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2010年3月28日 (日)

もしも愛しい人に大事あったら将軍様でも許しませぬ(成海璃子)

将軍は徳川家斉(第11代将軍在位1787~1837年)である。50年間も幕府将軍の座にあった男だ。その間に50人以上も子供を作っている。

その間、政治家(老中首座)も田沼意次、松平定信、松平信明、水野田忠成、水野忠邦など変遷している。緊縮財政と収賄政治を交互にやるような感じで、改革しては無駄遣い、無駄遣いをしては改革というこの世の春を謳歌したのである。

天保12年(1841年)に家斉が死んでから幕府が30年ともたなかったのはある意味、この家斉のせいだと言っても過言ではない。

大好物は生姜だったと言う。キッドはジェネラル・ジンジャーと密かに呼んでいる。バカ殿そのものであるが、キッドも生姜は大好物なのでなんとなく親近感がある・・・おい・・・。

ま、遊び狂っていたので「大江戸かるた腕競ぺ」を企画してもおかしくないが、おこい(成海璃子)などが御前に出たら夜伽を命じられるのは確実だったと思う。

で、『咲くやこの花・最終回』(NHK総合100327PM0730~)脚本・藤本有紀、演出・佐藤峰世を見た。「ちりとてちん」の脚本家と「篤姫」の演出家である。基本的にのほほんな時代劇だった。そういう意味では地味で・・・中盤はだらだら続いている感じがあります。百人一首のゲーム攻略法として「頭文字」で断定などのテクニックがもう少しあるとよかったと思う。

ライバルもうなぎ屋の娘のおしの(寺田有希)だけでものたりなかった。

江戸中の娘が対決するのだから、旗本の娘とか、吉原の遊女とか、町道場の美人剣士とか予選から決勝まで様々なタイプがいて盛り上げてもいいのに・・・。

一方、おこいの意中の人は仇持ちの浪人・由良様(平岡祐太)である。

濡れ衣を着せて由良の父親を死に追いやった悪大名(寺田農)や悪徳商人(大和田伸也)たちとのからみも暗殺未遂があるもののそれほど修羅場にならないのである。

最後も懐にいれたやおこいのお守りである百人一首の札を刃物と見せかけて悪大名に先に刃傷沙汰を起こさせるトリック。

失脚した大名(架空)が尋常に果し合いを望むと軽くスルーである。

まあ・・・のほほんの限界というか。

師匠にして最後の敵である大奥教育係の花嵐(松坂慶子)がいくら「弱いから負けたのです・・・ただそれだけのこと」とクールに決めてもちっとも説得力がありません。

まあ・・・「命を大切にしよう」の世界では「復讐は無駄なこと」に決まっているわけですが。

見事、仇を討って盛り上がりたい庶民はたまったものじゃありませんな。

『24 ~TWENTY FOUR~』(米国ドラマ)では妻子を殺され復讐鬼となったトニー・アルメイダが地下に潜ってテロリストに接近、黒幕を一撃必殺で殺害しようと試みる。かっての親友・ジャック・バウアーに爆弾を抱かせ仇もろとも吹っ飛ばそうとする刺客魂爆発である。

バウアー「やめろ・・・そんなことをしても誰も喜ばない・・・」

アルメイダ「妻子は死んだ・・・喜ぼうにも喜べない」

バウアー「法に委ねるんだ・・・」

アルメイダ「あんたにだけは・・・言われたくない・・・すまない・・・これしかない・・・の一言で何人殺したんだ・・・今さら・・・腰抜けになったなんて・・・言わせない・・・娘のためにテロリストの逃亡幇助したのはあんただろう」

バウアー「・・・すまない・・・それしかなかった」

まあ、無法者を相手に正義の味方が法令順守する難しさは洋の東西は問わないのですな。

侠客の伝統では一宿一飯の恩義に報いるためにどんな汚れ仕事でもこなすのが義とされるわけで・・・その最高峰が暗殺です。

許されざるものがこの世にある限り、そして法の抜け穴があるかぎり、悪の抑止力としての復讐者は永遠不滅の存在であり、そして誰もがその実行力を心では賞賛することをドラマの世界ではたまにはみせてもらいたいのだが・・・悪法を支配するものはそれを許さないのもまた世の常なのである。

ま・・・おこいがのほほんと幸せになることに異議はありません。

関連するキッドのブログ『第1回のレビュー

月曜日に見る予定のテレビ『パコと魔法の絵本』(テレビ東京)『中山忍の十津川警部43』『ピンポン』(TBSテレビ)・・・「あしたのジョー」がこんなのだったらどうしよう・・・。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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コメント

キッドさん、こんにちは

「咲くやこの花」をとりあげていただいて、ありがとうございます。
旅に出ていたもので、コメント遅くなってしまいました。すみません。
よろしければ、お土産のもみじまんじゅうをどうぞ
右からチーズ味、チョコ味、抹茶味となっております

(「ヤマナデ」とは違う意味で)少女マンガぽくって、私は好きでしたよ。
中盤は、オリンピックやら何やらで休止が多くて、
話も動かなかったのが残念でしたが。
最後は、いきなり門田伯耆守が「龍馬伝」みたいになっていて、楽しかったですわ。
子供と一緒に見れる、との点でもポイントが高かったです。
もう少し歌の解説をしてくれると、なお良かったような気もしますね。

もう春ドラマも始まっていますね。
「やくやもしほの身もこがれつつ」熱いレビューをお待ちしております


投稿: mi-nuts | 2010年3月31日 (水) 14時42分

✭クイーン・オブ・ザ・ランチ✭mi-nuts様、いらっしゃいませ✭親切百回接吻一回✭

饅頭ごちそうさまでございました。

「咲くやこの花」は
和歌の言葉遊びに関しては
なかなか楽しかったですね。

逢ひ見ての のちの心に くらぶれば
        
昔はものを 思はざりけり

権中納言敦忠(43番)

この歌は憧れていたころの恋と
実際の恋をくらべて
より複雑な恋の思いに
ため息をついているような感じですが

キッドは
「見ると聞くとじゃ大違い」といった滑稽な感じを
強く受けるのですな。

何事にも見るものによって
変わる実物があると思うのでございます。

キッドがレビューの中で
ドラマを評価する場合、
主観的にぞっこんのものと
客観的に評価したいもの・・・
こういう使い分けをしているつもりですが
時々、自分でも区別がつかなくなることがあります。
このドラマはそういう種類に属しますね・・・。

春ドラマが素敵であるかどうか
松帆浦の夕凪の渚で佇み待つ私でございます。
ちょっと心配です。

 

投稿: キッド | 2010年3月31日 (水) 17時21分

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