魔女の誕生した日(榮倉奈々)タイガーを否定する男(深田恭子)
さて、カナダのバンクーバーはいろいろと大荒れなわけだが・・・カナダ・・・貧乏国か?
ウインター・スポーツにはなんとなく、ゴージャスな印象を感じる世代なので貧乏くさい冬の五輪って変な感じがする。
まあ・・・天候不良は仕方ないとしても製氷機が故障したり、練習中に事故続出、競技場の設計や整備にものすごく問題がありそうだ・・・。
こうして、おバカの波はゆっくりと世界を覆っていくのである。
中国の旧正月の行事が世界中で行われていることを伝える日本の国営放送のニュースは問題の本質を匂わせているのである。
火曜日のドラマ対決は①「泣かないと決めた日」↘*9.5% ②「まっすぐな男」↘*8.8%
まあ、可もなく不可もないな。
で、『泣かないと決めた日・第4話』(フジテレビ100216PM9~)脚本・渡辺千穂、演出・石川淳一。11世紀のイングランドの伯爵夫人ゴダイヴァは夫レオフリックの蛮行を諌めるために城下を全裸で巡回した。そうすれば夫が行動を改めると約束したからである。伯爵夫人を慕う領民は彼女の辱めないためにすべての窓を閉じてその日を迎えた。しかし、一人、仕立て屋のトムだけは美しい伯爵夫人の裸身を眺めたい一心でこっそりと窓を開け覗き見したのである。たちまち神罰があたり、トムは失明した。それ以来、英国ではのぞき趣味の男をピーピングトムと呼ぶ。
悪魔の紳士・淑女録にその名を止める覗き野郎の日本語版は出歯亀である。20世紀初頭に強姦殺人の容疑で逮捕された通称・出っ歯の亀吉が銭湯の女湯覗きの常習犯であったことからその名が残る。ピーピングトムとくらべたら伝統は浅い。
窃視症は異性などをこっそり覗き見ることで性的興奮を感じる性的倒錯である。それが異常なのかどうかはそれぞれの性的指向の尺度によって変わるだろう。キッドはゾクゾクするレベルである。
覗き屋の田沢(長谷川純)が盗撮映像を性的欲望を処理するために使用しているのかどうかは明瞭にされていないが、某アイドル事務所的には思い切っているというしかない。・・・っていうかこんな役にまで手を広げなくてもいいだろうと思います。
美樹(榮倉)を陥れる罠のために万里香(杏)が同僚のサイフを美樹のバッグに仕込んだ現場を録画した田沢は万里香を脅して「お楽しみ」をしようとほくそ笑む。
しかし・・・田沢は相手が魔女であることを見過ごしていたのである。
田沢から秘密の画像を送りつけられた万里香は凄惨な笑みをもらす。
そしてたちまち・・・田沢の盗撮カメラを発見してしまうのである。
盗撮画像のチェックをしていた田沢はカメラ視線の万里香を発見し、思わず失禁するのだった。そこがトイレなので問題はなかったのだが。
万里香がやってくると室温がたちまち下がるのが分る。
田沢はすでに言い知れぬ恐怖を感じる。しかし、田沢の下半身はいきりたち、万里香の体を求めて田沢の口に脅し文句を喋らせるのだった。
「お、お前の、ひ、秘密を握っているぞ・・・」
「まあ・・・素敵ね・・・どんな秘密かしら・・・」
田沢は背筋が冷えていくのが分る。空気は明らかに低温化し、吐く息が白くなっていく。
「お、お前は、ぬ、濡れ衣を、み、美樹にききき、着せようとしただろう・・・」
「あら・・・それは違うわ・・・私、そのサイフは美樹のものだと勘違いしたんだもの」
「う、うぅぅう、嘘をつつつくな」
「さあ、みんなはどう思うかしらね・・・それより・・・あなたがどうしてそのことを知ったか・・・みんなが知ったら・・・あなたはどうなるかしら・・・」
「え・・・」
「お前はくそったれの覗き野郎ってことになるんだよ」
「そ・・・そんな・・・」
田沢は下半身が凍りついた。
そして、漸く自分の置かれた立場に気がつくのだ。
(オレは・・・カエルだ・・・ヘビに睨まれたカエル・・・もうすぐ食べられてしまいます)
葵井商事は遺伝子組み換え大豆の混入という不祥事により揺れていた。
それは企画本部長・安西(升毅)がライバルの統括本部長・坂東(中原丈雄)を失脚させるために仕組んだスキャンダルだった。
そうとは知らずに失脚工作に加担した美樹の恋人・仲原(要潤)は失意のどん底に落ちる。
そのために冤罪で苦しむ美樹に対するフォローも中途半端になるのだった。
田沢の盗撮映像の中にデータを盗む仲原の姿を発見した万里香は魔女の微笑みをもらすのだった。
すでに悪魔に魂を売り渡している万里香にとって愛するものの苦悩ほど悦楽的なことはないのである。
だから、美樹を苦しめるのは憎しみではないのだ。愛なのである。魔女にとって憎悪は青白く燃え上がる愛そのものなのである。
相変わらずいじめに苦しむ美樹だが謝罪行脚中の坂東と知り合い、「苦境に陥ってもあきらめなければ見えてくるものがある」と励ましの言葉をもらう。
しかし、直後に不祥事の責任をとって自殺してしまう坂東だった。
このドラマは「目を覚まして助かったと思うとそこは地獄」というツイスト(ひねり)の連続なのである。その積み重ねは評価してもいいと思う。もちろん、子供騙しのテクニックですけどね。
その衝撃に酒に溺れる仲原は魔法によって美樹に変装した万里香の甘い罠にたやすくからめとられるのだった。
心の拠り所である仲原の部屋に合鍵でたどり着いた美樹は睦みあう恋人と親友の姿を見て奈落の底に突き落とされるのであった。
その苦しみは万里香に深い悦楽をもたらす。あまりの快感に魔女はうっとりとため息をもらすのだった。
嫉妬により地獄への片道キップを手にいれた美樹は屋上へと向かう。
深遠への特急列車が発車のベルを鳴らす。
魔女の駅員となった万里香はマイクをとりあげる。
「地獄行、最終列車がまもなく発車します。ご利用の方はお急ぎください。当駅では駆け込み乗車を推奨しています」
美樹は暗闇にむかってジャンプした。
もちろん、ドラマなので天使(藤木直人)が待ち構えています。
関連するキッドのブログ『先週の火曜日のレビュー』
で、『まっすぐな男・第6話』(フジテレビ100216PM10~)脚本・尾崎将也、演出・植田尚を見た。古来、英雄は色を好むと言われる。そして、大抵、女性問題で失敗するのだった。上司(宇梶剛士)が愛人を囲っているヤクザな建設会社の社員・松嶋(佐藤隆太)は佳乃(貫地谷しほり)に愛を囁きながら、鳴海(深田恭子)にもちょっかいを出すどこにでもいる女にだらしない男である。
彼にとって大切なのは今の自分を守ること。要するに臆病な小心者なのである。
それを彼自身は絶対に認めない。自分はただまっすぐな男であると信じたいからだ。
松嶋、鳴海、佳乃の三角関係トリオはひょんなことから資産家の吉田(岡本信人)の自殺を食い止める。
自殺をあきらめた吉田は突然、事業を再開し、鳴海を事務員として雇用する。
その頃、松嶋は仕事を大手の建設会社グローバル建設に横取りされ、建設現場の資材盗難対策係を拝命していた。
そんな松嶋に吉田は「警備会社の真似事をするために建設会社に入ったのか」と問いかけ、グローバル建設の人事担当者・成田(小須田康人)を紹介しようとする。
もちろん、「世話になった会社を裏切ることはできない」と松嶋はヘッド・ハンティングには応じない。
そういう律儀さを佳乃は褒め称えるが、鳴海は「自分の心に忠実ではない」と意見するのだった。
そして、成田と松嶋の面談の場を勝手にセッティングする。
松嶋は即座に話をことわるが・・・自分の中に「大手ででかい仕事がしてみたい」という気持ちがあることを悟り、ちょっと意外に思うのだった。
しかし、とにかく勝手なことをする鳴海を叱り飛ばし仲良くホテル前の噴水にはまってしまう。
そのために佳乃は待ちぼうけを食らうのである。
やがて、ヘッドハンティング事件が発覚。
社内で突き上げを食らった松嶋は汚名挽回のために「できることをするだけだ」と建設現場で張り込みを開始する。佳乃はお弁当の差し入れをしてほっこりする二人だった。
景気がいい新興国(中国のことである)で盗んだ資材を売却するためにギャングが出現。松嶋に発見されると大人しく逃げ出すので追いかけっこ開始である。
心配する一同のもとに犯人を自力確保した松嶋が姿を見せて一件落着なのだった。
そして、鳴海は父親の判らない子供を妊娠しているのかどうかもよく判らないのだった。
脚本家・・・疲れているな・・・。
とにかく・・・いつ、まっすぐな男というタイトルが解題されるのか・・・見当もつかない成り行きです。だって・・・主人公はちっともまっすぐじゃないよね。
木曜日に見る予定のテレビ『グインサーガ』(NHK総合)『853』『エンゼルバンク』『7万人探偵ニトベ』(テレビ朝日)『不毛地帯』(フジテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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