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2010年3月22日 (月)

世界で一番鬱陶しいかもしれない男(櫻井翔)最後のカバチ(堀北真希)

母と自分を捨てた父親を心の底から憎む男・田村(無自覚らしい)を演じる櫻井翔。父への憎しみから我を失ってるようにしか見えない展開から一転・・・「相談者の利益を守るためには憎悪する父親に土下座もする冷静さ」を見せる。

いわゆるひとつのどんでん返しである。

実に基本通りの展開なのだが・・・今回はシリーズの最初から少し、役作りが過ぎていたように思う。

力みかえっている設定なのだが・・・どうも毎回便秘に悩んでいるように見えて仕方のない感じなのである。

あるいは便意を我慢しているようなという下品なたとえがピッタリくるような・・・。

もう少し、ラフで肩の力を抜いた演技でよかった気がする。

実は原作の田村はこういうキャラクターなのである。しかし、その顔はうりざね顔で三白眼で半島的である。

丸顔のバンビには似合わないのだな。

もちろん、それはかなり主観的な意見であるが・・・当たらずとも遠からずだと考える。

「木更津キャッツアイ」のバンビの呪いが未だにかかっていてそれが負担になっているとは思うが、それもまた財産だ。今回はその延長線ではなくて真逆のアプローチがよかった気がします。

過ぎたるは及ばざるが如しという言葉を奉げたい。

一方、美寿々を演じる堀北真希は手抜きかと思われるほどの自然体である。

それが美寿々のクールさに実にマッチしていた。役得と言えばそれまでだが、お通じがあってホッとした感が漂うのである。

・・・他にたとえようがないのかっ。

まあ・・・とにかく・・・弁護士みたいなことがしたいなら・・・弁護士のドラマにすればいいのに・・・と最初に思います。最初から最後までほとんどボランティアの主人公なんて悪魔としてはちょっと気持ち悪いので・・・。

で、『特上カバチ!!・最終回』(TBSテレビ100321PM9~)原作・田島隆(他)、脚本・西荻弓絵、演出・加藤新を見た。前回、せっかく追い詰めたマルチ商法による詐欺師グループを悪徳弁護士の介入で無罪放免にされて口惜しさをにじませる田村(櫻井翔)だったわけだが・・・その悪徳弁護士は田村の実の父親の鷲塚(竜雷太)だったのである。

「父親は母親の祖父が法曹界の大物だったことを利用して検事として出世、祖父が引退すると母親と離婚して、今度は政治家の娘と結婚、悪徳弁護士となった出世欲の権化のような男なのです・・・怨まずにはいられないのです」

そんな一人サンダーバード田村の前に「多重債務者救済センター詐欺」の犠牲者・水野(中村靖日)がやってくる。

居酒屋の経営者だが病気のために借金をして返済に追われるところへ妻がガンを発病。「救済センター」を頼ったところ、借金が減るどころか増える結果になったという。

その裏には弁護士の肩書きを盾に私腹を肥やす犬神弁護士(坂口憲二)がいた。前世はドーベルマンである。しかも、犬神は鷲塚の子分なのだった。

返済に苦しむような借金をしてしまうのは人としては困った存在だが、それぞれに事情がある。田村はそういう残念な人々を見捨てずにはいられない博愛精神の持ち主なのである。

借金を一本化するという口実で弁護料金を搾取する犬神の横暴ぶりを告発するために弁護士事務所に殴りこみをかけた田村は例によって業務妨害の罪で警察のご厄介になるのである。

あんなに反省した先週の教訓を一切身につけない男・・・それが田村なのである。

そんな田村に何故か惚れこんでいる美寿々は同行して一部始終を記録、田村を救助する。の・・・バカな子ほどかわいいという理なのである。

もちろん、脚本家がの・・・のくせに・・・とかあんた、バ・・・とか「ドラ」とか「エヴァ」が好きという譲れない一線があるのも確かである。そこにこだわりすぎるから伸び悩むという側面があります。まあ・・・好きなものはしょうがないけど。

結局、行政書士見習いでしかない田村は法律違反の弁護士行為をあくまでボランティアでやり、法律違反ギリギリのビジネスを展開する鷲塚と全面戦争に突入する。

それは巨大組織の鷲塚連合と弱小組織の大野組との抗争に発展するのである。

相談者の水野は和解したいと言っているのに「吐いたツバは飲めない」とごねまくる田村。

大野(中村雅俊)らはそんな田村のやんちゃぶりがかわいくて仕方ないので命を捨てる覚悟を決めるのである。・・・ギャグではなくてそういう筋書きなのである。

「こっちは吹けば飛ぶようなちんけな組だが・・・看板背負っている以上、五分と五分。刺し違える覚悟があれば・・・失うものの多いあんたの損得考えれば勝算はある」

言っていることが極道そのものです。

「ふふふ・・・そこまで言われちゃ・・・こっちの負けだ・・・手打ちにしようや」と鷲塚は金持ち喧嘩せずで和解金を支払うのだった。億単位で稼いだので二、三百万円の出費はどうということないのである。

助っ人として駆けつけた魔王弁護士(大野智)も1シーンで済んだので楽だったと窓から汚れた都会の空を眺めるのだった。

結局、ずっとただ働きを続けるだけの田村の前に検備沢の女神(浅野ゆう子)が現れる。

「あなたが落としたのはどの資格ですか・・・この金の弁護士の資格ですか・・・それとも銀の行政書士の資格ですか・・・それともただの王様ゲームの王様の資格ですか」

田村は迷わず「王様の資格」を選択する。

スナック「女郎蜘蛛」にて。

「は~い、一番の人は王様にキスすること~」

一番の美寿々「田村のくせに生意気よ~」と言いつつ頬を染める。

大野事務所の平和な日々は性懲りもなく続いていくのだった。

関連するキッドのブログ『第9話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『荻野目慶子と杉本彩と賀来千賀子と手塚理美と大場久美子と野川由美子と岡本麗と・・・どんだけ悪女を集めれば書道教授・・・火サスかっ』(日本テレビ)『伊藤歩の記憶の海』(TBSテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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