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2010年2月12日 (金)

今夜は帰ります・・・不毛っ(小雪)はあぁぁ・・・地帯っ(唐沢寿明)

意味は深く考えないでください。

ヒント。「だめだって言ってるでしょう・・・もうっ」「そんな~・・・どうしてもしたいのに」

・・・なぜ、ヒントを。

まあ、そういう日に限って、突然、アメリカから海部(梶原善)がニューヨークのメイド(吉行和子)同伴でやってくるなんてことは・・・よくありますな。ま、秘密の交際をしていると間なんて悪くなるものです。

そういう時、人は天から誰かが見ているような気分になりますが・・・気のせいですから。

快楽至上主義にとって良心の呵責や後ろ暗さは甘い媚薬のようなものなのでございます。

なぜなら、この世には神も仏もないのです。

もし、あったら悪魔もいることになり、それはこわいですから~。

で、『不毛地帯・第15話』(フジテレビ100211PM1025~)原作・山崎豊子、脚本・橋部敦子、演出・澤田鎌作を見た。昭和46年(1971年)、日本の総理大臣は佐藤栄作だった。前総理の池田勇人とは政敵だが、池田の病気退陣に伴い後継者指名を受け、昭和39年から続く長期政権を打ち立てていた。この年、自民党幹事長は田中角栄。田中はポスト佐藤の座を確保するために党内勢力の掌握を着々と進めていたのである。

ベトナム戦争の北爆を支持し、中華人民共和国の国際連合加盟に最後まで反対した良識派の佐藤首相は無知ゆえに踊らされた大衆の誹謗中傷やニクソン・ショックに耐えつつ、非核三原則という虚構の盾をかざして、沖縄返還を花道に翌年、総理の座を降りる。

そして、中国は台頭し、米ソ中という新たなる世界三国志の時代が幕をあける。三者の最前線となる朝鮮半島と日本列島は薄氷を踏む思いで冷戦を戦い抜くのである。

一方、国家の枠を越えた多国籍企業もまた独自の世界戦略を明確にしその巨大な姿を現し始めていた。

庶民にとって夢のようなビジネスを展開する壹岐(唐沢寿明)もさらに雲の上の世界からは一匹の無謀な虫のような存在である。

しかし、一寸の虫にも五分の魂があるのだ。

石油資源の確保を目指して、イランの猿なんとか油田の開発に参入しようと考えた壹岐は日本石油公社の貝塚総裁(段田安則)に協力を仰ぐ。しかし、貝塚は旧知の鮫島(遠藤憲一)に情報をもらし、鮫島は根回しによって東京商事30%、神尾専務(名高達男)の五菱商事30%、有田専務(大門正明)の五井物産30%、近畿商事10%という屈辱的な資本配分を押し付けてくる。

自分が主導権を握らなければ成すべきことが成せなくなる・・・と信じる壹岐は逆転の一打を放つべく策略をめぐらすのだった。

そのために壹岐が選んだのは石油開発に実績のある外資との提携だった。

巨大すぎず・・・小さすぎない。

壹岐の意を受けて部下の兵頭(竹野内豊)が選んだのはオリオン・オイル社だった。石油メジャー(国際石油資本)からははずれた独立精神に富んだ会社・・・という設定である。

半世紀に渡って石油を支配しつづけた石油メジャーに対し、資源ナショナリズムが叛旗を翻す直前。それが昭和40年代の後半である。

その熱い欲望の坩堝に壹岐は今や、手をいれようとしているのだった。

デ・・・黄夫人(天海祐希)のコネクションにより、オリオン・オイルとの提携の内諾をとりつけた壹岐は近畿商事内部の意見調整を開始する。

「100億が1000億になる」という話に相場師としての虫が騒ぐ大門社長(原田芳雄)はリスクを冒す腹を決める。

石油開発に連動する鉄鋼部門を統括する堂本専務(浅沼晋平)や予算調達に意欲的な武蔵財務本部長(中原丈雄)の説得に成功すると、期を見るに敏な角田本部長(篠井英介)は自ら壹岐の軍門に下るのだった。

壹岐に対する嫉妬から反対のための反対論を展開する里井副社長は最後まで反対する。

「日本石油公社を敵に回して外資と提携するなんて真珠湾攻撃のような真似をして・・・君は大日本帝国だけでなく、わが社も滅亡させる気かね」

「かって我が国は武力で石油を獲りに行ってしくじった・・・だからこそ今度は平和的に資源を確保するべきなのです」

「社長・・・」

「話は終ったようだ・・・里井くん・・・君は健康問題もあるし・・・のんびりとトラクターでも作ってみんか・・・」

「ええっ」

こうして次期社長候補と言われた里井は社外に追放されたのだった。

「わが手で日本の石油資源の確保を成し遂げる」・・・信念に捉われた壱岐はついに目的達成のためには手段を選ばない冷酷非情な裏の顔をのぞかせ始めるのである。

そして、日本石油公社の妨害に対応するために与党自由党の田淵幹事長に多額の政治献金を行うのだった。

「日本石油公社を敵にするとは・・・君は日本を裏切るのか」

「それは誤解です・・・国際入札ともなれば日本石油公社が必ず落札に成功するとは限りません・・・我々の入札はあくまで安全弁とお考えください。そして幹事長にご指導を賜りたいのです」

「ほほう・・・よっしゃよっしゃ」

こうして・・・鮫島と壱岐のどちらが偉いおじいちゃんか競争は火花を散らして人々を巻き込んでいく。

当然、鮫島は「壱岐のおじいちゃんはダメですね~、日本政府の主導に逆らうなんて~、遺憾って新聞に書かれちゃいましたよ~」と孫に凄んでみせるのだった。

その頃、壱岐は遠い異国の地で眠る戦友たちを思い・・・日本海の彼方を見つめるのだった。

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ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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