ドクロにつられて七変化(大政絢)エビフライより君が好き(亀梨和也)
初登場の「スパイダーマン3」の攻撃力はかなりのものだと思うわけだが、「ブスナコ」と言われると破壊神と化すホラー少女と傷心のマザコン青年のハッピーエンドでは最初から勝負にならないという考え方もあるわけで、いっそ清々しいほどの最終回だったな。
とりあえず、大政絢は「クレヨンしんちゃん」でしゃべることができ、ものすごいかかとおとしを披露できたのでよかったと思う。
亀梨和也は二枚目俳優としてまたもキス歴を重ねることができたしな。
これで小中学生の男女は甘い夢を見ることができただろう。
まあ、ある意味それだけの作品である。
で、『ヤマトナデシコ七変化♥・最終回』(TBSテレビ100319PM10~)原作・はやかわともこ、脚本・篠崎絵里子、演出・石井康晴を見た。人々は自分を評価する。過小評価したり過大評価したりする。そういうものは結局、他者の評価との比較の上に成立する。絶対的評価もあって試験結果だとか勝負の成績だとかは歴然としているわけである。落第点をとれば落第だし、2位ならば銀メダルだ。もう少し微妙なものもある。たとえば容姿である。馬子にも衣装で経済力などにより装飾や整形をすれば客観的評価も流動するし、美を相対的なものと考えれば主観的な美で評価のバランスをとることができる。
たとえば、クラスの半分の女の子は自分をある程度美人と考えているし、残りの半分は十人並みでかわいい方だと考えている。基本的にブスはいないというのが前提なのである。
しかし、いつか・・・「化粧なんてどうでもいいと思っていたけれど今夜死んでもいいからきれいになりたい」と嘆く夜を多くの女の子が通り過ぎていく。
そして、驚くようなファッションが生み出されていくのである。
恋愛ドラマの初歩というものはそういう人々に恋愛気分を味あわせることである。
だから・・・愛している人に「ブスだから嫌い」と言われた女の子が眩しいほどの美青年に恋をして愛されるというこの結末は実にストレートな展開なのだった。
まったく文句のない展開で・・・ちっとも刺激的ではないのである。
今回の影の主役は未亡人の美音(高島礼子)である。
美音は恋愛に臆病になっている恭平(亀梨)とスナコ(大政)を結びつけるために余計なお世話をやくわけである。
昔だったらこの手のことはありがた迷惑だったわけだが・・・今でもおそらくそうだと思うが・・・このドラマではそれが恋愛のために必要不可欠な手法のように描かれる。大人が手を貸さないと満足に恋愛もできない子供たちなのである。
だから・・・美音の計略はまんまと大成功を収めるのである。
いたれりつくせりだな。
そんなのせられた恋愛をして楽しいかどうかはそれぞれの恋愛歴によって違うだろうが・・・そうやってお膳立てをしてもらったほうが楽だ・・・という人は増加しているのかもしれない。
しかし、視聴率を見る限り・・・違うような気もする。
かって人身売買の暗黒の歴史を持つアフリカ大陸の男(ダンテ・カーヴァー)が復讐のために人身売買のシンジケートを作り、日本に資源の買い付けにやってくる・・・という趣向をにじませながら、実はスナコを恭平が救出するためのドッキリカメラだというオチは仕掛けとしてあってもいいが・・・問題は・・・そこで語られる美音のお説教である。
美音は勇気を語るために「恐怖」について演説する。
「失ったり裏切られたりすることの恐ろしさより、実際に失ったり裏切られたりすることの恐ろしさの方が恐ろしい」と美音は語り、それが未亡人という特殊な立場・・・愛するものを実際に失ったものとして説得力を持つと考えるわけである。
しかし、実際には恭平は実の母に「お前なんか生まなければよかった」と言われている男である。母親に裏切られた男はその恐ろしさを充分に知っているのである。
美音(つまり脚本家)は「正論」を述べて良いこと言った風になっているのだが、ドラマの流れと恭平の心情を考えると・・・違和感だけが残るのである。
せめて・・・そういう不条理な感じが残る形式で作ってもらいたい。
そうでないとスタッフがものすごくバカに見えますから。
一方、スナコは「闇が怖いのは闇を知らないからで・・・知ってしまえば闇は友達になる」と考える。そこから「光が眩しいのは明るさに馴れていないからで、自分が眩しくなればいつかは馴れる」と新しい一歩を踏み出す。
しかし、「知れば知るほど恐ろしい」ものはいくらでもあるのだ。
たとえば、病気、たとえば、犯罪、たとえば、天災。
恐怖を克服するのは結局、それを乗り越えようとする意志の有無なのである。
それは・・・他人がとやかく言って身につくものではないはずだ。
まあ・・・とにかく・・・全編に撒き散らされるこの説教くささはなんなのだろう・・・。
どうにもこうにもたえがたい。
若い人々の楽しい恋愛はもっと刹那的でいいと考える。
だから・・・動物の骨でアフリカに釣られ・・・ドクロの置物で恭平に唇を奪われるスナコは面白いのである。
ドラマのオリジナル登場人物であるマスター(大杉漣)やタケル(加藤清史郎)もやたらと口うるさくて閉口するけどね。
「勇気、勇気、勇気があればなんでもできる」と語る恭平は最後にエビフライに身がないことを知って激怒する。
その理由は語られないが、1億円の身代金の値打ちのあるスナコは実は貧乏ではない。
あくまで家計のやりくりでヒーヒー言うのが好きなだけの変態なのである。
そういう部分に最後まで手をつけない・・・とりすましたドラマだったなあ・・・と思うばかりだ。
そういうドラマを作るのも別に悪いことではないが・・・それなら・・・この原作じゃなくてもいいのじゃないか・・・という毎回素人みたいなことを言いたい気分になりました。
ま・・・毎週のようなあすなろ抱き、愛のないキスで始めて愛のあるキスで終る・・・最後はみんな仲良し・・・それでよければすべてよしなのです。
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ごっこガーデン。秘密のお楽しみの屋根裏部屋。エリ「お化けもこわいし雷もこわいのでスー。でも一番、こわいのは人間・・・でもそれは人間を知らないから・・・。でも人間を知り尽くすのは無理なのでスー。ということは人間は永遠の恐怖なのでしゅね~。しかし、恐ろしいほど愛おしいものなのでしゅ~。はうぅん」お気楽「バックをとってガイコツで誘導してキス強奪・・・このテクニックを真似しようとすると・・・火傷すると思うのね。スナコのサインは後から前からダブルオッケーってこと?・・・それともSMメガネなの?・・・この配置はシャボン玉ホリデー?」mari「告白して傷つくのがこわいから見てるだけ・・・それもまた人生。でも何かを手に入れようと思ったらすべてを失う覚悟でチャレンジです。特ダネとるのは命がけなんですから~。虎穴に入らずんば虎子を得ずですよ~」まこ「mariさんとスナコペアルックで決めてみました。こうするとどんな衣装もピンクレディーみたいなことになるのでしゅ~。さすがアイドル界の大先輩のイメージの影響力はしゅごいでしゅね。珠緒ちゃんとかまちこちゃんとかお相手が最後に全員集合できないなんて・・・どんな貧乏なドラマなんでしょう・・・そこがいじましくてシュテキ!でしゅ~」
日曜日に見る予定のテレビ『龍馬伝』(NHK総合)『深・ケロロ軍曹』(テレビ東京)『堀北真希の特上カバチ!! 』(TBSテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
ホラー好き少女の大政絢が
だんだん鳥居みゆきっぽく見えてきて
(まぁ鳥居も化粧したら意外と美形ですしね)、
亀梨も結構良い演技をしていたので、
まぁそれだけでも良しとすべきなんですかねー。
何となくチープな話になったのが
製作者の意図なのか、それとも成り行きなのか
脚本家やプロデューサーに聞いてみたいところ。
金10次作「ヤンキー君とメガネちゃん」、
個人的には死亡フラグがビンビンです^^;
ブラッディ・マンデイ2でも大コケなTBS、
コンテンツ制作を捨てて不動産企業にでもなるつもりなのか!と
株主は一喝してあげたらいいと思います。
投稿: inno-can | 2010年3月20日 (土) 22時08分
実は、大政絢は美少女としては
いくつか難のある顔立ちです。
まあ100%の美少女なんていないのですが。
たとえば唇が厚い・・・かもしれないし
同時に大口・・・かもしれない
しかし、逆にそれがセクシーであるとも言える。
このあたりを生かしたメイクというものは
ありますが
このドラマはそこもベタなのですな。
「仁」が成功したように
TBSドラマもまったくの無力というわけではないけれど
結局、層が薄いのですな。
これには
メディアの革新も些少、影響している気がします。
新しいテクノロジーを使えないと無能になる。
しかし、それが使えない才能を
どう再構築、再利用していくか・・・。
ここが補完されていないような気がします。
それがドラマのようなものを
大量生産して
失敗を重ねている原因だと思うのですな。
ブラッディ・マンディ2は
最終回が地下鉄サリン記念日と重複する。
そこから逆算して構築するべき物語。
テロリストに協力して
一般市民の殺害に手を貸したメディアとしては
それだけの気遣いがまずあるべきです。
ところがテロリストの美化という
最悪の結論に・・・。
天晴れなバカですな・・・見事にバカ局ですな。
投稿: キッド | 2010年3月20日 (土) 23時08分
じいやさま、こんにちは!
「売り飛ばすなら俺を売り飛ばせよ」ですって!
さっそく平成財閥オークション隊に頑張ってもらいたいですね~。
もちろん地下に・・・モゴモゴ・・・以下自粛。
そんなわけでKSENPAIの圧倒的演技力が目立ちましたが
世間の評価(?)とは裏腹に
アタシのなかでは成長抜群なのです。
じいやの圧力でSPもシーズン2もヨロシクなのです~。
しかしじいやさまお疲れさまでした。
1週間に2つのごっこガーデンは老骨にさぞや大変だったことでしょう。
さらににまこちゃまのガーデンまでお手入れなされて、
じいやのお年に負けないフットワークの軽さに
尊敬までしちゃいましたわっ。
キャラ的素材的に
ヤマナデは描きやすいものがあったのではと思いますが
いかがでしたか。
ご先祖祭りも終盤ですが
今日は桜の便りもありました。
あったかいおはぎができましたからどうぞ。
お茶をいれますね~。
投稿: エリ | 2010年3月22日 (月) 11時46分
地下のシンジケートでは
様々なものが売買されていますが
お嬢様はけして
手をお出しになりませぬように
お願いします。
買出しリストでご用命くだされば
じいめがなんでも買ってまいりますので~。
亀梨先輩の演技は素晴らしいのですが
帝国のビジネスそのものが
曲がり角に来ているのですな。
今回だって
(月)コードブルー2
(火)泣かないと決めた日
(金)ヤマトナデシコ七変化
(土)左目探偵
(日)特上カバチ!!
とざっと見渡しただけでも帝国系のドラマが
これだけ・・・。
さすがに食傷気味になるでしょうし
シェアの奪い合いが・・・。
せっかくの高級素材も
色褪せて見えてしまう・・・という兆候があります。
まあ、拡大再生産は資本主義の基本ですから
行くとこまで行くしかないのですが・・・。
「ヤマナデ」の場合は
原作がかなり前衛的な要素を含むコミック。
これをかなりお茶の間向けに
アク抜きした体裁になっております。
それだけにごっこの方が
前衛的になっていく・・・というのはありますな。
じいやロウソクなどはその成果でございます。
そういう意味では亀梨先輩は不利ですな。
「コードブルー」の場合は
かっこいいごっこをしたくなるので
かっこいいものがかっこいいままに受け取れる。
二人の先輩の格差は
この流れの差であるような気がします。
まあ、スターの道は長く険しいもの・・・
若い時の苦心が後に役に立つことはございますでしょう。
若い時の苦労は買ってでもしろと申しますしね。
亀梨先輩は教師役とかが似合うような気がします。
そういうこの人にやらせてみたい・・・という発想で
スタッフがドラマを作ってもらいたいですな。
すっかり春でございますな。
桃の花が散りましたので
お庭に千本桜を植えました。
どうぞ、ご鑑賞くださりませ。
じいや特製お重をご用意いたしますぞ~。
投稿: キッド | 2010年3月22日 (月) 13時48分
キッドさん、こんにちは
続けて失礼します。
冒頭のナレーションがコードブルー気味だったり、
大掛かりなどっきりが花男F?と思ったりもしたけれど、
なかなかこのドラマらしい良い最終回だったのではないでしょうか。
帝国の人達は小さいころからダンスをしているので、
立ち回りをさせたら本当に綺麗だなあ、としみじみと感じたり。
独特の華やかさがあるので、荒唐無稽なお話にもあっているような気がします。
中盤あたりは、ばかばかしくて、本当に楽しかったですし。
山下君も「Stand Up!」等を経て現在に至っているので、
5年後くらいには「今思えば、超豪華な出演陣」と言われているかもしれないですね。
そうであってほしいと思います
余談ですが、「カバチ」で「書類作成料しかもらっていません」と聞くたびに、
「書類作成料に上乗せしちゃえば、分からないわよね~」と思ってしまう自分が、
汚い大人だなあ、と嫌になります
投稿: mi-nuts | 2010年3月24日 (水) 11時47分
う~む・・・エビ無しのエビフライかぁ。
これは商売になるぞ!
タコ抜きのタコ焼きに、アンコ無しのタイ焼き・・・
姉妹品も続々登場なのデス!!!
もしもお客が文句を言おうものなら、
大切な人を失くす悲しみに比べたら、
中身がないくらいなんですかっ!と
美音さんに説教してもらえばいいしネ
じいや、毎週のヤマナデごっこお疲れさまでした&



ありがとさんでした
スナコちゃんのおかげで、ゴスロリファッションにも
挑戦できてうれしかったデス
じいやロウソクもH☆Cグッズの中で、人気商品にっ
日本全国のケーキの上で、じいやがドロドロ溶けてるらしいですヨ
投稿: まこ | 2010年3月24日 (水) 16時38分
とにかく、花男とくらべると
原作はものすごく変態的ですからね・・・
これぞ少女マンガの王道を
期待されても困る・・・と思うのですな。
それを強引に展開しようとするので
おかしなことになってると
キッドは思っています。
まあ、それでもみんなががんばって
それなりの作品に仕上げたので
平均視聴率*8.1%と
前作の「おひとりさま」*9.4%から
それほど下げずにすんでよかったと思います。
「神の雫」の*6.1%より
2ポイントもあがりましたし。
まあ、「野ブタをプロデュース。」での共演が
あっていろいろと比較される亀梨・山下ですが
「金八」「ごくせん」とやってきた亀梨は
キャラクターとしては普通の男の子が
合うと確信しています。
一方、山下は「池袋ウエストゲートパーク」
「カバチタレ」と薄倖の美少年キャラなのです。
ある意味、二人のキャラは180度違うのです。
たとえば「ヤマトナデシコ七変化」の
恭平の本来のキャラは
「美貌のために幼児から性的虐待を受け続け
親にも捨てられた高校生」
これを書いただけで山下が演じた方がはまるのは
明らかなのですね。
では亀梨が演じるべきキャラとは何か・・・
と言えば
たとえば「GTO」のような熱血教師
たとえば「踊る捜査線」のような熱血刑事
つまり、まじめでどちらかといえばかっこ悪い
ふつうの男だと思うのです。
そんな男が時々・・・輝く・・・
そういうドラマが亀梨向きだと思っています。
「金八」で「ごくせん」で
「野ブタ」で普通の男の子を演じていたときは
ふつうに人気者だったわけですから。
ちょっと個性的でかっこいい感じであろうとした
「サプリ」「たっ恋」「1ポンド」と
どんどん疲労していったなぁと考えます。
すごく目立たない男であること。
これが一番大切なのですねえ。
まあ、この原作をやるのなら
なんちゃって高校生でやるのが一番だったと思います。
松本潤に出来て亀梨和也にできないことなしです。
少なくとも、そうすれば女性陣も
大政絢世代のピチピチでそろえられたし
男性陣ももう少し華やかになったはず・・・。
カバチについていえば
「カバチタレ」(フジテレビ)のアレンジが
絶妙だったのだなぁ・・・と思うばかりです。
最後までとてつもなく残念な感じでした。
投稿: キッド | 2010年3月25日 (木) 06時09分
まこ様~。まこ様提案のなしなしレストランが
大ヒットですぞ~。
みんな粉物が大好きなのですな。
具がないのなんて気にならないのでございます。
特にプレーンお好み焼きは大人気です。
「ソースがかかってりゃ大丈夫」
まこ様の経営方針がバッチリですな。
しかも料金は具ありと一緒って
まさにやらずぶったくりこそ
商売の基本なのでございますね。
じいや大感服つかまつりました~。
(じいやバカ歳末大売出しレベル)
「中身がないくらいなんですか」美音人形も
好評発売中です。
お嬢様もエリ様のごっこに
積極的に参加いただき
その姉妹愛にじいやうっとりでございます。
(じいやバカ若草物語級)
お嬢様のピンクのロリータのお部屋と
黒のゴスロリのお部屋も拡張しましたぞ。
どちらもロココ調でエレガントムードが
漂っております。
ただしゴスロリのお部屋は
燭台のロウソクが全部じいやロウソクになっていて
ちょっと不気味ですぞ~。
ドロドロ~っと。
投稿: キッド | 2010年3月25日 (木) 06時21分