえ変えれば大丈夫だから・・・プロデューサー本気出して~。

で、『特上カバチ!!・第2回』(TBSテレビ100124PM9~)原作・田島隆、脚本・西荻弓絵、演出・加藤新を見た。しつこいようだが・・・田村(櫻井)のいる大野(中村雅俊)行政事務所ってヤクザみたい・・・という人がいるのだが・・・みたいでなくてヤクザです。

法律家はすべてヤクザですから・・・いい加減にしておけよ。

田村視点で見ると、友達から借金して返さないでいる人に味方することがすでに善人の限度を越えているわけです。

だから、アイドル・タレントの演ずる役柄としてはかなりオーバー・ワーク。

しかし・・・22才にしてバツイチ・・・しかも元不良の行政書士の住吉(堀北)もアイドル女優としてはかなり一線を越えています。

そのために原作からかなりアレンジが入っていることを考慮してみましょう。

ドラマ版の顧客・上杉(田口浩正)は息子が私立の医大に合格。寄付金や入学金などで早急に400万円が必要となり、元野球部の仲間に貸した金の返済を求める。

原作の上杉は優良物件が出たので賃貸マンションを購入するための頭金として早急に400万円が必要となり、会社の昔の先輩に貸した金の返済を求める。

どちらも家族のためと言いつつ、早急度合がかなり違っています。

取立て屋としての住吉の正当性が強調される展開になっているわけです。

しかし・・・原作のうらぶれた感じの魅力はなくなっています。原作の上杉氏は「家族よりも男の見栄を選んだこと」を妻に責められ、妻は実家に帰ってしまう悲惨な状況に。

こういう状態にはならず・・・妻が「私が相手方に土下座する」とか息子が「来年、国立に合格してみせる」とか言ってくれるドラマ版の上杉氏はもはやそれだけで幸せというものです。

つまり、逆に言えばそういう悲惨な状況にならない相手だからこそ・・・いざとなったら借金を踏み倒すという田村の酷薄さも緩和されるわけです。

まあ・・・お茶の間向けのアレンジとしてこれらは充分に納得できる優れた脚色と言えます。

それだけに・・・追い詰められる度に雷に打たれてビリビリしなくてもいいんじゃないかと思うのです。序盤で大家夫妻にクイズを出すときの編集もちょっと時間軸がずれていたし、田村の焦燥感を出すために通行人を加速させたりしなくても充分、魅力的なタレントが画面に映っていることを演出家は信じることです。

それより、逆光の描写をするときのライティングをもう少し計算するべきなのです。特に、横並びになったときにバックに大窓って意味不明です。あそこは壁を使って光と影で二人の位置関係を示すべきです。

まあ・・・巌流島のロケで押してしまったというならしょうがないですが。そんなことやる時間があるなら演技指導でこの場面の迫真性を煮詰めてもらいたい。

「お金を貸したのはこちらだが返してもらえないのは困る」

「お金を借りたのはこちらだが返済は待ってもらいたい」

お互いに弱みを隠しあってのはったり合戦。子分(田村)がやや有利になったところで親分(大野)が話って入り、これ以上のことは血を見るってことですぜと一匹狼(住吉)を恫喝する。

住吉「そんなヤクザみたいなこと・・・ってヤクザかーっ」

こうして、組織を持たないものは己の無力を感じるという展開です。

そして・・・大野組に草鞋を脱ぐことを住吉は決意するのですから。

ここはしっかりとした演技を見せてもらえば手に汗握る名場面ではないですか。極道ドラマとしてはーっ。

さて、一方の田村の依頼者。

ドラマ版では親から受け継いだ八百屋を経営する中山(吉田栄作)、母親は入院中で店の存続が心の糧という事情がある。上杉に対しては申し訳ない気持ちで一杯だ。

一方、原作では脱サラで始めた酒類販売もするスーパーを経営する中山。家族もなく店を守るために借金を重ね火だるま状態です。街金に手を出すかどうか一人電卓を叩く姿はわびしい限りです。

もう・・・切羽つまり方が違います。

原作とドラマとでは「墓場の鬼太郎」と「ゲゲゲの鬼太郎」くらい違います。・・・意味わからんわ。

まあ、というわけでかなり脚本は工夫しているわけです。

両者の利益を法的に守ろうとする行政書士と行政書士見習い(原作では新米行政書士)の戦いを・・・だから・・・もっと素直な演出でいいんじゃないのかなぁ・・・と思うわけですよ。

とにかくいざとなったら夜逃げを奨めちゃいそうな俺たちの大野はともかくとして・・・重森(遠藤憲一)と栄田(高橋克実)の上司コンビは抜群の存在感なわけですからーっ。ヤクザとしてっ。

住吉のはったり「裁判はしないけれど裁判所に支払いの督促の申し立てをしました。この件を銀行に善意で伝えれば融資の際の契約に従って期限の利益を喪失することになります。つまり、銀行から融資の一括返済を求められる可能性があるということです。私がそうしなくてもいいように借金を返済してください」(しかし、中山に夜逃げされたら困る)

田村のはったり「旧商法では設立に1000万円の資本金が必要でしたが会社法の制定により最低資本金制度は廃止されノーマネーでも株式会社は設立可能ですので中山商店は株式会社(原作では有限会社)になりました。中山個人の借金と中山商店は無関係ですので督促されても平気です」(だからといって借金が消えるわけではない)

ううん、お互いに完全に行政書士ではなくて・・・善意の第三者あるいはヤクザです。

結局、ボスの登場で住吉は泣き寝入り状態に。

それでは・・・恫喝力のあるものが勝つというお茶の間ドラマとしては最低の展開に。

そこで・・・中山は深夜にアルバイトまでしてなんとか200万円を捻出。

そして田村が一声かけると元野球部のナインが集まり、小額を出し合ってさらには15万円も田村が自腹を切るという・・・これまでの戦いはなんだったのかという掟やぶりの展開です。

こうして・・・上杉の手には400万円が渡り、俺たちの友情は永遠に・・・続くのか・・・。

まあ・・・とにかく・・・超がつくほどのお人好しの主人公はともかく、ヒロインは組織対個人の不利を悟り・・・大野組に参加。有資格の後輩と無資格の先輩として・・・コンビが結成されたのである。彼らの戦いはこれからが本番なのだった。

まあ・・・「住吉先生」に「田村」と呼び捨てにされるのは当然だとしても・・・重森と栄田がすでに出勤しているところに「おはようございます」と出社してくる田村はないよな。

まず・・・朝一番でアニキたちが出勤前に社内掃除だろう。舎弟なんだから。田村はっ。

この世界(組織)の基本ですからーっ。まあ、田村に栄田が説教しすぎるとおバカな一部愛好家からカミソリ送られる危険はあるかもですがーっ。

関連するキッドのブログ『第1話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『泣かないと決めた日』『まっすぐな男』(フジテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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コメント

>法律家はすべてヤクザですから・・・
暴対法で規制される方が“違法”なヤクザなら、法律家は“合法”なヤクザみたいなもんですもんね。

この作品を見ていると・・・演出過剰で残念な作品になってしまった「猟奇的な彼女」を思い起こします。
基となった韓国映画が、ディレクターズカット版DVDを買うほど好きな私には第1話で継続視聴を断念したほど。。映画にシフトしていた田中麗奈を起用した意欲作だったんでしょうが、無理やり韓国版をリメイク(と言えるのかもビミョーですが)しなくても良いのに・・・と思ったものです。

日曜劇場って時たま凄まじいホームラン(GOOD LUCK!!、仁など)を出すかと思えば、年齢差カップルに固執して“自爆”(織田裕二&上野樹里、さんま&長澤etc.)したり、演出が残念だったり(猟奇的、稲垣&小雪etc.)するなど、これほど視聴率の高低差が激しい枠は無い気がします。

投稿: ys_maro | 2010年1月27日 (水) 19時11分

♬♬♬のだめデスヨ♬♬♬ys_maro様いらっしゃいませ♬♬♬のだめデスヨ♬♬♬

なにをもってヤクザとするかは
人それぞれですが・・・
キッドは人の弱みにつけこむものは
ヤクザの名に相応しいと思います。

自由というのは失うものが何もないことと
ジャニス・ジョプリンは歌うのですが
結局、人は失いたくないものが
あればあるほど弱くなる。

ヤクザは命知らずだったり
情け知らずだったりして
命や情を大切に思う人につけこむのです。
法や律は命もなければ情もないので
ヤクザなものになりやすいのですな。

まあ・・・そういうものに
血を通わせようとするのが
「カバチ」の世界。
殺伐とした中にこそ生きている実感がある。
そういうドラマをつい期待してしまいます。

大衆的なものというものは
いつだってピンキリなのですが
時々・・・凄いものが生れることがある。
本当はいつも凄いものに出会いたいのですが
それがままならぬのが世界というものなのでしょう。

キッドはたまにでいいから
傑作にめぐりあいたいものだ
と思うことにしています。
少なくともそう信じています。

そうでないと駄作とめぐりあったとき・・・
やりきれなさに耐えられませんので。

投稿: キッド | 2010年1月27日 (水) 20時12分

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