どうして世界は私の理想に逆らうのかと叫ぶ女(菅野美穂)
さて・・・残念なことに最後のMichael JacksonはSmooth Criminalではなかったわけだが、まあ、バッド・エンドでないので当然と言えば当然だ。
だが・・・どうせ支離滅裂な女を主人公に据えたドラマなのだから最後まで殺伐とするべきだったと思うのだな。
手馴れた犯罪の犠牲者は
危険というものを知らないんだ
ドアに鍵をかけたって
ヤツラは窓から入ってくるってこと
床に残された血痕は
彼女が
頭隠して尻隠さずだったことを物語る
それでも彼女は弁護するんだ
悪人なんていないって
それで彼女の安全は保証されたかどうか
確かめてみるがいい
彼女の息が今、あるのかどうか
ベッドにぬくもりが残っているかどうか
ハートがときめいているかどうか
・・・こっちの方がこのドラマのおバカぶりには相応しいと思うのでございます。
水曜のダンスはフィニッシュしているが「曲女」のラスト・ステップは↗18.6%だった。
で、『曲げられない女・最終回』(日本テレビ100317PM10~)脚本・遊川和彦、演出・南雲聖一を見た。ドラマの中の登場人物が喋りすぎて不自然だと思う人は多いだろうが、あくまでドラマなので念のため。ドラマの中で主人公が絶叫しすぎると感じる人が多いと思うがあくまでドラマなのである。ちなみにキッドは実生活では早紀の年齢の頃はこのドラマの登場人物の誰よりも饒舌だったし、常時において早紀よりも絶叫していました。関係者各位に深くお詫びします。まあ・・・とにかく・・・このおかしなおかしなおかしなドラマもめでたく終了なのだな。
19年前の地獄。
荻原義紀(林泰文)「あのここ・・・どこですか」
青鬼「地獄の一丁目だよ」
義紀「ぼ、ぼくはなんか悪いことしたんですか」
青鬼「そりゃ・・・してるだろう・・・幼い子供を残して自殺行為で死んだんだから」
閻魔大王「判決。育児放棄で永久階段落ちの刑に処す・・・」
義紀「そ、そんな~」
半年前の地獄。
荻原光(朝加真由美)「ここは・・・どこなの」
赤鬼「地獄の一丁目です」
光「なんで・・・私が地獄に・・・」
赤鬼「自分の生んだ子供より他人の子供を可愛がった罪は重いですよ」
閻魔大王「判決。実子虐待で永久心臓発作の刑に処す・・・」
光「ええーっ」
現世。
10回目の司法試験で口述試験に到達した早紀(菅野)は受験会場で陣痛に見舞われる。
しかし、「最後なんだから・・・もうちょっと待って・・・ここで待てないような子供は・・・私には必要ありません」と胎児を沈黙させる。
自分の発言に後悔し、受験を断念して病院に向かおうとした早紀だが陣痛が収まったので結局受験をする。
このことは早紀の死後、未成年者に対する強迫行為で地獄行きの決定打になるのだが生者の早紀には知るよしもないのである。
早紀は地獄で「子供がOKした」と主張するが、地獄の科学では脳の発達によって人間が言語を解するのは生後一年以後であることが解明されているため、被告の主張は単なる思い込みであり、子供との意志の疎通は認められなかった。
いずれにしろ、死後の話なので詳しくは記さない。
人間は思った以上に罪深いし、地獄の刑罰は容赦ないことをご理解いただきたい。
とにかく、地獄落ちの罪まで重ねたのに結局、この年の早紀の受験は不合格に終るのである。
10年間努力したことが実らなかった人の失意は大きい。
特に記憶力抜群のタイプだともの凄いダメージだと思う。
しかし、基本的に暗記力と想起力が試される試験を苦手とする早紀はそれほど記憶力に自信がないのかもしれない。
坂本弁護士(塚本高史)「いや・・・って言うより単に本番に弱いんですよ。一問ひっかかるとそれにこだわって絶望したり、参考書を人に貸したらその参考書関連の問題が出たり、試験直前になると体調を崩したり、風邪を引いたり、嘔吐下痢麻疹癇の虫水虫腰痛動悸息切れ眩暈などの諸症状に悩まされたり、結局あがり症っていうか気が小さいっていうか運が悪いって言うか・・・」
藍田(谷原章介)「どうして・・・そこまで彼女のこと知っていて・・・プロポーズに失敗するんだ・・・」
坂本弁護士「さあ・・・脚本家がそうしたいからそうしてるんじゃないんですか」
しかし、口述試験日、早紀は坂本との間に出来た愛娘・灯(浅見姫香)を出産する。
不合格となった早紀は試験前に誓った通りに司法試験をあきらめることにしたのだった。
翌年は口述試験のみで受験できるので関係者一同は再チャレンジを奨めるが一度決めたことを撤回することに異常な拒絶コンプレックスを持つ早紀はなかなかその気にならない。
その「私は悲劇の主人公」的態度に立腹し、藍田はプロポーズのために用意した婚姻届を破り捨て、妊婦仲間の不良主婦・璃子(永作博美)は挑発的態度に出る。
璃子「結局、あんたは投げ出したんでしょう?」
この一言で火がついた早紀は自分がいかに正しいかを延々と演説するが長いので何を言ったのか誰も覚えられないのだった。
とにかく、結論としては「資格がないと社会に認めてもらえないから司法試験に再チャレンジする」と前言を撤回するのである。
やがて、璃子にも元夫との第三子・光(佐藤詩音)が誕生し、璃子は離縁した家族と別居し、通いの母、通いの元姑介護、通いの家政婦をするのだった。
しかし、後に分るのだが夜の生活だけは藍田としたらしい。
まあ、藍田と璃子は最初から息もぴったりだし、趣味も早紀の観察なので・・・ある意味予定調和の世界である。
そして、平成23年、早紀は弁護士資格をついに獲得するのだった。
成長した灯は死んだ光のようにしっかりもので坂本弁護士のように抜け目なく早紀のような力持ちである。趣味は母親の十年日記を盗み読みすることだ。
そして出産直後に認知をした父親に「人の話を聞くのが弁護士の仕事なんだからがんばって」と励ます登場人物の中で一番バランスのとれたキャラクターなのだった。
老人介護施設の食堂で働く藍田は自慢の料理を作り、璃子との間に実子も作ったのである。
そして、荻原・中島法律事務所には夫に内緒で多額の借金を作って離婚沙汰になった旧姓・横谷(能世あんな)が相談に訪れるのだ。
「私のこと爆笑しているんでしょう」
「爆笑とは大勢の人がどっと笑うことなので使い方がまちがっています」
・・・爆笑である。
早紀「だから・・・使い方がまちがっていると・・・」
・・・残念だったね・・・私たちは同時性多重人格なのです。
早紀「まあ・・・」
自分を変えるか
世界を変えるか
結局、どっちも同じこと
自分を変えるためには世界を変えなくちゃならないし
世界を変えるためには自分を変えなくちゃならないの
恐怖と壊れた心は虚しくすれちがう
畏れがあってこそ
心はふるえる
餓えた子供がいるから
食べられる幸せを感じることができる
そのことから目をそらし
人間よりクジラを愛しく思うのは
頭のおかしい証拠なんだ
さあ、見てごらん
鏡に映る人間を
それが誰かを知ることができれば
君は自分と向き合える
そして正直に言ってみよう
誰よりも自分を愛すと・・・
そうすればいい気分
だってそれがこの世の愛の真実だからね
関連するキッドのブログ『第9話のレビュー』
金曜日に見る予定のテレビ『ヤマトナデシコ七変化』(TBSテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
おはようございます。
早紀幼少期=>灯 :浅見姫香ちゃんが印象的で、食いついてしまいました。
なので、最後の3分は、繰り返しで何度見たことやら・・。
吉田里琴の香り・・。ヤバイです。(笑)
>「爆笑とは大勢の人がどっと笑うことなので使い方がまちがっています」
> ・・・爆笑である。
> 早紀「だから・・・使い方がまちがっていると・・・」
うまいなぁ~~ (笑)
共感しちゃったわ~
投稿: シャブリ | 2010年3月19日 (金) 08時35分
▯▯black rabbit▯▯シャブリ様、いらっしゃいませ▯▯black rabbit▯▯
キッドも10年後・・・くらいな感じ
のところから三回リピートしました。
このオマケの部分が
一番自然に楽しめましたものねえ。
ずっといやな人だった人が
実はいい人だったみたいな感じ・・・。
そうですね・・・吉田里琴の感じも
ありますし
千秋みたいでもあり
菅野っぽくもあり
なかなかにハイブリッドな少女です。
まあ・・・ご存知の通りに
実際多重人格なので
そのオチは私たちには通用しないと・・・
素直に思ったのでございます~。
投稿: キッド | 2010年3月19日 (金) 11時19分
キッドさん、こんばんは~♪♪
夕ご飯、オージーのステーキ肉を
塩胡椒で焼いてごはん一膳と食べて、
3時間くらいしたので
キムチでごはん一膳(大盛り)食べて、
今あと何食べようか考えています。
どうしてこんなにおなかがすくのかな。
「曲女」終わりましたね。
うちのミトンちゃんは女性の叫び声がダメで、
毎週水曜日の夜ストレスで可哀想でした。
レビューのため飼い主が繰り返し見たりするので
水曜日の夜ならず可哀想でした。
でもねー・・・
今「罪とか罰とか」見てるのですが、
いろんな女性が始終叫びっぱなしで、
ミトンちゃん寂しがるかもしれないけれど
テレビのない部屋に連れて行こうか思案中。
イマドキ女性が叫ばないとつまらないのかな、
エンターテイメント。
地獄の刑罰・・・
地獄にもまた法があるのだな。
青鬼と赤鬼が弁護士で
閻魔大王が裁判長かあ。
いやだなあ、病気で苦しんでやっと楽になったら
また心苦しいって、いやだなあ。
ふうー、とにかく人生は終わってないけど
水曜日のドラマは終わったのでした。
丁寧にレビューしたつもりだったけど
璃子と光輝の結末に触れていないじゃんね。
だめじゃんね。
まあ次うまく書けばいいか・・・ってもう終わりや。
投稿: ヤマト | 2010年3月21日 (日) 21時55分
☆*⋄◊✧◇✧◊⋄*ヤマト様、いらっしゃいませ*⋄◊✧◇✧◊⋄*☆
食欲中枢の混乱・・・
過食・・・妊娠・・・冬眠・・・
ごにょごにょ・・・。
過ぎたるはおよばざるがごとしですぞ。
と言ったとたんにざるそば食べたくなったら危険信号です。
たる酒飲みたくなったらさらに危険です。
サラダが・・・もういいか。
昨日、お墓の掃除をしたので(一大イベント)
いつになくカロリーが消費され
寿司二人前を食べて
すきやき食べて
とんかつ食べて
カレーうどんを食べて
焼き鳥たべて
おでんを食べて
一日、六食にハッと気がつく強風注意報です。
まあ・・・これは
「特上カバチ」で使う予定のネタですが
玩具のバッジを落としたバンビに
マキマキの女神が現れて
「あなたの落としたのは弁護士バッジですか
それとも行政書士バッジですか・・・」
と問いかけるがごとく・・・
「夫」を落とした早紀の目の前に
愛の女神が現れて
「あなたの落としたのは子供の実の父親ですか
それとも元・警察官僚ですか・・・」
と問われて
「み、未婚の母で・・・」
と即答みたいな・・・。
目の前が真っ暗になるような
理不尽な展開でしたな。
アービングかよっとツッコミたいところです。
結局、早紀は
「えらそうな奴を見るとむかつく」
このどうしようもない衝動に支配された女。
年下のくせにさっさと弁護士になった坂本が
憎くて憎くて仕方ないので
絶対に夫になんかしてやらないという
意地悪をしているのですな。
無自覚のいじめほど恐ろしいものはないのです。
ふふふ・・・地獄の秘密をもらしたものは
地獄行きと相場が決まっているのですが
まあ、住めば都ですとも。
一つの情報から一つの情報を生み出す。
これは文章家にとって基本中の基本。
書いて書いて書きまくるしかないのです。
まあ、キッドの場合は
もっとも愛おしい読者である
自分を満足させるためにですが・・・。
投稿: キッド | 2010年3月21日 (日) 22時49分