女の敵は女で女の味方も女・・・男はみんな人でなし(北乃きい)
女流小説家の原作を女流脚本家が脚色である。
次々と惜しい感じの子供向けドラマを送り出したドラマ8枠と続々と残念な感じの大人向けドラマを作り出した金曜ドラマ枠が消滅してNHKは火曜22時に「ドラマ10」枠を新設である。
金10(TBSテレビ)はなんとなく安堵し、火10(フジテレビ系関西テレビ)は戦々恐々のお引越しと言えるだろう。
キッドとしては帰ってきた火曜日のドラマ対決と言う感じ。
その第1弾は「八日目の蝉」*8.2%でスタート。
とにかく金曜ドラマ「シスター」最終回*2.8%、ドラマ8「とめはねっ!鈴里高校書道部」最終回6.2%は上回ってきたのである。
ものすごいネタドラマなので・・・シリーズもの「バチスタじゃなくてもバチスタ」と先行スタート分のリードをどれだけ残すか・・・激戦が予想されます。
で、『八日目の蝉・第1回』(NHK総合100330PM10~)原作・角田光代、脚本・浅野妙子、演出・佐々木章光を見た。過去と未来に二人の女がいる。過去の女は希和子(檀れい)で不倫の果てに愛人・秋山(津田寛治)の妻の嬰児を盗み出す。未来の女はかって盗まれた嬰児であった恵理菜(北乃きい)であった。希和子は恵理菜に堕胎した愛人の子供の名である薫と名付ける。未来では恵理菜は実母・恵津子(板谷由夏)の元に奪還されている。そして恵理菜もまた妻子ある男性・岸田(岡田浩暉)と不倫の果てに妊娠しているのだった。
ドロドロである。
モラルのない知的障害者の話と言ってしまえばそれまでだが・・・人間は「愛に溺れること」をどこかで願望し、憧憬し、賞賛する生き物である。
そのために堕胎したり、嬰児を誘拐したり、幼児を虐待しただけでは死刑にならない法治システムを多くの国家が採用している。
妻子ある男性との不倫の果てに・・・一人の孤独な女は狂乱しつつ生きていくのである。
過去の東京・・・。
社内恋愛で妻帯者である秋山の子を身篭った希和子は「妻とは離婚するつもりだが・・・時期が悪いので堕胎してほしい・・・子供は離婚成立後に再婚して正式に作りたい」という秋山の甘言を信じ、堕胎手術を受ける。しかし、子宮掻爬の後遺症で不妊症になってしまう。
しかし、その後、秋山の妻は懐妊し、出産し、秋山には家庭を壊す意志が全くないことを希和子は秋山の妻の恵津子の口から聞く。
「自分の子供をお腹からかき出すような恐ろしい女が幸福になれるとでも思ったの・・・あなたは身も心もがらんどう(空っぽ)の女なのよ」
恵津子の残忍な言葉に己の愚を悟った希和子は復讐のために生れたばかりの秋山の子供を殺害しようと・・・秋山家に不法侵入する。
交尾のために地上に出た蝉の寿命は短い。それを一週間に例える場合がある。
すでに妊娠能力を失った希和子は八日目の蝉に例えられたのである。
しかし・・・憎悪による殺意は嬰児の無垢な泣き声によって一瞬で粉砕される。
混乱した・・・希和子は喪失した胎児の薫と恵理菜を一瞬で置換する。
ちょっとしたアクシデントで燃え上がる秋山家を抜け出した希和子は発狂しながら街を走るのだった。
聖なる薬局の女主人(あき竹城)は擬似母子である希和子と薫に救いの手を差し伸べる。希和子は哺乳瓶とおむつを得たのだった。
過去の小田原・・・。
希和子は「内縁の夫から逃げてきた」と嘘をつき、親友の康枝(京野ことみ)を頼る。一児の母である康枝は夜泣き対策としてりんごジュースの技を伝授する。希和子は「女の友情」に感謝するが・・・新聞やテレビのニュース番組は「放火犯が嬰児誘拐」と希和子の犯行を報道し始める。
「追っ手がやってくる・・・」希和子は突然、擬似母性に目覚め・・・愛しい男と憎い女の子供をわが子とする妄想に支配されるのだった。
世界が全て敵に見える状況の中・・・希和子は逃亡の旅を続けるのである。
未来の東京・・・。
成長した薫=恵理菜は秋山家に戻っている。
しかし・・・その顔にはただならぬ鬱屈が宿っている。
そして、恵理菜もまた不義密通の関係で妊娠しているのである。
恵理菜は自分の過去の痛ましい出来事を認知していた。
「お父さん・・・私の彼も・・・お父さんと同じで・・・浮気相手の出産を望まないタイプなの」
秋山家の夫婦は言葉を失うのであった・・・。
まあ、猟奇的な物語ですが・・・メロドラマとしては王道と言えます。
どうなるんだ・・・どうなったんだ・・・とお茶の間がそそられることは必至と妄想します。
まあ、ある意味恥も外聞もあったもんじゃないドラマでございます。
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ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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