泣かないと決めた私(柳沢なな)アフリカで学校を建てる男の妻(深田恭子)
パワハラを乗り越えた女はイタリア出張。社長に説教した男はアフリカ行きである。
日本から世界へ・・・景気のいい話である。
すくすくと伸びていく東京スカイツリーのように不況のどん底にあえぐ経済大国でも稼ぐ奴は稼ぐのである。
そういう夢物語も時には必要なのかもしれない。
しかし、前者は展開の面白さで引きつけ、後者は倍速で飛ばし見したくなるどうでもいい感じが漂う。
火曜日のドラマ対決は①「泣かないと決めた日」↗14.9%(平均11.4%) ②「まっすぐな男」→*9.2%(平均*9.2%)
お茶の間は正直だ思う。
で、『泣かないと決めた日・最終回』(フジテレビ100316PM9~)脚本・渡辺志穂、演出・石川淳一。幼い妹(毛利恋子)は木の上で助けを求め泣いている。梯子が倒れてしまったのだ。幼い美樹(遠藤由実)は大人に助けを求めようと走り出す。それを見た妹は思わず飛び降りる。ドサリと凶悪な音がして・・・妹は不自由な足を得た。
そして歳月が流れた。美樹(榮倉奈々)の妹・愛(川口春奈)は高校生となり、脚の手術をしてリハビリに励んでいる。
不自由な足で過ごした日々は妹の心に影を作ったが、健気な妹は姉を恨みはしない。
しかし、姉の心には妹にわびたい気持ちがあった。
私だけが自由で申し訳ないのである。美樹の心にも影はある。
その影にひっそりと彼女は潜んでいる。
妹から友人へのメール「私の大好きなお姉ちゃんがピンチです」
友人から妹へのメール「まあ、それは大変」
黄昏時。東京駅の新幹線のホームにセーラー服の少女が立った。
「・・・」
黒髪の少女は神秘的な瞳で暗雲の立ち込める空を見る。一羽の黒い鳥が行く手を指し示す。構内の人々は忙しげに行き過ぎる。その人波を縫って少女はすべるように進んで行く。悪魔の邪悪な気配の漂う方角へ。
立花万里香(杏)が召喚技法を習得したのは小学生の時だった。
父親の海外土産の古い書物を読み解いた天才少女は庭に魔方陣を描き、最下級の魔物を呼び出した。ラトル・スネーク(ガラガラヘビ)に似た魔物は万里花の瞳を覗き込んだ。
「わが名はアダマンテ。お前の望みはすべて叶えよう」
万里花の魂の歩みは凍結した。
魔物に守られて成人した万里花の心は小学生のまま、心の檻に幽閉されているのだ。
葵商事・イタリア食品部門の部長・梅沢(段田安則)は出張先のイタリアで古い遺物の封印を興味本位で破壊した。その日から梅沢は鏡に映る自分の顔がトカゲに見えるようになった。
「オレは爬虫類だ・・・爬虫類の王だ・・・ひひひ」
梅沢には聖人によって呪縛された古い魔物が憑依していた。魔物の名は「インベゼル(横領者)」である。
イタリア食品部・食品チームの若手社員・西島(五十嵐隼士)は生まれついての魔物である。母親の不義密通によってこの世に生を受けた西島は嫉妬に彩られたサノバビッチ(牝犬の仔)だった。彼は両生類のカエルの顔を隠し持っている。
午前零時。少女は葵商事の本社ビルの前に立った。カバンの中から魔法のチョークをとりだした。
「エコエコアザラーク、エコエコザメラーク、大いなるものよ、この腕に宿りて、邪悪な吐息を嗅ぐ闇の精霊を導き給え・・・ベールゼブブ ルキフェル アディロンの名の元に集いし悪の使い手を指し示し給え・・・エコエコアザラーク、エコエコケルノノス」
呪文をつぶやきながら、少女は路上に三本の矢印を描く。白い矢印は燐光を放つと身を震わせ、空中に浮揚した。そしてするすると空中に飛び立った。
少女は矢の行方を見定めると口元に微笑みを浮かべた。
少女はビルに歩み寄る。すでに鍵のおりた玄関は少女のためにその扉を開く。
その傍らを巡回中の警備員が通り抜ける。警備員には少女の姿は一切目に映らない。
少女は魔物の気配を探る。
魔物たちが醸し出す地獄の残り香は強烈で気配を探るのは容易なことだ。
少女はしばしば立ち止まっては時を溯上して魔物たちの行動を監視する。
すべての悪事を把握した少女は自らの支配する使い魔たちに仕事を命じる。小さな使い魔たちは忙しく罠を張る仕事を始める。
すべての仕掛けを終えると三本の矢は集結する。それはやがて鱗粉状に姿を変える。
少女はチョークをかざす。
「ザーザース、マルチロルチモン、ナーサタナーダ」
光り輝くものは一瞬でチョークに回帰する。
少女は静寂の中を歩み去る。
美樹はチームリーダーの佐野(木村佳乃)が自宅で自殺未遂をしているところを発見する。たちこめるアルコールの匂いはむせるような濃度である。
驚愕する美樹の耳元で何者かが囁いた。
(落ち着いて・・・電話をするのよ・・・分るでしょう)
美樹は生れて初めて救急車を呼んだ。
救急車の到着を待つ間、イタリア食品部門の統括マネージャー・桐野(藤木直人)にも電話をかける。
「桐野さ~ん、佐野さんが・・・佐野さんがーっ」
「どうした、角田、落ち着け」
桐野は冷静だった。
発見が早かったために佐野は一命をとりとめた。
美樹が企画提出者としてリーダーを務めるフェアの期日が迫っていた。
美樹のリーダーシップで仕事に対する情熱を取り戻した古参社員たちは真剣に企画の成功にむけて努力をする。
ただ一人、美樹に対する激しい嫉妬で目が眩む西島はフェアで使う食材をあえて発注ミスするのだった。当日にあわてふためく人々を見たい一心なのである。
500個を5個に・・・。すべてを百分の一に。
一方、取引先からのキックバックによって私服を肥やしていたことを美樹と佐野によって嗅ぎ付けられそうになった梅沢は社内いじめにより、社を退職した静香(柳沢なな)を利用し、佐野を辞職に追い込もうと画策する。また、美樹への憎悪でストーカー疑惑を捏造する万里花の協力で、美樹を子会社に出向させる人事案を練るのだった。
しかし、見えない矢印に導かれた人々はその悪事を発見するための呪いをかけられているのだった。
佐野と静香の間に存在する感情のもつれを知った美樹は静香を訪ねる。
「私もあなたと同じようにいじめられて・・・一度は死のうとしました・・・でも・・・手をさしのべてくれた人がいて・・・そして・・・気がつくと・・・みんなが苦しんでいる姿が見えてきたのです・・・そして・・・もう一度、生きてみることにしました」
「だけど・・・私には誰もいなかった・・・」
「・・・あなたを苦しめた佐野さんは・・・今ではそのことで苦しんでいます・・・そんな佐野さんを私は必要としているのです・・・私も一人ぼっちだと感じたことがあります・・・でも今は違う・・・きっとあなたにもいつか・・・誰かが・・・」
「・・・」
静香は逃げるように去っていった。しかし、その心にはもはや光の矢が刺さっていたのである。
希望という名の矢は静香の心を蔽う黒い想念を浄化していくのだった。
入院中の佐野を見舞った桐野は佐野の口から社内に不正があることを聞く。
桐野は「部内の不正の告発者」と「社内いじめの責任者」が同一人物であることに気がつくとたちまち陰謀の気配を感じるのだった。桐野の心に刺さった正義の矢は疑惑の目を梅沢に向けさせる。
フェア前日の夜。かっての万引き常習犯だった千秋(片瀬那奈)はなぜか仕事がはかどらないために一人残業することになった。しかし、部内に一人になるとたちまち仕事は終るのだった。千秋の胸には怠惰の覚醒の矢が刺さっているのである。資料の片付けにとりかかった千秋はうっかりと覗き屋の田沢(長谷川純)のパソコンを起動させてしまう。
すると田沢専用監視カメラが立ち上がる。その正体に気がついた千秋はたちまち、田沢の収集したコレクション動画を発掘してしまう。
そこには美樹を貶めるための万里花の行動も記録されていた。
覚醒した千秋は欺かれていた自分に気がつき、羞恥心を感じる。恥じらいの光はたちまち、千秋の心を美樹への愛で満たすのだった。
万里花と結婚しながらどうしても美樹を忘れられない仲原(要潤)は美樹が残業しているかもと思い、食品部門を覗く。そこにいたのは盗撮画像を検索中の千秋だった。
仲原もまた万里花の張り巡らした計略の全貌を知ることになる。
「はめたつもりがはめられた・・・」
仲原の胸には憤怒の槍が刺さっていた。
仲原は自宅に走って戻ると愛妻を罵るのだった。
フェア当日、発注したはずの食材が届かず、蒼ざめる美樹。
しかし、美樹への愛に満ちた千秋は立ちあがる。
「まだ時間はある。やってやれないことはないよ」
夫の暴力に苦しむ琴美(紺野まひる)も美樹に助けられた恩義を感じ同調する。
意地悪な教育係だった早苗(町田マリー)は空気を呼んで先輩二人に同調するのだった。
調理担当のシェフ・中村(今井雅之)は女たちの友情物語愛好家なので協力を惜しまないのだった。
チームの一致団結でフェアは大成功する。
そして女たちの非難の目は男たちに集まる。
千秋に睨まれた覗き屋の田沢は目の前が真っ暗になるのだった。
「目が・・・目が見えない」
田沢の目はカメラになっていた。しかし、電源がないので何もうつさないのだった。
女たちの目は妨害工作をした西島に注がれる。
西島は身が縮む思いを感じるのだった。すると西島は実際に縮小されていった。
驚く女たちの目の前で1/100になった西島はスケールの小さい叫び声をあげる。
「なんじゃこりゃぁ・・・・」
その頃、役員会では梅沢部長が虚偽の告発をしようとしていた。
そこへ、憤怒の騎士となった仲原と正義の騎士となった桐野が飛び込んでくる。
二人は梅沢の不正の証拠を握っていた。
「お前のような奴が会社をダメにするんだ」
梅沢は追い詰められて、顔がにゅっと前に突き出した。
役員室は騒然となった。
梅沢は巨大なトカゲに変身したのだった。
その不気味な姿に二人の騎士が襲い掛かる。
「ダブル・ヒーロー・キック」
本社ビルの窓を突き破り、トカゲは虚空に放出された。
「ウゲゲ」
一声呻いた梅沢は爆発し散華するのだった。
責任者としてフェアの会場に一人残っていた美樹に黒い影が忍び寄る。
「お前のせいで何もかも台無しよ・・・なんで大人しく泣き寝入りしないのよ・・・魔女の私に逆らうなんて百年早いわ」
魔女としての正体をむき出しにした万里花だった。
その前に一人の少女が立ちはだかる。
「お前は本当の魔女ではない・・・」
「なんだと・・・」
「お前は悪魔に憑依された憐れな小学生なのだ」
「なにを言っている」
「おろかなヘビよ・・・元来た場所へ戻りなさい・・・アードナイ、ハーレイツ」
「・・・おっ・・・お前は・・・黒魔法の少女・・・黒・・・」
透明な液体で会場に描かれた魔法陣が輝きとともに出現する。
その中心に万里花はたっている。
「おのれ・・・せっかくの・・・楽しみを・・・あああ」
魔法陣が回転すると万里花からは黒い瘴気がもやとなって立ち上る。
くるくると勢いを増す魔法陣の下に黒よりも黒い闇を湛えた穴が開き、恐ろしい叫び声をあげる異界のものを飲み込んでいく。
そこへ、仲原がかけつける。
すべてが終ると残された万里花は子供のように泣きじゃくる。
少女は仲原を振り返った。
「このものは十年以上も閉じ込められていた悪魔の虜囚です・・・あなたは縁在って結ばれたもの・・・運命を受け入れ、彼女の再生の道を助けなさい」
「・・・わかりました・・・あなたは一体・・・」
「名乗るほどのものではありません。どうせ、すべては夢となりますから・・・」
呆然とする人間たちを残し、少女はすべるような足取りで退場した。
佐野には静香から手紙が届いた。
「私は・・・今、新しい道を探しています。私を必要としてくれる誰かを探そうと思うのです。その第一歩として・・・あなたから受けた仕打ちを許すことからはじめようと思います。それは私が泣かないと決めた日の記念なのです」
故郷の岐阜に戻る愛を母(大塚良重)が出迎える。
母「お友達が迎えに駅まできてくれるって」
愛「知っているよ・・・さっきメールが届いたもの」
二人を見送る美樹の瞳には穏やかな喜びが浮かんでいる。
どこかで・・・愛の呪文を唱えている声が響くのだった。
美樹は目に見えない誰かに感謝した。
すべての道はどこかへ通じているのである。
関連するキッドのブログ『先週の火曜日のレビュー』
で、『まっすぐな男・最終回』(フジテレビ100316PM1015~)脚本・尾崎将也、演出・三宅喜重を見た。松嶋(佐藤隆太)大事なプレゼンの日に貧血で倒れ病院に運ばれる鳴海(深田恭子)・・・仕事を投げ出して駆けつける松嶋。しかし無事だった。
松嶋の抜けた穴は熊沢(田中圭)が埋めたのだった。
社宅暮らしの鳴海は社員夫人同士の交際でものすごくなじめないものを感じる。
なにしろ、風俗あがりの犯罪者なのである。・・・それ以外は何でもやっているとか言っているが嘘ですから。
しかし、なんとか周囲に溶け込もうとお裾分けのクッキー作りに挑む鳴海だが無惨な失敗の上に再び貧血となり入院するのだった。
一方、松嶋は仕事の獲得のために議員の口利きを利用するために1億円の政治献金をしようとする社長(石坂浩二)と対立。
「そんな汚れた金はアフリカの小学校を建てるお金に寄付するべきだ」と怪しい主張を展開する。
こわくなった社長は松嶋に1億円をつけてアフリカ追放を決心する。
松嶋はすぐに貧血をおこして身体に問題のある妊婦を連れて・・・援助がないと小学校も建てられない未開の地域に旅立つ。当然、医療体制はものすごく恐ろしいことになっていると思われる。
熊沢と佳乃(貫地谷しほり)はなんとなく結ばれる。
なんというか・・・最後までとりとめなく、ものたりなさの連続というひどいドラマだったな。
まあ、深田恭子がかわいいから問題ないのだが。
木曜日に見る予定のテレビ『グインサーガ』(NHK総合)『科捜研の女スペシャル』(テレビ朝日)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
「泣かない」は思いの外、面白うございました♪
いや、ここまでハマるとは自分でも思わなかった^^;
イジメ→黒魔術→仲良し物語。。。への展開は、
振り返ってみれば「何じゃこりゃ。。。」ですが、
何だかスピーディに流れて行ったので、色々と
誤魔化されているような気がしつつも、爽やかな
ラストだったなぁ。。。とほのぼのと思い出せるのでした(。-_-。)
「まっすぐ」の方は、スピーディさがない「何じゃこりゃ」なので
視聴者も騙されることなく、イラっと感やモヤモヤ感に
捕らわれつつ、呆気にとられて終わってしまった感じです。
何だかんだ言いつつ、楽しい火曜日でございました(*^^*)
投稿: くう | 2010年3月18日 (木) 00時32分
エンターティメントの魔力の不思議さというか
なんともいえない力が働くのですな。
どこが面白いのかわからないのに
なんだか面白いものと
どこがつまらないのかさえわからない
なんだかつまらないもの
その両極の二本立て・・・
見事なプログラムでございました。
裁かれたものと裁かれないものの
区別もよくわからないし
ひどいことしてたくせに
最後は何事もなかったように
正義の味方。
結局、万里香は奪ったもの勝ちですし~。
キャナメよりもフジッキー入手で
主人公はハッピーなのでいいのか・・・。
みたいな・・・。
まあ、とにかく、
どんな時も希望を失わないことは大事・・・
というメッセージは伝わりましたな。
「まっすぐ」はもう少し
おしゃれなセリフとかで
ふんふんと思わせてほしかったのですな。
最後は意味なくカップルが乱立していましたが
このあたりも
流れで見せていないので
どうでもいい感じに・・・。
まあ・・・スターを集めた
「曲げられない女」と
かぶったのが
最大の不幸かもしれません。
なんだか・・・バッタものみたいで・・・。
もちろん・・・深田恭子はバッチリでしたけど。
貫地谷と佐々木のキャスティングを
入れ替えるくらいの方が
斬新だったかもしれません。
女の友情テイストもいかせたと思うし。
まあ・・・切り捨てるには
惜しい感じがあっただけでもよかったと思うのでございます。
投稿: キッド | 2010年3月18日 (木) 01時33分
>まあ、深田恭子がかわいいから問題ないのだが。
ハハハ、まさにその通りですね!ノープロブレム!!(^0^)
結局、キュートな深キョンが見れるというだけで火10はダラダラ見てしまいました、恥ずかしながら。
でも、どうして佐藤隆太がモテるのかぐらいは説明が欲しかったです。。
ストーリー展開としては火10も中々酷かったけれど、
個人的には火9の方が理解に苦しみますね。
榮倉を起用して、何がしたかったのか・・・。
もはや社内イジメのレベルじゃないだろうッと
言わずにはいられない脚本のお粗末さというか。
スポットCMを見るたびに嫌気が差しましたよ^^;
ちなみに、火9の次は上戸彩×お父さん犬でしたか。
上戸彩、こけないと良いなぁと思います。
一度でいいから主演・上戸彩×脚本・クドカンを
見てみたいです、金曜ナイトドラマで(笑)
投稿: inno-can | 2010年3月18日 (木) 07時40分
『まっすぐな男』を、ウチの父親が「まっスラな男」に題名変えろと。「まっスラ」とは「まっすぐ系のスライダー」なる、野球解説者による造語(笑)。
投稿: 幻灯機 | 2010年3月18日 (木) 20時39分
昔の男のいるバーへ
迎えに来た今の男に
喜ぶ女。
かなり淫靡なシチュエーションなわけですが
それが
深田恭子の演じる天真爛漫な女だと
実に爽やかな感じになる。
それが救いでもあり
ものたりなくもあるのですな。
この微妙なわかりにくさが
すべて裏目に出ている作品だといえましょう。
たまたまストーリーは
「曲げられない女」と
かぶるこのドラマ。
遊川脚本が頑なな女の不幸を描き
「女王の教室」→成功
「演歌の嬢王」→失敗
「曲げられない女」→成功
となっているように
この加減は実に難しいのですな。
「結婚できない男」→成功
以来、当りをひけない尾崎脚本ですが
結局、手探りの作業ですから・・・。
「泣かないでと決めた日」は
ある意味、巧みな脚本とも言えるのです。
そういう些事にこだわらない。
ただただ転がっていく日々。
つまり、現実には主題なんてないだろう・・・。
というニヒリズムに支配された世界の構築です。
まあ、ドラマ作品としては
邪道中の邪道ですが
エンターティメントとしては成立するわけです。
ある意味、北朝鮮が国家として成立するのと
同じです。
「絶対零度」は「1リットルの涙」の演出担当ですが
この人は「東京湾景」とか「恋して悪魔」も・・・。
そうなると脚本ですが・・・
こちらは1話完結なので
複数系。
名のあがる酒井雅秋は
「鉄板少女アカネ」とか「東京DOGS」とか
奇をてらうメイン脚本家の
尻拭い専門の感じのある若手・・・。
微妙におそろしい感じもしますが
腐っても刑事ドラマなので
そこそこなんとかなるかもしれません。
投稿: キッド | 2010年3月18日 (木) 21時04分
ふふふ、野球用語で
ピンとくる種族も減少傾向にありますからね。
まっスラはカット・ファスト・ボールと呼ばれる
変化直球という中途半端な球種。
単純に言えば中途半端な男ということになるでしょう。
その微妙さを脚本家は狙って書いていると
キッドは分析しますが
そのむずがゆさを快感ととらえるか
不快感ととらえるかは
お茶の間との相性。
ここが間違っているのですな。
カット・ファスト・ボールは
昔で言えばナチュラルの一種。
ナチュラル・カーブも
ナチュラル・シュートも
最初は直球の投げそこないから
生れたとされる変化球。
狙って投げるから魔球になるわけですが
この作品の場合は・・・
「失投」と言えるかもしれませんな。
投稿: キッド | 2010年3月18日 (木) 21時20分
『泣かないと決めた日』は筋がどうも性に合わない内容みたいで第一話すら観ていなかったのに、いまごろになってたまたまmiwaの「don't cry anymore」のプロモーションビデオを観て気になってしまって、CD買うかダウンロードするかと思ってはじめて『泣かない~』の主題歌だと知りました。
ちゃんと観ておくのだった…。
ていうかドラマ本体も面白かったみたいですねぇ。カバチに木南晴夏様が出ていることも後から知ってしまったし。ああもう連続テレビドラマの無い世界に行きたい(うそです)。
投稿: 幻灯機 | 2010年3月28日 (日) 23時42分
don't cry anymoreはパンチが効いてますね。
・・・いつの時代の表現だよ。
まあ、今さらですが
キッドのレビューはあくまで
妄想変換されていますので
本編には「黒魔術の少女」は登場しません。
あしからず。
まあ、そういう脳内変換をしたくなる
どす黒さがあったということです。
基本的には万里花は悪の権化のような不気味さを
持っていますし。
一方、あまり美人とはいえない
主人公は四角い顔だけど
独特のかわいさとか
色気を持った女優。
いい体しているのでいじめられっ子というよりは
いじめっ子に見えるのですが
そこがまた逆にいい感じになります。
特上木南は最終的には隼レギュラーのように
登場してましたぞ。
やはり・・・ドラマファンは
出演者チェックはかかせませんね。
ま、キッドの場合、チェック対象者が多すぎて
時々・・・結局全部見るなら
チェックいらないじゃんと
思いますけど・・・。
投稿: キッド | 2010年3月29日 (月) 06時27分