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2010年2月18日 (木)

人はいつもとりかえしのつかない決断をし続けると弱虫は言った(菅野美穂)

とりあえずドラマなので何もかも簡単に投げ出すことができるのである。

そういう意味でどんなに評判が悪くてもふてぶてしさを失わない人々よりは清々しい感じがする。

しかし、現実には子育ても家事も夫の管理も姑まかせで家出する主婦とか、弱虫だから警察官僚のキャリアを放棄するプレイボーイとか・・・そういうものの存在感はかなり希薄です。

早い話が早紀(菅野)が恋人、職、家族と次々に失って失うものがなくなったので、今度は璃子(永作博美)に家庭を失わせ、次に藍田(谷原章介)に職を失わせる。

脚本家の何がなんでもリセットしたい願望はほとんど病気と言えるだろう。

この状況で主人公たちが幸せになるというのはかなりリアルではないのである意味、全員自殺エンドとかを考えているのかもしれないな・・・それはないだろう。

だれもが現状にしがみつくのが精一杯の世の中であっさりとそれまでの人生を捨てること。

それがどんなに恐ろしいことなのか・・・注射がこわいレベルじゃないよな。

水曜日のダンスは・・・。

「相棒」15.7%↗17.2%↘17.1%↗17.5%↗17.8%↘15.8%

「検事」*9.4%↘*5.6%↗*6.0%↗*6.4%↘*6.0%↘*5.1%

「曲女」15.4%↘11.0%↗13.7%↘13.3%↘13.1%↗14.5%

ああ・・・ダンスだよね。ムーン・ウォークを決めるんだよね。内容はともかく菅野の女優魂は炸裂するよね。

で、『曲げられない女・第6回』(日本テレビ100217PM10~)脚本・遊川和彦、演出・吉野洋を見た。現実の刺々しさにしっかり向き合って生きているのは誰あろう坂本弁護士(塚本高史)である。それを嫌な奴としか感じられない藍田は彼を幻想のフィルターで悪魔のように感じるのである。戦場で「お互い殺しあうのは無意味じゃないか」と叫びながら塹壕を飛び出し集中砲火を浴びて血煙となって消えるタイプだ。まあ、「宇宙戦争」で言えば火星人に白旗上げて蒸発する神父のようなものだな。

街角で暴漢に因縁つけられたら簀巻きにして橋から吊るしてしまうキッドには想像もつかない軟弱者なのである。まあ、本人が弱虫と自覚しているのだからしょうがないのだが。

警察官僚はリスクヘッジに追われて市民の安全を顧みないという批判的な指摘をしながら、改革の旗手にはならずに離脱するって凄い発想である。

敵前逃亡なのである。

まあ、全軍兵士が全員敵前逃亡すれば戦争終結だが・・・なかなかそうはいかないことはアフガニスタンを見れば明らかだろう。

くよくよしたって始まらない。今を全力で生きるってことは職を辞することとは180度違うってドラマの登場人物に説教してもムダだな。

一方、璃子は夫の浮気を盾に専業主婦の鑑であるビッグ・マザーに反乱を開始するのだが、時給800円のアルバイトでどうやって母子三人生きていくつもりなのか。一生、早紀に寄生するつもりかもなーっ。子供手当て目当てかっ。このご時勢に小学生の娘を持つ母が防犯ブザーを初めて見るなんてどれだけわが子に関心ないのか明らかなのになぜ口先だけは親権にこだわるのか・・・不気味である。

そういう困ったちゃん二人を「友達」という理由だけで温存する早紀。

ついに藍田は早紀を天使として崇拝し始める。

人間が人間を人間以上のものと考えるのはきっと正確な考え方ではないだろう。

璃子は後先考えず、姑をくそばばあ呼ばわりだ。

自分がどれだけダメな妻でダメな母親だったかをなかったことにする気である。

これは危ないね・・・これは危険なドラマだね・・・。

どこかユートピアの顔をしたディストピアに三人はたどりつくね~。

あの娘はこういうんだ

あなたは無責任だって

自分のしたことをなかったことにしようとしているって

でも僕の知ったこっちゃない

僕はただダンスを踊っただけなんだから

そりゃいつも言われてたよ

悪魔はいつでも標的を探してるって

母さんだって言ってたさ

甘い話には裏があるってね

だけどダンスを踊っただけなのに

責任なんてとれないよ

だって僕は永遠の子供

ピーターパンなんだぜ

父親になんかなれるわけないじゃないか

死ぬまでダンスを踊るんだから

とにかく責任をとりたい人はとるべきだ

僕はただダンスを踊りたいだけ

そしてダンスを踊るのさ

世界から見れば僕は悪魔

でも僕から見れば世界は地獄

断言するよ

僕は君なんか知らない

もちろん君の子供の面倒なんか金輪際みないのさ

だって僕はダンスを踊るんだから

一言アドバイスしておくよ

そういう奴もいるってこと

つまり僕みたいなね

だから何かするときにはちょっと気をつけてするといいよ

とにかく、能天気な友達に囲まれて有頂天の早紀ははじめてのお泊りで情熱の赴くままに夜を過ごしたみたいです。

夏木マリが何と言ったとしても失敗すれば失うものもあるし、敗れたら負けってこと。

カーリングだって失投したら勝てる試合も落しちゃうよ。

でも避妊に失敗すれば神様は贈り物をくれるんだ。

・・・それじゃ・・・生まれてきた子供は失敗作なのかい。

関連するキッドのブログ『第5話のレビュー

金曜日に見る予定のテレビ『ヤマトナデシコ七変化』(TBSテレビ)さあ、逆転のチャンスだよ!

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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コメント

藍田の境遇、トラウマに共感できるか否かで
菅野美穂が谷原章介を励ますシーンの
見方が変わってくるのでしょうね。

私はどちらかというと藍田に近いので
結構「励ますシーンが良かったなぁ」と思いました。
(暴漢に対抗し得るとは、お強いのですね。凄いと思います。)

しかし、キッドさんのご指摘どおり
・時給800円で扶養能力が立証できるわけない女
・責任ある立場にも関わらず行動に移さない男
・司法書士への切り替えが望ましいのに求人を他人に回す女
という、あまりにも“現実逃避”した描写には辟易としたのも確か。
もうちょっと前向きな描き方が出来なかったのかなあ、と残念です。

投稿: inno-can | 2010年2月19日 (金) 17時20分

♬♬♬のだめデスヨ♬♬♬inno-can 様いらっしゃいませ♬♬♬のだめデスヨ♬♬♬

高度に発達した管理社会である現代と違い
キッドの幼い頃は
暴力に対する自由裁量度がまったく違いますからな。
親も教育者も体罰が前提です。

早紀は特に訓練しているわけでもないのに
怪力ですがキッドも五歳くらいから怪力でした。
体は標準なので
邪悪な小学生がいじめの対象として
不運にもキッドに手を出して
半殺しの目に合い
親が怒鳴り込んできて
相手が幼児と知って絶句した顔を
今でも覚えています。
小学生の時には
弟を苛めた中学生の家に乗り込んで
泣いて謝るまで締め上げてやったことがあります。
さすがに問題になり
精神修養と称して山(寺)で
修行させられましたが
そこの住職が古武術の達人だったので
山から帰ってきた頃には
小学生だけど人間凶器が出来上がったのです。
ただし、少し大人になったので
すぐには暴力をふるわなくなりました。
ちょうど、その頃、交通事故で
半年ほど寝込み・・・それ以来
乗り物を見ると気分が悪くなるという
弱点も入手したので
人間としてはバランスがとれたような気がします。
だから・・・トラウマという概念は
よくわかります。
もちろん、異常能力者として迫害される気持ちは
最初から痛感してますしね。

まあ・・・そういうキッドから見ると
このドラマは辛い現実と
甘い夢の境界線上のタイトロープを
渡る芸なのでございますよ。

とにかくここまでは
綱の上の早紀を
ドキドキしながら見守るキッドなのです。

投稿: キッド | 2010年2月20日 (土) 02時50分

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