この世の誰にも優しくして誰より私に優しくして(菅野美穂)高くて硬いハードルが好き(塚本高史)
弁護士を増やしすぎると弁護士の希少価値がなくなり、弁護士がエリートでなくなってしまう。弁護士が少なすぎると弁護士を利用できる経済力が高めになってしまう。そのために弁護士たちは自らの増殖を好まないし、社会は増殖を促す。
「誰もが弁護士を利用できるように価格をダウンさせるべきなのです」と庶民の味方の弁護士が言えば「自らの首をしめるようなことができるか」と高級な弁護士が言う。
大きな社会と小さな社会と個人の三角関係の連鎖はこの世の醍醐味でございます。
水曜日のダンスは・・・。
「相棒」15.7%↗17.2%↘17.1%↗17.5%↗17.8%↘15.8%↗17.2%↗18.1%↗20.4%
「検事」*9.4%↘*5.6%↗*6.0%↗*6.4%↘*6.0%↘*5.1%↗*6.7%↘*5.2%↘*4.8%
「曲女」15.4%↘11.0%↗13.7%↘13.3%↘13.1%↗14.5%↘13.6%↗15.9%↗16.4%
さすがのステップでございます。まあ、「検事」は誰が考えても無謀だったので・・・案の定と言うしかないのですが、プロとプロの殺し合いは本当に容赦ないよね。
「相棒」のスペシャル・ゲストは水野美紀演ずる伊達香警視である。エリート意識によって警察官としての職分を見失い、それを恥じることによって職を失うという悲劇のヒロインである。独立騒動以後はいろいろと苦難しているのだが生まれついての美貌とそれを自分でコントロールしようとする戦いはある意味ベタなのである。健闘を讃えたい。ま、結局、世間は魅力あるものを捨て置かないのだ。
で、『曲げられない女・第9話』(日本テレビ100310PM10~)脚本・遊川和彦、演出・木内健人を見た。わが子よりも他人の子を優先する母親である前に教師の母と他人の命を救うために自分の命を投げ出した父を両親に持つ荻原早紀(菅野)は母親への憎しみと父親への怒りをオブラートに包み、すでに他界した両親に未だにマインド・コントロールされる33才のパラリーガル(弁護士補助者)である。未婚の母として妊娠中の身で10回目の司法試験に挑もうとしているのだ。
早紀の胎児の父親は坂本弁護士(塚本高史)である。早紀が大学四年生の時の一年生で三つ年上の早紀と九年間の交際を経て、四回に渡りプロポーズしているがその度にはぐらかされている。それは早紀が後輩のくせに先に弁護士になった坂本を深層心理で憎悪していることによるのだが坂本は愚か早紀も気付いていない。
坂本は優秀な助手である早紀を頼りにしているし、九年間交際を続けていることが明らかなように早紀を深く愛している。そして早紀を妊娠させるようなことをしているのである。
しかし、早紀は未だに学生気分なのであり、社会人として折り合いをつけようとする坂本の態度を初心を忘れた堕落として激しく糾弾する。しかし、ちょっと頭がおかしいので言っていることは常に支離滅裂なのである。
それでも坂本は社会的地位の優位性で早紀を抱擁しようと努力するが、早紀は自暴自棄の極みを抱えていて坂本の手にあまる暴走をくりかえすのだった。
そんな時、育児放棄、家事放棄の有閑マダムでありながら、専業主婦のエキスパートである姑を憎悪し、夫に無関心でありながら夫の浮気には驚愕する虚言癖のある凶悪な主婦・璃子と再会した早紀は自分の母親を尊敬しない生徒(璃子)がいることにショックを感じ、マインド・コントロールが緩んだことから自我を芽生えさせる。
さらに、エリート警察官僚でありながら、犯罪捜査に一切興味がなく、女色に溺れる破廉恥なプレイ・ボーイ藍田警視正(谷原章介)に誘惑されるが一切興味を示さなかったために逆に藍田の闘志に火をつけるのだった。
三十代を目前に仕事が一つのピークに達する坂本は早紀の公私に渡る支援を求めるが、弁護士になる目的に執着する早紀にはそれが負担となっていく。
やがて、ヒマをもてあました璃子と藍田と基本的にはかまってもらいたい早紀がトリオ・ザ・トモダチという不良グループを結成。愛する女のあまりのノイローゼぶりに坂本弁護士も本来の自分を見失っていくのである。
プロポーズの度に心をないがしろにされ、恋人である自分よりも(友人としての)藍田を優先され、金とヒマをもてあました藍田の容赦ない横恋慕になす術もない坂本は心が折れてついに秘書の横谷(能世あんな)の玉の輿アタックに捕獲されてしまうのだった。
冷静に考えると坂本は人間として何一つ間違ったことはしていないのだが、ただ一点、主人公の暴走に耐えかねて、愛を裏切ったことにより相手役のポジションを奪われてしまうのである。恐ろしいことだな。
そして、お茶の間はいつの時でも馬鹿で愚かで悪質な主人公の味方なのである。源頼朝よりも源義経なのである。
一方、悪友たちの導きで超自我からの支配を逃れた早紀は幼児、児童、生徒、学生、新社会人の精神的成長を半年で成し遂げ、今や、出産間近のシングル・マザーで10度目の司法試験挑戦を最後と決め、町の弁護士事務所の薄給のパラリーガルとして金とヒマに不自由しない悪友たちの支援を受けつつ、母の形見を坂本がプレゼントしてくれたオブジェに飾り、気分転換に坂本の教えてくれたマイケル・ジャクソンのダンスを踊り、坂本不在でもお腹の胎児の父親が坂本である安心感にひたり、実は坂本の愛に満ち満ちて充実の日々を送っているのである。
愛されていながら実際は疎外されているというこの超現実的な展開を悪夢のように感じながら、仕方なく、横谷との結婚に向けて流されていった坂本だが・・・早紀への愛、早紀のお腹に宿っている子供への愛・・・という自然の呼び声にはついに逆らえず、なんとか守ろうとしていた社会人としての矜持も崩壊、全てを投げ捨てて早紀の元へ舞い戻るのである。
早紀は坂本の決断を飛び上がるほど喜ぶのであるが・・・傲慢な超自我は復活を遂げており・・・自分の仕打ちはさておき、一度でも早紀を裏切った坂本を絶対に許さない態度で接するのである。
結婚式を抜け出した坂本に早紀はついに告白する。
「愛している愛している愛しているだけど・・・あなたは私を裏切った」
「だって・・・そりゃ・・・誰だってそうなるだろう・・・」
二人の愛を玩具にしてほぼ破壊したといえる元主婦の璃子と藍田元警視正は本当のデストロイヤー(破壊者)が誰かに気がつくのである。
璃子は有閑マダムでなくなったし、藍田はエリート官僚ではなくなった。そして・・・坂本も大手弁護士事務所のパートナーの座を失ったのである。
藍田「でも弁護士資格は残るよな」
璃子「資格って大事よね・・・早紀が資格にこだわるのってそういうことだもんね」
藍田「調理師めざすぞーっ」
璃子「介護士めざすぞーっ」
二人「お楽しみはそれからだーっ」
二人は根っからの悪なので顔なじみのドタバタを面白がって観察するのである。
とにかく・・・横谷に結婚式での花婿逃亡という事実上の三行半(絶縁状)をたたきつけた坂本は当然、花嫁から平手打ちなのである。まあ・・・結婚前から愛人に子供がいる男は花嫁にしてもかなり厄介なので・・・手打ちにするしかないのである。
「こんなことをしでかして・・・離婚弁護士を目指すつもりなの・・・」
(その手があったか・・・)と小躍りする坂本だった。坂本だって転んでもただではおきないしぶとさを持っている。なにしろあの調子っぱずれな早紀と九年間もダンスをしてきた男なのだ。
笑いたければ笑えばいいさ
泣きたきゃ泣けよ
やりたいときにやるんだろ
おっぱじめるか
しでかすか
とにかくワクワクしてんだよな
もうドキドキして我慢できない感じなんだろ
好きにしてくれよ
好きなようにボコボコにしてくれよ
こんなにがんじがらめじゃ
やられちゃうしかないじゃんか
なんだかんだとお楽しみはこれからだもの
これからなんだもの
さあ
楽しんでくれよ
再び、早紀を追いかけるゲームのスタートラインについた坂本弁護士を従えて、左手に嘘つきの家政婦、右手にストーカーのシェフ・・・お腹に愛しい男の子供、難関の論述試験を突破して、後は口述試験を残すばかりである。最終回にむけて準備万端の早紀だった。
雇用者の中島弁護士(平泉成)は「10年間の努力の成果を見せなさい」と二度言うのだった。
いざ、出陣である。しかし・・・母なる自然の呼び声は陣痛となって傍若無人な早紀に襲い掛かるのであった。
「なにくそ」と世界で一番頑なな甘えん坊早紀は歯をくいしばるのだ。
そうよ 私は
頭のおかしい女
自分のためなら
赤ん坊も泣かすわよ
だけど
世界がひどいことをするのは
絶対に許さない
それをしていいのは私だけ
私の許しがないことは
誰にもしてはいけないこと
私の許しが肝心よ
そうでなければ
誰であろうと
食うべからず
誰であろうと
楽しむべからず
汚職、怠慢、いじめに盗み
もってのほかの人身売買
すべてに私の許可をもとめるべき
なぜなら
私こそがこの世の支配者
私こそが神なのよ
ダンスよ
わが名はダンス
ダンス、ダンス、ダンス・・・
ちなみに今回のMichael Jacksonはwanna be startin' somethin'である。来週はSmooth Criminalと予想。あのゴミ箱にゴミを投げ入れるのはジューク・ボックスにコインのパロディーだから・・・。
関連するキッドのブログ『第8話のレビュー』
金曜日に見る予定のテレビ『ヤマトナデシコ七変化』(TBSテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
相棒は面白かったですねぇ。
大河内監察官が神戸尊の事を
右京に頭を下げて頼むシーンは痺れました。
仕事以外の事で彼が人に頭を下げてモノを頼むのは
初めての事ですからねぇ。
大河内監察官はゲイって設定ですから
神戸に関しては友情以上の思いがあるんでしょうね。
そして「曲げられない女」
この物語は終盤以降の盛り上がりが実にいいですねぇ。
ダンスとかの伏線もさることながら
各キャラが魅力的ですからねぇ。
ホント、最終回に向けて万全の構えでやってきてますねぇ。
ちなみに個人的には早紀みたいな友達でもいいし
メイドでもいいので一家に一人欲しいと思う
今日この頃でございます ̄▽ ̄ゞ
投稿: ikasama4 | 2010年3月14日 (日) 01時12分
✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥
大河内が頼んだ以上
次シリーズの相棒は神戸で決まりでしょうね。
伊達警視の相棒もちょっと・・・魅力だったけど。
元警視になったのでお嫁さん候補の一人か。
博士の元恋人もなかなか渋いしな・・・。
相棒のパートナーも気になるところです。
相棒ワールドよ永遠なれ・・・でございますね。
さて・・・曲げられない女。
璃子のお姑さんと
藍田のライバルとしての坂本。
基本的には全く悪くなく
ものすごくまともなのに
主人公グループの
偏った世界観に
理不尽に破壊されていく・・・
ある意味不条理の物語として
キッドは楽しんでいます。
藍田や璃子が
セリフで「悪」と決め付けているだけで
大きなママも坂本弁護士も
まったく悪くありませんからーっ。
まあ・・・しかし
そういうまともなことが
悪なのだ・・・
というのは
昔からある考え方ですからね。
つまり常識を破るということですね。
キッドはどちらかというと
奇策を好まないので
ものすごく抵抗があります。
平成財閥シリーズとしては
AIDシェフ・タニSHO2010
RICサジマ・スマイルZ
電子辞書カンノ
をセットで妄想販売する予定です。
カンノは暴走するので
はやくもリコール対象か・・・。
平成財閥お見合いセンターに妄想登録なさいますか?
ああ・・・画伯の妄想貯金があれば
どんな美女でも・・・(・∀・)ニヤニヤ
投稿: キッド | 2010年3月14日 (日) 09時53分
キッドさん、こんにちは~♪♪
検索フレーズランキングが
「曲げられない女」で埋め尽くされる毎日ですが、
本日「三浦理恵子」が三位に浮上してきました。
すごいな三浦理恵子。
あとは「ルクルーゼ」も
ほぼ毎日入ってます。
主婦に一番人気のお鍋だそうです。
おフランス嗜好な主婦が多いんだな。
パリ行ってみたいな。
パリに長期滞在ってのを人生の目標に・・・
だから「曲げられない女」。
主人公はどうあれ見てて面白いので
視聴率良いですね。
視聴率良いドラマをレビューしたのは
もうすごい久しぶりです。
アクセス数が素直に反映されるので
世の中のしくみって案外簡単なのかしら、
と首をかしげてみます。
ヤマトの私生活に関する記事を読む読者様は
アクセス数150あってもほんのほんのごく一部。
あとは全部「曲女」と「サヨナライツカ」。
いいけど。べつに。
投稿: ヤマト | 2010年3月15日 (月) 11時56分
☆*⋄◊✧◇✧◊⋄*ヤマト様、いらっしゃいませ*⋄◊✧◇✧◊⋄*☆
キッドは時々、危険なフレーズを
使うので検索ランキングが
とんでもないことになることが
あるので自粛しています。
それ目当てで来る人に申し訳ないので。
三浦理恵子は離婚歴ありネタですね。
わかります。
年末年始は
「花より男子」記事が
ゴシップ目当ての人で
アクセスぶっちぎりましたしーっ。
バカップルに対する世間の注目たるや
ものすごいおバカぶりでございまするーっ。
花の都パリ
南の島バリ
どちらも行ってみたいなよその国ですな。
曲げられない女は人気ですな・・・
どうも浮かれた人々は多いのですな・・・
新興宗教が後を絶たないことが
よくわかる人気ぶりですなーっ。
自分のことは見えないものですからなーっ。
嫁は姑の心知らず
姑は嫁だった頃を忘れる
男と女はエトセトラですなーっ。
まあ・・・ひっそりと
生きることの幸せも大切ですぞーっ。
ちやほやされたってひとときですからなーっ。
投稿: キッド | 2010年3月15日 (月) 20時53分