もうさよならなの(小川範子)七番目の女(平愛梨)
さて・・・なんだかんだ元日なのでなんだかんだもろもろのことがある。
まあ、お雑煮を食べたり、数の子を食べたり、栗きんとんを食べたりである。
一応、昨夜の「紅白」もチラ見したり、「ガキの使いSP」を見たりである。
いつの間にか、再開していた「テレプシコーラ・第2部1~3」とか「のだめ」の最終巻とかも読まねばならない。
別にねばじゃないだろう。
なつかしの寄席VTRで先代林家三平が出れば・・・じっくりと見るし、当代三平もついでに見て、「三平の後に三平じゃ・・・つらいだろう」「でもまだ若いからね」などと家族と会話もしなければならない。
うっかり買い忘れた日めくりのカレンダーを買いに行き、カレンダー屋が元日だけ休みなので無駄足を踏んだりする。
昨日が大晦日だったことを元旦には忘れる家族がいるので日めくりは絶対に必要なのだ。
まあ・・・そんなこんなでもう・・・夕方である。
年末に外していたエンターティメントとしてはかなり良質の「行列48時間」ととにかく小川範子が15才の時から36才まで続いた「はぐれ刑事純情派最終回スペシャル」を一応記憶に止めておきたいが・・・もうすごくあっさりした記述になるのは・・・一年の計などまるでない元旦だからです。
で、『行列48時間・第1回~最終回』(NHK総合20091016PM10~)原作・藤田宜永、脚本・樫田正剛、演出・土方政人(他)を見た。ドラマ「おひとりさま」の裏番組である。09年の秋ドラマは金曜日に他にも「アンタッチャブル」「マイガール」「嬢王Virgin」があって・・・まったく手が回らない。と同時に・・・コン・ゲームの匂いのするドタバタ・ミステリなのでレビューの手加減が難しいのである。つまり・・・ものすごく面白いのだ。でも面白いことをそのまま書いたらキッドのレビューにならないのである。
だから・・・面白い感想についてはまこお嬢様のレビューを参照してくださいりませ。
しかし、ものすごい面白さにも関らず平均視聴率は*3.6%である。くやしかったのか年末に二夜連続でまとめて再放送していました。
まあ・・・とにかく・・・NHKは裏に民放連続ドラマのない時間を選ぶといいよね。月曜日の10時とか日曜日の10時とか、土曜日の10時とか、火曜日の8時とか、水曜日の8時とか、あいてるじゃん。
素直にそういう時間にならではのドラマをやればいい。まあ、「外事警察」と「行列48時間」と「ふたつのスピカ」のような・・・ならではのものを作れるわけだからーっ。
ああ・・・ドラマを見たな・・・と言う感じのものはならではのものでございましょう。
さて・・・簡単にふりかえっておくと・・・「ギネ」にもでていた國村隼が主人公の宝福喜朗を演じる。定年間際の男である。喜朗は妻(森下愛子)と娘(岩田さゆり)のためにデパートの福袋を買うために年末から行列に参加する。開店までに起こる悲喜劇に費やす時間が48時間なのである。
前から五番目をキープした喜朗はまずまずのスタートをきるのだが、六番目にならんだ生方(金田明夫)は実は娘を誘拐されて身代金2億円をバッグに入れて犯人の指令によって行列に並んでいたのである。
そして周囲では大河原管理官(渡辺いっけい)の指揮の下・・・笹島警部補(佐野史郎)たち警察関係者が多数厳重警戒を実施中なのである。
ね・・・面白そうでしょう。
やがて七番目に並んだ影のある女・沙也加(平)がからんで・・・喜朗は仄かな恋に堕ちたりもします。
しかし・・・その浮いた行動はすべて刑事たちの監視下に置かれているのである。
爆笑です。
周囲には不可解な行動をとる人物たちが現れ・・・大河原管理官は・・・喜朗について誤解に誤解を重ね・・・誘拐グループの関係者としてマークし続けるが・・・そのことにまったく気がつかない喜朗。
爆笑なのです。
一方・・・喜朗の妻は人妻キラーの色男(長谷川初範)によろめいたりしているのです。
その色男と心中しようとしている駒子(かたせ梨乃)なんかもからんできます。
そして・・・怒涛のハッピーエンド・・・。最初から年末特別番組にしておけばよかったんじゃないのか・・・。
ただただ・・・そう考えます。
関連するキッドのブログ『花ざかりの君たちへ』
で、『はぐれ刑事純情派 最終回スペシャル』(テレビ朝日091226PM9~)脚本・奥村俊雄、演出・岡屋龍一を見た。あまりテレビを見なかったり、あまりドラマを見なかったりする人が偶然、このドラマを見れば「まだ、やってたのかよ」と思うに違いないドラマである。小川範子が「ガラスの目隠し」をヒットさせていた頃からやっているドラマだ。その年に生まれた子供は全員成人式を終えているのである。
実年齢で言えばはぐれ刑事安浦はスタート時点においてすでに定年が近い55才である。それから20年以上も靴下に穴をあけながら現役を続行してきたのだ。年齢詐称を断固拒否するデジタル・テレビでみたら・・・すべてのシーンがありえない展開なのだな。
しかし・・・ま・・・いいじゃないか。最終回と言っておきながら本当の最終回がまたあったとしても・・・安浦刑事にまた会えるなら・・・という甘い視線で受け入れたい。
安浦刑事には二人の娘があるが何れも血縁はない。長女エリ(松岡由美)は亡き妻の連れ子であり、夫はラーメン屋の島崎(瀬戸陽一朗・・・自称天才マジシャン山田のおっかけのあの人だ)である。次女・ユカ(小川)は安浦が逮捕した犯人の娘である。血のつながりより情のつながり・・・これがこのドラマの底流に流れている。
最終回も安浦が「俺は子供の頃、継母をお母さんと呼んであげなかった・・・それを今も悔やんでいる」と告白したりしている。
安浦を慕う女たちがいる。一人は長年、部下を務めたあげく、安浦よりも先に退職した田崎巡査(岡本麗)である。一児の母だが、独身で安浦の後妻の座を狙いつつ・・・ついに果たせずに終る。最終回で安浦がプロポーズしたのはバー「さくら」のママ(眞野あずさ)だった。20年以上も待たされたらそりゃ泣くわな。
次女ユカは中学生で登場し、結婚目前の恋人・山岡刑事(城島茂)がいたりしたこともあったが、山岡は2003年に殉職し、その後、女性警察官になっている。
安浦の所属する警視庁・山手中央署の署長はずーっと横溝(梅宮辰夫)である。数年で配置転換が行われる警察人事ではありえない出来事であり、これだけ続けたら地元有力者との癒着は想像を絶する腐敗臭をはなっていることだろう。松浦の上司・川辺刑事課長(島田順司)もずーっと「おいおい、やっさん」を言い続けて20年である。
この他にも田崎巡査退職後の相棒・小池刑事(池上季実子)など多数の刑事が登場します。
とにかく・・・刑事ファンタジーとしての原型はすべてこのドラマにあると言っていいだろう。
たとえば・・・事件関係者が・・・刑事たちの顔見知りという展開である。
今回で言えば・・・第一の被害者・杉本弁護士(須部浩美)は小池刑事の友人である。そして次々と起こる殺人事件の鍵を握る容疑者・北原(佐藤アツヒロ)は安浦刑事の顔見知りである。さらに事件の黒幕である益山代議士(津嘉山正種)は川辺課長の中学時代の同級生なのである。・・・世間がものすごく狭いのだな。
そういうあまりのファンタジー加減を本庁のエリートが注意するのも定番なのだが、今回の管理官は岡崎(林泰文)だった。
岡崎「なんで上の命令に従わないのです。勘ですべてを解決できるなら誰も苦労はしないんです。古いんだよ・・・あんたのやり方は・・・」
安浦「・・・」
岡崎「しかとかよっ」
まあ、典型的な無能の人が有能な人に叱責されたときに逃避するシステムとしての刑事ドラマなのですね。
殺人連鎖を追ってみましょう。
①益山議員はヤクザを使って詐欺をしている。
②秘書の東田(藤岡大樹)は内部告発をしようとしてネット難民の派遣の殺し屋・遠藤(浜近高穂)に殺害。
③真相に気がついた杉本弁護士を何者かが殺害。
④益山がヤクザの深沢に命じ、深沢が子分の黒沢に命じ、黒沢が手下の土屋に命じて遠藤を殺したところを北原が目撃。
⑤北原は土屋の元の妻でスナックのママ・佐代子(渡辺梓・・・「和っこの金メダル」(1989年)の和子である)の隣室の男で佐代子と交際中だった・・・・うらぶれた「容疑者χ」設定である。
⑥何者かに殴られて気絶した北原が気がつくと・・・手にはナイフが握られており・・・土屋が殺されていたので佐代子と故郷・福島県・二本松に逃亡である。
連続殺人事件の容疑者として手配された北原だったが・・・安浦は「あいつはカッとなるとすぐ暴力をふるい傷害罪の前科があるが人を殺すような奴じゃない」と独自の捜査を開始する。主人公だけに許される論理の飛躍の典型がここにあります。
スナックの女・ノリコ(はるな愛)や離婚した遠藤の妻(クノ真季子・・・黒沢清監督「地獄の警備員」のヒロインである)などの証言を元に真相に迫る所轄の刑事たち。
安浦は北原を故郷で発見するが、ヤクザたちは北原の継母を人質にとって北原を呼び出すのだった。
継母「あの子は来ません・・・」
ヤクザ「それはどうかな・・・」
もちろん、北原は来る。刑事たちと一緒に・・・。
やがて・・・北原と北原の継母の夏江(赤座美代子)との恩讐が語られる。
北原の主張「生みの親である母は・・・夏江に父親を奪われ自殺した」
しかし・・・真相は「北原の実母は男に騙され家出して自殺した」のだった。
北原「知っていた・・・俺は知っていて・・・あんたを憎んだ」
継母「いいのよ・・・あなたにとってお母さんはお母さんだもの・・・いつまでも信じてあげて」
北原「・・・お母さん」
一件落着である。
岡崎「どうして・・・そんなに安浦刑事に都合よく事件が解決するのですか」
署長「・・・そりゃ・・・安浦刑事が主役だからだ」
課長「署長のおっしゃる通りで・・・」
ああ・・・婦人警官ユカ・シリーズはいつ始まるのですかーっ。
関連するキッドのブログ『容疑者Χの献身』
土曜日に見る予定のテレビ『柳生武芸帳』『湯けむりスナイパーお正月スペシャル』(テレビ東京)・・・安浦刑事(藤田まこと)最後の事件か。まさか・・・殉職はしないよね。22年か・・・。
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
キッドじいや、
明けましておめでとうございます。
昨年は、、どうしようと悩むドラマが多かったです。
今年は、悩まず、ラストまで見られるドラマが多い
事を期待します。
今年もどうぞよろしくお願いします。
投稿: mari | 2010年1月 2日 (土) 09時56分
❁~✾~❁~~✾mari様、いらっしゃいませ✾~~❁~✾~❁
あけましておめでとうございます。
妄想宅急便で猫様用おせちスペシャルを
お届けいたしまする。
どうかお試しくださりませ~。
感想に困るドラマ・・・
言いたいことがあふれるドラマ・・・
様々なドラマがございますが
見れてよかった・・・
そういうドラマが一番でございますよね~。
今年もよろしくおつきあいくださりませ。
投稿: キッド | 2010年1月 2日 (土) 20時53分
キッドさん、明けましておめでとうございます。
昨年はトラバをいただいても返せず
そのままご無沙汰してしまっててすみませんでした。
今年の私のブログは…多分、去年とあまり変わらず
思いっきりマイペースな状態になるかと思いますが
よろしかったら、またお付き合いくだされば嬉しいです。
のだめの映画、観てきましたが
コミックのほうは、私も最終巻を買ったまま読んでないんです~。
読んで、終わってしまうのが寂しいような…
映画の後編は今から楽しみなんですけどね~。
投稿: ミマム | 2010年1月 6日 (水) 17時25分
❄~❄~❄~ミマム様、いらっしゃいませ~❄~❄~❄
あけましておめでとうございます。
fc2ブログへのTBが貼れたり貼れなかったり
しております。
申し訳ございません。
すべてのことは
マイペースが一番でございますよ。
何よりでございます。
どんな作品でも
愛着は生じますが
のだめくらいの長さになると
別れが忍びがたいのですな。
作者も人生の何分の一かを
過ごしたわけですしね。
パリにのだめたちが去って
東京組のエピソードも
たまってるでしょうから
スピンオフをお願いしたいところです。
まあ・・・グイン・サーガのように
未完のまま作家が逝去してしまうのも
考えものですけど・・・。
今年もよろしくおつきあいください。
投稿: キッド | 2010年1月 7日 (木) 01時59分